2011 年 03 月 6 日(日) 、7 日(月)13 ローマ人への手紙 3:9~20 「すべての人は罪人」 1.はじめに (1)序言(1~17 節) (2)救いの第 1 番目の要素「義認」について論じ始める。 ①神が罪人に神の義を転嫁すること。 ②1:18~5:21 まで (3)パウロの論理展開 ①異教徒の罪(1:18~32) ②文化的異教徒の罪(2:1~16) ③ユダヤ人の罪(2:17~3:8) ④結論:すべての人は罪人(3:9~20) 2.ヘブル的読み方 (1)パウロはラビ的手法で書いている。 (2) 「大から小へ(from the greater to the lesser) 」の論法 ①ユダヤ人が大で異邦人が小 (例話)プロのゴルファーが打てない距離をアマチュアが打てるはずがない。 ②マコ 2:1~13 ③きょうの箇所の議論は、ユダヤ人中心に展開している。 (3) 「真珠の数珠つなぎ(pearl-stringing) 」の論法 ①ある結論の証拠として、似たような聖句をつなげていく論法 3.メッセージのアウトライン (1)全人類は有罪(9 節) (2)有罪の証拠(10~18 節) (3)適用(19~20 節) 4.メッセージのゴール (1)有罪宣言(1:18~3:20)のまとめ (2)救いの必要性 このメッセージは、すべての人が罪人であることを示すためのものである。 Ⅰ.全人類は有罪(9 節) 1 2011 年 03 月 6 日(日) 、7 日(月)13 ローマ人への手紙 3:9~20 1.ユダヤ人は異邦人よりも優れているわけではない。 「では、どうなのでしょう。私たちは他の者にまさっているのでしょうか。決してそうで はありません。私たちは前に、ユダヤ人もギリシヤ人も、すべての人が罪の下にあると責 めたのです」 (9 節) (1)パウロは 3:1~8 で、ユダヤ人には特権が与えられていると論じた。 (2) 「私たちは他の者にまさっているのでしょうか」 ①「私たち」とはユダヤ人のこと。 ②「他の者」とは異邦人のこと。 ③特権が与えられているユダヤ人は、異邦人よりも優れているのか。 ④あるいは、ユダヤ人は異邦人よりも優れているから特権が与えられたのか。 (3) 「決してそうではありません」 ①ユダヤ人の選びは、神の一方的な選びによる。 ②ユダヤ人が神に背を向けても、神のユダヤ人に対する忠実さは変わらない。 ③神は、異邦人の中からでも選びの民を選ぶことができた。 (4) 「私たちは前に、ユダヤ人もギリシヤ人も、すべての人が罪の下にあると責めた のです」 ①異邦人の罪(1:18~2:16) ②ユダヤ人の罪(2:17~3:8) ③特権はあっても、ユダヤ人もまた異邦人同様、神の裁きを受ける立場にある。 Ⅱ.有罪の証拠(10~18 節) 1.旧約聖書から 7 ヶ所の引用が列挙される。 (1)ラビ的手法である。 「真珠の数珠つなぎ」論法 (2)引用は、詩篇と預言書からのもの。 ①第一義的には、ユダヤ人に向かって語られている。 ②ユダヤ人の有罪を証明すれば、全人類が有罪であることの証明となる。 2.7 ヶ所の引用の分類 2 2011 年 03 月 6 日(日) 、7 日(月)13 ローマ人への手紙 3:9~20 (1)すべての人が罪の束縛の中にある(10~12 節) 「義人はいない。ひとりもいない。悟りのある人はいない。神を求める人はいな い。すべての人が迷い出て、みな、ともに無益な者となった。善を行う人はいない。 ひとりもいない」 ①詩 14:1~3 と詩 53:1~3 の引用 「愚か者は心の中で、 『神はいない』と言っている。彼らは腐っており、忌まわ しい 事を行っている。善を行う者はいない」 (詩 14:1) ②内的確信が間違っている。 ③結果として、行為が堕落する。 (2)すべての人が言葉の罪を犯している(13~14 節) 「彼らののどは、開いた墓であり、彼らはその舌で欺く」 「彼らのくちびるの下には、まむしの毒があり、 」 「彼らの口は、のろいと苦さで満ちている。 」 ①詩 5:9 と詩 140:3 の引用 ②言葉を発する器官が 4 つ上げられている。 *のど(開いた墓) *舌(欺きの道具) *くちびる(まむしの毒がある) *口(のろいと苦さで満ちている) (3)すべての人が隣人に対して罪を犯している(15~17 節) 「彼らの足は血を流すのに速く、彼らの道には破壊と悲惨がある。また、彼らは平和 の道を知らない」 ①イザ 59:7~8 の引用 ②大きな文脈は、イスラエルの霊的回復である。 ③直前の文脈では、イスラエルの国家的罪を論じた箇所である。 ③その罪が、神とイスラエルの民を隔てる中垣となっている。 (4)まとめ(18 節) 「彼らの目の前には、神に対する恐れがない」 ①詩 36:1 の引用 「罪は悪者の心の中に語りかける。彼の目の前には、神に対する恐れがない」 ②罪が擬人法で語られている。 ③10 節に戻っている。 「義人はいない。ひとりもいない」 3 2011 年 03 月 6 日(日) 、7 日(月)13 ローマ人への手紙 3:9~20 *「ウーク エスティン」 (ギ) Ⅲ.適用(19~20 節) 1.律法の擬人化 「さて、私たちは、律法の言うことはみな、律法の下にある人々に対して言われているこ とを知っています。それは、すべての口がふさがれて、全世界が神のさばきに服するため です」 (1)ここでの律法とは、旧約聖書全体のこと ①モーセの律法(トーラー、モーセの五書)を指すこともある。 (2)律法が擬人化されてユダヤ人に語っている。 ①ユダヤ人がテストケースである。 ②ユダヤ人が失敗したなら、全人類が失敗する。 ③神に選ばれ、神の啓示を受けた民がだめなら、その他の民もまただめである。 ④これは、 「大から小へ」の論法である。 2.律法が与えられている目的 「なぜなら、 律法を行うことによっては、 だれひとり神の前に義と認められないからです。 律法によっては、かえって罪の意識が生じるのです」 (1)律法の目的については、先に行ってから詳細に論じられる。 (2)ここでは、そのひとつが紹介されている。 ①律法は人を義とするものではない。 ②律法によって、人に罪の意識が生じる。 ③つまり、律法は人を罪に定めるものである。 結論: 1.有罪宣言(1:18~3:20)のまとめ (1)野蛮人の異教徒の罪(1:18~32) ①彼らには、被造物という証拠やその他の一般啓示が与えられている。 ②彼らは、その基準によって裁かれる。 (2)文化的異教徒の罪(2:1~16) 4 2011 年 03 月 6 日(日) 、7 日(月)13 ローマ人への手紙 3:9~20 ①彼らには、良心という証拠やその他の一般啓示が与えられている。 ②彼らは、その基準によって裁かれる。 (3)ユダヤ人の罪(2:17~3:8) ①彼らには、聖書という特別啓示が与えられている。 ②彼らは、その基準によって裁かれる。 (4)すべての人は罪人(3:9~20) ①ユダヤ人の失敗を証明した。 ②それによって、全人類の失敗を証明した。 2.救いの必要性 (1)罪の擬人化 「私たちは前に、ユダヤ人もギリシヤ人も、すべての人が罪の下にあると責めたので す」 (9 節) ①罪人は、罪の支配下にある。 (2)当時のユダヤ教のテーマ ①人には 2 人の主人がいる。神か罪か。 ②そのどちらに仕えるかによって、その人の生き方が決まって来る。 ③この考え方は、福音書の中にも出てくる。 (3)罪人は罪という主人に仕え、その支配下にある。 ①その報酬は死である。 「罪から来る報酬は死です」 (ロマ 6:23a) (4)罪人は、罪の赦しと、罪の力からの解放を必要としている。 ①神がくださる救いは、恵みによる。 「しかし、神の下さる賜物は、私たちの主キリスト・イエスにある永遠のいのち です」 (ロマ 6:23b) ②罪の赦しは義認である。 ③罪の力からの解放は聖化である。 (例話)NZ地震で、子どもが見つからないで帰国してきた親たち。 (例話)熊本市で 3 日夜から行方不明となっていた女児(3 歳)が4日夕方、遺 体で発見された。警察は大学生 2 年の男を死体遺棄の疑いで緊急逮捕した。 5
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