平成15年度市場調査 エコマーク認定商品の市場シェア調査 (情報用紙、衛生用紙、塗料) 平成16年4月 東京都港区麻布台1丁目11番9号 プライム神谷町ビル2階 財団法人 日本環境協会 エコマーク事務局 TEL03−5114−1255 FAX 03−5114−1257 1 目次 はじめに <情報用紙> 1.調査結果の概要 .............................................................. 1 2.調査結果詳細データ ....................................................... 7 3.エコマークに関するアンケート集計(認定企業) ......... 10 <衛生用紙> 1.調査結果の概要 .............................................................. 13 2.調査結果詳細データ ....................................................... 18 3.エコマークに関するアンケート集計(認定企業) ......... 20 <塗料> 1.調査結果の概要 .............................................................. 23 2.調査結果詳細データ ....................................................... 27 3.エコマークに関するアンケート集計(認定企業)………28 2 はじめに (財)日本環境協会は 1989 年(平成元年)2 月より、第三者認証環境ラベル としてエコマーク事業を実施してきました。本事業は事業開始以来 15 年が経過 し、現在商品類型数 59、認定商品数 5,673(2003 年 12 月 31 日)を数えるに至 っています。 これまで、平成 14 年 9 月には文具の代表的な 5 品目(ボールペン、シャープ ペンシル、マーキングペン、修正用品、ノート)を、更に、平成 15 年 6 月には 衣服、複写機、プリンタを対象として、エコマーク認定商品が、市場の中でど れくらいのマーケットシェアを占めて販売されているか調査を実施し、環境配 慮型商品のトップランナーであるエコマーク認定商品が、市場でどのような評 価を得ているかを把握し、エコマーク事業推進の指針とすべく検討を行いまし た。 今回、より広範囲のエコマーク認定対象商品の実態を把握するために、情報用 紙、衛生用紙、塗料を選定し、調査を行いました。なお、実施に当たっては、 株式会社矢野経済研究所に調査を委託しました。 財団法人 日本環境協会 エコマーク事務局 3 <情報用紙> 1.調査結果の概要 調 査 時 期 調査対象商品 2003 年 11 月∼2004 年 1 月 ①PPC用紙 *1 ②インクジェット用紙 *3 ③フォーム用紙 *4 ④ジアゾ感光紙 *5 ⑤OCR用紙 *2 計5品目 *1 複写機(PPC)に使用される紙(およびレーザープリンタ等 に使用される紙) *2 インクジェットプリンタに使用される紙 *3 コンピュータのアウトプットに使用される紙 *4 ジアゾ感光液を塗布して作った陽画感光紙 *5 光学的文字読み取り用紙 調査対象期間 2002 年度、2003 年度(見込)の年間推移 調 査 項 目 1)各品目毎の国内市場全体でのエコマーク認定商品 の推定販売数量シェア 2)各品目毎の販売ルート別でのエコマーク認定商品 の推定販売数量シェア 販 売 ル ー ト の 区 分 法人向けおよび小売(店頭)向けに区分 法人向け:販社・代理店等からの直接販売 小売(店頭)向け:小売店での店頭販売 調 査 方 法 調査対象品目の認定企業へのヒアリングの実施 ならびに専門調査機関による推計 ヒアリングを実施した認定企業 56 社(調査対象商品 の認定企業全 81 社の 69.1%) 4 調査結果のまとめ 1) 各品目別の市場全体でのエコマーク認定商品の推定販売数量シェア 各品目別の 2003 年度の推定市場規模(メーカー出荷ベース)とエコマーク 認定商品の推定販売数量シェアは下表の通りである。 <表1> 各品目別の 2003 年度の推定市場規模(メーカー出荷ベース)と エコマーク認定商品の推定販売数量シェア 145,900 百万円 2002 年度 推定市場規模 (出荷数量 ベース) 1,086,000 ㌧ 2003 年度 推定市場規模 (出荷数量 ベース) 1,140,000 ㌧ 17,400 百万円 25,550 ㌧ 32,600 ㌧ 127.6% 39,700 百万円 8,300 百万円 4,700 百万円 330,200 ㌧ 19,100 ㌧ 22,550 ㌧ 330,800 ㌧ 17,700 ㌧ 21,850 ㌧ 100.2% 92.7% 96.9% 2003 年度推定市場 規規模(出荷金額 ベース) PPC 用紙 インクジェット 用紙 フォーム用紙 ジアゾ感光紙 OCR用紙 PPC 用紙 イ ン クジ ェッ ト 用紙 フォーム用紙 ジアゾ感光紙 OCR用紙 2003 年度 エコマーク 認定商品シェア (金額ベース) 16.5% 市場規模 前年対比 (数量ベース) 105.0% エコマーク 2002 年度 2003 年度 エコマーク エコマーク 認定商品 認定商品シェア 認定商品シェア 前年対比 (数量ベース) (数量ベース) (数量ベース) 16.0% 16.5% 108.2% 2.3% 3.4% 4.0% 149.8% 3.8% 64.4% 1.2% 3.9% 44.1% 0.9% 3.8% 67.6% 0.9% 96.1% 141.9% 100.0% PPC用紙のエコマークシェアは 16.5%となっている。官公庁や大企業では エコマークの取得が入札条件となっていることが多く、また、PPC 用紙市場 は当面拡大基調が続くと予想されることから、エコマーク認定商品の流通量も 拡大していくものと考えられる。ただし、持続可能な森林からの原料調達を証 明した森林認証制度など再生紙以外の環境配慮型商品の認知・普及に加えて、 輸入品の増加もあり、全体市場に占めるエコマーク認定商品のシェアは横這い から微増にとどまるものと見られる。