自動車におけるCFRP技術の現状と展望

第2回次世代自動車公開シンポジウム
「超軽量化技術の深化をめざして」
自動車におけるCFRP技術の
現状と展望
トヨタ自動車株式会社
有機材料技術部
影山裕史
1
1.自動車と環境
1)自動車を取り巻く環境
2)取り組み(CO2対策)
3)これからの取り組み
2.自動車とCFRP(現状)
1)CFRP化の動向 (世の中)
2)CFRP化の現状(トヨタ)
3.自動車とCFRP(展望)
CFRP化の課題と展望
2
1.自動車と環境
1)自動車を取り巻く環境
3
2)取り組み(CO2対策)
①車両でのCO2対策
4
プラグインハイブリッド
電池を外部電力で充電し、
モーターによるEV走行距離を拡大
ガソリンスタンド
家庭用電源
エネルギー
エンジン
モータ
バッテリ
燃料タンク
5
②樹脂化によるCO2対策
‘68
(1020kg)
46.9
14.3
13.8
75
‘78
(1144kg)
6
44.1
20.2
(1300kg)
(1313kg)
42.5
20.8
35.9
(1371kg)
36.6
7.2
23.7
(鋼板)
鉄
5.6 2.4 3.4
10.4
10.4
23.9
7.1
3.9
2.6
5.4
10.2
69.8
‘00
5
7.8
73.7
‘96
3 7.4
11.4
75.7
‘88
3.6 5
(鋼材) (鋳鉄)
8.2
ゴム
4.1
2.9
3.6
非鉄 樹脂
10.6
68.7
9.2
ガラス
9
5.1
2.6 4.1
その他
6
樹脂:燃料タンク
工程内リサイクル材
外側
内側
ポリエチレン
EVOH(バリア材)
変性ポリエチレン(接着剤)
樹脂燃料タンクの構造
27% 軽量化
設計自由度 大(タンク容量増加、部品点数削減)
耐腐食性 向上
環境負荷物質 低減(鉛フリー)
7
樹脂:インマニ
25% 軽量化
エンジン性能向上
- 吸入空気の温度上昇抑制
- 管内壁面の粗さ低減
TOYOTA Mark II
8
③バイオプラスチックでのCO2対策
9
3)これからの取り組み(耐環境)
①車両
究極のエコカー
Gate 3
ハイブリッド設計
CO2削減
プラグイン HV
Gate 2
エネルギー
多様化
Gate 1
大気汚染防止
バイオ燃料
GTL
CNG
代替燃料
エンジン
適
THS FCHV
バルブマチック
D-4
EV
リーンバーン
VVT
ディーゼルHV
時
DPNR
コモンレール
ディーゼル
エンジン
適
ガソリン
エンジン
地
電気
エネルギー
適
車
10
②,③樹脂、バイオプラスチック
樹脂の特徴を活かしたハイブリッド設計
性状
透明
成形性
高流動
柔軟
×
×
形態
液体
固体
機能
カバー
骨格
繊維
意匠
接着
×
フィルム
粉体
シール
塗装(レス)
透明×複雑・大型×繊維・フィルム×骨格・意匠・塗装レス
11
1.自動車と環境
1)自動車を取り巻く環境
2)取り組み(CO2対策)
3)これからの取り組み
2.自動車とCFRP(現状)
1)CFRP化の動向 (世の中)
2)CFRP化の現状(トヨタ)
3.自動車とCFRP(展望)
CFRP化の課題と展望
12
2.自動車とCFRP
1)CFRPの動向(世の中)
CFRPの特徴(軽い、強い、固い、寸法精度、導電・・・)
自動車の構造材(プロペラシャフト、モノコック・・)
や機能材(水素タンク、燃料電池の電極・・)
としての研究が欧州を中心に盛ん。
13
自動車とCFRP
(FW:Filament Winding)
CFRP:FW成形によるプロペラシャフト
¾ 50% 軽量化(対3ジョイント、スチール製)
- 長尺シャフトの採用による部品点数の低減
- チューブ材料置換
¾ 振動・騒音の低減
- センタサポート廃止(センタサポート入力ゼロ)
→ こもり音、エンジンノイズの大幅低減
- ジョイント間距離拡大
→ 発進時のねじれ抑制によりボデー振動低減
課題:リサイクル性、小径化、耐熱性能、コスト等
14
(FW:Filament Winding)
CFRP:FW成形による高圧水素タンク
パワーコントロールユニット
FC スタック
モータ
2次電池
CFRP高圧水素タンク
15
(AC:Auto Clave)
CFRP:AC成形によるモノコック
F1:CFRP製モノコックの登場以来、死亡事故は激減。
Porsche Carrera GT
Bugatti Veyron
Super Sports:限定生産の超高級スポーツ車向けに展開例多数
16
近々の動向
z CO2低減に向けたエコカー拡大
HV成長、EV(航続距離約100km)市販化
z CFを使った軽量自動車部品の展開拡大
z 欧州車メーカーとCFメーカーの提携
z LFA:CFRPボデー100kg(アルミ比)軽量化
z 車つくりの簡素化(新興国、車の家電化?)
