平成18年3月9日 最終講義 私の履歴書 東北大学 大学院理学研究科 三上直彦 はじめに 東北大学に居座り続けて 気がついたら 45年もの歳月が流れていた そのときどきに 何を思い 何をめざしていたか 大学以前(~1960) ● 転勤族の父 郷里は宮城県古川市だが、大分生まれ、 引越、転校;就学前3回、小学校4回、中学1回、高校1回、 大学は、昭和36年(1961)の入学以来今日まで不動 ● 熊本(中学) 昆虫少年 阿蘇の草千里、牛馬の糞=糞虫類の宝庫 クヌギ林=ミドリシジミ蝶(ゼフィルス*)類の棲家 *「そよ風」の意味のギリシア語 ● 札幌(中学、高校) ハム少年=アマチュア無線マニア(寒くて昆虫が少ない) 東通工のトランジスタ、ゲルマニウムが販売 V溝式ステレオLP・EPレコードの販売開始 アマ無線やオーディオのマニアとして電気工作に熱中 ● 仙台(高校) 札幌南高から仙台二高へ転校 小林秀雄、丸山真男等に心酔し、 “ジャーナリスト”を志すも、やはり、理系に転向する 東北大学理学部・教養部(1961) 昭和36年(1961)理学部入学=当時は、系別入試でなかった ● 数学=遠山啓の「数学入門」「無限と連続」などを読み、挫折する ● 物理=湯川秀樹(1949)ノーベル賞、 しかし、理論物理に数学は必須 素粒子実験=当時流行した“ビッグサイエンス”は嫌い ● 生物=分子生物学の胎動を知らなかった DNA2重らせん論文(1953)は出ていたが ワトソン・クリック・ウィルキンスのノーベル賞は1962年 ● 地学=八木健三教授(当時教養部地学教授、現東北大・北大名誉教授) モホール計画(マントル掘削国際共同計画)、 キラウエア火山に始まるプレートテクトニクス説 に惹かれるも、体力勝負は不向きと断念 ● 化学=個人研究であることに魅力 → 学部進学を決める(定員36名)* * 次年度(S37)化学第二学科創設 学部進学(1963) ● 有機化学=中西香爾教授、向井利夫教授 有機電子論の全盛期だが、全く理解できず ● 無機・分析化学=岡好良教授、田中信行教授 緻密な分野は苦手 ● 物理化学=小泉正夫教授:光化学の創始者 光合成反応機構解明を目指して溶液反応解析 安積 宏 教授:分子構造・結合論 分子の電子スペクトル解析による電子構造研究 “光合成反応機構の研究をしたいが、 分子構造や電子構造が不明では、 物性や反応が理解できるわけがない” ひとり合点して、 当分は、構造論・結合論を勉強しようと決心し、安積研究室へ配属 そのまま今日まで来てしまった・・・ 安積(宏)研究室(1964~9) ● 当時の尼子助教授(後に教養部教授)の講義 4年生の勉強会で、Diracの「量子力学」 物理学科の森田章教授の「量子力学」や「電磁気学」の講義を無断受講 ● 分子性結晶の偏光電子スペクトル測定に熱中=卒論研究 結晶中の分子は、きちんと整列しているので 「分子を捕まえて、自白させる」刑事の気分であった ● 私の分光学事始 =微結晶偏光スペクトルの極低温顕微分光装置開発= 4.2 Kの極微小単結晶電子スペクトル計測に成功 (本邦初、でも世界レベルからは10年遅れ) ● ガラス工場にガラス旋盤が始めて導入(当時の工場主任=安積教授) 早速、一晩で液体ヘリウムデュワーの設計図を書き上げて、菊池技官へ無断注文 後日、経緯を知った先生からはお咎めを受けず=無謀な学生の一念を容認 ● 昭和44年3月の安積宏教授ご退官と入れ替わりに、助手として採用 安積宏先生から得た教訓 「教授は学生の自由発想を受け入れる度量を持つこと」 伊藤光男研究室の開始(1970~) ● 昭和44年(1969) 全国の大学=学園“紛争”の嵐 東北大学では青葉山移転問題に端を発する学生“闘争” 川内の旧教養部事務局封鎖、入学式粉砕、ゲバ棒、ヘルメット ○ 片平キャンパスも大騒ぎ=街頭デモ、機動隊との攻防の拠点 騒動を通じて“いわゆる大学人”の実態を看破 =危機的状況時に人の本性が現れる ● 伊藤光男教授担当開始=正式赴任は昭和45年1月、 同時に、化学教室の青葉山への移転開始 ○ 茅助教授(現・理化学研究所 