藤女子大学 自己点検・評価報告書 2014

藤女子大学
自己点検・評価報告書
2014
はじめに
本学は、認証評価制度が開始された 2004 年 4 月に大学基準協会に加盟判定審査申請を行
い、大学基準に適合していると認定された。そして 2009 年 4 月に 2 度目の認証評価の申請
を行い、再度認定された。その際、
「大学に対する提言」として合計 10 の「助言」を受け
た。これらの「助言」を本学として真摯に受けとめ、これを機にさらなる教育研究活動の
活性化と向上を図り、その結果を『藤女子大学 改善報告書』として 2012 年 7 月に大学基
準協会に提出した。そして改善報告書検討結果においては、今後改善経過に関して再度報
告を求める事項はないとの評価をいただいた。
この間、2011 年からは大学基準協会の評価システムが改革され、内部質保証システムの
構築を求めるものになった。内部質保証( Internal Quality Assurance )とは、大学が
PDCA サイクル等の方法を適切に機能させることによって、質の向上を図り、教育・学習そ
の他のサービスが一定水準にあることを大学自らの責任で説明・証明していく学内の恒常
的・継続的プロセスである。そして大学には内部質保証を実現する体制を整備し運用する
こと、すなわち内部質保証システムを構築することが求められている。そのためには年度
ごとの自己点検・評価の報告が大切になる。
2012 年度と 2013 年度の本学の自己点検・評価の集成版として『藤女子大学 現状と課題
(第 6 号)
』を 2014 年 7 月に公表した。現状把握、分析・評価、問題点と長所の洗い出し、
問題点の改善策、長所を伸張させる方策について、2016 年 4 月に予定している認証評価の
申請時と同じ 10 の大学基準に則り行うことで、本学の内部質保証システム構築のための出
発点ないしは原点になることを意図した。
「2014 年度自己点検・評価報告書」は、『現状と課題(第 6 号)
』で「改善すべき事項」
として挙げた事項を中心に PDCA サイクルを機能させる中で、改善に取組んだ事項、新たに
課題とした事項について取りまとめたものである。
自己点検・評価を通じて、本学が自律的に改善・改革に取組むことすなわち自己改善機
能を発揮していくことは、本学のあるべき姿でありまた本学に求められていることである。
藤女子大学 自己点検・評価委員会
目
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.理念・目的
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.教育研究組織
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.教員・教員組織
4.教育内容・方法・成果
5.学生の受け入れ
6.学生支援
7.教育研究等環境
8.社会連携・社会貢献
9.管理運営・財務
10.内部質保証
次
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
2
5
9
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
22
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
27
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
文学部ファカルティ・ディベロップメント委員会
人間生活学部ファカルティ・ディベロップメント委員会
大学院ファカルティ・ディベロップメント委員会
36
・・・・・・・・・・・・ 37
・・・・・・・・・ 39
・・・・・・・・・・
41
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
1
学長
喜田
勲
理念・目的
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
内
容
⑴ 大学・学部・研究科等の理念・目的は、適切に設定されているか。
⑵ 大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)
に周知され、社会に公表されているか。
⑶ 大学・学部・研究科等の理念・目的の適切性について定期的に検証を行っ
ているか。
理念・目的と各ポリシーについて、さらに明確かつわかりやすく大学構成員
に周知し社会に公表するためにも、その関係性において全体的に見直す。
本学の建学の理念と教育目的を具現化するため、2014 年度は自己点検・評価
委員会において教務部委員会等の各部局の規程を見直し、それぞれに理念・目
的の下に方針を明確にして担当業務を執行・点検するよう改めた。
建学の理念と教育目的に則り学部の教養教育を検討するため、2013 年度から
「教養科目・共通科目再構築プロジェクト」を開始したが、その第一歩として
従来各学部独自に定めていた共通科目を廃止し、両学部で共通の枠組みとして
「大学共通科目」を構築した。2015 年度入学生から適用される。
2015 年に本学園の創立 90 周年を迎えることを機に、
さらにその 10 年後の 100
周年を見据えて、
「広報藤」第 59 号からは、本学のキリスト教文化研究所の所
員による「シリーズ キリスト教の豆知識」の代わりに本学園理事長による「シ
リーズ 藤のルーツ」の連載を開始した。
本学は、
「教育理念」、
「教育の目的」、
「求める学生像」からなる大学のアドミ
ッション・ポリシーを定めている。
「教育理念」、
「教育の目的」はそれぞれ本学
の「建学の理念」と「教育目的」を踏まえながらそれを簡略化しかつ平易な表
現に改めたものをまとめて大学のアドミッション・ポリシーと称しているが本
来同じものであるにもかかわらず、それぞれ独立したものとの誤解を招きやす
いことから、来年度は見直す必要がある。
・教務部委員会規程
・学生部委員会規程
・入試部委員会規程
・図書館委員会規程
・国際交流センター規程
・大学機関誌 広報「藤」(NO.59)
建学の理念・教育目的と各ポリシーについて、その関係性において全体的に
見直す。
建学の理念・教育目的に則った教養教育や外国語カリキュラムについて「教
養科目・共通科目再構築プロジェクト」や外国語教育研究センターにおいて引
き続き検討する。
-1-
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
2
副学長
藤井
義博
教育研究組織
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
内
容
⑴ 大学の学部・学科・研究科・専攻および附置研究所・センター等の教育研
究組織は、理念・目的に照らして適切なものであるか。
⑵ 教育研究組織の適切性について、定期的に検証を行っているか。
本学の建学の理念・教育目的、当該学部等の目的との適合性及び学術の進歩
や社会の要請との適合性において、教育研究組織の適切性について定期的な検
証を行う必要がある。
本学の教育研究組織は、2000 年に短期大学を改組し、それまでの 2 学部 4 学
科体制を、2 学部 6 学科体制として以降、2002 年に大学院研究科を開設した他
は基本的な組織変更は行っていない。この間、大学に付置するキリスト教文化
研究所、及び人間生活学部の下の QOL 研究所を開設し、加えて学生の留学等を
サポートする国際交流センター、外国語教育の充実を目的とする外国語教育研
究センター等を設置してきている。
2014 年度は、2 学部 6 学科 1 研究科という教育研究体制そのものの検証は行
っていないが、現行の大学組織の下にある部局・センター・委員会等の規程を
見直す中で、各々の目的・方針を再確認し、大学、学部、学科及び研究科の教
育目的との整合を検証した。
・教務部委員会規程
・学生部委員会規程
・入試部委員会規程
・図書館委員会規程
・国際交流センター規程
キリスト教文化研究所と QOL 研究所の規程を見直す必要性が確認されたこと
から、来年度は規程の見直しを予定している。
-2-
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
2
人間生活学研究科長 飯村
しのぶ
教育研究組織
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
内
容
⑴ 大学の学部・学科・研究科・専攻および附置研究所・センター等の教育研
究組織は、理念・目的に照らして適切なものであるか。
⑵ 教育研究組織の適切性について、定期的に検証を行っているか。
人間生活学研究科は、人間生活学部を基礎として 2002 年に人間生活学専攻と
食物栄養学専攻の 2 専攻からなる修士課程として設置された。しかし、子ども
を研究対象としたより高度な研究・教育が今般の社会的課題の解決にあたって
必要不可欠であるとの昨今の社会的要請を背景として、将来的には保育学科の
修士課程設置にむけて、具体的な方策を立てなければならない。したがって従
来からの懸案であった本学保育学科の大学院修士課程設置にむけた検討会を
2014 年度に設置する。
前年度に改善すべき事項としてあった保育学科の大学院修士課程設置に関す
る課題について、2014 年 6 月に研究科長、両専攻主任と保育学科主任をメンバ
ーとして検討会を設置した。これを出発点に保育学科内にワーキンググループ
がおかれ、学科内においても具体的な検討に入った。
2014 年 10 月に学長より、「保育学科の大学院に関しては、現段階では別専攻
を立てるのは無理であるから、段階を踏んで人間生活学専攻に含める形で検討
するように」との指示があった。学長からの指示を受けて人間生活学専攻主任と
保育学科ワーキンググループを中心にして具体的検討に入り、当面は人間生活
学専攻の中に子どもに関する研究領域を含める方向で一致した。これにともな
う教育課程表の一部改正を人間生活学専攻会議及び研究科委員会に提案し、了
承を得た。
2015 年度からは保育学科の教授 2 名が人間生活学専攻の講義及び特別研究を
担当することになった。
2015 年度人間生活学専攻教育課程表
-3-
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
2
QOL 研究所所長
池田 隆幸
教育研究組織
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
内
容
⑴ 大学の学部・学科・研究科・専攻および附置研究所・センター等の教育研
究組織は、理念・目的に照らして適切なものであるか。
QOL 研究所は継続して公開講座を開講しており、2014 年度では自閉症援助術
研究会との共催により 3 回、社会福祉報じ藤の園との共催で 1 回公開講座を開
催しており、受講者は 800 人を超えている。また、刊行している『QOL 研究所紀
要』は本学唯一の査読付紀要として、人間生活学部における QOL 研究の学術レ
ベル向上に寄与している。このことは投稿論文数が例年 10 報前後と一定し、特
に 2014 年度は 16 報と増加していることにより検証できる。
大学データ(8-1~4)
藤女子大学 QOL 研究所紀要 第 9 巻第 1 号
-4-
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
3
副学長
藤井
義博
教員・教員組織
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
内
容
⑴ 大学として求める教員像および教員組織の編制方針を明確に定めている
か。
⑵ 学部・研究科等の教育課程に相応しい教員組織を整備しているか。
⑷ 教員の資質の向上を図るための方策を講じているか。
