1.診断能の高い造影CT画像を得るために

特 集
第一部:ヨード造影剤の基本
1.診断能の高い造影CT画像を得るために
粟井 和夫,伊達 秀二
広島大学大学院医歯薬学総合研究科 放射線診断学
Basic Knowledge to Achieve Optimal Enhancement of CT
Kazuo Awai, M.D. Ph. D., Shuji Date, M.D. Ph. D.
Summary
Continuing advances in CT technology have yielded progressively higher spatial and temporal resolution. To take maximum advantage of these ongoing developments we must achieve optimal enhancement to facilitate the acquisition of accurate diagnoses at the lowest possible contrast dose. In this review, we present current information on the pharmacokinetics of contrast materials needed to achieve optimal enhancement.
Department of Diagnostic Radiology,
Graduate School of Biomedical
Sciences, Hiroshima University
NICHIDOKU-IHO
Vol.56 No.1 13-32 (2011)
はじめに
今後もCT装置の進歩に伴い造影剤投与法が変化して
ゆく可能性があるが、体内に投与したときの造影剤の動
英国のHounsfieldにより開発されたCT装置は、1972
態は基本的には変わるものではない。本稿では、読者が
年から臨床応用が始まったが 1、2)、早くも70年代半ばか
最適な造影プロトコールを立案するために必要な造影剤
ら造影CTについて言及した論文が発表されている
。
3-7)
の体内での動態、投与時の技術的因子などを概説する。
その後しばらくは、CTにおける造影法は、患者にかか
最後に、CTにおけるX線被曝と造影剤投与の関連につ
わらず一定の造影剤を一定の注入速度で投与するという
いても述べる。
画一的なものであった。ところが1989年にヘリカルCT
が臨床に導入されてスキャンの高速化・CTの画質が向上
したことに伴い、90年代半ばより造影剤投与法の最適
CT用造影剤の体内動態と そのシミュレーション
化が盛んに研究されるようになった。その研究の方向性
は、一言でいえば、診断に必要な最低量の造影剤で最高
造影剤の適切な投与プロトコールを立案するために
の診断能を得る造影剤投与法を検討するというものであ
は、基本的な造影剤の体内動態について理解することが
る。その研究のなかで、患者の体格に合わせて造影剤量
必要である。
を調整することや、患者の循環動態に応じて造影剤の到
人体に投与された造影剤の動態は、大まかに二つのレ
達タイミングをbolus tracking法
で決定するといった、
8-14)
ベルに分けて考えられる。すなわち、末梢静脈に投与さ
患者ごとに投与法およびスキャン法をカスタマイズする
れた造影剤が血管系から各臓器に分布するまでのマクロ
ことが確立されてきた。
レベルの動態 15、16)と、各臓器の細血管・毛細血管より
日獨医報 第56巻 第 1 号 13-32(2011)
13(13)
日獨医報 第56巻 第1号 2011
造影剤が細胞外液腔に漏出するミクロ(細胞)レベルの
2.ミクロレベルの造影剤の動態 17)
動態 17)である。
体内に投与されたヨード造影剤は、各臓器・組織の細
動脈から毛細血管に到達する(図2B)。多血性腫瘍が動
1.マクロレベルの造影剤の動態
15、16)
脈相において濃染する現象は、腫瘍内の微細な腫瘍血管
ヨード造影剤の投与という観点からみた場合、人体は
に造影剤が分布している状態をみているものである(図
大きく三つのコンパートメントに分けられる(図1)。
3A)。
末梢静脈より投与された造影剤は、まず大血管・心
毛細血管に到達した造影剤は、濃度勾配に従って細胞
臓などからなるcentral blood poolに分布する。Central 外液腔に漏出していく(図2C)。漏出した造影剤は、造
blood poolに分布した造影剤は、毛細血管を介して細胞
影剤濃度と毛細血管腔の造影剤濃度が平衡になるまで漏
外液腔に移行する。細胞外液腔は、高灌流臓器の細胞外
出するが(図2D)、この時点が「薬理学的な平衡相」であ
液腔と低灌流臓器の細胞外液腔の二つに分けられる。前
る。これは、肝臓のダイナミックCTではいわゆる「門脈
者には、肝臓、膵臓、脾臓、腎臓などの臓器・組織の細
相」にあたる。この時期は各臓器の濃染が最高に達する
胞外液腔が含まれ、造影剤は速やかに分布する。これに
時相であり、その後、造影剤の体外への排泄により血管
対して、後者には脂肪組織・骨組織などの細胞外液腔が
内および細胞外液腔の造影剤濃度は平衡を保ちながら低
含まれ、造影剤はゆっくりと分布する。
下してゆく(図2E)。「薬理学的な平衡相」は、後述する
一定の時間が経過すると、central blood poolと高灌流
ダイナミックCTにおいて定義されている「臨床的な平衡
臓器および低灌流臓器の細胞外液腔の造影剤濃度は平衡
相」18)とは異なることに注意しなければならない 15、16)。
に達する。その後、腎臓より造影剤は体外に排泄される
平衡相では、造影剤が各組織の細胞外液腔の大きさに
ため、各コンパートメントの造影剤濃度は平衡を保ちな
応じて分布してゆくが、決して細胞内には取り込まれな
がら徐々に減少してゆく。
い。このため、ヨード造影剤は、細胞外液性造影剤と呼
造影剤が分布する大動脈およびその分枝・肺動脈など
ばれる。これに対して、最近注目されているMRI用造影
の血管の大きさは体重の7%程度である。さらに、細胞
剤であるガドキセト酸ナトリウム(EOB・プリモビスト注
外液腔の大きさは高灌流臓器および低灌流臓器を合わせ
シリンジ)は、一旦、肝組織の細胞外液腔に分布した後
て20%程度である 。このように、標準的な体格の場合、
に肝細胞内に取り込まれる「細胞性造影剤」である 19、20)。
造影剤が分布する体内のスペースの大きさは体重と比例
一般的に、腫瘍組織では細胞密度が高く、相対的に細
する。
胞外液腔のボリュームが小さくなるために、単位体積あ
16)
再循環
高灌流臓器の細胞外液腔
(肝臓,膵臓,腎臓など)
造影剤
の注入
central blood pool
(大血管,心臓など)
腎臓より
尿中へ排泄
低灌流臓器の細胞外液腔
(脂肪組織,骨組織など)
再循環
図1 マクロレベルの造影剤の動態
静脈より投与された造影剤はcentral blood poolに分布し,その後,細胞外液腔に移行してゆく.
細胞外液腔は,高灌流臓器の細胞外液腔と低灌流臓器の細胞外液腔の二つに分けられる.前
者には造影剤は速やかに分布するが,後者に造影剤はゆっくりと分布してゆく.
14(14)
日獨医報 第56巻 第1号 2011
造影剤
毛細血管
細胞
細胞外液腔
毛細血管
血液
毛細血管
血液
毛細血管
血液
A
B
C
D
E
図2 ミクロレベルの造影剤の動態
A 組織の簡単なモデル:組織の毛細血管の周囲には細胞が分布する.細胞と細胞の間のスペースは細胞外液腔と呼ばれる.
B 静脈より投与された造影剤は,動脈系を介して組織の毛細血管に到達する.