自動車用途のCFRP(炭素繊維強化樹脂)に脚光
17
Audi A2 concept
BMW i3 concept
News - Audi
Audi attacks BMW’s carbon-fibre eco car
Audiが、BMWのフルカーボン
Energy generated to make carbon-fibre BMW
i3 would outweigh any benefit, says Audi
キャビンとりくみを批判。
製造段階でC02排出する、リサ
16 September 2011
イクルできないため
By JAMES STANFORD in FRANKFURT
Audiは、アルミと一緒に複合材
AUDI has criticised BMW’s plan to use carbon fibre re-enforced plastic (CFRP) bodies for future
を使用の方針。植物ベース、バ
city cars, alleging the CO2 emitted during the production of the material far outweighs any fuel
ルサなど。
economy benefit.
15年のA2はそういう考え、など
GoAuto can also reveal Audi is trying to develop less energy-intensive material to replace carbon
fibre, with a similar concept but replacing carbon-fibre with basalt-fibre or even waste plantbased fibres.
18
2)CFRPの動向(トヨタ)
チャレンジ
・リサイクル対応
・ALの台頭
沈滞期
再チャレンジ?
★プロペラシャフト
★研究
(国家プロジェクト参画)
★水素タンク
★LFA
F1参戦
モータースポーツ
1990
2000
2010
19
トヨタFCHV(燃料電池ハイブリッド車)
<主要構成部品>
パワーコントロールユニット
バッテリー
FCスタック
高圧水素タンク
モーター
<ハイブリッドシステム>
【プリウス】
【FCHV】
エンジン
バッテリー
FCスタック
燃料電池
パワー
コントロール
ユニット
モーター
バッテリー
パワー
コントロール
ユニット
モーター
20
‘05
6
1
4
必要水素搭載量(kg/車両)
35MPaタンク
認証取得
‘08
70MPaタンク
認証取得
車輌型式認証取得
(35MPaタンク)
700km
5.0
500km
4.0
3.0
300km
航
距
離
70
続
35
6
FCHV-adv
車輌型式認証取得
(70MPaタンク)
タンク圧力(MPa)
‘04
高圧タンクの搭載状況
第2世代 第3世代
第1世代
水素搭載量・タンク圧力と航続距離
航続距離を伸ばすために高圧化を推進
21
CAEによる強度解析モデル
Carbon fiber
F
カーボン繊維
軸方向
θ°
Ey
(軸方向)
周方向
Ez(周方向)
Tensile strength(MPa)
0°材
3000
2500●
F
F
θ°
45°材
90°材
(CFRP,Vf=60,RT)
2000
1500
1000
500
0
●
0
●
10 20 30 40 50 60 70 80 90
Fiber angle(°)
(JAXA先進複合材料力学特性データベースより)
22
高圧タンクの製造方法
カーボン繊維
軸方向強度を確保
軸方向
フープ層
ヘリカル巻き
周方向強度を確保
θ°
ヘリカル層
ドーム部
胴部
ドーム部
周方向
フープ巻き
ヘリカル,フープ層の巻き角度,巻き厚さが
繊維構成最適化のポイント
23
2)CFRPの動向(トヨタ)
チャレンジ
・リサイクル対応
・ALの台頭
沈滞期
再チャレンジ?
★プロペラシャフト
★研究
(国家プロジェクト参画)
★水素タンク
★LFA
F1参戦
モータースポーツ
1990
2000
2010
24
[財]日本規格協会
次世代複合材料技術ハンドブック, 90より
25
26
27
2)CFRPの動向(トヨタ)
チャレンジ
・リサイクル対応
・ALの台頭
沈滞期
再チャレンジ?
★プロペラシャフト
★研究
(国家プロジェクト参画)
★水素タンク
★LFA
F1参戦
モータースポーツ
1990
2000
2010
28
LF-A
29
2009年5月29日
LF-Aの開発を続ける意味・・・?
