武士の世の中へ

第6学年社会科指導案
1 単元名 武士の世の中へ
2 単元について
(1)子どもの実態
子どもたちは、5年生の時に日本の様々な土地や産業について、それらに関係する人々の工夫
や努力を学習してきた。6年生になり歴史学習が始まり、これまで縄文時代と弥生時代の違いを
比較したり、なぜ大きな大仏を作る必要があったのかなどを考えたりしてきた。
本単元に入る前に歴史学習に対する意識を調査した。
1 歴史学習は好きですか。(124名)
いいえ, 43
はい, 81
理由
≪はい≫
≪いいえ≫
・昔を知ることができる。
・覚えるのが大変
・昔のことを知りたい。
・人物が多い
・新たな発見がある。
歴史学習を始めて約2か月が経過しているが、6割ほどの子どもが歴史学習を好きと回答し
ている。一方で、歴史学習では、人物や出来事など覚えることが多く、あまり好きになれない
子どもも多いことがわかる。
次に、学習前の子どもたちの知識を調査するために人物や言葉を挙げ、それらを知っている
か、どのようなことを知っているかを調査した。
2 次の人物や言葉を知っていますか。知っていたら、その内容を具体的に書きましょう。
(複数回答可)
①平清盛
知っている(94名)
知らない(30名)
≪知っていること≫
・名前だけ知っている(31名) ・平氏と源氏の戦い(12名)
・太政大臣になった(12名)
・平氏の武士(4名) ・厳島神社(4名)
・源氏に負けた(3名)など
②源頼朝
知っている(75名)
知らない(49名)
≪知っていること≫
・名前だけ知っている(26名) ・鎌倉幕府を開いた(11名)
・義経の兄(8名)
・平氏に勝った(6名)など
③源義経
知っている(66名)
知らない(58名)
≪知っていること≫
・名前だけ知っている(22名) ・頼朝の弟(14名) ・源平の戦い(6名)
・頼朝と戦う(5名) ・牛若丸(2名)
・壇ノ浦の戦い(2名)
など
1
④北条時宗
知っている(58名)
知らない(66名)
≪知っていること≫
・名前だけ知っている(25名)
・元寇のときの執権(11名)など
⑤竹崎季長
知っている(12名)
知らない(112名)
≪知っていること≫
・名前だけ知っている(5名)
・元寇で戦う(5名)など
⑥千葉常胤
知っている(4名)
知らない(120名)
≪知っていること≫
・名前だけ知っている(3名)
・千葉の武将(1名)
⑦征夷大将軍
知っている(30名)
知らない(94名)
≪知っていること≫
・東北を征服するための役職(8名) ・武士で最もえらい(5名)
・坂上田村麻呂(4名) ・名前だけ知っている(2名) ・幕府のリーダー(1名)
⑧鎌倉幕府
知っている(85名)
知らない(39名)
≪知っていること≫
・名前だけ知っている(42名) ・1192年にできた(8名)
・鎌倉にあった(6名) ・源頼朝がつくった(5名) ・当時の政治の中心(3名)
・日本を管理していた(1名)など
⑨武士
知っている(102名)
知らない(22名)
≪知っていること≫
・戦う人(21名) ・聞いたことがある(18名) ・刀や銃をもつ人(7名)
・もともと貴族を守っていた(6名) ・侍のこと(4名)
・平清盛や源頼朝など(3名)など
平清盛や源頼朝、源義経などは、大河ドラマが放送されていることもあり知っている子ども
が多い。しかし、どのようなことを知っているかを尋ねてみると史実を知っている子どももい
るが、多くの子どもは、名前は聞いたことがあるが詳しくはわからないということがわかった。
一方で、竹崎季長や千葉常胤については、ほとんどの子どもが知らないと回答している。歴史
上有名な人物の名前は聞いたことがあっても、一般的にもあまり知られていない人物の名前は
