第１２章環境保全に関する取組第１節公害防止計画公害防止計画は、環境基本法第17条に基づき、現に公害が著しい地域等において、公害の防止を目的とする地域計画で、都道府県知事が作成するものです。千葉県においては、昭和45年度に「千葉・市原地域」、昭和47年度に「江戸川流域」の公害防止計画が策定され、昭和49年度に「千葉臨海地域公害防止計画」として両計画を統合しました。その後、公害問題の広域化に対応するため計画地域を拡大し、平成24年3月に策定された「千葉地域公害防止計画」では、21市となっています。(図12-1-1-1) 計画地域の実情を鑑み、計画において解決を図るべき主要課題を定めています。(表12-1-1-1) 本計画は、23年度から27年度までの5年間を計画期間とし、27年度末を目途に目標が達成されるよう努めるものとしています。表12-1-1-1 公害防止計画の主要課題項目内図12-1-1-1 公害防止計画策定地域容印旛沼、手賀沼のＣＯ印旛沼、手賀Ｄに係る水質汚濁、窒沼の水質汚濁素およびリンによる富栄養化の防止を図る。東京湾のＣＯＤに係る水質汚濁、窒素および東京湾の水質リンによる富栄養化の防止を図る。また、千汚濁葉港八幡地区のダイオキシン類による底質汚染の防止を図る。地下水汚染トリクロロエチレン等による地下水汚染の防止を図る。 107 第２節環境の保全に関する協定本市では、地球環境の保全に寄与すること、公害の未然防止を図ることを目的として、法令による規制に加え、県・市・企業の三者および市・企業の二者による「環境の保全に関する協定」を締結しています。これらの協定は、本市の公害対策の根幹をなし、排出ガスや排出水について法令より厳しい排出基準を定めるとともに、年間計画書の審査、生産施設の新増設に係る事前協議制度等を規定しており、それぞれ基本的事項を定めた「基本協定」および具体的基準値を明示した「細目協定」で構成されています。三者協定では、平成21年度末が5年毎の細目協定の改定時期に合わせ、近年の環境を取り巻く動向を踏まえ、基本協定についても、35年ぶりに改定を行い、従来から実施している公害の未然防止に加え、「地球環境の保全」を明記し、環境管理組織の充実や住民への情報提供など、地域の環境保全を一層推進するものとして「公害の防止に関する協定」から「環境の保全に関する協定」として締結したところです。なお、二者協定についても22年度に同様に改定しました。(表12-2-1-1、表12-2-1-2) 表12-2-1-1 二者協定締結企業（21社21工場）平成24年4月現在細目協定項目項目地盤大気水質地質騒音悪臭企業名沈下 1 アヅマ㈱〇〇〇〇〇〇 2 ティー・エム・ターミナル㈱〇〇〇〇 ― 〇 3 ㈱金属化工技術研究所〇〇〇〇 ― 〇 4 五井化学精製㈱〇 ― 〇〇〇〇 5 第三化成㈱〇〇〇〇 ― 〇 6 タカラ食品工業㈱〇〇〇〇〇〇 7 多木化学㈱〇〇〇〇〇〇 8 豊橋飼料㈱〇〇〇〇 ― 〇 9 日鐵ドラム㈱〇〇〇〇〇〇 10 日東エフシー㈱〇〇〇〇 ― 〇 11 富士電機㈱〇〇〇〇〇〇 12 ファイル・テック㈱〇〇〇〇 ― 〇 13 不二サッシ㈱〇〇〇〇 ― 〇 14 不二ライトメタル㈱〇〇 ○ 〇 ― 〇 15 ㈱ＭＯＲＥＳＣＯ〇〇〇〇 ― 〇 16 宮地エンジニアリング㈱〇〇〇〇〇〇 17 ライオン㈱〇〇〇〇 ― 〇 18 矢澤光学塗装㈱〇〇 ○ 〇〇〇 19 伊勢化学工業㈱〇〇〇〇 ― 〇 20 サミット昭和アルミ㈱ ○ ○ ○ ○ ― ○ 21 日立エーアイシー㈱ ○ ○ ○ ○ ― ○ 注：〇は細目協定締結項目 108 廃棄物振動〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 ○ ○ ― ― ― 〇 ― 〇〇 ― 〇 ― ― 〇 ― ― ― ― ― 〇 ― ― ― 地球環境〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 ○ ○ 〇〇〇 ○ 〇 ○ ○ 表12-2-1-2 三者協定締結企業（28社30工場）平成24年4月現在細目協定項目基本協定項目項目地盤化学地球企業名大気水質地質騒音悪臭廃棄物沈下物質環境 1 旭硝子㈱千葉工場〇〇〇〇〇〇〇〇〇 2 出光興産㈱千葉製油所〇〇〇〇〇〇〇〇〇 3 出光興産㈱千葉工場〇〇〇〇〇〇〇〇〇 4 宇部興産㈱千葉石油化学工場〇〇〇〇 ― 〇〇〇〇 5 王子コーンスターチ㈱千葉工場〇〇〇〇〇〇〇〇〇 6 極東石油工業合同会社千葉製油所〇〇〇〇 ― 〇〇〇〇 7 コスモ石油㈱千葉製油所〇〇〇〇〇〇〇〇〇 8 キャボットジャパン㈱千葉工場〇 ― 〇〇〇〇〇〇〇 