第1学年理科学習指導案 12:50~13:40 1 単元名 身のまわりの物質 第 1 章 身のまわりの物質とその性質 日時 場所 学級 授業者 平成22年11月17日(水) 3階 第2理科室 1年E組 都竹 雅人 第 11 時/全 14 時 2 単元について (1)教材観 身のまわりには,多種多様な物質が存在している。現在 111 種類の元素が知られ,その組み合わせ により,多種多様な物質になる。その物質は,地球ができるときに生成されたものあれば,人工的に 作られてきたものもある。2000 年にはノーベル化学賞を受賞した白川英樹博士が生成した「電気を通 すプラスチック」など,新素材が誕生している。また,繊維業における保温効果の高い物質の開発や 自動車の軽量化のために使用される丈夫なプラスチックなど,新たに素材が作られ,それらの物質が 用いられることで私たちの生活は豊かで暮らしやすくなっている。 今までにも,日常生活の中で使われているものでは,熱に通しやすいという性質を利用して,金属 のフライパンや鍋が作られた。逆に熱を通しにくいという性質を利用して,木やセラミックの皿やお 椀が作られてきた。電気を通しやすい性質を利用した金属の導線,電気を通しにくい性質を利用した プラスチックの電気カバーというように物質の性質を考えて製品が作られて今日に至る。 このように物質の性質を正しく理解した上で,生活を豊かにするために,新たな物質を開発したり, 利用したりすることが考えられる。開発する際には,どのような性質が必要なのか考える力が必要で あり,利用する際には,その物質の性質を理解しなければ危険が伴ったりする。これからの多種多様 の物質に囲まれながら生活を送っていく中学生に,物質にはそれぞれ特有の性質があることを理解さ せることが必要不可欠であると考える。 (2)生徒観 生徒は, 生活の中に多種多様の製品があり, 多くの種類の物質が存在していることは理解している。 例えば,金属の中でも,金,銀,銅,鉄,アルミニウム,鉛などの種類があり,鉄で作られた鍋と銅 で作られた鍋もあるというように物質の違いがあることがわかる。しかし,その詳しい特徴までは理 解しておらず,金属はすべて同じ特徴をもっていると勘違いをしている。例えば金属はすべて磁石に ひきつけられると思っている生徒も尐なくない。また,プラスチックについても同様に,一種類であ ると思っていたり,すべて同じ性質の物質であると感じている生徒もいる。しかし,PET,PP, PE,PS,PVCは,それぞれに特有の性質を見事に利用しながら利用されていることには気付け ていない。また、白い粉状でよく見かける食塩と砂糖の違いは,味の違いや結晶の形の違いがあり, それ以外はほとんど同じであると考えている。しかし,無機物と有機物,水への溶解度や温度による 溶解度の変化などさまざまな点で異なっており,食塩にも砂糖にもそれぞれ特有の性質があるという ことをより詳しく認識させたい。 液体である水溶液についても,清涼飲料水や料理など多くの水溶液が存在することがわかっている が,物質が均一に広がっていることや溶質によって水に溶ける量が決まっていることや温度を上げて 溶けやすくなるものとならないものがあることなど,水溶液においても溶質によって特有の性質があ ることは理解できていない。 状態変化についても,氷,水,水蒸気の水という物質について,沸点が 100℃であることや水より 氷のほうが体積は大きいことなど,比較的詳しく理解できている。しかし,他の物質にも固体,液体, 気体の状態があり,それぞれの物質に特有の融点や沸点があることは知らない。 これらのように,多くの物質が存在しているという認識や物質についての知識もあるが,一つ一つ の物質には,特有の性質があるという認識が弱いことが考えられる。 (3)指導観 「物質にはそれぞれ特有の性質がある」ことを理解させるためには,確かに事実を得ることができ る実験を行うことと,考察を行う中で物質の性質について共通点と相違点をはっきりとさせることが 重要であると考える。 正確な実験を行うことについて,例えば,気体の発生と性質では,三角フラスコの中の空気を集め て調べてしまうことがないように,気体の集め方について注意点を指導する。密度の測定の際に使用 するメスシリンダーや沸点を測定する際に使用する温度計,質量を測るときに使用する電子てんびん などでは,数値を細かく読むことで,誤差を考慮して事実を捉えることができるようになる。 考察で共通点と相違点をはっきりさせることについては,例えば,金属については,鉄もアルミニ ウムも,通電性がある,熱伝導性がある,展性,延性があるなどの共通した性質をおさえるとともに, 鉄は磁石にひきつけられる,アルミニウムは密度が小さく 2.7g/㎝ 3 などそれぞれの特有の性質につ いても考えさせるようにする。 このように,正確な実験により,確実に事実を捉え,その事実から,その物質の特有の性質を見出 すことによって,特有の性質にも目を向けさせ,認識できるようにしたい。 また,理科の授業や実験だけの知識や認識だけにとどめないように,授業の終末には,日常生活へ と返すことで物質の性質について正しい認識や科学的な見方や考え方を身に付けさせたいと考える。 