C 造影剤は,濃度勾配に応じて毛細血管より漏出し細胞外液腔に分布するが,細胞内には決して入り込まない.
D その後,毛細血管内と細胞外液腔内の造影剤の濃度は平衝に達する.
E 腎臓から造影剤が排泄されるにつれて,造影剤は細胞外液腔より毛細血管方向に移行する.
1(1)
日獨医報 第56巻 第1号 2011
たりに分布する造影剤の量は少なくなる。このため、腫
前述したように、肝臓ダイナミックCTにおいて定義
瘍組織では、周囲の正常組織と比較して相対的に造影剤
されている「臨床的な平衡相」は、「薬理学的な平衡相」と
の分布量が少なくなり低吸収域として認識されることが
は異なる。Foleyらは、肝臓および大動脈の時間濃度曲
多い(図3B)
。これに対して、線維化などが豊富で細胞
線がそれぞれのピークを迎えた後に、ほぼ平行して濃度
外液腔が小さいと考えられる腫瘍(たとえば胆管細胞癌
が減少していく時間帯を平衡相としている 18)。これは、
など)では、平衡相で周囲より強く濃染されることがあ
通常は造影剤投与開始から3分以降(少なくとも90秒以
る
(図4)
。
21-24)
降)の時間帯にあたる(図5)。
図3 80歳代 男性 肝細胞癌
A 肝臓S8に,動脈相で濃染する腫瘍が認められる.
B 平衝相では,腫瘍は周囲間実質に比較して低吸収となっている.
A
A
B
B
C
図4 50歳代 女性 肝門部胆管細胞癌
A ダイナミックCTの動脈相
B ダイナミックCTの門脈相:肝門部胆管の全周性の壁
肥厚が認められ(矢印),同部は軽度濃染している.
C ダイナミックCTの平衝相:肝門部胆管の壁肥厚の濃
染(矢印)は,門脈相よりもやや強くなっている.
1(1)
日獨医報 第56巻 第1号 2011
3.造影剤の体内動態のシミュレーション
散フーリエ変換を行い、周波数領域でそれらの割算を行
造影剤の体内動態についてはいくつか報告されている
うことにより、伝達関数を導出する(図6A)30)。
が、Baeらによる薬理学的コンパートメントモデルによ
この方法が最初に発表された論文には、Mathematica
とFleischmannらによる線
で書かれたプログラムも掲載されているので、読者はこ
るシミュレーション
15-16、25-27)
形モデルによるものが代表的である
。
の方法を実際に試してみることができる 28)。この方法で
28、29)
Baeによるシミュレーションは、図1のような各部の
は、比較的簡単に患者ごとのシミュレーションを行うこ
血液量、臓器の細胞外液量をもとに複数の微分方程式を
とができる。また、ある程度の人数の患者の時間エンハ
たてて、これらを解くことによって各臓器の時間濃度曲
ンスメント曲線を平均化した「平均時間エンハンスメン
線を求めるものである。この方法は、血液量、臓器の細
ト曲線」を使用することにより、平均的な患者のシミュ
胞外液量などに多数の仮説が必要であるが、ブタを使っ
レーションも可能である(図6B)30)。一方では、本番の
た動物実験の結果とほぼ一致した結果が得られてい
造影検査の前に、少量の造影剤を使用してテスト注入を
。さらにヒトの動脈や肝臓などの時間濃度曲線
行って患者の特性関数を求めなければならない点がやや
る
1 5、1 6)
ともよく合致するので、妥当なものと思われる。ただし、
煩雑である。
この方法では、各個人の造影動態のシミュレーションは
われわれも、本方法をもとにして、造影CT検査ごと
行うことはできない。
に最も適切な時間エンハンスメント曲線を得るような造
これに対してFleischmannらの方法は、ヒトの循環系
影プロトコールを算出するコンピュータプログラムを開
を線形システムと仮定し、ある患者において、入力関数
発したが、残念ながら1/4程度の症例で目的とするよう
(この場合は、造影剤の注入速度・注入時間などの造影プ
な時間エンハンスメント曲線を得ることができなかっ
ロトコール)と出力関数(時間エンハンスメント曲線に対
た。これは、おそらくテスト注入時と本番の造影時の造
応)の間に、その患者固有の伝達関数が存在すると仮定
影剤量が大きく異なることに起因するものと、われわ
。具体的
れは推測している。一般にテスト注入では10mL前後の
には、造影剤のテスト注入における注入関数と、テスト
造影剤を使用するのに対して、本番の造影剤では50〜
注入により得られた時間濃度曲線のそれぞれについて離
100mL程度の造影剤を使用する。この量の違いが、造
してシミュレーションを行うものである
28、29)
影剤投与する生体の反応性の差になって生じるのかもし
れない。
以上のような、コンピュータシミュレーションの他に
機械的な流体ファントムを使用したシミュレーションも
500
400
可能である 31、32)。ただし、この場合は動脈系のシミュ
大動脈
レーションに限られる。
CT値
造影剤投与における技術的因子
300
臨床上の
平衡相
(HU) 200
造影剤投与時の技術因子としては、造影剤量(ヨード
量)、造影剤濃度、注入時間、注入速度、生理食塩水に
100
よる後押し、スキャンディレイの設定などがある。これ
肝臓
0
0
50
らのうち、造影剤量、注入時間、注入速度は、互いに密
100
150
造影剤注入開始からの時間(秒)
図5 Foleyにより定義された
「臨床的な平衝相」
肝臓および大動脈の時間濃度曲線が,それぞれピークを迎えた後
にほぼ平行して濃度が減少してゆく時間帯を「臨床的な平衡相」とす
る.これは,造影剤投与開始から3分以降(少なくとも90秒以降)の
時間帯にあたる.
接に関連して、血管や臓器のエンハンスメントに影響を
与える。また、生理食塩水の後押しおよびスキャンディ
レイの設定は、動脈相の撮影の際に重要な因子となる。
本稿では、これらの因子について、動脈系と実質臓器
に分けて記述する。
1(1)
日獨医報 第56巻 第1号 2011
inj test
(input)
Injection rate(mL/sec)
テスト注入における造影プロトコール
離散フーリエ変換
Inj test
Time from injection start (sec)
テスト注入時の時間エンハンスメント曲線
(output)
Enhancement(HU)
enh test
Enh test
G
Enh test
離散フーリエ変換
Inj test
伝達関数
(いわゆる患者関数)
Time from injection start(sec)
図6A Fleischmannによる動脈系の時間エンハンスメント曲線のシミュレーション
本法では,ヒトの循環系を線形システムと仮定し,ある患者において,入力関数(この場合は,造影
剤の注入速度・注入時間などの造影プロトコール)と出力関数(時間エンハンスメント曲線に対応)の間
に,患者固有の伝達関数が存在すると仮定して,この伝達関数をもとにシミュレーションを行う.伝
達関数は,造影剤のテスト注入における注入関数と,テスト注入により得られた時間濃度曲線のそれ
ぞれについて離散フーリエ変換を行い,周波数領域でそれらの割算を行うことにより,導出する.