今日は、もう少しだけ、LF-Aへの思いをお伝えしたいと思います。
100年に1度と言われる経済危機の中、なぜLF-Aの開発を続けるのか?
採算のよくないスポーツカーを切り捨てようとはしないのか?
こういう風に思っている人は、決して少なくはありません。
でも、こういう時代だからこそ、販売台数や利益を追求するだけでは、
自動車会社はダメだと思います。
ヘンリー・フォードの手によって、T型フォードが誕生したのは、1908年。
その当時、いちばんのライバルは、他社のクルマではなく、なんと「馬」でした。
アメリカ中に、1,500万頭の馬が「馬車」として、移動手段の中心を成していたのです。
そして、T型フォードは、基本的なモデルチェンジをすることなく、
1927年までの20年間で、1,500万台を販売しました。
計算上は、アメリカ中の馬車が20年かけて、すべてクルマに置き換わっていったのです。
それから100年が経った今、
次の100年も、クルマが必要とされる乗り物であってほしいと思いますし、
そうさせなければならないと思います。
もちろん、環境も大切、安全も大切、コストも大切です。
でも、それだけでクルマの魅力を、これからも維持発展できるでしょうか?
A地点からB地点まで移動するのに、クルマが他の移動手段と違うのは・・・?
それは、ドライバーの意思で走ったり、曲がったり、スピードを上げたり落としたり、
寄り道したり、休んだり・・・と、自由に気持ちよく、クルマを味わえることだと思います。
当然、そこには、ワクワク感も必要です。
クルマは、単なる移動手段ではないのです!
どんなクルマだって、そのキャラクターに合ったワクワク感を大切にしたクルマづくりが
必要なのです。
「クルマへのワクワク感・・・」、LF-Aは、ひとつの象徴です・・・。
30
LFA
1.車両コンセプト
2.材料技術
3.設計技術
4.生産技術
5.性能
31
レクサスが定義するスーパーカー
- 世界最高水準の走行性能と官能性能への到達
走行性能
官能性能
32
軽量化コンセプト
- 将来の量産化を視野に入れた軽量化技術の開発
z シリンダボアのアーク溶射
z チタンコネクティングロッド
z チタンバルブ
z PC樹脂ガラスクォータウインドウ
z PC樹脂ガラスパーティション
z CCM* ブレーキ
*Carbon Ceramic Material
z CFRPキャビン
z CFRPルーフ及びフード
z SMCパネル
z SMC/アルミハイブリッドドア
33
LFA
1.車両コンセプト
2.材料技術
3.設計技術
4.生産技術
5.性能
34
複合材技術
- さまざまな材料と工法を開発
3種類のCFRP
三次元
ブレーディング
: プリプレグ
: RTM
: C-SMC*1
C-SMC
成形硬質PUフォーム
CFRP
閉じ断面構造
熱可塑性エポキシ
プリプレグ
新RTM工法
三次元織り
NCF*2
プリプレグ
*1(Carbon fibre - Sheet Moulding Compound)
*2(Non-Crimp Fabric)
35
3種類のCFRP
l - 性能と生産性のバランス
(エポキシ)
RTM
(エポキシ)
C-SMC
(ビニルエステル)
比強度
比剛性
100% 100%
78%
36%
89%
54%
繊維長
連続
プリプレグ
性能
成形法
(基材)
プリプレグ
RTM
連続
C-SMC
25mm
生産性
比強度と比剛性
性能と生産性
36
プリプレグ
- 一次骨格に採用
: プリプレグ
z 優れた性能
z 型投資額が安い
フィルム
加圧
Mould
プリプレグ
37
NCF プリプレグ
(NCF:non-crimp fabric)
- カーボン繊維束のストレート化により高強度化
- 良好な脱気性と樹脂粘性の調整が高面密度を実現
ボイド
従来材
脱気性
悪い
織物CF
LFA
脱気性
良い
隙間
面密度
60 ~ 230g/m2
樹脂
樹脂
NCF
(2軸)
繊維束
3K ~ 12K
繊維束
24K
面密度
450g/m2
38
Measurement of voids occurring during
low pressure molding
− The improvement of epoxy resin −
De-aeration
temperature
Cross-section of
molded pieces
20℃
30℃
60℃
Type of void
Influence on
Physical properties
Void
in epoxy
resin
Small
Void
in tow
Small
Unimpregnation
in tow
Large
The higher the stack temperature is the worse influence for mechanical properties.