3 研究内容との関わり ●研究内容1 指導計画の作成 ・単元構想図の工夫 単元構想図は,次の工夫を入れて作成した。 ・学習前の生徒がもつ概念と,学習後にもつ概念を位置付けると共に他学年や小学校,高校と の意識のつながりを明確にする。 ・単元の内容に関する自然の事象・現象について,基礎的・基本的な概念や原理・法則のつな がりを明確にし,単元を貫く課題意識をもたせる。 ・基礎的・基本的な内容を習得する場,習得した内容を発揮する場を位置付け,1単位時間の 役割を明確にする。 ●研究内容2 指導方法の工夫 STANDⅠ ・予想する場の工夫 小学校において,酸素にはものが燃えるのを助ける性質(助燃性)があり,二酸化炭素には石灰 水を白くにごらせる性質があることを理解している。そこで,予想の場面において,前述の学習で 身につけた「酸素の性質」 「二酸化炭素の性質」を根拠としながら,気体の性質を調べることで区別 できそうだと気付かせ,課題解決への見通しをもたせたい。また,机間指導を通して,予想できな い生徒には「酸素はどんな気体なのか」 「二酸化炭素はどんな気体なのか」と問うことで,解決の方 向を見いだせるようにしたい。※研究構想図内 研究内容2 STANDⅠ-2 STANDⅡ ・結果発表と考察を交流する場での工夫 考察の場面においては,仲間との交流の中で,自分が気付けなかったことを理解したり,自分が 理解できていなかったことを理解したりすることができるようにしたい。また,自分の意見と仲間 の意見を共感したり,比較したりしながら,考えを深めさせたいと考えている。 そのために,発表させるときには意図的に指名する。本時では,二酸化炭素であることを断定す る根拠として,線香の火が消えたことをもとに考える生徒を先に指名する。その後に,石灰水の変 化を根拠としている生徒を指名する。このように意図的指名を行うことで, 「付け足しの意見」や「反 対の意見」を出させ,生徒が生徒の言葉によって,主体的に意見を深められるようにしたいと考え る。※研究構想図内 研究内容2 STANDⅡ-1 ・本時獲得した概念を深めるための工夫 気体の性質について理解を深めるために,結論づけた後に「発泡入浴剤から出てきた気体の正体 は何か」と問う。このとき,実験とは違う日用品を用いることで今まで考えてみなかったことにつ いて考え,立ち止まらせる。それまでに学習した知識や技能を発揮して,気体の正体を区別するこ とにより,気体の性質について深く理解させる。 ※研究構想図内 研究内容2 STANDⅡ-2 ●研究内容3 学習集団づくり ・事実を大切にした学習集団づくり 実験から得た事実がわかりやすく記録できるように、表でまとめて記録するように指導する。机 間指導を行う中で,わかりやすく丁寧に書けるように援助を行い、全員が発表できるようにする。 ※研究構想図内 研究内容3 4 本時のねらい 酸素と二酸化炭素を区別する方法に着目し,それぞれの気体の性質を調べることで,酸素と二酸化炭素の特性 について理解することができる。 5 本時の展開(11/14) 段階 学習活動 1 気体が発生するようすを見て, 気体が発生するようすを見て,気体の正体について興味をもつ A:二酸化マンガン + オキシドール つ か む B:石灰石 + 塩酸 『どちらが酸素でどちらが二酸化炭素だろう?』 ・どちらも目に見えないから酸素か二酸化炭素かわからないな。 「わかるまで」を生み出すための手立て ◆オキシドールや塩酸は 有毒な薬品であること を確認し,安全に配慮す るように促す。 二酸化炭素と酸素を区別するにはどうすればよいか。 2 気体を区別する方法を考える 気体を区別する方法を考える ・酸素も二酸化炭素もにおいがないな。 ●研究内容2 STANDⅠ ・予想する場の工夫 ・二酸化炭素には,石灰水を白くにごらせる性質があるぞ。 ・酸素には,ものを燃やすはたらきがあるぞ。 ・二酸化炭素から炭酸水ができるから,水に溶けやすいんじゃないかな。 ●研究内容3 ・事実を大切にした学習集 考 3 実験を行い, 実験を行い,それぞれの気体の性質を調べる 団づくり え ●研究内容2 STANDⅡ を ・結果発表と考察を交流す 4 実験結果を交流する も る場の工夫 におい 火のついた線香 石灰水 水への溶けやすさ つ ◆気体の性質についてい A なし 激しく燃える 変化なし 溶けにくい ろんな性質の中で決定 B なし 火が消える 白くにごる 溶けやすい 的な根拠となるものを 考えながら考察を行わ 5 実験結果から, 験結果から,A,Bの物質をそれぞれ区別する せるために、 「絶対にそ ・Aは線香の火が炎を上げて激しく燃えたから酸素だ。 の気体だといえるか。そ み ・Bは石灰水が白くにごったから二酸化炭素だ。 れはなぜか」と問う。 つ ・二酸化炭素は石灰水が白くにごった事実,酸素は線香の火が激しく燃えた ◆窒素の性質について触 け という事実がその気体の特有の性質だから,決定的な根拠となるんだ。 