Monthly Report 全体の相談状況から 12 月号 2014 年 12 月 31 日発行 12 月の相談傾向 < 小 児 の発 熱 > 寒さも本格的になり、風邪やインフルエンザが流行する季節になってきました。毎年、流行の時期や症状 の出方が少しずつ変化するようですが、今年は比較的早い時期から流行しているようです。免疫力が十分で ない小児は感染症などでも高熱を出すことが多く、この時期は小児の発熱の相談が増加しています。 「5 ヵ月の娘。昨夜 38.9 度の熱が出たが、すぐに下がったため受診はしていない。受診した方がいい のか、このまま様子を見ていて良いのか教えてほしい」 (30 代 女性) 「8 歳の息子。2 日前から発熱し今日も 39 度。今は元気だが、これから悪くならないか不安。何かあっ たときに受診できる病院を教えてほしい」 (40 代 女性) 「3 歳の娘は 2 日ほど 40 度近い熱があり、解熱剤を使用しているが、薬剤師に辛そうでなければ使わ なくてもいいと言われた。使わなくても大丈夫なのか」 (40 代 男性) 「2 歳 5 ヵ月の息子。38.5 度の熱が続き、喉と鼻も辛そう。入院を勧められたがベッドが空いていないと いうことで自宅待機となった。明日別の医療機関に行くべきか」 (30 代 女性) 「7 歳の娘が、高熱と激しい頭痛を訴える。髄膜炎ではないかと心配」 (40 代 男性) 「3 歳の息子。4 時間前から寒がり、今熱が 38 度になっている。インフルエンザの可能性はあるか。ま た受診の目安を教えてほしい」 (30 代 男性) ファミリー健康相談ではヘルスアドバイザーや小児科顧問ドクターが感染予防の方法や受診の目安、受 診後の対処法などをアドバイスしています。 <血 圧 の変 動 > 寒くなってくると、血管の収縮により血圧が上がりやすくなります。また近年では暖房の効いた部屋と寒い 場所との温度差で急激な血圧の変動が起こり、危険な状態になることも懸念されるようになりました。全身状 態に大きくかかわってくる血圧のコントロールは大変重要です。ファミリー健康相談でも日ごろの管理から服 薬や治療に関する相談が寄せられています。 「朝、起きたら具合が悪く、血圧を測ったら 195/125 だった。そのときに血圧の薬をに服用したが、すぐ に救急車で病院に行った方がいいか」 (60 代 女性) 「80 歳の母親が、血圧を測るたびに 100 台~200 近くになることもあり、値が大きく異なる。薬は 2 種類 飲んいるが、気分も悪いと言う。どう対応したらいいか」 (50 代 男性) 「今まで、血圧は 120 位だったが、3 日前から突然 160 まで上がってしまった。自覚症状はないのだが、 どのような原因が考えられるか。受診は必要か」 (30 代 女性) 生活習慣病予防の中でも血圧のコントロールは重要なものの一つです。ファミリー健康相談でも日常生活 や治療に関して、内科顧問ドクターやヘルスアドバイザーが対応しています。 ファミリー健康相談は、24 時間、年中無休です。いつでもご利用ください。 1 今月の HOT VOICE ◆ 染 色 体 検 査 を受 けるか悩 む ◆ 肺 炎 球 菌 ワクチン接 種 後 、元 気 がない 体 外 受 精 で妊 娠 4 ヵ月 。胎 児 に問 題 がある か ど うか 心 配 な の で、母 体 血 清 マー カー 検 査 を受 けようか悩 む。 (40 代 女 性 ) 肺 炎 球 菌 ワクチンを接 種 してから、元 気 が ない。ワクチン接 種 をしたことと関 係 があるか。 (60 代 男 性 ) (母 体 血 清 マーカー検 査 は、ダウン症 候 群 (21 トリソミー)、18 トリソミー、開 放 性 神 経 管 奇 形 な どの染 色 体 異 常 のスクリーニング検 査 。この検 査 の特 徴 としては 、採 血 の みで検 査 可 能 であ り手 軽 ではあるが 、胎 児 に 異 常 があ るのかどう かは確 定 できない。検 査 を受 けるかどうかにつ いては、かかりつけ医 にメリット、デメリットなどを 含 め相 談 してみよう) ( 肺 炎 球 菌 ワ ク チ ン の 副 作 用 に は 、注 射 部 位 のかゆみ、疼 痛 、発 赤 、腫 脹 、軽 い発 熱 などが ある。ワクチン接 種 により元 気 がなくなったとい う可 能 性 は低 いと思 われる。