一般 - 武蔵野大学

受
験
番
号
一般
氏
名
平成 25 年度
武蔵野大学大学院 人間社会研究科 人間学専攻 臨床心理学コース 入学試験問題
[ 心理学 ]
Ⅰ.以下の1~5の下線部分と、異なる漢字を用いる語を選べ。解答は、解答欄に記号で記せ。
1
行為心ぱく
ア 強はく行為
2
エ
はく害妄想
オ 正解なし
イ
しん経衰弱
ウ 精しん遅滞
エ
心しん耗弱
オ 正解なし
イ
客かん的心理学
ウ
主かん的輪郭
エ かん定留置
オ 正解なし
夢げん様状態
ア げん影肢
5
ウ 運動心ぱく
直かん的思考
ア かん念奔逸
4
心ぱく停止
心しん喪失
ア 心しん医学
3
イ
イ げん実原則
ウ げん嗅発作
エ げん覚剤
オ 正解なし
ぐん集心理
ア ぐん発自殺
イ
症候ぐん
ウ ぐん隊知能検査
エ ぐん化
オ
正解なし
Ⅱ.以下の1~5の下線部分と、同じ読み方をする漢字を含む語を選べ。解答は、解答欄に記号で記せ。
1
思考伝播
ア 般化模倣
2
エ 電波
オ 正解なし
イ 解離性障害
ウ 葛藤
エ 覚醒夢
オ 正解なし
嗜癖
ア 連合弛緩
4
ウ 播種
選択緘黙症
ア 過剰適応
3
イ 全般性不安障害
イ 自体愛
ウ 疾病利得
エ 習癖異常
オ 正解なし
土居健郎
ア 吉益脩夫
イ 森田正馬
ウ
井村恒郎
エ
- 1 -
野口英世
オ 正解なし
5
措置入院
ア 赦免妄想
イ 窃盗癖
ウ 疎隔感
エ 処遇困難
オ 正解なし
Ⅲ.以下の1~5には人格の発達やライフサイクルに関わるキーワードが4つずつ記してある。それぞ
れの中で、示唆している時期が大きく異なるものをひとつだけ選べ。解答は、解答欄に記号で記せ。4
つのキーワードがすべて同じ時期を示唆していたり、ばらばらな時期を示唆していたりして、妥当な記
号を選べないときには、解答欄にオと記せ。
1
ア 志学(論語)
イ 人生の正午(Jung CG)
2
ア 信頼 vs 不信
イ 喃語
3
ア 而立(論語)
イ 場面緘黙
4
ア 空の巣症候群
イ 上昇停止症候群
5
ア 接触欠如性被害妄想
ウ 中年期の危機
ウ 愛着行動
ウ 統合 vs 絶望
ウ
生殖性 vs 停滞
エ 基本的信頼感
ウ 潜伏期(Freud S)
イ 古希
エ
対象消失の時代
エ 積極性 vs 罪悪感
エ 知命(論語)
エ 不惑(論語)
Ⅳ.心理検査に関する以下の問いの答えを選べ。解答は、解答欄に記号で記せ。正解が2つ以上あると
きは、もっとも妥当と思える答を1つだけ記せ。
1
最重度精神遅滞が疑われる 15 歳の男の子の知能検査を依頼された。使用したいものはどれか。
ア
2
イ WISC-Ⅲ
ウ コース立方体
エ WAIS-Ⅲ
オ 正解なし
HTP の H が意味するものはどれか。
ア
3
田中ビネー
Human
イ House
ウ
Husband
エ Head
オ 正解なし
患者が神経症圏なのか人格障害圏なのか迷っている精神科医が心理検査を依頼してきた。使用したいのはどれ
か(被験者は精神科医ではなく患者である)
。
ア
4
イ
Y-G 性格検査
ウ
P-F スタディ
エ ロールシャッハ・テスト
オ 正解なし
脳の器質的障害が病態に影響を与えているかどうかの示唆を求められた。使用したいものはどれか。
ア
5
SCT
BGT
イ
ソンディ・テスト
ウ MAS
エ WPPSI
オ 正解なし
どのように工夫しても、全盲の被験者には施行できないものはどれか。
ア
Y-G 性格検査
イ
SCT
ウ MMPI
エ BGT
- 2 -
オ 正解なし
Ⅴ.防衛機制に関する以下の問いの答えを選べ。解答は、解答欄に記号で記せ。
1
アドラーの提唱した概念に関連する防衛機制はどれか。
ア
2
エ projection
オ 正解なし
intellectualization
イ suppression
ウ
projection
エ denial
オ 正解なし
regression
イ suppression
ウ
projection
エ compensation
オ
正解なし
モナ・リザとの関連で論じられることがある防衛機制はどれか。
ア
5
ウ identification
受け入れられない欲求を他人に振り向ける防衛機制はどれか。
ア
4
イ undoing
医学書を読み漁る障害児の母親に働いている防衛機制はどれか。
ア
3
regression
intellectualization
イ suppression
ウ
sublimation
エ
undoing
オ 正解なし
弟が生まれて赤ちゃん返りする兄に働いている防衛機制はどれか。
ア
denial
イ
undoing
ウ compensation
エ regression
オ
正解なし
Ⅵ.心理学領域に関連のある以下の本の著者を選べ。解答は、解答欄に記号で記せ。
1
『動物の知能、実験的研究』
(1911)
ア
2
James W
エ Watson J
オ
正解なし
Lorenz K
イ
Bergson H
ウ Merleau-Ponty M
エ Wundt W
オ 正解なし
Winicott DW
イ Klein M
ウ Adler A
エ Horney K
オ
正解なし
『エクリ』(1966)