れることで二酸化炭素 る の性質について深く考 6 窒素の中では, 窒素の中では,火が燃えない現象を見る えられるように、 「火が ・火が消えるのは,二酸化炭素だけの性質ではないんだな。 消えるのは、二酸化炭素 だけの性質か」と問う。 ●研究内容2 STANDⅡ 7 結論づける ・考えや認識を深めるため 発生した気体の性質を調べることで区別することができる。 の工夫 酸素:ものを燃やすのを助けるはたらき(助燃性)がある。 評価規準 確 二酸化炭素:石灰水を白くにごらせるはたらきがある。 か 8 発泡入浴剤にお湯を加えて気体を発生させ 発泡入浴剤にお湯を加えて気体を発生させ, 気体を発生させ,その気体が酸素, その気体が酸素,二酸化炭 に 素,それ以外の気体の それ以外の気体のどれであるかについて性質を調べることで見出す どれであるかについて性質を調べることで見出す す 『どうすれば区別できるかな?』 る ・石灰水が白くにごれば二酸化炭素だ。 ・線香の火が激しく燃えれば酸素だ。 ・どちらの性質もなければそれ以外の気体だ。 酸素と二酸化炭素の特性を理 解し,ノートに記述することが できる。 到達していない生徒への手立て 机間指導を通して個別に援助 を行い、 「実験結果はどうであっ たか」 「そのことからどんな性質 があるのか」問いかける。 6 単元構想図「身のまわりの物質」 単元の目標 身の回りの物質についての観察,実験を通して,固体や液体,気体の性質,物質の状態変化につ いて理解させるとともに,物質の性質や変化についての調べ方の基礎を身に付けさせる。 ア イ ウ 物質のすがた (ア)身の回りの物質とその性質 (イ)気体の発生と性質 水溶液 (ア)物質の溶解 (イ)溶解度と再結晶 状態変化 (ア)状態変化と熱 (イ)物質の融点と沸点 第 2 章 水溶液の性質 第3章 物質の姿と状態変化 本単元の概念をつなげて学習する内容(単元) ものの溶け方,溶解度と再結晶,酸性・ 固体・液体・気体,状態変化と体積, 1 分野「化学変化と原子・分子」 アルカリ性,中和反応 状態変化と質量,沸点・融点,蒸留 「エネルギー」 「科学技術と人間」 学習後の生徒の意識 第 1 章 身のまわりの物質とその性質 身のまわりには,思っていた以上に多くの種類の物質があるんだ。目に見えるものはもちろん,目に見えな 第 11 時 (本時) ねらい 酸素と二酸化炭素を区別する方法に着目し,それぞれの気体の性質を調 べることで,酸素と二酸化炭素の特性について理解することができる。 課 題「二酸化炭素と酸素を区別するにはどうすればよいか」 ・火を使って,酸素だと激しく燃え,二酸化炭素だと消えるよ。 ・二酸化炭素は,炭酸水の素だから水に溶けると思う。 ・二酸化炭素は石灰水を白く濁らせるよ。 ・二酸化炭素と酸素は性質に違いがあり,その性質を調べることで区別できる。 第 2,3 時 ねらい 金属が電気を通すか,磁石につくかなどを調べ,結果をまと めることができる。また,ほかの金属の性質の調べ方を考える ことができる。 課 題「金属とそれ以外の物質は,どのように区別するのか」 ・金属は電気を通すよ。 ・金属は磁石につくと思うな。 ・金属には,鉄,金,銀,銅,アルミニウムなど多くの種類があるよ。 ・電気や熱を通しやすく,延性,展性があるから,様々な製品に利用さ れている。 ・磁石にひきつけられるのは,鉄だけだ。 第1時 ねらい 物質のいろいろな性質を調べることが物質を区別する手がか りとなることを見出すことができる。 課 題「物質はどのように区別するのだろうか」 ・ゴミを分別するときには,可燃と不燃のものがあるよ。 ・缶はアルミとスチールに分けるよ。 ・ペットボトルは本体とキャップを分けるよ。 ・ものを材料で考えるとその特徴でいろんな分類ができそうだ。 い気体にも多くの種類がある。物質の特徴に合わせて利用されている。すごく考えてつくられているんだ。 第 12,13 時 ねらい 水素,アンモニアのつくりか方,集め方,性質,同定法について説明できる。 課 題「水素やアンモニアには,どんな性質があるのか」 第 14 時 ねらい 身のまわりの気体の種類や性質について理解すること ・水素は水と関係があるのかな。 ・水素は,電気自動車の燃料だと聞いたことがある。 ・アンモニアは,アンモニア水が臭かったから,きっと臭いと思う。 ・水素やアンモニアには,それぞれ特有の性質があり,その性質にあった調べ方がある。 課 第 4,5 時 ねらい 金属どうしの区別を質量の違いや密度の違いから見出すこと 題「金属どうしは,どのように区別するのか」 ・食塩の粒は,四角い形をしているよ。 ・砂糖は加熱すると,液体になるよ。 ・食塩は加熱しても焦げないよ。 ・デンプンは,水に溶けずににごるよ。 ・燃えるかどうかで区別できる。 ・燃えて二酸化炭素と水が発生するものと燃えないものに区別できる。 ・磁石にひきつけられるのは鉄だ。 ・それぞれ特有の色があり,その色で区別できる。 ・アルミニウムは鉄よりも軽い。銅はすごく重い。 ・重さで区別できるけど,大きさが違うと困るなあ。 ・同体積の質量(密度)を比較することで区別できる。密度は物質によ って決まっている。 