ローター・ベアリングの劣化 (その後)

H26年 8月 24日
北条砂丘風力発電所
電気主任技術者
魚住
ローター・ベアリングの劣化 (その後)
設備の概要
・受電電圧=66kV
・認可出力=13,500kW
・発電機出力=1,500kW
・運転開始=2005年11月18日
(定格風速12.5m/s) × 9機
・ローター・ベアリング製作者=(ドイツ国)
( 要約 )
●2012年5月に他号機で「発電機・ベアリング」と「ギア・ベアリンク」が損傷した。
その水平展開として「ロータ-・ベアリング」についても注視した結果、同年10月の定期点検において
6号機が振動(デイストレス診断)は他機との差異はなかったが、廃グリスが変色(緑系)していた。
そして、「鉄粉濃度測定」した結果他機と3倍程度鉄分が多いことが分かった
( 事故・障害事例の紹介=「6Gローター・ベアリング劣化(2012.05)」
参照 )
●以降、毎月の巡視点検時に「鉄分濃度計」に依る測定を行い注視する。 鉄分濃度の増加推移から、
2014年4月の定期点検時に多量のグリス注入を行い、経過観察している。
1. 経緯
1)2012年10月
定期点検時に6号機のローター・ベアリングの劣化が発見された。
2) 2013年 5 月 作成の資料 (2枚)
3) 2013年5月 からの経緯
2013年5、6月頃から鉄分濃度が急激に増加し、その後約6ヶ月間飽和(=サチレート)しているかのように。
2014年1月からグリス注入量を今までの3倍とした。
3倍とした理由は次期定期点検時までにグリス
容器のグリスを使い切る量とした。
この時点で、次期定期点検時に「多量のグリス注入する」事を決めた。
4)2014年4月 作成の資料
(2枚)
2.直近の状況
グリスの多量注入後鉄分濃度は他機と同じくらいの値となり、その後数か月間は増加傾向がない。
①鉄分濃度が増加する要因の払拭
②ベアリング内のグリス総量から未だ鉄分濃度が増えない
この理由は、
③その他
が、想定されるがもう少し期間を取り推移を見る必要がある。
「 2014年4月 多量のグリス注入後からの推移」
1.000
0.800
0.600
グリス
3倍注入/日
グリス多量注入
0.400
=3.5年分
0.200
0.000
3.今後の対応
余命延長策として多量グリスを注入したが、本質的に問題解決していない。
6~12か月間の鉄分濃
度の増加傾向を見て、再度多量のグリス注入(量/周期)を検討する。
振動は健全な他機との差異がないことから、急速なベアリングの劣化進行はない、かと。
廃グリスの成分分析によってベアリングの損傷部位はほぼ推定できる。
が、その結果を次に活かす
事が出来ないため見送っている。
以 上