よく知らないと言える。
⑦⑧⑨では言葉を質問した。鎌倉幕府や武士などはやはり知っている子どもが多く、名前だ
け知っていると回答している子どもも多いが、しっかりと知識をもっている子どももいた。征
夷大将軍については、知っている子どもは少ないがその意味も回答している。
以上の結果から学習を進めていく中で、それぞれの人物がどのようなことをしたのかを確実
におさえた上で、人物や出来事の関連を資料を使いながら整理していく必要がある。
次に、子どもたちの知識や思考力を確認するために、鎌倉時代が終わりを迎える理由を質問
した。
3 鎌倉時代はやがて終わりを迎えます。どうして鎌倉時代が終わってしまったのでしょ
うか。
・幕府が倒されるから・・・20名
・中心となる人物が死んだから・・・10名
・恩賞がなくなったから・・11名
・天皇がなくなったから・・・・・・・2名
・争いで負けたから・・・・・4名
・民衆や武士の反乱・・・・・・・・・2名
2
・より強い人が現れたから・・1名
・他家が力をもったから・・・・・・・1名
・無答・・・・・・・・・・52名
など
約半数の子どもは、わからないために無答という結果となった。このことから、子どもたち
は、何も知らない状態では、予想や自分の考えをもつことがうまくできないということが改め
てわかった。単元を進めていく中で、子どもたちに予想をさせたり、価値判断をさせたりする
場面では、それらを行うために必要な知識や資料を十分に用意する必要があるだろう。
回答している子どもの中には、恩賞が関係しているなど、的確にその理由を回答している子
どももいる。また、その時代の中心人物がなくなると大きな変化があったことを今まで学習し
てきたため、天皇がなくなったからや、中心となる人物が死んだからと回答している子どもも
いる。鎌倉時代が終わった理由を考える際には、自分が武士として元寇で戦ったのに、恩賞が
もらえなかったらどう感じるかなどを考えさせることで、子どもたちなりにその理由を考えら
れるようにしたい。
最後に、歴史学習でおもしろい時や得意になるために必要なことはどのようなことかなど子
どもたちの意識を調査した。
4 歴史学習でおもしろい時はどんな時ですか。2つ選びましょう。
・歴史上の出来事で、今の私たちの生活に関係していることがあるとわかったとき90名
・自分で考えて、予想がたてられたとき
35名
・自分で調べ学習をして、まとめているとき
68名
・友だちと発表し合って、学習問題を解決するとき
55名
5 歴史学習が得意になるために大切だと思うことは何ですか。2つ選びましょう。
・問題を解決するために必要な資料を見つけられること
71名
・調べたことを自分の力でまとめること
49名
・調べたことをもとにして、自分の考えを言えること
69名
・昔の出来事と今の社会がつながっていることに気づくこと
59名
子どもたちが「おもしろい」と感じるのは、
「歴史上の出来事で、今の私たちの生活に関係
していることがあるとわかったとき」であった。現在の生活と関連させながら学習を進めるこ
とで、子どもたちは自分とは関係のない話だと感じずに学習に取り組めると言える。また、
「自
分で調べ学習をして、まとめているとき」と回答している子どもも多い。休み時間など学習し
ているとき以外にも歴史資料集を読んでいる子どももおり、歴史に興味関心をもつことができ
ている子どもが多いことがうかがえる。また、ノートをわかりやすくまとめようと、色使いを
工夫したりや付録のシールをうまく使ったりしている子どももいる。調べ学習を通して、事実
を自分なりにまとめることに面白さを感じていると言えるだろう。一方で、
「何を調べればよい
のかわからない」や、
