2016 年8 月30 日 2016 年 FIA-F4 選手権シリーズ第 6 大会 参戦報告書 2016 年FIA-F4 選手権シリーズ HFDP 参加選手レポート 第6 大会(第11 戦/第12 戦) 参戦レポート 2016 年FIA-F4 選手権シリーズ第6 大会(第11 戦、第12 戦)が 8月27日から28日にかけ、三重県鈴鹿サーキットで開催されま した。このレースに、Honda フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト (HFDP)ドライバーとして#7 石坂瑞基(21 歳)、#8 上村優太(21 歳)、#9 阪口晴南(17 歳)の 3 名、SRS スカラシップとして#10 大 滝拓也(20 歳)の 4 名が参加しました。 大滝拓也、初優勝。阪口晴南、ランキング 2 番手。 ■DUNLOP/OTG トレーニングセッション 今大会の参加者は 33 台。イベントに先だつ 8 月24 日に行われ た練習走行はウェットコンディションでしたが、8月25日(木)、26 日(金)に行われた 5 回にわたる F4 トレーニングセッションは両 日ともドライコンディションとなりました。 25 日のベストタイム #9 阪口 2 分09 秒586(1 番手、24 周) #8 上村 2 分09 秒654(2 番手、27 周) #10 大滝 2 分09 秒804(6 番手、30 周) #7 石坂 2 分09 秒818(8 番手、25 周) 26 日のベストタイム #9 阪口 2 分09 秒078(2 番手、27 周) #10 大滝 #7 石坂 2 分09 秒310(10 番手、24 周) #8 上村 2 分09 秒231(7 番手、28 周) 2 分 09 秒663(15 番手、26 周) ■公式予選(30 分間):天候/晴 路面/ドライ 8 月27 日土曜日、鈴鹿サーキットは快晴に恵まれ、朝から夏の太陽が照りつけました。公式予選セッションは午前11 時45 分か ら 30 分間行われました。今回は、30 分間のタイムアタックセッション中に記録されたベストタイム順で第 11 戦のスターティング グリッドを決定し、セカンドベストタイム順で第12 戦のスターティンググリッドを決定するという通常の競技フォーマットでした。 4名の選手たちはセッション開始とともにコースイン、タイヤを暖めタイムアタックに入りました。#7 石坂、#10 大滝は快調に序盤 から上位タイムを記録しましたが、セッション開始後7 分で赤旗が提示され、走行は一旦中断となりました。 その後、残り 17 分でセッションは再開、選手たちはタイムアタックのやり直しにかかりました。最終的に#10 大滝がベストタイム を記録してセッションを終えました。 第11 戦公式予選結果 予選1 位 #10 大滝 拓也 2 分08 秒584 予選4 位 #9 阪口 晴南 2 分08 秒931 予選12 位 #7 石坂 瑞基 2 分09 秒415 予選15 位 #8 上村 優太 2 分09 秒491 第12 戦公式予選結果 予選2 位 #9 阪口 晴南 2 分09 秒106 予選7 位 #10 大滝 拓也 2 分09 秒384 予選9 位 #7 石坂 瑞基 2 分09 秒435 予選14 位 #8 上村 優太 2 分09 秒710 ■第11 戦決勝レース(10 周):天候/晴 路面/ドライ 第 11 戦決勝レースは、SUPER GT の公式予選後、真夏の太陽 が傾き始める午後 4 時 30 分から始まりました。スタートではポ ールポジションにいた#10 大滝がうまく加速、後続を引き離した 状態で第 1 コーナーへ飛び込みました。#9 阪口も順位を上げ 3 番手につけ、#7 石坂はポジションを維持、#8 上村は 2 つ順位を 上げて追い上げにかかります。 #10 大滝は後続を徐々に引き離し、#9 阪口はさらに順位を上げ ようと 2 番手の選手に迫ります。ところが 3 周目、2 番手の選手 と#9 阪口にスタート違反のペナルティが下り、ドライブスルーが 課せられました。