4-5-1 妊娠と薬情報センター事業 厚生労働省の事業として 2005 年 10 月 1 日に国立成育医療センター内に開設された「妊 娠と薬情報センター」は 3 年目を迎え、相談申込件数は昨年度の倍である 711 件となった。 2007 年 2 月から申し込みのあった中でリスクのない薬剤について試験的に電話相談を行 っていたが、2008 年 2 月の 1 ヶ月間は問診も電話でとってみたので他月に比べ多くなって いる。成育医療センターの「妊娠と薬外来」は周産期診療部の医師と薬剤部の薬剤師がペ アで行っている。今年度は電話相談や協力病院での相談が可能になったためか横ばいであ った。都道府県別の件数は表 2 のとおりである。相談のきっかけは医師からすすめられた 406 例、自らの希望は 287 例であった。相談者の妊娠中か否かについては妊娠中 515 例、非 妊娠中 196 例であった。妊娠中の相談者で調査協力に同意のあった例(711 例中 638 例)を 対象に妊娠結果の調査を施行しているが、今年度に調査対象となった例の調査結果取得率 は 86%であった(表 3)。 2008 年 4 月から新たに 6 か所の拠点病院(表 3)が加わることになり、3 月 14 日~3 月 16 日に協力病院で実務を担当する医師、薬剤師を対象に研修を行った。講師を含め研修参 加者は 41 名であった。 2007 年 6 月 28 日、成育ステートメント(相談者に提供する情報)検討委員会を開催し、 葉酸、ワクチンの妊娠中の取り扱いについて議論された。 2007 年 10 月 4 日、妊娠と薬情報センター開設 2 周年を記念して、横浜大学医学部産婦人 科教授の平原史樹先生によるサリドマイド薬禍から半世紀 ―先天異常モニタリングのこ れまでとこれから―という講演が行われた。 表1、2007 年度、妊娠と薬情報センター業務実績 2007 年 項目/年月 4 電話相談 回 答 数 5 6 7 8 2008 年 9 10 11 12 1 2 3 6 7 11 14 18 5 12 16 17 11 39 21 成育外来受診 12 18 14 9 9 17 16 15 9 8 11 16 回答書送付 18 30 38 31 21 23 31 33 34 27 28 28 36 55 63 54 48 45 59 64 60 46 78 65 75 85 65 77 71 74 106 123 99 89 122 91 合 計 電話問い合わせ 表 2、都道府県別相談申込件数 東京都 191 栃木県 7 富山県 3 神奈川県 103 奈良県 7 沖縄県 2 67 岐阜県 6 高知県 2 千葉県 大阪府 57 群馬県 6 山形県 2 埼玉県 52 京都府 5 山口県 2 茨城県 44 愛媛県 4 滋賀県 2 北海道 28 広島県 4 石川県 2 兵庫県 25 三重県 4 岩手県 1 愛知県 22 長崎県 4 鹿児島県 1 静岡県 15 福岡県 4 秋田県 1 福島県 10 岡山県 3 新潟県 1 宮城県 9 山梨県 3 大分県 1 長野県 8 青森県 3 表 3、2007/4/25~2008/3/25 に送付した調査結果に係るはがきの回収状況(2007 年 3 月分 娩予定~2008 年 2 月分娩予定) 送付対象数 305 回答数 262 調査不能 未回収 3 40 表 4、「妊娠と薬情報センター」協力病院 仙台医療センター 2007 年度から参加 筑波大学病院 大阪母子保健総合医療センター 北海道大学病院 名古屋第一日赤病院 2008 年度から参加予定 金沢医療センター 奈良県立医大病院 広島大学病院 九州大学病院 2.3 研究・啓蒙活動 (本事業に直接関係したもののみ掲載、他は周産期診療部、薬剤部業 績を参照されたい) 渡 辺 央 美 : NIH ( 米 国 )、 CIHR ( カ ナ ダ ) 共 同 主 催 3rd Annual Summer Institutes Maternal-Fetal Pharmacology Reproductive and Perinatal Epidemiology 2007/7/29~8/4 の研修に参加。 渡辺央美、石井真理子:国立看護大学校助産課程講義「妊娠・授乳と薬」講義 2007.6.22 村島温子: 「母体と(胎)児にとって適切な薬物療法」の情報提供. 第 110 回日本小児 科学会学術集会, 京都, 2007.4.20 村島温子: 妊娠と薬情報センターの展望. ーサイエンス総合研究推進事業 2008.2.10 厚生労働省医薬品医療機器等レギュラトリ 妊娠と薬―リスク分類の現状と新たな展開―, 東京,
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