地方交付税と経済厚生 - 日本経済研究センター

地方交付税と経済厚生
伊多波良雄
同志社大学
中央政詩辻、様々な形で地方政震に介入している。そのなかで、地方交付税髄震
i
主主主主柔需の財源の爾在の鱗端、獄源器障の邑的のために機能している。本稿の目的
は、第ーに、地方交付税制度の資諜移動に及ぽす影響に詮潤して、
の経済厚生に与える影響を聡論的に導出することにある。第二に、
とに、県レウ、エ
得られた結論を簡単
も
を対象として、実証的分析を試みる。
ると、次のようになろう。理論的に得られる一つの
ます
メッセージは、人口移動を明示的に扱ったモデルでは、補助金の経済厚生に及 i
影響は各地域の効用水準を表わす間接効用関数に依存する、ということである。し
たがって、人口の移動を考議し
¥"、首都密からその他の地方へ資金を移転す
る地方交付現制度は、必ずしも
ナスの影響を持つとは密議でき
ないのである
0
1
9
8
3年震から 1
9
8
7年に渡る実証分析の結果として次のようなこと
9
8
3、
地方交付税制度の予算制約の下で、交付税率の引き上げは、 1
れている α
を除い
て均衡効用水準をヲ│き上げる効果をと持っている。基準税率の引き上げは、いずれの
においても均衡効用水準合引き下げる効果を持っている。また、交付税総額の
1単位の増加は、 1
9
8
3、 1
9
8
4年度を除いて均衡効用水準を引き上げる効果を持って
いる。
1
. はじめ ζ
様々な芳三で地方政野;之介入しているむそのなかで、地方交付税制援
擦の犠在の解消、財諜保障の目的のために機能している。地方交付税
は地域開の財i
i
土 、 伊 多 波 〔 打 、 異 境 .f
也[I2
]、 [
1
3
J などが訴しているように、年度間に
あるものの、かなりの程度地域聞の財源の備荘の解消および財源保障機能を達
1
2
θ
日本総淡新型'e
N
o
2
3,
1
9
9
2,7
成しているように思われる。 他方で、伊多波[8]によって地方交合税制度誌資糠
配分を議めている点が地域公安黙の供給の観点から分析されている。このように、
いくつかの観点から分析が行われてきたが、}事生経済学長"J側面からの分析はまだな
されていない。地方交付税制震の評橋として、こういった分析はきわめて興味ある
ことと言えよう。
本稿の自的は、
に、地方交材現制度の資源移動に及ほ、す影響に註目して、地
方交付設制度の経済摩生立与える影響を理論的に導出することにある。第二 i
之、環
論的分摂をもとに、県レヴェルで、の普通交付税制度:を対象として、実証的分析を試
みる。
論文の構成は以下の通りである。第 2章では、地方究付税製度の予算制約の下で¥
交分税率および碁準税率の変化の経法厚生に及ぽす影響を、第 3章では、交付税総
額の限界的変化の経済専生む及l
ます影響を、補f
賞変分の余剰観念を援摘して理論的
に導出する。これらの章では、地方交付税制度を合む n地域からなる経請におい
て、同様な効用関数を持つ住誌がより高い効揺を求めて地域簡を自由に移動できる
状況を考える。各地域には地方政府が存在し、各地域の住民の効用を最大にするよ
う仁地域公共財の供給水準と地方所簿税率を決めるものとする。第 4
は、先の
一つのケースについて実証分析を試みる。そして、若干のコメントが第 5章で述べ
られて積が閉じられる。
i 交付税率および、基準税率の変化の経済厚生に及ぼす影響
この章では、地方交付税制度の予算制約の下で、交付税率および基準税率の変化
の経済車生に及ぽす影響を分析するためモデルの構築が行なわれる。地方交付税軒
震を含む n地域からなる経請はおいて、部様な効用関数を持つ住設が自臨む移動し、
もっとも高い効用を享受できる地域に食むことができる状坑を考える。以下で辻、
復宜上、突付団体を 1から立まで、平交付自体を t十 1から n までとする。以下の
分析で龍われる記号を、次のように定義する。
f
!(Ni) 地域 iの総全産〈生産関数 f
;(Nj) ~立、逓滅的労働限界生産力の性質
を持っている)
民 地 域 iの人口
t
j
地域 iの所帯税率
S
j
地域 iの 1人当り捕助金
地方交付税とま主主寄燦生
129
1
t
:中央政府による所課税率
α :恭準税率
主 的i
) :地域 iの基準財政需饗額
P
。
Ci
0
.
3
2
)
:交付税率 (
:地域 iの酒税と法人税の合計
地域 iの住民
l
りの私的封議費盤
Gi :地域 iの土忠誠去共財
2
.
1 地方交付稜制度
地方交付税制度は次のように表わされる。
(
1
)
Ni8iエ
ニm
ax(Bi(
N
;
) α
t
d
l(Ni),0
)
(
2
)
三N 8
n
1,……, n
。
{
支 t
fi(Ni)+
ii
(
1
)
式L
;l:,地域 iの基準財政需要額 Bi(N1)から基準財政収入額
(Ni) を控践し
た金額と O安比較して、大きい方が当該地域の交付金額になることを
基準封設需要額 B
i0";)'立、人口と
の関教とした。
い関係にあること
している。
られているので、人口
辻、交付税制度の予算制約式であり、在辺が各地域の交付税
右遣が交付税制度の慰震である O
i
之、所帯税 k
t
f
Ni) と酒税と法
j(
人税の合計 kP
税 ι交付税率。を捧げたものである
iからなる、いわゆる国税 3
本稿では、地方交付税の非系を閉じるために内生変数として tを考えている。内生
変数グコ銭の候補として辻、交付税率。
2
られる。 しか
財源と各地域の究付税額の合計が事│き続き著しく
辻、交付税率などの変瑳をし
内生変数とし
いことにして
えていない。
交付税法第 6
るばあいを除いて
り、基本的に交付税法試交付税率を
最近では交付税率は 1
9
6
6
年に 3
2%
てから変更辻なされていない。 し
て
、 ここでは一つのありうべきケ
て中央政,宥の所得税率を丹生変数とした
され
スとし
o
2
.