39
Measurement of voids occurring during
low pressure molding
− Aim of resin improvement −
Viscosity
90 ℃
20 ℃
Stack Penetration
time
Temperature
130 ℃
Curing
1) The viscosity must be increased to prevent blockage of the air passages at room temperature.
2)The viscosity in penetration must be decreased to allow the resin into the fibers.
→To resolve this contradiction, a multi-functional powder epoxy was integrated into the
conventional resin.
40
Measurement of voids occurring during
low pressure molding
− Results;Relation between stack temperature and occurrence of void
Void ratio (%)
8
Void
6
4
2
●
Target
0
0
10
●
●:Development
:Conventional
20
30
40
50
Stack Temperature (℃)
60
70
1) Conventional material achieved a void rate below 2% under a vacuum at a maximum temperat
of 10ºC.
2) In contrast, developed material had a maximum void rate of 2% at 20ºC.
41
RTM
: RTM
- 二次骨格に採用
zプリプレグに次ぐ性能
zプリプレグに勝る生産性
エポキシ樹脂
Mould
加熱
加圧
生繊維基材
42
C-SMC
- - 複雑形状パネルに採用
: C-SMC
z 最も良い生産性
z 複雑形状パネルも成形可能
SMC
Mould
加熱
加圧
43
C-SMC
- 構造部材に使えるC-SMCを開発
z 樹脂 : カーボン繊維に適したビニルエステル樹脂を開発
z カーボン繊維表面処理 : ビニルエステルに最適なサイジング材を開発
z 複合構造 : カーボン繊維は均一に分散し、方向はランダム
44
外板パネル
z - 低重心化をねらい、水平外板には軽量なCFRPを採用
- - 意匠自由度向上のため垂直外板には低密度SMCを採用
: RTM
: G-SMC*
(微細中空ガラス球入り)
*(Glass fibre - Sheet Moulding Compound)
45
外板パネル
- 微細中空ガラス球入り樹脂による軽量化
微細中空ガラス球
バインダー
ガラス繊維
φ40μm
1.75
比重(g/cm3)
16%
LFA
G-SMC
ガラス繊維
1.45
G-SMC
+ 微細中空ガラス球
比重比較
46
LFA
1.車両コンセプト
2.材料技術
3.設計技術
4.生産技術
5.性能
47
接合技術 – 接着
• - 3種類の接着法を開発
接着法
1. 接着剤
2. フィルム接着
3. シート状接着材
(ガラスビーズ入り)
適用
硬化部品
同士の接着
特徴
z組み立て工程で使用
z2液混合式
z隙:設計指示通り
未硬化及び硬化
CFRPの接着
z成形工程で使用
z隙:ほぼゼロで安定
(フィルム厚 0.2mm)
アルミインサートと未
硬化CFRPとの接着
z成形工程で使用
z線膨張係数差を吸収
z隙:ガラスビーズで確保
48
接合技術 – 接着 インサート構造
- 表面処理(電着塗装)
- 線膨張差吸収用シート状接着剤
- ガラスビーズによる接着剤厚み確保
シート状接着剤
CFRP メンバ
ガラスビーズ
締結インサート
(アルミ)
サスペンションメンバ
ボルト
CFRP
1.0mm
インサート材
サスペンションメンバ締結構造
49
フロントクラッシュレール
- - 三次元織りによる効果的なエネルギー吸収
A-A
二次元繊維
ダッシュパネル
サイドメンバ
三次元織り
A
A
クラッシュレール
(2.36kg*:ブラケット含む)
- *アルミ部品に比べ40%の軽量化
三次元織り繊維
50
側突の衝撃吸収
• - サイドメンバ内のCFRP製衝撃吸収コルゲート
51
LFA
1.車両コンセプト
2.材料技術
3.設計技術
4.生産技術
5.性能
52
CFRPボディ生産技術開発のポイント
- - 1. 部品製造のための新技術
• - 2. 接着の品質管理