250
複数の患者の時間エンハンスメント曲線
250
200
200
動脈の造影剤到達
時間で正規化
150
150
100
100
50
50
0
250
0
0
5 10 15 20 25 30 35
Time(sec)
平均時間エンハンスメント曲線
化
均
平
200
150
離散フーリエ変換
5
10
15 20 25
Time(sec)
30
35
平均伝達関数
(平均患者関数)
離散フーリエ変換
100
50
0
正規化された時間エンハンスメント曲線
テスト注入における
造影プロトコール
0
5
10 15 20 25
Time(sec)
30
図6B 平均伝達関数を求める方法
まず複数の患者の時間エンハンスメント曲線を求める(図左上).次に,すべての患者の時間エンハン
スメント曲線において,造影剤の到達時刻が0秒となるように時間エンハンスメント曲線を平行移動
する(図右上).その上で平均時間エンハンスメント曲線を求める(図左下).この平均時間エンハンス
メント曲線に離散フーリエ変換を行い,Aに示す手順で平均伝達関数を求める.
1(1)
日獨医報 第56巻 第1号 2011
1.動脈系
注入時間が十分長い場合は(動脈のある部位への造影剤
1)造影剤量、注入時間、注入速度、造影剤濃度
の到達時間よりも長い場合)、同様の結果が得られてい
前述したように、標準的な体格のヒトでは、造影剤が
る(注入時間が短い場合は後述する)15-16、33)。
分布する大血管・心臓などの血管腔の大きさは体重に比
図8Aは、造影剤注入速度を一定(この場合は2.3mL/
例することから 、動脈系のエンハンスメントも体重あ
sec)にして、注入時間を変化させたときの大動脈エンハ
たりのヨード量に比例する。
ンスメントである。この場合は、注入時間と造影剤量は
図7〜9に、Fleischmannの方法で大動脈のエンハンス
正比例するので、注入速度を一定にして造影剤量を変化
メントをシミュレーションしたものを示す。シミュレー
させるのと同義である。図8A では、注入時間が長くな
ションには、患者10人における造影剤のテスト注入か
ればなるほど大動脈のエンハンスメントは増大し、ピー
ら得られた平均的な患者関数を使用し、造影剤濃度は
クに到達する時間も長くなる。図8Bは、図8Aと同じデー
300mgI/mLとしている。
タを、横軸に造影剤量、縦軸に大動脈のピークエンハン
図7Aに示すように、造影剤の注入時間を一定にした
スメント値をプロットし直したものである。注入速度が
場合(このシミュレーションでは15秒)、大動脈のエン
一定の場合は、大動脈のエンハンスメントは造影剤量と
ハンスメントの最大値(ピークエンハンスメント)は造影
正比例することがわかる。
剤量に正比例して増加する。図7Bは7Aのグラフと同じ
図9Aは、造影剤の総投与量を一定にして(ヨード量
データから、横軸に造影剤量および縦軸に大動脈のピー
30g、300mgI/mLの造影剤100mLにあたる)、大動脈エ
クエンハンスメント値をプロットし直したものである。
ンハンスメントと注入時間の関係を示したものである。
さらに、図7A で注目していただきたいことは、造影剤
造影剤の総投与量が一定の場合、大動脈のピークエンハ
のエンハンスメントが立ち上がり始めた時刻からピーク
ンスメントは注入時間が長くなればなるほど低くなり、
を迎えるまでの時間は、いずれの造影剤量においても注
さらにピークエンハンスメントを迎える時間は遅延す
入時間と等しい15秒になっていることである。すなわ
る。図9Bは、横軸に注入速度、縦軸に大動脈ピークエ
ち、造影剤が動脈のある部位に到達してからピークに達
ンハンスメントをプロットし直したものである。造影剤
するまでの時間(便宜上、本稿ではピーク時間と定義す
の総投与量が一定の場合、大動脈のピークエンハンスメ
る)は、基本的には造影剤の注入時間に一致する。これ
ントは、(通常の臨床で使用する範囲内の注入速度では)
は、Baeの薬理学的コンパートメントモデルにおいても
注入速度とほぼ正比例する。
15)
大 動 脈 の エンハンスメント
120mgⅠ
180mgⅠ
240mgⅠ
300mgⅠ
360mgⅠ
420mgⅠ
480mgⅠ
540mgⅠ
600mgⅠ
600
500
400
300
200
(HU)100
0
0
10
20
30
40
時間(秒)
50
60
大 動 脈 のピークエンハンスメント
体重(kg)あたりのヨード量
700
700
600
500
400
300
r= 0.999
200
100
(HU)
0
0
150
300
450
600
750
体重(kg)あたりのヨード量(mg)
図7 注入時間を一定にした場合(15秒)の、大動脈の時間エンハンスメント
A 体重あたりの投与ヨード量を変化させた場合の大動脈の時間エンハンスメント曲線:体重あたりの投与ヨード量が増加すれ
ば,大動脈のピークエンハンスメントは大きくなる.
B 体重あたりの投与ヨード量と大動脈ピークエンハンスメントの関係:Aのグラフと同じデータから,横軸に造影剤量および
縦軸に大動脈のピークエンハンスメント値をプロットし直したものである.体重あたりの投与ヨード量と大動脈ピークエンハ
ンスメントは正の線形相関を有する.
A
B
1(1)
日獨医報 第56巻 第1号 2011
ヨードの総投与量(g)
大 動 脈 のエンハンスメント
200
6.9 g
10.4 g
13.8 g
17.3 g
150
20.7 g
24.2 g
250
100
(HU)50
0
大 動 脈 のピークエンハンスメント
300
300
280
260
240
r= 0.996
220
200
(HU)
0
10
20
30
40
50
180
60
10.4
時間(秒)
13.8
17.3
20.7
24.2
投与ヨード量(gⅠ)
図8 注入速度を一定にした場合
(ヨード注入速度690mgI/sec)の大動脈のエンハンスメント
A 大動脈の時間エンハンスメント曲線:造影剤量が多くなれば(造影剤注入時間が長くなると同義),大動脈のピークエンハン
スメントは高くなり,かつピークエンハンスメントに達する時刻は遅くなる.
B 投与ヨード量(総ヨード量)と大動脈のピークエンハンスメントの関係:Aのグラフと同じデータから,横軸に投与ヨード量
(総ヨード量),縦軸に大動脈のピークエンハンスメント値をプロットし直したものである.注入速度が一定の場合は,大動脈
のエンハンスメントは造影剤量(総投与量)と正比例する.
造影剤の注入時間
大 動 脈 のエンハンスメント
10 秒
15 秒
20 秒
25 秒
30 秒
35 秒
400
300
200
100
(HU)
大 動 脈 のピークエンハンスメント
500
A
450
400
350
300
r= 0.998
250
200
(HU)
0
150
0
10
20
30
時間(秒)
40
50
60
1.2
2.3
3.5
4.6
5.8
7.0
注入速度(mL/sec)
図9 造影剤の総投与量を一定にした場合(ヨード量30g)の大動脈エンハンスメント
A
A 大動脈の時間エンハンスメント曲線:注入時間が長くなれば,大動脈のピークエンハンスメントは低くなり,かつピークエ
ンハンスメントに達する時刻は遅くなる.
B 注入速度と大動脈のピークエンハンスメントの関係:Aと同じデータから,横軸に注入速度,縦軸に大動脈ピークエンハン
スメント値をプロットし直したものである.造影剤量の総投与量を一定にした場合も,大動脈のピークエンハンスメント値は,
注入速度とほぼ正比例する.
