特 許 公 報 特許第5752606号

〔実 16 頁〕
特 許 公 報(B2)
(19)日本国特許庁(JP)
(12)
(11)特許番号
特許第5752606号
(45)発行日
(P5752606)
(24)登録日 平成27年5月29日(2015.5.29)
平成27年7月22日(2015.7.22)
(51)Int.Cl.
FI
C11D
1/10
(2006.01)
C11D
1/10
C11D
1/22
(2006.01)
C11D
1/22
C11D
1/72
(2006.01)
C11D
1/72
C11D
3/43
(2006.01)
C11D
3/43
C11D
3/20
(2006.01)
C11D
3/20
請求項の数7
(全26頁) 最終頁に続く
(21)出願番号
特願2011-549162(P2011-549162)
(86)(22)出願日
平成22年2月5日(2010.2.5)
アメリカン
(65)公表番号
特表2012-516930(P2012-516930A)
アメリカ合衆国
(43)公表日
平成24年7月26日(2012.7.26)
(86)国際出願番号
PCT/US2010/000332
(87)国際公開番号
WO2011/008225
(87)国際公開日
平成23年1月20日(2011.1.20)
審査請求日
平成24年1月16日(2012.1.16)
(31)優先権主張番号
12/322,702
(32)優先日
平成21年2月5日(2009.2.5)
(33)優先権主張国
米国(US)
(31)優先権主張番号
12/658,234
(32)優先日
平成22年2月4日(2010.2.4)
(33)優先権主張国
米国(US)
(73)特許権者 302044247
ステリライザー
オハイオ
メンター,ヘイズリー
カンパニー
44060,
ロード 5960
(74)代理人 100108855
弁理士
蔵田 昌俊
(74)代理人 100091351
弁理士
河野 哲
(74)代理人 100088683
弁理士
中村 誠
(74)代理人 100109830
弁理士
福原 淑弘
(74)代理人 100075672
弁理士
峰 隆司
最終頁に続く
(54)【発明の名称】低臭の硬表面殺芽胞剤および化学除染剤
1
2
(57)【特許請求の範囲】
ミンアルカリ剤は、使用の直前に混合されて、過酢酸溶
【請求項1】
液を生成するキット。
芽胞を根絶するための低臭除染キットであって:
【請求項2】
a.ジアセチルメチルアミン(DAMA)が溶媒中に分
過酸化水素を含む前記水溶液は、過酸化水素が前記キッ
散したDAMA分散液であって、前記DAMAが前記キ
ト中の成分の総重量に基づいて8重量%未満の量で存在
ット中の成分の総重量に基づいて0.5ないし10重量
する請求項1に記載のキット。
%の範囲内の量で存在するDAMA分散液と;
【請求項3】
b.水酸化アンモニウム、エタノールアミン、2−(メ
過酸化水素を含む前記水溶液は、過酸化水素が前記キッ
チルアミノ)エタノール、R−(−)−2−アミノ−1
ト中の成分の総重量に基づいて3重量%未満の量で存在
−ブタノール、または2−(tert−ブチルアミノ) 10
する請求項1に記載のキット。
エタノールを含むアミンアルカリ剤と;
【請求項4】
c.過酸化水素を含み、過酸化水素が前記キット中の成
過酸化水素を含む前記水溶液は、過酸化水素が前記キッ
分の総重量に基づいて10重量%未満の量で存在する水
ト中の成分の総重量に基づいて1.5重量%未満の量で
溶液と;
存在する請求項1に記載のキット。
d.任意に、前記DAMA分散液に含まれる界面活性剤
【請求項5】
と;
前記界面活性剤は、n−オレオイルサルコシナート、ア
e.任意に、バッファと;
ルキルジフェニルオキシドジスルホナート、ポリオキシ
f.水と
エチレンソルビタンモノラウラート、ドデシルベンゼン
を含み、前記DAMA分散液、過酸化水素溶液およびア
スルホン酸、またはこれらの組み合わせを含む請求項1
( 2 )
JP
3
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4
に記載のキット。
努力をしていても、器具、材料および表面のC. di
【請求項6】
ff細菌によって生み出された芽胞での汚染は頻繁に起
前記溶媒は、イソプロパノール、乳酸エチル、もしくは
こる。理由の一部は、C. diff芽胞は、表面上で
エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、ま
長期間にわたって生き残ることができ、本質的に破壊す
たはこれらの組み合わせである請求項1に記載のキット
るのが難しいことにある。芽胞を根絶する入念な努力が
。
必要であり、これは芽胞およびそれらを生み出す細菌に
【請求項7】
対する効能を有する消毒清浄化組成物の使用を必要とす
前記過酸化水素溶液はアニオン性、非イオン性または両
る。
性界面活性剤をさらに含む請求項1に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【0006】
10
同様に、製薬産業において、製造工場は、細菌、ウィル
【発明の概要】
ス、真菌、芽胞(芽胞形成菌を含む)および他の生物学
【0001】
的汚染物質による汚染のせいで、数多くの製品のリコー
合衆国政府は、EBCB規約第W911SR-06-C-0048を受けて、
ルおよびプラントの停止を経験している。製薬器具およ
本発明の一定の権利を有しうる。
び表面を清浄化するための消毒滅菌製品の使用が増加し
【0002】
てきている。
相互参照
【0007】
本願は、参照によりここに全てが組み込まれる、200
生物学的物質、特に芽胞で汚染された表面の清浄化およ
9年2月5日に出願された「Low Odor, Hard Surface S
び消毒で使用される主な製品は、ほとんどが酸化性組成
poricide」と題した米国特許出願シリアル番号12/3
物、たとえば液体または粒状の次亜塩素酸塩溶液(漂白
22,702の一部継続出願である。
20
剤)、または過酸化水素系の製品、たとえばSandia国立
【0003】
研究所で開発されたEast Decon(登録商標)である。C
発明の分野
. diffに特有であるが、ほとんどの医療施設での
本発明は、低臭の液体除染/消毒組成物を対象としてお
実施基準は、次亜塩素酸ナトリウムをベースとした、漂
り、この組成物は、混合すると低濃度の過酢酸を含む水
白剤としても知られている製品を使用することにある。
溶液を提供する複数成分を含み、この水溶液は細菌、ウ
次亜塩素酸塩系の消毒剤は、調査および疫学によってC
ィルス、真菌および他の化学的または生物学的な汚染物
. diffの進行中の伝染が発見される患者治療区域
質または兵器(warfare agent)(限定されないが、デ
での表面殺菌に関して多少成功して使用されてきた。現
ィフィシレ菌(C. diff)、スポロゲネス菌およ
在、EPAに登録された製品にC. diff芽胞を死滅さ
び炭疽菌、マウスパルボウィルス、ならびにマスタード
せるのに特有のクレームを有するものはないが、次亜塩
ガス、神経ガスおよび他の化学兵器および生物兵器が挙 30
素酸塩を含有する数多くの登録製品が存在する。以下に
げられる)で汚染された物品および表面を除染するのに
論じるように、現在入手可能な「漂白剤」製品の使用は
使用される。本発明の組成物は、2種類以上の別々にパ