元 気 がなくなる原 因 としては 、悩 み やストレス などの 精 神 面 や寝 不 足 、疲 れなど身 体 面 からくる場 合 がある。元 気 がない時 は無 理 をせずに充 分 な休 養 と睡 眠 、バランスの良 い食 事 、気 分 転 換 などを心 がけるようにしよう。また、症 状 が長 引 くようであ れば受 診 して医 師 に相 談 しよう) ◆ 禁煙を継続する方法 禁 煙 が 長 続 き し な い 。禁 煙 を 成 功 さ せ る 方 法 を教 えて。 (50 代 男 性 ) (禁 煙 の 意 思 が あ っ て も 、 ニ コ チ ン 依 存 に よ っ て禁 煙 の継 続 が困 難 な場 合 もある。禁 煙 を成 功 させるコツとしては、禁 煙 する理 由 を明 確 に す る 、タ バ コ の 害 や 利 点 を イメー ジ す る 、禁 煙 中 の 努 力 を 思 い 浮 か べ 自 信 を も つ 、周 り の 人 に禁 煙 していることを宣 言 して協 力 してもらうな どがある。失 敗 してもあきらめずに禁 煙 にチャ レ ン ジ す る こ と が 大 切 。ま た 、禁 煙 外 来 な ど で 医 師 に相 談 してみるのも一 つの方 法 ) ◆ 血管年齢の老化を防ぐ食事 血管年齢 の老化を防ぐ食事 簡 易 健 診 で血 管 年 齢 が実 年 齢 よりも高 く出 た 。医 師 か らは 運 動 と 食 事 の 改 善 を 勧 め られ た 。運 動 は 水 泳 や ウ ォ ー キ ン グ を し て い る が 、 食 事 について教 えてほしい。 (60 代 女 性 ) (血 管 の老 化 を遅 らせるのが食 品 の持 つ抗 酸 化 作 用 。特 に 野 菜 に 含 まれ る 色 素 には 、い ろ いろな抗 酸 化 物 質 が含 まれているので積 極 的 に 食 べ よ う 。小 松 菜 や ブ ロ ッ コ リ ー な ど 緑 の 野 菜 、南 瓜 やニンジン、トマトなど黄 ・赤 の野 菜 、 さらに玉 ねぎや大 根 、ニンニクなどの白 い野 菜 をバランスよく取 ると良 い。抗 酸 化 成 分 を有 効 に摂 るには特 定 の食 品 に偏 らず、多 種 類 の食 品 を食 べることが大 切 ) ◆ 両 手 の第 一 関 節 付 近 の腫 れと痛 み 寒 くなると両 手 の第 一 関 節 付 近 の皮 膚 が腫 れ、お湯 を使 うと痛 みが増 す。原 因 として何 が 考 えられるか、治 らなければ何 科 を受 診 したら 良 いか。 (40 代 女 性 ) (寒 さ に よ っ て 皮 膚 の 腫 れ や 痛 み の 症 状 が 出 るのはしもやけや主 婦 湿 疹 の可 能 性 もある。 洗 い物 をする場 合 は、洗 剤 を薄 めたり、ぬるま 湯 や水 を使 うようにして皮 膚 への刺 激 を少 なく し 、保 湿 ク リ ー ム や 手 袋 な ど で 保 護 す る よ う に しよう。症 状 に変 化 がな い 、または悪 化 する場 合 は皮 膚 科 を受 診 しよう) ◆ 風邪予防の食事 大 学 受 験 を 控 えた 子 ど もが いる 。私 が 風 邪 をひいて しまったた め、うつ さないように 気 をつ けたい 。風 邪 をひき にくくす るために食 事 で工 夫 できることを教 えてほしい。 (50 代 女 性 ) (お子 様 の免 疫 力 を高 めることが、風 邪 予 防 に 繋 が る 。あく ま で食 品 であり 、即 効 性 は 望 めな いが、ビタミン A、ビタミン C、ポリフェノールを 多 く含 む果 物 や緑 黄 色 野 菜 などの摂 取 を心 がけることが大 事 。また、鍋 やスープなどの体 を温 める食 品 が お勧 め。普 段 であれば 冷 たい 飲 み 物 を 飲 む 場 合 も 、常 温 ま た は 温 か い も の にするなどの工 夫 も良 い) 2 、 ―― W e b 相 談 ―― ―― お 礼 ―― ◆ 尿酸値が高い ◆ Web相談を利用し参考にしている Web 相談を利用し参考にしている 人 間 ドックで尿 酸 値 が 8.1 と高 かった。内 服 が必 要 か。 (60 代 男 性 ) 自 分 の術 後 の状 態 について Web 相 談 を利 用 し相 談 している。医 師 のアドバイスがありとて も参 考 になっている。今 回 は家 族 の病 気 のこと で、治 療 方 針 につい て相 談 した。