東京都品川区東五反田5−24−10 テラサキ第3ビル2F TEL:03−5795

東京都品川区東五反田5−24−10 テラサキ第3ビル2F
TEL:03−5795−0941
I. 目的
20∼59 歳のフルタイムで働く現代女性の「美しさ」への意識、特に美と内
面・外面意識、ならびに美と年齢意識の相関関係を明らかにする。
II. 調査概要
調査地域:首都圏 30km 圏内
調査対象者:上記エリア内に居住する 20∼59 歳のフルタイムで働く女性
748 人
年齢構成
サンプルデザイン
20∼24 歳
25∼29 歳
30∼34 歳
35∼39 歳
40∼44 歳
45∼49 歳
50∼54 歳
55∼59 歳
サンプルデザイン
公務員
経営者・役員
会社員(事務系)
会社員(技術系)
会社員(その他)
自営業
自由業
パート・アルバイト
その他
年齢層
(単位:人)
88
92
91
96
97
95
94
95
属性
(単位:人)
30
26
364
86
98
45
16
81
2
調査対象者抽出方法:エリアサンプリング法
調査方法:インターネット調査
調査期間:2005 年 10 月
2
III. 調査結果
女性の美しさには内面美、外面美両方が存在します。また、加齢は生きていくうえで避け
て通れず、加齢とどう向き合っていくかが今日では女性にとって大きな関心事とも言えま
す。現代女性は「女性の美しさ」を考えるとき、内面美・外面美をどう捉えているのか。
そしてこの美しさと加齢意識との関係はどうなっているのか。働く女性に聞いてみました。
美しさと内面意識、外面意識
① あなたの年代にとって「女性の美しさ」を表すのは?(全体)
複数回答
%
84
77
74
72
68
61
56
52
52
31
3
そ の他
何 に でも積 極 的 な姿
勢
セ ン ス の良 い フ ァ ッ
シ ョン
き れ いな 肌
自 分 ら しさ を表 現 す
る個 性
美 し い体 形 や 姿 勢
行 き 届 いた 身 だ し な
み
豊 か な 知 識 や教 養
美 し い仕 草 や 立 ち 居
振 る舞 い
好 感 を与 え る言 葉 遣
い
き ち んと した マナー
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
全体傾向としては、1位【きちんとしたマナー】(84%)、2位【好感を与える言葉遣い】
(77%)、3位【美しい仕草や立ち居振る舞い】(74%)、4位【豊かな知識や教養】(72%)、
5位【行き届いた身だしなみ】(68%)と、比較的性差を問わない内面に根ざした人格を表
す項目が重視されています。さらに、この中で一番重要と思うのは何かを年代別に尋ねて
みました。
3
②あなたの年代にとって「女性の美しさで一番重要」なのは?(年代別)
35 %
33
31
30
25
21
18
20
17
15
10
20代
30代
11
9
7
9
6
2
2
1
2
1
1
そ の他
何 に でも積 極 的 な姿 勢
自 分 ら しさ を表 現 す る個 性
セ ン ス の良 い フ ァ ッシ ョ ン
2
美 し い体 形 や姿 勢
行 き 届 いた 身 だ し な み
好 感 を与 え る 言 葉 遣 い
美 し い仕 草 や立 ち 居 振 る 舞
い
き ち んと した マナー
豊 か な 知 識 や教 養
3
き れ いな 肌
4
5
0
8
6
6
%
35
30
27 27
25
20
20
19
18 18
15
40代
50代
12
9
10
7
7
5
2
4
4
1
1
3
1
2
1
1
そ の他
何 に で も積 極 的 な 姿 勢
自 分 ら しさ を表 現 す る
個性
セ ン スの良 い フ ァ ッ
シ ョン
美 し い体 形 や姿 勢
き れ いな肌
行 き届 いた身 だ しな み
好 感 を与 え る言 葉 遣 い
美 し い仕 草 や立 ち居 振
る舞 い
き ち んと し た マ ナ ー
豊 かな知 識 や教 養
0
10 10
20 代、30 代共に1位は【きちんとしたマナー】(20 代 33%、30 代 31%)。しかし 30 代
に比べると 20 代は外見的魅力である【美しい体形や姿勢】や【きれいな肌】のポイントが高く
なっています。反対に 30 代では【豊かな知識や教養】が 2 位に位置して、20 代と 15 ポイン
ト近くの差があります。30 代は内面的美しさの志向が強くでてくる世代ともいえるようです。
40 代、50 代は共に同じような傾向を示しています。1位は【豊かな知識や教養】で 40 代、
50 代とも 27%。2位は【きちんとしたマナー】と続き、内面的美しさの志向が強くでていま
す。特に【豊かな知識や教養】は 20 代と比べると 20 ポイント近くアップしています。また同
じ内面的志向でも、40 代以降は【マナー】といった形に見えるものより、より個人の内面性と
関係の深い【知識や教養】が女性の美しさにとって重要とみなしています。