、芽胞の根絶における効能を達成できるが、多くの欠点
ッケージされた成分を混合することによって使用直前に
を有する。
調製する。
【0008】
【0004】
芽胞および芽胞形成菌を根絶するために製薬産業で使用
発明の背景
される製品は酸化性薬品に頼っており、そのうちの1種
近年、とりわけ、生物兵器としての炭疽菌、病院内での
が過酸化水素である。医療施設での次亜塩素酸塩系製品
C. diffの流行、および動物実験室内でのマウス
の使用と同様に、製薬産業での細菌の死滅のための過酸
パルボウィルスによる脅威のせいで、環境に配慮する殺
化水素薬品の使用も多くの不利益を被る。
芽胞剤への関心が高くなってきた。重要な環境市場、た 40
【0009】
とえば病院、研究室、診療所ならびに研究および製造施
多くの殺芽胞製品が市販されている。次亜塩素酸塩およ
設では、硬表面を消毒、滅菌および除染するのに使用で
び過酸化水素に加え、アルコール、過酢酸(PAA)、
きる、殺芽胞効能が向上した製品に大きな関心がある。
過酢酸をアルコール、次亜塩素酸塩または過酸化物と配
化学兵器および他の生物兵器で汚染された表面を広範な
合したものを含有する製品、ならびに過酸素源およびア
状況で清浄化および除染することにも大きな関心がある
セチルドナーを利用して過酢酸および過酸化水素の両方
。
を発生させる種々の製品が消毒剤または滅菌剤として利
【0005】
用可能である。これら市販製品は、部分的には有効であ
C. diff芽胞への曝露に関連する院内感染は一般
るものの、幾つかの不利益を有する。
的な医療危機である。C. diffの感染は、多くの
【0010】
患者集団の生命を脅かすものであり、感染制御に最善の 50
これらの製品の多くは、活性成分の高濃度のせいで、審
( 3 )
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美的および取り扱い上の不利益、たとえば刺激の強さ(
ッケージングを必要とし、輸送方法が限られており、制
酸性度またはアルカリ度)、強い臭気、ならびに皮膚お
御された輸送システムなしでは不安定である。保管も問
よび粘膜への刺激作用を有する。現在市販されているほ
題含みである。非常に腐食性であり熱に敏感な大量の液
とんどの製品は、曝露を抑えるため、それらの適用中に
体の保管は安全性の問題がある。漂白剤(次亜塩素酸塩
非常に扱いにくい個人保護器具を使用することを必要と
)は高温で迅速に分解し、効能の著しい損失をもたらし
し、それによりそれらのコストを上げる。したがって、
、そのため保管寿命が制限される。過酸化水素は高温で
これらの知られている除染製品の使用、保管および移動
自発的におよび不可逆的に分解する。また、次亜塩素酸
は、身体的および健康面での大きな危険と、運送、取り
塩系および過酸化水素系材料は両方とも、不潔物または
扱いおよび保管における物流課題とを引き起こす。
【0011】
ブローイングサンドなどの環境汚染物質に曝されると迅
10
特に芽胞に関しては、アルコール系消毒剤単独ではC.
速に分解するであろう。
【0015】
diffに対しても他の芽胞に対しても芽胞形成菌に
金属基材に加えて、漂白剤および過酸化水素は、多くの
対しても効果がない。液体過酸化水素単独では、その反
非金属基材、たとえば塗料、軟質金属、ゴムおよびプラ
応性を高めるための添加剤なしでは、芽胞に対しても他
スチックなどに適合しないことにさらに気付かれたい。
の生物学的汚染物質に対しても効果がない。
【0016】
【0012】
同様に、過酢酸は、生物学的および化学的汚染物質の両
次亜塩素酸塩漂白剤は、C. diffに対して有効で
方に対して高レベルの除染、消毒および滅菌を達成でき
あるが、上述の不利益が伴う。
るが、濃過酢酸溶液は腐食性であり、強酸化剤である。
加えて、次亜塩素酸ナトリウムは材料適合性に乏しい。
強酸化剤は搬送および取り扱いに費用がかかる。また、
ほとんどの次亜塩素酸ナトリウム製品は本質的にアルカ 20
それらは、パッケージング中に加えて、使用中に顧客に
リ性であり、多くの材料、たとえばステンレス鋼、真鍮
対する安全面での危険を引き起こす。典型的に、液体の
および銅に対して腐食性である。加えて、次亜塩素酸ナ
過酢酸は極めて不安定であり、製品パッケージにおける
トリウムは、病院の表面で通常使用されているワックス
残りの調合物と隔離しなければならない。別々のパッケ
を「剥がし取る」ことがあり、それをモップがけするこ
ージを用いても、過酢酸を含有する製品は保管寿命が限
とを実行不可能な選択肢にすることが分かっている。さ
られる傾向がある。
らに、次亜塩素酸ナトリウムは、その「ストリッピング
【0017】
」効果に寄与しうるリンスするのが難しい残留物が付随
固体のアセチルドナーからのその場での(in situ)過
する。結局、次亜塩素酸ナトリウムは、所定の生体に対
酢酸の発生は、所定の搬送、取り扱いおよび安定性の問
する中程度の効能のみを示す。それは有機土壌負荷の存
題を解決しうる。典型的に、過酸化水素をその場で発生
在下で迅速に劣化し、それにより、その効能に負の影響 30
させる系では、過酸化物源も固体の過塩、たとえば過炭
を与える。
酸ナトリウムまたは過ホウ酸ナトリウムである。これら
【0013】
の製品はより長い保管寿命および優れた安全性プロファ
取り扱いの規制を検討する必要もある。酸化性化学薬品
イルを有するが、それらはしばしば溶解させるのが厄介
、たとえば漂白剤および過酸化水素組成物は、特別な取
であり、効果のある濃度の過酢酸を発生させるのに長い
り扱い規制を必要とする刺激の強い化学薬品であること
時間を必要とする。これら製品の得られた溶液の典型的
も知られている。濃度に応じて、過酸化水素は厳重な取
に高い固形分濃度のせいで、表面上にかなりの残留物が
り扱いの制約を受けることがある。強い臭気および吸引
残る可能性がある。これらの残留物は表面からリンスす
刺激作用に関する問題も付随することがある。労働安全
るまたはぬぐい落とす必要がある。これは、適切なリン
衛生局の許容曝露制限(PEL)は、過酸化水素について
ス水供給が容易に得られない状況および領域に遭遇しや
1ppmである。一成分として過酸化水素を含有する幾 40
すい化学兵器および生物兵器の除染に関して特に不都合
つかの混合製品は、過酸化水素の濃度に基づく空輸制約
な点である。
をいまだに受けることがある。
【0018】
ほとんどの場合、これらの製品は、陸路または海路での
最後に、ほとんどの市販されている過酸化水素および過
何れかで搬送する必要があり、必要とする場所へのそれ
酢酸系のもう1つの欠点は、それらが滅菌されたものと
らの到着の遅れを引き起こす。過酸化水素の空輸は可能
して販売できないということにある。滅菌製品を作るた
ではあるが、量が厳しく制限され、特別なパッケージン
めに、この系はガンマ線照射によって滅菌できなければ
グを必要とする。
ならない。ガンマ線照射は清浄化組成物を滅菌するのに
【0014】
製薬産業において通常使用されている。ほとんどの市販
高濃度の次亜塩素酸ナトリウムおよび過酸化水素の両方
されている過酢酸および過酸化水素系は、ガンマ線に曝
とも、金属基材に対して腐食性であり、特別な包装をパ 50
される際に不安定であり、この方法によって滅菌できず
( 4 )
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、滅菌製品が必要な場合には追加の滅菌工程を必要とし