専 門 病 院 の 案 内 も しても らい 、とて も助 かった。あり がとう。 (30 代 男 性 ) (高 尿 酸 血 症 は、尿 酸 沈 着 症 の原 因 になる病 態 であり、高 尿 酸 血 症 の期 間 が長 く、また高 度 であるほど痛 風 関 節 炎 、痛 風 結 節 を発 症 し や す く 、そ の 他 肥 満 、高 血 圧 、糖 尿 病 等 の 合 併 とも関 連 があると考 えられる。現 時 点 では無 症 候 性 高 尿 酸 血 症 の可 能 性 がある。薬 物 治 療 の目 安 は尿 酸 値 8.0 以 上 だが、まずは食 生 活 を改 善 することが大 切 。受 診 して指 導 を受 けることを勧 める) ◆ 物忘れが激しく 物忘れが 激しく不安 激しく 不安 外 出 時 に戸 締 りをしたのか記 憶 が曖 昧 だっ た り 、社 用 車 の 鍵 の 返 却 を 忘 れ る こ と が あ る 。 また 書 類 の 整 理 や 収 納 が 上 手 く いか ず 、探 し 回 ることが多 く心 配 。 (50 代 男 性 ) (書 類 を収 納 したことや、鍵 を借 りたこと自 体 は 覚 えていて、日 常 生 活 に支 障 がないことから 加 齢 に伴 う物 忘 れと考 えられる。ただ、認 知 症 の初 期 診 断 は難 しいので、一 度 物 忘 れ外 来 や脳 神 経 内 科 の専 門 医 受 診 を勧 める) ( お 役 に立 て て 良 かっ た です 。ご 心 配 なこ と が ありましたらいつでもご利 用 ください) ◆ 一人暮らしのため安心できる 一人 暮らしのため安心できる いつも何 かあるとすぐ健 康 相 談 に電 話 をし て相 談 して いる 。ド アに爪 を 挟 んだと きの 応 急 処 置 や熱 が出 て不 安 に な ったときなど、優 しく 声 をかけてくれ、丁 寧 に アド バイス しても らえる の で安 心 できる 。一 人 暮 らしの た め 、い つ でも 相 談 できとても助 かっている。 (80 代 女 性 ) (24 時 間 相 談 をお受 けしていますので、いつで も気 軽 にご相 談 ください) ―― 海 外 からの相 談 ―― ◆ ツ反陽性で投薬治療になるが発症が心配 ◆ 1 型糖尿病と 2 型糖尿病の違い 抗 GAD抗 体 の値 が境 界 で経 過 観 察 となっ ている。抗 体 を減 らす方 法 はないと言 われたが そうか。 (50 代 男 性 ) (1 型 糖 尿 病 は、主 に自 己 免 疫 異 常 、ウイルス 感 染 により膵 臓 にあるβ細 胞 が破 壊 されるもの と特 発 性 のインスリン分 泌 機 能 が壊 されるもの がある 。10~20 代 の 若 年 者 に 多 いが 高 齢 者 でも突 然 発 症 することもある。2 型 糖 尿 病 は、 遺 伝 的 、環 境 的 要 因 によるインスリン分 泌 の 低 下 やインスリンに抵 抗 性 をきたす複 数 の遺 伝 因 子 に過 食 、運 動 不 足 などが加 わり、インス リンの作 用 低 下 ・不 足 を招 く。40 歳 以 上 に多 く 発 症 する。抗 GAD 抗 体 (膵 臓 β細 胞 を攻 撃 する抗 体 )は、1 型 糖 尿 病 の原 因 の自 己 抗 体 であり、診 断 する一 つの検 査 であるが、現 在 の 医 学 では直 接 的 にこの抗 体 を中 和 する薬 剤 、 手 法 はない。主 治 医 とよく相 談 しよう) カナダの居 住 地 区 の保 健 所 よりツ反 検 査 を 受 け る よ う言 わ れ 、受 け た ら陽 性 だ った 。BCG を 接 種 し て い る が 、感 染 と 判 断 さ れ 投 薬 治 療 が必 要 とのこと。発 症 した段 階 で他 人 にうつす 可 能 性 があると聞 くが、感 染 の段 階 から発 症 し た場 合 どうやって判 断 するのか。 (カナダ 50 代 男 性 ) ( 日 本 と カナ ダ は 結 核 予 防 に 対 す る 考 え 方 が 異 なり、カナダでは BCG は行 われずツ反 検 査 によるスクリーニングのみ行 われる。ツ反 検 査 陽 性 であ れ ば 結 核 ら感 染 し た と み な され 予 防 投 薬 対 象 となる。