所長)と 窒素レーザー製作 ○ 翌年、宇田川助手(現・本学多元研教授)が参加して 第一期伊藤研の確立=共鳴ラマン分光研究(1971-75) ● レーザーの可能性に魅了=KBr 結晶の2光子現象を実体験 ○ 勝手に色素レーザーを自作して、2光子蛍光分光計測法の開拓 UV吸収スペクトルの裏側を観測(赤外・ラマンの交互禁制則と同じ) ○ 極低温ナフタレン結晶の2光子蛍光励起スペクトル(1975~6) R.Hochstrasser (Penn U) と先陣争い(-3年);極東からの衝撃 研究者としての一歩 ● アカデミックな研究の面白さ =自己発想の自由展開(昆虫少年やハム少年と同根) 他人よりも先に自然の一部を発見したり、 より深く遠くを知ることへの本能的快感=好奇心 ただし、 郷里の祖母:“その研究は何の役に立つの”という 素朴な質問に、上手な解答が出来なかった ● 当時、公害問題などアカデミズムの社会的責任増大の時代だが 好奇心の趣くまま、新規手法の開拓のみに興味があって、 研究成果発表を重視しなかった しかし、Prof. Hochstrasserとの論文先陣争いを通じて、 好奇心のみでは研究者として生残れないことを勉強した アメリカ留学(1976-78) ゴードン・コンファレンスに初参加(1976) レーザー分光に関する革命的方法論の発表 1)超音速ジェット法、2)共鳴多光子イオン化法 ● ● そのまま、アメリカ留学滞在(2年3ヶ月) 当時、米国に対する興味や期待は薄かったが、滞在してみたら、 研究視野の広がり、研究行政や組織体制、教育システムなど、 学ぶことが限りなくあった(日本での適合性は別問題であるが、) ○ はじめは、ノートルダム大学・放射線研究所で博士研究員(Post Doc) 全米で最も美しいキャンパスの一つ:フットボールなどスポーツで有名 ○ 放射線研究所(Radiation Laboratory):光科学分野では国際的に有名 R.W.Fessenden(パルスESR) J. K.Thomas(レーザーフラッシュフォトリシス) (古くは、東大・物理化学 水島三一郎教授らが留学) ○ 研究上のボスが解雇され、 半年後には路頭に迷う 連邦政府エネルギー省所轄: 連邦政府の行政改革の一環で,カーネギー大学 メロン研究所との再編期に遭遇、新所長(R.H.Schuler)によるリストラの嵐 シカゴ大学へ(1977-78) ●14通の応募レターを全米に出す 3通の返信 Chicago 大学から契約のオファー ● Univ. of Chicago=分子分光学、分子軌道論、物性論の最大拠点 D. Levy, K. Freed, S. Berry, Y.T. Lee, …… R. S. Mulliken, C. C. J. Roothaan, ….. U. Fano, E. Fermi, …. ● Stuart A. Rice ( Prof. of Chem. Dept., and James Franck Inst.) ・23歳でハーバード大学の PhD を取得、 ・25歳でシカゴ大学の正教授に就任、(現在74歳で最先端研究を継続中) ・統計量子物性理論研究で有名だが、実験装置作成が得意 ・10年以上先の新実験法につながる新奇装置考案が最大の喜び ○パルス超音速分子線レーザー分光装置開拓の課題 将来のパルスレーザー技術発展を見越して、パルス分子線ノズル開拓 安定に作動するノズル作成に苦闘10ヶ月の後、 自動車エンジンの燃料噴射バルブ流用のアイデア ○パルス超音速ジェット・レーザー分光研究の論文(1978) Rice教授のPhD学生教育法を大いに学ぶ 一定期間、好きなことを徹底的にさせる (後日、実践した) 超音速ジェット・レーザー分光研究・黎明期(1979~) ○ 昭和53年6月の宮城県沖大地震、あと片付けが終わった9月帰国 ○ 研究費が無いので、震災廃棄物や水道管を利用して真空槽を製作 ●特徴1=極低温気相で孤立系 =常温気相や溶媒系では分離できない電子スペクトル微細構造解析= 非調和振動ポテンシャル解析、励起状態構造や運動形態解析 ○アニリンのNH2基の反転振動=S1状態の擬平面構造:A.Hiraya (1980) ○トロポロンのプロトントンネル移動経路:Y. Tomioka (1983) ○トルエン系のメチル基内部回転運動:K. Okuyama (1985) =放送大学教科書などにも採用される ●特徴2=vdW錯体、水素結合体などの分子クラスター生成 =常温気相や溶媒系では単離できない化合物を分光解析= 分光学的に単離して、分子間構造解析や素反応解析 ○フェノールと水,アルコール等との水素結合体の分光解析:H. Abe (1982) ○ベンゼン類のファンデルワールス錯体の分光解析: N. Gonohe (1983) ○アザベンゼン・アルゴンvdW錯体の解離ダイナミクス:H. Abe (1984) 新規レーザー分光法の開拓を経て独立へ ● 新規レーザー分光法を次々と展開、開拓した ○2重共鳴MPI法、○ 誘導放出MPI分光法、○ 燐光検出分光法、・・・ 極低温分子の分光解析のテーマは尽きることが無かったが、・・・ ● クラスター構造やクラスター内反応へと興味が移動 伊藤研内で、徐々に独立する決心(1985~) ○クラスター構造の特異性 ・ W.Klemperar (1985)のアンモニア2量体 ・A.C.Logan (1986)の塩化アンモニウム分子 ○凝集系での構造やダイナミクスの分子モデル ・液体、溶液や溶液内素反応のモデル ・有機化学の反応前駆体、反応中間体、反応機構のモデル 国内の学会では、散々な不評を買ったが、 ○(1:1)体や(1:2)体などの少数個結合体はクラスターではない! ○ 凝集系の構造はそんなに単純ではない! ・・・・・・・・・・ あまり気にしなかった(仮説を立てることが科学の推進力) ●私の信条の一つ=“たかをくくる”ことが次の発展を促す ただし、常にオープンマインドであること クラスター構造の分光解析へ(1988~) ● ヨーロッパ開催のゴードン・コンファレンス参加(1988) フランス・オレロン島=ボルドーやコニャック地方近くで、 牡蠣とワインの日々 海岸散歩中の会話から、クラスター構造解析分光法のヒント ● クラスター構造分光研究手法の開拓(1989~) ○イオン・トラップ分光法(1989~):正イオンクラスター種 宮田康史(富士電機)、佐々木俊樹(核燃機構)、佐藤 伸(東大助手) [PhOH-(H2O)n]+ のプロトン移動のサイズ依存性 異性体の分離同定;質量分析法では不可能な解析 ● 伊藤光男教授退官(1992年3月) 人材が宝である・・・・研究資金は何とかなる ● 独立グループ形成後の研究成果(1986~92) 研究費も人材も成果も、苦しい状況であったのが一目瞭然 ● 同年12月 教授昇進 第1期:1992~ 助教授:江幡孝之(現在、広島大教授) 助 手;藤井正明(早稲田大理工学部助教授として転出、その後、 分子研教授を経て、現在、東工大教授) 新規研究体制構築(1994~) ●第2期: 1994~2003 助教授:江幡孝之 助 手:藤井朱鳥(当時、分子研助手から) 助 手:石川春樹(京大理・梶本研PDから) ●科研費重点領域研究(現在の特定領域)への参加 ○ 広田栄治教授(当時 総研大副学長)の 「フリーラジカルの科学」重点領域計画研究に参加(1993~) ○ 土屋荘次教授(当時 東大教養学部)の 重点領域計画作成に参加(1991~) ○ 茅幸二教授(当時 慶応大理工学部)を領域代表として 重点領域「少数多体系の化学」発足 「分子クラスターの反応動力学」研究班代表研究者(1995~) 科研費は他の競争的資金とは異なって 自由発想にもとづく課題推進をサポート 計画書は実施能力を判定するもの 実施内容はむしろ次の研究の種を創生 水素結合クラスター構造の分光解析法の確立 ●中性クラスター構造解析法の開拓 ○赤外・紫外レーザー2重共鳴振動分光法(1993):中性クラスター種 江幡孝之、藤井正明、渡邉武史(オリンパス)、他 ●クラスター構造解析の一般的手法として確立 ○サイズ選別振動スペクトル計測 ○最適化構造計算と振動スペクトル・シミュレーション ● 