Title 高校生の体型認識とダイエットについて Author(s)

Title
高校生の体型認識とダイエットについて
Author(s)
芝木, 美沙子; 橋本, 里和
Citation
北海道教育大学紀要. 教育科学編, 63(2): 155-166
Issue Date
2013-02
URL
http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/6907
Rights
Hokkaido University of Education
北海道教育大学紀要(教育科学編)第63巻 第2号
JournalofHokkaidoUniversityofEducation(Education)Vol.63,No.2
平成25年2月
February,2013
高校生の体型認識とダイエットについて
芝木美沙子・橋本 里和
北海道教育大学旭川枚 家庭看護学研究室
AnAwarenessofTheirBodyandDietingofHighSchooIStudents
SHIBAKIMisako andHASHIMOTOSatowa
DepartmentofHomeNursing,AsahikawaCampus,HokkaidoUniversityofEducation
要 旨
標準体型であるにもかかわらず「自分は太っている」と認識する若者が多く,特に女性でその傾向が強く
問題となっている。そこで,自分の体型認識とダイエットについて,高校生275名を対象に調査を行った。
現在のBMIは,男子21.6に対し,女子20.2と女子が低く,理想とするBMIは女子では18.3と痩せを理想
としていた。また,体型認識との関係をみると,女子は標準の22未満であるにもかかわらず,『太っている方』
とした者が53.8%と多く,自分の体型を正しく認識できていなかった。
ダイエットの経験がある者は33.1%であり,男子14.3%に対し,女子60.2%と女子の方が多かった。ダイ
エットをしたい・やせたいと思った理由は,「太っていると言われたから・感じたから」が49.5%と多く,
誰かに言われたりすることがダイエットのきっかけになっていた。また,実施したダイエットは,「食事に
よるダイエット」90.1%,「運動によるダイエット」79.1%と多かった。
Ⅰ.はじめに
で明らかになっており3 ̄6),女性の痩せの問題
は深刻である。
「健康日本21」1)では,20歳代の女性の痩せの
不必要なダイエットや誤ったダイエット方法
割合を,1997年の23.3%から2010年には15%以下
は,摂食障害を引き起こすこともあり,青少年期
にすることを目標にしていた。しかし,2010年に
の身体の本来の成長を妨げることにもなる。特に
実施された国民健康・栄養調査2)によると,20歳
女性の月経や骨密度に与える危険性についての指
代女性の痩せの割合は29.0%と増加しており,目
摘もあり7)8),青少年期のダイエットは慎重でな
標は達成できなかった。その原因として,種々の
ければならない。また,痩身願望の強さは,「カ
ことが考えられるが,痩せを賞賛する社会的風潮
ロリー計算」や「運動」といった健康的なダイエッ
もあると思われる。また,標準体型であるにもか
ト行動には結びつかず,むしろ「絶食」や「痩せ
かわらず,「自分は太っている」と認識する若者
る薬」など健康を害する恐れのある手法を促すこ
が多く,特に女性で顕著であることが種々の調査
とも指摘されている9)。
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