インクジェット用紙のエコマーク認定商 品のシェアは 4.0%と現状、低水準であるものの、同市場は急速に拡大してい る市場であり、エコマーク認定商品のシェアも今後、高まっていくものと見ら 5 れる。 一方、ジアゾ感光紙においては、エコマーク認定商品比率は 67.6%と高水準 に達している。ジアゾ感光紙市場は急速に縮小しているものの、現状でも官公 需要等根強くあり、基本的にエコマークを取得する方向で考えられているよう である。フォーム用紙、OCR 用紙については、商品の性質上、エコマーク認 定商品比率は低水準である。特に、光学的読み取り処理を行う OCR 用紙につ いては、全体の 1%に満たない。 2003 年度のエコマーク認定商品における法人向け販売比率・小売店向け販 売比率は、下図のとおりである。各品目の中で法人向け比率は、フォーム用紙、 ジアゾ感光紙、OCR 用紙が 100%、PPC 用紙が 95.7%となっている。小売店 向け比率はインクジェット用紙が 66.6%で最も高くなっている。 小売(店頭)向け比率(%) 法人向け比率(%) 95.7 PPC用紙 インクジェット 用紙 4.3 33.4 66.6 100 フォーム用紙 100 ジアゾ感光紙 OCR用紙 100 図1. 2003 年度エコマーク認定商品における法人向け販売比率・小売(店頭) 向け販売比率(数量ベース) 6 2) 各品目毎の販売ルート別でのエコマーク認定商品の推定販売数量シェア 各調査対象商品品目毎のエコマーク認定商品の数量ベースでの市場シェア (全体、法人向け、小売店向け)は下図の通りである。 ① PPC用紙 2003 年度のエコマーク認定商品の推定市場シェアは、2002 年度と比較して、 市場全体で 0.5%、法人向けで 0.5%、小売店向けで 0.5%伸長している。輸入 品の増加などにより、エコマーク認定商品のシェアは微増であるものの、エコ マーク認定商品の販売量は拡大している。 市 場 シェ ( % 認 定 商品 (参 考 95 100 80 市 場 60 法 人 小 売 40 20 87 100 16.0 16.5 9.7 16.5 17.0 全 80 60 ( 40 店 10.2 20 0 0 2002年 度 2003年 2002年 度 度 2003年 度 図 2.PPC用紙 エコマーク認定商品市場シェア(数量ベース) ② インクジェット用紙 2003 年度のエコマーク認定商品の推定市場シェアは、2002 年度と比較して、 市場全体で 0.6%、法人向けで 0.6%、小売店向けで 0.6%伸長している。エコ マーク認定商品のシェアは低水準であるものの、調査対象 5 品目の中で、エコ マーク認定商品の販売量の伸長が最も大きくなっている。 市 場 ( シ % 認 定 商 ( 参 考 ) 100 100 80 市 場 60 法 人 小 売 40 20 0 3.4 3.4 2002年 3.4 度 4.0 4.0 2003年 全 80 60 ( 店 40 38 23 20 4.0 0 度 2002年 度 2003年 図 3.インクジェット用紙 エコマーク認定商品市場シェア(数量ベース) 7 度 ③ フォーム用紙 2003 年度のエコマーク認定商品の推定市場シェアは、2002 年度と比較して、 市場全体で 0.1%、法人向けで 0.1%、それぞれ減少した。小売店向けのエコ マーク認定商品の販売はない。市場全体が飽和状態となっていることに加えて、 なかでもエコマーク認定商品が比較的多いストックフォーム市場の縮小が顕 著であり、エコマーク認定商品シェアが減少したものとみられる。 市 場 ( シ % 認 定 商 ( 参 考 ) 100 100 80 市 場 60 法 人 小 売 40 20 3.9 3.9 0.0 3.8 全 80 60 ( 40 店 3.8 0.0 0 0 2002年 度 2003年 15 16 2002年 度 2003年 20 度 度 図 4.フォーム用紙 エコマーク認定商品市場シェア(数量ベース) ④ ジアゾ感光紙 2003 年度のエコマーク認定商品の推定市場シェアは、2002 年度と比較して、 市場全体で 23.5%、法人向けで 23.5%伸長している。小売店向けのエコマー ク認定商品の販売はない。調査対象 5 品目のなかで、エコマーク認定商品のシ ェアが最も大きい。 市 場 ( シ % 認 定 商品 ( 参 考 ) 100 100 67.6 67.6 80 60 44.1 44.1 40 20 0 度 場 法 人 小 売 2003年 全 80 60 ( 店 40 20 0.0 0.0 2002年 市 0 度 5 5 2002年 度 2003年 図 5.ジアゾ感光紙 エコマーク認定商品市場シェア(数量ベース) 8 度 ⑤ OCR用紙 2003 年度のエコマーク認定商品の推定市場シェアは、2002 年度と比較して、 市場全体で横這い、法人向けで横這いとなっている。小売店向けの販売はない。 エコマーク認定商品シェアは調査対象 5 品目中、最も低い。 市 場 ( シ % 認 定 商 ( 参 考 ) 100 100 80 市 場 60 法 人 小 売 40 20 0 0.9 0.9 0.0 2002年 度 0.9 80 60 ( 店 40 20 0.9 0.0 2003年 全 0 度 1 1 2002年 度 2003年 図 6.OCR用紙 エコマーク認定商品市場シェア(数量ベース) 9 度 2.