20(20)
B
B
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以上に示したごとく、造影剤注入時間が十分長くかつ
を開始するまでの時間のことである。ダイナミックCT
一定の場合は、動脈のピークエンハンスメントは造影剤
の動脈相やCTアンギオグラフィなどでは、動脈系のピー
量に比例し、ピーク時間は一定となる。したがって、動
クエンハンスメントを捉えるような時間帯で撮像するこ
脈のエンハンスメントを十分確保する必要があるような
とが重要である。このためには、動脈系のピークエンハ
スキャン(たとえば、ダイナミックCTの動脈相、CTア
ンスメントの時刻を正確に予測しなければならない。
ンギオグラフィなど)では、造影剤の投与は造影剤注入
動脈系のある部位を考えた場合(通常は、スキャンの
時間を一定にしてプロトコールを調整すれば、動脈相の
開始部位に相当する)、動脈系がピークを迎える時間は、
タイミングが合わせやすくなる 31、34-35)。
同部への造影剤が到達する時間(造影剤到達時間)と注入
技術的因子からみると、動脈系のエンハンスメントは
時間の関係において決まる 15、27)。
時間あたりのヨード投与量により決まり、造影剤濃度に
注入時間が造影剤到達時間よりも長い場合は、図10A
ついてはあまり関係ない。ただし、高濃度造影剤を使用
のように動脈系の時間濃度曲線はピーク付近に肩をもつ
した場合は、造影剤の投与ボリュームが小さくなること
ような形状を示す。動脈のある点において、動脈の濃度
には留意しなければならない。造影剤が上腕静脈より投
が上昇し始める時刻(造影剤到達時間)から動脈がピーク
与された場合、投与された造影剤の一部は、上腕静脈か
エンハンスメントを迎える時刻までのピーク時間と定義
ら腋窩静脈などの“dead space”に鬱滞する。通常、これ
すれば、ピーク時間は注入時間に一致する。したがって、
らの静脈系の径は伸縮するため“dead space”の容積は正
実際のCT検査においては、造影剤到達時間を、テスト
確に不明であるが、日本人の場合は20〜30mL程度であ
注入やbolus tracking法で知ることができれば、動脈系
ろうと推定されている 36)。高濃度造影剤を使用した場合
のエンハンスメントがピークになる時刻を予め予測する
は、投与造影剤ボリュームに対して“dead space”に鬱滞
ことができる。
する造影剤ボリュームが相対的に増加することになる。
これに対して、注入時間が造影剤到達時間よりも短い
したがって、高濃度造影剤を使用する場合は、後述する
場合は、図10Bのように動脈系の時間濃度曲線はベル状
ように、生理食塩水で後押しすることが望ましい。
の形状を示す 27)。この場合、動脈系のピーク時間を正確
に予測するためには、10mL前後の少量の造影剤を使用
2)スキャンディレイ
スキャンディレイとは、造影剤投与開始からスキャン
造影剤
到達時間
い、動脈のある部位で経時的にCT値のモニタースキャ
動脈系のCT値
動脈系のCT値
(HU)
ピーク時間
するテスト注入が必要である 37)。まず、テスト注入を行
(HU)
造影剤注入開始からの時間(秒)
造影剤注入開始からの時間(秒)
図10 動脈系の時間濃度曲線の形状
A 注入時間が造影剤到達時間よりも長い場合の,動脈系の時間濃度曲線:動脈のある点において,動脈の濃度が上昇し始める
時刻(造影剤到達時間)から動脈がピークエンハンスメントを迎える時刻までのピーク時間と定義すれば,ピーク時間は注入時間
に一致する.
B 注入時間が造影剤到達時間よりも短い場合の,動脈系の時間濃度曲線
A
B
21(21)
日獨医報 第56巻 第1号 2011
ンを行う。その後に、50〜100mL程度の造影剤を使用
能である 46)。
して本番のスキャンを行うわけであるが、この場合、テ
スト注入のピーク時刻と本番のピーク時刻の差分時間
2.実質臓器
は、(本番の造影剤注入時間−テスト注入の注入時間)×
多くの場合、診断上、実質臓器の濃染の程度が問題と
1/2となる(図11)
。注入時間が造影剤到達時間よりも短
なるのは肝臓と膵臓である。肝臓については造影法につ
い場合というのは、心臓CTにおける造影のように、注
いて詳細に検討されているが、膵臓については十分な検
入時間が10秒以内となる場合に当てはまる。
討がされているとは言い難い。したがって、本稿では主
に肝臓について述べる。
3)生理食塩水による後押し
38-41)
前述したように、造影剤が上腕静脈より投与された場
1)造影剤量、造影剤濃度
合、投与された造影剤の一部は上腕静脈から腋窩静脈な
Heikenらは、肝臓のエンハンスメントも、標準的な
どの“dead space”に鬱滞する。したがって、心臓CTや
体格の患者では体重(kg)あたりのヨード量に比例するこ
CTアンギオグラフィのように造影剤の投与量が比較的
とを報告している 47)(図12)。これをもとに、ターゲッ
少ない場合(50〜100mL)や高濃度造影剤を使用する場
トとする肝のエンハンスメントが決まれば、それを成就
合は、20〜30mL程度の生理食塩水で造影剤を後押しし
するために必要な体重あたりのヨード量を計算できる
て“dead space”内の造影剤を洗い流す必要がある。この
(表)。たとえば、肝臓のCT値を70HU上昇させるため
場合、生理食塩水の注入速度は、造影剤の注入速度と一
には、体重(kg)あたり729mgのヨードを投与すればよい。
致させることが多いが、これについてはいくつかの異論
一般的に、診断上、肝臓のエンハンスメントがどの程度
がありコンセンサスはいまだ得られていない
。
42、43)
必要かについては議論があるが、筆者は最低限50HU程
生理食塩水で後押しすることは、生体内で時間濃度曲
度と考えている。肝のエンハンスメント50HUを実現す
線を正確に再現することにつながり、タイミングが正確
るのに必要なヨード量は521mg/kgである。
。ま
わ れ わ れ は、 以 前、 慢 性 肝 障 害 患 者95人 に 対 し て
た、生理食塩水で後押しすることにより、上腕静脈や上
iopamidol(イオパミロン)を患者体重(kg)あたりヨード
大静脈内に鬱滞するアーチファクトも軽減することが可
量にして518mgを投与して、肝ダイナミックCTを行っ
なダイナミックCTを実行するのに有用である
44、45)
テスト注入時の
動脈系の
ピーク時刻
本番の
時間濃度曲線
CT値
動
脈
系
の
本番造影時の
動脈系の
ピーク時刻
(HU)
テスト注入時の
時間濃度曲線
造影剤注入開始から時間(秒)
図11 造影剤のテスト注入のピーク時刻と本番造影のピーク時刻の関係
テスト注入のピーク時刻と本番のピーク時刻の差分は,(本番の造影剤注入時間−テスト注入の注
入時間)×1/2となる.