2 地域内均欝
ここで辻、各地域の地方所簿親率、地域公共黙の供給水準、金誌の消費支出が決
される。地域 iにおいて完全競争的な労機市場を仮定すると、労働を提快する
民は労畿の限界生産力 f
Ni)に等しい糞金を
j'(
る。地域 iの総生産物から
130 日本経済研究主0
2
31
9
9
2
.
7
宅
け取る。賃金総簡は f
j
'(Nj)Niとな
Ni)
を控践した残りの生姦物 f
i(
は
、
{
お i)Ni
地域 iの住民に均等に配分されると仮定すると、金民の総所需は f
K
;
)となるて
l(
国税と地方税が徴ょi
又された後の課税後続簿辻 (l-tj
)
f
j
(民)←(I-t)
f
j
(
民 )-P1と
なる。徴収された t
j
f
fj
(NJ十P1のうち、これに究付税率を掛けた θt
(叫)十 e
p
jは
交付税制変に拠出され、残りの(I-e
)t
f
Nj) 十 (
1 e)Pdま撤収された地域 iに配
j(
されると張定すると、地域 iの住民の予算税約式の総和は次のようになる。
(
3
)
(
I-tl)
f
j
(Nj
)-e
t
fj
(Nj
)-ePj
=NiCj
また、地域合共財支出が地方税議と地方交付税舗の合計に等しいので、地方政時の
予算縦約式は、
(
4
)
Gj=t
J
i(Nj
)十1¥
I
S
I
i=l,……, n
である。したがって、地境 iの住民の接出な効用関数じ (
C
j,
Gi) は
、
(
5
)
)… Gi十京 I
U{(fj(Nr
Sj-etfj(Nj)-ePj)/Nl,
G
i
}
i=l,……, n
と表わきれる o
地方政府は住民の効用 (
5
)式を最大にするように地域公共財 G1を決定するものと
る。このときとられている仮窓についてここで議及しておこう。地域公共黙を選
択することは地域 iの所得税率むを選択することで、もある。したがって、最適化符
1
)式を通とて当該地
動によってむを変化させたばあい、地方交付税額の配分ルー/レ (
域の地方交付税額を変化させ、さらに、これは地方交付税制度の予算制約式 (
2
)式を
じて顎接的に中央政悲の所得税率を変化させる。中央政続の所得税率の変化は、
地域 i以外の地撲の予算制約式に影響を与え、能地域の最適イヒ行動を通じてそれら
の地域の所得税率をも変えてしまう。これは、先に述べたような経路を過とて中央
政府の所得貌率を変え、結果的に第 i地域の子事制約式を変えてしまう。このよう
にして、ある地域の行動訟能の地域の行動立影響を与え、ぞれが当該地域に皮響す
る可能性がある。しかし、村高では、ある地方政勝が地職公共財を選択するとき、
他の地方政時の行動は所与とする慌定、いわゆる、ナッシュ=クールノー議定を分
析の簡単化のために諜用する。地方政府の数が少ないとき、ある地方政晴の行動が
偽の地方政府の行動に与える影響は大きいので、この仮定辻リーズナブルであると
思われない。しかし、地方政宥の数が多いとき、ある地方政府の行騒が他の地方政
府の狩動に与える影響泣小さいので、本草案が想定する経議では
1
)…ズナブんである
と思われる。このように、ナッシュ r クールノー夜定を探用するため最適化行動に
i
,
・
, n,)はパラメーターとして教われる。
おいて、地域 iにとって Kk (k=l,.,
先に述べたように、地域公会黙の最適条件は初式を最大にするように
Giを選択
することによって得られる。最適条件辻、交付団体と不焚持団体とでは異なり、前
地方焚付税と緩淡厚生
131
)
(
。
作
6
)式
、
者については(
Nj~Gj
UCi
(
7
)
については(
7
)式になる o
={
1
af
j
(Nj
)/
ま fk(Nk)} /(1-α)
k=l
主
♀L=1
Nj
i=1,……,立
立+1,……, n
UCj
このように、 Gjが決定されると同式より、じが決められる。したがって、同式の
i地域の住民の効用関数は、。, α,
Nj,
P
iを変数とする間接効用関数と考えること
ができ、
(
8
)
Vi(
θ,
α,
Nj,
P
j
)
と議わさ札る。
2
.