⑴大学院を兼担している学部教員への負担を軽減するためにも、学科ごとの収
容定員に基づいた現行の教員配置を改め、教員組織の編制方針を定める必要が
ある。
⑵授業だけでなく実習に対する学生指導や実習訪問など担当授業時間には表れ
ない拘束時間もあり、人間生活学部教員について現状の過剰な担当授業時間数
の改善が必要である。そのため、カリキュラム・ポリシーに則した講義内容と
するよう各学科で講義科目を精査し、教員の教育力を効率的に発揮できるよう
に配慮する。
⑷国内研修・海外研修派遣制度については、依然として人間生活学部食物栄養
学科、保育学科の教員の利用が 10 年以上ないので、研修・派遣制度の利用に順
番を設けるなどの環境を整えることが必要である。比較的学務に余裕のある前
期 6 ヵ月以内の短期研修を取得し易くするなどの方策を導入する。
⑴本学の教員組織は、教育研究組織としての 2 学部 6 学科をベースに組成して
いる。各学科にそれぞれ 10 名の専任教員枠を学科定数とし、建学の理念である
キリスト教科目、外国語科目、教職課程の担当教員を各学部に配置しており、
それぞれが基礎科目から専門科目までを担当している。
大学院の担当教員は全て人間生活学部の教員が兼坦している。
⑷『藤女子大学 教員の教育・研究活動』では、大学に求められている内部質
保証の実施の一環として、専任教員として自らの教育・研究等の質を維持・向
上させる活動を促すようにしている。本年度からは、研究活動の推進への励み
となることを期待し、これまでの「過去 5 年間公表していない研究活動」の掲
載に代わり、新たに「研究分野/研究キーワード」を追加するとともに「科学
研究費及びその他外部資金の獲得状況」を記載するようにした。
2014 年度藤女子大学 教員の教育・研究活動
教員組織の編制方針を定める必要がある。本学らしい豊かな教養教育を実現
するための制度改革の過程の一環として、現在の専門 6 学科に新たに教養教育
の担当部署を加えた全体において各学科の専門教育を再定義する必要があるた
め、その実現の過程で、各学科の専任教員数の見直しを伴う教員配置計画を策
定する。そのため担当授業時間には表れない拘束時間を要因の項目ごとに数値
化した時間の総和として表示する要因別時間評価表を作ることを含めて、拘束
時間の数値化の検討を開始する。
-5-
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
3
文学部長 石田
晴男
教員・教員組織
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
⑵
内
容
学部・研究科等の教育課程に相応しい教員組織を整備しているか。
本年度、文学部の専任教員は、英語文化学科 10 名、日本語・日本文学科 11
名、文化総合学科 11 名である。2013 年度、日本語・日本文学科、文化総合学科
教員の異動等の変化はなかったが、英語文化学科の専任教員のうち 2 人の教員
が退職した。2014 年度は、前年度の退職した 2 人の教員を補充する公募採用人
事を行ったが、採用は 1 人に留まり、枠を充たすには至らなかった。
今後、2018 年度予定される大学共通科目の両学部合同実施に向けての各学科
のカリキュラム改正に伴う学科編成の変更がある場合、現在の専任教員数の見
直しも考慮に入れて検討する必要がある。
大学基礎データ(表 2)
英語文化学科では、2014 年度末に定年退職者 1 名も見込まれ、2015 年度には
2 名の教員の採用が必要となる。また、大学設置基準上必要な教授数は 3 名であ
るが、2015 年度は 2 名となり、早急に教授 3 名の基準を充たす必要がある。
-6-
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
3
人間生活学部長
池田
隆幸
教員・教員組織
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
⑵
内
容
学部・研究科等の教育課程に相応しい教員組織を整備しているか。
本年度保育学科は、教授 4 名、准教授 5 名、講師 1 名の教員構成であり、他
に嘱託教員(教授)2 名を置いている。嘱託教員を除くと大学設置基準上必要な
教授数に 1 名未充足となるが、当該学科准教授が昇格するための業績を積んで
いるところであり、本年度中に不足を充たすことを目指している。
大学基礎データ(表 2)
-7-
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
3
人間生活学研究科長 飯村
しのぶ
教員・教員組織
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
⑵
⑶
⑷
内
容
学部・研究科等の教育課程に相応しい教員組織を整備しているか。
教員の募集・採用・昇格は適切に行われているか。
教員の資質の向上を図るための方策を講じているか。
⑵人間生活学専攻は、
「人間生活」「生活環境」
「生活福祉」の 3 分野に 2014 年
度は専任教員が 14 名、非常勤講師が 4 名である。このうち「特別研究」担当者
(研究指導教員)は 9 名である。2013 年度から「人間生活学特講Ⅵ(子どもと社
会)
」の担当として保育学科の専任教授が加わっているが、さらに本年度は保育
学科の教授 1 名の大学院担当者としての審査を実施した。
食物栄養学専攻は、
「食品品質」
「生体機能」
「栄養管理」の 3 分野に専任教員
が9名、非常勤講師が 7 名である。
専任教員はいずれも当該学科との兼担であるため、大学院担当教員の年間担
当授業時間数は、人間生活学専攻教員は 13.7 授業時間、食物栄養学専攻教員は
15.6 授業時間であり、研究科の教育課程に相応しい教員組織は整えられている
ものの負担過剰な状況は改善されていない。
大学院担当教員の学部兼任による負担軽減については、講義科目に関しては
可能な限り非常勤講師の採用を増やすことによって軽減を図った。人間生活学
専攻では、2014 年度から学部の教職科目担当教員も大学院の講義と研究指導の
担当に加わったこと、また 4 つの講義を隔年開講にしたことによって若干では
あるが負担は軽減された。食物栄養学専攻では 2014 年度から特別研究の担当者
が 3 名増員になった。
⑶本研究科では、2013 年度に「大学院担当教員の採用・昇任に関わる業績審査
合」を設ける規程改正をおこなった。これに基づき、
基準」に新たに「准教授○
「大
学院担当教員資格審査」及び研究科委員会での審議を経て、2014 年度から人間
合」として研究指導
生活学専攻及び食物栄養学専攻の准教授各 1 名が「准教授○
に加わることになった。
⑷2014 年度「大学院生活満足度調査」を実施し、大学院 FD 委員会で結果を集計
後、研究科委員会にて報告があった。
人間生活学専攻の准教授 1 名が 1 年間の国内研修制度を利用し、教員として
の資質向上に向け努力している。
2014 年度大学院学生便覧
大学院生活満足度調査
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2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
4
教務部長 名畑
嘉則
教育内容・方法・成果
4-1 教育目標、学位授与方針、教育課程の編成・実施方針
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
内
容
⑴ 教育目標に基づき学位授与方針を明示しているか。
⑵ 教育目標に基づき教育課程の編成・実施方針を明示しているか。
⑶ 教育目標、学位授与方針および教育課程の編成・実施方針が、大学構成員
(教職員および学生等)に周知され、社会に公表されているか。
⑷ 教育目標、学位授与方針および教育課程の編成・実施方針の適切性につい
て定期的に検証を行っているか。
本学の教育目的および学部・研究科の目的の点検、及び、本学の教育目的お
よび学部・研究科の目的と学部・研究科のディプロマ・ポリシー、カリキュラ
ム・ポリシーとの間の整合性や有効性についての点検を定期的に実施する仕組
み作りをする必要がある。
教務部委員会において、2015 年度より各科目のシラバスにディプロマ・ポリ
シー各項目との関連性を明記することを決定し、これを前提に各学科にディプ
ロマ・ポリシーの点検を依頼した。今後は毎年度シラバス作成時期に同様の依
頼を行い、これをもって定期的な検証の機会とする。大学および研究科・学部
のディプロマ・ポリシーについては、自己点検・評価委員会等においてより大
局的な見地から検討する必要がある。
2015 年度藤女子大学履修ガイド(文学部)
2015 年度藤女子大学履修ガイド(人間生活学部)
4-2 教育課程・教育内容
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
内
容
⑴ 教育課程の編成・実施方針に基づき、授業科目を適切に開設し、教育課程
を体系的に編成しているか。
⑵ 教育課程の編成・実施方針に基づき、各課程に相応しい教育内容を提供し
ているか。
①ディプロマ・ポリシー及び、それを具体化すべきカリキュラム・ポリシーの
各項目について、個々の授業科目がどの程度貢献しているのかを測定するため
の指標が定められておらず、その検証がなされていない。授業科目のディプロ
マ・ポリシー等に対する貢献度を測定するための指標を定める必要がある。
教務部において、授業科目のディプロマ・ポリシー等に対する貢献度を測定
するための指標の導入、および科目属性の順次的・体系的表示の導入、履修ガ
イドや教育課程表の表示形式の改善について検討を開始する。
②学生が学習の全体像を見渡せる中で主体的に学習計画を組み立てることがで
きるようにするためには、現行の教育課程表の科目区分だけでは不十分である。
コース・ナンバリング方式やカリキュラム・ツリー方式等による科目属性の順
次的・体系的表示の導入の検討、履修ガイドや教育課程表の表示形式の再検討
などの必要がある。
③導入教育として設置した「女性とキャリア」で得られたモチベーションを持
続・充実させ、個々の授業での学びにつなげていく方法、課外でのキャリア支
援活動への継続性の構築が不十分である。キャリア支援センター運営委員会に
-9-
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
おいて、
「女性とキャリア」で得られたモチベーションを持続・充実させるため
の指導のあり方について、発展科目の追加や何らかのイベントの新規開催の必
要性も含めて検討を開始する。
①教務部委員会において検討の結果、2015 年度より「履修ガイド」の教育課程
表に科目ごとの記入欄を設け、ディプロマ・ポリシーのいずれの項目と関連性
を持つ科目であるかを明記することとした。2016 年度からは各科目のシラバス
にも記載欄を設ける予定である。将来的には GPA 導入とも連動させて、ディプ
ロマ・ポリシーの各項目に対する各科目の貢献度を測定するための指標とする
ことを目指している。
②科目の体系的表示等については 2014 年度においては未検討である。教務部に
おいて引き続き検討課題とする。なお、2015 年度より各科目のシラバスにディ
プロマ・ポリシー各項目との関連性を明記することとしたが、これは学生が科
目を選択する目安ともなることが期待される。
③キャリア支援センター運営委員会において「女性とキャリア」を踏まえた発
展科目追加の必要性について検討し、2 年次生向けの選択科目「女性とキャリア
II」として開設する方向で準備を進めている。また、導入教育ではないが、新
規のキャリア支援活動として、就職活動解禁時期の後倒しを踏まえた 4 年生向
け就職ガイダンスを 2015 年度の在学年ガイダンスより設置する。