調査結果詳細データ ① 販売ルート別のエコマーク認定商品の推定市場シェア PPC用紙 推定市場 シェア(数量) 2002年度 小売(店 法人向け 頭)向け 16.5% 9.7% 2002年度 インク ジェット 小売(店 法人向け 用紙 頭)向け 推定市場 3.4% 3.4% シェア(数量) フォーム用紙 推定市場 シェア(数量) ジアゾ感光紙 推定市場 シェア(数量) OCR用紙 推定市場 シェア(数量) 計 16.0% 計 3.4% 2002年度 小売(店 法人向け 頭)向け 3.9% 0.0% 計 3.9% 2002年度 小売(店 法人向け 頭)向け 44.1% 0.0% 計 44.1% 2002年度 小売(店 法人向け 頭)向け 0.9% 0.0% 計 0.9% 10 2003年度見込み 小売(店 法人向け 計 頭)向け 17.0% 10.2% 16.5% 2003年度見込み 小売(店 法人向け 計 頭)向け 4.0% 4.0% 4.0% 2003年度見込み 小売(店 法人向け 計 頭)向け 3.8% 0.0% 3.8% 2003年度見込み 小売(店 法人向け 計 頭)向け 67.6% 0.0% 67.6% 2003年度見込み 小売(店 法人向け 計 頭)向け 0.9% 0.0% 0.9% ② 調査対象商品品目別のエコマーク認定商品の推定市場シェア 品目名 : PPC用紙 <内法人向け-比率 93.1%> <国内総市場規模に対する市場シェア> 2002年度 エコマークシェア(%) 16.0 非エコマークシェア(%) 総出荷数量(㌧) エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 2003年度(見) 2002年度 16.5 エコマークシェア(%) 非エコマークシェア(%) 84.0 83.5 1,086,000 1,140,000 174,020 188,231 総出荷数量(㌧) エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 2003年度(見) 16.5 17.0 83.5 83.0 1,005,712 1,061,109 166,206 180,182 <内小売店向け-比率 6.9%> 2002年度 エコマークシェア(%) 非エコマークシェア(%) 総出荷数量(㌧) エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 2003年度(見) 9.7 10.2 90.3 89.8 80,288 78,891 7,814 8,049 品目名 : インクジェット用紙 <内法人向け-比率 33.2%> <国内総市場規模に対する市場シェア> 2002年度 エコマークシェア(%) 非エコマークシェア(%) 総出荷数量(㌧) エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 2003年度(見) 3.4 4.0 96.6 96.0 25,550 32,600 868 1,300 2002年度 エコマークシェア(%) 非エコマークシェア(%) 総出荷数量(㌧) エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 2003年度(見) 3.4 4.0 96.6 96.0 8,739 10,808 300 434 <内小売店向け-比率 66.8%> 2002年度 エコマークシェア(%) 非エコマークシェア(%) 総出荷数量(㌧) エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 2003年度(見) 3.4 4.0 96.6 96.0 16,811 21,792 569 866 品目名 : フォーム用紙 <内法人向け-比率 100.0%> <国内総市場規模に対する市場シェア> 2002年度 エコマークシェア(%) 非エコマークシェア(%) 総出荷数量(㌧) エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 2003年度(見) 3.9 3.8 96.1 96.2 330,200 330,800 13,002 12,490 2002年度 エコマークシェア(%) 非エコマークシェア(%) 総出荷数量(㌧) エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 2003年度(見) 3.9 3.8 96.1 96.2 330,200 330,800 13,002 12,490 <内小売店向け-比率 0.0%> 2002年度 11 2003年度(見) エコマークシェア(%) 0.0 0.0 非エコマークシェア(%) 0.0 0.0 総出荷数量(㌧) 0 0 エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 0 0 品目名 : ジアゾ感光紙 <国内総市場規模に対する市場シェア> <内法人向け-比率 100.0%> 2002年度 2003年度(見) 2002年度 2003年度(見) エコマークシェア(%) 44.1 67.6 エコマークシェア(%) 44.1 67.6 非エコマークシェア(%) 55.9 32.4 非エコマークシェア(%) 55.9 32.4 19,100 17,700 総出荷数量(㌧) 19,100 17,700 8,429 11,959 エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 8,429 11,959 総出荷数量(㌧) エコマーク認定商品出荷数量(㌧) <内小売店向け-比率 0.0%> 2002年度 2003年度(見) エコマークシェア(%) 0.0 0.0 非エコマークシェア(%) 0.0 0.0 総出荷数量(㌧) 0 0 エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 0 0 品目名 : OCR用紙 <国内総市場規模に対する市場シェア> <内法人向け-比率 100.0%> 2002年度 エコマークシェア(%) 非エコマークシェア(%) 総出荷数量(㌧) エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 2003年度(見) 0.9 0.9 99.1 99.1 22,550 21,850 200 200 2002年度 エコマークシェア(%) 非エコマークシェア(%) 総出荷数量(㌧) エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 2003年度(見) 0.9 0.9 99.1 99.1 22,550 21,850 200 200 <内小売店向け-比率 0.0%> 2002年度 12 2003年度(見) エコマークシェア(%) 0.0 0.0 非エコマークシェア(%) 0.0 0.0 総出荷数量(㌧) 0 0 エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 0 0 3.