劇芸術コース Ⅰ. Ⅱ. Ⅲ. Ⅳ. Ⅴ. Ⅵ. Ⅶ. Ⅷ. Ⅸ. Ⅹ. 辞典・書誌・講座 演劇概論・演劇史 演劇各論 日本演劇 外国演劇 音楽劇 映画 放送 戯曲 卒業制作のために ⅩⅠ.定期刊行物 Ⅰ. 辞典・書誌・講座 河竹繁俊監修、早大演劇博物館編『演劇百科大事典』全 6 巻 平凡社 1960-62(新装復刊 1983) 演劇・映画・放送・舞踊をはじめ、劇芸術に関する歴史・ジャンル・作家・演出家・俳優・ 戯曲・用語などについて、五十音順に詳細に項目がとってあり、各項目ごとに参考文献が あげられている。刊行が古いので限界があるが、20 世紀半ばまでの日本と西洋の演劇につ いて疑問に思ったことは、まずこの事典を引いてみること。ここで基本的な概念をつかみ、 専門の参考文献や新しい文献を探すとよい。 倉橋 健、坪内敏晴監修『演劇映画テレビ舞踊オペラ百科』平凡社 1983 小型だが項目が広範囲に渡っている。 日外アソシエーツ編『映画・音楽・芸能の本全情報』紀伊国屋書店 1997− 文献を探すための本。1945‐94 年、95‐99 年、2000-2004 年の3冊が既刊。この期間に発 行された文献については WEB と併用するとよい。 服部幸雄ほか編『歌舞伎事典』平凡社 1983 戦後の歌舞伎研究の成果をふまえた事典で、図版も多く、値段も手頃で便利な事典となっ ている。台帳所収一覧をはじめ、役立つ付録が多く、歌舞伎に興味をもつ人は机上に備え たい本。 『新版 歌舞伎事典』 平凡社 2011 上記が大幅に加筆された最新版。 河竹登志夫、古井戸秀夫ほか編『歌舞伎登場人物事典』白水社 2006 河竹博士喜寿記念出版刊行会編『日本演劇研究書目解題』平凡社 1966 日本演劇の研究に関する単行本・叢書類約 2,000 点を書名の五十音順に配列、1冊ごとに 解説を加えたもの。 近松の会編『近世演劇研究文献目録』八木書店 1984 日本の近世演劇の研究書・論文を、昭和 20 年以降、年代順に配列したもの。歌舞技や浄瑠 璃の研究には必携の書である。 『日本古典演劇・近世文献目録』園田学園女子大学近松研究所 加藤 衛編『日本戯曲総目録』横浜演劇研究所 1985 明治 13 年以降 100 年間に刊行された戯曲の、作者・出典(出版社)・出版年等を記す。近 代戯曲研究の基礎文献。 津上忠、菅井幸雄、 香川良成編『演劇論講座』全 6 巻 汐文社 1976 第1巻:演劇史(日本篇) 、第2巻:演劇史(外国篇) 、第3巻:演出・演劇各 論、第4巻:演技論、第5巻:戯曲論、第6巻:舞台美術・音楽・効果論 諏訪春雄、菅井幸雄編『講座日本の演劇』全 8 巻 勉誠社 1996 第1巻:日本演劇の視点、第2巻:古代の演劇、第3巻:中世の演劇、第4巻:近世の演 劇、第5巻:近代の演劇(1) 、第6巻:近代の演劇(2) 、第7巻:現代の演劇(1)、第 8巻:現代の演劇(2) テリー・ホジソン『西洋演劇用語辞典』鈴木龍一他訳 研究社出版 1996 ロビン・メイ『世界演劇事典』佐久間康夫編訳 開文社 1999 坂本和男、来住 正三編『イギリス・アメリカ演劇事典』新水社 1999 松田隆美編『イギリス中世・チューダー朝演劇事典』慶應義塾大学出版会 1998 オディール・デュスッド『フランス 17 世紀演劇辞典』伊藤洋監修 中央公論新社 2011 佐和田敬司他編『演劇学のキーワーズ』ペりかん社 2007 ユージェニオ・バルバ、 ニコラ・サヴァレーゼ編『俳優の解剖学 ―― 演劇人類学事典』中嶋夏・ 鈴木美穂訳 PARCO 出版 1995 事典という形ではあるが、人間の身体表現文化全体として「演劇」を再定義したバルバの 思想を知るための便覧。20 世紀の身体的パフォーマンスがどのように培われたかを捉える 資料でもある。 アト・ド・フリース『イメージ・シンボル事典』山下主一郎主幹 大修館書店 1984 西洋演劇を読む際に頻出する「シンボル」の意味を知るために。 『文学批評ゼミナール』全 20 巻 研究社出版 1971-76 第1巻:悲劇、第2巻:ロマン主義、第9巻:リアリズム、第 16 巻:象徴主義、第 19 巻: 喜劇 他 それぞれの思潮について各一巻で概説。 ● WEB 上の資料・データベース 国際交流基金 Performing Arts Network Japan http://www.performingarts.jp/ 現代の第一線にある日本の舞台芸術家についての情報が発信されている。劇評家によるイ ンタビューなど読み物も充実している。 早稲田大学坪内博士記念演劇博物館 http://www.waseda.jp/enpaku/ 不完全ではあるがデータベースから日本の上演記録が検索できる。明治・大正期の舞台写 真も閲覧可能。なお博物館は無料公開されているので、是非出かけてみよう。販売されて いる特別展示のパンフレットも入手しておくことを勧める。演劇書専門の図書館も学生証 提示で使用できる。 早稲田大学 演劇映像学連携研究拠点「演劇研究基盤整備――舞台芸術文献の翻訳と公開」 http://kyodo.enpaku.waseda.ac.jp/trans/ ゴードン・クレイグ「俳優と超人形」(1907) アンドレ・アントワーヌ「自由劇場(抄訳) 」 (1890)など、これまで翻訳が整備されていなかった文献を翻訳して無料公開している。 解説もダウンロード可能。 日本劇作家協会 http://www.jpwa.org/ オンデマンド文庫で日本の戯曲が読めるほか、契約書がダウンロードできるなど現代の上 演環境についての資料として使用することも可能。 (社)日本芸能実演家団体協議会 http://www.geidankyo.or.jp/ 主宰は一般に「芸団協」と呼ばれる法人。現代日本の劇場マネージメントについてのニュ ースが発信されている。日本の劇場がどう動こうとしているのか知るためのソース。 Ⅱ. 演劇概論・歴史・理論 1.概論 飯塚友一郎『演劇学序説』 (上・下)増訂版 雄山閣 1974 東西の演劇論を個別に詳説し,その発展をさぐりつつ演劇学の構想への手引きとしている。 河竹登志夫『演劇概論』東京大学出版会 1978 「演劇とはなにか」をはじめ,演劇を構成する戯曲・俳優・劇場などについて比較演劇の 視点にたち該博な知識によって説かれている。演劇を学ぼうとする人たちの入門書の古典。 巻末に東西演劇略年表つき。 2.演劇史 菅原太郎『西洋演劇史』演劇出版社 1972 古代ギリシャ劇から 20 世紀までの西洋演劇史を概説。劇作家・戯曲にとどまらず,劇場・ 舞台・俳優・観客等の研究をふくめた,生きた演劇の歴史的変遷をたどる大著。 チェザーレ・モリナーリ『演劇の歴史』 (上・下)倉橋 健訳 パルコ出版 1977 歴史についての記述は余り詳しいとは言えないが、西洋演劇史の定番図版がカラー大判で 収録されていてわかりやすい。 山内登美雄『演劇の文明史』日本放送出版協会 1974(NHKブックス) 3.理論・現代演劇 安堂信也、大島勉、鳥越文蔵編『世界演劇論事典』評論社 1979 日本と海外の代表的な演劇論が、出典と簡単な解説とともに抄録されている。海外の文献 は翻訳者名が記載されていない等の問題もあるが、どのような演劇理論があるかを一覧す るには大変便利。 毛利三彌編『演劇論の変貌―今日の演劇をどう捉えるか』論創社 2007 今日の欧米の演劇学はどのような視点から論じられているかがわかる。2006 年に国際演劇 学会の第一線の研究者らが東京でおこなったシンポジウムの記録。 ロラン・バルト『エッセ・クリティック』篠田浩一郎、高坂和彦、渡瀬嘉朗訳 晶文社 1972 20 世紀後半の主要な思潮の一つである構造主義的文芸批評の演劇における結実として最も 基本的な書のひとつ。ここでは主にブレヒトが扱われているが、同著者の『ラシーヌ論』 (2006 みすず)も必読。 アンリ・グイエ『演劇の本質』佐々木健一訳 TBS ブリタニカ 1977 主としてフランス演劇を対象としているが、現代の西欧演劇思想を論ずる上での基本図書。 ジャン・デュビニョー『スペクタクルと社会』渡辺 淳訳 法政大学出版局 1973 ハンス=ティース・レーマン『ポストドラマ演劇』谷川道子他訳 同学社 2002 現代ドイツ演劇のみならず、現代の世界的な演劇の潮流を語る上で避けて通れない文献。 一貫した物語再現の「ドラマ」を脱した、現代の身体的・政治的な「ポストドラマ」とい うジャンルの呼称の源となった現代の古典。 クリストファー・イネス『アバンギャルド・シアター ―― 1892-1992』斎藤偕子他訳 カモミー ル社 2001 渡辺守章『仮面と身体』朝日出版社 1978 『虚構の身体』中央公論社 1978 4.比較文化 新関良三『劇文学の比較研究』東京堂 1964 「日本のギリシアの劇芸術」 「日本と西洋の戯曲] 「俊徳丸とハインリヒ」など,広い視野 に立ち豊富な材料をもとに,詳密に論究された比較演劇の論文集。 河竹登志夫『比較演劇学』 『続比較演劇学』『続々・比較演劇学』南窓社 1967-2005 比較演劇学の理論を基礎づけた著者の浩瀚の書。日本演劇近代化と西洋演劇移入はどのよ うに関係していたか。同著者の『日本のハムレット』(南窓社 1972)は、これらの膨大な 研究からテーマを『ハムレット』に限定しておりコンパクトで読みやすい。 サン・キョン・リー『東西演劇の出合い ―― 能、歌舞伎の西洋演劇への影響』田中徳一訳 新 読書社 1993 日本の伝統演劇がフランス、イギリス、ドイツ、ロシア、アメリカに及ぼした影響につい て、ドイツ語で書かれた韓国人研究者の書の翻訳。ジャポニズムの全体像をつかむのに絶 好の書。表題は『出会い』ではなく『出合い』なので検索の際は注意。 中村都史子『日本のイプセン現象 一九〇六―一九一六』九州大学出版会 1997 菅井幸雄『チェーホフ日本の旅』東洋書店 2004 Ⅲ. 演劇各論 劇作家・俳優・演出家など、具体的に取り上げたい個人名がわかっている場合は、まずその人物 名で検索しましょう。ここでは一般的問題を論じたもの、論文の参考になりそうなものを挙げま す。 