を受けるので、所定の用途ではより迅速に作用する液体
、それらの使用に関連するコストを上げる。
製品が好ましい。乾燥した過酸素成分の使用は、アセチ
【0019】
ルドナーによる活性化(これとの混合)の前に過酸化水
したがって、医療市場および製薬産業において、EPAに
素を発生させるのに必要な時間のせいで不都合である。
認可されたクレームを有しC.diffに対して有効な
複数成分の乾燥した系に特有の欠点は、これら成分が水
殺芽胞剤は、新たな医療および製品汚染問題に対処する
に非常にゆっくりと溶解するため、望まれる濃度の活性
必要がある。C. diff芽胞は表面上で数年間生存で
成分が後段の段階までに完全に入手可能ではないことに
きる。C.diff芽胞は死滅させるのが非常に困難で
ある。また、溶解していない成分が残って洗い流されな
ある。上に述べたように、殺芽胞製品は入手可能である
いという追加のリスクも存在する。他方で、液体過酸化
が、そのほとんどがとりわけ安全性、臭気、材料適合性 10
水素成分を利用する系または組成物は、アセチルドナー
および取り扱いの問題を有する。現在、EPAに認可され
が固体であっても液体であっても関係なくアセチルドナ
た製品にC. diff芽胞に対処するものはない。多く
ーと化合すると直ぐに過酸化水素イオンを得ることがで
の医療施設での現状では、C. diffで汚染されてい
きるので、遥かに早くPAAを発生させることが分かっ
ると推定される全ての物品を清浄化するのに10%の次
ている。
亜塩素酸塩溶液が使用されている。それゆえに、現在存
【0022】
在している製品よりも少ない臭気、優れた材料適合性、
過酢酸および過酸化水素の両方を含有する他の液体の市
改善された安全性プロファイル、厳格でない搬送規制、
販製品も知られている。たとえば、Decon Labsによって
ならびにあまり面倒でない取り扱いおよび保管のパラメ
製造されており「SporGon」として知られている液体製
ータを有する製品の必要が存在している。
品は、7.35%の過酸化水素および0.23%の過酢
【0020】
20
酸を含んでいるが、使用時の高濃度の過酸化水素は曝露
過酢酸またはその場で過酢酸(PAA)を発生させるこ
の制限を必要とする。労働安全衛生局は、個人の過酸化
とができる成分を含む組成物は、有効な殺芽胞剤であり
水素曝露量を1ppmに制限している。加えて、この製
、芽胞に対する効能に関して、業界標準である酸性化漂
品は、滅菌を達成するのに少なくとも3時間を必要とす
白剤とほとんど等価である。上に論じた市場(医療およ
る。もう1つの例は、Ecolabによって製造されているOx
び製薬産業)の各々のための新たな殺芽胞系であって、
onia activaという酸性液体滅菌剤である。この製品は
芽胞および芽胞形成細菌、たとえばC.diffならび
非常に腐食性であり、27.5%の過酸化水素濃度およ
に他の細菌、ウィルスまたは真菌類に対しての予期せぬ
び5.8%の過酢酸濃度を有する。高濃度の過酸化水素
効能を有するが、現在入手可能な製品の欠点がない系を
は、曝露制限に加え、厳重な搬送および取り扱いの規制
開発した。この新たな本発明の系は、化学兵器および生
を必要とする。ほとんどの例において、これらの製品は
物兵器に曝された表面を除染するのに優れた活性をさら 30
、製薬産業消毒剤の好ましい滅菌法であるガンマ照射を
に有する組成物を含む。これら本発明の系の様々な実施
受けることができない。
形態は、供給される市場の要求に応じて使用できるが、
【0023】
その化学の基礎は同じである:アセチルドナー、たとえ
PAAを発生させる液体系も知られている。たとえば、
ばテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)または
米国特許第6,514,509号および第7,235,253号は、親溶液
ジアセチルメチルアミン(DAMA)を過酸化水素水と
と賦活剤とを使用して有機ペルオキシ酸を調製するため
化合させることによって過加水分解させて、過酢酸を発
の系であって、酸性pHを有する水性アルコール環境(
生させる。
少なくとも10%のアルコール)を必要とする系を対象
【0021】
としている。このアルコールは、その称するところでは
過酢酸および/または過酢酸を発生させるための成分を
、追加の殺菌剤として作用する。対照的に、本発明は、
含有する製品組成物は当技術において知られている。過 40
水性アルコール環境を利用も必要もせず、酸性のpHを
酢酸は、典型的には濃または希溶液として供給されるか
維持するのに強い無機酸を利用しない。重要なことには
、またはアセチルドナーおよび過酸化物源からその場で
、過酢酸は酸性ではなくアルカリ性環境で発生し、得ら
生じる。固体の過酸素源と、水と混ぜると過酢酸(PA
れた生成物は過酢酸が発生すると中性pHへと迅速に変
A)を生成するアセチルドナーとを利用する乾燥成分を
わる。
含む系が存在する。
追加の殺菌剤の必要はない。
(二成分型過ホウ酸塩/アセチルドナー粉末組成物を対
【0024】
象とした米国特許第5,350,563号を参照のこと。)乾燥
欧州特許0 598 170 B1は、漂白活性剤としてのアセチル
製品の形態は所定の場合での用途があり、より長い保管
トリエチルシトラートと混合した過酸化水素(すなわち
寿命と優れた安全性プロファイルとの利点を有するが、
過酸素源)に基づいた清浄化組成物である。この漂白活
それらは一般に室温ではPAAの遅い発生によって制限 50
性剤は、異なるHLB値を有する少なくとも2種類の界
( 5 )
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10
面活性剤での乳化を必要とする。成分は全て混合されて
含んでおり、厳重な運搬および取り扱いの規制を受けな
、単一の液体組成物になっている。
い。
【0025】
【0029】
本発明は、アセチルドナー、アルカリ性薬剤および液体
本発明の他の利点としては、過酢酸系の消毒剤の増加し
過酸化水素源を混合して、C. diff芽胞を破壊する
た保管寿命と、向上した溶解および混合時間と、増加し
ための有効濃度の過酢酸をその場で製造することに基づ
た可使時間とが挙げられる。
いている。本発明の成分は、別々にパッケージされてお
【0030】
り、そのため組成物は活性化(成分の化合)によって「
テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)は本発明
すぐ使用できる」ものであり、成分のさらなる希釈も処
理も必要としない。
にとって好ましいアセチルドナーであるが、ジアセチル
10
メチルアミン(DAMA)も匹敵する結果をもたらし、
過酢酸の発生は、液体過酸化水素の場合、過水酸化物イ
実際に、化学兵器および生物兵器の除染において好まし
オンの即時利用可能性のおかげで乾燥した過酸素源を使
い場合がある。過酸化水素は、選択された過ヒドロキシ
用する製品と比較して遥かに早い。驚くべきことに、本
ル源である。過酸化水素は、過酸化水素、界面活性剤お
発明の組成物は、現在入手可能な製品よりも遥かに低い
よび芳香剤を含む組成物として、あるいはプレーンな水
濃度の過酢酸で有効である。
溶液としての何れかで使用されうる。TAEDおよび過
【0026】
酸化水素は両方とも現在登録されているEPA活性成分
本発明は、中性範囲(4−8)にあるpHを持つ殺芽胞
