平成 27 年第 3 回定例会 経済活性化・産業振興特別委員会 平成 27 年 11 月 25 日 西村委員 本日は当委員会、観光振興ということで進めさせていただいておりますが、 質疑に入ります前に早速で恐縮ですが、私どもは議員として、神奈川県の観光 振興ということを常に注視をしておりますし、推進をさせていただいておりま すので、例えば新たな観光の核づくりと言っても、どことどこというふうに頭 に浮かびます。あるいは、第4の国際観光地などという言葉も耳に入ってきて います。かながわシープロジェクトと聞いて、一体どれぐらいの県民の方がぴ んとこられるかなというのが、正直、懸念のあるところです。 本日御説明いただいた中に、5ページ、文化芸術によるにぎわいの創出、マ グカルの展開とありました。果たして、マグカルという言葉をどれぐらいの県 民の方々が、あっマグカルねというふうに気付いていただけるのかなと感じな がら、この質問をさせていただきたいと思います。 マグカルとはマグネットカルチャー、磁石と文化です。神奈川県にある伝統 的な、あるいは様々な文化を正に磁石のように人々を引き付けていこうと。こ れは知事が略してマグカルということで、今訴えをさせていただいているので すが、今後は、こういったシープロジェクトであったり、マグカルであったり、 こういった言葉をより広く県民の皆様に御理解いただけるよう広報にも努めて いただきたいと、要望をさせていただいてから質疑を進めてまいりたいと思い ます。 ところで、今インバウンドということがよく言われます。ここまでも質疑が 出てまいりました。外国人観光客の方々に来ていただいて、たくさん神奈川の 良さを味わっていただいて、お金を使っていただこうということで質疑が展開 されましたけれども、オリンピック・パラリンピック、そしてまた、ラグビー のワールドカップ、また、横浜ではMICE活動も盛んで国際的なコンベンシ ョンも経験をしたと伺いました。こういった方々がそのコンベンション会場だ けではなくて、オリンピック会場やラグビーの会場だけではなくて、神奈川を 広く周遊をし、回遊をし、滞在をしていただくその要素の一つにマグネットカ ルチャー、文化があるのではないかなというふうに実感をしています。特に海 外の方々が興味を持たれるものというのは、やはり日本の伝統的な文化、これ を見たいなと思っていらっしゃる方が多いと思うのですが、去る 11 月7日、伊 勢原市の大山阿夫利神社周辺でリ・古典プロジェクト、この名前もなかなかま だ浸透してないと思いますが、開催されました。名前も浸透しておりませんの で、まずは、このリ・古典プロジェクトは一体どういうものなのか、どのぐら いの方々が参加をされたのか、お教えをいただきたいと思います。 マグカル担当課長 リ・古典プロジェクトと申しますのは、神奈川ゆかりの伝統芸能を、クラッ シック音楽ですとか現代ダンスなどといった、あえて異なるジャンルとコラボ レーションして、これまでとは違った見せ方をして再発信するということで、 リ・古典プロジェクトと申しておりまして、若い方ですとか海外の方など、こ 1 れまで伝統文化になじみのない方々に是非なじんでいただきたいということで、 平成 25 年に神奈川県が横浜でスタートさせた取組でございます。平成 26 年度 は江の島で開催しまして、今年度は委員御指摘がありましたように、大山阿夫 利神社周辺で開催いたしまして、日本舞踊ですとか大山の巫女舞、倭舞といっ た正統の伝統文化に加えまして、相模のささら踊りを若者に人気のラップミュ ージックに仕立てまして、皆様で一緒に踊るというような事業をさせていただ きました。参加人数につきましては、会場の伊勢原駅からバスで 30 分も入った ところではあったのですが、メインの舞台の申込みが 1,234 名の方からお申込 みいただきまして、当日は 674 名の方の御参加だったのですが、周辺企画を入 れますと、大体 1,000 人の方がお越しいただいたというような状況でございま す。 西村委員 実は私も行かせていただいておりまして、ありがとうございました。