2015 年度藤女子大学履修ガイド(文学部)
2015 年度藤女子大学履修ガイド(人間生活学部)
科目の体系的表示
4-3 教育方法
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
内
容
⑴ 教育方法および学習指導は適切か。
⑵ シラバスに基づいて授業が展開されているか。
⑶ 成績評価と単位認定は適切に行われているか。
①学習支援体制を取り入れている学科もあるが、個別の取り組みに止まってお
り、喫緊の課題として、全学レベルの組織的な学修支援体制のあり方について
の検討を要する。
②複数回留年する学生に対しては、精神面でのフォローとともに、より手厚い
学習指導も必要である。留年者の履修状況を調査し、学習指導の改善に努める
ことも必要である。
③ポータルサイトの活用方法について、全ての教員が理解できている状況では
ない。教員がポータサイトをどのように活用したらよいか、その方法について
のガイダンスや勉強会を実施する。入学時からポータルサイトを利用していな
い 2 年生以上の閲覧率が、入学時から利用している1年生に比べ低い。ポータ
ルサイトについての啓発が必要である。
ポータルサイトは大学側からの一方的な情報提供になり、学生との相互のやり
取りができない。今後、教務部において、学生と教員の相互のやりとりができ
るようなポートフォリオなどのシステム構築についても検討する。④授業の形
態(講義、演習、実験等)の表示は、一部統一がとれていない科目がある。全
ての授業について何らかの統一的方式により明示すべきである。
⑤学習成果を客観的に判断できる指標がない。ルーブリックや学習指導に活用
できるような学習成果を客観的に判断できる指標の設定をする必要がある。
⑥成績評価において、GPA の導入を進める必要がある。
⑦学生の授業時間外での学習時間の実態について調査、把握する必要がある。
教務部において、学生の授業時間外の学習時間に関する実態調査の実施を検討
する。
- 10 -
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
①教務部およびキャリア支援センターの協力のもと、教務システムの付属機能
に含まれる「学生レポート」機能を「ポートフォリオ」として活用できないか
検討した。結果として、活用の可能性を認める意見もあったが、機能面で不十
分な点もあり、全学的な導入・活用には至らなかった。また、2015 年度より図
書館に付設されるラーニング・コモンズが運用開始されることにともない、同
施設を学修支援の場として活用することを計画している。運用の詳細について
は、学生協働を視野に入れながら、図書館・情報メディアセンター等と連携し
て準備委員会を組織し検討を進め、学生と教員有志による研究会組織による運
営形態の試行を予定している。
②複数回留年する学生だけでなく、様々な事情から授業を欠席しがちな学生や、
精神的な問題をかかえた学生に対する支援体制を整備するために、まずは非常
勤教員を含めた全教職員がこうした学生への対応法について学ぶ機会を設ける
必要がある。2014 年度内には実現できなかったが、学生部・教務部・両学部等
が共同で研修会等の開催について検討する機会を持ちたい。
③ポータルサイトのシラバス機能に付属する「予習・復習・レポート」機能の
運用を 2014 年度 8 月より開始することに合わせて、ポータルサイト全般に関す
る説明を含めた講習会を、両学部 FD 委員会と教務部委員会の共催により実施し
た。しかし、開催時期が前期末の授業期間外であったこともあり、参加者数が
少なく、十分な周知がなされたとは言い難い。当該機能は教員と学生とのレポ
ート等の相互のやりとりが可能なシステムであり、学修面における有効活用が
期待される。周知の機会を設けることを引き続き検討するとともに、講習会の
模様をビデオ撮影し、必要な時いつでも見られるよう学内ネットワーク上等に
公開している。
④2014 年度においては未検討である。科目の体系的な提示という意味で上記 4-2
②の問題とも関係するので、これらの問題については今後併せて検討してゆく。
(6 学生支援⑵とも連携)
⑤⑥教務部において、成果指標としての GPA 導入の検討を開始した。GPA 導入に
向けては成績評価の厳密化、適正化のための何らかの基準を併せて導入する必
要があり、2014 年度においては各学科に対して、学部・学科・科目区分ごとの
成績分布の平均値をグラフ化した資料を提示し、これを成績分布の標準化のた
めの材料として活用できるかどうかの検討を依頼した。また、教務部委員会に
おいて、成績評価に関する基準案を策定し、2014 年度後期から専任教員の担当
科目の成績評価に試験的に導入し、評価得点分布の標準化に効果があるか否か
の検証を行った。成績評価基準の本格的な導入および GPA 導入については、教
務部・FD 委員会が共同で検討してゆく必要がある。
⑦第 1 回の調査を 2014 年度後期に実施した。データの詳細な分析については
2014 年度内においては未着手であるが、2015 年度前期中にある程度の分析結果
をまとめて各学科や関係部署に提供し、単位数と学修時間の実質化等の課題へ
の対応策の策定に資する予定である。なお、同様の調査は、集計結果の分析過
程で各質問項目の有効性の点検および修正を加えたうえで、来年度以降も継続
的に実施することとしている。
大学データ(6-1~4)
GPA 導入
学生の授業時間外の学習時間に関する実態調査の継続的実施と分析
- 11 -
4-4 成果
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
⑴
内
容
教育目標に沿った成果が上がっているか。
①大学の教育方針に沿った成果についての学生対象の調査、さらには教員側に
も調査を行い、見直しのための検討材料とする必要がある。
②各教員が個々に授業改善した状況の把握を行っていないため、自己満足に陥
りやすい現状を踏まえ、FD 活動(授業見学、研修会、事例発表など)を活性化
させる必要がある。
①2014 年度においては未検討である。
②研修会等の FD 活動の活発化や、授業アンケート検討の円滑化のため、両学部
FD 委員会委員長に教務部長を加えた連絡会の設置を計画していたが、2014 年度
内には実現できなかった。ただし FD 委員会と教務部の連携の一環として、ポー
タルサイトの諸機能を授業に有効活用するための講習会を 8 月に共催した。本
学における FD を包括的に検討し、ある程度の権限をもって推進して行くために
は、学部ごとに委員会を置く体制を改め、全学組織として改組する必要がある。
また一方で、FD 活動を活発化、実質化するためには、従来の「委員会」の形態
によらない、よりフレキシブルな活動形態も併せて検討する必要がある。この
検討には、例えば、ラーニング・コモンズ運営を担う「研究会」組織の試みか
ら得られる経験を反映させてゆくことなども期待される。
大学の教育方針に沿った成果について、一部の学科で実施している卒業生ア
ンケート等が有効活用できないか、FD 委員会・教務部、および各学科で協議す
る機会を設けたい。
⑵
内
容
学位授与(卒業・修了認定)は適切に行われているか。
学位授与にあたり卒業研究(論文)の審査を行っている文学部各学科及び人
間生活学部人間生活学科は、卒業研究の質保証という観点から、学位に求める
水準を満たす論文であるか否かを審査する基準である学位論文審査基準の明示
について検討する必要がある。
卒業研究の評価基準について、文学部においては FD 委員会およびクラスター
制運営委員会で検討を開始した
卒業研究の評価基準
- 12 -
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
4
文学部長 石田
晴男
教育内容・方法・成果
4-2 教育課程・教育内容
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
内
容
⑴ 教育課程の編成・実施方針に基づき、授業科目を適切に開設し、教育課程
を体系的に編成しているか。
文学部は、オープン・カリキュラム制を実施しているが、今後、オープン・
カリキュラム制のあり方自体の検討も必要で、教養科目との関連、共通の基盤
教育についても検討する必要がある。
文学部のクラスター制は、導入して 4 年が経過し、2013 年度にこの制度を利
用した卒業研究提出の初年度を迎えた。この制度を利用して 2013 年度に卒業研
究を選択した学生は計 5 名であり、従来のオープン・カリキュラム制で他学科
教員に指導を受けて卒業研究を提出した学生数に比べると、増えてはいるもの
の、文学部生全体の学習活動を活性化させるだけの活況を呈するには至ってい
ない。また、英語エキスパートプログラムも同様に初めての卒業学年を迎えた
が、2013 年度卒業生でプログラム修了認定を受ける見込みの者は 3 名に止まっ
ている。さらにこれらの制度の周知をはかっていく必要がある。
2018 年度に両学部1年次の学生が北 16 条校舎で大学共通科目を履修するよう
になるのに伴い、現在の学科専門科目を中心としたカリキュラム編成から、1
年次生が大学共通科目を十分履修できるようなカリキュラムへの改編が求めら
れる。その際、現在学科横断的なオープン・カリキュラム制にもとづくクラス
ター制をとっているが、その利点を生かしつつ、自由で広範な科目を一部整理
した上で、大学共通科目に移行してカリキュラムを再構築していく必要がある。
また、現在の学科構成の再編をも視野に入れた議論していくことも必要である。
・クラスター制を利用した卒業研究提出者
2013 年度 5 名
2014 年度 2 名
・英語エキスパートプログラム修了認定申請者
2013 年度 3 名
2014 年度 5 名
次年度への課題
- 13 -
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
4
教養科目・共通科目再構築プロジェクト
座長 石田 晴男
教育内容・方法・成果
4-2 教育課程・教育内容
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
内
容
教育課程の編成・実施方針に基づき、授業科目を適切に開設し、教育課程
を体系的に編成しているか。
⑵ 教育課程の編成・実施方針に基づき、各課程に相応しい教育内容を提供し
ているか。
本学の教育目的では教養教育を重視しているが、教養教育に関しては、これ
まで各学科の専門科目を通じて行ってきた。しかし、学科の専門性を越えた広
い視野、社会に生きる上で必要十分な自覚と能力を涵養するという観点から見
れば、より広い分野の諸科目が学べるような科目開設や、分野ごとの選択必修
制による履修の方向付けなどの制度面の整備は不十分である。教養教育という
観点から教育課程を抜本的に再編成する必要がある。
教育課程の体系的な再編成のため、教養教育の再構築に向けたプロジェクト
チームにおいて、導入教育、教養教育、専門教育の関連について明確にしてい
くとともに、導入教育のあり方、補習、文章表現に関する授業のあり方も含め、
検討を開始する。
2014 年度に「大学共通科目」が設定され、2015 年度より実施されることが決
まった。また、2016 年度に向けて、6 学科の教員が担当する新設科目を新たに
大学共通科目として提案することを計画している。
2015 年度大学共通科目教育課程表
⑴
2018 年度からは北 16 条校舎で両学部の1年次生の大学共通科目の履修が予定
されており、2015 年度は大学共通科目の充実にむけてさらに検討する必要があ
る。
- 14 -
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
4
人間生活学研究科長 飯村
しのぶ
教育内容・方法・成果