単元を貫く課題 身のまわりには,どのような物質があり,それぞ れの特徴・性質によってどのように分類され,生活 の中でどのように利用されているか 学習前の生徒の意識 身のまわりのものは,いろんな材料で作られている。どんな物質でできているんだろう?自分が知らないいろんな種類があ るのかな? 単元を学ぶ前に獲得してきた概念(単元) 小 3 年「物と重さ」小 4 年「金属,水,空気と温度」小 5 年「ものの溶け方」 小 6 年「燃焼のしくみ」 ・ガスも燃える気体かな。 ・漂白剤には,塩素が入っているよ。 ・身の回りには,いろんな気体があり,利用されている。それぞ れの性質を把握して気をつけないといけない。 第 9,10 時 ねらい 実験の結果から,白い粉の物質が何であるのか推定することができる。 課 題「白い粉末はどのように区別するのだろうか」 ができる。 課 ができる。 題「身の回りにどんな気体があり,どんな性質があるのか」 第 6,7 時 ねらい プラスチックには,様々な種類があり,それぞれの特徴にあわせて利用されているこ とを理解することができる。 課 題「プラスチックには,どんな種類があり,どんな性質があるのか」 ・すべて電気は通さないな。 ・熱も通さないし,すぐにとけてしまうよ。 ・固いものと柔らかいものがあるよ。 ・密度に違いがありそうだ。 ・プラスチックには,いろんな種類があって,それぞれの特徴にあわせて,利用されている。 第8時 ねらい ガスバーナーを安全に正しく使うことができる 課 題「ガスバーナーはどのように操作すればよいか」 ・ガスバーナーは温度が高い。 ・燃料が目に見えない。 ・とても危険が多いから,使い方をしっかりと理解し,安全に気をつけて操作しなけれ ばならないな。 第 1 学年 節 時 内 容 ね ら い 学 習 活 動 言 語 活 動 「身のまわりの物質」~第1章 身のまわりの物質とその性質~単元指導計画 序 1 ・日常生活で使われている「もの」には,物体と物質があり,ものの素材や 材料は物質であることについて説明を聞く。 ・高山市で行われているゴミの分別の仕方について理解し,分別を行う。 物質のいろいろな性質を調べることが物質を区別する手がかりとなること を見出すことができる。 1 金属と金属でない物質を区別するには 2 ・金属の性質について説明を聞く。 ・物質の性質を調べて,金属の性質があるか調べる。 ・金属と金属でない物質を区別する。 金属が電気を通すか,磁石につくかなどを調べ,結果をまとめることがで きる。また,ほかの金属の性質の調べ方を考えることができる。 1.物体と物質について理解する 1.身のまわりにあるさまざまな物質の中に,金属という物質があることを ・コップという物体に対して「鉄」 「ガラス」 「紙」 「プラスチック」などの材 話し合う 料を物質というんだな。 ・金属って聞いたことあるけど,どんな物質かな。 2.身のまわりにある物質にはどんなものがあるか考える ・鉄やアルミニウムは金属だよな。 ・プラスチック,鉄,木,紙,布,ゴム,すごくたくさんの物質があるぞ。 金属とそれ以外の物質は,どのように区別するのか 物質はどのように区別するのだろうか 2.区別する方法を考える ・金属は電気を通す方法で区別できるよ。 3.ゴミを分別するときに気を付けることを考える ・金属は磁石につくと思う。 ・可燃ゴミと不燃ゴミに分けられるぞ。 ・金属は固いからその方法で区別できると思う。 ・プラや紙も分けなければならないね。 3.話し合った方法で区別できるか実験する ・空き缶は鉄とアルミに分けられるよ。 ・スチール缶は磁石にひきつけられるけど,アルミ缶は磁石にひきつけられ 4.様々なもの(物質)をゴミの分別にあわせて区別する ないぞ。 ・カップラーメンのカップは,可燃ゴミかな。それともプラかな。 ・スチールもアルミニウムも銅も電気を通すぞ。 ・ガラスは,燃えないゴミだよな。 ・木やプラスチックはやっぱり磁石も電気も変化なしだな。 ・ゴムボールは,燃えるゴミだと思う。 4.得られた事実から考える 5.分別の結果をノートに記録する ・金属はすべて電気を通す。 ・カップラーメンのカップは,紙のものとプラのものがあるな。 ・金属には,磁石にひきつけられるものとひきつけられないものがある。 ・ゴムボールが燃えないゴミだとは知らなかったな。 ・磁石にひきつけられる金属は鉄だけだ。 ・可燃ごみって意外と尐ないんだな。 ・金属と金属でない物質は,電気を通すかどうかを調べれば区別できるよ。 物質はその性質によって区別することができる。 金属と金属でない物質は,電気を通すかどうかで区別できる。 ◆物体と物質の違いを説明する。 ◆身のまわりにある物質の例を挙げる。 ◆日常生活の経験からゴミの分別を行い,その理由を付けて発表する。 ◆日常生活の経験から,金属の性質について予想し,発表する。 ◆実験の結果を発表する。 ◆実験の結果から金属の性質を見出して,事実をもとに発表する。 第 1 学年 節 時 内 容 ね ら い 学 習 活 動 言 語 活 動 「身のまわりの物質」~第1章 身のまわりの物質とその性質~単元指導計画 1 金属と金属でない物質を区別するには 2 金属どうしを区別するには 3 4 ・金属にはさまざまな種類があり,その特徴について説明を聞く。 ・鉄,アルミニウム,銅をそれぞれの物質に区別する。 ・身のまわりでは,それぞれの特徴をうまく考え,金属が使われていること ・金属は,それぞれの物質で重さが異なることに気付き,調べる。 に気づく。 金属にはさまざまな種類があり,金属の性質をうまく利用できるように使 金属どうしの区別を質量の違いや密度の違いから見出すことができる。 っていることを理解できる。 1.金属の性質について話し合う ・金属は,すべて電気を通しやすいよ。 ・磁石にひきつけられるのは,鉄だけだ。 ・金属には,他にも共通した性質がありそうだな。 2.金属の種類について説明を聞く ・金属には,鉄,アルミニウム,金,銀,銅,などがあることを知っている。 ・亜鉛や鉛という金属もよく使われているんだ。 ・カルシウムやナトリウムは,聞いたことがあったけど,金属だったなんて 知らなかったな。 ・水銀って液体だけれど,見た目よりずっと重いな。 3.金属に共通した性質について説明を聞く ・金属は,電気だけじゃなくて熱もすごく通しやすいんだ。熱を通しやすい から鍋やフライパンは金属でできているんだ。 ・金属には,伸びやすく,広がりやすい性質があるんだ。加工しやすいんだ ね。だから,アルミホイルや金箔ができるんだ。 ・金属の加工のしやすさ,電気を通しやすい性質,熱を通しやすい性質を利 用して,さまざまな製品に使われているんだ。 4.金属と非金属について理解する ・鉄やアルミニウム等の物質を金属,金属でない物質を非金属というんだな。 1.金属,非金属の区別の方法について話し合う ・金属と非金属は,電気を通すかどうかを調べることで区別できる。 ・物質の性質によって区別することができることは学んだぞ。 2.密度測定容体をみて課題をつかむ ・金属の違いは色でわかるけど,塗料が塗ってあるから困ったな。 ・鉄とアルミニウムと銅では何が違うんだろう。 金属どうしは,どのように区別するのか 3.区別の方法を考える ・鉄は磁石にひきつけられるから,磁石を使えば鉄は区別できるよ。 ・アルミニウムはすごく軽いぞ。質量を調べれば区別できるんじゃないかな。 4.実験を行う ・どれが磁石にひきつけられるかな。磁石にひきつけられたから鉄だ。 ・残り2つで質量が大きい方が銅,小さい方がアルミニウムだ。 ・磁石を使わなくても,質量を比較するだけでも区別できるぞ。 ・重い順から,銅,鉄,アルミニウムだ。 5.結論付ける 金属どうしは,どれも同じ大きさにして質量を比べると区別できる。 ◆金属の性質(通電性)について想起し,発表する。 ◆金属の種類には,どんなものがあったか想起し,発表する。 ◆金属の性質(延性,展性,熱伝導性)について日常生活の経験を踏まえな ◆金属は種類によって, 「重さ」が異なることを日常生活の経験から予想し, がら説明する。 発表する。 ◆金属と非金属について,具体的な物質を挙げながら説明する。 ◆金属の質量を比較し,その事実をもとにして,金属を区別し説明する。 第 1 学年 節 時 内 容 ね ら い 「身のまわりの物質」~第1章 身のまわりの物質とその性質~単元指導計画 2 金属どうしを区別するには 3 プラスチックを区別するには 5 6 ・大きさの異なる金属を区別する。 ・身のまわりには,さまざまなプラスチックが使われていることを理解する。 ・大きさを同じにするためには,切断することができないので,計算によっ ・プラスチックには,たくさんの種類があることを理解する。 て大きさをそろえることに気付く。 ・それぞれのプラスチックについて共通の性質と特有の性質を調べる。 プラスチックには様々な種類があり,それぞれの特徴にあわせて利用され 金属どうしの区別を質量の違いや密度の違いから見出すことができる。 ていることを理解することができる。 1.大きさや形の異なる密度測定容体から課題をつかむ ・大きいものの方が質量は大きいに決まっている。困ったなあ。 ・大きさをそろえないと比較できないな。 2.課題をつかむ ちがう大きさの金属どうしを区別するにはどうすればよいか 学 習 活 動 言 語 活 動 3.解決の方法を考える ・切断して大きさを同じにすることはできないよな。 ・計算をすることで大きさをそろえることはできないかな。 ・質量を体積で割ると1㎤の質量が求められるぞ。 4.密度について理解する 5.質量と体積を測定して密度を計算し,区別する ・密度を計算したら 7.87,8.96,2.70 になったぞ。 ・この数値を比較すれば,区別できるぞ。 6.いろいろな物質の密度について理解する ・固体,液体,気体と全ての物質に密度はあるんだ。 ・気体の密度はすごく小さいな。 ちがう大きさの金属どうしを区別するには,密度を調べるとよい 1.身近に使われているプラスチックを挙げる ・ペットボトルもプラスチックだな。 ・プリンのカップやカップラーメンのカップなどたくさん種類があるぞ。 ・プラスチックも固いものや柔らかいものがあるけど,異なる物質なのかな。 プラスチックには,どんな種類があり,どんな性質があるのか 2.