ア
5
ウ
『個人心理学の実践と理論』
(1920)
ア
4
イ Pavlov IP
『創造的進化』(1907)
ア
3
Thorndike EL
Jaspers K
イ Bergson H
ウ Binswanger L
エ
Lacan JM
オ 正解なし
『精神診断学』(1921)
ア
Wechsler D
イ Kretchmer E
ウ
Szondi L
エ
Piaget J
オ 正解なし
Ⅶ.以下の1~5には、それぞれ4つずつ心理学に関わる略号と正式名称の組み合わせを記してある。
それぞれのa~dについて、正しいものに○、誤っているものに×をつけ、その組み合わせを下表に照
らし合わせよ。解答は、解答欄にア~オの記号で記せ。
- 3 -
ア
イ
ウ
エ
オ
1
2
3
4
5
a
○
×
×
○
○
b
×
○
×
○
○
c
×
○
×
○
○
d
○
×
○
×
○
a
LSD ― Lysergic acid diethlamide
b
c
OCD ― Obsessive-compulsive disorder
a
ADL ― Activities of daily living
c
IQ ― Intelligence Question
a
ACT ― Assertive Community Treatment
c
WHO ― Western Health Organization
a
REM ― Rapid eye movement
c
POMS ― Profile of Mood States
a
AA ― Alcoholics Anonymous
c
CBT ― Cognitive behavior therapy
MMPI ― Minesota Multiphasic Personality Inventry
d
AIDS ― Ancient immunodeficiency syndrome
b BPD ― Borderline personality depression
d
NPD ― Narcissistic personality disorder
b LD ― Listening disabilities
d
MBD ― Minimal brain dysfunction
b MA ― Mental age
d ADHD ― Attention deficit hyperactivity disorder
b DSM ― Diagnostic and Statistical Manual
d
WAIS ― Wechsler Adult Intelligence Scale
Ⅷ.精神分析に関する以下の設問に答えよ。解答は、解答欄に記号で記せ。
1
イギリス学派と見なすことができないのは誰か。
ア
2
エ Segal H
オ
正解なし
Lacan J
イ Fairbairn WRD
ウ Mannoni 夫妻
エ Dolto F
オ 正解なし
Federn P
イ Hartmann H
ウ Erikson EH
エ Spitz R
オ
正解なし
ネオ・フロイト学派と見なすことができないのは誰か。
ア
5
ウ Bion W
米国におけるフロイト学派と見なすことができないのは誰か。
ア
4
イ Freud A
ラカン学派と見なすことができないのは誰か。
ア
3
Klein M
Fromm E
イ Fromm-Reichmann F
ウ
Horney K
エ Sullivan HS
オ 正解なし
パリにおけるフロイト学派と見なすことができないのは誰か。
ア
Boss M
イ
Nacht S
ウ Lagache D
- 4 -
エ Levobici S
オ 正解なし
Ⅸ.以下1~5の各問につき、a~dの文章の正誤を判定し、正しい文章の組み合わせとして、もっと
も適切なものを下のア~オから1つ選べ。解答は、解答欄に記号で記せ。
ア aとb
1
イ bとc
ウ
cとd
エ
aとd
オ すべて誤り
a 元型の 1 つである影は、完全な統合の達成を目指す存在とされ、統合に向かって努力している様子は、曼
荼羅で象徴的に表されている。
b
精神科医の子供が成長したときに精神科医になっている可能性は、単に医者になっている可能性よりも高
い。
c
シュナイダーの一級症状には、話し掛けと応答の形の幻聴や思考化声、身体への影響体験、思考伝播、妄
想知覚などが含まれる。
d
集団の成員の間の心理的関係や集団構造の測定に関してモレノが創始し、その後継者たちによって体系付
けられた理論をソシオメトリーと呼ぶ。
2
a アルツハイマー病による記憶の障害では、初めに即時記憶の障害が目立ち、次いで近接記憶、遠隔記憶の
順に障害が明らかになっていくことが多い。
b
マスローの欲求階層説の構造は、下位の欲求から順に、生理学的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、自
己実現の欲求、尊敬の欲求となっている。
c
系統的脱感作法は、古典的条件付けの消去の理論を前提にしており、恐怖や不安を除去する手続きとして
用いられる。
d
いつ、どこで、どのように経験されたのかが明らかな記憶をエピソード記憶、時間的、空間的に規定でき
