体験学習用のテキスト(教師用) - MMS-NET

「くらしのうつりかわり」体験学習室
解説シート①
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台
所
このコーナーは、昔の台所と土間が再現してあります。本当の台所はもっとせまく、この半分ほどしかありませんでした。
ここでは大勢の方に上がってもらえるよう、広めに再現してあります。
釜
かまどやガスコンロでご飯を炊くのに使われました。沸騰しても蓋がずれないように、
重い木の蓋が付いています。上手にご飯を炊くには、途中で火を強くしたり、弱くした
りというコツが必要でした。
電気炊飯器は、40年ほど前から使われるようになりました。スイッチを入れるだけ
でだれでも上手にご飯が炊けるようになりました。
めしびつ(おひつ)
昔はお釜でご飯を炊きあげると、めしびつに移しました。すすだらけの熱いお釜を食
卓へ運ぶのはためらわれたからです。おひつに移されたご飯はベタベタにならずに、お
いしく食べることができました。
すり鉢とすりこぎ
昔の味噌は原料の大豆や米の粒が残っていました。粒をすりつぶす必要がありました
から、すり鉢は必需品でした。味噌をする必要がなくなると、家庭ではゴマやとろろ芋
をするのに使われました。すり鉢の内側には細かい溝が付いています。中にゴマなどを
入れ、すりこぎですって、細かい粉にするのです。
流し
土間にある流しは、水道がなかったころのものを再現したものです。ここでお皿や鍋
を洗いました。箱のような流しに4本の脚をつけ、中に穴を開けて、そこから家の外に
水が流れていくように工夫されていました。板の間(いたのま)にある流しは、水道が
広まってからのもので、全体にタイルが貼ってあります。今の流しはステンレスという、
錆びないじょうぶな金属でできています。
氷冷蔵庫
木製の冷蔵庫です。上の段に氷を入れると、冷たい空気が下の段に降りていきます。
中は摂氏10℃ほどになり、そこに食べ物を入れました。夏にはリヤカーをひいた氷屋
さんが家にやってきて、大きな鋸で氷を四角く切って売ってくれました。氷は1日くら
いしか保ちませんでした。氷冷蔵庫はお金持ちや商売屋さんしか持っていませんでした。
一般家庭に冷蔵庫が入ったのは、40年ほど前の電気冷蔵庫が普及した後のことです。
はいちょう
昔はハエが多かったので、食べ物にハエがたからないように考え出されたのが、はい
ちょうです。戸棚のまわりに網を張り風通しをよくして、中に調理した食品や食べ残し
を入れておきました。いまでも使っている家があります。
皿秤
重さをはかる道具です。皿の上に重さをはかりたいものを乗せます。次に竿にぶら下
がったおもりを動かして、おもりと皿のつり合いがとれるところを探します。つりあい
がとれたら、おもりのひもがあるところの目盛りを読んで、ものの重さをはかります。
米びつ
この箱の中にお米を入れて、蓄えておきます。ご飯を炊くときに必要なだけ、取り出
します。木でできた方が古く、ネズミに箱ごとかじられるのが欠点でした、ブリキ製の
ものは、ネズミにかじられないし、ふたがきちんと閉まるので、いろいろな食べ物をし
まっておくのにも使われました。
かまど(くど)
50年ほど前までは、多くの家では、かまどを使ってご飯を炊いていました。このか
まどは全体にタイルが貼られ、釜を乗せるところが2つあります。一つでご飯を炊き、
もう一つでお湯をわかしました。燃料は、まきを燃やしました。
せんたくだらい
昔は大きなたらいと洗濯板を使って、1枚ずつ洗濯物を洗っていました。洗濯板は木
製で、ギザギザの溝がついています。四角い石けんを使って、汚れを落としました。家
族全員の服を洗うのは大変な仕事でした。大きなたらいは、夏は行水や水遊び、スイカ
を冷やすのにも使いました。電気洗濯機にかわっていったのは、今から40〜50年前