「調べ学習が面倒くさい」と感じている子どももいる。予想を行った時点
で、学習問題を解決するためには、どのようなことがわかればよいのかを全体で確認するなど
手だてを打たなければならない。
また、子どもたちは得意になるために、
「問題を解決するために必要な資料を見つけられるこ
と」
、
「調べたことをもとにして、自分の考えを言えること」が必要であると感じていることが
わかった。これらはもちろん必要なことであり、学習問題を自分の力で解決していこうという
意欲があると考えられる。この意欲をもたせ続けた上で、友だちと意見を交流させながら自分
の意見を見直すことや、自分だったらどう考えるかなど思考力を高めていきたい。そのために、
友だちと意見を交流させる場を多く確保したり、学習した内容を生かして自分の言葉で学習問
題に対するまとめをしたりする場を多く設けたい。
以上の結果から、人物と出来事を分断して考えるのではなく、歴史の流れを常に意識させな
がらそれぞれの出来事の関連に注目して学習を進めていきたい。また、自分で、鎌倉時代が終
わった理由などを考えさせる場面では、自分が武士として元寇で戦ったのに、恩賞がもらえな
かったらどう感じるかなどを考えさせることで、子どもたちなりにその理由を考えられるよう
にしたい。そして、友だちと意見を交流させながら自分の意見を見直すことや、自分だったら
3
どう考えるかなどを考えることで思考力を高めていきたい。そのために、友だちと意見を交流
させる場を多く確保したり、学習した内容を生かして自分の言葉で学習問題に対するまとめを
したりする場を多く設けたい。
(2)単元のねらい
①本単元と学習指導要領の関係について
本単元は、学習指導要領第6学年の目標(1)
「国家・社会の発展に大きな働きをした先人の
業績や優れた文化遺産について興味・関心と理解を深めようとするとともに、我が国の歴史や
伝統を大切にし、国を愛する心情を育てるようにする。
」に関する内容(1)ウ「源平の戦い、
鎌倉幕府の始まり、元との戦いについて、武士による政治が始まったことが分かること。
」に基
づいて設定した。
本単元では、次の3点についての学習を通して、歴史的事象について自分なりの価値判断が
できるようにしていく。
・源平の戦いを通して、武士が世の中に台頭してきたことと、源頼朝がどのようにして平氏を
倒し、征夷大将軍となるに至ったか。
・鎌倉幕府の成立から、源頼朝がなぜ東国の武士たちの信頼を得ることができ、武家政権の仕
組みがどのようなものであったか。
・北条時宗や御家人たちが、元軍の襲来に対してどのようにして国を守り、戦ったのかがわか
ると共に、なぜ、鎌倉幕府が滅亡するに至ったか。
この3点について、絵巻物や当時の東アジアの勢力図、日本軍と元軍と戦力比など、視覚的
に捉えられるような資料を用意することで、興味・関心をもって学習に取り組むことができる
ようにする。
②単元の目標
(関心・意欲・態度)
・武士の起こりから鎌倉幕府の滅亡にいたるまでの様子に関心をもち、意欲的に追及すること
ができる。
・元寇で戦った御家人たちや幕府の立場について考え、意欲的に話し合うことができる。
(思考・判断・表現力)
・資料から読み取った事実に対して、自分なりの考えを、表現することができる。
・既習をもとに、元軍と戦った御家人や幕府の立場になって話し合う。元寇に対して恩賞が与
えられなかったという事実に対して、根拠をわかりやすく表現することができる。
(技能)
・武士の生活や幕府の仕組み、元軍と戦った御家人の様子について、資料を探し、観察して事
実を読み取ることができる。
(知識・理解)
・武士たちが武器を持って貴族の財産を守るために起こり、そのために日々訓練に取り組んで
いたことが分かる。