4-1 教育目標、学位授与方針、教育課程の編成・実施方針
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
内
容
⑷ 教育目標、学位授与方針および教育課程の編成・実施方針の適切性につい
て定期的に検証を行っているか。
各種ポリシーは 2012 年度に策定され、現状ではその適切性に関して変更はな
い。
4-2 教育課程・教育内容
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
内
容
教育課程の編成・実施方針に基づき、授業科目を適切に開設し、教育課程
を体系的に編成しているか。
⑵ 教育課程の編成・実施方針に基づき、各課程に相応しい教育内容を提供し
ているか。
⑴
専門分野の領域拡大及び既存分野における知識・技術の高度化に対応して
2014 年度から教育課程を一部改正し実施した。
特に食物栄養学専攻では、教育課程と授業担当者についての見直しにより食
品品質分野で 2 科目 6 単位(
「食品品質学特論Ⅲ」
「食品品質学演習Ⅲ」を新設、
また栄養管理分野では 4 科目 10 単位(「公衆栄養学特論Ⅱ」
「栄養管理学特論Ⅲ」
「栄養管理学特論Ⅳ」
「栄養管理学演習Ⅱ」を新設し、全体として開設科目が 16
単位増えた。
また「特別研究」の担当者は、人間生活学専攻では前年度まで 7 名であった
のが 2014 年度からは 9 名に増加した。食物栄養学専攻でも前年度 6 名から 2014
年度は 9 名へと、両専攻ともに研究指導を担当する教員の増加により指導領域
を拡大させることができるようになった。
2014 年度藤女子大学大学院学生便覧
4-3 教育方法
項 目
点検評価項目
内
容
⑴ 教育方法および学習指導は適切か。
⑷ 教育成果について定期的な検証を行い、その結果を教育課程や教育内容・
方法の改善に結びつけているか。
- 15 -
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
⑴研究科での 2 年間(長期履修の場合あり)の研究指導内容の全体像を明確に
するなかで、学生がより主体的に履修計画の作成や研究活動をおこなえるよう
に、教員と学生が十分な打ち合わせを行い、その内容を相互に確認できるよう
に「研究指導計画書」の作成を検討した。これは 2015 年度入学生から実施する
予定である。
⑷2014 年度「大学院生活満足度調査」を実施した。今回は調査項目や調査方法
について見直し、特に調査結果の回収に当たって匿名性に配慮した。大学院 FD
委員会で結果を集計後、研究科委員会にて報告があった。
大学院生活満足度調査
2015 年度 藤女子大学大学院学生便覧「Ⅲ研究指導計画書の作成について」
- 16 -
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
5
入試部長 中河原 俊治
学生の受け入れ
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
⑴
内
容
学生の受け入れ方針を明示しているか。
学生の受け入れ方針を明示している「入学試験要項」「大学案内」は、例年、
7 月中旬に開催されるオープンキャンパスに合わせて発行されている。しかしな
がら進学相談会等の学外行事は 5 月初旬頃より順次開始されているため、7 月ま
での約 2 ヶ月間は前年度のものを使わざるをえず、明示すべき項目に変更等が
あった場合、正確に伝えることが困難な事態も予想される。
「入学試験要項」
「大
学案内」等の作成を 5 月頃に発行できるよう制作会社と協議しつつ進めている。
2016 年度版大学案内の発行を 2015 年 5 月中とする作成工程について、企画制
作会社と協議を開始した。入試要項は 5 月評議会にて決定されるので、大学案
内には記載せず、入試要項と分離する。入試要項は、決定後速やかに発行作業
に入るが、同時に大学ホームページで公表する。
2014 年度藤女子大学入学試験要項
2014 年度藤女子大学案内
学生の受け入れ方針を明示している「入学試験要項」「大学案内」は、例年、
全道の高等学校に送付し、また、全国のカトリック小中高連盟加盟高等学校に
も送付しているが、北海道外の高等学校等に対するアプローチは限定的である
ため、大学の魅力、特色を周知する方法を早急に策定し、合わせて大学案内等
の送付先の選定を急ぐべきである。
本学の魅力、特色の向上に寄与する「藤らしいカリキュラム」策定、両学部
共通科目の設定などの検討に連動して、それらについて道外を含めて広く、か
つ効率的に周知してゆく。とくに東北六県に対するアプローチを 2015 年度内に
具体的に検討する。
内
容
⑵ 学生の受け入れ方針に基づき、公正かつ適切に学生募集および入学者選抜
を行っているか。
外国人留学生入学試験に関する入試要項について日本語版しかなく、少なく
とも英語版が必要である。
本学では、アドミッション・ポリシーに基づき、全体としては受験機会を複線
化した一般入学試験 A 日程を中心に六学科の特性に応じた入学者選抜方法を設
け、公正で適切に実施している。また適切な広報活動によって安定的に入学者
を確保してきている。
一般入学試験 A 日程では、2013 年度に制度を改定し、複数学科受験の機会を
設定したことにより、2012 年度の受験者数両学部延べ 685 名に対し、全学共通
入学試験(3 科目)と学科特化入学試験(2 科目)の併願を合わせた延べ人数
で 2013 年度 1,243 名、2014 年度 1,135 名と増加した。
外国人留学生入学試験に関する入学試験要項について日本語版しかなかった
が、国際交流センターの尽力により 2015 年度入学試験に際し英語版を作成し
た。
2015 年度外国人留学生入学試験要項(英語版)
- 17 -
次年度への課題
・学生の受け入れに関する広報活動を含め大学全体の広報活動を充実させるため
発足した学長直轄の部会を基に、広報組織のとりまとめと本学の特徴を基本とし
た広報のあり方についての検討が必ずしも十分ではないので積極的に進める。
・高校生対象の文学部授業ライブは、大学教育の実際を広く公開し、高校生に
魅力を伝える有効な手段であると思われるが、ここ数年希望者が少なく効果的
に機能しているとはいえない。その問題点を見出し、再構築するべきである。
・高等学校での出張講義は、実施数が 2010 年度-2014 年度の 5 年間で年平均約
39 回であり、比較的安定している。このことは高等学校からの一定の注目を集
めていることを示しているものと考えられ、さらに魅力的なタイトルを提供し
て高等学校からの信頼を高めたい。
・大学のホームページとは独立した入学試験専用ホームページを作成したので、
入学試験担当者のブログ発信などを開始して内容の充実を図り、さらに魅力的
なものとする。
・2013 年度に一般入学試験 A 日程の受験機会複線化を導入したところ、当該年
度は延べ、実人数ともに志願者増が達成できたが、その後、漸減している。2015
年度入学試験から新しい高等学校学習指導要領に基づいて教育を受けてきた受
験生を迎えるに当たって新たな大学の魅力、特色を示すべきである。
・複数学科受験の機会を設定した 2013 年度以降の一般入学試験 A 日程の点検
評価に基づき、大学入試センター試験利用入学試験も含めて、志願者の動向を
見極め入学試験制度毎に定員の見直しを図る。
・外国人留学生入学試験に関する入学試験要項の英語版を作成したが、その周
知方法が定まっておらず 2016 年度入学試験に向けて策定し、国際協力センター
の協力を得て周知を進める。
項 目
点検評価項目
内
容
⑶ 適切な定員を設定し、学生を受け入れるとともに、在籍学生数を収容定員
に基づき適正に管理しているか。
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
入学定員に対する入学者数及び収容定員に対する在籍学生数は、概ね適切に
管理できている。
(学部の入学者数)
入学定員
英語文化学科
日本語・日本文学科
文化総合学科
文学部
人間生活学科
食物栄養学科
保育学科
人間生活学部
大学全体
入学者数
80 名
80 名
80 名
240 名
80 名
80 名
80 名
240 名
480 名
99 名
93 名
100 名
292 名
90 名
103 名
90 名
283 名
575 名
収容定員
320 名
320 名
320 名
960 名
320 名
320 名
320 名
960 名
1,920 名
在籍学生数
398 名
365 名
391 名
1,154 名
338 名
379 名
361 名
1,078 名
2,232 名
(学部の在籍学生数)
英語文化学科
日本語・日本文学科
文化総合学科
文学部
人間生活学科
食物栄養学科
保育学科
人間生活学部
大学全体
- 18 -
過去5年間の入学定
員に対する入学者
数比率(5 年間平均)
1.17
1.14
1.18
1.16
1.06
1.23
1.11
1.13
1.15
収容定員に
対する比率
1.24
1.14
1.22
1.20
1.06
1.18
1.13
1.12
1.16
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
大学基礎データ(表 3、4)
項 目
点検評価項目
内
容
学生募集および入学者選抜は、学生の受け入れ方針に基づき、公正かつ適
切に実施されているかについて、定期的に検証を行っているか。
入試問題作成については出題者グループに一任されており、作成管理に関し
て大学として関与する仕組みがなかった。出題ミスを避けるために、大学とし
てどのように入試問題作成過程を管理すべきか、入試部委員会で検討し、2015
年度入試問題作成時期までに新しい作成管理の仕組みを導入する。
2013 年度には過去の出題ミスや採点ミスが発覚し、一部の受験生に対する不
適切な取り扱いが出来した。また、ここ数年いくつかの入学試験科目で出題ミ
スが発生し、入学試験当日の訂正をすることがあったが、2015 年度入試に向け
て、出題ミス等を根絶するために、学長が指名した出題者以外の複数の専任教
員による出題の適切性のチェックを行う体制を構築し、校正作業においても学
長が指名した出題者以外の複数の専任教職員が加わる体制とした。その結果、
2015 年度一般入学試験においてホームページ上で公表した問題訂正は 1 件で
あった。
入試問題作成については 2015 年度入学試験より作題段階、並びに校正段階に
おいて、学長の指名による専任教職員が第三者としてチェックする体制を構築
した。校正期間等の見直しも行い、出題ミス根絶に関する教職員が一体となる
重層的な点検体制を作った。
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
⑷
・出題ミスを根絶するために導入した専任教職員による入学試験問題のチェッ
ク機能が働き、2015 年度入学試験では単純な出題ミスはかなり減少したものの
ゼロにはできておらず、更なる改善を行う。
・2020 年度に予定されている新しい大学入試制度の導入に対応する本学の入試
制度を設定するための準備を開始する。
・2019 年から始まる受験者人口の更なる減少においても優れた学生を確保する
ためには、選ばれる大学であり続けなければならず、そのための努力が両学部
一体となって進められているので、入試部委員会においてもそれらをどのよう
に効果的に伝えて行くか研究を深めたい。
- 19 -
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
5
人間生活学研究科長 飯村
しのぶ
学生の受け入れ
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
内
容
