ペット用トイレ砂 - 日本中毒情報センター

公益財団法人 日本中毒情報センター 保健師・薬剤師・看護師向け中毒情報
【ペット用トイレ砂】Ver.1.00
公益財団法人 日本中毒情報センター
保健師・薬剤師・看護師向け中毒情報
ペット用トイレ砂
1.概要
犬、猫をはじめ小動物のかごやトレーに敷いて使用するもので、大きさは小石状
から砂状までさまざまである。尿など水分を吸水するベントナイト、ゼオライト、
パルプ、珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、シリカゲル、高分子吸収体などを主成分
(60~100%)としており、その他消臭剤、抗菌剤などが少量含まれている商品もある。
2.毒性
ベントナイト:経口ヒト推定致死量 >15g/kg、実際上無毒 1)
ゼオライト:ほとんど無毒
珪酸カルシウム:経口摂取の場合の毒性は無視しうる 3)
硫酸カルシウム:ほとんど無毒 1)
シリカゲル(二酸化珪素水和物として):経口ラット LD50 22.5g/kg 2)
高分子吸収体:経口ラット,マウス LD50 >4.8g/kg(メーカーより)
3.症状
通常の誤食程度では中毒症状を示さない
大量摂取の場合、物理的刺激による消化器症状(悪心、嘔吐、下痢など)
気道に落ちた場合は、気道異物としての問題がある。
症状は、嗄声、乾性咳嗽、呼吸困難、チアノーゼ、シーソー呼吸など
4.処置
家庭で可能な処置
水分補給
医療機関での処置
誤食程度なら、積極的な処置は不要
症状がある場合:対症療法
5.確認事項
1)摂取量:大量か、なめた程度か
2)患者の状態:咳き込み、呼吸困難など気道に落ちた様子はないか
6.情報提供時の要点
1)少量の場合は家庭で経過観察し、症状があれば受診を指示
2)気道内異物の可能性があるときは、必ず医療機関に受診を指示
注意:砂状の製品は、吸入する可能性があるので注意が必要
8.参考文献
1)Poisindex(1999)
2)RTECS(1996)
3)産業中毒便覧(1984)
9.作成日
19990900 Ver.1.00
ID M70239_0100_2
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