22(22)
日獨医報 第56巻 第1号 2011
た。この場合、前述のデータからは、患者においては
Yamashitaらは腹部ヘリカルCTにおいてどのくらい
50HUの肝エンハンスメントが得られるはずである。し
の造影剤投与量が必要かを検討している 49)。彼らは、動
かしながら、門脈相における肝の平均エンハンスメント
脈相における大動脈の描出能・門脈相における肝実質
値は46人では50HUを越えたが、残りの49人では50HU
の濃染について評価を行い、ヨード量600mg/kg以上で
に達しなかった 。われわれの検討では慢性肝障害の患
良好な結果が得られることを示した。さらに、Yanaga
者を対象としているのに対して、Heikenらの検討は逆
らも多血性肝癌を対象とした検討で、投与ヨード量は
に肝障害を有する患者を除外しているので単純な比較は
600mg/kgが望ましいと報告している 30、50)。以上より、
できないが、少なくとも慢性肝障害の患者では、体重
肝臓の良好な濃染を得るための造影剤のヨード量は、体
(kg)あたり521mgのヨード量は良好な肝臓のエンハン
重あたり最低520mg、できれば600mg以上が望ましい
48)
スメントを得るには十分な量とはいえない 。
と考えられる。
48)
肝臓の濃染に関してはヨードの投与量が重要であり、
造影剤濃度は関与しない。ただし、肝ダイナミックCT
80
の動脈相における多血性肝腫瘍の描出については、造影
70
剤の投与法によって高濃度造影剤(350〜370mgI/mL)が
肝 臓 のエンハンスメント
有利となったり、反対に中濃度造影剤(300mgI/mL)が
60
有利になったりすることがある 36、51-56)。
50
2)注入速度と注入時間
40
y = -0.096+0.096x
r = 1.00
30
Baeらのシミュレーションによると、肝臓の濃染は、
注入速度が速くなればなるほどピークエンハンスメント
は大きくなるが、注入速度が2.0 mL/secより速い注入速
(HU) 20
度では肝臓のピークエンハンスメントの増分は少ない
10
(図13)16)。
0
300
400
500
600
700
800
体重(kg)あたりのヨード量(mg)
図12 肝臓のエンハンスメントと体重あたりのヨード
投与量の関係
標準的な体格のヒトでは,体重あたりのヨード投与量と
肝臓のエンハンスメントは正比例する.
(Heiken JP, et al:Radiology 195:353-357,1995を改変)
表 肝臓のあるエンハンスメントを得るために
必要な体重
(kg)
あたりのヨード量
(mg)
動脈系と同様に、造影剤の注入時間を一定にすること
により肝臓のピーク時間・ピークエンハンスメントは一
定に近づく傾向がある 57)。現時点では、肝ダイナミック
CTにおいては、造影剤の注入時間は30秒程度にするの
が妥当とされている 50、58)。
造影効果の個人差の原因
同じ造影プロトコールを使用しても、実際には臓器や
血管のエンハンスメントにはかなりの個人差がある。こ
れらの個人差の原因としては、心機能(心拍出量)、血管
肝のエンハンスメント
(HU)
ヨード量
(mg/kg)
30
313
40
417
50
521
60
625
70
729
抵抗、bolus geometry、体格(肥満)などがある。これら
のなかで、よく研究されている心機能および体格につい
て述べる。
1.心機能(心拍出量)
一般に、心拍出量が増加するほど動脈系および実質臓
器の濃染の程度は低下する。また、造影剤が目的とする
血管や臓器に到達する時間も遅延する 25、59-60)。図14に、
23(23)
日獨医報 第56巻 第1号 2011
心拍出量が著しく異なる症例に同じプロトコールで造影
2.体格
を行った症例を示す。同じ画像表示条件にもかかわら
前述のごとく、大血管および心臓などの血管腔の容積
ず、心拍出量が低い症例のほうが左室内のエンハンスメ
は、標準的な体格の患者では体重と比例することから、
ントが高いことがわかる。図15に、流体ファントムを
造影剤投与量を体重で決定することは基本的には妥当と
使用して、心拍出量を変えて模擬大動脈の時間濃度曲線
考えられる 61)。
を計測したグラフを示す。心拍出量が低くなるほど、模
図16に、体重155kg、身長172 cmの患者の腹部およ
擬大動脈のピークエンハンスメントは遅延し、かつ高く
び骨盤CT像を示す。このような肥満を有する患者では、
なるのがわかるであろう。
肝臓、脾臓、腎臓などの高灌流臓器のサイズは通常の患
者とほぼ同様であるが、低灌流組織である脂肪組織(皮
下脂肪織+腹腔脂肪織)の体積が大きいということがわ
85
かるであろう。前述したように、脂肪組織や骨組織など
の低灌流組織においては造影剤が比較的分布し難い。し
肝 臓 のエンハンスメント
80
たがって、このような肥満の患者において、体重に比
例させるように造影剤量を決めると、結果的に造影剤
75
を過剰投与してしまう 62)。このため、近年、造影剤量を
決定するための体格指標として、除脂肪体重(lean body 70
weight:LBW)、 体 表 面 積(body surface area:BSA)、
bone mass index(BMI)などが検討されている 63)。この
65
(HU)
うち、有望視されているものはLBWとBSAである。
60
LBWとは、体重より脂肪重量(蓄積脂肪量)を引いた
値である。LBWは、除脂肪体重計により測定するが、
55
2.0
4.0
6.0
8.0
10.0
注入速度(mL/sec)
推定式も考案されている 64、65)。
LBWをはじめて造影CTにおける造影剤量決定に用い
たのは、Duke大学のHoらである 66)。Hoらは、患者を①
図13 造影剤の注入速度と肝臓のエンハンスメントの関係
注入速度が2.0 mL/secより速い注入速度では,肝臓のピーク
エンハンスメントの増分は少ない.
(文献16より引用改変)
心拍出量 3.0L/min
24(24)
固定量の造影剤量を使用するグループ、②体重によっ
て造影剤量を決定するグループ、③実測したLBWによ
り造影剤量を決定するグループ、④推定式により体重
心拍出量 6.3L/min
図14 心拍出量 3.0 L/minの患者と
心拍出量 6.3 L/minにおける
左室のエンハンスメント
造影剤はいずれも体重あたり
350mgI投与を15秒で投与している.
同じ画像表示条件にもかかわらず,
心拍出量が低い症例の方が左室内の
エンハンスメントが高い.