部品製造
接着
締結
53
CFRP部品のための新生産技術
• - 以下の技術で生産性を改善:
z 大型フロアの一体成形
z 三次元織り技術
z 短時間成形
三次元織り技術
一体成形
フロアパネル
クラッシュレール
ルーフレール
短時間成形
アッパボディ
織機技術と自動車技術の融合
54
一体成型
- - 発泡コア、コルゲートインサートとともにプリフォーム
- - 新RTM成形法にて大型フロアの一体化
プリフォーム
生繊維基材
発泡コア
コルゲートインサート
一体成形
新RTM成形法
10部品をプリフォーム
55
三次元織り技術 (例1)
- 三次元自動ブレーディングによるルーフサイドレールの
プリフォーム製造技術を開発
z複雑な三次元形状 , ニアネットシェイプ , 一部品プリフォーム
複雑な三次元形状
三次元自動ブレーディング
ルーフサイドレール
湾曲
断面変化
板厚変化
56
LFA
1.車両コンセプト
2.材料技術
3.設計技術
4.生産技術
5.性能
57
剛性
- 軽量でありながら高いボディ剛性
静的ねじり剛性 (×103Nm/deg)
39,000Nm/deg
40
◆
LFA
スーパーカー
◆
30
◆
◆
●
20
●
10
●
●
●
●
●
●
●
●
●
乗用車
0
25
30
35
40
45
車両サイズ (kNm : 車両重量 × ホイールベース長)
ねじり剛性比較
58
1.自動車と環境
1)自動車を取り巻く環境
2)取り組み(CO2対策)
3)これからの取り組み
2.自動車とCFRP(現状)
1)CFRP化の動向 (世の中)
2)CFRP化の現状(トヨタ)
3.自動車とCFRP(展望)
CFRP化の課題と展望
59
産業用途におけるCF使用量増加
東レ㈱資料から
60
自動車構成材料の世界生産量
粗鋼
‘68
(1020kg)
46.9
14.3
13.8
生産量(億トン)
75
10
‘78
(1144kg)
6
44.1
20.2
20.8
(1313kg)
35.9
7.2
23.7
(1371kg)
36.6
(鋼板)
鋼板)
鉄
10.4
23.9
(鋼材)
鋳鉄)
鋼材) (鋳鉄)
8.2
9.2
10.6
ゴム
1800
蒸気自動車
3.9
2.6
5.4
ガラス
1900
ガソリン車
4.1
2.9 3.6
非鉄 樹脂
68.7
0
7.1
10.2
69.8
‘00
5.6 2.4 3.4
10.4
73.7
‘96
5
7.8
42.5
(1300kg)
3 7.4
11.4
75.7
‘88
3.6 5
9
5.1
2.6 4.1
その他
カロザース 炭素繊維
樹脂
アルミ
2000 炭素繊維
(ナイロン66)
ダイムラー
フォード
61
将来の自動車を取り巻く環境
不安材料
前向きな考え方
地球環境問題(課題のLCA)
CFRPはクリーン(売れるLCA)
高齢化(年金問題)
工場、補助ロボットのCFRP化で
会社も個人も生産能力アップ
いつまでも働ける環境づくり
少子化(労働力の低下)
中国、インド、韓国・・の台頭
超情報化社会⇒間違った情報
⇒巨大な共有感覚グループ
(クチコミ、ランキング・・・)
本家本元のモノづくりに欠かせ
ない手軽に造れるCFRP
カテゴリーに合わせたCFRP
(オールマイティは狙わない)
62
カテゴリーに合わせたCFRP
走り
LFA
ISF
レクサス
いろいろな感動
ステータス
CFRP意匠外板
大量生産
(CFRPならではの意匠)
A.
燃費
ハイブリッド
CFRP軽量骨格
(CFRPならではの構造)
B.
手頃
10/月
100/月
現状能力
大量生産 コミューター?
?
ヴィッツ
1000/月
10000/月
生産量
63
A. CFRP意匠外板の展望
(CFRPならではの意匠を大量生産)
凹み(クロス目)
h
繊維束(横糸)
繊維束(縦糸)
従来樹脂 耐熱樹脂
h従来樹脂
h耐熱樹脂
比容積、凹み(h)
樹脂
常温
温度
塗装温度
従来樹脂Tg 耐熱樹脂Tg
64
(CFRPならではの意匠を大量生産)
<従来樹脂・工法>
スタティックミキサー
エポキシ樹脂
主剤
①高生産CFRP工法
硬化剤
上型
従来工法(RTM) 新工法(HP-RTM)
注入時間
装置4S時間
樹脂歩留
下型
>10分
(混 合樹脂排除)
△
<1分
0
○
準備時間が短縮、樹脂使用量が低減
成形時間;>120分
RTM工法
<新樹脂・新工法>
ⅰ衝突混合注入ヘッド
ⅱ、ⅲ低粘度速硬化
エポキシ樹脂
主剤
硬化剤
上型
②高生産CFRP樹脂
従来樹脂
粘度
硬化時間
下型
成形時間;<5分
HP-RTM工法
低
>90分
新樹脂
極低
<3分
型内占有時間が大幅に短縮
65
カテゴリーに合わせたCFRP
走り
LFA
ISF
レクサス
いろいろな感動
ステータス
CFRP意匠外板
大量生産
(CFRPならではの意匠)
A.