1.戯曲論 グスタフ・フライターク『戲曲の技巧』上・下 島村民藏訳 岩波書店 1949 『フライターク戯曲論』の邦題での翻訳も(菅原太郎訳)。いずれも現在入手が困難だが、 戯曲論の古典中の古典として知っておくべき。 ペーター・ションディ『現代戯曲の理論』市村仁、丸山匠訳 法政大学出版局 1979 ジョージ・スタイナー『悲劇の死』 筑摩書房 1979 J. H. ロースン『劇作とシナリオ創作 ―― その理論と方法』岩崎昶、小田島雄志訳 岩波書店 1958 ドラマの思潮的変遷の歴史を簡便にまとめた上で、映画と戯曲のドラマの構造について解 説。 木下順二『"劇的"とは』岩波書店 1995 喜志哲雄『喜劇の手法 笑いのしくみを探る』集英社 2006 「喜劇はなぜ面白いのか?」を手法に着目して解説する喜劇論。 2. 俳優論・演技論 ドニ・ディドロ『逆説・俳優について』小場瀬卓三訳 末來社 1954 ジャン・デュヴィニョー『俳優』渡辺淳訳 法政大学出版局 1997 世阿弥著 竹本幹夫訳注『風姿花伝・三道 現代語訳付き』角川学芸出版 2009 『風姿花伝』は多くの版で出ているが、大変わかりやすい現代語訳が付されている。過去 に刊行された版に進む前に参照するとよい。 渡辺保『女形の運命』 岩波書店 2002 紀伊国屋書店(1974)、 筑摩書房(1991)からも刊行された版あり。 3. 劇場・舞台美術論 S. ティドワース『劇場 ―― 建築・文化史』白川宣力・石川敏男訳 早稲田大学出版部 1997 史上主要な劇場建築を漏らさず取り上げた、劇場面から見る西洋演劇史。 ジョージ・R・カーノードル『ルネサンス劇場の誕生 ―― 演劇の図像学』佐藤正紀訳 晶文社 1990 フランセス・イエイツ『世界劇場』佐藤正紀訳 晶文社 1978 ミクロコスモスとしてのルネサンス劇場の構造を分析した古典的著作。シェイクスピアの 劇場を考える際には一読したい。 日本建築学会編『劇場空間への誘い ―― ドラマチック・シアターの楽しみ』鹿島出版会 2010 舞台美術・劇場技術国際組織日本センター編集『劇空間のデザイン』リブロポート 1984 伊藤熹朔『舞台美術』朝日新聞社 1963 朝倉摂 粟津潔構成『朝倉摂のステージ・ワーク』PARCO 出版 長く第一線をリードしてきた女性舞台美術家の作品集大成。全作品リストつき。1981 年の 版と、それ以後 2002 までの作品を反映した 2003 年の版がある。 日本舞台美術家協会 HP http://www.jatdt.net/ 現在活躍中の舞台美術家らのニュースが配信されている。劇場関係の法律についても簡単 な FAQ あり。 4. マネジメント・劇場環境 小林真理、片山泰輔監修・編『アーツ・マネジメント概論』水曜社 2009 刻々と変化する現代のマネジメント事情に対応しつつ、2001 年に刊行されて以来3訂目と なる。新しく勃興した研究分野「アーツ・マネジメント」を学ぶための基本図書。 伊藤裕夫、 松井憲太郎、 小林真理編『公共劇場の 10 年 ―― 舞台芸術・演劇の公共性の現在と 未来』美学出版 2010 平田オリザ『芸術立国論』集英社 2001 鳩山政権下で内閣官房参与を務めた劇作家・演出家の基本理念。賛否がどうあれ、現在と 今後の日本の劇場政策の在り方を観察してゆく上では避けて通れない。 Ⅳ. 日本演劇 1.演劇史概説 河竹繁俊『日本演劇全史』岩波書店 1959 上世・中世・近世・現代にわたる日本の各種芸能・演劇の流れを有機的・体系的に叙述し たもので、著者の長年の蓄積の上にたって著わされた一貫した演劇史である。 芸能史研究会編『日本芸能史』全 7 巻 法政大学出版局 1981 日本の芸能の通史であるが、各分野の適任の研究者による分担執筆で、芸能史研究の最高 水準を示す研究論文集的性格をもっている。 後藤淑『日本芸能史入門』社会思想社 1961 日本演劇の歴史を通観し、平易簡明に叙述した入門書。民俗学・歴史学・社会文化史学な どが戦後に達成した研究成果を広くとり入れており、なかでも芸能史は、文化史・社会史 などの関連において動的にとらえねばならぬとする著者の見解のもとに、中世芸能史に力 が注がれている。 『日本の古典芸能』全 10 巻 平凡社 1969-71 第1巻:神楽、第2巻:雅楽、第3巻:能、第4巻:狂言、第5巻:茶花香、第6巻:舞 踊、第7巻:浄瑠璃、第8巻:歌舞伎、第9巻:寄席、第 10 巻:比較芸能論 今岡謙太郎『日本古典芸能史』武蔵野美術大学出版局 2008 大学講座のテキスト用に作られたもので、図版も多く読みやすい。 2.上 代 本田安次『神楽』 『田楽・風流』 『延年』 『語り物・風流二』木耳社 1966-70 「日本の民俗芸能」研究の全4冊。貴重な資料類と復刻と、現地踏査による広汎、詳細な 研究書。 3.中 世 横道万里雄『能芸逍遥』筑摩書房 1984 吉川久『能の世界』社会思想社 1960 (現代教養文庫) 能楽の歴史・舞台構成・代表曲目の解説を中心に能狂言の成立と曲目・能楽と後代文芸・ 欧米人の能楽研究などについて記述されている。 戸井田道三『観阿弥と世阿弥』岩波書店 1969(岩波新書) 堂本正樹『世阿弥』劇書房 1986 最新の世阿弥研究の成果をふまえた大著。 横道万里雄ほか編『岩波講座 能・狂言』全7巻・別巻 岩波書店 1989-90 4.近 世 義太夫年表刊行会編『義太夫年表』全 5 巻 八木書店 1979-82 近松以降の義太夫節の興行年表で、浄瑠璃史研究の最高峰。 鳥越文蔵他編『岩波講座歌舞伎・文楽』全 10 巻 岩波書店 1997-98 第 1 巻:歌舞伎と文楽の本質、第2巻:歌舞伎の歴史 1(17∼18 世紀/慶長∼寛政)、第3 巻:歌舞伎の歴史2(19∼20 世紀/化政∼平成)、第4巻:歌舞伎文化の諸相、 第5巻: 歌舞伎の身体論、第6巻:歌舞伎の空間論、第7巻:浄瑠璃の誕生と古浄瑠璃、第8巻: 近松の時代、第9巻:黄金時代の浄瑠璃とその後、第10巻:今日の文楽 戦後の歌舞伎と浄瑠璃研究の集大成的な講座。研究入門としても最適。興味深い箇所から 目を通せば、さまざまな問題が提示され、説明される。 鳥越文蔵『近松門左衛門』新典社 1989 近松の出自、伝説、書誌、作品などについて、近年の成果をふまえた入門的書物。 鳥越文蔵、信多純一、内山美樹子、井口 洋『近松への招待』岩波書店 1989 著者達が自分の得意な方法で、講演したものを集録。 武井協三編『江戸人物読本 近松門左衛門』ぺりかん社 1991 明治からの代表的研究論文を十編集めたもの。編者を司会とする対談が、現在の近松研究 の状況を示すので有効。 信多純一『近松の世界』平凡社 1991 現代近松研究の最高水準を示す著書。 『シンポジウム日本文学 近松』学生社 1976 『日本文学研究資料叢書 近松』有精堂 1976 上記二冊は現代の近松研究の水準を知る上で役に立つ内容をもつ。 諏訪春雄『近松世話浄瑠璃の研究』角川書店 1968 現代の近松研究の最高水準を示すもの。 井口洋『近松世話浄瑠璃論』和泉書房 1986 実証研究をふまえた上で、近松の世話浄瑠璃をどう読むべきかを記したもの. 原道生『新潮古典文学アルバム 近松門左衛門』新潮社 1991 近松関係の資料を図版によって数多く示す。入門書として必携。 内山美樹子『浄瑠璃史の十八世紀』勉誠社 1990 浄瑠璃がどれだけ現代劇的性格をもっていたかを実証した大著。 人形舞台史研究会編『人形浄瑠璃舞台史』八木書店 1991 歌舞伎や人形浄瑠璃の舞台についての研究は遅れているが、その穴を埋める唯一の書物・ 図を多用し、読みやすいのも特色。 祐田善雄『浄瑠璃史論考』中央公論社 1975 戦後の浄瑠璃研究指導的立場にあった著者の遺稿集。浄瑠璃研究をするものにとって必読 の書といえる。 なお、近松門左衛門に関しては日本文学コースの項も参照すること。 * 郡司正勝『新訂かぶき入門』社会思想社 1962(現代教養文庫) 渡辺保『江戸演劇史 上・下』講談社 2009 大著だが、読み物としても面白い著書にしたいという筆者の意図が伝わる。 服部幸雄『歌舞伎の構造―伝統演劇の創造精神』1970(中公新書) 入門書として必読。 『市川団十郎』平凡社 1978(日本を創った人びと) 図版が豊富で、しかも正確な解説が、入門書以上の特色を生んでいる。 小笠原恭子『出雲のおくに』中央公論社 1984 お国の生涯を信用のおける資料によってのみ復元したもの。 服部幸雄 郡司正勝『歌舞伎十八番』集英社 1979(図説日本の古典) 江戸歌舞伎の特色を知るには手軽で、正確。 古井戸秀夫『歌舞伎』新潮社 1992(新潮古典文学アルバム) 歌舞伎の歴史、狂言などを図版で示す。 伊原敏郎『歌舞伎年表』全 8 巻 岩波書店 1959 歌舞伎史研究の基礎資料。 『歌舞伎評判集成』全 11 巻 岩波書店 1972 野郎歌舞伎の時代から元禄歌舞伎までの評判記を集成した、重要かつ基本的な資料集。 小笠原恭子『かぶきの誕生』明治書院 1971 服部幸雄『歌舞伎成立の研究』 風間書房 1968 小笠原氏と服部氏は芸能史研究の立場にいる研究者であるが、上記二冊は、研究のすすん でいなかった初期歌舞伎の有り様を明らかにし、一挙に研究水準をあげた名著。この著作 によって常識であったものが、いくつもくつがえされ、訂正され、さまざまな事実が明ら かになった。発生から野郎歌舞伎迄を研究する者の必読の書である。 郡司正勝『おどりの美学』演劇出版社 1959 著者の豊かな常識を平易な文体で記したもの。入門書として最適。 『かぶき―様式と伝承―』新版 学芸書林 1969 鋭い観察と細密的考証に支えられた歌舞伎研究書。 「かぶきの様式」と「かぶきの成立」の 二編から成る。 『かぶきの発想』弘文堂 1970 『かぶきの美学』演劇出版社 1963 『かぶき論叢』思文閣出版 1980 守屋 毅『 「かぶき」の時代』角川書店 1976 歌舞伎が生まれ出る社会をいきいきと描いたもの。 諏訪春雄『元禄歌舞伎の研究』笠間書院 1967 初代市川団十郎年譜をはじめ、元禄歌舞伎研究の最高峰を示す。 