エコマークに関するアンケート集計 (認定企業) エコマーク認定企業 81 社に対してアンケート調査を行い、56 社より回答を 得た。アンケートの設問は、以下の①∼⑤である。 ① エコマーク認定商品の伸長状況について(2000 年∼2003 年度:数量ベース) 自社のエコマーク認定商品の販売が伸長したと回答した企業は 57.2%である。 自社のエコマーク認定商品の販売が減少したと回答した企業は 10.7%である。 回答項目 構成比 (%) 200%以上 伸長した 100∼ 200%未満 伸長した 3.6 23.2 0∼100%未 横這いであ る 満伸長した 30.4 減少した 23.2 10.7 無回答 8.9 ② 法人(事業者)ユーザーにおけるエコマーク認定商品への関心について 法人(事業者)ユーザーがエコマーク認定商品に関心を示していると回答した 企業は、91.1%である。多くの認定企業は、法人(事業者)ユーザーにおける エコマーク認定商品への関心が高いと認識している。 非常に関心 やや関心が ほとんど関 回答項目 がある ある 心がない 構成比 (%) 41.1 50.0 5.4 よく分から ない/把握 していない 無回答 1.8 1.7 ③ 一般消費者におけるエコマーク認定商品への関心について 一般消費者がエコマーク認定商品への関心を示していると回答した企業は、 42.9%である。認定企業は、法人(事業者)ユーザーと比べて、一般消費者に おけるエコマーク認定商品への関心が低いと認識している。 回答項目 構成比 (%) 非常に関心 やや関心が ほとんど関 がある ある 心がない 1.8 41.1 32.1 13 よく分から ない/把握 していない 19.6 無回答 5.4 ④ 流通事業者におけるエコマーク認定商品への関心について 流通事業者がエコマーク認定商品に関心を示していると回答した企業は、 80.3%である。 回答項目 構成比 (%) 非常に関心 やや関心が ほとんど関 がある ある 心がない 8.9 71.4 8.9 よく分から ない/把握 していない 7.1 無回答 3.7 ⑤ エコマーク認定取得に関する今後の方針について 自社商品でのエコマーク取得を拡大していくと回答した企業は、46.4%であり、 縮小していくと回答した企業は 3.6%だった。 回答項目 構成比 (%) 積極的に拡 徐々に拡大 現状維持す 縮小してい 未定である く 大していく していく る 12.5 33.9 44.6 14 3.6 3.6 無回答 1.8 ( エコマーク認定商品に関する自由意見の一部抜粋 ) ◇ エコマーク認定商品への関心 ・ 官公庁と大手企業(特に ISO14001 取得企業)及びそれらの事業者と取引の ある流通企業は、エコマーク認定商品に対する関心は高い。 ・ 中小規模の事業者はエコマーク認定商品に対する関心は低く、価格優先の傾 向が強い。 ・ 一般ユーザーを含め、総じて環境に対する関心は高まっているが、商品の購 入動機までには至らない。 ・ 消費者はエコマーク認定商品に対して、価格が高い、品質が悪い、種類が少 ないなどマイナスイメージを持っている。 ・ 森林認証制度、植林木パルプなど異なった角度からの環境配慮型商品が登場 してきており、一時期よりエコマークに対する関心は低下してきている。 ◇ エコマーク認定に対する今後の方針 ・ エコマーク認定商品の購買意欲は官公庁および大手ユーザーにおいて根強く、 その対象商品の販売については積極的に拡販していく。 ・ 一挙に拡大すると経費負担が大きくなるので徐々に拡大していく予定。 ・ 法人ユーザーのみならず、一般ユーザーにもアピールしていく。 ・ 現状品をエコマーク認定品にしていきたいが、コスト的な問題、生産ライン の問題もあってなかなか難しい。 ・ 現状の古紙 100%配合という基準では、古紙価格が上昇し需給タイトの状況 では安定供給責任を果せないおそれがあり、エコマーク商品をこれ以上扱う のはリスクがある。 ◇ エコマーク制度及び事務局への意見・要望 ・ マークの記載内容の変更が煩雑な印象がある。一度、印刷物の金型や版を起 こしてしまうと、その改版費用の負担が大きいため、できるだけ長い視点に 立った改訂をお願いしたい。 ・ 現在の古紙 100%という基準では、FSC森林認証パルプ配合の商品がエコ マークの対象外になってしまっている。基準の見直しが必要ではないか。古 紙調達が難しくなってきている今、安定調達や安定価格という面からも、古 紙一辺倒の環境基準は見直されるべきである。 ・ 申込みから審査、認定までの期間が長すぎる。 ・ 今後とも古紙の利用促進と共に、無塩素漂白パルプおよび植林木の認定等、 制度の枠を広げていただきたい。 15 <衛生用紙> 1.調査結果の概要 調 査 時 期 調査対象商品 調査対象期間 2003 年 11 月∼2004 年 1 月 ①トイレットペーパ ②ティッシュペーパ ③ちり紙 計3品目 2002 年度、2003 年度(見込)の年間推移 調 査 項 目 1)各品目毎の国内市場全体でのエコマーク認定商品の 推定販売数量シェア 2)各品目毎の販売ルート別でのエコマーク認定商品の 推定販売数量シェア 販 売 ル ー ト の 区 分 法人向けおよび小売(店頭)向けに区分 法人向け:販社・代理店等からの直接販売 小売(店頭)向け:小売店での店頭販売 調 査 方 法 調査対象品目の認定企業へのヒアリングの実施 ならびに専門調査機関による推計 ヒアリングを実施した認定企業 54 社(調査対象商品の 認定企業全 85 社の 63.5%) 16 調査結果のまとめ 1)各品目別の市場全体でのエコマーク認定商品の推定販売数量シェア 各品目別の 2003 年度の推定市場規模(メーカー出荷ベース)とエコマーク 認定商品の推定販売数量シェアは下表の通りである。 <表1> 各品目別の 2003 年度の推定市場規模(メーカー出荷ベース)と エコマーク認定商品の推定販売数量シェア トイレット ペーパ ティッシュ ペーパ ちり紙 トイレット ペーパ ティッシュ ペーパ ちり紙 2003 年度推定 市場規規模 (出荷金額 ベース) 2002 年度推定 市場規模 (出荷数量 ベース) 2003 年度推定 市場規模 (出荷数量 ベース) 187,400 百万円 972,600 ㌧ 943,000 ㌧ 97.0% 93,600 百万円 492,000 ㌧ 474,300 ㌧ 96.4% 5,550 百万円 32,700 ㌧ 32,000 ㌧ 97.9% 2003 年度 エコマーク 認定商品 シェア (金額ベース) 2002 年度 エコマーク 認定商品 シェア (数量ベース) 29.6% 40.8% 41.5% 98.6% 1.3% 2.3% 1.4% 60.6% 23.1% 24.9% 24.9% 97.8% 市場規模 前年対比 (数量ベース) 2003 年度 エコマーク エコマーク 認定商品 認定商品 前年対比 シェア (数量ベース) (数量ベース) トイレットペーパのエコマーク認定商品比率は 41.5%と高い水準に達して いる。トイレットペーパはパルプ品と古紙品に大別されるが、静岡県富士市及 びその近隣地区をメッカに地場トイレットペーパメーカーは、古紙 100%原料 の製品製造について長年の実績があり、また、リサイクル不可能なトイレット ペーパにおいては原料への古紙利用について必要性も見出されていることか ら、今後も同市場においてエコマーク認定商品は相応の地位を占めるものと考 えられる。 一方、ティッシュペーパのエコマーク認定商品比率は 1.4%となった。ティ ッシュペーパについては、品質上古紙配合が向かない製品であり、バージンパ ルプを原料とした製品が今後とも大半を占めるものと見られる。 17 ちり紙のエコマーク認定商品比率は 24.9%となった。下水道の普及によって、 今後とも減少が見込まれる市場であり、エコマーク認定商品のシェアについて も大きな変化はないものと考えられる。ただし、エコマーク取得企業に関して は、ちり紙製品の大半がエコマーク認定商品となっている。 2003 年度のエコマーク認定商品における法人向け販売比率・小売店向け販 売比率は、下図のとおりである。各品目の中で、小売店向け比率はトイレット ペーパ 84.6%、ティッシュペーパ 99.2%、ちり紙 95.7%となっており、いず れの市場も小売店向け販売比率が圧倒的に多い。 法人向け比率(%) 小売(店頭)向け比率(%) トイレットペーパ 15.4 ティッシュペーパ ちり紙 84.6 0.8 99.2 4.3 95.7 図1. 2003 年度エコマーク認定商品における法人向け販売比率・小売 (店頭)向け販売比率(数量ベース) 18 2)各品目別の販売ルート別でのエコマーク認定商品の推定販売数量シェア 各調査対象商品品目別のエコマーク認定商品の数量ベースでの市場シェア (全体、法人向け、小売店向け)は下図の通りである。 ① トイレットペーパ 2003 年度のエコマーク認定商品の推定市場シェアは、2002 年度と比較して、 市場全体で 0.7%、法人向けで 1.8%、小売店向けで 0.5%伸長している。トイ レットペーパ市場全体での古紙メーカーのシェアアップに連動して、エコマー ク認定商品のシェアが増加した。特に法人向けの伸びが大きい。 市 場 シ ( % 認 定 商 (参 考 100 100 80 場 法 人 小 売 全 40.8 38.9 41.5 39.4 40 80 79 2002年 度 2003年 80 58.5 56.7 60 市 60 ( 40 店 20 20 0 2002年 度 2003年 0 度 度 図 2.トイレットペーパ エコマーク認定商品市場シェア(数量ベース) ② ティッシュペーパ 2003 年度のエコマーク認定商品の推定市場シェアは、2002 年度と比較して 市場全体で 0.9%、法人向けで 0.1%、小売店向けで 1.0%、それぞれ減少して いる。スリム化の流れのなかで軽量化が進行しており、一部の製品にJIS規 格と適合しない状況が生まれてきたことから、法人、小売店向けとも減少とな ったものと考えられる。 市 場 ( シ % 認 定 商 ( 参 考 ) 100 100 80 市 場 60 法 人 小 売 40 20 0 2.3 0.2 2002年 2.5 度 1.4 0.1 2003年 全 80 60 ( 店 40 20 1.5 0 度 9 10 2002年 度 2003年 図 3.ティッシュペーパ エコマーク認定商品市場シェア(数量ベース) 19 度 ③ ちり紙 2003 年度のエコマーク認定商品の推定市場シェアは、2002 年度と比較して、 市場全体で横這い、法人向けで 0.2%の減少、小売店向けで横這いとなった。 エコマーク認定商品比率はほぼ横這いで推移している。 市 場 ( シ % 認 定 商 ( 参 考 ) 100 100 80 市 場 60 法 人 小 売 40 24.9 23.7 25.0 24.9 23.5 25.0 80 60 ( 店 40 12 9 2002年 度 2003年 20 20 0 全 0 2002年 度 2003年 度 図 4.ちり紙 エコマーク認定商品市場シェア(数量ベース) 20 度 2.