日獨医報 第56巻 第1号 2011
および身長から計算したLBWに造影剤量を決定するグ
LBWを使用し、高体重患者において造影剤量の過剰投
ループに分けて、腹部CTの門脈相における肝実質、大
与を避けることができることを報告している 69)。
動脈、門脈のCT値を比較した。この結果、これらのCT
もう一つの有望な体格指標はBSAである。BSAは、
値自体はグループ間で明らかな差はないが、実測した
種々の生理学的測定値の補正や薬剤の投与量の決定に広
LBWでは、肝実質のCT値の患者間のばらつきを有意に
く用いられる体格指標である。Baeらは、心臓CTにお
減らすことができると述べている。岐阜大学のKondo、
いて患者に固定量の造影剤を投与し、上行大動脈のエン
Kanematsuらのグループも、LBWにより造影剤量を決
ハンスメント値を分析した 63)。その結果、大動脈のエン
定した場合、他の体格指標と比較して、肝エンハンス
ハンスメントは、総体重、身長、BMI、BSAなどと相関
メントの患者間のばらつきが低減することを報告して
するが、特にこれらのなかではBSAの相関が最も強い
いる
。さらに、彼らは、ターゲットとする肝の
62、67-68)
ことを報告した 63)。
エンハンスメントを実現するための造影剤量をLBWよ
Baeの研究では、BSAによる造影剤量を決定したプロ
り推定する計算式も提案している 。また、熊本大学の
トコールは実際の患者には適用されていないが、実際に
Yanagaらは、CTアンギオグラフィの造影剤量決定に
これをCTアンギオグラフィに応用したのはYanagaらの
67)
300
模 擬 大 動 脈 のエンハンスメント
心拍出量
250
5.0 L/min
3.5 L/min
200
1.7 L/min
150
100
(HU)
50
0
0
20
40
60
80
造影剤注入開始の時間(sec)
100
図15 心拍出量を変えた場合の,模擬大動脈の時間濃度曲線 (流体ファントムを使用したファントム実験)
心拍出量が低くなるほど,模擬大動脈のピークエンハンスメントは遅延し,
かつ高くなる.
図16 体重155 kg,身長172 cmの患者の腹部および骨盤CT像
肥満を有する患者では,肝臓,脾臓,腎臓などのサイズは通常の患者とほぼ同様であるが,脂肪組織(皮下脂肪織+腹腔
脂肪織)の体積が大きいことが多い.
2(2)
日獨医報 第56巻 第1号 2011
研究である 70)。Yanagaらは、CTアンギオグラフィにお
kVpに変えることにより、X線の吸収線量は40〜45%程
いては、BSAにより造影剤量を決定することにより、高
。この場合、X線量が低下しす
度まで減少する 70)(図20)
体重患者における造影剤量の過剰投与を避けることがで
ぎて画質の劣化が生じるが、体重が60kg以下の体格患
きると述べている 。さらに、Yanagaらは、BSAは心
者では診断に耐える画像を得ることができる 78)(図21)。
拍出量と相関することから 71)、心拍出量の影響を受けや
ただし、比較的体重が重い患者(体格の大きい患者)では
25、72)
では、LBWよりもBSAを
ノイズが増加するため、代償性に管電流を増加させるこ
使用することがより妥当である可能性を指摘している。
とが必要となる 76、82、84-86)。その他のノイズ増加に対す
70)
すいCTアンギオグラフィ
る他の方策としては、ノイズを低減させるような画像
X線量と造影剤投与
フィルター81、87-88)や逐次画像再構成法の応用 75、89)など
がある。
CTにおけるX線量と造影剤投与量は、従来、あまり
逆に、低線量で撮像されたノイズの多いCT画像のと
関連のないものと考えられていたが、最近はCTの画質
きに、造影剤を増加させることにより診断能を確保する
という観点より両者を関連したものとして捉えるべきと
ということも研究されている 90)。
考られるようになった。このような考え方は、低管電圧
以上述べたように、今後は、X線の線質に伴うCT画
が臨床の現場で使用されることになったことに
像のコントラスト変化、X線量の大小に伴う画像ノイ
端を発している。ここでは、低電圧撮像と造影剤投与の
ズの増減に伴い造影剤の投与法も調整する必要があろ
関係を中心に述べる。
う。現在、すでにdual energy CTが臨床の現場に導入さ
CT上は、通常、120〜140 kVpの管電圧で撮像されるが、
れているが、今後は、真のマルチエネルギーCTである
80〜90kVpの管電圧で撮像を行うことを低管電圧撮像と
photon counting CT 91-94)も登場すると予測されている。
撮影
73-83)
呼ぶ。低管電圧撮影では、いくつかのメリットがある。
低管電圧撮影では、ヨードのエンハンスメントが増
最後に
強する。同じ管電圧でもメーカーにより実際の実効管
電圧が異なるために一概にはいえないが、120kVpを
今後もCTの技術的進歩は続くと予想されるので、引
80〜90kVpに切り替えることでヨードのエンハンスメン
き続きヨード造影剤の投与法も改良していく必要があろ
(図17)。したがって、ヨー
う。しかしながら、造影剤の基本的な体内動態は変わる
ドのエンハンスメントの観点からいえば、同じ増強効果
ことはないので、本稿で述べたような事項を把握してお
を期待する場合、大動脈のCTアンギオグラフィのごと
けば、将来、さらにCTの多列化・高速化・多エネルギー
く、比較的太い動脈の描出を目的とする場合は40mL程
化が進んでも、対応が可能であろう。
トは1.5倍前後増強する
73、78)
度の造影剤(300mgI/mLの場合)でも十分な検査が可能
。
である 79)(図18)
450
また、低管電圧撮像では軟部組織のコントラストの
400
改善も可能である。管電圧を120 kVpから90 kVpに切
イズ比(contrast noise ratio:CNR)は1.2倍となる。ただ
し、後述するように、低管電圧撮像ではノイズが増強す
るために、通常より低コントラスト分解能が損なわれる
可能性がある。しかしながら、われわれが行った低コン
トラスト分解能評価のためのファントム実験では、120 kVpから90 kVpに変えることによりX線量を35%程度低
下させても低コントラスト分解はほぼ同等という結果で
あった(図19)73)。
また、同じ管電流の設定であれば、120 kVpから90 2(2)
350
CT値
り替えることにより同じX線量であればコントラストノ
(HU)
300
250
200
150
90kVp
100
120kVp
50
0
0.00
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
3.00
ヨード水溶液の濃度(mg / mL)
図17 管電圧が120および90kVpのときの,ヨード水溶液の濃
度とCT値の関係 78)
日獨医報 第56巻 第1号 2011
図18 60歳代 女性 胸部大動脈瘤
撮影は16列CT(Philips IDT-16)を使用し,撮影管電圧は
90kVpとしている.造影剤はヨード濃度300mgI/mLのもの
を40mL投与した.注入時間は15秒である.胸部大動脈,
腹部大動脈,左鼠径動脈とも十分な C T 値が確保されて
いる.
90 kVp
P=0.94-0.99
低コントラスト分解能
(Az)
120 kVp
1.0
P<0.05
0.9
0.8
0.7
0.6
250
300
350
400
450
500
560
300
管電流秒(mA s)
図19 異なる管電圧(90および120kVp)における低コントラスト分解能評価のためのROC実験の
結果 73)
120 kVp,300 mAsのときの低コントラスト分解能(Az値)を基準した場合,管電圧90kVp・管電流
450〜560mAsの撮影では,基準撮影と比較して,低コントラスト分解能に統計学的有意差は認めら
れなかった.これに対して,管電圧90kVp・管電流400mAs以下の撮影では,基準撮影と比較して,
低コントラスト分解能は有意に低下していた.
2(2)
日獨医報 第56巻 第1号 2011
50
40
50
90 kVp
90 kVp
40
120 kVp
X線量
X線量
(mGy)
30
(mGy)
20
10
0
120 kVp
30
20
10
100 150 200 250 300 350 400 450 500 560
0
100 150 200 250 300 350 400 450 500 560
管電流秒(mAs)
管電流秒(mAs)
図20 異なる管電圧
(90および120kVp)におけるX線の吸収線量(ファントム実験)
A ファントム中心における吸収線量
B ファントムの辺縁における吸収線量
120kVp,300mAs,100mL
B
90kVp,300mAs,100mL
図21 40歳代 女性 慢性肝障害
同一患者のCTを約3ヵ月の間隔で,異なる管電圧で撮像したもの.