服部幸雄『歌舞伎の原像』飛鳥書房 1974 『変化論』 (法政大学出版局) 、 『江戸歌舞伎論』 (法政大学出版局)、 『大いなる小屋』 (平凡 社)なども、服部氏の著作としてすぐれたものである。 今尾哲也『変身の思想』法政大学出版会 1970 著者独自の歌舞伎観をうかがうことができ、特に歌舞伎の作劇法の変化とそれをになう役 者の問題を新しい視点でまとめる。 『ほかひびとの末裔』飛鳥書房 1974 近藤瑞男『元禄歌舞伎の研究』雄山閣 2005 元禄時代の歌舞伎を戯曲研究を通して明らかにした著書。 小笠原恭子『芸能の視座』桜楓社 1984 小笠原恭子編『歌舞伎の世界』有精堂 1988(日本文学研究資料新集) 当時最新歌舞伎研究の集成。 守屋 毅『近世芸能興行史の研究』弘文堂 1985 郡司正勝編『日本舞踊辞典』東京堂 1977 早大演劇学会編『演劇学』17 号 早稲田大学出版部 1976 民俗芸能の文献目録を載せる。 西山松之助『家元ものがたり』秀英出版 1971 著者の『家元の研究』の続編。日本独自の家元制度を研究対象としている。 5.近・現代 秋庭太郎『日本演劇史』 (上・下)改訂新版 理想社 1973 明治初年から昭和のプロレタリア演劇時代までを、豊富な資料に基づいて詳細に記述した 実証的新劇史。各章末に付された資料も有益。 大笹吉雄『日本現代演劇史 大正・昭和初期篇』白水社 1986 『日本現代演劇史 昭和戦前篇』白水社 1990 『日本現代演劇史 昭和戦中篇Ⅰ』白水社 1993 『日本現代演劇史 昭和戦中篇Ⅱ』白水社 1994 『日本現代演劇史 昭和戦後篇Ⅰ』白水社 1998 『日本現代演劇史 昭和戦後篇Ⅱ』白水社 2001 『新日本現代演劇史1 脱戦後篇』中央公論社 2009 『新日本現代演劇史2 安保騒動篇』中央公論社 2009 『新日本現代演劇史3 東京五輪篇』中央公論社 2009 『新日本現代演劇史4 大学紛争篇』中央公論社 2010 『同時代演劇と劇作家たち』劇書房 1976 『ドラマの精神史』新水社 1983 大山 功『近代日本戯曲史』全 4 巻 近代日本戯曲史刊行会 1968-73 日本の近代戯曲の生成過程を当時の演劇事情もまじえながら詳述。個々の作家と作品につ いて梗概もふくめて紹介している。第1巻は明治篇、第2巻は大正篇、第3巻は昭和篇上、 第4巻は昭和篇下。 河竹登志夫『近代演劇の展開』日本放送出版協会 1983 野村喬・藤木宏幸編『近代文学評論大系9 演劇論』角川書店 1972 菅井幸雄『近代日本演劇論史』来来社 1979 『演劇創造の系譜』青木書店 1983 佐藤郁哉『現代演劇のフィールドワーク―芸術生産の文化社会学』東京大学出版会 1999 扇田昭彦『日本の現代演劇』岩波書店 1995(岩波新書) 田中干禾夫『劇的文体論序説』 (上・下)白水社 1977-78 戸板康二『物語近代日本女優史』中央公論壮 1980 日本近代演劇史研究会『20 世紀の戯曲』 (Ⅰ∼Ⅲ)社会評論社 1998-2005 松本克平『日本新劇史―新劇貧乏物語―』筑摩書房 1966 自由劇場・文芸協会から昭和期にいたる新劇史。とくに芸術座関係など詳しい。貴重な資 料をほりおこし、綿密な考証で、新劇運動の裏面を明らかにした労作。 『日本社会主義演劇史』明治大正編 筑摩書房 1975 松本伸子『明治演劇論史』演劇出版社 1980 向井爽也『日本の大衆演劇』東峰出版 1962 大衆演劇の温床である浅草の諸芸能から戦後のミュージカルショーにまで及ぶ日本の軽演 劇史。 『にっぽん民衆演劇史』日本放送出版協会 1977 日本演出者協会編『演出家の仕事』日本演出家協会 2006 日本演出者協会、 西堂行人編『演出家の仕事(2)戦後新劇』日本演出者協会 2007 『演出家の仕事(3)八〇年代・小劇場演劇の展開』日本演出者協会 2009 Ⅴ. 外国演劇 1.古代ギリシャ・ローマ 新関良三『ギリシャ・ローマ演劇史』全7巻 東京堂 1956-1957 第1巻『ギリシャ演劇史概説』、第2巻『アイスキュロス・ソポクレス』、第3巻『エウリ ピデス』 、第4巻『アリストパネス・メナンドロス』 、第5巻『ローマ演劇史概説』、第6巻 『プラウトゥス・テレンティウス・セネカ』 、第7巻『ギリシャ・ローマ演劇図録 総目次 全索引』 刊行から年月は経たものの、豊富な図版で古典悲劇・喜劇の基本を網羅した基本図書。最 新の研究については、ここでキーワードを掴んで検索。 山内登美雄『ギリシア悲劇 ― 神々と人間のドラマ』新曜社 1997 オリヴァー・タプリン『ギリシア悲劇を上演する』岩谷智、太田耕人訳 リブロポート 1991 ジョージ・スタイナー『アンティゴネーの変貌』海老根宏、山本史郎訳 みすず書房 1989 ギリシャ悲劇の近代における解釈の広がりとその悲劇性の本質を活写した名著。同著者の 『悲劇の死』と併せて読みたい。 フリードリッヒ・ニーチェ『ニーチェ全集2 悲劇の誕生』 1993(ちくま学芸文庫) ヤーコプ・ブルクハルト『ギリシア文化史』全 8 巻 新井靖一訳(ちくま学芸文庫) オウィディウス『転身物語』田中秀央、前田敬作訳 人文書院 1966 2.中世・ルネサンス グリン・ウィッカム『中世演劇の社会史』山本浩訳 筑摩書房 1990 ヨハン・ホイジンガ『中世の秋』全 2 巻 堀越孝一訳 中央公論新社 2001 ジャック・ル・ゴフ『中世の身体』池田健二、 菅沼潤訳 藤原書店 2006 石井美樹子『中世劇の世界 ― よみがえるイギリス民衆文化』中央公論新社 1984(中公新書) ヤコブス・デ・ラ・ウォラギネ『黄金伝説』全 4 巻 前田敬作、今村孝訳平凡社 2006 聖人劇、奇蹟劇の題材を知るための伝承集。13 世紀のドミニコ会士によって書かれ、以来 最も広く読まれた聖人伝の基本文献であり、カトリック精神を知る上でも重要。 ヤーコプ・ブルクハルト『ルネサンス』柴田治三郎訳 中央公論新社 2002 3.イギリス ロベルト・ヴァイマン、R. シュワーツ編『シェイクスピアと民衆演劇の伝統― 劇の形態・機能 の社会的次元の研究』青山誠子、山田耕士訳 みすず書房 1986 アンドルー・ガー『演劇の都、ロンドン ― シェイクスピア時代を生きる』青池仁史訳 北星堂 書店 1995 スティーヴン・オーゲル『性を装う ― シェイクスピア・異性装・ジェンダー』岩崎宗治、橋本 惠訳 名古屋大学出版会 1999 喜志哲雄監修『イギリス王政復古演劇案内』松柏社 2009 ジョン・ラッセル・テイラー『怒りの演劇 ― イギリス演劇の新しい波』喜志哲雄ほか訳 研究 社出版 1975 4.アイルランド アンドリュー E.マローン『アイルランドの演劇』久保田重芳訳 冨岡書房 1989 杉山寿美子『アベイ・シアター 『現代アイルランド演劇』新水社 1904-2004 ― アイルランド演劇運動』研究社 2004 1992‐2001 トマス・マーフィーやフランク・マクギネスなど、各号一名の現代劇作家について作品と 共に特集、5号まで。 5.スペイン シャルル・V.オーブラン『スペイン演劇史』会田由、戸張智雄、戸張規子訳 白水社 1969 佐竹謙一『スペイン黄金世紀の大衆演劇 ― ロペ・デ・ベーガ、 ティルソ・デ・モリーナ、 カ ルデロン』三省堂 2001 6.フランス 岩瀬孝、佐藤実枝、伊藤洋『フランス演劇史概説』早稲田大学出版部 1999 福井芳男ほか編『フランス文学講座4 演劇』大修館書店 1977 鈴木康司『闘うフィガロ―ボーマルシェ一代記』大修館書店 1997 『わが名はモリエール』大修館書店 1999 藤井康生『フランス・バロック演劇研究』平凡社 1995 パトリック・ドゥヴォー『コメディ=フランセーズ』伊藤洋訳 白水社 1995 ルソー『演劇について』今野一雄訳 岩波書店 1979 ジャン=マリ・トマソー『メロドラマ ― フランスの大衆文化』中條忍訳 晶文社 1991 H. ベアール『ダダ・シュルレアリスム演劇史』安堂信也訳 竹内書店 1972 ジュヌヴィエーヴ・セロー『ヌゥヴォ・テアトルの歴史』中條忍訳 思潮社 1986 7.イタリア 西本晃二ほか『イタリア文学史』東京大学出版会 1985 アラダイス・ニコル『ハーレクィンの世界』浜名恵美訳 岩波書店 1989 ウーゴ・ロンファーニ『ストレーレルは語る』高田和文訳 早川書房 1998 8.ドイツ・オーストリア フリードリヒ・ミヒャエル、ハンス・ダイバー『ドイツ演劇史』吉安光徳訳 白水社 1993 アルブレヒト・シェーネ『エンブレムとバロック演劇』岡部仁・野真紀子訳ありな書房 2002 広瀬千一『ドイツ近代劇の発生 ― シュトゥルム・ウント・ドラングの演劇』三修社 1996 G. E. レッシング『ハンブルク演劇論』南大路振一訳 鳥影社・ロゴス企画部 2003 菅利恵『ドイツ市民悲劇とジェンダー― 啓蒙時代の「自己形成」』彩流社 2009 岩淵達治訳者代表『ドイツ表現主義3 表現主義の演劇・映画』河出書房新社 1971 ベルトルト・ブレヒト『今日の世界は演劇によって再現できるか ― ブレヒト演劇論集』千田是 也訳編 白水社 1962 岩淵達治ほか責任編集『ベルトルト・ブレヒトの仕事』全 6 巻 河出書房新社 2006 H. シューマッハー『ブレヒト―生涯と作品』岩淵達治訳 テアトロ 1982 岩淵達治『 《三文オペラ》を読む』岩波書店 1993 谷川道子『ドイツ現代演劇の構図』論創社 2005 新野守広『演劇都市ベルリン ― 舞台表現の新しい姿』れんが書房新社 2005 9.中・東欧 P.ボガトゥイリョフ『民衆演劇の機能と構造』桑野隆訳 未来社 1982 ヴァーツラフ・ハヴェル『ハヴェル自伝 ― 抵抗の半生』佐々木和子訳 波書店 1991 中村雄二郎監修『ヴィトキェヴィッチの世界 ― 1920 年代の演劇的<知>』松本小四郎、本明訳 PARCO 出版局 1985 10.北欧 毛利三彌『北欧演劇論』東海大学出版会 1980 毛利三彌『イプセンの劇的否定性』白鳳社 1977 原千代海『イプセン』玉川大学出版部 1980 11.