⑵ 学生の受け入れ方針に基づき、公正かつ適切に学生募集および入学者選抜
を行っているか。
⑶ 適切な定員を設定し、学生を受け入れるとともに、在籍学生数を収容定員
に基づき適正に管理しているか。
学部卒から修士課程への進学者数を確保するために、入試方法の多様化を具
体的に検討し、2016 年度入試に向けて提案する予定である。入学定員数の見直
しについてはその結果をみて検討していく。また、本学文学部学生に対する広
報についても 2014 年度中に対策を講ずる。
入学定員に対する入学者数比率は 5 年間平均して 0.48 であり、収容定員に対
する在籍学生数の未充足な状況が続いている。
⑵2014 年度は本学文学部学生に対する広報活動として、大学院学内入試説明会
のポスターの北 16 校舎での掲示、大学院入試ポスターの掲示、大学ホームペー
ジでの情報提供など取り組み回数を増やした。文学部の入試説明会に大学院も
参加し、学生の受け入れ方針をさらに学内的に広報する一助とした。
⑶2014 年度は社会人入学者が人間生活学専攻 5 名、食物栄養学専攻 4 名と入学
者全体の 47%を占め、これら社会人学生に対しては土曜日の集中的な授業や夜
間の授業開講、あるいは北 16 条キャンパスを利用するなど就学の便宜を図って
おり、こうした点はリカレント教育としての本大学院修士課程の役割の一つと
しての効果が認められる。
大学院では、入学定員に対する入学者数比率が 50%を下回る状況が続いてい
る。在籍学生数比率は、わずかに 50%を超える状況である。本学学部卒業生の
大学院進学を多くする対策が必要である。
(大学院の入学者数)
入学定員
人間生活学専攻
8名
入学者数
入学定員に
対する比率
入学定員に
対する入学
者数比率
(5 年間平均)
2名
0.25
0.43
0.63
0.45
0.44
(内社会人 1)
食物栄養学専攻
8名
5名
(内社会人 3)
大学院研究科全体
16 名
7名
0.44
収容定員
在籍学生数
収容定員に
対する比率
16 名
16 名
32 名
10 名
9名
19 名
0.63
0.56
0.59
(大学院の在籍学生数)
人間生活学専攻
食物栄養学専攻
大学院研究科全体
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
大学基礎データ(表 3、4)
研究科の授業は、2014 年度は土曜日や夜間の授業開講をおこなった。しかし
社会人学生の職場からの通学の便などの点から 2014 年度は花川キャンパスの利
- 20 -
用が便利な状況もあった。今後もこれまで同様、受講生の利便性に対応した開
講場所や授業形態について柔軟な配慮が必要とされる。
入学定員に対する入学者比率の未充足や、収容定員に対する在籍学生数の未
充足な状況が続くことに対しては、本学学部からの推薦入試制度の導入検討、
学生への経済的支援拡充としての学内奨学金枠の増加、あるいは 2013 年度から
検討を進めている保育学科の大学院参加による学生数の増員など多角的に検討
を続けていく必要がある。
- 21 -
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
6
学生部長 小山
充道
学生支援
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
項 目
点検評価項目
前年度からの改
善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
内
容
⑴ 学生が学修に専念し、安定した学生生活を送ることができるよう学生支援
に関する方針を明確に定めているか。
本学ではアドミッション・ポリシーで求める藤女子大学生像に向けて「“学
生生活において努力するプロセス”への支援」を学生支援と捉えている。学生
支援は学生部、教務部、保健センター等の協働作業でなされており、本理念で
共通化を図り、具体的な形で社会に伝わるような工夫を早急に考える。
メンタルヘルスを含む現状の学生支援の実態を反映する業務内容となるよう
に、「保健センター規程」を改訂する。また学生相談室に関する規程を新たに
設ける。
新たな学生部委員会規程及び教務部委員会規程が定められた。両委員会規程
では、本学の建学の理念と教育目的に基づき設置されたことや、方針の策定、
職員を構成メンバーに加えたことのほか担当事項を明確に示した。両規程とも
2015年4月1日の施行となる。
保健センター規程改正案と学生相談室規程について、それぞれの暫定案が自
己点検・評価委員会において提示された。2015 年度中の成立を目指す。
保健センター規程改正案は、担当業務を明確にし、センター長が必要と認め
たとき、学生部や学生相談室またはセンター長が必要と認めた部署との連絡会
議をもつことが盛り込まれた。一方、学生相談室規程については、構成員や担
当業務内容の詳細について詰めなければならない点があり、今後の課題となっ
ている。
・学生部委員会規程
・教務部委員会規程
保健センター規程の改正と学生相談室規程の制定
⑵
内
容
学生への修学支援は適切に行われているか。
①キノルド司教記念奨学金は、貸与の条件等を見直すことにより学生支援機構
の奨学金の補完的役割を担う奨学金制度として独自の役割を十分に担えるよう
な制度にする必要がある。また、大学院学生数確保という視点でも、大学院生
への経済的支援をより充実させるための学内奨学金制度の拡充の検討が必要で
ある。本学では実際にどのようなことができるか、学生部として関連部局(会
計課等)と、検討を行っているところである。
②休学者・退学者及び留年者の状況把握と今後の対処方針は、不十分なところ
がある。
①現在のところ、キノルド司教記念奨学金は日本学生支援機構奨学金の補完的
役割を担う奨学金としては適切に機能していると考えられる。現在は「貸与」
となっているが、返還状況は良好である。
「給付」形態の取り入れを求める声も
あるが、限りある財源との絡みもある。改善課題を常に意識しながら、学生が
どのような奨学金を求めているのかについてさらに調査分析を行い、今後の遂
行手順を考えたい。
なお大学院対象の奨学金については入学者が少数であり社会人が多いこと等
を考慮し、今後の検討課題としたい。
- 22 -
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
②休学・退学・留年等対象となる学生が急増しているわけではないが、背景に
ある心理的理由や学業不振など個別の事情を早期に把握できるように、クラス
担任―ゼミ担当教員―学生部―教務部―保健センターおよび学生相談室等のネ
ットワークを今以上に深める。
大学データ(6-1~6-4)
⑷
内
容
学生の進路支援は適切に行われているか。
「女性とキャリア」という必修科目を開講しているにもかかわらず、本学の
学生は女性であるという特性を含め入学者の傾向等の特性を踏まえながらの修
学支援、生活支援、進路支援に関する支援方針は定められていないことから、
これについて明確に示す必要がある。
「キャリア教育」と「キャリア支援」の実効性を伴った全学的な取組みをす
るために、2014年度からキャリア支援センターが設置され、教職員一体となっ
たキャリアサポートを行っている。周知のとおり本学は北海道唯一の女子大学
である。これまで女性の特性を生かした学科配置および学科目構成や学生会活
動への支援等の各種支援は行ってきているが、総合的な支援方針を文書で述べ
るまでには至っていない。どのような場で、どのような形で支援方針を策定す
るかが今後の課題として残る。
キャリア支援センター規程
2012 年度から開設している初年次必修科目「女性とキャリア」は、大学にお
ける学習の社会的意義の自覚を促すものなので、キャリア支援センターとして
次の段階に向けた具体的なキャリア支援策を設ける検討を開始する。
- 23 -
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
6
人間生活学研究科長 飯村
しのぶ
学生支援
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
⑵
⑷
内
容
学生への修学支援は適切に行われているか。
学生の進路支援は適切に行われているか。
⑵大学院生への経済的支援としての奨学金制度は学部と同様である。日本学生
支援機構第一種奨学金は 2014 年度 1 名である。また奨学金返還免除者(半額免
除)も例年同様 1 名であった。同窓会による藤の実奨学金(給付)の受給も 1
名である。
大学院生への経済的支援をより充実させる一つの方策として 2014 年度は学内
の同窓会藤の実奨学金(給付)の採用枠の拡大を同窓会に申し入れた。
⑷2014 年度からは大学院生に対して、学部生同様にキャリア支援体制が強化さ
れた。2014 年度は社会人学生が多くを占め、この場合は大学院修了後も職場継
続あるいは指導教員を通じた職場移動などが見られたが問題はなかった。社会
人以外の学生は、大学院修了後に希望する就職に不安があることが本学の「大
学院生活満足度調査」において若干名みられたものの、公務員志望が強いもの
の、試験合格者はゼロであった。
大学院生活満足度調査
- 24 -
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
6
国際交流センター長
伊藤
明美
学生支援
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
内
容
⑴ 学生が学修に専念し、安定した学生生活を送ることができるよう学生支援
に関する方針を明確に定めているか。
国際交流については、本学として望まれる国際交流の指針を定め、将来的に
はその指針に基づく国際交流センター規程へと改正する必要がある。
また、留学生の派遣・受入れに関わる目標数値を明確にするとともに、派遣
留学生については留学前後のオリエンテーションを充実させ、留学の質をより
一層高めたい。
国際交流センターは、本学の教育理念・目的に掲げられた国際的な視野に立
って社会に貢献できる能力を有する学生を育成するために設置された。留学経
験は、多様性に満ちた国際社会を体験し、その中でそれぞれができることは何
かを考え、また行動するきっかけを与えることから、2002 年の開設以来、セン
ターは長期・短期留学を主体とする国際交流を積極的に推進してきた。一方、
センターの活動基盤となる国際交流センター規程は、本学の建学の理念と教育
目的を明確に反映したものではなかったため、規程改正を行った。具体的には、
センターの活動ならびに運営の目的と方針を大学の方針にそって明らかにした
こと、また、センター業務の遂行にあたり、より円滑に関係各所との連携を図
ることができるよう、条項を追加した。さらに、この規程改正によりあいまい
になっていた「センター職員」という呼称を「国際交流担当職員」と変更する
ことにより、その立場を明らかにして、職員の配置、業務遂行をより容易にし
た。
また、国際交流センターは頻繁に連絡を取り合ういくつかの重要部署(教務
部、学生部、日本語教員養成課程、外国語教育研究センターなど)との間で、
迅速な問題の共有と組織横断的な検討を行う必要があるとの認識に立ち、関係
部局長と話し合いを始めた。
国際交流センター規程
引き続き、関連する部署との間で、迅速な問題の共有と組織横断的な検討を
行うための対応を話し合っていく。
⑵
内
容
学生への修学支援は適切に行われているか。
私費留学のため休学する学生が増加する傾向が見られるため、長期の協定校
留学に加え、半期留学の実施に向け協定校の開拓を実施し、協定校留学の選択
肢を増やす。
学生や社会のニーズに合せて協定校の数、国や地域、また、プログラム形態
も拡充している。当初はアメリカ合衆国とオーストラリアの 4 大学でしかなか
った協定校の数は、現在ではイギリス、台湾、韓国、中国の 15 大学にまで拡大