である。DAMAはEPAに登録された活性成分ではな
組成物であって、高いアルカリ性または酸性の製品より
いが、室温において透明な液体の形態で入手可能であり
容易な処分を可能にし、漂白剤と比べて、軟質金属、プ
、迅速なPAAの発生と、直ぐに透明になる、残留物の
ラスチック、樹脂および他の材料に対してより優れた材 20
少ない最終使用溶液とを提供する。
料適合性を有する組成物を提供する。また、本発明の組
【0031】
成物は、現存の製品、たとえばより高い濃度の過酢酸を
本発明の組成物には幾つかの異なる実施形態が考えられ
含有するそれよりも腐食性が低いまたは人々に対する刺
るが、それら全ては、中性のpHでの製造、低臭気、優
激作用が小さな低臭製品ももたらし、より高い濃度のP
れた材料適合性、向上した安全性プロファイルおよび高
AAおよび酸性化漂白剤の適用に必要とされる呼吸保護
い効能という有利な性質を共有する。
の必要を排除できる。それらは、検出可能な濃度の過酢
【0032】
酸も過酸化水素も有していない。ほとんどの市販のPA
ある実施形態では、二成分系は、固体の乾燥TAED粉
A含有製品は、過酢酸をより長い保管寿命にわたって安
末賦活剤と、過酸化水素、界面活性剤および芳香剤を含
定にするために酢酸の使用を必要とし、臭気プロファイ
む調合過酸化水素溶液とを含む。
ルを大きく高める。本発明では過酢酸をその場で発生さ 30
【0033】
せるので、酢酸または他のあらゆる酸の添加の必要がな
もう1つの実施形態では、三成分液体系は、第1の二成
く、そのため臭気プロファイルを低減させるまたはこれ
分型液体TAED賦活剤(別体のTAED懸濁剤と別体
をなくする。
のアルカリ性液体溶液とを二成分として含む)と、第3
【0027】
の成分として、上の二成分系で使用するものと同じ調合
また、本発明は、非リンスの除染であって、それにより
過酸化水素とを含む。
、リンス水が容易に入手可能でない場合に有効な除染を
【0034】
可能にするおよび/または標準的な除染に必要とされる
さらにもう1つの実施形態では、二成分液体系は、アセ
水の量を約50%削減する除染を提供する。これは、広
チルドナーを(液体の形態でまたは溶媒と混合した状態
範な環境において遭遇しうる化学兵器および生物兵器の
除染に特に有利である。
で)含有する第1の溶液と、過酸化水素水を含む第2の
40
溶液とを含む。この実施形態では、アミンアルカリ性源
【0028】
を、第3の成分とすることもできるし、またはアセチル
予期せぬことに、本発明の組成物は、追加の除染剤、消
ドナー部分に含めることもできる。
毒剤、殺生剤または殺菌剤の添加なしに広範な細菌、ウ
【0035】
ィルス、真菌および芽胞、たとえばC. diffに対し
全ての実施形態は、活性化(化合)によって、予期せぬ
て、ならびにいろいろな化学兵器および生物兵器に対し
抗微生物および除染効能を有するより低い濃度の過酢酸
て有効であり、それ故にコストが低い。有機土壌負荷の
を発生させる。
存在下であっても、過酢酸の濃度が低くても、微生物効
【0036】
能が示された。本系で利用される界面活性剤は、優れた
本発明の目的は、細菌、ウィルス、真菌または他の生物
清浄剤であり、有機土壌の存在下での効能を向上させる
学的物質、たとえば芽胞および芽胞形成菌、たとえばC
。最後に、本発明の組成物は、低濃度の過酸化水素水を 50
. diff、ならびに化学兵器および生物兵器に対する
( 6 )
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効能を有する低臭消毒剤を提供することにある。
a)一方の部分としてアセチルドナー分散液および他方
【0037】
の部分としてアルカリ性溶液を含む二成分型液体賦活剤
本発明のさらなる目的は、安全性および取り扱いの特徴
と;
が現在入手可能な製品に優って非常に向上した低臭過酢
b)過酸化水素溶液と
酸溶液を提供することである。
を含み、
【0038】
前記アセチルドナー分散液およびアルカリ性溶液は、使
本発明のまたさらなる目的は、過酢酸の発生により中性
用の直前に過酸化水素溶液と混合されて、過酢酸を生成
範囲へと迅速に低下するアルカリ性のpH環境での過酢
する。
酸の迅速発生のための系であって、化合のあと短時間で
【0046】
使用可能であり、少なくとも24時間の使用寿命を有す 10
第3の実施形態では、本発明の組成物は:
る製品をもたらす系を提供することにある。
a)溶媒中のアセチルドナーを含む液体と;
【0039】
b)過酸化水素溶液と;
本発明のさらに他の目的は、有機土壌負荷の存在下であ
c)第3の成分としての、または過酢酸発生反応を触媒
っても効能を有する過酢酸溶液を提供することにある。
するためのアセチルドナー液体の一部としてのアルカリ
【0040】
性源と;
本発明のさらなる目的は、次亜塩素酸塩または他の酸化
d)任意に、界面活性剤と
性化学薬品に代わる、C. diff芽胞を根絶するのに
を含み、
医療環境で使用するための有効で安全な代替物を提供す
前記アセチルドナーを含有する液体は、使用の直前に前
ることである。
記過酸化水素溶液と混合されて、過酢酸溶液を生成する
【0041】
20
。
最後に、本発明の目的は、「非リンス」の過酢酸清浄剤
【0047】
および/または現在入手可能な通常の製品と比べて除去
いくつかの実施形態では、過酸化水素溶液を、界面活性
のためのリンス水を必要としないまたはそれを少量しか
剤、芳香剤および水と調合させうる。あるいは、希過酸
必要としない過酢酸を提供することにある。
化水素水溶液を使用してもよい。任意に、界面活性剤を
【0042】
アセチルドナー成分に含ませてもよい。
本発明のこれらおよび他の目的は、本明細書の説明から
【0048】
明らかになるであろう。
全ての実施形態において、過酸化水素は非常に少ない量
【0043】
、好ましくは8重量パーセントないし約10重量パーセ
発明の概要
ント未満、より好ましくは3重量パーセント未満、最も
本発明は、液体過酸化水素と化合したアセチルドナーか 30
好ましくは1.5重量パーセント未満で使用する。より
らの過酢酸の発生に基づく低臭殺芽胞剤/除染剤を対象
低濃度の過酸化水素は、搬送および取り扱いの制約を避
としている。過酢酸をアルカリ性環境で発生させ、最終
け、使用がより安全である。混合すると、過酸化水素含
製品は中性のpHを有し、取り扱いおよび搬送をより安
有量は、混合前に存在していた最初の低濃度近くを維持
全かつより容易にする。液体過酸化水素成分は、乾燥過
する。
酸素源に基づく従来の製品と比べて迅速な過酢酸の発生
【0049】
を可能にする。驚くべきことに、発生した低濃度の過酢
生成する過酢酸の濃度は、化合される賦活剤(アセチル
酸は、高濃度の過酢酸の必要も他の消毒剤もしくは滅菌
ドナー部分)および過酸化水素溶液の量に依存して変化
剤の添加もなしに、細菌、ウィルス、真菌および他の病
しうる。
原菌、たとえばC. diffなどの芽胞形成体、ならび
に化学兵器または生物兵器に対して有効である。
【0050】
40
図面と共に示す発明の詳細な説明を読むことで、本発明
【0044】
はより十分に理解されるであろうし、他の特徴および利
ある実施形態では、本発明の組成物は:
点は明らかになるであろう。
a)固体アルカリ性源と化合した固体アセチルドナーを
【図面の簡単な説明】
含む固体賦活剤ブレンドと;
【0051】