A 撮像条件は120 kVp,300 mAsで,300mgI/mLの造影剤100mLを30秒で投与.
B 撮像条件は90kVp,300 mAsで,Aと同じ投与条件.
同じ造影剤投与条件にもかかわらず,Bのほうが全体的に良好に造影されている.
2(2)
A
A
B
日獨医報 第56巻 第1号 2011
謝辞
最後に、筆者とともに、CTおよびMRI用造影剤の体
内動態および投与法の研究を行ってきた熊本大学の彌永
由美医師、中浦猛医師、中山善晴医師、尾田済太郎医師、
宇都宮大輔講師、船間芳憲教授、広島市立大学の青山正
13)Kitamura T,Ichikawa T,Erturk SM,et al:Detection of hypervascular hepatocellular carcinoma with multidetectorrow CT;single arterial-phase imaging with computerassisted automatic bolus-tracking technique compared with double arterial-phase imaging.J Comput Assist Tomogr 32:
724-729,2008
人准教授に厚くお礼を申し上げます。また長年にわたり
14)Itoh S,Ikeda M,Achiwa M,et al:Late-arterial and portal-
ご指導いただきました熊本大学大学院 山下康行教授に
venous phase imaging of the liver with a multislice CT scanner 深謝いたします。
in patients without circulatory disturbances;automatic bolus tracking or empirical scan delay?Eur Radiol 14:
1665-1673,2004
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24)Lacomis JM,Baron RL,Oliver JH,3rd,et al:Cholangiocarcinoma;delayed CT contrast enhancement patterns.
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25)Bae KT,Heiken JP,Brink JA:Aortic and hepatic contrast medium enhancement at CT;Part II.Effect of reduced cardiac output in a porcine model.Radiology 207:657-662,
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26)Bae KT,Tran HQ,Heiken JP:Multiphasic injection method for uniform prolonged vascular enhancement at CT angi2(2)
日獨医報 第56巻 第1号 2011
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Roentgenol 174:1049-1053,2000
27)Bae KT:Peak contrast enhancement in CT and MR angio-
40)Irie T,Kajitani M,Yamaguchi M,et al:Contrast-enhanced CT graphy;when does it occur and why?;parmacokinetic study with saline flush technique using two automated injectors;
in a porcine model.Radiology 227:809-816,2003
28)Fleischmann D,Hittmair K:Mathematical analysis of arterial how much contrast medium does it save?J Comput Assist Tomogr 26:287-291,2002
enhancement and optimization of bolus geometry for CT 41)Lee CH,Goo JM,Bae KT,et al:CTA contrast enhancement angiography using the discrete fourier transform.J Comput of the aorta and pulmonary artery;the effect of saline chase Assist Tomogr 23:474-484,1999
29)Fleischmann D,Rubin GD,Bankier AA,et al:Improved uniformity of aortic enhancement with customized contrast injected at two different rates in a canine experimental model.Invest Radiol 42:486-490,2007
42)Behrendt FF,Bruners P,Keil S,et al:Effect of different saline medium injection protocols at CT angiography.Radiology chaser volumes and flow rates on intravascular contrast en-
214:363-371,2000
hancement in CT using a circulation phantom.Eur J Radiol 30)Yanaga Y,Awai K,Nakayama Y,et al:Optimal dose and 73:688-693,2010
injection duration (injection rate) of contrast material for 43)Schindera ST,Nelson RC,Howle L,et al:Effect of varying depiction of hypervascular hepatocellular carcinomas by injection rates of a saline chaser on aortic enhancement in CT multidetector CT.Radiat Med 25:278-288,2007
31)Awai K,Hatcho A,Nakayama Y,et al:Simulation of aortic angiography;phantom study.Eur Radiol 18:1683-1689,
2008
peak enhancement on MDCT using a contrast material flow 44)Matoba M,Yokota H,Kuga G,et al:Influence of saline phantom;feasibility study.Am J Roentgenol 186:379-385,
flushing on the optimal temporal window for CT of the liver 2006
32)Awai K,Nakayama Y,Nakaura T,et al:Prediction of using a time-density analysis.Radiat Med 23:557-562,
2005
aortic peak enhancement in monophasic contrast injection 45)Tatsugami F,Matsuki M,Inada Y,et al:Usefulness of saline protocols at multidetector CT;phantom and patient studies.
pushing in reduction of contrast material dose in abdominal Radiat Med 25:14-21,2007
33)Bae KT,Fuangtharnthip P,Prasad SR,et al:Adrenal masses;
CT characterization with histogram analysis method.Radiology 228:735-742,2003
34)Awai K,Hiraishi K,Hori S:Effect of contrast material injection duration and rate on aortic peak time and peak en-
CT;evaluation of time-density curve for the aorta,portal vein and liver.Br J Radiol 80:231-234,2007
46)Takeyama N,Ohgiya Y,Hayashi T,et al:Comparison of
different volumes of saline flush in the assessment of perivenous artefacts in the subclavian vein during cervical CT angiography.Br J Radiol 84:427-434,2011
hancement at dynamic CT involving injection protocol with 47)Heiken JP,Brink JA,McClennan BL,et al:effect of volume dose tailored to patient weight.Radiology 230:142-150,
and concentration of contrast material and patient weight on 2004
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35) 彌永由美,粟井和夫,中山善晴,他:腹部MDCTにおける
48)粟井和夫,柳生行伸,綿井良輔,他:肝のダイナミッ
最近の造影の考え方;造影剤注入時間一定法.映像情報
クMDCTに お け る 造 影 剤 の 使 用 法.画 像 診 断 23:
med 38:106-111,2006
36)Awai K,Inoue M,Yagyu Y,et al:Moderate versus high 1017-1025,2003
49)Yamashita Y,Komohara Y,Takahashi M,et al:Abdominal concentration of contrast material for aortic and hepatic helical CT;evaluation of optimal doses of intravenous enhancement and tumor-to-liver contrast at multi-detector contrast material-a prospective randomized study.Radiology row CT.Radiology 233:682-688,2004
37)Nakaura T,Awai K,Yauaga Y,et al:Contrast injection 216:718-723,2000
50)Yanaga Y,Awai K,Nakaura T,et al:Optimal contrast dose protocols for coronary computed tomography angiography for depiction of hypervascular hepatocellular carcinoma using a 64-detector scanner;comparison between patient at dynamic CT using 64-MDCT.Am J Roentgenol 190:
weight-adjusted- and fixed iodine-dose protocols.Invest Radiol 43:512-519,2008
38)Dorio PJ,
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Henseler KP,
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51)Awai K,Takada K,Onishi H,et al:Aortic and hepatic enhancement and tumor-to-liver contrast;analysis of the decrease contrast media in abdominal CT.Am J Roentgenol effect of different concentrations of contrast material at 180:929-934,2003
multi-detector row helical CT.Radiology 224:757-763,
39)Haage P,Schmitz-Rode T,Hubner D,et al:Reduction of contrast material dose and artifacts by a saline flush using 30(30)
2002
52)Sultana S,Morishita S,Awai K,et al:Evaluation of hyper-
日獨医報 第56巻 第1号 2011
vascular hepatocellular carcinoma in cirrhotic liver by means 66)Ho LM,Nelson RC,Delong DM:Determining contrast of helical CT;comparison of different contrast medium medium dose and rate on basis of lean body weight;does this concentrations within the same patient.Radiat Med 21:
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53)Tsurusaki M,Sugimoto K,Fujii M,et al:Multi-detector row helical CT of the liver;quantitative assessment of iodine enhancement during multi-detector row CT?Radiology 243:431-437,2007