3 地域題均欝
ここでは、先の分析でパラメ…ターとして扱われていた各地域の人口と経済体来
における効用水準が決定される。 住民は地域を自由
域閥均衡の体系は次のよう
(
9
)
きるものとすると、地
される。
vj(e,
α,
Nj, P
j
)
i=1,……, n
nMMV
i
{
j
三九 = N
{別式 l
立、移動費用がかからないばあい、柱民がもっとも高い効用水準を求めて地域
を移動する結果、どの地域においても享受できる効用水準はUに等しくなることを
している。側式は人口制約式で、住民はどこかの地識に住まなければならないこ
とを意味している o 拐、掛式の字転系において、内生変数辻、
U,N1むこ L…… ,n)で
あり、その数!;;l:n+
l1題、式の数;わけ 1
認で館主存をしているものとする:
(別式より Njを
u,e
,
α,
Pの関数と
1
ことができるので、これを繊式に投入
すると (11)式が樽られる。
。
1
)
iNj(U,e,α,P
1) ニ
N
N ・),土、人口需要関数と呼ばれるものであって、む ,
e
,
a,
P1の外生変数が与えら
j(
れると、議鰐水準むを享受するため、域機 iを需要する人口数を訴している。した
がって、錦式辻、人口の需絵均替を条侍式と解釈できる。
どの程度経済翼手生に彰響を及ほ、しているかを数量的に分析するためには、いくつ
かのアプローチが考えられるが、ここでは補償変分の余剰概念を援用する。補償変
132 B本経淡研究 N0
.
23,
1
9き2
.
7
分辻、次のように定離される
。つまり、補種変分 dHは、交付税率あるいは基準
税率が限界的に変イとしたとき、均禽効用水準の変化を相殺するためにすべての地域
主義される。 H辻
、
から等しく数収しなければならない外生的金殺 Hの変化分、と 2
(
1
2
)
i 1,……, n
U{f
(
N
;
)t
i
f
(Ni
)-8
t
f
(Nj
) θ P1-H)/Nj
,
Gi
}=U
i
i
i
口
のように示され、人口の需給均欝条件式(
1
1
)式は次のように表わされる。
掛 さ
Ni(百
, H,
8,
α,
PJ 頁
帥式より、
ー
ハ
匂
1
(5
)
dHI
d8 I
H
ご;
o
n
s
t
.
δNj/
θ
θ
δNjδ註
δN1/
δ
α
dHI
i
JI
S30nst-2δNj
/
θ耳
ヨ
。(
1
2
)式より、効用水準を一定にして aNi
/
δ
θ、 δN)δα 、 δNj/aH
が導出される
(
i 1,……, n
) を求めて、整理すると、次のようになる。
。
在
FjD1
4H
i
dθia
z
;
o
n
s
t
EjD
j
(I~
bDI
ここで、
Pk-Pj
1
(8
)
F
iザ
仕
訪
)
)
(Nj
β
j=f
j
/点以Nk
。
塁
D
i
ペス
L・
)
(Nj)-Ci
1 α)
十日;
'(Ni
/(
)-Ci-f
'
(Ni
)8
=
f
;
'(Ni
t
i
(
21
)
E12
(
2
2
)
E
iコ A3lbfh(ぬ)/(1 α)
で‘ある
ニ
1
1,…… ,Q
(NJ8t
i=立十 1,……, n
ω
1,……,立
(
N
i
)/(1α)や A21tkfk{
凡)/(1
i=Q十1,……, n
。
地方交付税と主主主著厚生
133
鵠式の D
i
.
F
iの経、済的意味に
た効用関数を
Vj
立
母
と
しておこう。い家、住民が最適化有数を行なっ
えたとき、地域 iにおける間接効用関数は、
(H,
e
,
a,
Ni.Pj)
きる。包絡線建理を復い、 Niで{謡徴分し、整理すると、
i
ニ
十 B((
おi
)/(
l
f{(Ni)-C
i
α)
e
t
{
災i
)
θ
t
ovv
UC
i
θ Ni
匂
上
N,
θV =f((N)
(
24
)
i=.
e
十
1
.
…
…
,n
(
持i
)
られる。 これは、先の D
iに等しく、過加約に住民 1人が当謀議壊に移ったと
き、当該地域の現在の住民に与える便益を消費支まのタームで譲J
Iっ
ものである
働者の社会的純限界生産物組合ts
o
c
i
a
lm
a
r
g
i
n
a
lp
r
o
d
u
c
t
) と呼ばれる
D
労
。交付開
主民の i
寝費支出、第
2墳は f
体の i
まあい、物辺の第 1項 i
ま住民の労犠諜界生産物、
3項は追加的住誌の増加による交f
村克の増加分、第 4項;立場加的住民の増加による
中央政府の所簿税支払いの増揺分で、特に
e
x
t
e
r
n
a
l
i
t
y
) と呼ばれている
f
i
s
c
a
l
3、 4項 は 財 政 的 外 部 性 (
まあい、追加鈴住民
。不交付自体の i
加による
交付税の増加分誌なくなる。
また、 6について V(寸を編徴分して、整理すると、
N,
aV
℃
同
百
一=A31PK…Pj
告
設
が得られる。 これは、 F
i
分を消費携のタ
しい。 l単位の 6が与える現在の全員の効用の変イヒ
ムで羽]
1ったもので、右辺第 1
壌は、 。の引きょ汗による中央政府
の所得税率の引き下げに倖う効用増、第 2
カ
5
酒税および法人税の拠出部分の増
う効用減をそれぞれ意味している。
で辻、制式の査観的意味を簡単に述べておこう
を考えよう。
o
説明の簡単化のために、二地域
の(
a
)は、縦軸に効用水準、横軸に人口を?とっており、 O
!より右方
向に地域 1の人口 N!を
、 O2より
に地域 2の人口 N立
を
初期の
V
!(N1)、
。 V2
(Nz戸、初期の効摂水準は U
!で、その近傍で D
!,D2<0
のケースが描かれている。いま、 θを罷界的
させたとき、 もし
,
F2>0な
)
'のよう立上方にシフトし、 しい均
ら
、 V1
(N2
(・)曲線はそれぞれ V1
(N1V、V2
無効清水準は U
zとなる。 このとき、 もとの効毘水準む ~こもどるためには、各地域
は
、
j
より正の房需を徴収しなければならない。すなわち、補償変分はまとなる。
事
、
ー
ー
“
性的結果辻、 (
1
6
)式において、 n=2とおいて、 Dj ,
D2
<0、 F
l,
F2>0を伐入する
こと;こょっ
b
)のような経済を考えたばあいには、
らhるc もし閣の (
134 g本 経 済 研 究 ぬ2
3,1
9
9
2
.
