「自立とは依存と相反するものではない」ということである。思春期のテーマ

板橋区立加賀中学校
スクールカウンセラー
村本崇光
平成 28 年 6 月号
新年度が始まり 2 か月ほど経ちました。二・三年生は新しい学年、一年生は中学校には慣れ
てきたでしょうか。
中学生になると心と身体の大きな変化もあり、悩むことが多くなったり、悩みが大きくなっ
たりします。しかし、悩むことそれ自体は問題ではありません。むしろいろいろなことを理解
できるようになってきたからこそ悩みが出てくるわけですから、悩むようになったのは成長の
証ともいえます。しかし一方で、悩みが大きくなりすぎて気分が大きく沈んで しまうこともあ
ります。できるかぎりそうならないためにも、誰かに相談する(頼る)ことが大切です。
教育心理学者の保坂亨先生は、頼ることの大切さについて次のように述べています。
「自立とは依存と相反するものではない」ということである。思春期のテーマである自立とは、
彼(彼女)らにとっては依存しない(あるいは頼らない)ことになりがちである。それまで保護者
に依存していたところから自立していくにあたって、保護者に依存しない(頼らない)という行
動をとることになるのは無理もない。しかし、自立した人間というものが誰にも依存していな
いわけではない。仮に、誰にも依存していない人間がいるとしたら、それは孤立した人間だろ
う。
むしろ自立した人間とは、周囲の人間に対して上手に依存しているとも言える。つまり頼る
べき人間関係のネットワークを多用にもっている姿である。当然生まれてから何年間かの子ど
もは、特定の保護者に大きく依存している。子どもがもつ外に向う力も、多くは自分を保護し
てくれる存在に向う。それゆえ、その特定の保護者がなんらかの理由でいなくなった時には、
危険な状態になってしまうのである。そうした状態から、子どもは必要に応じて依存すべき対
象を、教員や仲間などしだいに増やしていきながら成長する。このように考えれば、自立のプ
ロセスとは依存できる対象が分化していくプロセスといえる。
『いま、思春期を問い直す』保坂亨
頼らないことが自立ではなく、むしろいろんな人に適度に上手に 頼るこ
とが自立だと思うと、気持ちも少し楽になるのではないでしょうか。
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生徒のみなさんへ
友人関係のこと、勉強のこと、進路のこと、部活のこと、家庭のこと、自分について考えた
い、心理学について質問があるなど、いろいろな相談にのっています。気軽に声をかけてくだ
さい。
毎週月曜日に保健室の横にある「加賀ルーム」にいます。相談は予約をしている
人が優先です。じっくり話したい人は予約してください。予約はカウンセラーに直
接か、担任の先生や保健室の石丸先生など、お話をしやすい先生に伝えてください。
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学習のこと、進路のこと、発達の遅れ、登校しぶり、子育てについてなど、お子様のことで
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室の石丸先生、副校長先生などにお伝えください。月曜日はスクールカウンセラーが直接予約
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