した。また、滞在期間も長期(1 年)に加えて、夏季休暇と春季休暇に実施する短
期プログラム(2~5 週間)を実施して、より多くの学生が留学できる機会を提
供している。2015 年度後期からは学生からの要望が高かった半期の語学プログ
ラムをカナダの 2 大学で実施する予定である。さらに、台湾、韓国からは毎年 4
~5 人程度の学生を受入れ、留学生対象の日本語の語学授業に加えて 2014 年度
からは日本文化(講義)科目を設置して、アジア諸国との交流、連携、相互理
- 25 -
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
解に寄与している。
一方、長期派遣の留学生の語学力は相対的に低いままで推移し、協定校での
履修科目が限定的であることから、語学力向上のための機会の充実、派遣留学
生の選抜基準の厳格化などについて、外国語教育研究センターならびに教務部
委員会などとも連携をはかりつつ、運営委員会で検討を始めた。また、留学動
機の不明瞭な学生が増加傾向にあるため、留学前・後の研修の充実にむけて試
験的に異文化コミュニケーション論の観点から事前講義を行うなど充実に向け
た態勢を整えつつある。
海外留学協定校一覧
(藤女子大学ホームページ http://www.fujijoshi.ac.jp/abroad/partner.php)
2015 年度後期から始める英語研修のためのカナダ半期留学のプログラムは、
語学力不足による私費留学生の留学ニーズに応えるために重要である。今後は
こうしたプログラムを地域、言語ともに拡充させ、安全性や教育の質を担保し
た留学機会を提供する方針である。
半期留学については、学生が海外で習得した単位の読み替えならびに本学に
おける通年科目の扱い方など、教務部と連携をはかりながら、その基準・運用
などの具体的方策を検討する。
- 26 -
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
7
事務局長 井上
泰則
教育研究等環境
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
項 目
点検評価項目
内
容
⑴ 教育研究等環境の整備に関する方針を明確に定めているか。
⑵ 十分な校地・校舎および施設・設備を整備しているか。
北 16 条キャンパスには築 50 年を超える校舎・講堂があり、一部耐震診断を
実施したが、基準値に満たない階もあることから、早急に改修あるいは改築を
計画する。また教室等の AV 設備についても、技術革新の進展に併せて必要な更
新及び増設を漸次実施する。
北 16 条キャンパスは、校地周辺の駐輪場等の学校用地を含めて、人間生活学
部と文学部の共通教養科目の同地開講等をも視野に入れ有効活用できるよう校
舎の改築を計画する。
北 16 条キャンパスの校舎は、最も古い建物で 1954 年、次いで 1971 年に建築
されたもので、現在は主に教員研究室・教室・学生クラブ室等及び図書館・講
堂が配置されている。これらの建物の耐震対策を主とした老朽化対応が、本学
の施設面での教育環境整備として喫緊の課題であった。
北 16 条キャンパスは、大学の管理校地として凡そ 9 千平米ほどの敷地に 5 棟、
2 万 2 千平米ほどの校舎が建ち、うち古いものは 1 万 2 千平米ほどの 3 棟である
が、これらの校舎はそれぞれ対応する階高で接続しており、登記上も一体の建
物となっている。そのため、学事に支障を来たすことがないよう、改修・改築
については、相応の期間をかけて段階的に進めることとした。
2014 年度は第一段階として、地下1階地上 6 階建て約 6 千平米の講堂・図書
館棟を改修した。この建物は現行の建築基準では日影等の関係で同一の延床面
積の確保が難しいこともあって、耐震及び省エネルギー対策を目的とし大規模
な改修工事として実施した。また同時期に図書館内部の拡張工事も実施して、
集密書架を増設して書庫スペースを拡大したほか、新たに学生の学修の場とし
てラーニング・コモンズを設備した。
その他の教育研究用設備としては、人間生活学部に高速液体クロマトグラフ
などの大型実験装置を 3 組整備したほか、両校舎の講義室の AV 装置等の新設・
更新、また改修した講堂の1階席の椅子 890 席を、ゆとりあるサイズのものに
更新した。
学内ネットワークの整備として、ネットワークサーバー類の更新及びメール
環境の整備等を実施した。
大学基礎データ(表 5)
北 16 条校舎の耐震化をさらに進めることとして、老朽校舎の一部を解体し、
跡地に新校舎を建設するために必要な作業に入る。設計業者を選定し、改築建
物の実施設計を開始し、併せて解体部分を特定し、当該部分にある研究室等の
移設及び実際の解体工事も 2015 年中に着工する予定である。
教育研究用のネットワークについては、学外に繋がる回線速度の向上を図る。
講義室の AV 設備増強についても両校舎ともに順次進める。
⑸
内
容
研究倫理を遵守するために必要な措置をとっているか。
前年度からの
改善すべき事項
- 27 -
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
2014年2月に改正された「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイド
ライン」で「コンプライアンス教育責任者」の設置が義務化されたことに伴い、
本学では各学部長及び事務局長を「コンプライアンス推進責任者」として定め
た。さらに8月に示された「研究活動における不正行為への対応等に関するガイ
ドライン」に基づき、「最高管理責任者」を学長、「統括管理責任者」を副学
長とする研究倫理に関する本学の体制及び規程を定め、合わせて関係する「研
究倫理規準」の一部改正を行った。2月には教員に対する研修会を行った。
藤女子大学における研究活動上の不正行為に関する規程
研究倫理規準
- 28 -
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
7
図書館長 木村
信一
教育研究等環境
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
⑶
内
容
図書館、学術情報サービスは十分に機能しているか。
学生の主体的な学修を支援するための機能として、ラーニング・コモンズの
教育環境整備を進める。
本年、本館講堂棟耐震改修工事に伴い図書館内においても施設や設備が改修
され、1 階にラーニング・コモンズの新設、図書課事務室を 2 階に統合(目録情
報係・情報サービス係)、また、旧地下保存書庫のスペースには約 5 万冊収容の
手動式集密書架を増設し、雑誌の再配置を行った。図書資料についても(語学
資料、指定図書、参考図書を除く)分類番号順に再配置を行った。これにより、
利用者は分類番号順に配置されていることで資料が一段と探しやすくなった。
2 階閲覧室、1 階ラーニング・コモンズには空調設備を完備し、図書館内全体の
利用環境が向上された。
ラーニング・コモンズの新設にあたっては、図書課、教務課、システム管理
室の 3 課合同で「ラーニング・コモンズ準備会議」を立ち上げ、スペースの活
用方法、必要機材を優先に検討を行った。各スペースは、グループラーニング
スペース、メディアスペース、学習支援スペース、多目的スペースとした。ICT
機器についても無線 LAN、電子黒板、貸出用ノートパソコン、カラープリンター、
ブルーレイディスクと DVD プレーヤー、コードレスヘッドフォンを装備した。
学生に対する広報活動、事務局各課との連携、教員や授業との連携が主体的な
学修を重ねる場所として利用されることに期待している。
また、ラーニング・コモンズの運営については、学生ボランティアによる運
営を図書館情報学課程の授業で企画検討してもらうことで、図書館における学
生協働の活動が大学全体に認知され、活性化に繋がることを期待している。
大学内で生産される研究成果物として、研究紀要類があるが、2006 年 7 月か
ら国立情報学研究所が支援する「研究紀要公開支援事業」に順次申請し、2014
年度現在紀要類 9 誌を電子化、毎年約 50 論文が電子化され、2015 年 3 月現在約
720 論文が、国立情報学研究所の CiNii(NII 論文情報ナビゲータ)上で全文を登
録している。
本学の機関リポジトリ構築については図書館委員会において幾度か検討を重
ねてきた。2015 年 2 月に NII より「学術雑誌公開支援事業」の終了の通知を受
けて 2016 年度末以降 CiNii に登録することができなくなることから、NII の
JAIRO Cloud を利用した機関リポジトリを構築することとし、本学で作成された
学術研究成果(論文等)を収集・保存し、全世界に向けて無償で公開し情報発
信することで準備を進めることになった。
学術情報流通は電子媒体が主体になりつつある中で研究支援の一環として電
子ジャーナルの整備が急がれる。電子ジャーナルのパッケージ導入については
2013 年度から検討をすすめ、図書館や各学科で拠出率を決めて共同負担で購入
することとし、道内他大学の導入事例を参考に EBSCO host の総合学術全般の
「Academic Search Premier」ディスカバリーサービスを導入し、2015 年 4 月か
ら利用が開始される。
開館時間については、延長を希望する学生もいる。近年、講義前の開館を希
望する学生が多くなったように思われる。また、大学院生の利用にはニーズに
- 29 -
あった適切な対応が必要である。
施設・設備については適宜対応しながら利用者の要求に応えるべく努力して
いるが、蔵書が年々増加する中でスペースの狭隘化については対策が望まれる。
専任職員の業務経験にも偏りが見られるため計画的な人材育成が望まれる。
図書課内での OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で業務全体を把握し、積
極的に取り組む姿勢を持つことで、後進への知識や経験の継承をすすめる必要
がある。
図書整理業務の簡素化として、本学では日本十進分類法の新版(10 版)発行
にあわせて旧版からの準備をすすめていたが、具体的な検討まで至っていない。
現行の分類を精査したうえ、図書課内で分類委員会(仮称)を発足し準備をす
すめる必要がある。
2004 年 9 月に導入した図書館情報システムは 10 年が経過した。道内他大学に
おいても新システム(ソフト)の更新が完了している。本学も新図書館情報シ
ステム(ソフト)の更新をすすめる必要がある。
時間外開館の運営体制について、2014 年度から本館と花川館に各 1 名の派遣
職員を配置することとなった。今後図書課業務の見直しを含めて、外部業者委
託による業務の分担、延長開館等を視野に入れながら検討する必要がある。
利用者教育は、図書館を有効に活用するための必須事項であることから、先
進的大学が実施しているように、初年次教育の一環として位置付け必修にでき
ればと考えている。
新設されたラーニング・コモンズスペースを有効に活用していくためには、
教員や事務局各課の連携強化、学生協働と図書館がさらに密接な関係を築きあ
げることで成果向上に結びつけたい。関連する備品については年次計画をたて
て整備する必要がある。
- 30 -
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
8
人間生活学部長
池田
隆幸
社会連携・社会貢献
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
内
容
⑴ 社会との連携・協力に関する方針を定めているか。
⑵ 教育研究の成果を適切に社会に還元しているか。
⑴ 本学、各学部、研究科の目的において、社会連携・社会貢献を社会的使命