ロシア・ソヴィエト連邦 ニック・ウォーラル『モスクワ芸術座』佐藤正紀訳 而立書房 2006 コンスタンチン・スタニスラフスキー『俳優の仕事』全 3 巻 岩田貴ほか訳 未來社 2008 かつて英語からの山田肇訳『俳優修業 上・下』 (未来社)、ドイツ語からの千田是也訳『俳 優の仕事』 (理論社)で読まれ、日本の演技教育の基礎であり続けたリアリズム演技のバイ ブル。この版がロシア語からの初完訳となる。 スタニスラフスキー『芸術におけるわが生涯』蔵原惟人、江川卓訳 岩波書店 2008 牧原純『越境する作家チェーホフ ― 「孤独」と「自由」を求めた生涯』東洋書店 2004 浦雅春『チェーホフ』岩波書店 2004 岩田貴『街頭のスペクタクル ― 現代ロシア=ソビエト演劇史』未来社 1994 浦雅春、武隈喜一、岩田貴編 『ロシア・アヴァンギャルド テアトル1 未来派の実験』国書刊行会 1989 『ロシア・アヴァンギャルド テアトル2 演劇の十月』国書刊行会 1988 革命期ロシアの演劇に関する充実した原典資料集。 12.アジア 岩田直二、日笠世志久、諸井條次編『中国の演劇 ― 文革以後』田畑書店 1979 瀬戸宏『中国の同時代演劇』好文出版 1991 梁民基『仮面劇とマダン劇 ― 韓国の民衆演劇』久保覚編訳 晶文社 1981 徐淵昊著『韓国演劇史 ― 伝統と現代』伊藤好英、 村上祥子共訳 朝日出版社 2009 宮尾慈良『アジア演劇人類学の世界』三一書房 1994 中村雄二郎『魔女ランダ考 ― 演劇的知とはなにか』岩波書店 1983 13.アメリカ 斎藤偕子『19 世紀アメリカのポピュラー・シアター―国民的アイデンティティの形成』論創社 2010 全国アメリカ演劇研究者会議(21 号まで)、日本アメリカ演劇学会(22 号以降) 『アメリカ演劇』法政大学出版局 1987- 内容については http://www12.ocn.ne.jp/~a-engeki/を参照。エドワード・オールビーや ソーントン・ワイルダーなど、アメリカの近現代を代表する最重要劇作家を各号一名特集、 資料と論文多数。2012 年 4 月現在 23 号まで。 内野儀『メロドラマからパフォーマンスへ ― 20 世紀アメリカ演劇論』東京大学出版会 2001 谷林真理子『アメリカ女性演劇クロニクルズ―周縁から主流に』鼎書房 2007 一ノ瀬 和夫、外岡 尚美『境界を越えるアメリカ演劇―オールタナティヴな演劇の理解』ミネル ヴァ書房 2001 Ⅵ.音楽劇 オペラの台本・解説としては『オペラ対訳ライブラリー』『名作オペラブックス』(音楽之友社) 各巻などを参照しましょう。 『オペラ辞典』音楽之友社 1993 『新グローブ・オペラ事典』白水社 2006 戸口幸策『オペラの誕生』東京書籍 1995 増井敬二『オペラを知っていますか』音楽之友社 1995 ディガエターニ『オペラへの招待』細川晶訳 新書館 1994 水谷彰良『イタリア・オペラ史』音楽之友社 2006 丸本隆編『オペラの18世紀』彩流社 2003 『初期オペラの研究』彩流社 2005 『オペラ学の地平』彩流社 2009 『小林一三全集1∼7』ダイヤモンド社 1961-67 『浅利慶太の四季1∼4』慶応義塾大学出版会 1995 『植田紳爾脚本選1∼3』宝塚歌劇団 1990-95 『柴田侑宏脚本選1∼5』宝塚歌劇団 1989-2006 『宝塚歌劇 90 年史 すみれ花歳月を重ねて』宝塚歌劇団 2004 白井鐵造『宝塚と私』中林出版 1967 高木史朗『レヴューの王様』河出書房新社 1983 阪田寛夫『わが小林一三』河出書房新社 1983 川崎賢子『宝塚 消費社会のスペクタクル』講談社 1999(講談社選書メチエ) 川崎賢子『宝塚というユートピア』岩波新書 2005 松崎哲久『劇団四季と浅利慶太』文春新書 2002 青弓社編集部編『宝塚という装置』青弓社 2009 Ⅶ. 映画 1.辞典・書誌・講座 浅沼圭司ほか編『新映画事典』美術出版社 1980 今村昌平ほか編『講座日本映画』全7巻 岩波書店 1985-86 実際に現場にたずさわった人々の声などをとり入れて、日本映画の発達史をのべる。 岩本憲児、高村倉太郎監修『世界映画大事典』日本図書センター 2008 岩本憲児、波多野哲朗編『映画理論集成』フィルムアート社 1982 『新映画理論集成』全 2 巻 フィルムアート社 1998/99 『世界映画大事典』日本図書センター 2008 岡田 晋、佐々木基一ほか編『現代映画事典』美術出版社 1967 映画とほかの芸術ジャンルとの関係、学問的体系としての位置、さらに歴史的な観点から 映画全体を眺めたもの。項目式のものではなく、読むための辞典。末尾に映画用語映画作 家など、簡単な解説がついている。 佐藤忠男編著『シリーズ 日本のドキュメンタリー』全 5 巻 岩波書店 2010 とくに第 5 巻の「資料篇」が作品・人名事典になっていて日本ドキュメンタリー映画史を 調査するには必読。 辻 恭平『事典 映画の図書』凱風社 1989 草創期から刊行時までの映画文献をほぼ網羅した基本図書。机上版も発刊されている。 本地陽彦『日本映画雑誌タイトル総覧』ワイズ出版 2003 日本で発刊された映画雑誌にどんなものがあるかを調べることのできる基本資料。 牧野守『日本映画文献書誌 明治・大正期』全 3 巻 雄松堂出版 2003 明治・大正期にかぎられてはいるが、日本で映画についてどのような言説があったかを網 羅した書誌事典。 村山匡一郎編『映画史を学ぶクリティカル・ワーズ』フィルムアート社 2003 四方田犬彦ほか編『日本映画は生きている』全 8 巻 岩波書店 2010-2011 加藤幹郎ほか編の「映画学叢書」 、岩本憲児ほか編の「日本映画史叢書」とともに、学問と しての映画論のあり方を示す講座本。 日本映画情報システム http://www.japanese-cinema-db.jp/ 映画渡来以来、現在まで日本で製作された映画作品のデータベース。ナショナル・フィル モグラフィー。書物の形では『日本映画作品大鑑』 (1960∼61、キネマ旬報社)が 1945 年 までに日本で上映された映画作品をしらべるために必携。 キネマ旬報映画データベース http://www.kinejun.jp/ 1945 年以降の日本公開作が中心。タイトルや人名で検索可能。 The Internet Movie Database (IMDb)(英語) http://www.imdb.com/ 世界最大級の映画データベース。日本未公開映画について知りたいときに。俳優や監督、 原作者、タイトルなどのみならず、何度も映画化されるような作品の登場人物名(例: Ophelia 等)でも検索可能。 2.映画史 〔日本〕 相田洋『ドキュメンタリー私の現場』日本放送出版協会 2003 映画とテレビの移行期に、ドキュメンタリー映像がいかに変容したかを体験的に記述。 岩本憲児、佐伯知紀編著『聞書き キネマの青春』リブロポート 1988 多くの映画人への貴重なインビュー集。 岡本純『戦時下の日本映画』砦書房 1979 日中戦争・太平洋戦争時期の映画状況を精査・研究した。 『帝国の銀幕』などに先駆けて映 画と戦争の関係を書きぬいて、今もなお最良の映画史書のひとつ。 岸冨美子『はばたく映画人生』せらび書房 2010 満洲映画協会・戦後の中国映画と日本の関係を体現する岸の体験談。山口猛らの満映史や 三澤真美恵らの植民地台湾の映画史などを読み進めていく入門に最適。 小松 弘『起源の映画』青土社 1991 創成期の映画を細密に分析し、映画史自体に新たな視点を与えようとする刺激的な労作。 新藤兼人『日本シナリオ史』 (上・下)岩波書店 1989 『講座日本映画』のために書き下ろされた連載を上下2冊にまとめたもの。 田中純一郎『日本映画発達史』全 5 巻 中央公論社 1980 映画史料を豊富に使用し、歴史を映画企業・作品の面から考察した基本文献。 谷川建司『アメリカ映画と占領政策』京都大学学術出版会 2002 平野共余子『天皇と接吻』とともに、戦後日本映画とアメリカ映画の関係を考えるに必読。 塚田嘉信『日本映画史の研究』現代書館 1980 日本に映画が輸入された事情を詳細に調査研究。 「映画」がどんな風に我々の生活のなかに 定着していったかを考え直すのに『リュミエール元年』 『映画伝来』とともに必読。 並木晋作『 「プロキノ」全史』合同出版 1986 プロレタリア映画運動の歴史を描いている。 平沢剛『アンダーグラウンド・フィルム・アーカイヴス』河出書房新社 2001 1960 年代以降の映画運動史のガイド。『輝け 60 年代』と共に 60 年代以降の映画について しるための入門書として最適。 藤木秀朗『増殖するペルソナ』名古屋大学出版会 2007 映画スターという現象について映画史的に考察する。 牧野守『日本映画検閲史』パンドラ 2003 牧野守・佐藤洋編『映画学の道しるべ』文生書院 2011 映画史を研究するとはどういうことなのか。一人の映画研究者の体験を例に示す。映画学 の入門に最適。 山本喜久男『比較映画史研究―日本における外国映画の影響』早稲田大学出版部 1983 渡辺泰・山口且訓『日本アニメーション映画史』有文社 1978 日本アニメーション映画史記述の金字塔。他に現在連載中の渡辺泰「日本で上映された外 国アニメーション映画の歴史」 ( 『昭和戦前期「キネマ旬報」総目次』 (文生書院)連載中で 単行本化予定)も他に類例をみない外国アニメの受容史である。 吉原順平『日本短編映像史』岩波書店 2011 ドキュメンタリー映画や産業映画などの歴史を概観した。 イメージフォーラム編『日本実験映像 40 年史』イメージフォーラム 1994 戦後日本の実験映画・小型映画の歴史を概観。同様の映画について編まれた『メディア・ アートの世界』 『フィルム・メーカーズ』と共に、必読。 〔海外〕 小松 弘『起源の映画』青土社 1991 G. サドゥール『世界映画史 I』第 2 版 丸尾定訳 みすず書房 1980 G. サドゥール『世界映画全史』全 12 巻 丸尾定ほか訳 国書刊行会 1992-2000 C. W. ツェーラム『映画の考古学』月尾嘉男訳 フィルムアート社 1977 映画前史の研究に欠かせない名著。 