プラスチックの種類について説明を聞く ・プラスチックというけど,こんなたくさんの種類があるんだ。 ・PE,PET,PVC,PS,PP どんな違いがあるのかな。 ・固さに違いがあるな。色も違うぞ。 3.プラスチックの共通の性質について説明を聞く ・プラスチックは電気を通さないな。 ・軽いものが多いな。軽いということは密度が小さいということだな。 ・プラスチックは,簡単に変形させられるから,加工がしやすいんだ。 ・プラスチックは,腐食されにくいから便利だな。 4.プラスチックどうしを区別する方法を考える ・PE,PET,PVC,PS,PP は何が違うのかな。 ・金属どうしを区別するときには,密度を比較したな。プラスチックでもで きるかな。 7.密度と浮き沈みの関係について理解する ・固さが違うから固さで区別できないかな。 ・水の密度(1.0)よりも小さいものは浮き,大きいものは沈むんだ。 ・燃やしたときのようすが違うんじゃないかな。 ◆大きさの違う金属は質量を簡単には比べられないことに気付き,その困っ ◆プラスチックの製品について日常生活から具体的な例を挙げる。 た点を発表する。 ◆プラスチックの共通した性質について発表する。 ◆大きさを同じにする方法を予想し,発表する。 ◆プラスチックを区別する方法を予想し,具体的に説明する。 ◆密度を測定することで金属を区別し,説明する。 第 1 学年 節 時 内 容 ね ら い 学 習 活 動 「身のまわりの物質」~第1章 身のまわりの物質とその性質~単元指導計画 3 プラスチックを区別するには 4 白い粉末状の物質を区別するには 7 8 ・プラスチックについて,水への浮き沈み,見た目,手触りを比べる。 ・ガスバーナーの各部の名称を理解する。 ・プラスチックの燃え方について演示実験を見て,ようすを比べる。 ・ガスバーナーを安全に正しく使用する。 ・それぞれのプラスチックの性質と製品についてまとめる。 プラスチックには様々な種類があり,それぞれの特徴にあわせて利用され ガスバーナーを安全に正しく使うことができる。 ていることを理解することができる。 1.プラスチックについて,水への浮き沈み,見た目,手触りを比べる ・水に浮くのは,PP だけだ。 ・PE は柔らかいな。無色透明だ。 ・PET は比較的固いぞ。 ・PVC は,消しゴムみたいだ。柔らかいな。 ・PS は固いけど,発泡 PS は柔らかい。でも同じ物質なんだ。 ・PP は比較的柔らかいぞ。色もちょっと白っぽいな。 2.プラスチックの燃え方について演示実験を見て比較する ・PP と PE はとけて液体になって燃えたぞ。 ・PS と PET は黒い煙を出しながら燃えたぞ。 ・PVC は刺激臭のある気体が発生したぞ。 3.プラスチックの特有の性質について説明を聞き,体験する ・PS のコップでプラバンが作れたぞ。PS は加熱するともとの形に戻ろうとす る性質があるんだ。 ・発泡 PS はオレンジの皮のしぼり汁でとけるぞ。 ・PP は加熱してとかしたものを引っ張るとすごく伸びて繊維状になるぞ。 4.結論付ける プラスチックには様々な種類があり,性質の違いから密度や見た目, 手触りなどが異なっている 言 語 活 動 ◆プラスチックについて実験を行い,見つけられた事実を詳しく発表する。 ◆プラスチックの燃え方の違いについて,気付いたことを発表する。 ◆プラスチックの特有の性質についてノートに詳しく記録する。 1.ガスバーナーの危険性について理解する ・ガスバーナーの最高温度は 2000℃近くになるから怖いな。 ・ガスバーナーの燃料は,ガスだから目に見えないぞ。 ・正しい使い方で安全に使わないといけないな。 ガスバーナーはどのように操作すればよいか 2.ガスバーナーの各部の名称を覚える ・ガス調節ねじや空気調節ねじ。ややこしいからはっきり区別しなきゃな。 ・元栓やコックをひねるとガスが出てくるから気を付けなきゃな。 ・各部の名称をしっかりと覚えないと,正しく操作できないぞ。 3.教師の示範を見て,ガスバーナーの使い方を理解する ・火をつけるときは,元栓,コック,ガス調節ねじ,空気調節ねじの順だな。 ・ガスバーナーを使うときには,椅子を入れて立つ,机の上に燃える物を置 かない,マッチすりがら入れの用意,濡れ雑巾など,注意することがたく さんあるな。 ・何よりも,安全に使うことを意識しなきゃならないな。 4.ガスバーナーを使用する ・手順に沿って,正しく使おう。 ・安全に使えるようになったぞ。 ◆ガスバーナーの各部の名称について,ノートに記録する。 ◆ガスバーナーを正しく使用する。 第 1 学年 節 時 内 容 ね ら い 学 習 活 動 言 語 活 動 「身のまわりの物質」~第1章 身のまわりの物質とその性質~単元指導計画 4 白い粉末状の物質を区別するには 9 10 ・日常生活での経験を生かして,白い粉末を区別する方法を考える。 ・有機物を加熱することで,二酸化炭素と水を発生させる。 ・白い粉末を区別するために,粒の形,水への溶け方,加熱したときの変化 ・スチールウールの燃焼を見ることで,燃えればすべて二酸化炭素や水がで のようすを見る。 