2 台は5 周終了時点でドライブスルー、順位を大きく下げました。この結果、#10 大滝は後続車に10 秒近い差を つけることになりレース運びが楽になりました。 #9 阪口と 2 番手の選手がドライブスルーにより後退したため、 後続車はそれぞれ順位が繰り上がりました。2 番手以降は僅差 で続く集団となり、#7 石坂はその中で激しい攻防を繰り広げま すがなかなか順位を変えるに至りません。7 周目には 8 番手に つけますが8 周目には9 番手へ後退、9 周目には7 番手へ順位 を取り戻します。 今年4輪レースにデビューした#10 大滝は危なげなくレースを独 走し 10 周を走りきって自身初めての優勝を遂げました。 HFDP/SRS/コチラレーシングとしても今季初の優勝でした。 #7 石坂は最終的に 5 番手まで順位を上げてフィニッシュ、#8 上村は 5 周目に 9 番手まで順位を上げましたが 6 周目にオーバー ランして後退、14 位でチェッカーフラッグを受けました。#9 阪口は 24 位でした。 【FIA-F4 選手権シリーズ第11 戦・レース結果】 #10 大滝 拓也 決勝1 位(ベストタイム 2 分09 秒765) #7 石坂 瑞基 決勝5 位(ベストタイム 2 分10 秒761) #8 上村 優太 決勝14 位(ベストタイム 2 分10 秒688) #9 阪口 晴南 決勝24 位(ベストタイム 2 分09 秒476)※レース全体のベストタイム、4 周目。 ■第12 戦決勝レース(10 周):天候/雨 路面/ウェット 8 月28 日(日)、午前8 時15 分、第12 戦の決勝レースが始まり ました。鈴鹿地方は夜半から雨が降り始め、朝の鈴鹿サーキッ トはコース各所に川が流れる悪コンディションとなったので、決 勝レースはセーフティカー先導によるスタートとなりました。雨 は強まったり弱まったりしますが完全には上がらず、レインタイ ヤを装着した競技車両はセーフティカーラン中も高く水しぶきを 上げる状況です。 セーフティカーランは 2 周にわたって続き、レースは 3 周目から 始まりました。2 番手の#9 阪口は先頭車両にうまくつけて加速、 2 番手を守ったまま第 1 コーナーへ進入しました。水しぶきの 中、後続も集団となってレースを始めました。7 番手にいた#10 大滝は前へ出ようとしてラインを開けたところに後続車に飛び 込まれて 8 番手へと後退、#7 石坂が 9 番手に続きました。 #10 大滝は前へ出ようとコースの各所で前走車に仕掛けますが 順位を入れ替えるには至らず膠着状態となりました。後方では 14 番手スタートの#8 上村が 5 周目に 12 番手へ順位を上げまし た。しかし 8 周目、前走車を抜こうとして接触、順位を 13 番手へ 落としてしまいました。 #9 阪口は前走車を追いかけますが 2 番手のままチェッカーフラ ッグを受けました。#10 大滝は 8 番手を走行中の 9 周目、電装系 のトラブルでエンジン回転が上がらなくなりスローダウンして順 位を下げ、30 番手で完走を果たしました。#7 石坂は 9 周目にペ ースの落ちた#10 大滝をかわし、上位車がコースオフしたため もうひとつ順位を上げて 7 位でフィニッシュ。#8 上村は 13 番手 でチェッカーフラッグを受けましたが、8 周目の接触がモラルハ ザードに抵触し 32 秒加算のペナルティを受け正式結果は 21 位 となりました。 シリーズドライバーポイントランキングでは#9 阪口がトップから 11 点差の 2 番手へつけました。チームランキングでは HONDA フォーミュラ・ドリーム・プロジェクトは第 11 戦で 25 点、第 12 戦で 18 点を加算、ランキングトップに立ちました。次大会は 11 月 12 日(土)~13 日(日)にツインリンクもてぎで開催されるシリーズ最終第7 大会(第6 戦、第13 戦、第14 戦)となります。 