A. スコット・バーグ『虹を掴んだ男 サミュエル・ゴールドウィン』 (上・下) 吉田利子訳 文 藝春秋社 1990 大プロデューサーの伝記を通じてハリウッド映画史に触れる。極めて精緻な調査に基づく。 3.映画理論 〔日本〕 今村太平『漫画映画論』スタジオジブリ 2005 世界に先駆けてアニメーション映画を研究した画期的な論考の復刊。高畑勲の解説付。 蓮實重彦『映画からの解放』河合文化教育研究所 1988 映画を見る行為に再考をうながす刺激的な労作。ショットについて説明する。 大塚康生『作画汗まみれ 増補改訂版』徳間書店 2001 宮崎駿や高畑勲の師である大塚が、自身の経験からアニメーターの創造的な役割を説く。 今村太平編『映画を心ざす人に』社会思想研究会出版部 1955 作品論から企業論に観客心理分析まで、映画を考える多様な視点を紹介している。 松本俊夫『美術×映像』美術出版社 2010 若手美術家と松本の対話。 『映像の発見』など松本の理論書を読む準備にも読みやすく刺激 的。 岩本憲児ほか編『新・映画理論集成』全 2 巻 フィルムアート社 1999 『映画理論集成』とともに、欧米の主要な映画理論を翻訳・紹介する。 牧野守監修『日本映画論言説大系』全 30 巻 ゆまに書房 2003-06 戦前の日本で発行された映画理論書の復刻シリーズ。 小川 徹ほか編『現代日本映画論体系』全 6 巻 冬樹社 1970 戦後の日本の映画言説史を、重要な批評を採録してまとめたアンソロジー。 佐藤忠男『日本映画理論史』評論社 1977 単行本で発刊された日本の映画理論の歴史を解説。 鈴木志郎康『結局、極私的ラディカリズムなんだ』書肆山田 2011 かわなかのぶひろ『映画・日常の実験』や鈴木の他の著作などから、個人映画の歴史と理 論を読み取っていくための入門書として読みやすい。 中井正一『中井正一全集』全 4 巻 美術出版社 1964-81 能勢克男とともに、京都で映画美学を確立した中井の全集。従来の哲学・美学の伝統をい かに映画論に生かすかを知るために必読。その業績を知るには藤井祐介の論文が最適。 大熊信行『芸術経済学』潮出版社 1974 大衆文化を分析する「享受形態論」を確立した戦前の『文学のための経済学』 『文芸の日本 的形態』をあわせて再刊。観客が映画を観る形から、映画現象を分析する。 黒沢清ほか『映画の授業』青土社 2004 〔海外〕 アンリ・アジェル『映画の美学』岡田真吉訳 白水社 1962 G. アリスタルコ『映画理論史』中村、松尾訳 みすず書房 1962 R. アルンハイム『芸術としての映画』志賀信夫訳 みすず書房 1960 浅沼圭司『映画のために』全 2 巻 水声社 1986 ベラ・バラージュ『視覚的人間』佐々木、高村訳 岩波文庫 1986 ベラ・バラージュ『映画の精神』佐々木、高村訳 創樹社 1984 ベラ・バラージュ『映画の理論』佐々木基一訳 学芸書林 1971 アンドレ・バザン『映画とは何か』全 4 巻 小海永二訳 美術出版社 1967-77 G. コアン=セア『フィルモロジー』小笠原、大須賀訳 朝日出版社 1980 マルセル・マルタン『映画言語』金子敏男訳 みすず書房 1957 クリスチャン・メッツ『映画記号学の諸問題』浅沼圭司監訳 書肆風の薔薇 1987 『映画における意味作用に関する試論―映画記号学の基本問題』水声社 2005 クリスチャン・メッツ『映画と精神分析―想像的シニフィアン』鹿島茂訳 白水社 2008 ジェームズ. モナコ『映画の教科書』岩本憲児ほか訳 フィルムアート社 1983 〈映画の全体像〉を判りやすく包括的に扱った高度な入門書。 ドナルド・リチー『映画のどこをどう読むか ― 映画理解学入門』三本宮彦、司馬叡三訳 キネ マ旬報 1984 日本と世界の映画双方に詳しい著者が、映画史上の名作 10 本を解説する。スタジオジブリ による 2006 年の版もあり。 マルセル・マルタン『フランス映画 1943−現代』村山匡一郎訳 合同出版 1987 戦後フランス映画史を概観するために一読すべき好著。 エドガール・モラン『映画 あるいは想像の中の人間』渡辺淳訳 法政大学出版局 1983 エドガール・モラン『スター』渡辺淳、山崎正巳訳 法政大学出版局 1976 ポール・ローサ『ドキュメンタリィ映画 ― あるがままの民衆の生活を創造的に、社会的関連に おいて解釈するための映画媒体の使用法について』厚木たか訳 未来社 1976 1960 年にみすず書房から刊行された書の増補。1995 年刊の新装版もあり。 ピーター・ウォーレン『映画における記号と意味』岩本憲児訳 フィルムアート社 1975 ジャック・オーモンほか『映画理論講義̶̶映像の理解と探究のために』武田潔訳 勁草書房 2000 デイヴィッド・ボードウェル、 クリスティン・トンプソン『フィルム・アート― 映画芸術入門』 飯岡詩朗ほか訳 名古屋大学出版会 2007 欧米で映画学の教科書として使われる書物。 ジル・ドゥルーズ『運動イメージ』財津理・齋藤範訳 法政大学出版局 2008 ジル・ドゥルーズ『時間イメージ』宇野邦一ほか訳 法政大学出版局 2006 ダニエル・アリホン『映画の文法 ― 実作品にみる撮影と編集の技法』岩本憲児・出口丈人訳 紀 伊国屋書店 1980 蓮實重彦『ハリウッド映画史講義 ― 翳りの歴史のために』筑摩書房 1993 S. クラカウアー『カリガリからヒトラーへ ― ドイツ映画 1918-33 における集団心理の構造分 析』丸尾定訳 みすず書房 1995 平井正訳もあり(『カリガリからヒットラーまで』せりか書房 1971/1980) 。 佐藤真『ドキュメンタリーの修辞学』みすず書房 2006 森達也『ドキュメンタリーは嘘をつく』草思社 2005 村山匡一郎編『映画は世界を記録する ― ドキュメンタリー再考』森話社 2006 岩本憲児『ロシア・アヴァンギャルドの映画と演劇』水声社 1998 ミシェル・シオン『映画にとって音とはなにか』川竹英克ほか訳 勁草書房 1993 ミシェル・シオン『映画の音楽』伊藤制子ほか訳 みすず書房 2002 松本俊夫『映像の発見 ― アヴァンギャルドとドキュメンタリー』清流出版 2005 リュダ & ジャン・シュニッツェル、 マルセル・マルタン編『回想のロシア・アヴァンギャルド ― インタヴュー・ソヴィエト映画を築いた人々』岩本憲児ほか訳 新時代社 1987 ロバート・L・キャリンジャー『 『市民ケーン』、すべて真実』藤原敏史訳 筑摩書房 1995 内田樹『映画の構造分析 ― ハリウッド映画で学べる現代思想』晶文社 2003 飯島 正『前衛映画理論と前衛芸術―フランスを中心に』白水社 1970 アド・キルー『映画とシュルレアリスム』 上・下巻 飯島耕一訳 美術出版社 1968 アド・キルー『映画のシュルレアリスム』飯島耕一訳 フィルムアート社 1997 4.作家論 〔日本〕 蓮實重彦『監督小津安二郎 増補決定版』筑摩書房 2003 溝口健二・成瀬巳喜男などの作家論を読む前に、まずこの小津論を読むといい。 水谷憲司『映画監督五所平之助』永田書房 1977 伊藤大輔『時代劇映画の詩と真実』キネマ旬報社 1976 加藤泰『映画監督山中貞雄』キネマ旬報社 2008 加藤泰ほか『加藤泰、映画を語る』筑摩書房 1994 渡辺武信『日活アクションの華麗な世界 1954−1971』来来社 2004 石原裕次郎、小林旭らを擁して全盛を誇った日活アクション映画の系譜を詳細にたどった もので、一つの時代史的な役割も果たしている。 上野昴志『映画全文』リトルモア 1997 上野の 90 年代の映画批評を集成。北野武・黒沢清など、現在の日本を代表する映画作家の 作品とその見方をレヴューするスタートに最適。 足立正生『映画/革命』河出書房新社 2003 若松孝二『時効なし』などとともに、60 年代以降の映画運動がいかなるもので、周防正防 や黒沢清、といった人物がいかに関係しているかを解き明かす。読みやすい聞き書き。 大島渚ほか『大島渚著作集』全 4 巻 現代思潮新社 2008-09 大江健三郎編『伊丹万作エッセイ集』筑摩書房 2010 見事な思想・文章力をもった伊丹十三の父のエッセンスを紹介。『伊丹万作全集』もある。 北野武『武がたけしを殺す理由』ロッキング・オン 2003 北野武の映画を考える入門に最適なインタビュー集。 山形国際ドキュメンタリー映画祭東京事務局編『ドキュメンタリー映画は語る』未来社 2006 幅広い年代・ジャンルのドキュメンタリー映画作家たちのインタビューを収録。亀井文夫 から小川紳介までのドキュメンタリー作家たちについて考える入門に、佐藤真のドキュメ ンタリー映画論とともに適している。 叶精二『日本のアニメーションを築いた人びと』若草書房 2004 日本を代表するアニメーション作家たちについて概説した。 