運航からの取組み~Bio Fuel/運航方式~

運航からの取組み~Bio Fuel/運航方式~
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JALグループのCO2排出量削減目標
目標:2020年度までに2005年度対比で
輸送量(有償トンキロ)当たりCO2排出量を23%削減
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CO2の推移(2005~2011年)
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環境負荷を抑制する取り組み
バイオ燃料
デモフライト
新型機材
への更新
User
Preferred
Route
最適高度,
経路,速度
の選択
広域航法
RNAV
Tailored
Arrival
燃料搭載
単位の
細分化
エンジン
水洗浄
一基エン
ジン停止
地上走行
フラップ
操作の
タイミング
軽量貨物
コンテナ
エンジン
逆噴射使用
の削減
地上動力
装置活用
機用品の
軽量化
貨物資材リ
サイクル
機内誌・
新聞紙
リサイクル
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機内ゴミ
の分別
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航空バイオ燃料の幕開け
主な代替燃料の種類
化石燃料
1. 合成燃料
(例)GTL(Gas to Liquid)
CTL(Coal to Liquid)
2. 液化石油ガス
(例)メタン、プロパン、ブタン など
バイオ燃料
1. 植物油脂・糖類の合成
(例)とうもろこし、大豆等の植物油、
魚油、獣油 など
2. 植物廃棄物の醗酵
(例)木屑、わら等のセルロースを原料
とするBTL(Biomass to Liquid)
その他
1. 水素燃料
(例)液化水素
2. アルコール
(例)メタノール、エタノール
3. 非食用植物油からの合成
(例)カメリナ、ジャトロファ、藻 など
注)青文字がドロップイン型燃料
 航空業界は非食用植物油から合成される第二世代のバイオ燃料に注目している
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航空バイオ燃料の原料
 持続可能性(供給量、価格)の観点から、航空バイオ燃料の原料として次の4種に注目
出所 : BOEING
油菜 “Camelina”
南洋油桐 “Jatropha”
利点 :
技術的に十分に確立
利点 :
干ばつに強く農耕法も十分に確立
課題 :
搾出する量が限定的
穀物市場の動向に左右
課題 :
亜熱帯の環境下でのみ生息
収穫の機械化(実現できず)
塩生植物 “Halophytes”
藻 “Algae”
利点 :
砂漠や海水下でも生育
温室効果ガスの削減システムの一環として確立
利点 :
高生産性
課題 :
限定的な規模のみでの立証
耕作コスト改善の必要性
課題 :
培養速度、求められる高い精製技術
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実用化 : 2020年頃
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航空バイオ燃料による試験飛行
20%
Coconut &
Babassu
50%
Jatropha
50%
Algae &
Jatropha
50%
Camelina,
Jatropha & Algae
Feb 2008
Dec 2008
Jan 2009
Jan 2009
Increasing level of test objectives
出所;Boeing
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航空バイオ燃料による試験飛行
•
•
•
•
実施日
場所
2009年1月30日(金)
羽田空港発-羽田空港着 仙台沖
約1時間30分の飛行
使用機材
ボーイング747-300
カメリナ・ジャトロファ・藻から合成したバイオ燃
料を通常ジェット燃料と50/50で混合し、
#3タンク/エンジンで使用。
第3燃料タンク
第3エンジン
デモフライトの結果を実証データとして、
50%混合のバイオ燃料をジェット燃料の規格として承認する。
↓
2011年7月1日にASTM規格承認済み
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バイオ燃料の規格認証
 航空機が飛行する運航条件に即し、航空燃料には厳しい基準(※)が課せられている
(※)耐定温性、高温での熱安定性、単位あたりの熱量 など
 バイオジェット燃料にも同等の基準が課せられ、これらの基準に適合することで使用可能に
 ASTM INTERNATIONALによる規格
米国材料試験協会” American Society for Testing and Materials”は、製品仕様、試験
方法に関する世界的な規格「ASTM規格」の策定を行っている。
米国およびその他多くの国で適用されている。特に石油製品については、日本のJIS規格も
ASTM規格に準拠している。
従来のジェット燃料はASTM D1655で規格されている。バイオジェット燃料を含む合成ジェット
燃料はD7566でその詳細要件を定められ、D7566に準拠して製造された燃料は、D1655の
要件を満たすものと規定されている。
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航空バイオ燃料を取り巻く世界の動き
 環境負荷軽減の観点から世界各国で様々な取り組み、国家規模でのプロジェクトも
 2011年7月のBio-SPKのASTM認証を受け、取り組みは更に加速(有償飛行の実施など)
欧州
 EUとして積極的な取り組み
 EU-ETSの枠組
 民間での積極的な取り組み
 有望なバイオ燃料関連企業
 有償飛行の実施
日本
 試験飛行を実施(JAL)
 藻類を中心とした研究・開発
微細藻燃料開発推進協議会発足
 JAL・ANA・BOEINGの連携
米国
 国防総省の戦略的な取り組み
 手厚い予算、試験飛行を実施
 民間での積極的な取り組み
 多くのバイオ燃料製造企業、
 有償飛行の実施
中東
 試験飛行を実施(GTL)
 バイオ燃料研究機関の立上げ
 エティハド航空・BOEING共同
アジア・太平洋
 中国の積極的な取り組み

BOEINGとバイオ燃料産業
確立の可能性を模索
 豪・NZの共同研究(w BOEING)
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中南米
 メキシコでの取り組み
バイオ燃料研究機関の立上
げ (w BOEING、UOP)
 ブラジルでの試験飛行(TAM)
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航空バイオ燃料普及のロードマップ