b)過酸化水素溶液と
【図1】図1は、種々の有機負荷の存在下および2、5
を含み、
、10および20分の接触時間での、漂白剤の1:10
前記固体賦活剤ブレンドは、使用の直前に過酸化水素溶
水希釈液と比較した、(修正した非食品接触殺菌調査に
液と混合されて、過酢酸溶液を生成する。
おける)バッキルス・スプティーリスに対する約0.2
【0045】
5%過酢酸の本発明の組成物の優れた殺芽胞効能を示し
第2の実施形態では、本発明の組成物は:
50
たグラフである。
( 7 )
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【図2】図2は、3分の接触時間での定量的キャリア試
ある。固体のTAEDは、まず、活性化時の溶解を助け
験2(QCT−2)でのC.ディフィシレ芽胞に対して
るために、界面活性剤または界面活性剤のブレンドでコ
の過酢酸(PAA)の濃度変化の影響を示した棒グラフ
ーティングされる。TAEDをコーティングするのに使
である。
用する界面活性剤は典型的にはアニオン性であるが、特
【図3】図3は、対C. ディフィシレ芽胞の本発明の組
許を受けようとする組成物はアニオン性界面活性剤に限
成物および10%漂白剤溶液への土壌負荷の影響を示し
定されない。1つの有用な界面活性剤は、アルキルジフ
た棒グラフである。
ェニルオキシドジスルフォナートであり、45%の活性
【図4】図4は、3つの濃度レベルを経時的にモニタし
水溶液として名称Dowfax C10-Lで販売されている。本発
た、ジアセチルメチルアミド、過酸化水素、および水酸
明で有用な他のアニオン性界面活性剤としては、N−オ
化アンモニウムからの過酢酸の発生を示したグラフであ 10
レオイルサルコシナートおよびドデシルベンゼンスルホ
る。
ン酸が挙げられる。
【図5】図5は、本発明の組成物の硬表面生物学的効能
【0056】
を10%漂白剤と比べた棒グラフである。
界面活性剤を水溶液としてTAEDに加え、ここで、伝
【図6】図6は、本発明の組成物の生物学的効能を市販
統的に水に不溶なTAEDを混合してスラリーにする。
の殺芽胞剤と比べた棒グラフであり、本発明の組成物が
次に、このスラリーを乾燥させ、得られた「ケーク」を
より優れた効能を示した。
微粉砕して、界面活性剤でコーティングされたTAED
【図7】図7は、様々なタイプの芽胞に対する本発明の
からなる粉末にする。次に、この「コーティングされた
組成物の等価な効能を示した棒グラフである。
」TAEDを2種類の乾燥アルカリ性源とブレンドする
【0052】
。「コーティングされた」TAEDと乾燥アルカリ性源
発明の詳細な説明
20
との完全なブレンドは、組成物の乾燥「賦活剤」部分を
特許を受けようとする組成物の基礎を成す一般化学は、
構成する。この実施形態において、粉末状のコーティン
アセチルドナー、たとえばTAEDまたはDAMAと過
グされたTAEDのためのアルカリ性源としては、炭酸
酸化水素とのアルカリ性のpHでの化合により発生する
ナトリウムおよび生分解性キレート剤、たとえばイミノ
、抗菌効能の起源としての過酢酸である。TAEDおよ
二コハク酸の四ナトリウム塩(商標Baypure CX 100で販
び過酸化水素は両方とも、EPAによって活性成分として
売されている)が挙げられる。有利には、イミノ二コハ
認められている。DAMAはそうでない。特許を受けよ
ク酸は、有機負荷の存在下でのこの系の効能を助けるキ
うとする組成物は、消毒液が必要となるときまで別体と
レート剤としても働く。
なっている複数成分を利用する。混合すると、この組成
【0057】
物は約24時間の使用寿命を有する。典型的に、特許を
使用時または使用の直前に、乾燥「賦活剤」を、過酸化
受けようとする組成物は、約0.05ないし約0.25 30
水素および界面活性剤または複数種の界面活性剤のブレ
%の過酢酸溶液を発生させるが、濃度は利用するアセチ
ンドを含有する調合過酸化水素液と化合させる。液体過
ルドナーの量に応じて変化しうるし、約2.5%まで及
酸化水素の組成物は、この液体過酸化水素とTAED活
びうる。
性剤とを化合させると達成される過酢酸の遥かに早い発
【0053】
生のおかげで、乾燥した過酸化水素源または過酸素源よ
一成分として、本発明の組成物は、アセチルドナー、た
りも好ましい。化合された際(すなわち「活性化された
とえばTAEDまたはDAMAを含む。典型的なアセチ
」際)に、過酢酸が発生する。選択した賦活剤および過
ルドナーは、以下の式1に示す形態でありうる。
酸化水素の量に応じて、種々の濃度の過酢酸が発生しう
【化1】
る。活性化によって、PAAの濃度とは無関係に、製品
は24時間の可使寿命(すなわち「保管」または「使用
40
−希釈」寿命)を有するであろう。
【0058】
第2の実施形態では、アセチルドナー、すなわち「TA
ED賦活剤」はそれ自体が二成分型液体賦活剤系である
【0054】
1
。この液体賦活剤の一方の部分として、TAED分散液
2
3
ここで、R 、R およびR は、過酢酸の発生に干渉せ
を調製する。TAEDは、懸濁剤、ならびに場合によっ
ず、この系で酸化されず、アセチルドナーの溶解を可能
て界面活性剤および溶媒を含む水溶液系に懸濁させる。
にする任意の基でありうる。
典型的な懸濁剤としては、珪酸マグネシウムアルミニウ
【0055】
ムおよびキサンタンガムが挙げられる。液体賦活剤の第
第1の実施形態では、賦活剤は固体粉末または「乾燥し
2の部分は、アルカリ性源および界面活性剤を含むアル
た」形態にある。TAEDは好ましいアセチルドナーで 50
カリ性の水溶液である。アルカリ性源は、水酸化物、ア
( 8 )
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ミンもしくはキレート剤、またはこれらの組み合わせで
液中に含めて添加する。液体DAMAを使用する場合に
ありうる。典型的な例としては、水酸化ナトリウム、モ
は、溶媒を省略できる。
ノエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミ
【0064】
ノ−2−メチル−1−プロパノール、および他のアミン
これらの成分は、別々にパッケージされ、使用直前に消
が挙げられる。
費者によって混合される。混合の結果は、以下の式2で
【0059】
示す反応スキームにしたがう過酢酸のその場での迅速な
二成分型液体TAED賦活剤を利用する実施形態のため
発生である。
に、アニオン性または非イオン性界面活性剤が使用され
【化2】
うる。典型的なアニオン性界面活性剤としては、N−オ
レオイルサルコシナート、アルキルジフェニルオキシド 10
ジスルホナート、およびドデシルベンゼンスルホン酸が
挙げられる。典型的な非イオン性界面活性剤としては、
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラートが挙げら
【0065】
れる。他の有用な界面活性剤は当業者に知られている。
溶媒および界面活性剤は、使用する場合、硬表面上の湿
【0060】
潤剤および清浄剤として働く。
「二成分型液体TAED賦活剤」系の各部分は、(パッ
溶媒は、化学兵器の分解を助けもするし、表面からの蒸
ケージングによって)物理的に分離されている。使用の
発速度を高めもする。前記反応によって得られる過酢酸
直前、両部分を調合過酸化水素液に添加し、それにより