7
,
Fz>0
均衡効用水準の変化
(
a
)
効用水準
V1(Nt)'
U2
U1
0
1
Nz 叫
一一一一…… 02
Nl
(
b
)
効用水準
01
Nl
02
Nz •
であっても、 Dl>0, D2<0なので、結論は爵接効用関数のシフト鑑;こ依都し、
一義的立は決まらない。
すなわち、ここでの一つのメッセージは、人口移動を明示的に扱っ
デルでは、
補助金の殺済厚生に及;ます影響は各地域の効用水準を表わす賠接効用関数に京事す
る、ということで、ある。
上の状況は、次のように人口の需給均禽の観点から説明できる。閥、尚武から
地方交付税と長監禁事淳生
135
ゑFi/Di=一
言 θNJoB、ま I/Di=ま δNJθ日なので、 D1,D2<0、 , >0の
ば あ い 、 左 側1
/
θB
>0、isδ NJδH<Oが得られる。つまり、 0の 引 き ょ 間 人
日の需要を増加きせるので、人口辻超過需要になる。人口の需給を均欝させるため
には、人口需要を減少させる必要があるが、これ辻註の増大によって達成される。
さらに、鈴式は次のようにも解釈できる o F
i
/
D
i培
、
i地域における
会的純誤界生産物で測った 0の 1単位の変化分が与える現在の性誌の効用の変化
分を示すので、 (
1
6
)
式の分子は Oの 1単位の変化分が与える地域全体の効用の変化
分である。また、 l/Diは
、
i地域における労働者の社会的純限界生産物で測っ
所得の 1単位の変化分が与える現在の住民の効用の変化分を示すので、(16
)式の分母
は所簿の 1単f
立の変化分が与える地域全体の効用の変化分である。したがって、鵠
式の右辺辻、 1単位の所得が与える現在の地域全体の柱畏の効罵の変化分を 1とし
ときの、 6の l単設の変花分が与える現在の地域全枠の住民の効期の変化分を
している。
(1司式も同様に経済的解釈が可能で、ある。ここでは、の経済的意味にのみ言言及し
ておこう。 E
iは
、 α の現夜の住民の間接効用に与える影響を、消費財のタームで
i
贈ったものである。交付酷体のばあい、 α のヲ i
きょげ辻、地域 iの交付税を誠少さ
せるため当該地識の地方税の増税に繋がる提言式のお退築工壌入さらに、 α の引
きょげによりすべての地議泣埼方貌を増寵するので中央致滞の所書税率が減少する o
また、 α丹引き上げは地方致推め行動を経由しないで、車接交f
寸税総額を減少させ
るので中央政府の所得税率の引き下げをもたらす。後者ニつの影響は、白1)式の右辺
2墳で表わされている。側式は不究付団体のケースだが、不交付団体は交付金を
ていないので、
の効果のみが現われる。
3
. 交村税総額の設界的変先の経済車生に及ぼす影響
先のケ…スで辻、交付税率が変化したとき、地方交付税制度の予算制約を満たす
ように、中央政府の所得税率の変化が伴っており、交付税総額が最終的に増加して
いるのか減少しているのか明らかでない。ここでは、興味ある分析として、交イ寸金
総額の 1単位の変イとが経済厚生に及ぽす影響を分析する。この問的を遠まするため、
経済体主義辻次のように修正される。
136 日本総務研究 N
o
.
2
3.
1
9
9
2.
7
3
.
1 地方交付税制度
話
。
Njsl=A1(NaS
告
号
S=)
({
t
f
N1)十支 Pi}
l(
(N1) 1である。
二
I立地方交付事滋3
5
額を示し、
錦、制式は、地方交付説制度を表わしている。鱒式の S
それにふを掛けた額が i地方政府 l
こ究骨金として配分されている。地方交甘税は、
人 口 の 関 数 ほ っ 之 い る 基 準 贈 賄 要 額 と 防 貌 に 依 持 す る の で 、 Ajは Niの関数
でもある。閉式 i
立、交付金総額が、畠貌である所得税、酒税、法人税の合計に。
欄間のな等凶ことを表わ山る
o
hこ で 交 付 金 総 額 の 1単 位 城 北 が
経済厚生に及認す影響の分析を可能にするため、 Sを外生変数とみなすことにする。
蔀章毘様、ここでも地方交付税の体系を関じ応ために内全変数として tを考えてい
る
。
│
3
.
2 地域内均衡
前章と閉じように考えると、地域 iの住まわ間接効用関数培、
)
8
(
2
V
j
(
(
),
)
Nj,
Pj
S,α,
と表わされる。地方裁宥の予算制約式は、 Gj~Mì(Nd 十九 (NJS となり、 Aì(Nj)S
の定義を利用すると地域公共慰の供給条件辻前主主と問様に求められる。
│
3
.