日 本 では感 染 法 上 、潜 在 性 結 核 感 染 症 治 療 を行 った者 は治 療 終 了 後 2 年 間 保 健 所 に登 録 され、6 ヵ月 毎 に発 症 がな い か 病 状 把 握 の 対 象 に なる 。カナ ダ も 同 様 の 定 期 診 察 、検 査 など による フォロー があると考 え られ る た め 確 認 を 、と 内 科 顧 問 ド ク タ ー が ア ドバイス) 3 ド ク タ ー か ら の ア ド バ イ ス <内 科 > <泌 尿 器 科 > ■ 核 医 学 検 査 が必 要 か教 えて 2 年 前 に転 落 事 故 で心 破 裂 、中 等 度 の 三 尖 弁 閉 鎖 不 全 となり経 過 観 察 中 です。1 ヵ 月 前 に胸 がぎゅっと痛 み、倒 れこむような症 状 があり、こんなことは初 めてでした。主 治 医 には その痛 みのときに心 電 図 をとらなければ狭 心 症 か どうか わか らな いと 言 わ れま した が 、核 医 学 検 査 が必 要 なのではないか心 配 です。この ■前 立 腺 肥 大 の内 服 治 療 はこのまま でよいか 18 年 前 から前 立 腺 肥 大 で内 服 治 療 中 。 癌 の疑 いはないものの、夜 中 に 1~3 回 はトイ レに行 く状 況 が改 善 されず不 安 です。排 尿 障 害 改 善 剤 、抗 ホルモン剤 、過 活 動 膀 胱 治 療 剤 の 内 服 を 続 けて いま すが 、この 治 療 で良 い のでしょうか。 (80 代 男 性 ) 検 査 を 希 望 して 早 く 受 けた ほうが 良 いでしょう か。 (30 代 女 性 ) 症 状 の改 善 のために処 方 されている薬 ですが、尿 の出 方 に変 化 を起 こすものでもあ 1 ヵ月 前 に胸 部 症 状 が出 てからその後 何 回 か 症 状 が 出 て お り 、狭 心 症 の 疑 い と して 順 次 必 要 な検 査 を行 なっていくと思 われま す。ホルター心 電 図 や負 荷 心 電 図 などを行 な って、より強 く狭 心 症 が疑 われる場 合 は心 臓 カ テ ー テ ル検 査 な ど も 行 う と 考 え られ ま す 。す ぐ に核 医 学 検 査 (心 筋 シンチ)が必 要 とは考 え り、また、薬 の種 類 や量 が正 しいかは、症 状 か らだけでは分 からないものです。1 日 の水 分 摂 取 量 、膀 胱 許 容 量 や 残 尿 の 有 無 な ど が 分 か るとより的 確 な判 断 ができるので、24 時 間 の尿 量 や夜 間 の 1 回 尿 量 をチェックし、主 治 医 に 伝 え、どこが悪 いのかの確 認 や内 服 薬 の調 整 をしてもらうと良 いでしょう。 難 いのですが、医 師 に相 談 して今 後 の検 査 の 必 要 性 について指 示 を仰 ぐことをお勧 めしま す。 〈冬 の転 倒 事 故 〉 フィギュアスケートの羽 生 結 弦 選 手 が練 習 で他 の選 手 と激 突 したにもかかわらず出 場 し、安 全 面 や体 調 面 で賛 否 両 論 が巻 き起 こったことは記 憶 に新 しいところです。頭 部 打 撲 のダメージはその部 位 だけでなく全 身 の状 態 によっては生 命 にも大 きく影 響 を与 えることになり、慎 重 な観 察 と判 断 が必 要 となります。寒 さも本 格 的 になりウィンタースポーツの時 期 になりましたが、スキーやスケートなど雪 の中 や氷 上 でのスポーツは日 常の環 境と違って危 険を伴うことも多 いものです。私たちの日 常 生 活でも凍 結 や悪 天 候で足 元 が滑りやすく なったり、厚 着 で動 きが悪 くったりするなど冬 は危 険 因 子 が増 加 します。転 倒 などで頭 部 を打 撲 したときは、 見た目 には外 傷がない場 合 でも頭 蓋 内 で何が起こっているか分からないため、数 日 間は注 意 が必 要 です。 最 近では自 転 車に乗るときにヘルメット着 用が一 般 的になりましたが、歩 行のときは帽 子をかぶるだけでも若 干 の緩 衝 作 用 があると言 われています。リュックを担 いで両 手 を使 えるようにするなどの予 防 策 も良 いと思 わ れます。事 故を未 然に防ぎ、万が一の対 応 策も万 全に、寒さの厳しい時 期を安 全に過ごしましょう。 4
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