は、表面を迅速に消毒および除染できる。表面への適用
過酢酸が発生する。発生する過酢酸の濃度は、選択した
後、この溶液は残留物をほとんど残さずに表面から蒸発
賦活剤および過酸化水素の選択した量に依存する。さら 20
し、リンスする必要がない。
に、この製品は、活性化すると、24時間の可使寿命を
【0066】
有するであろう。
本発明の組成物において有用な他の知られているアセチ
【0061】
ルドナーとしては、アスピリン(アセチルサリチル酸)
第1および第2の両方の実施形態では、「賦活剤」部分
、n−メチルジアセトアミド、およびトリアセチンが挙
(第1の実施形態におけるコーティングされた乾燥TA
げられうるが、TAEDおよびDAMAが好ましい。
EDまたは第2の実施形態における二成分型液体TAE
【0067】
D/アルカリ性溶液)を、使用中の製品の湿潤と活性化
TAEDは、第1の実施形態の乾燥賦活剤部分に、乾燥
による発泡プロファイルを制御することとの両方を助け
賦活剤成分の重量に基づいて約40ないし約75重量パ
るために界面活性剤を含有する特別に調合した液体過酸
ーセントに範囲にある量で存在する。TAEDは、第2
化水素溶液と混合する。過酸化水素溶液にとって有用な 30
の実施形態のTAED分散液部分(賦活剤)に、TAE
界面活性剤は、実際には、アニオン性、非イオン性また
D分散液の重量に基づいて約30ないし約40重量パー
は両性でありうる。典型例は、ラウリル硫酸ナトリウム
セントの範囲にある量で存在する。一般に、1モルのT
、オクチル硫酸ナトリウム、Dowfax C10-L、およびPlur
AEDが2モルの過酢酸を発生させるが、過酢酸の濃度
onic F-127である。他の有用な界面活性剤は当業者に知
は化合される賦活剤および過酸化水素の量に依存するで
られている。通常、非発泡性または低発泡性の界面活性
あろう。
剤が好ましい。過酸化水素溶液は、良い香りを与えるた
【0068】
めに芳香剤をさらに含有してもよい。組成物中の過酸化
DAMAは、第3の実施形態のアセチルドナー部分に、
水素の量は10%ほどでありうるが、最適な場合には、
化合される成分(部分)、すなわち使用する希釈溶液の
それは約8%未満であるが0.1%を超え、最も好まし
くは5%未満であるが0.50%を超える。
総重量に基づいて、約0.5ないし約10重量パーセン
40
トの範囲内にある量で存在する。
【0062】
【0069】
過酸化水素溶液のpHは約4.5であり、本発明の組成
本発明において有用な界面活性剤としては、アルキルジ
物のpHは中性(4−8)である。
フェニルオキシドジスルフォナート(Dowfax C10-L)、
【0063】
N−オレオイルサルコシナート、ドデシルベンゼンスル
第3の実施形態では、TAEDが有効であることが分か
ホン酸、ナトリウムラウリルサルコシナートおよびTerg
っていたが、DAMAが好ましいアセチルドナーである
itol L-62(エチレンオキシド/プロピレンオキシドコ
。DAMA、任意の界面活性剤および溶媒を含む第1の
ポリマー)が挙げられる。
部分を別の溶液として調製する。この第1の部分を使用
【0070】
時に過酸化水素液と混合する。アミンアルカリ性源を、
混合中に過剰な泡を生じさせる傾向を有する界面活性剤
第3の成分として、またはアセチルドナー(第1の)溶 50
は、発泡を抑える界面活性剤よりも好ましくない。界面
( 9 )
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活性剤は、化学薬品のための除染プロセスにおいて重要
成分とすることができる。
であり、これはそれらが負の効果なしに化学薬品の望ま
【表1】
れる溶解性を達成するからである。また、界面活性剤は
、湿潤特徴を向上させ、表面の残留物の出現を抑えるこ
とができる。
【0071】
界面活性剤は、第1の実施形態の「乾燥賦活剤部分」に
、この乾燥賦活剤部分の重量に基づいて約5ないし約2
0重量パーセントの範囲内にある量で存在する。
【0072】
10
界面活性剤は、第2の実施形態の二成分型液体賦活剤の
TAED分散液部分に、TAED分散液の重量に基づい
【0077】
て、約0.5ないし約5重量%の範囲内にある量で存在
生分解性キレート剤もアルカリ性源として有用であり、
する。界面活性剤は、二成分型賦活性剤系のアルカリ性
これとしては、たとえば例として、イミノ二コハク酸の
溶液部分に、このアルカリ性溶液の重量に基づいて約0
四ナトリウム塩が挙げられる。イミノ二コハク酸誘導体
ないし約10重量%の範囲内にある量で存在する。
が好ましいが、他の有用なキレート剤としては、メチル
【0073】
グリシン二酢酸(MGDA)およびエチレンジアミン四
任意の界面活性剤は、第3の実施形態において存在して
酢酸(EDTA)二ナトリウムが挙げられる。
いる場合、化合される成分(部分)、すなわち使用する
【0078】
希釈溶液の総重量に基づいて約0.03ないし約5重量 20
本発明の組成物では溶媒も使用される。二成分型液体賦
%の量の範囲にある。
活剤系のTAED分散液部分のための有用な例示的溶媒
【0074】
としては、PPG-2メチルエーテルおよびAMP-95(2−ア
結局、界面活性剤は、調合過酸化水素溶液に、この調合
ミノ−2−メチル−1−プロパノール)が挙げられる。
過酸化水素溶液の総重量に基づいて約0.01ないし約
DAMAの場合に有用な他の溶媒としては、イソプロパ
2重量パーセントの範囲内にある量で存在しうる。
ノール、乳酸エチルおよびTergitol L-62(界面活性剤
【0075】
としても有用である)が挙げられる。あるいは、DAM
特許を受けようとする組成物では種々のアルカリ性源お
A系組成物は、液体DAMAを使用するのであれば、溶
よびバッファも使用する。「乾燥」TAED賦活剤のた
媒を省略してもよい。
めの例示的なアルカリ性源としては、炭酸ナトリウムが
【0079】
挙げられる。グリコール酸はTAED分散液用のバッフ 30
TAED分散液は、懸濁剤、たとえば珪酸マグネシウム
ァの一例である。バッファは当業者に知られているので
アルミニウムまたはキサンタンガムを典型的に含むが、
、これらの例は限定されることを意図されない。イミノ
当業者に知られている他の懸濁剤を使用してもよい。
二コハク酸誘導体も、乾燥TAED賦活剤および二成分
【0080】
型液体TAED/アルカリ性溶液賦活剤の両方における
全ての実施形態は、補助剤、たとえば芳香剤、染料、顔
アルカリ剤としても有用であり、キレート剤としても機
料または防腐剤をさらに含む場合がある。
能する。2−アミノ−2−メチル−1プロパノール(A
【0081】
MP95)も有用なアルカリ性源および溶媒として役立
以下の表Iは、第1の実施形態の成分についての範囲を
つ。
示す例示的な組成物を示している。
【0076】
【表2】
DAMAをベースとした系のためのアルカリ性源は好ま 40
しくは一級、二級または三級のアミンを含む。アミン系
のアルカリ性源は、過酢酸発生反応を触媒するように働
く。アミンについての要件は、この反応およびこの系で
の溶解性を触媒するのに十分に高いpKa である。また
、選択したアミンは、容易に酸化されるべきでないし、
過酢酸の発生を阻害するまたは発生後に過酢酸を分解す
る基を含有すべきでない。例示的なアミンを以下に列挙
する。揮発性アミンが、「非リンス」組成物を得るのに
最も好ましい。アルカリ性源は、アセチルドナーおよび