3 地域間均欝
性民は地域を自由に移動できるものとすると、地域開均務の枠系は次のよう
わされる。
告
惑
V
j
(
(
),S,α,Nj, PJ=じ
側 主
N
j
i=lJ……,位
N
式の解釈は、第 2章と同じなのでここでは操り i
認さない。内生変数辻、民(i=
1,……, n),Uでその数は n十 1
個、式の数 i
闘で解は存者駐するものとする。
立正 +
1
1
人口の需給均等式は、先の分析と同様に考えると、
側 主 Nj(U,H,(),S,a,Pj) N
二
となる。補憐変分は前主主と
されているとすると、究付金総額 Sが l単位
池方交付税と主主主斉厚生
137
変化したときの議積変分 i
土、次のようになる。
支δ孔 /δS
事
号
さδ詩 1/δE
δNJ
δS、 δNJ
δEを求め
効用水準を
ると倒式が帯られる。
R/W1
主l/W
j
ここで、
(
3
4
)
R
i
制
Wj
1,……, n
(N1)
(民)
+Bi'(NJ/(
1-α)-t'(Nj
)Bt
i=立十 1,……, n
(
封J
Bt
ε
i
まあいと罰援であるので、ここで法廷 と Wjの解
線式の藍観的意味辻、第 2
釈立ついての
1,……,
i
しておこう。いま、住民が最遥化行動を行なった効用関数
えたとき、地域 iにおける関議効期関数は、
(
3
6
)
V1士 Vi(B,
S,
α,
民 j,
Pj)
と表現できる。盆給親定理を使い、 Njで嬬徴分し、整理すると、
N,
a
V
t
認
:
ニ f/(Nj) Cj+Bj'(Nj)/(1一 α)-t'(NJBt
司
。
…
ニ
が得られる。これは、
f((Nj
) Ci
Wi
(Nj)Bt
1,
…
…
・ ,Q
i=Q+1,……, n
しし消費黙のタームで測った労勤者の社合的純践
界生産物である。閉式の右辺は
Dの解釈と関じで、交付国号本の;まあい入
j
f
Nj) )、消費支出 (CJ、
ロが 1単位増えるときの誤界生渡力分の所簿 (
j'(
,
t取りの増加分 (Bパちし ) / α ))、中央政府の所簿説の支払い増 (
f
/(N
j)
B
t
)か
らなる。不交付冨体の i
まあい、交付金の受け取りの増加分担パ孔)/(1-α))
くなる。
また、
Sについて V(サを傭微分して、整理すると、
δV,
N,
苛
:
宏之 Aj-si
留
め
1,……, n
が得られる。これは、 Rjに等しく、 Sの変化の現荘の住民の間接効用に与える
を、消費財のタームで誤ったものである。胸式の右辺第 1項は、 Sの 1挙殺のヲ i
きょげによる交付税の受け取りの増加分、第 2壌は兵、すなわち、各地域の総生
産の経議全体の総生産に出める割合であり、交付説挺衰の挺岳部分の増加分と解釈
できる。
138 日本経容等研究 泌 2
3,1
鈴2
.
7
4
. 実証分析
ここでは、第 2, 3章で導出された側、 (
1
7),闘式を利用して、県段濯の普通交付
金に焦点をさきてて、 1
9
8
3
年から 1
9
8
7
年に護って実証分析を試みる O 以下は、資料出
所の一覧である。
経害金繭庁「県民経済所帯統音十年報s
地方財務協会『地方財政統計年報』
嬰税庁『国税庁綾計報告書」
府治省主柱民基本台帳に基づく全国人口、世帯数表J
総務庁
合
投資と純移出の合計が要素襲用表示の渠内純生産の一定額i
z
で保たれている
という慌定、要護費用表完誌の渠内総生産は市場織格表示の県内総意避の一定割合の
σという仮定の下では、財市場の均荷条件式から地境の労働所得はず渠長経済所得
統計年報J の麗用者所得に
求められている
0
/
σ -c) を捧げたものになるので、そのようにして
。
毎年、渠レヴェノレの菩議究付税の関税 3説に占める比率 i
ま
ら0-60%であるので¥
この比率を国税 3税の総縮に議げた鑑を地方交持税制度の財源として龍用している。
また、本稿において蕃準財政需要額辻人口の関数として提えているので、畿小二乗
よってそれらの関係が推定さ子れている。普通、国積にも基準財政欝婆額は依惑
していると言われているので、面種も説明変数に加えた。結果は、次の通りである。
/(民)の値
表 lより、すべての説明変数は水準 1%で有議である。したがって、 B
として各年度の人口の係数を龍用する。
第 2章の針算結果は、表 2
されている。最初は θの変化の影響から見ょう。
1
9
8
3
、1
9
8
4
年震を除いては、 dH/d8>0なので、交付税率の引きょげは、均機効
用水壌を引き上げることがわかる。畿 3から、いずれの年度においても
:
a
/
民は正
9
8
3、1
9
8
4
年変を除いて LFJDiは正なので、表 2の結果が捧られ
である。また、 1
ている。
また、人口需給の親点から説明すると次のようになる。総式と (
1
6
)
j
えの関侵から
LaNjθ日ニヱ l/Diなので、いずれの年度においても Hの増加法所与の効用水準
の下で護請全体の人口欝要を増加させる。同式と鵠式の関係から
NJδ
θ を考意すると、
芝δ
L
F
i
/
D
iニ
θの引き上げは、 1
9
8
3
、1
9
8
4年度を除いて人口需要を減
少させるので、人口欝絵均痴を維持するためには、廷の増加が必要なのである。
地方交付税と経済j
家
主
主
139
表 1 闘帰分析
年度
説明変数
定数項
1
9
8
3
1
9
8
4
1
脅
さ5
1
き8
6
1
9
8
7
R
2
人口
6
7
8
0
3
(
4
0
.