6 7)Kondo H,Kanematsu M,Goshima S,et al:Body size concentration of intravenous contrast material on multiphasic indexes for optimizing iodine dose for aortic and hepatic CT-a prospective randomized study.Radiat Med 22:239-
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54)Yagyu Y,Awai K,Inoue M,et al:MDCT of hypervascular hepatocellular carcinomas;a prospective study using weight,lean body weight,and blood volume.Radiology 254:163-169,2010
68)Kondo H,Kanematsu M,Goshima S,et al:Aortic and hepatic contrast materials with different iodine concentrations.Am J enhancement at multidetector CT;evaluation of optimal Roentgenol 184:1535-1540,2005
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2010
69)Yanaga Y,Awai K,Nakaura T,et al:Effect of contrast injection protocols with dose adjusted to the estimated lean patient body weight on aortic enhancement at CT angiography.Am J Roentgenol 192:1071-1078,2009
comparison of moderate- and high-concentration contrast 70)Yanaga Y,Awai K,Nakaura T,et al:Contrast material material with and without saline flush.Am J Roentgenol injection protocol with the dose adjusted to the body surface 193:738-744,2009
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58)山下康行:腹部造影ダイナミックCTの標準プロトコール
確立を目指して.第1回学術集会抄録集.MDCT至適造影
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7 2)Fleischmann D:Present and future trends in multiple detector-row CT applications;CT angiography.Eur Radiol 12(Suppl.2):S11-15,2002
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6 1)Yanaga Y,Awai K,Nakayama Y,et al:Pancreas;patient 74)Marin D, Nelson RC, Samei E,et al:Hypervascular liver body weight tailored contrast material injection protocol tumors;low tube voltage,high tube current multidetector CT versus fixed dose protocol at dynamic CT.Radiology 245:
during late hepatic arterial phase for detection-initial clinical 475-482,2007
experience.Radiology 251:771-779,2009
6 2)Kondo H,Kanematsu M,Goshima S,et al:Abdominal 75)Marin D,Nelson RC,Schindera ST,et al:Low-tube-voltage,
multidetector CT in patients with varying body fat percentages;
high-tube-current multidetector abdominal CT;improved estimation of optimal contrast material dose.Radiology 249:
image quality and decreased radiation dose with adaptive 872-877,2008
statistical iterative reconstruction algorithm—initial clinical 6 3)Bae KT,Seeck BA,Hildebolt CF,et al:Contrast enhance-
experience. Radiology 254:145-153,2010
ment in cardiovascular MDCT;effect of body weight,
76)Nakaura T,Awai K,Oda S,et al:Low-kilovoltage,high-tube-
height,body surface area,body mass index,and obesity. current MDCT of liver in thin adults;pilot study evaluating Am J Roentgenol 190:777-784,2008
radiation dose,image quality,and display settings.Am J 6 4)Hume R:Prediction of lean body mass from height and weight.J Clin Pathol 19:389-391,1966
Roentgenol 196:1332-1338,2011
77)Nakaura T,Awai K,Oda S,et al:A low-kilovolt (peak) high-
6 5)Hallynck TH,Soep HH,Thomis JA,et al:Should clearance tube current technique improves venous enhancement and be normalised to body surface or to lean body mass?Br J reduces the radiation dose at indirect multidetector-row CT Clin Pharmacol 11:523-526,1981
venography;initial experience.J Comput Assist Tomogr 35:
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141-147,2011
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79)Nakayama Y,Awai K,Funama Y,et al:Lower tube voltage reduces contrast material and radiation doses on 16-MDCT aortography.Am J Roentgenol 187:W490-497,2006
with renal dysfunction;forty-percent contrast dose reduction using low tube voltage- and high tube current time settings at 256-row CT.Radiology(accepted)
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88)Funama Y,Awai K,Miyazaki O,et al:Improvement of 80)Utsunomiya D,Oda S,Funama Y,et al:Comparison of low-contrast detectability in low-dose hepatic multidetector standard- and low-tube voltage MDCT angiography in computed tomography using a novel adaptive filter;eval-
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uation with a computer-simulated liver including tumors.
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Invest Radiol 41:1-7,2006
81)Yanaga Y,Awai K,Funama Y,et al:Low-dose MDCT 89)Schindera ST,Diedrichsen L,Müller HC,et al:Iterative urography;feasibility study of low-tube-voltage technique reconstruction algorithm for abdominal multidetector CT at and adaptive noise reduction filter.Am J Roentgenol 193:
different tube voltages;assessment of diagnostic accuracy,
W220-229,2009
image quality,and radiation dose in a phantom study.Radi-
82)Yanaga Y,Awai K,Nakaura T,et al:Hepatocellular carcinoma in patients weighing 70 kg or less;initial trial of ology 260:454-462,2011
90)Watanabe H,Kanematsu M,Miyoshi T,et al:Improvement compact-bolus dynamic CT with low-dose contrast material of image quality of low radiation dose abdominal CT by at 80 kVp.Am J Roentgenol 196:1-8,2011
increasing contrast enhancement.Am J Roentgenol 195:
83)Oda S,Utsunomiya D,Funama Y,et al:A low tube voltage technique reduces the radiation dose at retrospective ECG-
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91)Wang X,Meier D,Taguchi K,et al:Material separation in gated cardiac computed tomography for anatomical and x-ray CT with energy resolved photon-counting detectors.
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Med Phys 38:1534-1546,2011
84)Marin D,Di Martino M,Guerrisi A,et al:Hepatocellular 92)Taguchi K,Zhang M,Frey EC,et al:Modeling the perfor-
carcinoma in patients with cirrhosis;qualitative comparison mance of a photon counting x-ray detector for CT;energy of gadobenate dimeglumine-enhanced MR imaging and response and pulse pileup effects.Med Phys 38:1089-1102,
multiphasic 64-section CT.Radiology 251:85-95,2009
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85)Marin D,Nelson RC,Barnhart H,et al:Detection of pan-
93)Shikhaliev PM,Fritz SG:Photon counting spectral CT versus creatic tumors, image quality, and radiation dose during the conventional CT;comparative evaluation for breast imaging pancreatic parenchymal phase;effect of a low-tube-voltage, high-tube-current CT technique-preliminary results.
Radiology 256:450-459,2010
8 6)Nakaura T,Awai K:Abdominal dynamic CT in patients 32(32)
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94)Roessl E,Brendel B,Engel K,et al:Sensitivity of photoncounting based K-Edge imaging in X-ray computed tomography.IEEE Trans Med Imaging,2011