として掲げているが、本学、各学部、研究科が社会連携・社会貢献としてど
のようなことをどのように目指すか等に関する方針は制定していないため、
方針の制定が必要である。それは、文学部にとっては、社会連携・社会貢献
を積極的に行うための基盤整備に着手するために必要であり、人間生活学部
にとっては、多くの地域連携活動が一部の教員や学生に片寄り、負担が集中
している弊害を解決するためにも必要である。
現在、社会連携・社会貢献についての明確な方針は設定されていないが、大
学の理念・目的に基づいて学科の特長を活かし、一般市民を対象として健康や、
子育て、福祉および QOL などをめぐる問題に関する市民公開講座や特別講演会
を開催するほか、石狩市などと連携した活動を行うなど地域貢献を進めている。
今後は、大学としての社会貢献に対する明確な方針を策定し、その方針・到達
目標などに照らして、社会連携・社会貢献の取組みの適制を検証することによ
って、活動をさらに促進していきたい。
保育園と幼稚園両方の機能を持った認定こども園が徐々に増え、幼稚園、保
育士の両免許・資格が必要となっている現状から、持っていない免許、資格を
取得するための特例講座を2015年度より開設する。
大学における、社会連携社会貢献に対する方針の策定を促し、その方針に基
づいて人間生活学部の方針の策定を行う予定である。
- 31 -
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
8
人間生活学研究科長 飯村
しのぶ
社会連携・社会貢献
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
⑵
内
容
教育研究の成果を適切に社会に還元しているか。
人間生活学専攻では、2014 年度フィリピン協定校との交流授業を石狩市厚田
区を対象として実施し、その成果の報告会を公開した。
- 32 -
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
9
事務局長 井上
泰則
管理運営・財務
9-1 管理運営
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
内
容
⑴ 大学の理念・目的の実現に向けて、管理運営方針を明確に定めているか。
⑵ 明文化された規程に基づいて管理運営を行っているか。
意思決定のプロセスのうち、各種委員会から各学科、教授会、評議会と順次
合意を形成することは、慎重に充分な検討を重ね遺漏のない決定のためには有
効といえるが、反面費やす時間が多く喫緊の課題等には対応できないこともあ
る。
大学の意思決定プロセスは多くの場合、教務部委員会等の各委員会から教授
会・研究科委員会の審議を経て、学長が議長である大学評議会で審議決定され
る。また学長自らの諸施策の実現についても、学長からの付議事項として同様
の手順を踏むことが通例であった。
このため教育課程の改革、学内組織の改変及び入試等における新制度の導入
などについては、学内の意見集約に相当の時間を要し、また事案によっては審
議の継続長期化するものもあり、大学の意思決定の迅速化は大きな課題であっ
た。
2014 年に発布された学校教育法の改正により、教授会の役割が明確化された
ことを機として、学則をはじめとした学内諸規程を見直し、学長による大学運
営の基本方針のもと、必要な改正を行った。
改正に当たっては、
「学校教育法等の法令に準拠し、本学の建学の理念と教育
目的が時宜に適って適正かつ迅速に達成できるガバナンス改革を、教職員が一
致協力して学生を教育できる体制」として実施することを基本方針として示し、
学長提案として改正案を両学部教授会、研究科委員会での審議を経て、評議会
で裁可した。またこれと併せて学長の権限と責任及び副学長の職務についても
学則に明確化することとした。
改正された規程は以下のとおりである。
「藤女子大学学則」
「大学院学則」
「文学部教授会規程」
「人間生活学部教授会
規程」
「人間生活学研究科委員会規程」「評議会規程」「教員人事規程」「文学部
教員選考委員会規程」「人間生活学部教員選考規程」「図書館情報学課程教員選
考規程」
「キリスト教科目教員選考規程」
理事会と大学との関係性は基本的には変更はないが、学長と教授会の関係性
を整理するために「理事会業務委任規則」の一部を改正した。
・藤女子大学学則
・大学院学則
・文学部教授会規程
・人間生活学部教授会規程
・人間生活学研究科委員会規程
・評議会規程
・教員人事規程
・文学部教員選考委員会規程
・人間生活学部教員選考規程
・図書館情報学課程教員選考規程
・キリスト教科目教員選考規程
・理事会業務委任規則
大学運営の基本方針に沿って、ガバナンス改革が実効あるものとなるよう、
引き続き学部長等の職位規程をはじめとして学内諸規程の整備を進める。また
学長と教授会等との意思疎通を深め、大学改革に向けての諸施策の迅速に執行
するため、部長会議等の機能を見直し、業務執行体制を整備する。
- 33 -
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
内
容
⑶ 大学業務を支援する事務組織が設置され、十分に機能しているか。
⑷ 事務職員の意欲・資質の向上を図るための方策を講じているか。
事務組織の活性化と職員個々のスキルアップのためにも、定期的なジョブロ
ーテーションを実施し、業務の属人化を防ぐ必要がある。少人数の組織単位を
解消するためにも事務部局の再編成を検討する。
学生のキャリア形成を教育課程内外から支援するために「キャリア支援セン
ター」が新たに発足し、それに伴い就職課・係を、それぞれキャリア支援課・
係と改称した。キャリア支援センターを運営する「キャリア支援運営委員会」
は、その構成員に事務局職員が加わってスタートしており、組織上からも教職
協同のさきがけとなるものとしている。また、同年度には、自己点検・評価委
員会から、内部質保証に関するシステム構築の一環として、教学系の委員会規
程の改正を検討する中で、教務部委員会・学生部委員会・入試部委員会・図書
館委員会の構成員として事務局職員が加わるよう要請され、2015 年度より新た
な体制で教職協同が進展することとしている。同様に国際交流センターもその
運営委員会の構成員として職員が加わり、併せて従前センター職員の事務局の
位置付けが未整理であったものを、
「国際交流室」を設置することで、事務局組
織の職掌として規定した。
職員のジョブローテーションの実施については、育児休業の代替のための配
置換えを行ったのみで、年度中途の退職などの事情もあって、引き続きの課題
とせざるを得なかった。
SD クラブの活動としては、大学改革推進及びコンプライアンスに関すること
をテーマとして職員を講師として開催したほか、大学広報についてのセミナー
を、本学の卒業生でもある専門家を講師として開催した。また日本私立大学協
会主催の研修会・セミナー等についても SD クラブの活動として派遣しており、
特に本年度は職能の多様性を喚起するため、教務研修に会計課職員・経理研修
に教務課・入試課職員など職掌別の研修会に異なる職を担当する職員を派遣し
た。2014 年度の参加状況は、25 研修会等に延べ 58 名の職員を派遣し、その成
果については学内ポータルサイトに報告書を共有した。
・キャリア支援センター規程
・教務部委員会規程
・学生部委員会規程
・入試部委員会規程
・図書館委員会規程
・国際交流センター規程
事務職員の採用については財政面からの要請により総員抑制が続いている
が、2014 年度 3 名の職員が退職しており、2015 年度早い機会に採用人事を行う
必要がある。採用予定職種及び数については、課題としているジョブローテー
ションと併せて具体案を策定する。
職員に求められる業務は年々その質・量ともに増大してきているが、部局の
新設・人員増で対応することが難しいなか、個々の職員の所属とは別に横断的
な業務単位を組成する必要がある。現状では入試広報業務でタスクフォースを
組成しているが、他にたとえば大学ポートレートや学内ポータルシステムの運
営等、所属の職掌とは別に、職員が連携して特定の業務に対応することで、量
の増加を吸収したい。
新たな業務またそれらの質に対応するためには、職員の資質向上がもちろん
欠かせない。SD クラブを通しての活動を、クラブリーダーを任命するなどして
さらに自律的に活性化できるよう、また学外の研修機会にも積極的に派遣し、
多くの知識・情報を職員が共有できるよう務める。
- 34 -
2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
9
事務局長 井上
泰則
管理運営・財務
9-2 財務
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
内
容
⑴ 教育研究を安定して遂行するために必要かつ十分な財政的基盤を確立して
いるか。
⑵ 予算編成および予算執行は適切に行っているか。
外部資金の導入については種々の促進策を実施しているものの、必ずしも実
績に繋がっていない。また予算編成についても支出抑制は機能しているが、収
入については戦略的な収入増加に向けての諸策に欠けている。
外部資金、特に産学連携における受託研究費等について、間接経費などの受
託要件を整備する。
収入の増加策としては、大学を取り巻く経済環境の推移を見ながら、10 余年
ぶりの学費値上げも視野に入れる。
大学の 2013 年度決算は、事務システムの更新及び施設整備の一環として北 16
条キャンパス近隣の不動産を購入したことで、基本金組入額が例年を大きく上
回り、消費収支比率が 107.1%と 2007 年度以来の支出超過となった。また経常費
補助金も、新たに募集された大学改革推進特別経費のいずれのタイプでも不採
択となったことなどから、前年比 10%ほど減額されたこともあって、消費収支計
算書関係比率は概ね前 5 年間に比して悪化した。ただ帰属収入に占める消費支
出の割合は 94.4%%であり、基本金組入を除いた年間収支は依然均衡状況にあり、
また貸借対照表関係比率についても積立金等の取崩しもなく、財政状況は安定
している。
2014 年度は、北 16 条キャンパス講堂・図書館棟の耐震改修工事を実施した。
本工事は文部科学省の補助事業として行い、併せて私学事業団の耐震改修特別
融資を受けることで、積立金等の取崩しをせず年間の現預金収支で吸収するこ
ととした。
年度予算の編成に際しては、消費税率アップなどの支出増が見込まれるなか、
前年までのゼロシーリングを継続し、一方で教育環境整備については優先度等
を考慮してメリハリのある予算として編成した。予算の執行についても、前年
に導入した予算管理システムの本格稼動と検収体制の整備等によって、効率的
な執行と経費の削減に努めた。
大学基礎データ(表 6、7、8)
2014 年度決算は、講堂・図書館棟の耐震改修工事に伴う基本金の組入れによ
り、2 年連続の消費支出超過となる見込である。流動・固定資産の金融資産に大
きな変動はないものの、改善しつつあった累積消費収支超過が反転増加したこ
とは財政上の課題である。
北 16 条キャンパスの開学以来からの校舎棟については築後 50 年を越えてお
り、早急な耐震改築を余儀ないものと考えている。それらの調達については、
耐震改築補助金等の動向を注視しながら、財務的なバランスを考慮し、多様な
源泉を模索することが必要だ。
大学の財政は、1992 年の花川キャンパスの開設以降、2000 年、2001 年の花川・
北 16 条校舎の増改築及び 2007 年の北 16 条校舎改築と、施設整備に係る自己資
金の投下により、ストックとしての金融資産が不足している。このような状況
のなか、あらたな施設・設備の整備を行うためには、十数年間据え置いている
学費についても見直す必要がある。
