ーカーを退職後、サムスン電子で第一線 棒の製品ばかり。明らかに日本メーカー 二〇〇三年の研究開発費は対二〇〇二年 サムスン電子がきわめて戦略的である の真似と思われるものが多く、デザイン 円に換算すると四三〇〇億円である。サ というのは、こうした技術開発の成果を、 本で商品化されているサイズでは、シャ ムスン電子単体では、売り上げの七・五 ﹁先進的﹂なイメージづくりに、そつくり V、通信、インターネット機器のオンパ も当時のものとしても、まったく価値の 晶テレビなどできるわけはないと言われ %を費やしている。IT不況でライバル の指導に当たっている日本人技術者を何 ました。しかし、いまやわれわれはそれ の研究開発が足踏みしているいまこそ、 人も知っている。 を成し遂げました﹂と陳氏は言った。 ープの37型が最大だ。﹁一年前、54型の液 比で一六%増の四兆三〇〇〇億弓。日本 まずわが国が先行し市場をつくり、次 ライバルとのリードを広げる好機 − な そのまま活用していることだ。それが躍 がる期間がきわめて短い。液晶は九五年 その成果として、業界の覇者にのし上 できない。そうであるなら、やはり先進 良い企業イメージは一朝一夕には構築 能、性能を真正面からユーザーに訴える きちんとオリジナルデザインを考え、機 のは多い︶という程度のレベルではなく、 中国製品で日本のデジタル機器を真似たも レードだ。単にデザインを真似た︵例えば ところが左側の展示品は、先端的なA ないものだ。 に韓国が幕進し、お株を奪うという事態 のである。 参入し、九八年に世界市場一位になった。 的なデジタル製品を次々に開発し、続々 進の第二の秘密である。 は、これまでDRAMとパソコン用の液 ちらもいま、サムスン電子が世界一だ。 〝デジタルの自信″に溢れていた。 晶ディスプレーで、経験済みである。ど テレビ用の大型液晶ディスプレーは、か 携帯電話のCDMAには九六年に参入し、 と市場に送り出すことで、製品力をテコ 言い方をすると、デジタルのメリットを がサムスン電子を飛躍させたのだ。別の この対照は何なのか。そう、デジタル 二〇〇二年には世界三位になった。 にしてイメージを上げるのが賢い。 つて辿った道を繰り返すのか。 アナログ時代のサムスン電子製品はま 最大限に活かしたから、ここにきて飛躍 をなせたのだ。その事実が、広報館の左 右の対比で、もの凄くわかるのである。 ここで半導体と液晶パネルに強いこと が、大いに威力を発揮する。アナログ時 代は付加価値は、メカニズムに入ってい 挙にライバルが手の届かない地平まで先 め手だ。いくらライバルが多くとも、一 改良型製品開発では開発スピードが決 外部からいったん人材を迎え入れれば最 前掲書﹃サムスン電子﹄には﹁李会長は、 り入れるのだ。数百人にも及ぶ日本の技 利用できる知識、ノウハウは積極的に採 ン電子の製品が、左側には現在の製品が 建物の右側には八〇年代までのサムス 成功した。そのことがわかったのが水原 という先進のイメージを獲得することに ネントを機動的に、市況に左右されずに ズムも社内調達が可能。必要なコンポー ディスクドライブ、光ディスク・メカニ 培ってきた技術資産を最大限に活屈する。 工場のサムスン電子広報館を見たときだ。 は、世界一である。そればかりかハード 術者を顧問として高給で優遇し、彼らが 展示されている。右がアナログ製品、左 ムスン電子はDRAM、液晶デバイスで とが、勝つための重要な要件なのだ。サ 瞬間を捉え、逆に﹁デジタルのサムスン﹂ 強いデバイスに、強力な機能を入れるこ たが、デジタル時代になり、機能の価値 つくれなくなってきた 韓国メーカーなしでは、 日本メーカーは戦略製品を 積極的な技術導入も飛躍の鍵である。 ここで象徴的なのは、わが国の松下電 器、ソニーまでが大型液晶パネルでは韓 国頼みという事態にすでになっているこ とだ。ソニーは30型液晶をLGフィリッ プスから、松下は32型液晶をサムスン電 子から購入している。もはや、韓国メー カーなしには、戦略製品がつくれないと いう事態になっているのである。 第一線で指導する 行すれば、そこまでやろうという気も失 高の待遇を与え、最大限活用せよと注文 躍進の秘密の三番目が、マーケティン がデジタル製品と分かれているわけだが、 組み込める。 がデバイス内部にどんどん移動している。 さに﹁安かろう、悪かろう﹂の典型だっ せる。現実にシャープ以外の日本メーカ 左右のコントラストがあまりに強烈なこ グにおける頂上作戦だ。日本市場でのサ の経験豊かな人材の招聴が即効力がある。 た。ところが時代がデジタルに変わった ーの液晶事業は、韓国二社と対抗しょう をつける。迎え入れた優秀な人材をのけ とに驚いた。右側は、はつきりいって箸 他を凌ぐ製品をつくるのには、外部から という構えはもはや、捨てている。 のごとく怒り出す﹂とある。私も日本メ 者にするような事態が発生すれば、烈火 日本人技術者の姿 開発スピードを上げるために、研究開 ヽ 発投資は惜しまない。グループ二七社の
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