「日本と中国の「食」に関するアンケート調査結果 2012」

2012 年 10 月 2 日
日本と中国の「食」に関するアンケート調査結果 2012
~中国は男女ともに日常的に料理をする傾向に~
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて日本と中国の「食」に関するアンケート調査を実施した。
1.調査期間:2012 年 6 月
2.調査対象:日本; 全国の 20 代~40 代の男女 1,109 名(男性 554 名、女性 555 名)
中国; 江蘇省、浙江省、山東省、安徽省、河南省、広東省、福建省、上海、北京(一部その他地域を含む)
在住の 20 代~40 代の男女 1,077 名(男性 536 名、女性 541 名)
3.調査方法:インターネット形式
【調査結果サマリー】
‹ 日常の「内食」比率は中国 7 割、日本 4 割、中国の男性と日本の男性には明確な差異
日常的に料理をする頻度(単数回答)について、中国全体では「ほぼ毎日」で 46.1%、「週に 4~5 日程
度」23.5%であるのに対し、日本では「ほぼ毎日」32.6%、「週に 4~5 日程度」10.5%である。中国では 7 割
が高い頻度で料理をしているのに対し、日本では 4 割程度である。中国は日本よりも全体的に日常にお
ける料理頻度が高く、特に中国の男性の料理頻度が高い。
‹ 生鮮食材購入時、中国では品質重視、日本では価格重視
中国では生鮮野菜や果物といった鮮度のある食材に対しては品質重視の傾向が強い。一方の日本で
は価格重視の比率が最も高い。中国では日本よりも生鮮野菜や果物といった鮮度のある食材に対しては
品質重視の傾向が強く、生鮮食材に対する安心や安全への意識の高さが示されている。
‹ 中国において健康に対する意識の高さが顕著に
日常の食事において注意している点(複数回答)について中国全体では「野菜をしっかり食べる
(74.0%)」、「1 日 3 回、規則正しく食べる(61.4%)」、「脂質・油分を控えめにする(58.1%)」、「栄養のバラ
ンスを考えて、いろいろな食品をとる(56.5%)」など、健康維持に必要な項目が上位にあり、日本と比較す
ると回答比率が高い。中国では日常の食生活への気遣いがあり、食事を介して自身の健康維持に対する
意識の高さが窺える。
◆ 資料体裁
資料名:「食品産業白書 2012 年版」
発刊日:2012 年 8 月 31 日
体 裁:A4 判 1,170 頁
定 価:126,000 円(本体価格 120,000 円
消費税等 6,000 円)
‹ 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝
設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/)
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広報チーム
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2012 年 10 月 2 日
【 調査結果の概要 】
1. 日常的に料理をする頻度
日本と中国では全体的に中国のほうが日常的に料理をする傾向が示されている。日常的に料理をす
る頻度(単数回答)について、中国全体では「ほぼ毎日」で 46.1%、「週に 4~5 日程度」23.5%であるのに
対し、日本では「ほぼ毎日」32.6%、「週に 4~5 日程度」10.5%である。中国では 7 割が高い頻度で料理を
しているのに対し、日本では 4 割程度である。
男女別でみてみると、男女ともに中国のほうが料理頻度の高い傾向にはあるが、特に男性について日
本と中国では顕著な差異がある。日本の男性は「ほぼ毎日」11.2%、「週に 4~5 日程度」7.6%と約 2 割程
度である一方で、中国の男性は「ほぼ毎日」で 40.3%、「週に 4~5 日程度」で 25.0%と 7 割弱の男性が日
常的に料理をしている。また「料理はしない」層は日本の男性では 26.5%であるのに対し、中国の男性で
4.7%である。本調査結果から中国は男女ともに日常的に料理をする頻度が高く、「内食」傾向にあること
が窺える。
図1. 日常的に料理をする頻度(単数回答)
図 1-1. 日本
日本男性_n=554
11.2%
7.6%
10.8%
12.8%
7.8%
6.7% 4.5%
9.4%
26.5%
2.7%
日本女性_n=555
53.9%
13.3%
8.5%
6.7% 3.4% 3.4%
8.6%
0.9%0.7%
10.5%
32.6%
日本全体_n=1109
9.6%
9.7%
5.6% 3.8%2.6% 6.4%
17.6%
1.6%
矢野経済研究所作成
ほぼ毎日
週に4~5日程度
週に2~3回程度
週に1回程度
1ヶ月に2~3回程度
1ヶ月に1回程度
半年に2~3回程度
半年に1回程度
それ以下
料理はしない
図 1-2. 中国
中国男性_n=536
25.0%
40.3%
中国女性_n=541
17.2%
51.8%
中国全体_n=1077
22.0%
23.5%
46.1%
5.2% 3.4%
12.9%
15.0%
2.6%2.6%
3.9% 3.0%
4.7%
4.6%
4.6%
矢野経済研究所作成
ほぼ毎日
週に4~5日程度
週に2~3回程度
週に1回程度
1ヶ月に2~3回程度
1ヶ月に1回程度
半年に2~3回程度
半年に1回程度
それ以下
料理はしない
注 1. 調査時期;2012 年 6 月、調査対象;(集計対象)日本は全国の 20 代~40 代の男女 1,109 名(男性 554 名、女性 555
名)、中国は江蘇省、浙江省、山東省、安徽省、河南省、広東省、福建省、上海、北京(一部その他地域を含む)在住の
20 代~40 代の男女 1,077 名(男性 536 名、女性 541 名)、調査方法;インターネット形式、単数回答