2
7
)
6
1
1
1
6
(
3
7
.
7
0
)
7
5
8
き4
(
3
4
.
5
0
)
7
8
6
9
0
(
3
4
.
4
8
)
7
5
6
9
8
(
3
2
.
0
7
)
0.46E+ll
(
7
.
6
9
)
947E+11
(
7
.
2
0
)
0
.
5lE+11
(
6
.
47
)
0.54E+11
(
6
.
3
9
)
失
‘
。59E+11
(
6
.
4
8
)
0.26E+7
(
8
.
01
)
0.26E+7
(
7
.
41
)
0.32Eや ?
(
7
.
3
4
)
O.34Eや 7
(
7
.
5
0
)
O.37E+7
(
7
.
3
9
)
0
.
9
8
0
.
9
7
0
.
9
7
O
.き7
0
.
9
6
( )内は係業主の t
i
箆である。
表2
,。αの 影 響
dH/d8
d
H
/
d
α
-2.19E+10
-7.5lE+10
4
.
8lE+10
6.82E+10
1
.02E+10
1
9
8
3
1
9
8
4
1
9
8
5
1
9
8
6
1
9
8
7
-1.54E+12
…ι
97E+11
40E+U
-2.
…2
.11E+ll
…3
.き3Eやは
表 3 各変数の合計値の符号
ヱ
RJW
i
十ム→十
ムヤム→よ?
+++
iT1→
1
9
8
3
1
9
8
4
1
9
8
5
1
9
8
6
1
9
8
7
:
E
E
i
/
D
i
:
E
Fi/
Di
:
E1/Wr
+!?IT++
:
E1/D,
4 Sの 影 響
1
9
8
3
1
9
8
4
1
9
8
5
1
9
8
6
き8
7
1
-0.01298
…
。
“ 01号55
G0
0
4
号4
0
.
0
0
5
8
6
0
.
0
0
7
7
8
140 B本経済研究 :
>
0
2
3,
1
9
9
2.
7
解
αの変イとの影響は、いずれの年度においても、 dH!dα<0なので、均務議用水準
を引き下げる効盤を持っている。表 3 から、いずれの年度においても ~El!Dl は輩、
:
日!
D
lはなので、表のような結果が鐸られる。
また、人口需給の観点から説明すると次のようになる。綿、 (16)式から ~El!Dl
-~aN)δα が鐸られるので、いずれの年度においてもヱ δ 孔 /δα>0 となる α す
なわち、 α の引き上げ辻人口需要を増大させる。したがって、人口需給均簡を維持
るためには H の減少が静わねばならない。
第 3意の許算結果は様 4のようになる。交付金総領の l単位の増加は、 1
9
8
3
、
1
9
8
4
年度を除いて地欝効用水準を引き上げる効果を持っている
J¥¥
んは 1
9
8
3
、1
9
8
4
年度を除いて正なの
においても正、ヱ R
G
はいす£れ
ヱl!W
i
4の結果が得
られる。
また、側、 (31)式から鴇られる玄 δちし/δH=~ 1/Wl~ 考癒すると、 ~l!WI はいず
れの年度においても正なので、日の増加辻舟与の効用水準的下で、人口需要を増大さ
せる。他方、機、制式から得られる ~RI!Wj ニ -~δ民 /θS を考議すると、 ~Rl!WI
i
ま1
9
8
3
、1
9
8
4
年 度 を 除 い て な の で 玄 δN1!δS<Oとなり、 Sの 1単位の引き上げ
9
8
3、1
9
8
4
年度を除いて人口需要を誠少せしめる。したがって、交付税総額の l
は1
単位の増加は、 1
9
8
3
、1
9
8
4年度を験いて人口を経連供給にするので、人口需給均需
を維持するためには廷の増加を必要とする。
時系列的に、交付税率の引き上げと交付税絃額の増加丹埼衝効用水準に及 i
ます影
1
9
8
4
年度から 1
9
8
5
年度 i
こ隻から正に転じている。これは、表 3が示すように、
三F
i
!
D
i (あるい i
ま之友J W
)が負から正に転じているからである。この諜因とし
i
て、大阪賓の F
l (あるいは R1) は1
9
8
4
、1
9
8
5
年度はともに輩、日(あるいは
W j) は1
9
8
4年蜜己主、 1
9
8
5
年箆には不焚付回f
本になったため食になっており、そ
j
i
!
