サソリ(在来種)刺傷 - 日本中毒情報センター

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【サソリ(在来種)刺傷】Ver.1.00
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サソリ(在来種)刺傷
1.概要
日本に生息するサソリには、マダラサソリとヤエヤマサソリがあり、いずれも弱
毒種である。マダラサソリは小笠原諸島、宮古列島、八重山列島と硫黄島に、ヤエ
ヤマサソリは八重山列島のみに生息する。しかし、近年ペットとして、毒性の強い
外来種のサソリが飼われていたり、海外から木材・農産物を輸入する際に紛れ込む
ことがあり、これらによる事故も発生している。
また、尾端から酢酸臭の強い液(酢酸を主成分としカプリル酸を含む水溶液)を
噴射するサソリモドキ類は外観がサソリとよく似ており、生息地域も南九州~沖縄
諸島にかけてと在来サソリと重なっているので誤認されやすい。(サソリモドキに
は毒針がないので容易に区別がつく。) (1)(2)(4)
2.毒性
致死的な毒は持たない。
(1)(4)
在来種のサソリは弱毒なので放置しても数時間ないし数日で軽快する。
3.症状
疼痛、発赤、腫脹などの局所症状のみ。
(1)
4.処置
現場で可能な処置
局所にステロイド軟膏を塗布し、腫れがひどい場合は水で湿布する。
医療機関での処置
対症療法
(1)
5.確認事項
・サソリの種類を確認する。
(外来種には、全身症状がでる種もある:[その他]の項参照)
・刺された時の状況を確認する。
6.情報提供時の要点
・全身症状を認めたり、疼痛、発赤、腫脹など局所の炎症症状が強い場合
は医療機関へ受診を指示。
・通常は経過観察。5 歳以下の子供では、全身的な症状に注意して観察を指示
(4)
7.その他
外来種の一部では、疼痛、発赤、腫脹に次いで同部の乾性壊疽が起こる。毒性
の強い種(Buthidae 科など)であれば意識障害、呼吸障害、循環障害とを引き起こ
す例があり、治療を怠ると昏睡や不可逆性のショックで死亡することがある。
予後は負傷者の年齢(小児でより重傷)、季節(乾季でより重傷)、刺した種に
よってまちまちであるが、サソリ刺傷の予後は一般的には良好である。(2)
8.該当するサソリ
マダラサソリ Isometrus europaeus
ヤエヤマサソリ Liocheles australasiae
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9.誤認しやすい虫
アマミサソリモドキ、タイワンサソリモドキ
(地方名:ムチサソリ、シリオムシ)
10.参考文献
1)(財)日本自然保護協会:フィールドガイドシリーズ 2 野外における危険な生物,
(株)平凡社,1994
2)AMDA(アジア医師会連絡協議会) ホームページ(Internet)
3)Poisindex, Micromedex Inc.,2000;Vol 105.
4)諸喜田茂充:沖縄の危険生物,(有)沖縄出版,1986
11.作成日
20010813 Ver.1.00
ID M70310_0100_2
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