20 代は外見志向が他の年代に比べて強いものの、30 代からは徐々に内面志向に切り替わり、
40 代、50 代では内面重視となっていくようです。
加齢とともに内面美と外面美の意識の比重が変わっていくのは興味深いといえます。
4
③日本女性が美しさの条件として考えている<内面的魅力を外見にどの程度表現できてい
るか>と、<美しさに自信がもてるかどうか>の相関関係
%
内面的美しさの表現度合いと美しさへの自信との関係
自信が持てている
多少自信をもてている
あまり自信がもてない
自信がない
表現できている
47.2
41.7
11.1
0
まあ表現できている
4.8
66.6
26.5
2.1
0.4
21.4
70.9
7.4
0
0
30
70
あまり表現できていな
い
表現できていない
内面的魅力を表現できていない
内面的魅力を表現できている
美しさに自信がもてる
美しさに自信がもてない
美しさに自信がもてない
11
89
100
「多少」も含めて、
「内面的魅力を表現できている」と考えている女性の 89%は、
「美しさに自
信がある」と答えています。逆に「あまり」も含めて「表現できていない」と答えている女性の
全員が「美しさに自信が無い」と答えています。日本の現代女性の自分の美しさへの自信は「内
面的美しさの充実と表現」と密接な関係があると言えます。
では、内面的魅力の充実が美しさに重要と考えている日本女性は、外面的魅力と年齢意識をどう
捉えているのでしょうか。次に美しさと年齢意識との関係について聞いてみました。
5
美しさと年齢意識:全体傾向
④「全体の年齢的な印象」として現在目指している「自分の美しさ」とは?(全体)
%
40
35
35
33
30
30
25
20
15
10
5
0
年齢より若く見られたい
年齢相応でよい
年齢を感じさせない
目指している「全体の年齢的な印象」を聞くと、【年齢より若く見られたい】(33%)、【年
齢相応でよい】
(30%)
、
【年齢を感じさせない】
(35%)と、3つの回答にはあまり偏りは
なく、価値観はほぼ均等に分かれています。
⑤「肌の年齢的な印象」として現在目指している「自分の美しさ」とは?(全体)
%
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
77
21
1
年齢より若々しい肌
年齢相応な肌
その他
ところが、目指している「肌の年齢的な印象」では、
【年齢より若々しい肌】との回答が 77%
を占め、肌に関しては大多数の女性が【若さ】を目指していることが伺えます。
6
⑥「メークアップした印象」として現在目指している「自分の美しさ」とは?(全体)
%
40
35
30
25
20
15
10
5
0
34
31
18
18
ほと んど あ る いは
全 く メー ク し な い
ナ チ ュラ ル な 感 じ
年 齢 にふ さ わ し い
自 然 な メー ク
自 分 ら し い特 長 を
生 か し た メー ク
年 齢 よ り 若 々 しく
感 じ ら れ る メー ク
目指している「メークアップした印象」では、
【自分らしい特長を生かしたメーク】
(34%)
、
【年
齢にふさわしい自然なメーク】
(31%)との回答が多く、
【年齢より若々しく感じられるメーク】
(18%)を上回っています。メークに関しては【自分らしさ】
【年齢にふさわしい】という価値
観が、
【若さ】よりも強く意識されている様子が伺えます。
⑦「ファッションの印象」として現在目指している「自分の美しさ」とは?(全体)
%
56
23
9
7
4
き ち んと し て見 え
る フ ァ ッシ ョ ン
キ ャリ ア を ア ピ ー
ルす る フ ァ ッシ ョ
ン
女 性 ら しさ を ア
ピ ー ルす る フ ァ ッ
シ ョン
自 分 ら しさ を 表 し
た フ ァ ッシ ョ ン
年齢より若く見え
る フ ァ ッシ ョ ン
60
50
40
30
20
10
0
目指している「ファッションの印象」では、【自分らしさを表したファッション】が 56%と、
ファッションに関しては【自分らしさ】重視の傾向が見られます。
【年齢より若く見えるファッ
ション】は7%のみで、ファッションに関しては【若さ】志向はほとんど見られません。
7
美しさと年齢意識:年代別傾向
⑧「全体の年齢的な印象」として現在目指している「自分の美しさ」とは?(年代別)
70
%
年齢より若く見られたい
65
年齢相応でよい
年齢を感じさせない
60
50
40
30
37
35
36
32
26
20
48
46
46
50
35
29
29
27 26
24
19
17
14
46
43
39
13
8
10
5 5∼ 5 9歳
5 0∼ 5 4歳
4 5∼ 4 9歳
4 0∼ 4 4歳
3 5∼ 3 9歳
3 0∼ 3 4歳
2 5∼ 2 9歳
2 0∼ 2 4歳
0
「全体の年齢的な印象」として目指している「自分の美しさ」を年代別で見てみると、35 歳以