きるわけでなく,有機物の性質であると理解することができる。 白い粉末について,粒の形,水への溶け方,加熱したときのようすなど, ・有機物と無機物についてその物質の種類や性質について理解する。 性質が異なることに着目し,実験を行うことで区別することができる。 1.白い粉末を見て,見た目だけでは区別がつかないことから,どのように 1.前時の実験結果を思い出す して区別できるか考え,課題をつかむ ・砂糖とデンプンは燃えて焦げたけど,食塩は燃えなかったな。 ・どれも白い粉末だから見た目だけでは,区別できそうにないな。 ・物質には燃えるものと燃えないものがあるんだな。 2.燃えるものには,どんな共通の性質があるのか考える 白い粉末はどのように区別すればよいか。 ・燃えるときには,二酸化炭素が出るって小学校の時に勉強したな。 2.日常生活や既習事項をもとに予想する ・石灰水があれば二酸化炭素があるかどうか調べられるな。 ・砂糖は加熱すると液体になるけど,食塩は加熱しても焦げないよ。 3.砂糖とデンプンを集気瓶中で燃やし,二酸化炭素が発生するかどうかを ・デンプンは,水に溶けないよ。 調べる。また,二酸化炭素発生する以外に変化がないか調べる ・食塩は四角い形をしているね。 ・砂糖もデンプンも燃やしたあとに石灰水を入れたら白くにごったぞ。 3.白い粉末について実験を行う ・燃やした後,集気瓶を見ると瓶の壁面が白くくもったぞ。これは何かな。 ・粉末Aは四角い。粉末Bは,決まった形がないように見える。粉末Cは粒 4.砂糖やデンプンに共通した性質について考える が小さくて形はよくわからない。 ・石灰水が白くにごったから二酸化炭素が発生しているぞ。 ・粉末AとBは水にすごく溶けやすい。でも,粉末Cはなかなか溶けずに, ・集気瓶の壁面についているのは,水だよな。水が発生するのかな。 にごったようになるな。 5.スチールウールの燃焼を見て,二酸化炭素や水が発生するか考える ・粉末Aを加熱すると,焦げずにパチパチはねた。粉末Bを加熱すると,液 ・スチールウールが燃焼したときには石灰水に変化はないな。 体になって燃えた。粉末Cを加熱すると,液体にならずに燃えたぞ。 ・集気瓶の壁面にも,くもりは見られないな。 4.白い粉末をその性質から区別する 6.有機物,無機物の性質について理解する 粉末A:食塩 粉末B:砂糖 粉末C:デンプン ・加熱すると二酸化炭素と水が発生する物質を有機物というんだ。 5.結論付ける ・無機物には金属などがあるが,燃えないものが多い。燃えても二酸化炭素 や水は発生しないんだ。 粒の形や溶け方,加熱のようすに着目して区別すればよい ・日常の中には,有機物のほうが圧倒的に多いんだな。 ◆白い粉末を区別する方法について日常生活の経験をもとに具体的に説明す ◆燃えるものについて,石灰水の変化と集気瓶の壁面の変化について事実を る。 伝える。 ◆実験を行って得られた事実を詳しく発表する。 ◆実験結果から,二酸化炭素や水が発生することを説明する。 ◆実験結果から,白い粉末を区別し,理由を付けて説明する。 ◆有機物と無機物について具体例を挙げながら説明する。 第 1 学年 「身のまわりの物質」~第1章 身のまわりの物質とその性質~単元指導計画 節 時 内 容 ね ら い 5 目に見えない気体を区別するには 11 12 ・二酸化炭素と酸素を区別する方法を考える。 ・水素の性質を調べる。 ・二酸化炭素と酸素の性質を調べる。 ・水素には,可燃性があり,燃えて水になること,物質の中でもっとも密度 ・発泡入浴剤から発生する気体の正体を調べる。 の小さいものであることなど,水素の性質を理解する。 酸素と二酸化炭素を区別する方法に着目し,それぞれの気体の性質を調べ 水素の気体について金属と塩酸で発生させ,燃えるかどうかや空気より軽 ることで,酸素と二酸化炭素の特性について理解することができる。 いかなどを調べることで,水素の性質について理解する。 1.気体が発生するようすを見て,気体の正体について興味をもつ 二酸化炭素と酸素を区別するにはどうすればよいか 2.気体を区別する方法を考える 水素にはどのような性質があるのか ・二酸化炭素には,石灰水を白くにごらせる性質があるぞ。 ・酸素には,ものを燃やすはたらきがあるぞ。 学 ・二酸化炭素から炭酸水ができるから,水に溶けやすいんじゃないかな。 3.実験を行い,それぞれの気体の性質を調べる におい 習 活 火のついた線香 石灰水 水への溶けやすさ A なし 激しく燃える 変化なし 溶けにくい B なし 火が消える 白くにごる 溶けやすい 4.実験結果から,A,Bの物質をそれぞれ区別する 動 ・Aは線香の火が炎を上げて激しく燃えたから酸素だ。 ・Bは石灰水が白くにごったから二酸化炭素だ。 5.「窒素の中ではものが燃えない」現象を見る ・火が消えるのは,二酸化炭素だけの性質ではないんだな。 6.結論付ける 言 語 活 動 1.課題をつかむ ・水素自動車って聞いたことがあるから,燃料になるのかな。 2.水素の発生方法を知り,発生させる ・金属に酸性の水溶液を加えると,金属が溶けて水素が発生するんだね。 ・マグネシウムだとすごく反応がいいぞ。 3.