調査結果詳細データ ①販売ルート別のエコマーク認定商品の推定市場シェア トイレット ペーパ 推定市場 シェア(数量) ティッシュ ペーパ 推定市場 シェア(数量) ちり紙 推定市場 シェア(数量) 2002年度 小売(店 法人向け 頭)向け 56.7% 38.9% 計 40.8% 2002年度 小売(店 法人向け 頭)向け 0.2% 2.5% 計 2.3% 2002年度 小売(店 法人向け 頭)向け 23.7% 25.0% 計 24.9% 21 2003年度見込み 小売(店 法人向け 計 頭)向け 58.5% 39.4% 41.5% 2003年度見込み 小売(店 法人向け 計 頭)向け 0.1% 1.5% 1.4% 2003年度見込み 小売(店 法人向け 計 頭)向け 23.5% 25.0% 24.9% ②調査対象商品品目別のエコマーク認定商品の推定市場シェア 品目名 : トイレットペーパ <内法人向け-比率 10.9%> <国内総市場規模に対する市場シェア> 2002年度 2003年度(見) 2002年度 2003年度(見) エコマークシェア(%) 40.8 41.5 エコマークシェア(%) 56.7 58.5 非エコマークシェア(%) 59.2 58.5 非エコマークシェア(%) 43.3 41.5 総出荷数量(㌧) 972,600 943,000 総出荷数量(㌧) 104,058 103,172 エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 396,791 391,400 エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 58,975 60,333 <内小売店向け-比率 89.1%> 2002年度 2003年度(見) エコマークシェア(%) 38.9 39.4 非エコマークシェア(%) 61.1 60.6 総出荷数量(㌧) 868,542 839,828 エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 337,816 331,067 品目名 : ティッシュペーパ <内法人向け-比率 7.5%> <国内総市場規模に対する市場シェア> 2002年度 エコマークシェア(%) 2.3 1.4 97.7 98.6 492,000 474,300 11,248 6,813 非エコマークシェア(%) 総出荷数量(㌧) 2003年度(見) エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 2002年度 エコマークシェア(%) 非エコマークシェア(%) 総出荷数量(㌧) エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 2003年度(見) 0.2 0.1 99.8 99.9 36,783 35,513 61 52 <内小売店向け-比率 92.5%> 2002年度 エコマークシェア(%) 2.5 非エコマークシェア(%) 総出荷数量(㌧) エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 2003年度(見) 1.5 97.5 98.5 455,217 438,787 11,187 6,761 品目名 : ちり紙 <内法人向け-比率 4.6%> <国内総市場規模に対する市場シェア> 2002年度 エコマークシェア(%) 非エコマークシェア(%) 総出荷数量(㌧) エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 24.9 2003年度(見) 2002年度 24.9 エコマークシェア(%) 非エコマークシェア(%) 75.1 75.1 32,700 32,000 8,149 7,966 23.7 総出荷数量(㌧) エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 2003年度(見) 23.5 76.3 76.5 1,504 1,472 356 346 <内小売店店頭向け-比率 95.4%> 2002年度 エコマークシェア(%) 非エコマークシェア(%) 総出荷数量(㌧) エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 22 25.0 2003年度(見) 25.0 75.0 75.0 31,196 30,528 7,794 7,620 3.エコマークに関するアンケート集計 (認定企業) エコマーク認定企業 85 社に対してアンケート調査を行い、54 社より回答を 得た。アンケートの設問は、以下の①∼⑤である。 ①エコマーク認定商品の伸長状況について(2000 年∼2003 年度:数量ベース) 自社のエコマーク認定商品の販売が伸長したと回答した企業は、24.2%である。 自社のエコマーク認定商品の販売が減少したと回答した企業は、5.6%である。 回答項目 構成比 (%) 200%以上 伸長した 100∼ 200%未満 伸長した 1.9 1.9 0∼100%未 横這いであ る 満伸長した 20.4 59.3 減少した 5.6 無回答 10.9 ②法人(事業者)ユーザーにおけるエコマーク認定商品への関心について 法人(事業者)ユーザーがエコマーク認定商品に関心を示していると回答した 企業は、70.4%である。多くの認定企業は、法人(事業者)ユーザーにおける エコマーク認定商品への関心が高いと認識している。 非常に関心 やや関心が ほとんど関 回答項目 がある ある 心がない 構成比 (%) 14.8 55.6 9.3 よく分から ない/把握 していない 14.8 無回答 5.5 ③一般ユーザーにおけるエコマーク認定商品への関心について 一般消費者がエコマーク認定商品に関心を示していると回答した企業は、 35.2%である。認定企業は、法人(事業者)ユーザーと比べて、一般消費者に おけるエコマーク認定商品への関心が低いと認識している。 回答項目 構成比 (%) 非常に関心 やや関心が ほとんど関 がある ある 心がない 3.7 31.5 42.6 23 よく分から ない/把握 していない 16.7 無回答 5.5 ④流通事業者におけるエコマーク認定商品への関心について 流通事業者がエコマーク認定商品に関心を示していると回答した企業は、 59.3%である。 非常に関心 やや関心が ほとんど関 回答項目 がある ある 心がない 構成比 (%) 5.6 53.7 25.9 よく分から ない/把握 していない 11.1 無回答 3.7 ⑤エコマーク認定取得に関する今後の方針について 自社商品でのエコマーク取得を拡大していくと回答した企業は 24.1%であり、 現状維持とする企業は 55.6%となった。縮小していくとする企業は 7.4%あっ た。 