中性水素結合性溶媒和型クラスター系へ幅広く展開 トロポロン・溶媒和系(三塚 輝、他)、 ベンゾニトリル・溶媒和系(山本亮介、他 ) 7-Hキノリン・溶媒和系(松本剛昭、他)、 ピリドン・溶媒和系(松田欣之、他) サリチル酸・溶媒和系(Enam El-Nasr、他) ・・・・・・・・ リング構造や3次元構造の水素結合系のスペクトル特徴の蓄積 大サイズ水クラスターのネットワーク構造解析への基礎 分子内電荷移動反応、振動励起ダイナミクス解析 ●分子内電荷移動反応機構解明 フェニルジシラン類の電子励起ダイナミクス=電荷移動状態の構造決定 石川春樹、島貫洋一、岸崇史、杉山益之、他 =吉良教授グループとの共同研究= ●分子の高励起振動ダイナミクス HCP等の小分子の精密分光解析から素反応ダイナミクス 石川春樹、長尾知生子、佐々木俊行、生井昌仁、村本泰彦、他 ●クラスター内振動エネルギー緩和 時間分解溶媒和ダイナミクスの分子論 江幡孝之、岩崎純史、石川誠一、山本亮介、榧野正一、山田勇治、・・・他 ●クラスター内振動誘起異性化反応 水素原子移動、分子内回転、結合配座転換、・・・・ 江幡孝之、松本剛昭、峰島知芳、神山恭子、他 水素結合の基本研究へ ●水と地球、人、社会の関わり 水素結合の特長=結合に方向性があり、 常温程度では切断しない適度な結合エネルギー ●バルク化学物性・構造の分子レベル解明 溶媒和圏は存在するか? 液体中にクラスターは存在するか? 相転移の分子メカニズムは? ●水和構造の分子論=水素結合ネットワーク形成過程 ○光誘起放電イオン化質量選択・赤外光解離分光法 (2003) 藤井朱鳥、宮崎充彦(東工大助手)、他 大サイズ正イオンクラスター種の分光計測 ○水分子27量体までのプロトン水和ネットワーク形成の概要 ○比較的小さなサイズでは環状構造は出来ない ○3D構造は20量体以上で出現 ○Science 誌掲載、米国化学会Chem. & Eng. News 速報 ○理論解析ではあまりにも多くの異性体構造が可能 クラスター構造を解析する場合、 “構造決定”という概念は適当ではない アルコール系・水-アルコール混合系 ●水クラスター構造とアルコールクラスター構造の決定的な差異 水は4配位が可能:2つのドナー水素(DD)、2つの孤立電子対(AA) 水クラスターは3D構造をとりうる (ADD, AAD, AADDサイト) アルコールは3配位まで:(AD, DD, AADサイト) プロトン付加体でも最大配位数は 3(AD, DD, ADD サイト) ●アルコールクラスターではリング構造が増加するだけである(2004) 藤井朱鳥、榎本玲子、他 ● 水とアルコールの混合系はどうなるか(2005) 藤井朱鳥、須原健一郎、他 ●現在、科研費「特別推進研究」で50~100量体の構造解明を展開 Q-マス/ 8重極イオンガイド / Q-マス 実験的目標 微細な異性体の区別よりも、主要形態トポロジーを実証すること =構造決定と言うより形態解析 イオン状態における水素結合 ●イオン種の水素結合研究は未開拓分野 反応性や電荷誘起相互作用が大きいため 1)静電相互作用に隠れて見逃されていた 2)溶媒和が大きいので,凝集系では解析不能であった 3)気相多原子分子イオンの選択的生成が困難 ●超音速分子線を用いて、イオン種の新しい分光計測法を開拓 ○光イオン化赤外光解離分光法(2003~):正イオンクラスター種 藤井朱鳥、宮崎充彦、榎本怜子、水瀬賢太、他 ○低速光電子付着アニオン分光解析法(1997):負イオンクラスター種 前山俊彦、津村 徹(トクヤマ)、川俣大志(理研PD)、 八木 泉、室田泰宏、他 ○真空紫外光直接イオン化赤外分光法(2006):正イオンクラスター種 松田欣之、蜂谷正樹、森 麻由美、他 ● イオン系の水素結合研究 カチオン系:メチル基の水素結合性発見、C-H基の水素結合性 アニオン系:アミド類負イオンクラスター構造(前山、他) 微弱結合、新奇水素結合研究 ● 微弱水素結合クラスター C-H・・π型、芳香環C-Hの水素結合性; 藤井、森田、V. Venkatesan、他 (2003-4) 結合エネルギー精密決定;藤井、柴崎、(2005-6) ● 2水素結合体の発見 B-H・・・H-X系の2水素間結合の実証;G. Naresh Patwari (2000-5) ●水素結合クラスター内反応 赤外光誘起互変異過程: 松田、酒井(2004-6) 微弱相互作用の重要性、水和過程の役割 ポリペプチド、タンパク、」DNA、酵素、などの生命物質の 高次構造構築、折り畳み機構、機能発現メカニズム、等において、 微弱相互作用の集積が重要な役割を果たしている しかし、これらの諸機構は現象論的理解に留まっており、分子間力の 分光学的精密情報を基礎として、分子レベル機構解明が必要である。 また、生命物質に水和は不可欠だが、水和現象と生理機能の関係は未開拓 今後の物理化学分野の重要課題のひとつ 研究費と成果の相関 ● ● ● ● 論文公表数は研究者数と明確な相関がある 研究費との相関は数値的には明確でない 数値に表れない質的変化をもたらしている 管理運営業務は明らかに研究教育の障害になっている ●1986年以降、20年間の研究費(校費と科研費、人件費は除く) の積算額は7億円弱であった ●教授就任後の1992年以降 博士号取得者数 18名(課程博士 14名、論文博士 4名) 修士号取得者数 32名 学部修了者 26名(就職 14名、他研究室進学 12名) 博士研究員 5名(外国人研究員 4名) ●これだけの国民の税金を使って、自己の科学的好奇心を満たしながら、 教育・研究の責務を果たすことが出来たかどうか 自己評価は70点? 理学研究のゆくえ ● 娘からの問い;「国家公務員試験も受けず、教員免許も無いのに、 なぜ大学の先生ができるの?」 研究=“自然との対話”によって教育への自信を獲得している ● 郷里の祖母の素朴な質問:「その研究は何の役に立つの」 旺盛な好奇心で自然を探索する人間も成熟社会には不可欠 ● 最近の流行語で言えば、大学での研究は、 Accountability よりも Serendipity が大切 ( 説明責務 ) (機転能力 ) ● 理学研究の助成は、研究者の全人格 をサポートするべきである <米国留学で学んだ体験のひとつ> ●グローバリゼーションの名のもとの社会構造変革への違和感を 感じながらも、若い方々の大いなる好奇心に期待します 智に働けば角が立つ 。 情に掉させば流される。 意地を通せば窮屈だ。 「草枕」冒頭の一節 兎角に人の世は住みにくい。 夏目漱石 (明治三十九年=一八〇六年) 100年前のわが国の文化状況と同じ現象 謝辞 平成4年以降の量子化学研究室に所属した方々へ 敬称略 職員スタッフ 江幡孝之、藤井正明、藤井朱鳥、石川春樹、前山俊彦、松田欣之 阿部弘美、前山(片山)恵美子、高谷(宍戸)香織、河合雅子 ポスドク Nikhil Guchhait, G. Naraesh Patwari, Sanjay Wategaonkar, V. Venkatesan, 土肥敦之 学部学生・大学院生 佐藤 伸、高澤 健、徳弘 淳、小松正明、田邉茂樹、大山和久、今野浩子、石川誠一 井口佳哉、大峰光信、黒澤孝裕、山内雅世、渡邉武史、石垣深雪、岡崎暁洋、澤村貴寛 宮崎雅弘、津村 徹、井上民子、岩崎純史、斉藤 慶、酢谷拓路、水落憲和、三塚 輝 及川隆信、奥山重美、橋本(長尾)和世、長尾知生子、橋本淳一、松本剛昭、吉田和宏 佐々木俊行、島貫洋一、庄子真海、鈴木敦子、瀬口 公、山本亮介、藤巻英司、宮崎充彦 佐々木(保国)裕美、岸 崇史、榧野正一、北村 豊、生井昌仁、峰島知芳、矢作 徹、川俣大志 杉山益之、村本泰彦、Eman El-Nasr, 神山恭子、豊崎秀海、本田真佐浩、松尾秀一 山田勇治、岡野淳一、森田宗一、池田将洋、馬場逸平、榎本怜子、杉本 洋、斉藤 陽 酒井大地、須原健一郎、八木 泉、柴崎健太、蜂谷正樹、水瀬賢太、室田泰宏、森麻由美 板谷亮輔、風間隆希 膨大な努力と多大の協力に 感謝いたします 昭和44年化学科進学
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