発生した気体を収集し,その性質を調べる ・気体にマッチの炎を近づけたら,音を立てて燃えたぞ。 ・水上置換法で集められたから水には溶けにくいな。 4.水素で膨らましたシャボン玉のようすを見る ・水素でつくったシャボン玉は,勢いよく上っていったぞ。 5.実験の結果から水素の性質について考える ・水素は,火がつくと爆発する性質があるんだな。 ・水素は水に溶けにくい。 ・水素は,すごく軽い。 6.水素の性質をまとめる 水素は可燃性があって水に溶けにくく,軽いという性質がある 発生した気体の性質を調べることで区別することができる。 7.水素が生活の中でどのように利用されているか理解する 7.発泡入浴剤にお湯を加えて気体を発生させ,その気体が酸素か二酸化炭 ・水素は水素自動車やロケットの燃料などに使われているんだ。 素,またはそれ以外の気体かを性質に注目して調べる ◆酸素と二酸化炭素の性質をもとに,区別する方法を予想し,説明する。 ◆水素の性質について,日常生活の経験から予想し,発表する。 ◆実験を行って得られた事実を詳しく発表する。 ◆実験を行って得られた事実を詳しく発表する。 ◆実験結果から酸素と二酸化炭素の性質について説明する。 ◆水素の性質について実験の事実をもとに説明する。 ◆発泡入浴剤から出てきた気体について、性質を考えて区別し,説明する。 第 1 学年 「身のまわりの物質」~第1章 身のまわりの物質とその性質~単元指導計画 節 時 内 容 ね ら い 5 目に見えない気体を区別するには 13 14 ・アンモニアの性質を調べる。 ・これまでに学習した気体の性質をまとめる。 ・アンモニアは,刺激臭のあること,水に非常に溶けやすいこと,空気より ・それぞれの気体の性質から,気体の集め方について考える。 も軽いことなど,アンモニアの性質を理解する。 ・身のまわりの気体についてその性質や利用方法を理解する。 アンモニアの気体について,塩化アンモニウムと水酸化カルシウムの混合 それぞれの気体の性質について整理し,水への溶けやすさ,空気と比べた 物を加熱することで発生させ,アンモニア噴水やリトマス紙の変化,フェノ 重さの性質から,その気体を集める方法を見出すことができる。 ールフタレインの変化,空気より軽いかなどを調べることで,アンモニアの 性質について理解する。 1.課題をつかむ 1.これまでの気体の性質を表にまとめ整理し,課題を把握する アンモニアには,どのような性質があるのか 学 習 活 動 言 語 活 動 ・アンモニア水を小学校で学習したときにすごくにおいが強かったな。 ・アンモニア水があるくらいだから,水にも溶けやすいんじゃないかな。 ・空気より,重いかな,軽いかな。 2.アンモニアを発生させる ・塩化アンモニウムと水酸化カルシウムの混合物を加熱するとアンモニアが 発生するんだな。 3.発生した気体を収集し,その性質を調べる ・アンモニアにぬらしたリトマス紙を近づけたら赤が青に変化したぞ。 ・上方置換法で集められるから空気より軽いんじゃないかな。 ・アンモニア噴水が上がった。フェノールフタレイン溶液が赤色になったぞ。 4.アンモニアで膨らんだシャボン玉のようすを見る ・アンモニアでつくったシャボン玉は,勢いよく上っていったぞ。 ・空気より軽いから上へ行ったんだね。 5.実験の結果からアンモニアの性質について考える アンモニアはアルカリ性ですごく水に溶けやすく,空気よりも軽い ◆アンモニアの性質について,小学校の学習を想起し,発表する。 ◆実験を行って得られた事実を詳しく発表する。 ◆アンモニアの性質について実験の事実をもとに説明する。 それぞれの気体は,どのように集めればよいのか ・気体には水に溶けやすいものと溶けにくいものがあるな。だから水上置換 法で集められない気体もあるぞ。 ・空気よりも軽い気体は上方置換法,重い気体は下方置換法で集めればいい。 ・水に溶けにくく,空気より軽い気体は,水上置換法と上方置換法とどちら の方法で集めればいいのかな。 2.気体の集め方について説明を聞き,理解する ・水上置換法は,純粋な気体を集めたり,気体の量が見えたりするから,で きる限り水上置換法で集める方がいいんだな。 ・水に溶けやすい気体は,空気と比べた重さに着目して,上方置換法や下方 置換法で集めてばいいんだな。 3.これまでに学習した気体のそれぞれの気体の集め方を考える ・酸素,窒素,水素は水に溶けにくいから水上置換法だ。 ・二酸化炭素は,水に尐ししか溶けないから水上置換法で集められるぞ。 ・アンモニアは,水に溶けやすく,空気よりも軽いから上方置換法だな。 4.身のまわりの気体についてその性質と利用方法を知る ・塩素は,漂白剤や消毒に使われているんだな。 ・メタンやプロパンは,ガスコンロに使われているんだな。 ◆それぞれの気体の性質についてノートにまとめる。 ◆水上置換法の利点について説明する。 ◆それぞれの気体に適した集め方をその理由をつけて説明する。 第 1 学年 「身のまわりの物質」~第1章 身のまわりの物質とその性質~単元指導計画
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