のことです。
電気洗濯機
最初の頃の洗濯機には、手回しのローラーが付いていました。ローラーの間に洗った
服をはさみ、ハンドルを回して水を絞りました。手よりもしっかりと絞れ、とても便利
でした。洗濯機が広まって、お母さんの家事がとても楽になりました。
「くらしのうつりかわり」体験学習室
解説シート②
夏の茶の間
このコーナーは夏の茶の間を再現しています。ご飯を食べたり、遊んだり、勉強をしたり、いろいろな目的に使われた部屋
です。ふだん使われているくらしの道具に加えて、
うちわ、扇風機などの昔の冷房道具や、虫よけの道具なども展示しています。
ちゃぶだい
家族全員で囲んで食事をします。使わないときは脚を折りたたんで部屋の隅に置いて
おくことで、部屋を広く使うことができます。食事がすむと、勉強机としても使われま
した。ちゃぶ台が使われるようになったのは100年ほど前のことです。40年ほど前
に、イスにすわる生活が広まり、あまり使われなくなりました。
めしびつ(おひつ)
昔はお釜でご飯を炊きあげると、めしびつに移しました。すすだらけの熱いお釜を食
卓へ運ぶのはためらわれたからです。おひつに移されたご飯はベタベタにならずに、お
いしく食べることができました。夏には蓋をはずして上に手ぬぐいをかぶせて、風通し
をよくしました。
※釜は「台所と土間」コーナーにあります。
ほろがや(簡易はいちょう)
昔はハエが多かったので、食卓においたおかずなどにハエがたからないために考え出
されたのが、ほろがやです。傘のような折りたたみ式で、中に調理した食品や食べ残し
を入れて、ちゃぶ台の上に置いて使います。いまでも使っている家があります。
※同じ役割のはいちょうは、
「台所と土間」コーナーにあります。
テレビ
テレビ放送が始まったのは、いまから50年ほど前のことです。最初のテレビは白
黒でしたが、これは40年前に発売されたカラーテレビです。今の値段にすると60〜
70万円もしました。今のテレビと比べると画面がとても小さく、全体が木でできてお
り、4本の細い足がついています。チャンネルを変えるのも、回転式のつまみを回します。
置き薬
おじいさん、おばあさんが子どもの頃には、病気やケガに備えて、薬が置いてありま
した。今と違って病院が少なかったので、すぐ医者に診てもらうことができなかったか
らです。毎年春と秋の2回、富山県から薬売りがやってきて、箱の中の薬がどれだけ使っ
てあるかを見て、使った分だけお金を払いました。来るたびに、子どもには紙風船など
のおみやげをくれました。
扇風機
電気の力によって羽根を回し、風を起こすのは、今の扇風機と同じです。黒いものは
60〜70年、白いものは40〜50年ほど前のものです。両方とも、風の強さを調節
したり、自動的に首を振って風の向きを変えたりできます。しかし、古い方は全体が鉄
でできており、とても重いものでした。新しい方はプラスチックを多用して軽くできて
います。30年ほど前からクーラーが広まり、冷房の主役になりました。
足踏みミシン
70年ほど前から、洋服を着て生活するようになりました。そうすると家で小型のミ
シンを買って、洋服をつくる人が多くなってきました。40年ほど前までは、結婚する
ときに女の人が買う道具のナンバーワンでした。今のように電動ではなく、足でペダル
を踏んで動かしました。まわすと大きな音がして、
操作する人によって音やリズムが違っ
ていました。近所でだれがミシンを使っているか、音でわかったといいます。
かや
夏の夜に寝るとき、蚊に刺されないように、これを部屋に吊って、中で寝ました。広
げると四角い箱のような形をした網のようになっています。寝るときは、蚊帳の下から
もぐり込みますが、蚊も一緒に入ってきてしまうので、できるだけ小さくめくり、すば