ない記憶を意味記憶と呼ぶ。
3
a 実験心理学では、現象を観察して検証可能な仮説を立て、仮説検証のためのデータを集め、統計的検討を
施し理論を構築するという演繹的方法をとる。
b
複雑な意識現象も、単純な心的要素に分析された後、再結合されることによってその構造を探ることがで
きるという立場は、連合心理学のものである。
c
知覚現象そのものはどのようなもので、どのような条件・要因で成立するかを問題にする立場は、実験心
理学のものである。
d
心的経験は個々の要素の寄せ集めによって成り立っているのではなく、形作られた全体として直接に経験
されるという立場は、ゲシュタルト心理学のものである。
4
a 耳に入った音声信号は、聴覚連合野からブローカの言語野を経て、ウェルニッケの言語野に伝えられる。
b
逃避や回避が不可能な場面で嫌悪刺激を与え続けると、逃避・回避学習が成立し難くなる学習性絶望は、
統合失調症の疾病モデルと考えられている。
c
精神遅滞児に生活習慣を身に付けさせたり、自閉症児にコミュニケーションの仕方を身に付けさせたりす
る場合には、古典的条件付けの原理を適用できる。
d
PTSD の治療では、外傷の再体験を防ぎながら、保護的、支持的な環境を作り上げるほか、症状の軽減を目
的とした精神刺激薬などの薬物療法も効果的である。
- 5 -
5
a 人間の新生児が動くものに追従する刷り込み(imprinting)は、生後ごく僅かな期間しか起こらず、再学
習もできない。
b
古典的条件付けとは、2 種の刺激が対提示されたときに生じる学習過程であり、パブロフ型条件付けある
いはオペラント条件付けと呼ばれることもある。
c
道具的条件付けは、反応と強化の間の遅延時間が長いほど条件付けが容易であり、反応に対してすぐ強化
が与えられると成立し難くなる。
d
試行錯誤学習では徐々に学習が生じるので学習曲線は滑らかになるが、選択的学習では洞察した時点で急
に学習が成立するので学習曲線は不連続になる。
Ⅹ.以下1~5の各問につき、a~dの文章の正誤を判定し、正しい文章の組み合わせとして、もっと
も適切なものを下のア~オから1つ選べ。解答は、解答欄に記号で記せ。
ア aとb
1
イ bとc
ウ
cとd
エ
aとd
オ すべて誤り
a 部分強化で訓練された行動は、連続強化で訓練された行動よりも消去し難い。これを部分強化消去効果と
呼ぶ。
b
あらかじめ条件付けが形成されている刺激と新たな刺激を対提示することによって生じる条件付けを、オ
ペラント条件付けと呼ぶ。
c
認知行動療法では、患者が持っている非論理的な信念を変容することに治療の焦点が合わせられ、技法と
して精神分析が利用されている。
d
暗記学習をするときに、初めに覚えたことを思い出しやすいのは初頭効果、最後の数項目を思い出しやす
いのは親近性効果のためである。
2
a 不適応行動を減らし、望ましい行動を強化するため、集団内でのみ通用するトークンを望ましい行動の直
後に与える方法を、トークン・エコノミー法という。
b
泣くから悲しいのであり、殴るから腹が立つのであり、震えるから恐ろしいのである、という説は、キャ
ノン・バード説に由来している。
c
外的な発声を伴わない内面化された思考のための言語活動を、ヴィゴツキーは自己中心語と呼んだ。
d
新たにものを覚えることを記銘、その覚えたものを頭に入れておくことを保持、必要に応じて思い出すこ
とを想起と呼ぶ。
3
a 生得的動因には渇き、飢え、性的動因、内発的動機付けなどが含まれ、飢えや渇きはホメオスタシスと呼
ばれる心理学的機序を基礎としている。
4
b
セリエの提唱した汎適応症候群とは、生体が特異的な刺激に対して起こす防御反応の現れである。
c
演繹的推論とは、経験やデータを元にして、ある事象が確率論的に正しいと判断することである。
d
ノンレム睡眠中には、急速な眼球運動が見られ、身体の筋肉は弛緩して脱力した状態になる。
a 複雑な精神作用を、観念や感覚などの簡単な精神的要素の連合によって説明する心理学は、構成心理学と
呼ばれる。
- 6 -
b
精神物理学的測定法における調整法では、あらかじめ設定された刺激強度の異なる刺激を無作為に多数回
提示して、各刺激に対する反応の出現率を算出する。
c
精神分析学では、複雑な意識現象も単純な心的要素として分析した後にその結果を再統合することによっ
て構造を探ることができると考える。
d
行動主義では、動物心理学の研究に使われるのと同じ客観的方法、すなわち内観法を人間の心理の研究に
も用いなければならないと考える。
5
a 反射、走性、本能行動などの生物が生まれ付き持っており、発現に経験を必要としない行動を獲得的行動
という。
b
古典的条件付けを行った後で、条件刺激と類似の刺激を呈示した場合にも条件反応が生じることを、般化
と呼ぶ。
c
何かを学習するときに、それまでに学習してきたものの影響で学習が促進されたり阻害されたりすること
を、学習の転移という。
d
他人がある反応を行い、強化を受ける事態を観察するだけでその反応の生起率が増えることを迷信行動と
呼ぶ。
- 7 -