回答項目 構成比 (%) 積極的に拡 徐々に拡大 現状維持す 縮小してい 未定である く 大していく していく る 7.4 16.7 55.6 24 7.4 9.3 無回答 3.6 (エコマーク認定商品に関する自由意見の一部抜粋 ) ◇ エコマーク認定商品への関心 ・ 官公庁、企業、団体等は非常に関心が高いが、一般小売ルートでは、関心は ないと思われる。一般消費者に対して何らかのPRが必要。 ・ トイレットペーパの購買動機として、1.価格、2.品質、3.楽しさ、4.色・香り、 が挙げられるが、その中でも圧倒的に価格が決め手となっており、一般消費 者にとって、エコマーク商品であるということは購買動機にはなり得ていな い。 ・ (再生トイレットペーパの場合)エコマークが付いているのが当たり前にな っており、これまでエコマーク認定商品であることによって、商売上で優位 に立ったことはない。 ◇ エコマーク認定に対する今後の方針 ・ 既に、ほぼ全ての商品にエコマークを付与していることから、今後も基本的 に現状を維持していく方針。 ・ 商品の全てがエコマーク商品であり、商品自体の販売を少しでも伸ばしてい きたい。 ・ 元来古紙ものを生産しており、世の中の流れの中で、エコマークが出てきた ので取得したに過ぎない。今後も現状維持の方針だが条件が変われば検討の 必要も出てくる。 ◇ エコマーク制度及び事務局への意見・要望 ・ 表示方法の変更は経費負担増を伴うので、表示変更は出来るだけ少なくして 欲しい。 ・ 改訂の際などに、下段表示等が変更になるのは大変コストがかかる上、対応 に相当時間がかかってしまう。長期的な方針をお願いしたい。 ・ 再生紙であること=環境に配慮、という単純な図式(考え方)では捉えられ ないので、今後の基準等の考え方にもこうした観点を考慮する必要があるの ではないか。 ・ メーカーはユーザーに製品をどう評価してもらえるかの観点で企業努力をし ており、JIS規格に合わせるために企業努力をしている訳ではない。より 品質の良い、使い勝手の良い製品を目標としており、JIS規格に収めるこ とを目標としていない。そのため、JIS規格と現状のギャップが生まれて いるのではないか。 25 <塗料> 1.調査結果の概要 調 査 時 期 2003 年 11 月∼2004 年1月 調 査 対 象 商 品 合成樹脂水系塗料 調 査 対 象 期 間 2002 年度、2003 年度(見込)の年間推移 調 査 項 目 1)各品目毎の国内市場全体でのエコマーク認定商品 の推定販売数量シェア 2)各品目毎の販売ルート別でのエコマーク認定商品 の推定販売数量シェア 販売ルートの区分 法人向けおよび小売(店頭)向けに区分 法人向け:販社・代理店等からの直接販売 小売(店頭)向け:小売店での店頭販売 調 査 方 法 調査対象品目の認定企業へのヒアリングの実施 ならびに専門調査機関による推計 調査実施認定企業 17 社(全体 24 社、調査対象品目の 認定企業の 70.8%) 26 調査結果のまとめ 1)品目別の市場全体でのエコマーク認定商品の推定販売数量シェア 各品目別の 2003 年度の推定市場規模(メーカー出荷ベース)とエコマーク認 定商品の推定販売数量シェアは下表の通りである。 <表1> 各品目別の 2003 年度の推定市場規模(メーカー出荷ベース)と エコマーク認定商品の推定販売数量シェア 2003年度 推定市場規模 (出荷金額ベース) 合成樹脂 水系塗料 112,083 百万円 2003年度 エコマーク 認定商品シェア (金額ベース) 合成樹脂 水系塗料 13.0% 2002年度 推定市場規模 (出荷数量 ベース) 2003年度 推定市場規模 (出荷数量 ベース) 391,850 ㌧ 383,589 ㌧ 2002年度 エコマーク認定 商品シェア (数量ベース) 15.1% 2003年度 エコマーク認定 商品シェア (数量ベース) 9.6% 市場規模 前年対比 (数量ベース) 97.9% エコマーク認定 商品前年対比 (数量ベース) 61.9% 調査対象の合成樹脂水系塗料の市場規模は、金額ベースで 2002 年度 112,688 百万円、2003 年度見込みでは 112,083 百万円で対前年比 0.5%のマ イナスとなる。また、数量ベースでは、2002 年度 391,850 トン、2003 年度 見込みでは 383,589 トンで対前年比 2.1%のマイナスとなる。金額ベースよ り数量ベースの方がやや減少幅が大きい。 合成樹脂水系塗料におけるエコマーク認定商品の市場は、2002 年度で 59,316 トンと推定され、合成樹脂水系塗料市場の 15.1%を占める。また、 2003 年度は 36,740 トンと見込まれ、構成比は 9.6%と縮小する。これは、 エコマーク認定商品の出荷数量が比較的多い企業が、既存のエコマーク商品 の更新を止めたり、新基準への対応を見合わせるなどの影響によるところが 大きいと考えられる。 水系塗料の環境対応商品は伸びているが、メーカーは各社独自の方針に基 づいたエコマークへの取組みがみられる。企業イメージアップや販促材料と いった理由から、積極的な取り組みもみられる反面、認知度が低いことや販 売に結びつかないといった理由で、消極的な姿勢もうかがえる。 27 一方、塗料全体からみてみると、2002 年の生産数量は 1,784 千トンで、 今回対象である合成樹脂水系塗料は 20.7%で約 2 割を占める。また、塗料 全体における用途構成をみてみると、 、家庭用に占める割合は 2.47%と少な く、圧倒的に工業・業務用のシェアが高いのが特徴である。ただし、近年の 住環境に対する環境問題は、消費者においても認識は高まっており、十分な 配慮が必要とされている。一般消費者においては、商品知識も少ないことか ら、エコマークのような環境ラベルなど、分かり易い情報提供体制の構築が 求められよう。 今回対象品目とした販売ルート別でのエコマーク認定商品の推定販売数 量シェアにおける法人向けは 86.5%、小売(店頭)向けは 13.5%となって いる。企業により構成比には格差がみられ、家庭用中心の企業では小売の 構成比が高い割合を占めている。 法人向け比率 (%) 合成樹脂水系塗料 86.5 小売店向け比率 (%) 13.5 図1. 