雨降り 神社の名のごとく、途中から大変な雨が降ってまいりまして、その雨の中をみ んなでレインコートを着て踊りまくったという、そういう企画でございました けれども、伝統芸能、すばらしいのですが、時には退屈に感じてしまうような 場面があるかもしれません。こういう場面を一度味わってしまうと、海外の方 はまた行こうという気にならない、その合間、合間にいろんなアレンジを加え られるというのも一つのアイデアだなというふうに感じながら、私も体験をさ せていただきました。多くの方々でにぎわったという大山阿夫利神社周辺、薪 能でも行かせていただいたことがあったんですが、あのように旧大山街道がに ぎやかだったのは今回初めて体験をしました。いろいろなところで笑い声が起 こっていましたが、これも企画の中の一つだったのかなと思います。関連企画 としてはどのようなものであったのか、教えてください。 マグカル担当課長 主な関連企画といたしましては、現在、六本木で大変人気の、若者を中心に 人気を集めていますスイッチ総研という若い演劇集団があるのですが、その方 たちが大山のお豆腐屋さんですとか宿坊ですとか滝ですとか、そういった名所 にスイッチを置きまして、通りがかった人がそのスイッチを押しますと、コミ カルな寸劇が行われて、皆様とても喜んでいただいたというのがございました。 これを旧道街道沿いに6箇所ほど実施しましたところ、今、委員のお話にもあ りましたように、後日、商店の方から、旧参道があれほどにぎわったのは、何 十年ぶりかではないかというような御感想も寄せられたというところでござい ます。 またメインステージの参加者の方々に、昔から大山神社に奉納されました納 太刀という木製の刀を模した小さな絵馬のようなグッズを配らせていただきま して、これを半分に割って、片方は神社に納めていただき、もう片方は、伊勢 原市内の商店会の方に提携をさせていただきまして、それを提示していただき ますと、伊勢原市内提携商店でお食事のサービス 10%引きですとか、ちょっと したドリンクサービスといったようなものができるということで、これもお喜 びいただいたというふうに聞いております。 西村委員 2 納太刀というのは、本当は納めなければいけなかったんですね。私の願い事 はかなわなかったかもしれませんけれども、こういった企画を楽しみながら、 また、伝統的な芸能にも触れていただくというのは、大変貴重な企画だと思い ます。そしてまた、気になったのが、様々年齢層の方が来ていらっしゃるなと いうのを、実感をさせていただきました。特に当日、恋カナツアー、恋カナと 書いたバッジをつけた若い男女に遭遇をいたしました。このイベントを中心に した旅行ツアー、どういったものがあったのか教えてください。 マグカル担当課長 県では今年度、地方創生交付金を活用しまして、結婚に関心のある 20 代から 30 代の独身男女を対象に、恋カナツアーという、今委員がおっしゃられた出会 いの場を提供する、男女 15 人ずつ 30 人定員の県内各地を巡るバスツアーを実 施しておりまして、このコースの一つとして、今回このリ・古典プロジェクト をメインとした鑑賞ツアー、プラス豆腐料理も味わっていただこうというよう なツアーを実施しましたところ、約8倍の 237 名のお申込みがありまして、ま た、当日 30 名の方に、大変喜んで帰っていただいたというような状況でござい ます。 また、その他にもやはり国の交付金を活用しまして、リ・古典の当日に、新 型ケーブルカーと大山阿夫利神社正式参拝、料理自慢の店で名物豆腐懐石の昼 食という、埼玉からのバスツアーを計画いたしまして、これも 13 名の方ですけ れども、御参加いただいたと聞いております。 西村委員 ここまで、このリ・古典プロジェクトを活用した一つの、いわば大きな盛り 上がり施策ということで伺ってまいりましたけれども、二つの考え方があると 思います。