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2012 年 10 月 2 日
2. 生鮮野菜や果物などの食材購入時に重視する点について
生鮮野菜や果物などの食材購入時に重視する点(複数回答)について、概して各項目ともに中国のほ
うが顕著に高い。中国全体では「新鮮さ」86.0%、「美味しさ」58.3%、「無農薬野菜や有機栽培であること」
57.3%が上位 3 項目であるのに対し、日本では「価格が安いこと」が 58.4%と最も高く、次いで「新鮮さ」
52.6%、「美味しさ」35.4%と続く。一方で「重視する点はない」とする層は日本では 2.6%であるが、中国で
は 1%にも満たない。
本調査結果から中国では日本よりも生鮮野菜や果物といった鮮度のある食材に対しては品質重視の
傾向が強く、生鮮食材に対する安心や安全への意識の高さが示されている。
一方、日本では中国と比較すると相対的に低い比率ではあるものの、生鮮食材を選ぶ際には鮮度、味
よりも低価格であることや国内産であることを重視し、生産者や販売元の信頼性にはあまりこだわらないな
ど、ある意味で生鮮食材を選ぶ基準はすでに販売者側から提供されているとの認識の裏返しともとれる
結果が示唆されている。
図 2. 生鮮野菜や果物などの食材購入時に重視する点(複数回答)
外国産であ ること
30.7%
10.2%
国内産であ ること
0.7%
4.5%
49.7%
52.6%
価格が安いこと
新鮮さ
7.4%
出荷時期
1.4%
17.1%
35.4%
美味しいこと
57.3%
17.1%
生産者や販売元の信頼性
その他
58.3%
7.9%
無農薬栽培や有機栽培であ ること
自分では購入しないのでわからない
41.8%
13.4%
11.8%
量が多いこと
重視する点はない
86.0%
44.1%
28.6%
見た目(色や形など)がきれいであ ること
ブラン ド品であ ること
58.4%
2.6%
0.6%
0.9%
1.4%
1.2%
36.9%
10.7%
日本全体_n=1109
中国全体_n=1077
矢野経済研究所作成
注 2. 調査時期;2012 年 6 月、調査対象;(集計対象)日本は全国の 20 代~40 代の男女 1,109 名(男性 554 名、女性 555
名)、中国は江蘇省、浙江省、山東省、安徽省、河南省、広東省、福建省、上海、北京(一部その他地域を含む)在住の
20 代~40 代の男女 1,077 名(男性 536 名、女性 541 名)、調査方法;インターネット形式、複数回答
3. 日常の食事への気遣い
日常の食事で注意している点(複数回答)について、全体的に中国のほうが各項目ともに顕著に高い
傾向を示している。中国全体では「野菜をしっかり食べる(74.0%)」、「1 日 3 回、規則正しく食べる
(61.4%)」、「脂質・油分を控えめにする(58.1%)」、「栄養のバランスを考えて、いろいろな食品をとる
(56.5%)」など、いずれも 5~7 割が注意している点として挙げている。一方の日本ではいずれの項目に
おいても比率は 2~5 割程度である。
一方で「特にない」について日本全体では 21.7%であるのに対し、中国全体では 3.2%である。
中国全体における上位項目はいずれも健康を維持するために必要な項目である。概して中国では日
常の食生活への気遣いがあり、普段から食事を介して自身の健康維持に対する意識の高さが窺える。
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2012 年 10 月 2 日
図 3. 日常の食事で注意している点(複数回答)
47.0%
野菜を しっ かり食べる
29.8%
栄養のバラン スを 考えて、いろ いろ な食品を とる
61.4%
21.3%
塩分を控える
45.5%
24.7%
間食や夜食を 控える
39.6%
21.2%
脂質・油分を 控えめにする
7.6%
カルシウム を 多く 含む食品を 食べる
58.1%
33.4%
13.4%
ご はんなどの穀物を 意識してたべる
その他
42.4%
33.1%
1日3回、規則正しく 食べる
特にない
56.5%
37.2%
食べ過ぎない(カロリーの取り過ぎに気を つける)
74.0%
3.2%
54.7%
21.7%
0.8%
1.0%
日本全体_n=1109
中国全体_n=1077
矢野経済研究所作成
注 3. 調査時期;2012 年 6 月、調査対象;(集計対象)日本は全国の 20 代~40 代の男女 1,109 名(男性 554 名、女性 555
名)、中国は江蘇省、浙江省、山東省、安徽省、河南省、広東省、福建省、上海、北京(一部その他地域を含む)在住の
20 代~40 代の男女 1,077 名(男性 536 名、女性 541 名)、調査方法;インターネット形式、複数回答
4. まとめ
本アンケート調査は 20 代から 40 代までの男女を対象としているが、中国では日本と比較すると、男女
ともに普段から食材を購入して調理する「内食」傾向が示されている。そのため男女ともに日常において
生鮮品などの食材を調達することもある程度習慣化しているようである。概して生鮮食材の管理等への懸
念があるといわれるなかで、こうした「内食」習慣とともに生鮮食材への安心、安全といった品質を重視す
る傾向があるものと考える。
また中国では経済発展をしてきた都市部を中心に、消費者の健康維持への意識が高まる傾向にある。
こうしたなかで日常の食事については、全体的に栄養のバランスを考え、規則正しく摂取することを心掛
ける傾向が強いものと考える。
日本については中国と比較すると相対的に低い比率とはいえ、食習慣がそれほど相違しているわけで
はないことから、中国同様、食事や健康への気遣いはあり、全体的にはバランスのとれた食生活を心掛け
ているものと考える。
Copyright © 2012 Yano Research Institute Ltd.