2003 年度エコマーク認定商品における法人向け販売比率・小売(店頭) 向け販売比率(数量ベース) 28 1)合成樹脂水系塗料の販売ルート別でのエコマーク認定商品の推定販売数量 シェア エコマーク認定商品の数量ベースでの市場シェア(全体、法人向け、小売店 向け)は下図の通りである。 2003 年度のエコマーク認定商品の推定市場シェアは、2002 年度と比較して、 小売店向けでは 7.6%、市場全体・法人向けともに 5%以上の減少となっている。 市 場 シ ( % 認 定 商 (参 考 100 80 市 場 60 法 人 小 売 40 20 0 125 138 100 15.1 14.5 2002年 20.7 9.6 度 9.2 13.1 2003年 全 80 60 ( 店 40 20 0 度 2002年 度 2003年 図 2.合成樹脂水系塗料 エコマーク認定商品市場シェア(数量ベース) 29 度 2.調査結果詳細データ ①販売ルート別のエコマーク認定商品の推定市場シェア 合成樹脂 水系塗料 2002年度 小売(店 法人向け 頭)向け 推定市場 シェア(数量) 14.5% 20.7% 2003年度見込み 小売(店 法人向け 計 頭)向け 計 15.1% 9.2% 13.1% 9.6% ②調査対象品目のエコマーク認定商品の推定市場シェア 品目名 合成樹脂水系塗料 < 国内推定市場規模に対する市場シェア> 2002年度 2003年度(見) エコマーク認定商品シェア 15.1% 9.6% 非エコマーク認定商品シェア 84.9% 90.4% 総出荷数量(㌧) 391,850 383,589 エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 59,316 36,740 < 内法人向け―比率 90.1% > 2002年度 2003年度(見) エコマーク認定商品シェア 14.5% 9.2% 非エコマーク認定商品シェア 85.5% 90.8% 総出荷数量(㌧) 353,073 345,614 エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 51,296 31,780 < 内小売店向け―比率 9.9% > エコマーク認定商品シェア 非エコマーク認定商品シェア 総出荷数量(㌧) エコマーク認定商品出荷数量(㌧) 30 2002年度 2003年度(見) 20.7% 13.1% 79.3% 86.9% 38,777 37,975 8,020 4,960 3.エコマークに関するアンケート集計 エコマーク認定企業 25 社に対してアンケート調査を行い、17 社より回答を 得た。アンケート設問は以下の①∼⑤である。 ①エコマーク認定商品の伸長状況について(2002 年∼2003 年度:数量ベース) 自社のエコマーク認定商品が伸長したと回答いた企業は 64.7%である。 自社のエコマーク認定商品が減少したと回答いた企業は 5.9%である。 回 答 項 200%以 上 100∼ 200% 未 伸 長 し た 伸 長 した 構 成 比( 0.0 0∼ 100% 未 伸 長 した 11.8 52.9 横 這 い で 減 少 し 29.4 5.9 ②法人(事業者)ユーザーにおけるエコマーク認定商品への関心について 法人(事業者)ユーザーがエコマーク認定商品に関心を示していると回答した 企業は、64.7%である。 回 答 項 構 成 比( 非 関 常 心 があ 23.5 や や 関 心 41.2 ほ と 関 心 ん 良 く はな 把 握 11.8 判 ら し て 23.5 ③一般消費者におけるエコマーク認定商品への関心について 一般消費者がエコマーク認定商品に関心を示していると回答した企業は、 58.8%である。 回 答 項 構 成 比( 非 関 常 心 があ 5.9 や ほ と ん 良 く 判 ら 関 心 はな 把 握 し て 52.9 23.5 17.7 や 関 心 31 ④流通事業者におけるエコマーク認定商品への関心について 流通事業者がエコマーク認定商品に関心を示していると回答した企業は、 64.7%である。 回 答 項 構 成 比( 非 関 常 心 があ や や 5.9 関 心 ほ と 関 心 ん はな 58.8 良 く 把 握 23.5 判 ら し て 11.8 ⑤エコマーク認定取得に関する今後の方針について 自社商品でエコマーク取得を拡大していくと回答した企業は、47.1%であっ たが、縮小するとの回答も 17.6%みられた。 回 答 項 積 極 的 に 徐 々 に 拡 現 状 維 持 縮 小 構 成 比( 41.2 5.9 23.5 32 未 定 17.6 11.8 (エコマーク認定商品に関する自由意見の一部抜粋 ) ◇エコマーク商品の伸長傾向 ・ 水性塗料は伸びており、エコマーク商品の販売高も伸びているが、エコマー クが付いているから伸びているわけではない。 ・ 認定使用料が高いため、よく売れる商品でエコマークを取っている。 ◇エコマークへの関心度 ・ エコマークへの関心は事業者あるいはユーザにより格差がみられるが、総 じてまだ低い傾向がみられる。 ・ 個人ユーザーを除き、建築基準法の☆☆☆☆(4 スター)への関心が高く、 エコマークの存在感が薄れている。スターマークは付いていないと使えない が、エコマークは取っていなくても使えるため、かなり無視されている。 ◇エコマーク新基準について ・ 新基準で認証を取るには、製品改良が必要なため更新しないメーカーもあ る。 ・ 新基準をクリアーすることは、技術力が証明されるため取得へのチャレンジ の気持ちはある。しかし、その労力のわりには取ったからといって報われな いため、注力度は低い。 ◇エコマーク認定制度について ・ 認定制度に対する不満は各社とも相当強いものがある。他の規制は目的や 内容が現実に即してはっきりしているが、エコマークは抽象的である。使用 料が高い。エコマーク全体の認知度が低く、取っても意味が無い。直接販売 に関係するものではない。 ・ 新基準の施行によってエコマーク離れは一層進む模様である。反対に取得 したメーカーの差別化の価値は高まる。 33
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