19 11. 当科における腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術の導入 札幌医科

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当科における腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術の導入
札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 ○ 植木知身、古畑智久、沖田憲司、西舘敏彦、川本雅樹、秋月恵美、 及能拓朗、水口徹、平田公一
腹腔鏡下手術が一般化し、胃、大腸はもとより肝、膵の領域にまで広がって
おり、当科では大腸癌手術の腹腔鏡下手術の割合は 90%を超えている。以前は、
鼠径ヘルニアに対し Kugel 法や Mesh plug 法を行ってきたが、今年度より腹腔
鏡下ヘルニア修復術の適応を開始した。2013 年 2 月に導入し 2013 年 10 月まで
に 13 例施行した。患者の平均年齢は 68 歳、男性 8 症例、女性 5 症例。内鼠径
ヘルニアが 3 側、外鼠径ヘルニア 8 側、併存型 1 側、大腿ヘルニア 1 側(1 症
例は両側ヘルニア)。平均手術時間は 122.5 分(両側ヘルニア含む)、後期の症
例で手術時間の短縮傾向を認めた。術後平均在院日数は 5.5 日、術後合併症は
偽膜性腸炎が 1 例であった。腹腔鏡下ヘルニア修復術を導入することによって、
他科の腹腔鏡手術との同時手術の依頼が増加した。腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術
は、手術の基本操作である層の剥離操作や体腔内での結紮、縫合のトレーニン
グとなる。今後は後期研修医にも術者を経験させる機会を設けていきたいと考
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