2.1 地域防災とは? 災害危険地域の把握には,①自然要因,②地域の社会的変遷,③過去の災害履歴, ④土地利用形態の変遷把握などが必要であり,これらを纏め地図情報として 落し込んだものが防災マップです(ハザードマップと言われる場合もあります)。 横浜市 HP によれば,防災マップに記載される事項には以下のものがあります。 ・法的規制区域・危険地域・延焼危険地域・木造住宅倒壊危険地域 ・地域防災拠点・広域避難場所・地域医療救護拠点 ・避難路・緊急輸送路 ・災害用地下給水タンク・緊急給水栓・防火水槽 ・コンビニエンスストア・ガソリンスタンド ・公園・公衆トイレ・公衆電話 ・地区消防団器具置場など。 地域の危険度を判定するためには,まず自分達の住む地域を,歩いて見る必要があり ます。地域の方々が集まり,歩きながら防災チェックリストにより危険要因を見出す 現地調査は目視調査が主体となります。従って,建物倒壊・崩壊の危険性については, 外観からの大まかな評価とならざるを得ないところもありますが,大切なことは, 防災マップを作りながら地域の方々が集まり,コミュニケーション(会話)が生まれ 自分達の住む地域の実態をお互いに知るということです。 地域防災の危険度評価は,地域毎の自然・人的特性などがあり一律な評価方法は 存在しません。例えば, ・軟弱地盤と良い地盤では建物の倒壊・崩壊に与える影響は異なる。 ・木造住宅中心の居住地域とコンクリート・鉄骨建物主体の商業地域では被災(火災) 状況は異なる。 ・発生する時期,時間帯によっても被災状況は異なる。 また,地域にすむ人員構成・生活様式によっても被災状況は異なります。 東京都では震災対策条例により,1976 年(昭和 51)より 5 年ごとに都区内を細かく メッシュに分け,それぞれの地域が持つ危険要因をもとに,①建物倒壊の危険度, ②火災危険度,③避難危険度の 3 つの側面から評価を加えた結果を公表しています。 さらに,これらの危険度について建物危険度と火災危険度を加え総合危険度Ⅰ(物的 被害),避難危険度を加えた総合危険度Ⅱ(人的被害)を評価しています。 自分達の住む地域にもこれに準じた資料があるのか,調べてみてはどうでしょうか。 関連事項 2.5.2 地震に対する地域危険度とは? 7.5 ハザードマップ(防災地図)とは?
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