9 昭和電工㈱千葉事業所〇〇〇〇〇〇〇〇〇 10 住友化学㈱千葉工場〇〇〇〇〇〇〇〇〇 11 ＤＩＣ㈱千葉工場〇〇〇〇〇〇〇〇〇 12 ＪＮＣ石油化学㈱市原製造所〇〇〇〇〇〇〇〇〇 13 電気化学工業㈱千葉工場〇〇〇〇〇〇〇〇〇 14 東京電力㈱東火力事業所姉崎火力発電所〇〇〇〇〇〇〇〇〇 15 東京電力㈱東火力事業所五井火力発電所〇〇〇〇〇〇〇〇〇 16 東レ㈱千葉工場〇〇〇〇 ― 〇〇〇〇 17 ＫＨネオケム㈱千葉工場〇〇〇〇〇〇〇〇〇 18 日本曹達㈱千葉工場〇〇〇〇〇〇〇〇〇 19 日本板硝子㈱千葉事業所〇〇〇〇〇〇〇〇〇 20 ＪＳＲ㈱千葉工場〇〇〇〇 ― 〇〇〇〇 21 日立化成工業㈱五井事業所〇〇〇〇〇〇〇〇〇 22 古河電気工業㈱千葉事業所〇〇〇〇〇〇〇〇〇 23 丸善石油化学㈱千葉工場〇〇〇〇〇〇〇〇〇 24 三井化学㈱市原工場〇〇〇〇〇〇〇〇〇 25 三井造船㈱千葉事業所〇〇〇〇〇〇〇〇〇 26 三菱製鋼㈱千葉製作所〇〇〇〇 ― 〇〇〇〇 27 三井製糖㈱千葉工場〇〇〇〇 ― 〇〇〇〇 28 京葉モノマー㈱〇 ― 〇〇 ― 〇〇〇〇 29 市原エコセメント㈱〇〇〇〇 ― 〇〇〇〇 30 ㈱ベイサイドエナジー市原発電所〇〇注：〇は細目協定締結項目 109 〇〇 ― 〇〇〇〇第３節ゴルフ場に関する環境保全協定本市は、都心から近く、緩やかな丘陵地を多く有するなどゴルフ場の立地に好条件を備えていることから、32ゴルフ場33コースが開業しており、その面積は、市域面積の約11％に達しています。ゴルフ場は、地域への経済効果がある反面、開発により広い区域の自然を改変するため、自然の持つ環境保全機能への影響や使用される農薬等による河川や地下水等への影響が懸念されます。そこで、本市では、平成3年12月25日に当時開業していたゴルフ場と、農薬の使用制限、自然環境の実態調査等を主な内容とした「ゴルフ場に関する環境保全協定」（旧協定）を締結しました。その後、新たに開業したゴルフ場と、順次、農薬の使用禁止を義務づけた協定（新協定）を締結してきました。（表12-3-1-1、図12-3-1-1）協定は5年ごとに改定しており、平成23年度は改定時期にあたりました。この改定にあたっては、協定の期間を5年間延長し、平成24年4月1日から平成29年3月31日までとするとともに、地球温暖化対策を推進することを明文化し、現在の環境状況を踏まえた内容へと変更しました。この協定は、公共用水域の水質の保全および自然環境保全のための規定などを強化したものとなっており、現在では32ヶ所のゴルフ場と締結しています。第４節環境影響評価制度環境影響評価制度とは、大規模な開発事業などの環境に大きな影響を及ぼす事業について、あらかじめ環境への影響を調査、予測、評価し、その結果を公表し、市民や団体などから意見を聴き、それらを踏まえて、事業実施による環境への負荷をできる限り少なくするための手続きをいいます。本市では、「環境影響評価法」、「千葉県環境影響評価条例」等に基づき、開発等の事業に係る環境保全について、適正な配慮がなされるよう指導しております。平成23年度は、ＪＦＥ千葉西発電所更新・移設計画に係る環境影響評価準備書について、環境影響評価法に基づく手続きが行われました。 110 表12-3-1-1 「ゴルフ場に関する環境保全協定」締結ゴルフ場（平成24年4月現在） № ゴルフ場名 № ゴルフ場名１姉ヶ崎カントリー倶楽部 26 富士OGMゴルフクラブ市原コース２ CPGカントリークラブ 27 森永高滝カントリー倶楽部３千葉廣済堂カントリー倶楽部 28 オークビレッヂゴルフクラブ４八幡カントリークラブ 29 南市原ゴルフクラブ５大千葉カントリー倶楽部 30 市原ゴルフクラブ柿の木台コース６鶴舞カントリー倶楽部 31 ブリック＆ウッドクラブ７千葉新日本ゴルフ倶楽部 32 セントレジャーゴルフクラブ市原８市原ゴルフクラブ市原コース９源氏山ゴルフクラブ 10 南総カントリークラブ 11 かずさカントリークラブ 12 加茂ゴルフ倶楽部 13 千葉セントラルゴルフクラブ 14 千葉よみうりカントリークラブ 15 市原京急カントリークラブ 16 太平洋クラブ市原コース 17 浜野ゴルフクラブ 18 セントレジャーゴルフクラブ千葉 19 タクエーカントリークラブ 20 ニュー南総ゴルフ倶楽部 21 キングフィールズゴルフクラブ 22 アルカディアゴルフクラブ 23 立野クラシックゴルフ倶楽部 24 米原ゴルフ倶楽部 25 皆吉台カントリー倶楽部図12-3-1-1 ｢ゴルフ場に関する環境保全協定｣締結ゴルフ場位置図注：No1～25は旧協定、No26～32は新協定 111