溶媒部分に含めることができるし、または別体の第3の 50
( 10 )
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:1−2wt/wtのTAED・分散液;1−2wt/
wtのアルカリ性溶液および96−98%の調合過酸化
水素溶液で化合させる。この化合も約0.25%の過酢
酸を産出する。
【0085】
以下の表III、表IVおよび表Vは、DAMAをアセチ
ルドナー源として含む、生物兵器および化学兵器試験の
ための第3の実施形態についての例示的な組成物を示し
ている。
10
表VIは、DAMAをアセチルドナーとして使用して種
々の濃度の過酢酸を発生させるための例示的な組成物を
示している。達成される過酢酸の濃度は、以下の表VI
に示すように、溶液中のDAMAの濃度に正比例する。
この混合物は理論的に計算して約80%である濃度の過
【0082】
酢酸を一貫して生成する。図4は、DAMA、過酸化水
以下の表IIは、第2の実施形態の成分についての範囲
素および水酸化アンモニウムを含む除染製品で求まると
を示す例示的な組成物を示している。
予想される3つの濃度の過酢酸(2,500ppm、5
【表3】
,000ppm、および10,000ppm)でこのこ
とを示している。
20
【表4】
【0083】
論じたように、発生する過酢酸の濃度レベルは、どのく
らいの量のTAED賦活剤が過酸化水素組成物へ添加さ 40
れるかに依存して変化する。述べたように、1モルのT
AEDが2モルの過酢酸を発生させる。一般に、賦活剤
を、過酸化水素が過剰となるような量で添加する。
【0084】
例えば、第1の実施形態では、乾燥TAED賦活剤と調
合過酸化水素とを以下の比:0.5−1.5wt/wt
の乾燥賦活剤対98.5−99.5%の調合過酸化水素
溶液で化合させる。この化合は約0.25%の過酢酸を
産出する。第2の実施形態の一例として、TAED分散
液およびアルカリ性溶液と調合過酸化水素とを以下の比 50
【表5】
( 11 )
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試験した。以下に示す種々の濃度および混合状態にある
以下の表VIIに示した本発明の組成物を試験した。
【表7】
【0089】
希釈液:
【表6】
0.050%の過酢酸を発生させるために、0.225
グラムの乾燥TAED賦活剤を200mLの調合した過
酸化水素へ添加した。
20
0.075%の過酢酸を発生させるために、0.337
グラムの乾燥TAED賦活剤を200mLの調合過酸化
水素へ添加した。
0.100%の過酢酸を発生させるために、0.449
グラムの乾燥TAED賦活剤を200mLの調合過酸化
水素へ添加した。
0.125%の過酢酸を発生させるために、0.562
【0086】
グラムの乾燥TAED賦活剤を200mLの調合過酸化
本発明の組成物は広範な使用用途を持つ。本発明の組成
水素へ添加した。
物は、床、カウンタートップおよび病院または他の医療
0.150%の過酢酸を発生させるために、0.674
施設の他の高接触領域を清浄化するための消毒剤/滅菌 30
グラムの乾燥TAED賦活剤を200mLの調合した過
剤として有用である。また、それらは、種々の硬表面お
酸化水素へ添加した。
よび製薬工場内の設備、たとえばカウンター、床、クリ
0.175%の過酢酸を発生させるために、0.786
ーンルーム、実験室および動物施設の硬表面を清浄化す
グラムの乾燥TAED賦活剤を200mLの調合した過
るのにも有用である。
酸化水素へ添加した。
【0087】
0.200%の過酢酸を発生させるために、0.898
例
グラムの乾燥TAED賦活剤を200mLの調合した過
例1−効能
酸化水素へ添加した。
二成分型液体賦活剤/調合過酸化水素系の修正した非食
0.250%の過酢酸を発生させるために、1.123
品接触殺菌調査(NFCS)における殺芽胞効能を図1
グラムの乾燥TAED賦活剤を200mLの調合した過
に示す。結果から、約0.25%の過酢酸を発生させた 40
酸化水素へ添加した。
本発明の組成物は、既知の芽胞生成体であるバッキルス
【0090】
・スブティーリスに対して、種々の有機負荷の存在下お
種々の使用濃度での粉末賦活剤/調合液体過酸化水素の
よび接触時間を変えても、漂白剤(1:10水希釈液)
系から発生したPAAを図2に示す。図2は、PAAの
より優れていたことが分かる。バッキルス・スブティー
濃度を変化させた場合での3分の接触時間での平均対数
リス、ATCC 19659は、芽胞形成菌、たとえばとりわけ炭
減少(cfu/キャリア)を示している。結果は、過酢
疽菌の代理菌として有用である。
酸の濃度が0.075%より大きく接触時間が3分間で
【0088】
ある場合のC.diffに対する優れた活性を示す。効
例2−効能
能は5より大きな対数減少によって証明された。
定量的キャリア試験2(QCT−2)法を使用して、C
【0091】
.diff芽胞に対する本発明の組成物の殺芽胞効能を 50
例3−土壌負荷の影響
( 12 )
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QCT−2試験を使用して、有機土壌負荷の平均対数減
少への影響も評価した。使用した組成物を以下の表VIII
に示す。
【表8】
【0096】
例6−比較調査
効能を10%の家庭用漂白剤(0.5%の活性成分)と
10
比較するために、硬表面生物学的効能試験を陶器ペニシ
リンダーで行った。組成物D(表III)は漂白剤と少な
くとも同程度に有効であることがわかった(図5)。
【0097】
幾つかの組成物を、細菌芽胞を死滅させるそれらの能力
について試験し、現在市販されている殺芽胞剤と比較し
た(図6)。懸濁剤調査を使用して、組成物A、Bおよ
びC(表IIIから)をSpor-Klenzという直ぐ使用できる
タイプのコールド滅菌剤と比較した。Spor-Klenzは、ST
【0092】
ERIS社の製品であり、現在この市場で最も有効な殺芽胞
粉末賦活剤/調合液体過酸化水素の系のC. diff芽 20
剤のうちの1つである。本発明の組成物の全ては、30
胞に対する殺芽胞効能は、土壌負荷の存在によって悪影
秒でB.スブティーリスの6.5の対数減少を示すこと
響を受けなかった。図3から分かるように、10%の漂
ができることが分かり、Spor-Klenzに比べて優れた結果
白剤溶液のC. diff芽胞に対する殺芽胞効能は大き
をもたらした。
く悪影響を受けたが、本発明の組成物に対する土壌負荷
【0098】
の影響は極小さかった。
特許法にしたがって、最良の形態と好ましい実施形態を
【0093】
述べてきたが、本発明の範囲はこれらに限定されず、む
例4−DAMA組成物の芽胞に対する効果
しろ添付の特許請求の範囲によって限定される。
上の表IIIに示した例の組成物を、細菌芽胞で汚染され
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された
た物質の除染におけるそれらの有効性について評価した
発明を付記する。
。この組成物は殺細菌/殺真菌に非常に有効であること 30
[1]殺芽胞能力を有する低臭液体消毒/除染組成物で
が知られている過酢酸を生成した。
あって:a.溶媒中のアセチルドナーを含む液体と;b
【0094】
.過酸化水素溶液と;c.アミンアルカリ性源と;d.