燃費
ハイブリッド
CFRP軽量骨格
(CFRPならではの構造)
B.
手頃
10/月
100/月
現状能力
大量生産 コミューター?
?
ヴィッツ
1000/月
10000/月
生産量
66
B. CFRP軽量骨格の展望
(CFRPならではの構造を大量生産)
1)性能
2)量産性
3)コスト
4)LCA
5)リサイクル
6)信頼性
67
LFA工法と要求特性
芸術品
LFA工法
基材
繊維の長さ
(成形法)
量産性
プリプレグ
(RFI, バキュー
ムバック等)
コスト
連続
(樹脂含浸
極大
成形方式
繊維
流さない
メリット
樹脂
流さない
バキュームバック成形 設計通り
真空引
加熱
フィルム
基材
CFRP
リサイクル
連続
?
の積層が
可能
A.
樹脂注入成形
LCA
B.
型
中間素材)
RTM
課題
流さない
流す
(生繊維基材)
樹脂
加熱
型
生繊維基材
条件さえ
守れば
極めて
ボイドが
少ない
製品が可能
C.
?
性能
信頼性
CF-SMC
25mm
流す
流す
(樹脂含浸
参考
工業品
<1mm
B対応工法
加圧
加熱
中間素材)
射出成形
加熱プレス成形
型
CF-SMC
流す
流す
?
形状
自由度大
量産性に
富む
?
ウエルド等
ウエルド
高
68
性能 を落とさずに、
量産性、コスト、LCA、リサイクル、信頼性を上げる。
成形サイクル
腑形性
衝突、 生産性、 新規性
UD
BI
熱可塑
エポキシ ウレタン・エステル
CF
AF
クロス
熱硬化
VE
PP
PC
PEEK 型内重合熱可塑樹脂
FW
プリプレグ
GF
CF
プリプレグ
プリプレグ
RTM
AF
CF/AF
プリプレグ
RTM
プリプレグ
GF
短繊維
CF
AF
LFA
SMC
不織布 解繊糸
スワールCF
GF
紙すき
CF/AF コミングル
熱可塑 RTM
熱可塑CFRPを調べる意味は大きいか
部分的に導入
繊維基材
樹脂
衝突、 リサイクル、コスト、 新規性
キャビン
熱可塑・易腑形
CF/AF強化RTM
→プレス成形
69
世の中の研究開発動向
国内
NEDO x 経産省繊維課
「サステナブルハイパーコンポジット技術の開発」
(東大×東レ×三レ、トヨタ×日産×ホンダ)
欧州
KITEhyLITE
「ハイブリッド軽構造技術」
(Fraunhofer×各大学×SGL、Audi×BMW)
熱可塑樹脂、長繊維複合技術への期待大
70
CFRP軽量骨格材料開発の今後
熱可塑CFRPの特徴を理解しながら、
1)強みを活かし、
2)弱み(懸案)を克服し、
新しい創造を日本から発信
今日は、LFA技術開発時の観点から
今日は、LFA技術開発時の観点から
熱可塑CFRP開発の着目点を診てみたい。
熱可塑CFRP開発の着目点を診てみたい。
71
性能 を落とさずに、
量産性、コスト、LCA、リサイクル、信頼性を上げる。
LFA 量産性 ⇒ CF-SMC方式採用(プレス方式)
加圧
熱硬化性樹脂に1インチ長カーボ
加熱
型
ン繊維をランダム配向させたシート
柔軟性がある(@RT)
低粘度(@型温度)
CSMC
C-SMC
熱可塑は?
プレヒート
加圧
加熱
熱可塑長繊維シート
型
シート
柔軟性がない(@RT)
シート間の
高粘度(@プレヒート温度)
樹脂(高分子)、繊維の絡み合いは? ウエルド
72
性能 を落とさずに、
量産性、コスト、LCA、リサイクル、信頼性を上げる。
石油価格動向に
よるところ大
追求の余地大
∝熱エネルギーコスト
∝織機コスト
∝複合処理コスト
樹脂コスト
太い繊維束を使う
LFA
織物にしない
1995
①多軸にする⇒多軸RTM
②短くカットする⇒CF-SMC
?