〔海外〕 マドレーヌ・マルテット=メリエス『魔術師メリエス ― 映画の世紀を開いたわが祖父の生涯』古 賀太訳 フィルムアート社 1994 ジョルジュ・サドゥール『メリエスの時代 1897-1902』村山匡一郎ほか訳 国書刊行会 1994 リリアン・ギッシュ、 アン・ピンチョット『リリアン・ギッシュ自伝 ― 映画とグリフィスと私』 鈴木圭介訳 筑摩書房 1990 渡辺淳『映画と文学の間 ― メリエスからロメールまで』清水書院 1997 チャールス・チャップリン Jr. ほか『わが父チャップリン』木槿三郎訳 恒文社 1965 チャールズ・チャップリン『チャップリン自伝』中野好夫訳 新潮社 1966/1992 エイゼンシュテイン全集刊行委員会『エイゼンシュテイン全集』第1巻(以下続刊)キネマ旬報 社 1973 山田和夫『エイゼンシュテイン ― 生涯とその思想』紀伊國屋書店 1964/1994/2006 セルゲイ・エイゼンシュテイン『エイゼンシュテイン解読 ― 論文と作品の一巻全集』岩本憲児 編 フィルムアート社 1968 山田和夫『ロシア・ソビエト映画史 ― エイゼンシュテインからソクーロフへ』キネマ旬報社 1997 ジャン・コクトー『シネマトグラフをめぐる対話』高橋洋一訳 村松書館 1982 ルネ・クレール『映画をわれらに』山口昌子訳 フィルムアート社 1980 オーソン・ウェルズ、ジョナサン・ローゼンバウム編『オーソン・ウェルズ ― その半生を語る』 河原畑寧訳 キネマ旬報社 1995 バーバラ・リーミング『オーソン・ウェルズ偽自伝』宮本高晴訳 文藝春秋 1991 ジャン・ルノワール『ジャン・ルノワール自伝』西本晃二訳 みすず書房 2001 アンドレ・バザン著 フランソワ・トリュフォー編『ジャン・ルノワール』奥村昭夫訳 フィル ムアート社 1980 ロベルト・ロッセリーニ著 アドリアーノ・アプラ編『ロッセリーニ私の方法』西村安弘訳 フ ィルムアート社 1997 フェデリコ・フェリーニほか『フェリーニ、映画を語る』竹山博英訳 筑摩書房 1985 フィルムアート社編『ヴィスコンティ集成 ― 退廃の美しさに彩られた孤独の肖像』フィルムア ート社 1981 三木宮彦『ベルイマンを読む ― 人間の精神の冬を視つめる人』フィルムアート社 1986/1999 (改訂) イングマール・ベルイマン『ベルイマン自伝』木原武一訳 新潮社 1989 J・シクリエ『ベルイマンの世界』浅沼圭司訳 竹内書店 1968 ジャン=リュック・ゴダール『ゴダール映画史 全』奥村昭夫訳 筑摩書房 1982/2012 ジャン=リュック・ゴダール『ゴダール全エッセイ集』蓮実重彦、 保苅瑞穂共訳 竹内書店 1970 ジャン=リュック・ゴダール/アラン・ベルガラ編『ゴダール全評論・全発言』 全 3 巻 奥村昭 夫訳 筑摩書房 1998 ヴィム・ヴェンダース 梅本洋一ほか編・構成『天使のまなざし ― ヴィム・ヴェンダース、映 画を語る』フィルムアート社 1988 ヴァルター ルグレ『アンゲロプロス―沈黙のパルチザン』奥村賢訳 フィルムアート社 1996 テオ・アンゲロプロス『テオ・アンゲロプロス シナリオ全集』池沢夏樹字幕 愛育社 2004 フランソワ・トリュフォー『映画術 ― ヒッチコック』改訂版 山田宏一、 蓮實重彦訳 晶文社 1990 タニア・モドゥレスキー『知りすぎた女たち ― ヒッチコック映画とフェミニズム』加藤幹郎、 中 田元子、 西谷拓哉訳 青土社 1992 エリック・ロメール『美の味わい』梅本洋一、 武田潔訳 勁草書房 1988 ロベール・ブレッソン『シネマトグラフ覚書 ― 映画監督のノート』松浦寿輝訳 筑摩書房 1987 浅沼圭司『ロベール・ブレッソン研究 ― シネマの否定』水声社 1999 Ⅷ. 放送 M.マクルーハン『人間拡張の論理』後藤和彦訳 竹内書店 1967 著者はメディアに関する理論で知られる文明批評家。文芸メディアコースの選書も参照す るとよい。 ノーマン・S.モリス『テレビと子どもたち』武田尚子訳 サイマル出版会 1972 村松泰子『テレビドラマの女性学』創拓社 1979 白井常、坂元昻編『テレビは幼児に何ができるか』日本放送教育協会 1982 川竹和夫『テレビの中の外国文化』日本放送出版協会 1983 NHK 総合放送文化研究所編『テレビで働く人間集団』日本放送出版協会 1983 『現代のエスプリ』N0.208「放送文化」至文堂 1984 横沢彪『人間メディア』講談社 1985 著者は「笑っていいとも!」初代プロデューサー。 高柳健次郎『テレビ事始』有斐閣 1986 天野祐吉『テレビは嘘が嫌』TBS ブリタニカ 1986 著者は雑誌『広告批評』を創った人。 菅野拓也『ざ・テレビ人間』朝日新聞社 1986 鳥山 拡『世界TV映画史』MG 出版 1987 小林信彦編『テレビの黄金時代』キネマ旬報社 1987 江上照彦『テレビドラマ事始め』教育社 1989 志賀信夫『昭和テレビ放送史』 (上・下)早川書房 1990 猪瀬直樹『欲望のメディア』新潮社 1994 力道山、田中角栄など、時代の寵児たちを糸口に語るメディアの発達史。 野沢尚『破線のマリス』講談社 2000 ベテラン脚本家が「テレビを信じるな!」のメッセージをこめて、ニュースの裏側を描い た江戸川乱歩賞受賞作。 安達元一『視聴率 200%男』光文社 2001 放送作家が明かす、人気番組ができるまで。 西沢 実『ラジオドラマの黄金時代』河出書房新社 2002 森 達也『 「A」―マスコミが報道しなかったオウムの素顔』角川書店 2002 メディアの垂れ流す情報に、視聴者が麻痺していく様子を描いたドキュメンタリー。 『放送禁止歌』知恵の森 2003 碓井広義『テレビの教科書―ビジネス構造から制作現場まで』PHP 研究所 2003 引田惣弥『全記録 テレビ視聴率 50 年戦争―そのとき一億人が感動した』講談社 2004 林 直哉、松本美須々ヶ丘高校放送部『ニュースがまちがった日―高校生が追った松本サリン事 件報道、そして十年』太郎次郎社エディタス 2004 高校生がメディアを逆取材。マスコミはなぜまちがいを認められないのか? 清水克彦『ラジオ記者、走る』新潮社 2006 予算はわずか。スタッフは少ない。それでもラジオには知恵がある。文化放送プロデュー サーによる現場発のラジオ論。 室田泰弘『YouTube はなぜ成功したのか』東洋経済新報社 2007 YouTube の魅力の核心に迫ることで、放送業界の未来像も理解できる。 藤平芳紀『視聴率の正しい使い方』朝日新聞社 2007 ラサール石井『笑いの現場―ひょうきん族前夜から M‐1 まで』角川 SS コミュニケーションズ 2008 宇野常寛『ゼロ年代の想像力』早川書房 2008 若い批評家がゼロ年代に生まれたドラマの魅力を解き明かす。 花輪如一『ラジオの教科書』データ・ハウス 2008 山中伊知郎『 「お笑いタレント化」社会』祥伝社 2008 なぜ日本はみんなが「お笑いタレント」を目指す不思議な社会になったのか? 佐々木俊尚『ニコニコ動画が未来をつくる ドワンゴ物語』アスキー・メディアワークス 2009 どちらも動画でありながら、全然違うテレビとニコ動。比べると、テレビが見えてくる。 中川勇樹『テレビ局の裏側』新潮社 2009 ベテランディレクターが明かすテレビ制作現場の実情。 志村一隆『ネットテレビの衝撃 ―20XX 年のコンテンツビジネス』東洋経済新報社 2010 アメリカで起こっている出来事をもとに、テレビの将来をハードとソフトの両面で解説し ている。 成馬零一『TV ドラマは、ジャニーズものだけ見ろ! 』宝島社 2010 鈴木伸元『加害者家族』幻冬舎 2010 マスコミ取材による二次被害のルポ。著者は NHK のディレクター。 佐々木俊尚『マスコミは、もはや政治を語れない ―― 徹底検証「民主党政権」で勃興する「ネ ット論壇」 』講談社 2010 今後、報道や言論の役割を担うのは、テレビではなくブログや twitter だ…というメディ ア興亡論。 川井拓也『USTREAM 世界を変えるネット生中継』ソフトバンククリエイティブ 2010 個人がテレビ局になる…とは、どういうことか? 今 祥枝『海外ドラマ10年史』日経 BP 社 2010 指南役『テレビは余命7年』大和書房 2011 フジテレビバラエティプランナー大賞などを受賞した企画集団が「日本のテレビ界はガラ パゴス」という現状を解説。 椎名健次郎『ニュースに騙されるな』宝島社 2011 テレビ、ネットの両方でニュースの現場を担当した著者だからこそわかるニュースのから くり。 三橋貴明『大マスコミ 疑惑の報道』飛鳥新社 2011 総務省にまでインタビューして、既得権を守るために隠蔽や捏造を行うテレビの体質を明 かしていく。 志村一隆『明日のメディア 3 年後のテレビ、SNS、広告、クラウドの地平線』ディスカヴァー・ トゥエンティワン 2011 佐藤義和『バラエティ番組がなくなる日―カリスマプロデューサーのお笑い「革命」論』主婦の 友社 2011 「SMAP×SMAP」などを創ったプロデューサーのバラエティ番組論。 川端幹人『タブーの正体!―マスコミが「あのこと」に触れない理由』筑摩書房 2012 著者は、タブー無き雑誌と言われた『噂の眞相』副編集長時代に右翼から襲撃を受けた経 験を持つフリージャーナリスト。ネット時代においてもメディア・タブーが増殖し続ける メカニズムをひもとく。 小田桐誠『NHK独り勝ちの功罪』ベストセラーズ 2012 NHKの報道を、民放の報道と徹底比較して問題点を検証。 Ⅸ. 戯曲 ここに挙げたもの以外にも、個々の劇作の単行本は多数刊行されています(特に現代日本の劇作家 の作品)。また演劇雑誌に収録されている戯曲も多くありますので、対象がはっきりしているとき にはまずそれぞれの劇作家名で検索してみましょう。ここでは併録されている年表や解説が役に 立つ全集系を中心に挙げています。 〔日本の劇〕 『日本古典文学大系』岩波書店 1958-65 第 40・41 巻:謡曲集、第 42・43 巻:狂言集、第 49・50 巻:近松浄瑠璃集、第 51・52 巻: 浄瑠璃集、第 53・54 巻:歌舞伎脚本集、第 98 巻:歌舞伎十八番集、第 99 巻:文楽浄瑠璃 集。 『日本古典文学全集』小学館 1970-76 第 33・34 巻:謡曲集、第 35 巻:狂言集、第 43・44 巻:近松門左衛門集、第 45 巻:浄瑠 璃集。 『新潮日本古典集成』新潮社 第 57 巻:謡曲集、第 65 巻: 『三人吉三廓初買』、第 70 巻:浄瑠璃集、第 45 巻『東海道四 谷怪談』 『日本古典全書』朝日新聞社 歌曲集(上・下)、近松門左衛門集(上・中・下)、近松半二集、竹田出雲集、歌舞伎十八 番集、の各巻を含む。 野々村戒三『謡曲三百五十番集』名著刊行会 1928(日本名著全集) 野々村戒三、安藤常次郎校注『狂言三百番集』 (上・下) 富山房 1938-42 横山重、藤原弘校訂『古浄瑠璃正本集』大岡山書店 1939-41 浄瑠璃十二段草子外 49 篇の厳密な校訂とくわしい解題。 