「自然はおもしろい 不思議がいっぱい!」(第3回) のびたんの三木山自然歳時記 「 立 夏 」 5月5日から、二十四節気では「立夏(りっか)」です。立夏とは、暦のうえで夏がはじ まる日で、この日から立秋の前日までが夏です。 山野に新緑が目立ち、さわやかな風が吹き、夏の気配が感じられる日 もあります。暖かい5月の陽ざしをあびて、植物はぐっと大きくなり、 淡い緑色の葉っぱも、色が濃くなってきました。前回話題にした、スミ レの葉も、花が咲いた後大きくなっています。春の初めころに見た葉の 形からどれだけ大きくなったか、観察してください 野山では、今、紫のかわいい小花のフジの花やモチツツジ・ヤマツツ ジなどが咲いています。ツツジの仲間はやせた酸性の土に好んで生える (新緑が濃くなってきた三木山) 植物で、六甲山系は「つつじのパラダイス」と言われるほど、ツツジが多いです。 三木山森林公園では、ピンク色の大きな花のモチツツジが咲いていますが、花の付け根を触るとねば ねばしてトリモチのようなのでこの名前がつきました。ツツジの花はラッパ型が特徴で、ツツジの花の 蜜を吸っているのは、アゲハチョウの仲間が多いようです。ツツジの花と、大型の蝶で黒と黄色の鮮や かな色合いのアゲハチョウとのコントラストを楽しんでください。 (とっておきの話題) 虫との関わり・ツツジの花のしくみ ツツジの花は,虫に来てもらうための巧妙なしくみを備えています。ツツジの花を見ると、上方の花 びらにだけヒョウ柄模様の斑点があります。この斑点は、一般に「蜜 標(みつひょう)」、または「ネクターガイド」と呼ばれ、昆虫に蜜 のありかを教える目印で、花粉を運んでもらうよう昆虫をガイドす るためのものです。また、花の中をよく見ると、上方の花びらの中 央が縦に管状にくびれて、1本のおしべを抱いています。ツツジに は 10 本のおしべがあり、そのうち 1 本は短く短いですが、それが蜜 のありかを教えているとのことで す。また、その反面、虫が近づかないようにするしくみもあります。 モチツツジのガクの部分を触ってみると、毛がびっしりはえて粘着質 になっていますが、これは、アブラムシなどの昆虫の食害からつぼみ (ツツジの花を分解すれば) を守る役割をはたしているのです。 いろんな生き物クイズQ&A(第2回) 質問Q :アゲハチョウは、どうやって花の蜜(みつ)をとるの? A : ① 長い舌を伸ばして、蜜をなめる。 ② ストローのような口を伸ばして、蜜を吸う。 ③ 触覚に蜜をつけて、口に運ぶ。 ※解答は、次回5月 21 日頃発行予定の「小満編」で。お楽しみに! (花の蜜を吸うアゲハ)
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