・源頼朝と御家人たちが「御恩と奉公」という主従関係で結ばれていたことが分かる。
・元寇において戦った御家人に対して、幕府が恩賞を与えることができず、
「御恩と奉公」の関
係の崩壊が幕府の滅亡につながったことがわかる。
3
研究主題との関わり
(1)
「おもしろく」と「力がつく」の関係について
【問題発見力】
・貴族の屋敷と武士の館の様子、元寇の絵巻物など、視覚的にイメージをとらえられるような資料を
用意することで、興味・関心をもって学習に取り組めるようにする。
(教材)
4
・平氏の勢力図を提示し、力の差があるにもかかわらず、源氏が勝ったという矛盾から、関心をもっ
て問題を考えることができるようにする。
(教材)
【追究力】
・予想を調べるために、何を調べたらいいのかをみんなで話し合うことで、自分が調べるべきことが
明確になるようにする。
(方法)
・教科書や資料集以外にも補助資料を用意することで、自分に合った資料を選んで調べ学習ができる
ようにする。
(方法)
【表現力】
・事実からわかったことを示したり、友達の意見との比較をしたりして、自分の考えを発表でき
るようにする。
(協同)
・友達との意見交流や、計画的な板書によって、学習問題の答えを自分の言葉でまとめやすくす
る。
(方法)
【社会的判断力】
・幕府側と武士側に分かれてロールプレイをすることを通して、それぞれの思いを感じ取らせ、
自分なりの価値判断ができるようにする。
(協同)
・調べ学習でわかった事実だけでなく、
「そこからどう思ったか」
「何を考えたか」を表現するこ
とで、その時代に生きた人々の思いを考えられるようにする。
(方法)
・その時代と現代の共通点や似ているところを考えさせることで、歴史はつながっていることを
考えられるようにしていく。
(方法)
(2)言語活動の場面の工夫について
○単元の終末で、武士の立場、幕府の立場にたってロールプレイを行う。ロールプレイをするこ
とで、武士側と幕府側、それぞれの思いをつかませるようにしたい。そこに至るまでの状況を
自分なりに判断し、自分の言葉で話せるようにして、表現力をつけていきたい。
5
4.指導計画(10時間扱い)
次
場の構成
①
第
一
次
鎌
倉
幕
府
の
成
立
資料1
貴族の屋敷の
様子と武士の
館の様子(想像
図)
子どもがみんな意識を獲得していく過程
主な学習活動
資料2
平清盛の肖像
画
・周りが塀と堀で囲まれているよ。
・物見櫓で見張りをする人や門番がいる。敵の襲来に備
えているね。
・馬を育てて、戦いの訓練をしているよ。
○貴族の華やかな生活とは違い、武士の生活は戦いに備
えることが中心になっているね。
○この人たちは武士だね。
・平清盛だ。
・源氏と戦った人だね。
・武士で最初にえらくなった人じゃないかな。
資料3
当時の平氏を
表す言葉
・当時の平氏はとても力があったんだ。
○自分たちは強いという自信もあったんだろうね。
○平氏はどのくらい強かったのだろう。
資料4
平氏の勢力図
・こんなに広い範囲を支配していたんだ。
○戦いに勝って勢力を広めていったんじゃないかな。
資料5
源頼朝の肖像
画
・源頼朝だ。
・鎌倉に幕府を開いた人だ。
○頼朝はどうして幕府を開くことができたのだろう。
資料6
平氏と源氏の
年表
・あれ、頼朝が兵を挙げてから、平氏が滅んだぞ。
○平治の乱で平氏に負けた源氏が、どうやって平氏を滅
ぼしたのかな。
なぜ源頼朝は、権力のあった平清盛を滅ぼすことができたのだろう。
・予想しよう。
・どのようなこ
とを調べれば
よいだろう。
②
・調べよう。
・発表しよう。
③
○横暴な平清盛には、敵がたくさんいたのではないか。
○源氏の戦い方が上手だったのではないか。