横山重校訂『説教正本集』全 3 巻 角川書店 1968 荒木繁校訂『説教節』平凡社 1973(東洋文庫) 室木弥太郎校訂『金平浄瑠璃正本集』角川書店 1966-69 横山重校訂『古浄瑠璃正本集』角川書店 1964-82 藤井乙男校注『近松全集』全 12 巻 大阪・朝日新聞社 1925-27 原文に忠実な翻刻で、頭注もすぐれており、近松全集中の白眉。 高野正巳校注『近松門左衛門集』全 3 巻 朝日新聞社 1958-59(日本古典全書) 時代・世話の主な作品 21 篇をおさめる。 近松全集刊行会編『近松全集』岩波書店 1985歌舞伎狂言本を含めた内容的にも画期的な全集。 海音研究会編『紀海音全集』清文堂出版社 1980 近松以外の浄瑠璃作者としては唯一の全集。すぐれた本文を提供する。 渥美清太郎編『日本戯曲全集』歌舞伎篇全 50 巻 春陽堂 1928-33 初期歌舞伎から明治まで 500 余種が種類別・作者別に収録されている。 歌舞伎台帳研究会編『歌舞伎台帳集成』全 45 巻 勉誠社 1983-2003 現存する歌舞伎台帳を最古のものから年代順に集成する画期的な全集。 郡司正勝ほか編『鶴屋南北全集』全 12 巻 三一書房 1971-74 河竹繁俊編『黙阿弥全集』全 28 巻 春陽堂 1924-26 『名作歌舞伎全集』全 15 巻 東京創元新社 1968-73 『歌舞伎オン・ステージ』全 25 巻 白水社 1985-2008 『現代戯曲全集』全 20 巻 国民図書株式会社 1924-26 『日本戯曲全集』現代篇 全 18 巻 春陽堂 1928-29 『現代戯曲』全 6 巻 河出書房 1940 『現代戯曲選集』全 5 巻 河出書房 1951 『新選現代戯曲』全 5 巻 河出書房 1953 『現代日本戯曲選集』全 12 巻 白水社 1955-56 『新編日本現代戯曲集』全 3 巻 1963-64 新潮社 『現代日本戯曲大系』全 14 巻 三一書房 1971-73 『ハヤカワ演劇文庫1∼30』早川書房 2006〔海外の劇〕 1.全集 収録作品は Webcat 等を参照。 『世界戯曲全集』全 41 巻 世界戯曲全集刊行会 1927-30 『近代劇全集』全 30 巻 第一書房 1927-31 以上二つの全集は古いが、岸田國士、岩田豊雄、堀口大學、小山内薫、森鴎外ら日本の近 代文芸を支えた人物らが翻訳にあたっており、当時の日本の演劇人がいかにして異文化の 戯曲を受容してきたかの歴史的資料としても興味深い。その後全く翻訳されない作品も多 い。 『現代世界戯曲選集』全 13 巻 白水社 1953-54 以上3つの戯曲集の収録作品は、WEB でも検索できるが、 『演劇百科目大事典』第6巻に一 覧がある。 『世界古典文学全集』 筑摩書房 1964-2004 第8巻:アイスキュロス・ソポクレス、第9巻:エウリピデス、第 12 巻:アリストパネス、 第 50 巻:ゲーテ、第 41−46 巻:シェイクスピア、第 47 巻:モリエール、第 48 巻:ラシ ーヌ、第 63 巻:ホーフマンスタール・ロート ほか。 『世界文学大系』筑摩書房 1959-65 第2巻:ギリシャ・ローマ古典劇集、第 12 巻:シェイクスピア、第 14 巻:古典劇集I、 第 18 巻:シラー、第 46 巻:チェーホフ、第 75 巻:シェイクスピアⅡ、第 89 巻:古典劇 集Ⅱ、第 90 巻:近代劇集、第 95 巻:現代劇集 ほか。 『現代世界演劇』全 17 巻、別巻 1 白水社 1970-72 19 世紀末から 20 世紀後半にかけて多様化した世界の戯曲をテーマごとに集成、パフォー マンスのように戯曲に基づかないスタイルの上演についてはスクリプトを採録した現代演 劇研究必携の全集。別巻には世界の現代演劇の状況を地域ごとに概括する報告が掲載され ている。 西洋比較演劇研究会編『新訂ベスト・プレイズ 西洋古典戯曲 12 選』論創社 2011 旧版(相田書房[2007]、白凰社[2000])を改訂したもの。 『ハヤカワ演劇文庫』シリーズ ハヤカワ書房 2006ジャン・アヌイから平田オリザまで、東西と新旧を問わず傑作戯曲を文庫で復刊。 2. 古代ギリシャ・ローマ 『ギリシア悲劇全集』全 4 巻 呉茂一ほか訳 人文書院 1960 松平千秋ほか編『ギリシア悲劇全集』全 14 巻、別巻 1 岩波書店 1990 『ギリシア喜劇全集』全 2 巻 高津春繁ほか訳 人文書院 1961 『ギリシア喜劇全集』全 9 巻、別巻1 野津寛ほか訳 岩波書店 2008 『ギリシャ劇大全』山形治江訳 論創社 2010 『ローマ喜劇集』全 5 巻 木村健治ほか訳 京都大学学術出版 1997 京都大学による『西洋古典叢書』シリーズに含まれる。訳が軽妙で、読むだけでも面白い。 1−4 巻にプラウトゥス、5 巻にテレンティウスを収録。詳細な解説付き。 小川正廣ほか訳『セネカ悲劇集』全 2 巻 京都大学学術出版会 1997 同じく『西洋古典叢書』シリーズ。シェイクスピアを理解するためにも必読。 4.イギリス・アイルランド・アメリカ 『イギリス中世劇集 ―― コーパス・クリスティ祝祭劇』石井美樹子訳 篠崎書林 1983(改訂 版 1988) 『イギリス道徳劇集』鳥居忠信、 山田耕士、 磯野守彦共訳 リーベル出版 1991 大井邦雄監修『新装改訂版 イギリス・ルネサンス演劇集』早稲田大学出版部 2005 『エリザベス朝演劇集』全 5 巻 小田島雄志訳 白水社 1995 『シェイクスピア全集』全 8 巻 筑摩書房 1967 『シェイクピア全集』全 15 巻 福田恒存訳 新潮社 1960-68 『シェイクスピア全集』全 7 巻 小田島雄志訳 白水社 1974-80 シェイクスピアは松岡和子訳、河合祥一郎訳も順次刊行中。 『ベン・ジョンソン戯曲選集』全 5 巻 大場健治ほか訳 国書刊行会 1991-92 『ベケット戯曲選集』 安堂信也、高橋康也共訳 1967 新装版(1986)や、 『ゴドーを待ちながら』など著名な作品のみ集めた『ベスト・オブ・ベ ケット』シリーズ(1990‐1991)とその新装版(2008)もあり。 『バーナード・ショー名作集』鳴海四郎ほか訳 白水社 1966 『オニール名作集』喜志哲雄ほか訳 白水社 1975 『テネシー・ウィリアムズ戯曲選集』全 2 巻 鳴海四郎訳 早川書房 1977-80 『テネシィ・ウィリアムズ一幕劇集』鳴海四郎ほか訳 早川書房 1980 『アーサー・ミラー全集』全 3 巻 『ニール・サイモン戯曲集』全 6 巻 倉橋健訳 早川書房 1977-86 酒井洋子ほか訳 早川書房 1984 喜志哲雄ほか訳『ハロルド・ピンター全集』全 6 冊 喜志哲雄ほか訳 新潮社 2005(新装版) 『今日の英米演劇』全 5 巻 白水社 1968 4.スペイン 『スペイン黄金世紀演劇集』牛島信明編訳 名古屋大学出版会 2003 『カルデロン演劇集』佐竹謙一訳 名古屋大学出版会 2008 荒井正道、 長南実、 大林文彦訳『ロルカ戯曲全集』新装普及版 全 3 巻 荒井正道、 長南実、 大林文彦訳 沖積舎 1992 5.フランス 『コルネイユ名作集』岩瀬宰ほか訳 白水社 1975 『モリエール名作集』小場瀬卓三ほか訳 白水社 1951 ロジェ・ギシュメール、廣田昌義、秋山伸子共編『モリエール全集』 臨川書店 2000-2003 伊吹武彦・佐藤 朔編『ラシーヌ戯曲全集』全 2 巻 人文書院 1964-65 鈴木力衛、岩瀬孝編集『アヌイ作品集』全 3 巻 白水社 1957 『サルトル全集』全 15 巻 渡辺一雄ほか訳 『イヨネスコ戯曲全集』全 4 巻 白水社 1969 日仏演劇協会編『今日のフランス演劇』全 5 巻 白水社 1966-67 6.イタリア 『ゴルドーニ喜劇集』齋藤泰弘訳 名古屋大学出版会 2007 『ピランデッロ戯曲集』 (Ⅰ・Ⅱ) 白澤定雄訳 新水社 2000 7.ドイツ・オーストリア 『ハンス・ザックス謝肉祭劇全集』藤代幸一、田中道夫訳 高科書店 1994 『レッシング名作集』 有川貫太郎ほか訳 白水社 1972 登張正實ほか編集『ゲーテ全集 戯曲』3 巻 山下肇、 前田和美訳 潮出版社 1979-1992 新装普及版 2003 もあり。 小牧健夫編『ゲーテ全集』全 12 巻 人文書院 『シラー名作集』内垣啓一訳 白水社 1972 『ゲオルク・ビューヒナー全集』岩淵達治ほか訳 河出書房新社 2006 『クライスト全集』全 3 巻 佐藤恵三訳 沖積舎 2005 『ブレヒト戯曲選集』全 5 巻 白水社 1961-62 『ブレヒト戯曲全集』 未來社 1998-2001 『ハイナー・ミュラー・テクスト集』岩淵達治ほか訳 未来社 1992-1994 『ドイツ現代戯曲選』シリーズ 全 30 冊 論創社 2005-2008 ウィーン民衆劇研究会編訳『ネストロイ喜劇集』行路社 1994 8.北欧・東欧 『イプセン名作集』山室静ほか訳 白水社 1956 『イプセン戯曲選集――現代劇全作品』毛利三彌訳 東海大学出版会 1997 『イプセン戯曲全集』原千代海訳 未來社 1989 『ストリンドベリ名作集』毛利三弥ほか訳 白水社 1975 『線路の上にいる猫 ―― 現代チェコ戯曲集』村井志摩子訳編 思潮社 1969 カレル・チャペック、ヨゼフ・チャペック『チャペック戯曲全集』田才益夫訳 八月舎 2006 9.ロシア・ソヴィエト連邦 『ロシア名作ライブラリー』群像社 2001ゴーゴリ、プーシキン、チェーホフらの代表作の新訳が収録されているシリーズ。2011 年 まで 10 巻が刊行済み。 『チェーホフ名作集』神西清ほか訳 白水社 1956 『チェーホフ全集』松下裕訳 筑摩書房 1993-1994 近年、光文社の浦雅春訳など、チェーホフ戯曲の新訳の文庫が続々と出版されている。検 索して新しいものから入手し、その後に過去の文献にあたるとよい。 『マヤコフスキー選集』小笠原豊樹、関根弘訳 飯塚書店 1958 10.その他 佐竹謙一編訳『ラテンアメリカ現代演劇集』水声社 2004 『オーストラリア演劇叢書』オセアニア出版社 1993佐和田敬司訳によるオーストラリアの戯曲 1 作 1 冊の読み切りシリーズ。2007 年まで 11 巻が刊行済み。 