神奈川県全域いろいろなところで、このリ・古典プロジェクトのよ うなことを展開をしていく、そして、様々なところに火をつけていくという考 え方と、1回やった大山阿夫利神社あるいは江の島、こういったところ定着型 で、せっかく新たな産業観光の核としていこうと思っているところは特に力を 入れて、何回かリピートをして開催をしていくという二つの考え方があると思 うのですが、このことについては、どのようにお考えでいらっしゃいますか。 マグカル担当課長 実は、このリ・古典プロジェクトと言いますのは、文化庁の補助金を活用し て、これまで3年間、横浜、江の島、大山と開催をさせていただいたのですけ れども、委員御指摘のとおり、一過性のものにしないためにも、すでに実施し た市町村においてその成果を踏まえていただいて、引き続き伝統文化を生かし た事業を実施するように働き掛けていきたいと考えております。例えば江の島 で実施したプログラムの最後に、やはり相模のささら踊りをモチーフにした現 代ダンスを制作しまして、皆さんで踊っていただいたのですけれども、それを 今年度また、これは藤沢市さんの主催の相模ささら踊り大会でも活用されたと 聞いておりまして、少しずつ定着をしているのかなと考えております。 このようにすでに実施した地域あるいはこれから実施していく地域を点から 線へ、あるいは線から面へというように広げていきまして、できれば、ラグビ ーワールドカップあるいはオリンピック・パラリンピックに向けて、県内各地 3 において、海外の方にも伝統芸能に親しんでいただけるような取組ができれば というように考えております。 西村委員 マグカルの取組は、リ・古典だけに限ったものではないと思います。先ほど もお話をしましたオリンピック・パラリンピック、オリンピック憲章はスポー ツの祭典ではなく、実はこれ文化の祭典であるというふうに位置付けていて、 文化庁は、日本全国で 20 万件の文化プログラムを打っていこうと打ち出してい ます。これからますますマグカルが大きなマグネットの力を使っていかなけれ ばいけない、発揮をしていかなければならないと考えるのですが、今後このマ グカルの取組、どのように進めていかれるお考えでしょうか。 マグカル担当課長 2020 年のオリンピック・パラリンピック、あるいは 2019 年のラグビーワール ドカップ、これは横浜市で決勝戦が開かれるというように決まったところです けれども、そういったことから海外から多くの来県者を迎えることになります ので、特に、すでに今、神奈川県内では様々な文化芸術事業が取り組まれてお りまして、こういった県内の市町村での取組あるいは民間団体の取組、こうい った取組と連携、協力しながら、それぞれの事業をブラッシュアップして、オ ール神奈川体制で進めていかれればというように思っております。 そのためには、海外の方の関心が特に高いと思われる伝統芸能をリ・古典の ように見せ方を工夫しながら披露するとともに、神奈川でしか見られないよう なオリジナルなコンテンツも充実させていって、県全体が文化芸術で満ちあふ れているというような、神奈川の魅力を発揮できるようなマグカルの取組を進 めていきたいと考えております。 西村委員 外国人観光客の集約、これは神奈川県だけが目指しているものではありませ ん。日本中の全ての都道府県が今来てくれということで、いろいろな政策を練 っているわけです。一つの大きなポイントとして、ターゲットを絞るというこ とが挙げられると思います。とにかく来てくれという考え方だけではなく、ど ういう方に来ていただくのか、こういった文化のコンテンツを発信することに よって、神奈川県が持つ文化、神奈川県が持つ歴史を愛してくださる方、リピ ーターを増やしていく、こういう政策に結び付けていかなくてはならないので はないかなというふうに私は考えているところです。そのためには、地域の皆 様が掘り起こしてくださったその地域の文化を教えていただく、私どもも聞い ていく、こういう体制が必要かと思います。今後、知恵を絞って、まちづくり と活性化のために新たな展開をしていただけますようお願いを申し上げまして、 私の質問を終わります。 4
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