○頼朝は、平氏に不満を持つ人たちをうまく味方につけ
たのではないか。
○権力のある人との結びつきを強めたのではないか。
評価計画
※一度は敗
れた源氏が
権力のあっ
た平氏を倒
したことに
矛盾を見つ
け、疑問を持
てたか。
・源頼朝の人物像を調べればいい。
・源氏と平氏の戦い方のちがいを調べればいいと思う。
・どのようにして平氏を破ったのかを調べればいい。
(ひとり調べ)
・千葉県に流されたあとに関東や東国の武士を仲間にし
ていったんだね。
・頼朝の弟、義経の活躍で、平氏を西へ追いつめて壇ノ
6
浦の戦いで滅ぼしたんだ。
・頼朝は武士に恩賞を与えるといって兵を集めた。
※資料から
読み取った
事実を示し
て自分の意
見を表現で
きたか。
頼朝は、平氏に負けたあと、領地を認めると言って北条
氏や千葉の武士、東国の多くの武士を仲間にして兵を増
やしていった。源義経も活躍し、平氏を西国へ追い込み、
壇ノ浦の戦いで滅ぼした。
資料7
鶴岡八幡宮の
写真
資料8
鎌倉と京都の
位置を示す日
本地図
資料9
鎌倉の図
④
・豪華な感じがするね。
・金の文字を使っている。
・都みたいだ。
○鎌倉幕府と関係のあるところかな。
○鎌倉ってどこだろう。
・平城京や平安京など、都は京都にあったよね。
・今まで政治の中心は西の方だったね。
※平氏の政
治に対する
不満と新し
いリーダー
に期待する
人々の願い
を事実に基
づき理解で
きたか。
・鎌倉は山に囲まれていて、南側は海だ。
・鶴岡八幡宮を中心に道が広がっている。
○山に囲まれているから、敵が攻めにくいね。
○海岸が狭いから守りやすい。
○どうしてわざわざ鎌倉に幕府を開いたのかな。
どうして、頼朝は鎌倉の地を選んで幕府を開いたのだろう。
・予想しよう。
・どのようなこ
とを調べれば
よいだろう。
⑤
・調べよう。
・発表しよう
資料10
承久の乱
⑥
○山の中に幕府を置いて敵が攻めにくいようにしたの
ではないかな。
○京都には朝廷があるから、離れたところで監視されな
いようにした。
○鎌倉の周りに仲間の武士がいるから、いざというとき
に守ってもらえるから。
○仲間の武士の中心に幕府を置いて、関係を強めたかっ
た。
※資料や既
習を生かし
てなぜ頼朝
が鎌倉の地
を選んで開
幕したか予
想を立てら
れたか。
○鎌倉の土地について調べる。
○朝廷と頼朝の関係を調べる。
○幕府と仲間の武士の関係を調べる。
(ひとり調べ)
・戦いが起これば、
「いざ鎌倉」といって、いつでも
鎌倉にかけつけられるようにしていた。
・幕府と武士は「ご恩と奉公」の関係で、強く結ばれて
いて、幕府のために戦っていた。
・武士はいつでも鎌倉にかけつけられるように常に訓練
7
をしており、平時は鎌倉を守っていた。
・承久の乱で幕府の味方がさらに増えた。
※資料から
読み取った
事実を示し
て自分の意
見を表現で
きたか。
鎌倉幕府と武士たちは「ご恩と奉公」の関係で強く結ば
れていた。
「いざ鎌倉」といって、いつでも鎌倉にかけ
つけられるように訓練していた。承久の乱では北条政子
の訴えで、さらに幕府側の武士が増えた。
第
二
次
⑦
元
寇
と
鎌
倉
幕
府
の
衰
え
資料11
北条時宗の肖
像画
・承久の乱が終わって、幕府と御家人の結びつきが強く
なったね。
・北条氏が執権として、幕府の実権を握っているね。
・幕府の力が全国に及んでいるね。
資料12
元の地図
資料13
フビライ・ハン
の肖像画
資料14
元の地図
・元からは、仲良くしようと提案されているね。
・でも、要求を認めなければ攻めてくるみたいだよ。
・当時、勢力を拡大させていた人なんだね。
資料15
元と日本の兵
力差
資料16
蒙古襲来絵詞
※幕府と御
家人が、「御
恩と奉公」の
関係で強く