『韓国現代戯曲集』日韓演劇交流センター 近年紹介が進んでいる韓国の現代戯曲を収録している。書店や図書館にはないので、入手 したい場合には発行元の日韓演劇交流センター(http://www.tckj.org/)に直接問い合わ せる。 Ⅹ. 卒業制作 卒業制作での戯曲やシナリオの執筆に向けて、手軽な指南書的性格の一例を挙げています。しか し、基本はまず刊行されている戯曲やシナリオを多く読むこと。そしてその中から自分が手本と したいと思ういくつかの作品をじっくり読みこんで常に手元におき、その構造とリズムに学ぶこ と。書式も参考になります。 〔シナリオ〕 新井一『シナリオの基礎技術』ダヴィッド社 1985 西条道彦『テレビドラマ創作講座』映人社 1987 『シナリオ入門―映像ドラマを言葉で表現するためのレッスン』宝島社 1991 阿刀田高『短編小説のレシピ』集英社 2002 八百編もの短編小説を生み出した作家がショートストーリーのあらゆる技法を紹介。作品 が多数テレビドラマ化されている向田邦子や松本清張もとりあげている。 森治美『ドラマ脚本の書き方―映像ドラマとオーディオドラマ』新水社 2008 映画・テレビ・DVD などの「映像ドラマ」と、ラジオ・CD などの「オーディオドラマ」の 特徴を比較。 ブレイク・スナイダー『SAVE THE CAT の法則 本当に売れる脚本術』菊池淳子訳 フィルムアー ト社 2010 業界を知り尽くした筆者がメジャーで売れる脚本の法則を解説。 『向田邦子シナリオ集』全 6 巻 2009(岩波現代文庫) 新刊文庫で手軽に入手できるようになった。ひとつの手本として。 〔戯曲〕 宮本研編『ドラマの書き方』改訂版 明治書院 1976 デヴィッド・カーター『はじめての劇作―戯曲の書き方レッスン』松田弘子訳日本劇作家協会 2003 イギリス演劇界で活躍する著者が戯曲の書き方のシステムをひもとく。 ゴードン・ファレル『現代戯曲の設計 ― 劇作家はヴィジョンを持て!』常田景子訳 日本劇作家 協会 2004 上記2書の他にも、日本劇作家協会が発行している劇作ガイドがある。詳しくは劇作家協 会 HP から(http://www.jpwa.org/) 。 〔ストーリー、キャラクターについて〕 昨今、ゲームのストーリー展開やキャラクター作り、或いはそれと関係づけられる物語論の発展 から多くの著作が刊行されています。古典的な劇に学ぶのとはやや違いがありますが、その違い を考えながら参考にしてみてください。 大塚英志『ストーリーメーカー 創作のための物語論』 アスキー・メディアワークス 2008 神話や民話の構造分析から導き出された物語論。同著者からは今日注目の書が多数刊行さ れているので他の著作にも目を通したい。 小池一夫『人を惹きつける技術 -カリスマ劇画原作者が指南する売れる「キャラ」の創り方』 講 談社 2010 ヒットキャラクター創りのノウハウ集。 ⅩⅠ. 定期刊行物・その他 既に休刊・廃刊になった雑誌もありますが、その後どこにも収録されていない戯曲や論文など貴 重な文献が多く掲載されています。作品公開時の劇評なども作品研究の資料として参照してくだ さい。 1.月刊誌 『演劇界』演劇出版社 1943(昭和 18)年創刊。 1907 (明治 40)年発行の『演芸画報』の伝統をうけつぐ演劇雑 誌。歌舞伎を中心に新派など商業演劇関係の記事・写真が多く,劇評・鑑賞・芸談などを 掲載。伝統演劇鑑賞の手引きともなり啓蒙的な役割を果たしている (http://www.engeki.co.jp/engekikai/) 。 『芸能』芸能発行所 1959(昭和 34)年創刊、35 巻 11 号(1993・平成5)まで。折口信夫博士創立の芸能学界 の機関誌。日本芸能の民俗学的調査報告・研究論文を主に,芸能時評や書評も掲載。 「演劇 年表]をはじめ各種芸能関係の詳細な資料掲載が特色。 『悲劇喜劇』早川書房 新劇雑誌として昭和 3 年創刊。2度の休刊を挟み、現在発行されているのは第3次。評論・ 随筆を中心に新作戯曲を毎号掲載。 『テアトロ』テアトロ/カモミール社 1934(昭和9)年創刊の綜合演劇雑誌。毎号評論・劇評を多く掲載。掲載された戯曲の一 覧は HP で閲覧できる(http://www2.odn.ne.jp/teatro-chamomile/)。 『新劇』白水社 岸田國士戯曲賞を主催、日本の演劇と深く関わってきた白水社による演劇雑誌。旧『劇作』 の流れをくみ、1954(昭和 29)年創刊。新劇雑誌だったが、反新劇を掲げる若手の活動と 連動、80 年代小劇場ブームを支えた後、1990(平成2)年誌名を『しんげき』と変え、さ らに 1992(平成4)年『Le Spec(レ・スペック)』として全面的改編を行うも同年廃刊。 以後白水社の演劇雑誌は途絶えている。 『シアターガイド』モーニングデスク 1992 年創刊の演劇専門情報誌(http://www.theaterguide.co.jp/) 。 『演劇ぶっく』(隔月刊) えんぶ 1986 年、80 年代小劇場ブームの最中に生まれ、旧来の演劇雑誌とは異なる情報発信で新し い世代の観客をつかんできた雑誌。HP(http://www.enbu.co.jp/kick/)からバックナンバ ーの PDF 版が購入可能。 『キネマ旬報』キネマ旬報社 1919(大正8)年創刊の映画雑誌。キネマ旬報社は HP のコンテンツも多彩。最新号の内容も ここから(http://www.kinejun.com/)。 『映画評論』映画出版社 1926(大正 15)年映画評論社から創刊された映画雑誌。幾度かの出版社変更を経て 1975 (昭和 50)年休刊した。 『シナリオ』シナリオ作家協会 公開中の映画シナリオと新人発掘、映画批評、シナリオ講座など。最新号の内容は HP から (http://www.scenario.or.jp/) 。同協会の出版している年鑑『年間代表シナリオ集』も参 照。 『文研月報』日本放送出版協会 1951 年に創刊された NHK によるテレビ・ラジオ等放送文化研究誌。1983 休刊。 『テレビドラマ』現代芸術協会 1959(昭和 34)年創刊、1966(昭和 41)年休刊。 2.季刊・その他 『芸能史研究』芸能史研究会 日本演劇・芸能の研究者の学会機関誌。日本演劇・芸能に関する研究論文・報告・書評な どを掲載。 1963 年創刊。 『シアターアーツ』国際劇評家評論家協会日本センター 1994 年(平成6) 、日本を代表する劇評家らによって創刊された。再編を経て現在第2次 第3期のものが季刊誌として発行されている。時代の先端をゆく演劇状況の特集を中心に、 劇評、海外の論文の紹介など。 『舞台芸術』京都造形芸術大学舞台芸術研究センター 京都造形芸術大学に付属する舞台芸術研究センターの機関誌。劇場を併設する同センター の活動報告であると同時に、古典を通じて現代舞台芸術を読む研究誌。戯曲も併録され、 。 第二期 (2009・平成 21) までが発行済み。 内容は HP から(http://www.k-pac.org/kpac/book/) 『せりふの時代』日本劇作家協会 当時井上ひさしを会長とした日本劇作家協会による、戯曲を中心とする季刊誌。1996(平 成8)年創刊、2010(平成 22)年夏号まで。なお後進を育成しようという同協会の趣旨は、 戯曲セミナーや新人戯曲賞などで継続している。詳細は協会 HP(http://www.jpwa.org/) 参照。 『アマチュア演劇』 ドイツの演劇システムをモデルに、 「演劇を日常化する」というモットーを掲げた横浜演劇 研究所による高校演劇・全国各地のアマチュア演劇の綜合専門誌。隔月刊。1965(昭和 40) 年創刊、各地の上演資料や上演戯曲を掲載した。1993(平成5)年まで。 『放送文化』日本放送出版協会 1946 年日本放送協會(NHK)により創刊された。改組を経て 2003 年冬より季刊となったが、 2011 年秋をもって休刊。 3.年 鑑 『演劇年鑑』日本演劇協会 1966 年から。主要公演の記録、受賞記録、その年の概況等を総括する。日本演劇協会につ いては公式サイト (http://www.jtaa.or.jp/)参照。 『国際演劇年鑑』国際演劇協会(ITI/UNESCO)日本センター 年間の諸外国の演劇状況を知ることができる(http://www.green.dti.ne.jp/~iti/)。 『演劇年報』早稲田大学演劇博物館 1966(昭和 41)年から 1989 年(平成1)年まで。 『映画年鑑』時事映画通信社 1950(昭和 25)年創刊。日本における公開作品、入場者統計、興行収入などの総合的記録。 『日本放送年鑑』岩崎放送出版社 『NHK放送年鑑』日本放送出版協会 『広告年鑑』電通 4.WEB マガジン 主宰者情報はサイトで確認しましょう。セミナーやイベントなどの情報も豊富です。 シアターリーグ http://www.moon-light.ne.jp/ 舞台・ミュージカルについての総合情報。掲載されているデータの情報量も豊富で、トッ プページ下部「演劇雑誌」では、ジャンルと内容を問わず、現在刊行されている雑誌が一 覧されており、WEB 通販での入手方法も記されているので、ここに挙げられていない雑誌 に関しては参照してほしい。メルマガもあり。 日本演出者協会 http://jda.jp/ 日本劇作家協会 http://www.jpwa.org/ KadmusArts(英語) http://kadmusarts.com/ 世界中の芸術フェスティバル情報が網羅されている。どの都市でいつどんな演劇祭が催さ れるかの検索が可能。世界の最新パフォーミングアーツのハイライト情報を見ることがで きる。 CRITICAL STAGES(英語) http://www.criticalstages.org/ 国際演劇評論家協会(AICT/IACT)による WEB ジャーナル。各国の代表的劇評家によるエッ セイが満載。
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