書名: クリスマスの思い出 著者:トルーマン・カポーティ 訳者:村上春樹 出版社:文藝春秋 出 版 年 月 : 1990 年 11 月 総 ペ ー ジ 数 : 79 ペ ー ジ ISBN: 4163122109 「 推薦者 倉橋誠一 鳴門教育大学大学院講師 特別支援教育専攻 田中雄三 鳴門教育大学長 著者はオードリー・ヘプバーン主演で映画化された「ティファニーで朝食を」の原作者 として有名です。この本は日本では著者の「イノセント・ストーリー」シリーズ(村上春 樹:訳/山本容子:銅版画)として出版された最終作品です。私は村上春樹という名前に 惹かれて購入したのですが,色鮮やかな版画と遠い過去の純粋な気持ちを思い出させてく れるこの本に魅せられました。 主 人 公 の 7 歳 の 僕 と 60 歳 を 超 え た 遠 縁 の い と こ ( 女 性 ) が 毎 年 ク リ ス マ ス の 季 節 に 行 う三十個のフルーツケーキ作り。二人で一年かけて貯金をし,材料を集め,ケーキを焼き ます。でもそのケーキはいったい誰のために焼かれたのでしょうか。 クリスマスイブの夜,彼女は僕に「お前の手も以前はもっとずっと小さかったような気 が す る ね え 。お 前 が 大 き く な っ て い く の は ,あ ま り 嬉 し く な い ね 。お 前 が 大 き く な っ て も , 私 た ち は ず っ と 友 達 で い ら れ る だ ろ う か ね え 」 PP60-63 と 問 い か け ま す 。 僕 は 「 ず っ と 友 だ ち さ 」 p63 と 答 え ま す が , こ れ が 二 人 が と も に 過 ご し た 最 後 の ク リ ス マ ス と な り ま す 。 大人へと成長していく僕と老いていく彼女。前者の立場であった私たちはいつしか後者 へと変わっていき,同時に幼い頃の純粋な気持ちを忘れていきます。しかし,その気持ち を忘れていない彼女は生きることに時々大変さを感じているのかもしれません。 学生時代に読みたかった一冊,カヌーイスト野田知佑著「旅へ です。野田さんは現在徳島県美波町に住んでいます。 新放浪記1」もお薦め
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