【FIA-F4 選手権シリーズ第12 戦・レース結果】 #9 阪口 晴南 決勝2 位(ベストタイム 2 分25 秒148) #7 石坂 瑞基 決勝7 位(ベストタイム 2 分25 秒686) #8 上村 優太 決勝21 位(ベストタイム 2 分25 秒846) #10 大滝 拓也 決勝30 位(ベストタイム 2 分25 秒754) (注)#8 上村はレース中の接触が危険なドライブ行為と判定され、競技結果に 32 秒加算のペナルティを受けた。 ■2016FIA-F4 選手権シリーズポイントドライバーランキング(第6 大会終了時点) 2 番手 阪口 晴南 113 点(ランキングトップ 124 点) 4 番手 石坂 瑞基103 点 11 番手 上村 優太 44 点 14 番手 大滝 拓也 33 点 (1 位25 点、2 位18 点、3 位15 点、4 位12 点、5 位10 点、6 位 8 点、7 位6 点、8 位4 点、9 位 2 点、10 位1 点,) ■2016FIA-F4 選手権シリーズポイントチームランキング(第5 大会終了時点。各チーム最上位のみ計上) 1 番手 HFDP 174 点 ●ドライバーズコメント:#7 HFDP/SRS/コチラレーシング 石坂 瑞基 予選で赤旗が出る前までは自分のフィーリングとしてタイムが出そうだなという感じでした が、赤旗が出てしまったの でタイムを残すことができな いまま、一旦中断になりまし た。再開したらタイムを出そ うと思って出て行ったんですけど、思ったよりもフィーリングが 変わってしまいタイムを伸ばすことができず自分の思ったより も沈んでしまいました。タイヤのおいしいところで一発が出せな かったのが原因です。この夏場、タイヤの状態はすぐ変わって しまうので自分が反省しなくてはいけないところです。土曜日の レースは決勝でのペースには自信があって、序盤はアンダー がきつくてペースが上がらず順位を落としたりもしましたが中盤以降はしっかり乗れるようになって前のクルマを抜いて、自分 では順位はわからなかったんですが気づいたら 5 位まで上がっていました。あのごちゃごちゃした中で着実に前へいけたのは 良かったかなと思います。日曜日は、クルマのバランスが結構良くてペースも悪くなかった。でも雨の中では思うようには抜け なかった。課題が残りました。あとは、以前からの課題ですが序盤からペースを上げる事です。周囲の状況をできるだけ早くつ かまなければいけないんですが、まだそれがうまくいきません。そこを克服して最終大会は予選から前に出て、前でレースした いです。レースになればペースは悪くないと自信はあるので最後は勝ってチャンピオンを取りたいです。 ●ドライバーズコメント: #8 HFDP/SRS/コチラレーシング 上村 優太 レースウィーク序盤のトレーニングは良くて総合 2 番手にもつけられました。でもみんな、コ ンディションに合わせレベルアップして予選に向かっていくんですが、ぼくはそのレベルアッ プができませんでした。自分が遅くなったというよりも、周囲が上がってしまいました。そこに 一番の課題があります。準備をしてきたつもりだったんですが、その準備が間違っていたよ うです。土曜日は、15 番手 グリッドからスタートして、スタートは悪くなかったんですが順位 を変えることはできませんでした。でもオープニングラップのう ちに2、3 台オーバーテイクすることができました。途中7番手ま で順位を上げたんですが 2 コーナーで 2 ワイドになったときに アウト側にいたら押し出されるかたちになって、アウト側の車輪 をダートに落としてしまい、そこからバランスが崩れて、すごい 数のクルマに抜かれてしまいました。日曜日は、雨に自信があ ったので、いけると思っていました。でも SC スタートになって水 しぶきもすごくて前に淡々とついていくしかありませんでした。 その中で確実に順位を上げていって、12 番まで上がったんですけど自分のミスで1コーナーをオーバーランしてしまい、また 14 番に戻してしまいました。その後スプーンでオーバーテイクするときに接触をしてしまいました。