結ばれてい
たことを理
解できたか。
○とても大きな国だから、攻めてきたら大きな戦いがお
こりそうだよ。
○こんな国に攻め込まれたら怖いと思うよ。
・日本の何倍もあるね。
・元の兵士は、日本の武士とは格好がちがう。
・元は、軽装だね。
○御家人はどんな思いだったのだろう。
御家人は、どのような思いで戦いにのぞんだのだろう。
・予想しよう。
⑧
・どのようなこ
とを調べたら
よいだろう。
・調べよう。
・発表しよう。
⑨
○恩賞をもらうために必死に戦ったんじゃないかな。
○外国から初めて攻められて怖かった。
○日本を守ろうという思いもあったと思うよ。
・元の戦い方を調べる。
・日本の戦い方を調べる。
※資料や既
習を生かし
て御家人が
どんな気持
ちで戦った
か自分なり
の予想を立
てられたか。
(ひとり調べ)
・元は、てつはうという火薬の武器を使ったり、集団戦
法を取ったりして、御家人たちは苦しんだ。
・文永の役、弘安の役と二度にわたって攻めてきた。
・二度にわたる元寇では、暴風雨によって元軍が撤退し
ていった。
・文永の役の後。石塁を築く命令を出し、次の戦いに備
えた。
8
・御家人は、新しい領土を求めて闘ったり、石塁を築い
たりした。
※資料から
読み取った
事実を示し
て自分の意
見を表現で
きたか。
資料16
蒙古襲来絵詞
資料17
深江村への命
令
文永の役では、元の集団戦法やてつはうに苦しんだが、
元軍は暴風雨で撤退した。弘安の役では、日本も石塁を
築いて戦いに備えた。
「ご恩と奉公」の関係から、御家人は、新しい領土を求
めて戦いにのぞんでいた。
資料18
石塁の写真
資料19
竹崎季長の道
のり
資料20
元寇後の幕府
の状況
※御家人が
新しい領地
を求めて、元
寇をしのぐ
ために戦っ
た過程を理
解できたか。
・期待していた恩賞がもらえなかったんだね。
・わざわざ鎌倉まで訴えに行ったんだね。
・元との戦いで、幕府は新しい領地が手に入らなかった
んだね。
元寇後、幕府が武士に恩賞を与えるべきか、幕府と武士の立場に立って話
し合おう。
(ロールプレイ)
⑩
【武士の立場】
○命がけで戦ったのだから当然恩賞が欲しい。
○元寇にかかる出兵費用の負担が大きかった。
○このままでは、生活いていけない。
【幕府の立場】
○恩賞を与えたいのだが、あげられる領地がないのだ。
○幕府の苦しい事情をわかって欲しい。
○今までに恩賞を十分与えてきている。今回は、外国と
の戦いだから特別だ。
資料21
鎌倉幕府の年
表(元寇~幕府
滅亡)
元寇をきっかけに幕府と武士の結びつきを保っていた
「ご恩と奉公」が崩れ、幕府は武士から信用されなくな
り、衰え滅びていった。
9
※資料から
読み取った
事実を示し
て自分の意
見を表現で
きたか。
※ご恩と奉
公の関係を
もとにして
幕府が武士
の信用を失
う過程を理
解できたか。
5.本時の指導(4/10)
(1)目標
・資料を見て、鎌倉の図や日本地図から、どうして頼朝は鎌倉の地を選んで幕府を開いたのか予想
をすることができる。
(思考・判断・表現)
(2)力を育むための工夫(問題発見力)
・朝廷と鎌倉の位置を確認し、鎌倉の図を提示することで、鎌倉が守りに適した地であることに驚
きをもち、疑問をもてるようにする。
(3)展開
時配
発問と資料
主な学習活動
評価※と支援○
15 ・資料を見て、わか 1 資料を見て、わかったこと、思ったことを発
ったこと、思った
表する。
ことを発表しま
しょう。
・豪華な感じがするね。
○八幡宮の近くに
資料7
○鎌倉幕府と関係のあるところかな。
鎌倉幕府の政治
鶴岡八幡宮の
○鎌倉ってどこだろう。
を行うところが
写真
・平城京や平安京など、都は京都にあったよね。
あったことを伝