降の全ての年代で【年齢を感じさせない】との回答が【年齢より若く見られたい】を上回り、こ
こでは 35 歳が年齢意識のターニングポイントとなっています。20 代では【年齢相応でよい】
が過半数を超え、他の年代に比べると現在の年齢を肯定的にとらえている様子が伺えます。
⑨「全体の年齢的な印象」として目指している「10 年後の美しさ」とは?(年代別)
%
年齢より若く見られたい
70
60
47
43
40
20
年齢を感じさせない
60
50
30
年齢相応でよい
26
40
37
33
31 29
22
17
14
10
0
20代
30代
40代
50代
「全体の年齢的な印象」として目指している「10 年後の美しさ」を年代別で見てみると、20
代では【年齢より若く見られたい】との回答が 60%と、全体平均を 20 ポイント近く上回り、
現在の意識(⑧)と比べてもほぼ倍の数値を示しています。現在の意識では自分の年齢に【年齢
相応でよい】と満足している 20 代は、10 年後をイメージしたときでも他の年代よりも強く【若
さ】にこだわる傾向が見受けられます。また「10 年後の美しさ」でも、
【年齢を感じさせない】
との価値観は 30 代から増え始め、40 代、50 代では一番強く意識されています。
8
⑩「メークアップした印象」として目指している「自分の美しさ」とは?(年代別)
%
50
45
40
35
30
25
20
15
10
5
0
45
34
17
19
38
32
31
26
23
27 28
23 22
13
12
11
20代
30代
40代
50代
ほと んど あ る いは
全 く メー ク し な い
ナ チ ュラ ルな 感 じ
年 齢 にふ さ わ し い
自 然 な メー ク
自 分 ら し い特 長 を
生 か し た メー ク
年 齢 よ り 若 々 しく
感 じ ら れ る メー ク
「メークアップした印象」として目指している「自分の美しさ」を年代別に見てみると、
【自分
らしい特長を生かしたメーク】を一番志向しているのは 20 代で、
【年齢にふさわしい自然なメ
ーク】を一番志向しているのが 50 代であることがわかります。【自分らしい特長を生かしたメ
ーク】は微小な差ながらも若い年代ほどその志向が強く、逆に【年齢より若々しく感じられるメ
ーク】は年代が高くなるほどその志向がわずかに増加しています。
⑪「メークアップした印象」として目指している「自分の美しさ」とは?(現在:10 年後)
【年齢より若々しく感じられるメーク】の回答(年代別)
年齢より若々しく感じられるメーク(現在)
年齢より若々しく感じられるメーク(10年後)
% 30
26
25
19
20
15
23
17
24
19
17
11
10
5
0
20代
30代
40代
50代
「メークアップした印象」として「現在」と「10 年後」に目指す「自分の美しさ」について、
【年齢より若々しく感じられるメーク】との回答を年代別に比較してみると、20 代では 10 年
後の【若々しく感じられるメーク】への志向が強く出ていることがわかりました。20 代の「現
在の年齢には肯定的」なものの「10 年後のイメージでも【若さ】にこだわる」という傾向がメ
ークの意識にも現れています。
9
IV. 結語
内面の魅力に自信のある人は美しさにも自信あり
働く現代女性にとって、美しさへの自信は「内面の魅力を外見に表現できてい
るかどうか」と密接な関係があり、
「内面の魅力を外見に表現できている」と考
えている人は、自分の美しさにも自信を持っているということがわかりました。
20 代もマナーを重視
「女性の美しさを表すこと」という設問(①)でも、トップにあがったのが【き
ちんとしたマナー】(84%)であることからも、女性の美は内面的な美しさと
無縁に考えられていないことがわかります。内面的美しさへの志向は年代が上
がるにつれ高まる傾向が見られましたが、若年層のマナー低下が社会現象とし
て語られている昨今でも、20 代の 33%が【きちんとしたマナー】を「女性の
美しさを表すのに一番重要なこと」としてトップに上げていることは注目に値
します。
肌は【若く】、メーク・ファッションは【自分らしく】
また、美しさと年齢意識との関係では、
「肌」に関しては大多数が【若さ】志向
で、「メーク」「ファッション」に関しては【若さ】よりも【自分らしさ】志向
と、意識がそれぞれ異なることがわかりました。
35 歳がエイジング意識のターニングポイント?
年齢に対する意識も 20 代が【若さ】を強く意識しているのに対し、30 代から
その意識が徐々に変わり始め、40 代以降は【年齢を感じさせない】という「エ
イジフリー」な価値観へ転換していく様子が伺えます。特に「全体の年齢的な
印象として目指している自分の美しさ」という設問(⑧)では、35 歳から【年
齢を感じさせない】という「エイジフリー」志向へシフトしていく様子が明ら
かになりました。
10