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2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
10
副学長
藤井
義博
内部質保証
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
内
容
⑵ 内部質保証に関するシステムを整備しているか。
⑶ 内部質保証システムを適切に機能させているか。
⑵各委員会規程、センターや研究所規程において、本学の建学の理念と教育目
的に基づいてそれぞれの目的、任務及び検証体制等を記すという記載形式に則
っていないものがあるので、当該規程やポリシーを改正する。
⑶自己点検・評価に学外者の意見を反映することについては、同様の規模、学
部構成などを有する他の女子大学と協力して実施することを提案していく。
教育研究活動のデータ・ベース化に向けた具体的な取組みがなされていない。
⑵学則をはじめとする必要な規程の改正を行い、本学の質を保証するための検
証プロセス等を明示するようにした。内部質保証という統一的観点から、各部
署が毎年自己点検・評価委員会に当該部署の検証結果を報告するよう関係規程
を一部改正することにより、各部署における内部質保証を進める礎となる規程
にした。
⑶本学と規模及び学部学科構成が類似しているノートルダム清心女子大学に相
互評価について打診した。
・教務部委員会規程
・学生部委員会規程
・入試部委員会規程
・図書館規程、図書館委員会規程
・国際交流委員会規程
・大学院入試委員会規程
・大学院人間生活学研究科委員会規程
自己点検・評価に学外者の意見を反映することについて、その実現に向けて、
時期を見て当該大学を訪問し担当者(学部長など)と協議する予定である。
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2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
文学部ファカルティ・ディベロップメント委員会
委員長 野手
修
内
容
従来までの FD 活動を学部ディプロマ・ポリシーの実現にむけより効果的なも
のにするため必要な行動計画を策定し、自己点検・評価委員会と連携しつつ、
その成果を定期的に検証する。
各教員が個々に授業改善した状況の把握を行っていないため、自己満足に陥
りやすい現状を踏まえ、FD 活動(授業見学、研修会、事例発表など)を活性化
させる必要がある。
今年度から自己点検・評価委員会へ FD 委員長が委員として参加し、FD の推進
状況について、藤女子大学自己点検・評価委員会に適宜報告することとなった。
これにより、文学部の FD 活動は両学部を含む FD の一環として位置づけられた。
1.2014 年度の活動
①授業改善のためのアンケート
文学部では従来までの方針を受け継ぎ、前・後期に授業改善にためのアンケ
ート調査を実施するとともに、2013 年度のアンケート結果をウェブに公表した。
ウェブ報告では学生による自由記述は含まれないが、教員より返却されたアン
ケート結果を FD 委員会にて閲覧のうえ、参考となる内容の記述についいては学
内で情報を共有出来るようニュース・レターを発行した。昨年度は、2013 年度
の結果をふまえ、ニュース・レターNo.2 を発行し、文学部の教員および非常勤
講師全員に配布した。
②行動計画に関する協議
2009 年以降、文学 FD 委員会では、委員会がとり扱うべき職務細目についての
議論がなされてきた。2014 年度では、文学部ディプロマ・ポリシーの実現にむ
け、教員一個人では解決・改善が困難な課題を委員会でとりあげ、その実現の
可否を検討するとともに、他の委員会との連携のもと課題の解決に取り組んだ。
そのうち主要なものとして、a. 教務部との共催による「F-station」講習会の
開催、b. 初年度教育の充実のための授業担当者との意見交換、 c. 卒論指導の
ための環境整備にむけた意見聴取等があげられる。
2.現状の問題点
現在、FD 活動は学部ごとに異なる方針で進められ、大学全体として目指すべ
き共通の目的を策定し、活動計画を実施できるまでには至っていない。さらに、
両学部に於いても各科代表の教員が主体となって FD 活動が進められてきたが、
現状の運営組織が本学として望ましい活動を進めるうえで適切であるか否かさ
らなる検証が必要である。
文学部の FD 活動については、アンケート調査は制度として定着しており、教
員からのフィード・バックも定期的になされているが、アンケートの返却率が
低いため、現状は多くの教員(特に専任教員)の参加による FD 活動とは実質上
なっていない。アンケート調査を中心とする現体制に加え、学生からの要望や
意見に対する教員・大学の反応を取り入れ、現状の改善にむけたシステムの構
築が必要である。
授業改善のためのアンケート
(http://www.fujijoshi.ac.jp/guide/questionnaire.php)
文学部 FD ニュース・レターNo.2
①FD 活動の活性化
クラスター制度の運用によるチーム・ティーチングなどの教員間の協力関係
- 37 -
のさらなる促進、卒論指導・評価の改善、初年度教育の充実、成績基準の明確
化等にむけて必要な解決策を策定し、関連部署との協力によりその実現を図る
必要がある。
②FD 活動促進のための情報の活用
現在「教員各自の FD に資するため」との目的で実施されているアンケートを、
学部全体の教学の改善にむけたシステム構築のための活動の一環として位置づ
け、教員からのフィード・バックの活用を促進する必要がある。
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2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
人間生活学部ファカルティ・ディベロップメント委員会
委員長 菊地 和美
内
容
各教員が個々に授業改善した状況の把握を行っていないため、自己満足に陥
りやすい現状を踏まえ、FD 活動(授業見学、研修会、事例発表など)を活性化
させる必要がある。
2014 年度の人間生活学部 FD 委員会は、7 回開催し、
『教育成果について定
期的な検証を行い、その結果を教育課程や教育内容・方法の改善に結びつけ
ているか。
』などの課題に取り組んできた。
①「授業改善のためのアンケート」について
授業改善のためのアンケートを年に 2 回前後期に実施している。授業評価
とアンケート項目との相関を分析し、その結果を踏まえて不要な項目の削除
と項目の新設を行い、2013 年度後期より実施してきた。
(2014 年度は前期 168
科目、後期 214 科目実施)
アンケートの結果を「今後の授業改善策に活かしている」または「検討中
である」という回答は、前期・後期共に 90%以上得られ、効果が上がってい
ることを示している。アンケートを実施することにより、各教員がよりよい
教育を実践すべく努力する目安ができた。寄せられた意見として、学内だけ
でなく、他大学の取り組みも積極的に調査することの提案もみられた。
②各部・委員会との連携について
2014 年度は、教務部や文学部 FD 委員会と連携し本学の諸課題を検討した。
教務部委員会からは、教育内容・方法の改善として授業のための「F-Station」
講習会が提案され、8 月 4 日北 16 条キャンパスにおいてコンピュータを用い
た研修を文学部 FD 委員会・人間生活学部 FD 委員会共催で開催した。人間生
活学部 FD 委員会では、
「授業改善のためのアンケート」を受けて「授業にど
のように活かすのか」報告書作成様式を「F-Station」に公開することより、
専任教員・非常勤講師がダウンロード可能なシステムにつなげている。一方、
教務部委員会からの GPA 集計実験で得られるデータに関する検討などは、継
続議題となっている。
文学部 FD 委員長との連携では、2014 年度北海道地区 FD・SD 推進協議会に
おける活動を両学部 FD 委員長が協同で取り組み、FD 委員会としての意識の
共有を図っている。
③学外 FD 研修会について
教員資質向上のために大学全体として行う公開講座や講演会とともに、学
外で開催されている FD 研修会などを案内し、出席者には報告書作成ならび
に教授会においても報告することとした。
2014 年度に案内した FD 研修会は以下のとおりである。
・教育改革 ICT 戦略大会「改革行動の展開に向けて」
(2014 年9月)
(出席者
なし)
・IDE(大学協会)北海道支部(2014 年 8 月)IDE 大学セミナー「これでい
いのか FD」(1 名出席)
・初年次教育学会大会(2014 年 9 月)(人間生活学部 FD 委員 1 名出席)
・FD 研修会(北翔大学)
「新しい授業改善の試み」
(2014 年 9 月)
(人間生活
学部 FD 委員 1 名出席)
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取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
2015 年度には、
「授業改善のためのアンケート」結果を活かし、学生満足
度の高かった教員について、授業参観の実質化をはかり、PDCA サイクルを回
して検証できるようなシステムにつなげることを検討する。
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2014 年度
自己点検・評価報告書
報告者
項 目
点検評価項目
前年度からの
改善すべき事項
今年度の取組み
状況と点検評価
取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題
大学院ファカルティ・ディベロップメント委員会
委員長 菊地 和美
内
容
各教員が個々に授業改善した状況の把握を行っていないため、自己満足に陥
りやすい現状を踏まえ、FD 活動(授業見学、研修会、事例発表など)を活性化
させる必要がある。
院生を対象とした「大学院生活満足度調査」を毎年実施しており、ここに
教育内容や方法に関する総合的な評価が盛り込まれている。調査の項目につ
いては、大学院で開講されている授業だけでなく、カリキュラムや修士論文
作成指導、教育施設、学生支援システムや各種サポート体制に関する項目な
ど、研究から生活満足度を含めた大学院全般を含む内容となるよう検討して
いる。
調査の 2013 年度と 2014 年度結果を比較すると回収率が高く、「本大学院
に入学してよかった」「研究科や所属した専攻に満足している」などの満足
度も高かった。
大学院 FD 委員会では、「今後の課題にはどのようなことが挙げられるか」
検討し、集約後には研究科委員会に提案するよう取り組んでいる。2014 年度
は、TA、大学院了後の就職支援、研究へのサポート体制についての問題点が
挙げられた。
大学院生活満足度調査
「大学院生活満足度調査」を受けて改善したことなどを院生室に掲示した
り、大学院の授業を一部公開講座にできるよう、継続して検討していく。
TA、大学院了後の就職支援、研究へのサポート体制についての問題点を継
続して検討していく。
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取組み状況を示
す具体的な根
拠・データ等
次年度への課題 ・教員と学生相談室間および保健センターと学生相談室間の情報共有の課題は、
来年度も検討を続け、2013 年度には一定のコンセンサスを得ることを目標にし
ている。
・発達障害学生への支援体制の構築が次年度以降の課題のひとつである。
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