資料8
・今まで政治の中心は西の方だったね。
える。
鎌倉と京都の
位置を示す日
本地図
資料9
鎌倉の図
・鎌倉は山に囲まれていて、南側は海だ。
・鶴岡八幡宮を中心に道が広がっている。
○山に囲まれているから、敵が攻めにくいね。
○海岸が狭いから守りやすい。
○どうしてわざわざ鎌倉に幕府を開いたのかな。
どうして、頼朝は鎌倉に幕府を開いたのだろう。
7
・予想しましょう。 2 予想をノートに書く。
○前時の学習を振
り返り、
頼朝が領
15 ・予想について話し 3 予想を話し合いましょう。
地を認めると言
合いましょう。
○山の中に幕府を置いて敵が攻めにくいように
って仲間を増や
したのではないかな。
していったこと
○京都には朝廷があるから、離れたところで監視
を確認する。
されないようにした。
※既習や資料から
○鎌倉の周りに源氏派の武士がいるから、いざと
根拠をもって予
いうときに守ってもらえるから。
想を立てること
○源氏派の武士の中心に幕府を置いて、関係を強
ができたか。
めたかった。
8 ・何を調べたら確か 4 調べる内容を確認し、次の時間につなげる。
められるだろう。 ○鎌倉の土地について調べる。
○朝廷と頼朝の関係を調べる。
○幕府と源氏派の武士の関係を調べる。
10
5 本時の指導(7/10)
(1)目標
【社会的思考・判断・表現】
・元寇という外国との初めての戦いに、鎌倉幕府の御家人たちはどのような思いで挑んだのかを、資
料や既習事項から考えることができる。
(2)力を育むための工夫(問題発見力)
○元の地図や、日本と元の兵力差を提示することで、日本と元には大きな兵力差があることに気
付かせ、その上で自分なりに御家人の思いを考えられるようにする。
(3)展開
時配
発問と資料
主な学習活動
評価※と支援○
5 ・当時の鎌倉幕府について 1.当時の鎌倉幕府について確認す ○幕府と御家人の御恩
確認しよう。
る。
と奉公の関係や、承久
・承久の乱が終わって、幕府と御家
の乱による幕府の力
資料
人の結びつきが固くなったね。
の拡大について掲示
北条時宗の絵
・北条時宗が執権として実権を握っ
物を使って確認する。
ているよ。
・幕府の力が全国に及んでいるね。
2.元について知る。
・元からは、仲良くしようと提案さ ○国書や、地図、兵力差
18 ・国書からわかることは何
れているね。
を提示することで、元
・でも、要求を認めなければ攻めて
がどのような国なの
だろう。
くるみたいだよ。
かを実感できるよう
資料
・元の兵士は武器も強そうだね。
にする。
元からの国書
○とても大きな国だから、
攻めてき
○元の兵士の絵を提示
資料
たら大きな戦いがおこりそうだ
することで、御家人の
フビライ・ハンの絵
ね。
気持ちを考えられる
資料
○こんな国に攻め込まれたら怖い
ようにする。
元の地図
と思うよ。
資料
○御家人は、どんな思いだったんだ
日本と元の兵力差
ろう。
資料
元の兵士の絵
御家人は、どのような思いで戦いにのぞんだのだろうか。
3.予想を行い、発表する。
15
○恩賞を貰うために必死になって ※確認した出来事や、既
・予想し、発表しよう。
戦ったんじゃないかな。
習を生かして、自分な
○外国から攻め込ませるなんて初
りの予想を行うこと
めてのことだから怖い思いもあ
ができる。
ったと思うな。
○予想ができない子ど
○日本が攻め込まれたら自分の領
もには、自分が御家人
土も危ないから、守ろうとする思
だったらどう感じる
いもあったと思うよ。
かを考えさせること
で、予想できるように
5 調べの観点を確認する。
する。
7
・元の戦い方を調べる。
・どのようなことを調べれ
・元寇の結果を調べる。
ばよいだろう。
11