やく入りました。昼間はじゃまになるので、毎朝片づけ、寝る前に吊りました。
「くらしのうつりかわり」体験学習室
解説シート③
冬の茶の間
このコーナーは冬の茶の間を再現しています。ご飯を食べたり、遊んだり、勉強をしたり、いろいろな目的に使われた部屋
です。ふだん使われているくらしの道具に加えて、ひばち、こたつなどの昔の暖房道具を展示しています。
ちゃぶ台
家族全員で囲んで食事をします。使わないときは脚を折りたたんで部屋の隅に置いて
おくことで、部屋を広く使うことができます。食事がすむと、勉強机としても使われま
した。ちゃぶ台が使われるようになったのは100年ほど前のことです。40年ほど前
に、イスにすわる生活が広まり、あまり使われなくなりました。
※七輪はこのコーナーにあります。あわせて見てください。
七輪
中に火のついた炭を入れて、ものを煮たり焼いたりするのに使いました。かまどとち
がって持ち運ぶことができるので、煙のたくさん出る魚を外で焼いたりするのに便利で
した。40〜50年ほど前、ガスコンロや電気コンロが広まって、あまり使われなくな
りました。
※かまどは台所コーナーにあります。あとで見てください。
めしびつ(おひつ)とめしびつ入れ
昔はお釜でご飯を炊きあげると、めしびつに移しました。すすだらけの熱いお釜を食
卓へ運ぶのはためらわれたからです。しかし寒い冬には、このままではすぐ冷めてしま
います。そのため、わらで編んだめしびつ入れに入れて冷めにくくしました。寒い地方
では、赤ちゃんを中に入れ、1人で遊ばせておくのにも使われました。
※釜は「台所と土間」コーナーにあります。
ラジオ
日本でラジオ放送が始まったのは、今から約80年前です。新聞や雑誌と違って、事
件が起こるとすぐに、遠くの場所までニュースを流せる、便利な道具でした。テレビが
登場する前には、ラジオを家族全員で聴いて過ごしていました。歌番組やドラマもみな
ラジオでやっていました。ラジオ体操も70年以上前から放送されていました。
ひのしと炭火アイロン
昔は布地のしわを伸ばすのは、火の力を使っていました。ひのしは、金属の皿の中に
灰と火をつけた炭を入れます。底の平らな面を、アイロンのように着物に当て、しわを
伸ばします。洋服が広まると、そのしわ伸ばしに適した、炭火アイロンが広まりました。
使い方はひのしと同じですが、中の火が消えないよう、空気抜きの穴や煙突が付けられ
ています。50〜60年前に電気アイロンが広まり、使われなくなりました。
ひばち
部屋やからだを暖めるための道具です。中に灰を入れ、火のついた炭を入れました。
この上に五徳を置いてお湯をわかしたり、網を置いて餅をやいたりしました。ストーブ
が広まる40年ほど前まで、どこの家にもありました。
置きごたつ
これにふとんを掛けて、足を暖めるためのものです。木の枠の中には、ブリキが張っ
てあります。その上に小さな火鉢を置き、火のついた炭を入ておきます。さらに上から
ふとんを掛け、中に足を入れて暖まります。
あんか①
置きごたつに似ていますが、外側がやきものでつくられています。中の皿に火のつい
た炭を入れて暖めるのは、置きごたつと同じです。あんかのてっぺんに両足を乗せて足
を温める1人用の暖房具でした。
湯たんぽ
夜、寝るときにふとんの中に入れておき、足を温めます。亀の甲羅のような器の中に、
熱いお湯を注いで栓をします。やけどをしないように布で包んで、ふとんの中に入れて
おきます。朝起きた頃には、中のお湯はぬるま湯になっており、寒い朝に顔を洗うのに、
ちょうどよい暖かさでした。
あんか②
これは豆炭(まめたん)という丸い炭を使うあんかです。オレンジ色の金属製で、布
の袋に入っています。豆炭の熱が外に伝わり、温かくなります。寝るときにふとんの中
に入れて、湯たんぽと同じように足を温めました。だんだんと冷めてゆく湯たんぽとち
がって、朝まで暖かいままでした。