抜こうと併走したときオーバ ーステアが出て、姿勢を乱して、相手に当たってしまったんです。雨のリスクを考えて抜くべきだったと思います。次のもてぎ、 気持ちよく終われるように頑張ります。 ●ドライバーズコメント:#9 HFDP/SRS/コチラレーシング 阪口 晴南 練習中からパフォーマンスは発揮できているかなと思っていました。決勝に向けて予選は 4 番手でしたけど、自分としては悪くないフィーリングをつかめていました。それなのにスター トで不注意からフライングしてしまいました。その後ゴールするまではプッシュしようと思って いたらペースは良かった。でも結果的にレースを台無しにしてしまい、チームのみなさんに は申し訳ないことをしまし た。日曜日は、スタートで水しぶきを避けようとしたら前のクル マに間を開けられてしまいました。でも後も開いたので単独で レースを始める形になりました。ただ、トップを追いかけるほど ペースを上げられませんでした。ドライでは鈴鹿は走り慣れて いるのですがウェットではなかなか思うように走れず、後半は 思い切って突っ込んで少し間を詰めることはできましたが、1 周 トータルでまとめることができませんでした。初優勝を狙ってい たので残念です。ランキングで 2 位につけたようですがまだ優 勝をしていないので、まずは優勝をしたいです。タイトルよりもまず 1 勝が目標です。もてぎでは 3 レースとも優勝できるよう頑 張ります。 ●ドライバーズコメント:#10 SRS/コチラレーシング 大滝 拓也 予選までは、いろんなことを試 しすぎて 1 周まとまらないとい う、いつもの傾向が出ていたん ですが、その中で試しているこ とは正しくて、うまくいったセク ターをつなぎ合わせると余裕でトップタイムになるというところまで 来ていたので、「ああ、頑張りすぎだな、予選は自分の走りを自然 にすればいい」と自分に言い聞かせて、行き過ぎないように落ち着 いて走ったらトップタイムでした。ただセカンドタイムは、もう一度アタックしようとしたら前のクルマに詰まってしまいガス欠症状 もあって 7 番手になってしまいました。土曜日のレースは、決勝1時間前くらいは緊張してひとりでトイレに引きこもって何もでき ず、ご飯ものどを通らなかったんですけど、近づくにつれて意外と周囲が見えてきて、みんなも緊張していてめいっぱいなんだ なというのがわかって落ち着いてきました。フォーメーションラップ前のときにはもう普通の呼吸になっていて、いつも以上に落 ち着いていけました。スタートだけは前回の失敗があったので、後ろをよく見ていましたが、うまく決まって後ろが離れていくの がわかったので、そこからは後ろを見ないようにしよう、前に集中しようと切り替えました。それで自分の走りをやりきれました。 途中で喜びたくなったけど最後の最後まで自分に言い聞かせてレースに集中しました。フィニッシュライン通ったときには涙が 出てきました。日曜日は雨になりましたが、水曜日に雨が降って同じようなコンディションで、単独で走っている限りは結構行け るという自信がありました。スタートの混雑だけは注意しようと思っていましたがセーフティカースタートになって、そういうリスク は減ったので、1 周目だけ周囲に細心の気配りをして、その後は自分の走りに集中したら良いペースで走れました。でも思った よりも雨量が多くて、ストレートもコーナーも、思ったほどには詰め寄ることができませんでした。1 人で走るペースは良くてもぼ くにはまだ足りない部分が多いなと実感しました。無茶しないで限界を見極めて、行くべきところは行く、その覚悟とか準備をで きるだけ早く学び取らなくてはいけません。レースの難しさを勉強したレースでした。 最終戦のツインリンクもてぎも HONDA のコースなので、2 度目、3 度目の優勝を目指して頑張ります。 << 監修:HFDP 事務局 阿部 正和 >>
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