特に、組成物Aのバッキルス・スブティーリス芽胞を死
任意に、前記液体アセチルドナー部分に含まれる界面活
滅させる能力をスポロゲネス菌と比べた調査を行った(
性剤と;e.水とを含み、前記液体アセチルドナー、過
図7)。この組成物(表IIIを参照のこと)は、両方の
酸化水素溶液およびアルカリ性源は、使用の直前に混合
種の芽胞を死滅させるのに極めて有効であることが分か
されて、過酢酸溶液を生成する組成物。
った。
[2]前記アルカリ性源は、水酸化物、一級、二級もし
【0095】
くは三級アミン、またはこれらの組み合わせを含む[1
例5−DAMA組成物の化学薬品に対する効果
]に記載の組成物。
過酢酸は、マスタード(HD)、神経ガス(VX)およ 40
[3]前記アルカリ性源は、無水アンモニア、水酸化ア
びソーマン(GD)化学兵器用の既知の除染剤である。
ンモニウム、トリエチルアミン、トリエタノールアミン
本発明の組成物E−I(表IV)をこれらの兵器に対し
、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2−(メチ
て使用した結果を表IXに示す。これら組成物を、50
ルアミノ)エタノール、R−(−)−2−アミノ−1−
:1の除染剤対兵器の比で反応させた。反応の進行を1
ブタノール、2(tert−ブチルアミノ)エタノール
5分毎にチェックして報告した。組成物1におけるpH
、もしくは2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール
変更剤の添加によって、ソーマン(GD)活性を高める
、またはこれらの組み合わせを含む[2]に記載の組成
ことができた。
物。
【表9】
[4]前記アセチルドナーはDAMAを含む[1]に記
載の組成物。
50
[5]前記界面活性剤は、n−オレオイルサルコシナー
( 13 )
JP
25
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B2
2015.7.22
26
ト、アルキルジフェニルオキシドジスルホナート、もし
[18]前記アニオン性界面活性剤はアルキルジフェニ
くはドデシルベンゼンスルホン酸、またはこれらの組み
ルオキシドジスルフォナートを含む[17]に記載の組
合わせを含む[1]に記載の組成物。
成物。
[6]非イオン性界面活性剤はポリオキシエチレンソル
[19]芳香剤、界面活性剤、キレート剤、またはこれ
ビタンモノラウラートを含む[1]に記載の組成物。
らの組み合わせをさらに含む[15]に記載の組成物。
[7]前記溶媒は、イソプロパノール、乳酸エチル、エ
[20]水素溶液は10重量%未満の過酸化水素を含む
チレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、また
[15]に記載の組成物。
はこれらの組み合わせを含む[1]に記載の組成物。
[21]前記過酸化水素溶液は8重量%未満の過酸化水
[8]バッファをさらに含む[1]に記載の組成物。
素を含む[15]に記載の組成物。
[9]過酸化水素の濃度は約3ないし約10パーセント 10
[22]低臭液体消毒組成物であって:a.液体アセチ
の範囲内の量にある[1]に記載の組成物。
ルドナーおよび液体アルカリ性源をさらに含む二成分型
[10]低臭液体除染組成物であって:a.溶媒中のジ
賦活剤系と;b.過酸化水素溶液とを含み、前記アセチ
アセチルメチルアミン(DAMA)と;b.アミンと;
ルドナー、アルカリ性源および過酸化水素溶液は、使用
c.過酸化水素水溶液と;d.水とを含む組成物。
の直前に混合されて、過酢酸溶液を生成する組成物。
[11]前記溶媒は、イソプロパノール、乳酸エチル、
[23]前記液体アセチルドナーは、水性媒体中の前記
エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、ま
アセチルドナーの分散液を作るための懸濁剤をさらに含
たはこれらの組み合わせである[10]に記載の組成物
む[22]に記載の組成物。
。
[24]前記懸濁剤は珪酸マグネシウムアルミニウムま
[12]前記アミンは、水酸化アンモニウム、エタノー
たはキサンタンガムを含む[23]に記載の組成物。
ルアミン、2−(メチルアミノ)エタノール、R−(− 20
[25]前記アルカリ性源は、水酸化物、アミンもしく
)−2−アミノ−1−ブタノール、または2−(ter
はキレート剤、またはこれらの組み合わせを含む[22
t−ブチルアミノ)エタノールである[10]に記載の
]に記載の組成物。
組成物。
[26]前記アルカリ性源は、水酸化ナトリウム、モノ
[13]低臭液体除染組成物であって:a.成分の総重
エタノールアミン、もしくは2−アミノ−2−メチル−
量の約0.5ないし約10重量%の範囲にある量で存在
1プロパノール、またはこれらの組み合わせを含む[2
するジアセチルメチルアミン(DAMA)と;b.成分
2]に記載の組成物。
の総重量の約0.01ないし約1重量%の範囲にある量
[27]前記二成分型賦活剤系は、アニオン性もしくは
で存在する水酸化アンモニウムと;c.イソプロパノー
非アニオン性界面活性剤、またはこれらの組み合わせを
ル、酢酸エチルまたはエチレンオキシド/プロピレンオ
さらに含む[22]に記載の組成物。
キシドコポリマーをさらに含み、成分の総重量の約0. 30
[28]前記アニオン性界面活性剤は、n−オレオイル
3ないし約30重量%の範囲にある量で存在する溶媒と
サルコシナート、アルキルジフェニルオキシドジスルホ
;d.水とを含む組成物。
ナート、もしくはドデシルベンゼンスルホン酸、または
[14]溶媒が存在していない[13]に記載の組成物
これらの組み合わせをさらに含む[27]に記載の組成
。
物。
[15]殺芽胞能力を有する低臭液体消毒組成物であっ
[29]前記非イオン性界面活性剤はポリオキシエチレ
て:a.少なくとも2種の固体アルカリ性源と配合した
ンソルビタンモノラウラートを含む[27]に記載の組
固体アセチルドナーと;b.過酸化水素溶液とを含み、
成物。
前記アセチルドナーおよびアルカリ性源は、使用の直前
[30]前記二成分型賦活剤系は溶媒をさらに含む[2
に前記過酸化水素溶液に混合されて、過酢酸溶液を生成
する組成物。
2]に記載の組成物。
40
[31]前記溶媒はポリプロピレングリコールメチルエ
[16]前記アセチルドナーはテトラアセチルエチレン
ーテルを含む[30]に記載の組成物。
ジアミン(TAED)を含み、前記アルカリ性源は、炭
[32]前記二成分型賦活剤系はバッファをさらに含む
酸ナトリウム、イミノ二コハク酸、またはこれらの組み
[22]に記載の組成物。
合わせを含む[15]に記載の組成物。
[33]前記過酸化水素溶液はアニオン性、非イオン性
[17]前記TAEDは、前記アルカリ性源と配合され
または両性界面活性剤をさらに含む[22]に記載の組
る前、アニオン性界面活性剤で先にコーティングされて
成物。
いる[16]に記載の組成物。
( 14 )
【図1】
JP
【図4】
【図2】
【図5】
【図3】
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B2
2015.7.22
( 15 )
【図6】
JP
5752606
B2
2015.7.22
【図7】
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.
FI
C11D
3/30
(2006.01)
C11D
3/30
C11D
3/04
(2006.01)
C11D
3/04
C11D
3/39
(2006.01)
C11D
3/39
C11D
17/08
(2006.01)
C11D
17/08
C11D
17/00
(2006.01)
C11D
17/00
A01P
3/00
(2006.01)
A01P
3/00
A01N
25/02
(2006.01)
A01N
25/02
A01N
37/16
(2006.01)
A01N
37/16
(74)代理人
100095441
弁理士
(74)代理人
貞男
野河
信久
100140176
弁理士
(72)発明者
村松
100103034
弁理士
(74)代理人
俊郎
100084618
弁理士
(74)代理人
白根
砂川
克
カイザー、ハーバート・ジェイ.
アメリカ合衆国、イリノイ州
(72)発明者
アメリカ合衆国、コロラド州
ートメント
(72)発明者
62040、ポントゥーン・ビーチ、ウィルソン・コート
115
ティーンズ、ブライアン・エム.
80303、ボールダー、オーロラ・アベニュー
2905、アパ
135
ヘイシグ、クリストファー・シー.
アメリカ合衆国、ミズーリ州
63116、セイント・ルイス、マーウィネット・アベニュー
936
(72)発明者
クレイン、ダニエル・エー.
アメリカ合衆国、イリノイ州
62221、シロー、カトン・ラン・クロッシング
3427
5
( 16 )
(72)発明者
(56)参考文献
62221、ベルビル、カボラロス・ブールバード
247
63303、セイント・チャールズ、プレスウィック
124
62040、ポントゥーン・ビーチ、ウィルソン・コート
115
ニューマン、ジェリー・エル.
アメリカ合衆国、ミズーリ州
審査官
2015.7.22
カイザー、ナンシー・イー.
アメリカ合衆国、イリノイ州
(72)発明者
B2
フリー、カティー・ジェイ.
アメリカ合衆国、ミズーリ州
(72)発明者
5752606
リンダー、ジェシカ・エス.
アメリカ合衆国、イリノイ州
(72)発明者
JP
松波
63366、オファロン、ブルック・ホロウ・ドライブ
由美子
特開2007−008851(JP,A)
特開昭38−010165(JP,A)
特表2005−527193(JP,A)
特開昭58−011597(JP,A)
特開2009−155270(JP,A)
特開2007−051111(JP,A)
特開平09−053095(JP,A)
特開2003−082391(JP,A)
米国特許第04207199(US,A)
特公昭38−010165(JP,B1)
特公昭38−006268(JP,B1)
特開2006−328170(JP,A)
特表2001−518529(JP,A)
特開平02−181000(JP,A)
特開昭55−017509(JP,A)
特表2000−515204(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.,DB名)
C11D
1/00−19/00
A01N
1/00−65/48
3012