2004
2000
③繊維を巻き取る⇒FW
∝石油・ナフサ価格
価格(円/kg)
熱可塑も
同様
石油
PAN
PAN繊維
アクリ
耐炎化繊
ロニト
維
ナフサ
リル
(PPベース (化学重合)(DMA溶 (空気燃焼酸
化学合成)
媒溶液紡 化
糸)
200∼300℃)
原料
中間体繊
維
3K
12K
炭素繊維
24K
(不活性炭化
(不活性黒鉛化
1000∼1500℃)
2000∼3000℃)
炭素繊維(CF)
3K平織
12K
24K
CF織布
(織機)
CF基材
3K平織 12K 24K多軸
24K
CF多軸
プリ プレグ
CFRP中間基材
73
LFA 織物にしない
①多軸にする⇒多軸RTM
プリプレグ基材
多軸プリプレグ基材
繊維束(横糸)
未硬化樹脂
②短くカットする⇒CF-SMC(C-SMC)
サイドメンバー
CFチョップドストランド
(25mm長炭素繊維束、ランダム配向)
繊維体積含有率Vf:40%
(高強度SMCの1.25倍)
③繊維を巻き取る⇒FW、 編組
バックドアサラウンドASSY
ブレーディング装置
ルーフサイドレール
熱可塑も同様
74
性能 を落とさずに、
量産性、コスト、LCA、リサイクル、信頼性を上げる。
(例)労務費削減⇒高効率ハイブリッド構造設計
LFA C-SMC
熱可塑も同様
・等方化し易い長繊維CFRPを基本。他材で補助
・樹脂(板)を長繊維CFRP、連続繊維CFRPで補強
面
鋼材
アルミ
長繊維CFRP
樹脂(板)
×
骨格
鋼材
アルミ
連続繊維CFRP
長繊維CFRP
75
C-SMC(長繊維CFRP) + 連続繊維CFRP
LFA
連続繊維CFRP
C-SMC(長繊維CFRP)
熱可塑では
どうか?
76
性能 を落とさずに、
量産性、コスト、LCA、リサイクル、信頼性を上げる。
(例)多機能化⇒高効率ハイブリッド機能材料
・CFRP樹脂=母材+(塗装材+接着剤)
⇒ 工程(塗装、溶接・締結)削減はできないか?
塗装の一体成形 ⇒ クリア樹脂インモールド、
フィルムインモールド、
粉体塗装 ・・・
LFA RTM
⇒ 塗装面の大幅削減
大型一体成形
⇒ 接合部位の大幅削減
熱可塑は?
77
LFA
LFA RTM大型一体フロア
モジュール化してできるだけ一体成形
他部品と一体接着+機械締結
熱可塑は?
(1)流動粘度が高く、大型設備が必要。(大型プレス等)
(2)接着が不得意。 溶着は得意。(インマニの振動溶着)
⇒大型溶着の技術がない。
(1)低圧成形が可能な専用材料・工法の採用?
⇒欧州LFT-D工法、型内重合工法(ナイロンRIM等)
(2)板物+接合多用工法の採用、大型溶着技術の開発?
78
性能 を落とさずに、
量産性、コスト、LCA、リサイクル、信頼性を上げる。
LFA
2010
ベース材
(570L)
CO2収支kg/10万km
熱可塑化で製造エネルギー低減
①CF原単位精査
20XX 20XY
CFRP
②熱可塑
プレス化
BFRP?
③歩留まり向上
⑦現場複合
?
0
バイオCF
+
バイオ樹脂
④リサイクル
⑤カーボンニュートラル
(材料、エネルギー)
⑥更なる軽量化
(高効率設計等)
LFT-D
鋼
材
ア
ル
ミ
ア
ル
ミ
再
生
R C
T S
MM
C
連
続C
繊Fプ
維Rレ
T
ス
P
長
繊C
維Fプ
Rレ
Tス
P
廃棄
部品加工
素材輸送
素材製造
走行時
ベースのアルミの
CO2収支が0になる
よう設定
CO2収支
79
性能 を落とさずに、
量産性、コスト、LCA、リサイクル、信頼性を上げる。
工程内端材
溶解分離利用
不織布
廃棄
熱分離利用
ミルド繊維利用
燃焼エネルギー利用
*CFRPの回収・分離をうまくできるか?