 航空バイオ燃料の導入には長期的な取組みが必要、一朝一夕での実現は不可能
 多くの業界が航空バイオ燃料導入に関与し、それぞれの分野で調査・研究が進展
 諸外国では中央政府がRoadmap(※)を作成、具体的目標の下で各業界の動向を集約
※) 欧州委員会は2050年までのRoadmap “Roadmap to a Single European Transport Area”を作成、航空機
部門について2050年までに全ジェット燃料の40%を持続可能性のある低炭素燃料に置き換えることを目標に
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環境負荷を抑制する取り組み
バイオ燃料
デモフライト
新型機材
への更新
User
Preferred
Route
最適高度,
経路,速度
の選択
広域航法
RNAV
Tailored
Arrival
燃料搭載
単位の
細分化
エンジン
水洗浄
一基エン
ジン停止
地上走行
フラップ
操作の
タイミング
軽量貨物
コンテナ
エンジン
逆噴射使用
の削減
地上動力
装置活用
機用品の
軽量化
貨物資材リ
サイクル
機内誌・
新聞紙
リサイクル
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機内ゴミ
の分別
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省燃費・低騒音の新機材の導入
Boeing
787-8
(2012.3~)
Embraer
170
(2008.10~)
Boeing
737-800
(2006.11~)
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ジェットエンジンの洗浄
・エンジン内部の圧縮機に付着した空気中のごみを洗い落とすことで、
圧縮効率を改善し燃料使用量を削減 (約1%燃費効率が改善)
・約6~9ヵ月毎に実施
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軽量化による効果と施策
①
航空機1機当たり1kgの軽量化で
→ 1便あたり < CO2排出量 0.1~0.8kgの削減>
②
③
①機内食器類
・食器に約20%軽い磁器を導入
・スプーンやフォークを薄くして1本あたり約2g軽量化
(1便で2.5kg軽量化)
・ワインのPETボトル化
(1本あたりのボトル重量を1/7 )
②軽量貨物コンテナ‐
「ツインテックス」ガラス繊維系新素材を側面パネルに使用、
2007年より導入、1台あたり26kgの軽量化
(777-300ER 1便で最大44台搭載→1トン 軽量化)
③飲料水の搭載量の適正化
1便あたり最大で300kg (777型機)の軽量化
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エコフライト活動
④効果的な新着陸方式
(テイラードアライバル)
③最適高度、
経路の選択
⑤フラップ操作タイミング、
角度の最適化
⑥着陸時のエンジン逆噴射使用削減
①駐機中の地上動力使用
(電力、冷暖房)
⑦エンジン1基を停止して地上走行
②燃料搭載量の単位細分化
(1000ポンドから100ポンド単位)
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APUからGPUの活用
到着後から次の出発までの間
に合計40分間のAPU使用
CO2=1527㎏/Hr
APU
CO2=34㎏/Hr
到着時はAPUを使用せず、出
発の10分間のみAPUを使用
CO2=51㎏/Hr
CO2=116㎏/Hr
(Water-cooled type)
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気象等を考慮したルートの最適化
UPR Route
PACOTS Route
UPR (User Preferred Route)
・ この方式は、1フライトごとに機種や最新の気象条件を考慮に入れ、安全でより効率の良い飛行経路を航空会社が自由に選択で
きるシステムで、飛行時間の短縮が可能。
・ JALは2008年8月、日本−ハワイ間の便(年間4,400便)で運用を開始し、燃料消費量削減により年間4,700トンのCO2削減を見込
んでいる。
・ 順次、日本=オーストラリア間、日本=バンクーバー間に拡大。
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効果的な新着陸方式の導入
空港へ進入時、巡航高度からエンジンの推力を絞ったまま連続的に降下し、
着陸する運航方式。 2008年夏より、サンフランシスコ空港で導入。
高度(フィート)
効果
・燃料3,480リットル、CO2 8.6トンの削減効果
・空港周辺の騒音低下、パイロット交信負荷軽減にも寄与
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RNP-AR方式による進入/着陸
北九州空港RWY18
【RNP AR進入】
経路時間:331 sec.
経路長:12.07 nm
消費燃料:338.209 lbs
【ILS進入】
経路時間:764 sec.
経路長:36.55 nm
消費燃料:807.196 lbs
【 Visual進入】
経路時間:296 sec.
経路長:12.49 nm
消費燃料:293.596 lbs
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究極のエコフライト
究極のエコフライト
《ASPIRE:Asia and Pacific Initiative to Reduce Emissions 》
現在考えうる全ての環境負荷軽減策を盛り込んだ
デモンストレーションフライト
ホノルル離陸
関西空港着陸
<概要>
・2009/10/10 ホノルル発JALウェイズ77便
(ホノルル-関西国際空港)
・使用機材: ボーイング747-400
・CO2排出削減:15,247kg
(5%以上の削減)
・燃料削減:10,633ポンド
(6,183ℓ@ドラム缶31本分)
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環境負荷を抑制する取り組み
バイオ燃料
デモフライト
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経路,速度
の選択
広域航法
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Arrival
燃料搭載
単位の
細分化
エンジン
水洗浄
一基エン
ジン停止
地上走行
フラップ
操作の
タイミング
軽量貨物
コンテナ
エンジン
逆噴射使用
の削減
地上動力
装置活用
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ありがとうございました。
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