Ver.1(2005.09.05) 形成外科8 きょうこつこっせつ 頬骨骨折 ◆症状 ① 口が開きにくい ② 頬の出っぱりがなくなる ③ クチビルや歯ぐきの感覚がにぶい、しびれる などの症状があります。 ◆治療の必要性 頬骨骨折で治療の対象となるのは、ほほの変形 が気になる場合や、口の開き具合が戻らない場 合です。けがをしてから一週間ぐらい様子をみ てから手術をするかどうか判断します。見た目 頬骨 や機能に問題がなければ骨折があっても治療す る必要はありません。手足の骨折と違ってギプ ス固定などもする必要がなく、その形で骨が固 まります。 ◆治療 手術をして骨を元の位置に戻して固定をします。全身麻酔下での手術と なります。眉の外側、下まぶた、口の中を切開して骨折した部分を確認 して元の位置に戻しチタンプレートで固定します。切開する部分はキズ あとが目立ちにくい部分を選んで行っています。チタンプレートは体に 害を及ぼすことがほとんどないためあとで取り出す必要がなく、体に残 したままで問題ありません。術後は安静のため口を大きく開けたり硬い ものを食べることはできません。術後に再度腫れがでますが、一過性の ものです。5〜6日ぐらいで抜糸を行い退院が可能です。頬骨骨折の特殊 な例で頬骨弓(きょうこつきゅう)単独の骨折がありますが、この場合 には側頭部か口の中を切開して整復します。ほとんどの場合固定は必要 ありません。 ≪手術の時に切る部分≫ 1 1. 眉毛の外側に沿った部分 2 2. 下まぶたのまつげのすぐ下の部分 3. 口の中(歯ぐきの上) 3 ≪チタンプレート≫ 正面図 断面図 ◆合併症 ずれた骨を元の位置に戻すために骨を動かしますので再度骨折した ときのように出血をしますが、大出血になることはなく大きな問題 はありません。手術後に腫れや口が開けづらい状態が再度起こりま すが、一過性のもので問題ありません。 *手術の詳細は担当医にご確認ください。
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