80
FRP部材のリサイクル (他産業の現状)
2005
2010
模索段階
航空機(CFRP)
航空機(CFRP)
エアバス社(欧州)
CFRP機体開発
船舶(GFRP)
船舶(GFRP)
FRP船不法廃棄問題
ボーイング社(米国)
A380
787
<考え方>
<考え方>
他産業(自動車含) 航空機用途に再生
用途に再生
2005; FRP船のリサイクル事業開始
(日本舟艇工業会主導、トヨタ含)
能力;4000トン/年
実績;800トン/2008年)
廃棄船
マリン事業部船舶は、粉砕後、
マリン事業部船舶は、粉砕後、
セメントの原料や燃料へ!
セメントの原料や燃料へ!
(マテリアル・サーマルリサイクル可)
(マテリアル・サーマルリサイクル可)
粗粉砕(1m)
自治体管理者
セメント
原料
燃料
粉砕(3cm)
委託処理業者(豊田メタル等)
81
CFRPのリサイクル方式
熱硬化CFRP
分離手段
熱
分
解
分離法
大牟田
熱可塑系は?
対象樹脂
回収物
熱分解毒性
の無い樹脂
全て
CO2
CF繊維
◎
(ミルド)
コスト
×
○
(欧州多)
CFR
溶
解
分
解
部
分
酸
化
△
樹脂を選ぶ
(常圧)
三菱重工
熱分解毒性
の無い樹脂
ほぼ全て
CO2=−化
○
○
(長繊維)
△ 原料モノマ ○
CF繊維
○
(長繊維)
?
樹脂選択性?
?
樹脂選択性?
○
?
メタノールの
用途開発
日立化成 エステル系他
触媒
CO2=±0化
?
(不織布)
(常温、常圧)
?
課題?
原料モノマ
CF繊維
メタノール
CF繊維
△
○
?
82
工程内端材
プリプレグ
生基材
硬化物
廃棄部品
溶液分解・液再利用
熱可塑樹脂の燃焼性?
熱可塑樹脂の溶解性?
繊維基材 ⇒ カット ⇒ 成形 ⇒ 市販 ⇒ 修理 ⇒ 廃棄 ⇒ 回収 ⇒ 粉砕
↓
↓
↓
→長繊維→サイズ処理→他部品
廃棄シュレッダー
硬化物(小片)
廃棄車両
硬化物(他材含)
溶液分解・液再利用
→長繊維→サイズ処理→他部品
熱可塑樹脂の破砕性?
熱可塑CFRPのリサイクル課題
熱可塑樹脂種に合わせたサイジング剤処理?
熱分解・熱回収
→ミルド繊維→サイズ処理→他部品
熱分解・熱回収
→ミルド繊維→サイズ処理→他部品
83
性能 を落とさずに、
量産性、コスト、LCA、リサイクル、信頼性を上げる。
1)接合(CFと樹脂の接着)
LFA
サイジング剤処理
熱可塑化; CFメーカーを中心にサイジング剤の開発が盛ん
84
2)接合(異種材との接合)
LFA
ALインサートとCFRP間に熱膨張差を吸収
できる層を配置 CFRP メンバ
シート状接着剤
ガラスビーズ
締結インサート
(アルミ)
サスペンションメンバ
ボルト
CFRP
1.0mm
インサート材
サスペンションメンバ締結構造
熱可塑; 同様な機構、材料が必要?
85
3)クリープ特性
熱可塑樹脂にも時間-温度換算則が成り立つと仮定し、
樹脂のみを比較すると、
LFA;熱硬化(EPOXY)
2.01E+09
E'(Pa)
E
E'-T(82℃)
PP
PA6
EPOXY
1.51E+09
1.01E+09
5.10E+08
1.00E+07
1.E-18 1.E-14 1.E-10 1.E-06 1.E-02 1.E+02 1.E+06 1.E+10 1.E+14 1.E+18 1.E+22 1.E+26
log t (hr)
log T(hr)
熱可塑化;繊維複合による効果を最大限引き出す(結晶制御等)
クリープ特性を考慮した設計が必要か?
86
熱可塑CFRPの強み
LFA
熱可塑
側突用EA部品
LFAで唯一
熱可塑CFRP
を採用
熱可塑エポキシ
load
熱可塑 EP
熱硬化 EP
衝撃吸収能
stroke
落錘試験結果
87
産官学民の力を合わせて、
企画(創造)∼規格(継続)
ご清聴、ありがとうございます!
88