D
i (あるいは R!W
)は1
9
8
5
年度に正に転じていることが挙
の結果、大阪府の F
げられる。
5
. おわり
本摘は、浮生経語学的な観点から地方交付制度を分析することを意思している
緯られた結論を簡単に述べると、次のようになろう
G
G
に寄られる一つのメッセージは、人口移動を明治的に扱ったモデルでは、
ます影響は各地械の効用水準を表 bす間接効用調数に依存す
捕艶金の経詩厚生に及 i
主主方交付税と絞淡浮き主
141
る、ということである。したがって、人口の移動を考産した l
まあい、普都圏からそ
の他の地方へ資金を移転する地方交付税制度は、必ずしも首都圏の住民にマイナス
とは断。繋できをいのである。しばしば、首都菌からその他sの地方へ資
金が移転されて、こ札は欝都醸の住民にマイナス効果を持っと議論される。資金の
静較のみに控目すれば、税簿カを持つように患われる。しかし、本轄の分析によれ
ほ、このような議論詰入品が移動する;まあい妥当性を持たない。 注 1
2
) の θの変
仕の i
まあいの分析か
されるように、資金の移転、あるいは、所簿の変化だけ
人口が移動しないケースである。
1
9
8
3
年愛から 1
9
8
7
年捜記渡る 3
建設分析の結果として次のようなことが得られてい
る。地方交封税制度のぞ子葬儀i
約の下で、交付軽率の引き上げ辻、 1
9
8
3
、1
9
8
4
年震を
除いて場無効用水準者引き上げる効果を持っている。基準税率の引き上げは、いず
れの年援においても均禽効用水機を引き下げる効果を持っている。また、交f
寸税総
額の l単位の増加辻、 1
9
8
3、 1
9
8
4
年療を除いて均爾効用水準を引き上げる効果を
持っている。
以下では、村高の分析の持つ窓輪以ついて簡単に述べる。近代経諸学の立場から、
地方財政制度を経済学的に分析しようとしたばあい、まず最初に突き当たる困難は
フレームワークの欠知である。 I
t
a
b
a
は、地方税の帰着分析を試みる際、都市
経済学の分野で、しばしば使われる土地利用モデルを援用した。これも、一つの利用
可能なモデ、ルである。本欄では、扱う
に偲利であるという理出から、土地利用
モデノレではなく、 Boadwayand
、F
l
a
t
t
e
r
s,HendersonandMieszk
o
w
s
k
i[
2
J、 S
t
i
g
l
i
t
z[
6
J などのそ
した。 S
t
i
g1
it
z[
6
J が述べるように
ー
この種のモデルは体系の安定住の離点か
る。しかし、安定住に充分な f
主
意を払うならば有用なモデルになりうる。
珪究付金の経努厚生的分析に
適罵可能であるし、また、 O
a
t
e
s[
5
J など
されているような標準的な議助
金の理論を笹正することが可能である
注釈
a本交通政策研究会〈薦西部会〉では山罰法之京都大学教授、
どをは
とめとする諸先生方から多くの有益なコメントを項いた。また、
よぴ
本誌レフェ
1
)ーから多くの有益な御教示、御批判を項いた 6
うまでもなく、本穏に残存するかもしれない誤り
142 臼本経済研究ぬ.23,1
9
9
2
.
7
ここに、認して感謝まわしょげる c
る
D
1
) I
t
a
b
a[
4
] ,立、地方交付税制度を保険論的な観点から分析している。
2
)
中井
を参j
様。また、本格-C"'主 1
9
8
9岩手度の改正前の地方交付税制度について説明して
いる。
3)
財源と各地域の交付税額の合計が異なるとき、予算制約を満たすための議整ルールについ
て言言及しておこう。財源が各地域の交付税額の合計より大きいとき、若手地域の交付従額の合
計が普通交付税額として決定され、財源の残額は特別交付税の総綴に加算される。財源が各
地域の交付税額の合計より小さいときは、財源の不足額を交付税会受領する地域の基準財政
レールを定式化することは可能であるが、
需要額にあん分して減額している。モデルで謁整J
過度の煩雑イとを避けるため無視した。
4)
法人税は法入所得に依存する。瀦税は従量税のばあい滋類の製造場から移よちし、または係
まあい、酒類製遂事ぎの通常の卸売領絡また
税地域から引き取る酒類の数量に、また従{減税の i
は C1F繊絡に爵草財目当額を加えた金額に依存する。したがって、そのように定式化すべき
である。しかし、第一に本文で、はそのような変数を明示的に扱っていないので、第二に上の
ように定式化することはそデんを複雑にするだけで、理論的分析における基本的インプリ
ケーションを変化させないので、そして、第去に法人税、滋税を被説明変数とする回帰分析
れなかったので、一指税として定式化した。
における人口の持つ有笈牲は、試算では支持さF
5)
もちろん、最近の交付税率は爽震的に 32%を超えているので、交付税率を内生変数と考え
ることも可能である。かりに、交付税霊祭を内生変数と考えて分析を進めて.も、ヨド稿の現論的
インブリケーシ沼ンは変らない。
6
) このような{仮定は、本稿が援用する最適人口配分理論の論文、たとえば、 Boadway a
n
d
F
1
a
t
t
e
r
s
などで採 F
殺されている。また、住民は労働生産力に毒事しい賃金を受け取ると
仮定することによって、後で行なわれる実まま分析が容易になる。
7)
本稿 l
土地方交付税に関する分析であり、地方交付税に i
変われない部分の欝税の配分方法に
よる影響は別のテー?と考える。
8)
(
6
)、(
7
)
式の経済的意味については伊多波浪]を参照。また、日本の多くの地方政府の総
れていると言っても過言ではない。しかし、実際にすべての地方
まあ
政府の税療は等しくなし裁衰の余地はある。法的にも、個人の遂府県民税の均等舗の i
い制限税率は定められておらず、所得訴の税率の i
ぎあい、あらかじめ、忠治大臣に対してそ
の震を届出ることによって機準税率と奨なることができる{地方税法3
5条)。また、偶人の
市町村民税のばあい、均等苦手Ij.所得制の制緩税率はあるものの、税率の軽減は可能でるる
1
1、 314
粂など)。したがって、本稿におけるように、地方政府が地方税率を決
(よ也方税法3
るモデルの構築は、現実的根拠を持っていると思われる。
9) 地域開移動が完会に制約されているケースは、都市経済学で使われる閉鎖都市そうr'J
v
(
ε
1
0器官dc
i
t
ymoお1)二相当する。本文で後で述べられる人口露宴関数の効用水準に関する
餓徴係数はゼロになり、本論文の特殊ケースと考えることがで、きる。このばあい、エモデルは
次のように修正される。人口が移動しない仮定の下では、それぞれの地竣で得られる効用水
準は等しくならないので、 (
9
)式は成立しなくなり、 (
9
)
〆式のようになる。
地
m芝付税と経済浮き主
143
(
9
)
'
Vi(B,
a,
N!,
P
!
