2016 年 6 月 9 日 茨 税 通 ~税経センターグループ~ 株式会社 茨城税経センター 税理士法人 あさひ会計 信 Vol 75 社宅家賃 〒300-2655 つくば市諏訪C15 街区 4-102 ℡ 029-839-0298 fax 029-839-0299 1.社宅家賃と給与 役員や使用人対して社宅や寮を貸与する場合には、毎月一定額の家賃(以下「賃貸料相当額」) 以上を給与天引き等で徴収していれば、給与課税されません。言い換えると、無償や低額で 貸与した場合は、給与課税されてしまいます。 賃貸料相当額の計算方法として、固定資産税評価額を使った計算方法があります。この固 定資産税評価額を用いると徴収する金額が少なくなるため、会社の合理的な節税及び従業員 の福利厚生につながります。 役員と従業員で取扱いが異なりますので注意が必要です。 また、役員に貸与する物件が「豪華社宅」である場合の説明は割愛します。 2.使用人に貸したとき 固定資産税評価額を使った賃貸料相当額とは、次の(1)~(3)の合計額をいいます。 (1) (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2% (2) 12 円×(その建物の総床面積(平方メートル)/(3.3 平方メートル)) (3) (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22% 3.役員に貸与する社宅が小規模な住宅である場合 ⇒上記 2 と同じ。 ※小規模な住宅とは、建物の耐用年数が 30 年以下の場合には床面積が 132 平方メートル以 下である住宅、建物の耐用年数が 30 年を超える場合には床面積が 99 平方メートル以下(区 分所有の建物は共用部分の床面積を按分し、専用部分の床面積に加えたところで判定しま す。)である住宅をいいます。 4.役員に貸与する社宅が小規模な住宅でない場合 役員に貸与する社宅が小規模住宅に該当しない場合には、その社宅が自社所有の社宅か、他 から借り受けた住宅等を役員へ貸与しているのかで、賃貸料相当額の算出方法が異なります。 (1) 自社所有の社宅の場合 次のイとロの合計額の 12 分の 1 が賃貸料相当額になります。 イ (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12% ただし、建物の耐用年数が 30 年を超える場合には 12%ではなく、10%を乗じます。 ロ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6% (2) 他から借り受けた住宅等を貸与する場合 会社が家主に支払う家賃の 50%の金額と、上記(1)で算出した賃貸料相当額とのいずれか多 い金額が賃貸料相当額になります。 計算 実際に金額を用いて計算しみます。 ・毎月の家賃 7 万円 ・建物の固定資産税評価価額 6,000,000 円 ・土地の固定資産税評価額 2,000,000 円 ・床面積 50 ㎡⇒小規模な住宅に該当 (1) (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2% ⇒6,000,000 円×0.2%=12,000 円 (2) 12 円×(その建物の総床面積(平方メートル)/(3.3 平方メートル)) ⇒12 円×50 ㎡/3.3 ㎡=182 円 (3) (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22% ⇒2,000,000 円×0.22%=4,400 円 (4) (1)+(2)+(3)=16,582 円 この賃貸料相当額 16,582 円の 50%以上 ⇒16,582 円×50%=8,291 円 毎月 7 万円の家賃に対して、8,291 円以上徴収していれば給与課税されません。 また、借りる人にとっては 7 万円のところを 1 万円以下で借りられることになります。 固定資産評価証明書の取得 上記で計算する場合、固定資産税評価額を把握する必要があります。 会社が、他者から借り受けた社宅や寮などを従業員に賃貸する場合には、固定資産税評価額 を直接把握することはできません。このような場合には、貸主や賃貸仲介業者等から「固定 資産税の課税標準額」などを確認することが必要です。 (借地人・借家人等が確認することも 可能です。 ) この場合、一般的に利用されるものとして「固定資産評価証明書」があります。 「固定資産評価証明書」は、不動産を管轄する市区町村役場で入手することができます。 場合によっては、大家さんや不動産仲介業者に確認してから市区町村役場に行った方がいい かもしれません。 【茨城税経センター Facebook 企業ページ】 https://www.facebook.com/ibarakizeikei/
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