)ヱ
コ
じ
i=l,……, n
閉鎖都市モデルではさふ(i二口上……, n
) は外生変数なので、体系は (
9
)
'式からなる。この体系
留である。
において、内生変数は Ui 0=1 … … 的 で 、 そ の 数 は n偲、式の数が n{
1
0
)
このような補償変分の定義は貝LlIでも使われているむ
1
1
)
目指
Oで評燐されている。以下も関様である。
1
2
) かりに、地方政府が地方税率を決定する自樹皮が存在しない i
まあいでも、 8および、 α の燦
界的な変化に対して閥様に補償策分を求めることができる。住民は仏(つまり t
i) を選択
することが不可能になり、予算制約を満たすように残遣をとして
G
!が決まるので、民を限界
だけ変化しなければならない。ょこの効果
的に変化させたとき、本文の (
4
)式を滋じて仏が dG
i
;
立
、
{」1二姐主主主L}}豆~
(l-a)
じc
!
,
T
.
:
) dG
Uc
! dN!
U" }
}ーユ上
{… 1 十一 ~iTUGí
dN!
交付Bfl体のばあい
不交付盟体のばあい
となる。したがって、院の右辺によの式が加わるだけで、後で、選べられる本稿の理論的イン
7
)式で最適粂
ブリケーションは変らない G 最適化行動をとっているばあいには、本文の樹、 (
;の宕辺には現われず本文の官邸式のように
られているので、これらはゼロになり D
なる。
発
また、地域開移動が完全に制約されているとき、。を l単位変化させたとき
次のようになる。私的射をニューメレールとしたときの 8の 1単佼の変化が i培法の厚生に
9
)
'式を 9で偏微分して得られ、次のようになる匂
及 ぽ す 効 果 は 、 注 引 の(
_
~
;
:
S
r
¥
:
¥Pk… P
むc
!
d
B -
,
湾
、 dV
.
.
.
.
=
2
l
.
.
ー
ー
ム=
β
'
!
この式をすべての地域に穏して合計したものが、 9の 1単位の変化が経済厚生に及ぼす影響
になる c これは、 s
Iの合計は Iであることを考慮、するとゼロになる。すなわち、会泌総の人
口が臨定的なばあい、地方交付税制度の予算制約が満たされている状況の下では、
してみればぞロになってしまう。
1
3
)
ここでは、第 k地域の人口の変化による中央政府の所得税率に及ぽす影響を無視できうる
ものと仮定している
d
t
dNk…
、
立
第 k地域の人口の変化による中央政府の所得税率に及ぽす影響 i
G
乏
k) α )
)(dNJdNk)} γ
/
-Bt主
B
t
(
:
t
¥J(dNjd:
.
T
f
:
'(Nj
)である。ここで、人口幸男j
約から得られる:S(dNj/dNk)口 Oの
となる。ただし、 γコロ玄 f(N
1
n
)が各地域間で近似的に等しく、
i=l,
下で、 Bt(Ni) (
…
・
・
・ ,Q)、f{(叫)0=1,…..,
d:
.
Tk)
.
T1
/
d:
:
S(
(dNJd:
.
Tk)
ると第 k地域の人口の変化による中央政府の所得税
運転に及ぼす影響は徴小な緩になると予想される。
2]
1
4
) 日器t
日s
日間, H
endersonandMi
z
k
o
w
s
k
i[
t
144 日本経済勝手主
謀
。2
3,
1
9
9
2
.
7
1
5
) BoadwayandF
l
a
t
t
e
r
s[
1Jを参照。
1
6
) 詳しくは、伊多波 [
1
0
J 参照。
1
7
) 伊 多 波 [9J参照。
参考文戴
[1JBoadway,R andF
.F
l
a
t
t
母r
s,“.c!
l
t
l
c
l
l
e
n
c
yandE
q
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l
i
z
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i
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nPaymentsi
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l
c
a
加 d
i
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投削除品n
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tR自 立l
t
s,
η T
he
S
y
s
t
.
ξ
mo
fGovernment: A
J
o
u
r
n
a
l0
1,
Eε
o
n
o
m
i
c
s
,Vo
l
.X¥
人No
ふ N
ov.1
9
8
2,p
p
.
6
1
36
3
3
.
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号r
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. ,V
. 日告nd
配r
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設 設 設d P
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R
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η
p
z
必死cE
conomics
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l
.3
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o.1
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号7
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.宮
古
1
1
2
.
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“ TheI
n
c
i
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e
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