骨粗しょう症と歯科治療

骨粗しょう症と歯科治療
自分の家族を診るように
医療法人 社団 光医会
たかなし歯科
横浜市旭区鶴ヶ峰本町2-45-9
TEL953-8100
http://www.kouikai.or.jp
我国における骨粗しょう症患者は、推定約1000万人と言われており、高齢者の増加に伴い今後も増加すると予想されます。特に、閉経後の女性に多く見
られます。
骨粗しょう症は、鬆(す)が入ったように骨の中がスカスカの状態になり、骨がもろくなる病気です。骨がスカスカになると、わずかな衝撃でも骨折をしやすく
なります。
骨粗しょう症は、がんや脳卒中、心筋梗塞のようにそれ自体が生命をおびやかす病気ではありませんが、骨粗しょう症による骨折から、要介護状態になる
人は少なくありません。主に閉経や加齢が原因となる原発性とその他の要因による続発性があります。
■原発性骨粗しょう症 骨の再生バランスが崩れ骨の吸収が骨を作るのを上回る 。原因は閉経と加齢 70歳以降に明らかになってくる 。
■続発性骨粗しょう症 他の病気に伴って発症する骨粗しょう症を続発性骨粗しょう症といいます。 元の病気が治療されれば骨粗しょう症は改善される
が、骨再生バランスの正常化が期待できない場合が多い。ステロイド性骨粗しょう症が多い。
■骨粗しょう症の薬の中に顎の骨を壊死(腐らせる)する副作用がおきることがある。
■運動による治療
■食事による予防
骨量は運動刺激により増加する。しかし、 日本人はカルシウム不足
負荷がないと骨量は減少し、骨が弱くな 牛乳・乳製品・豆類・野菜・魚介海草
る。
カルシウムの吸収を助けるもの
思春期 バスケット・テニスなど
ビタミンD きくらげ 鮭 干しシイタケ
中高年 ウォーキング・ストレッチなど
ビタミンK 納豆 ブロッコリー
マグネシウム 海藻 ナッツ 豆類
参考:病気が見える3 医療情報科学研究所
■薬物治療薬
骨吸収の抑制作用薬
骨質改善作用薬
ビスホスホネート 骨に選択的に取 活性化ビタミンD 小腸からのカルシウ
りこまれ、強い骨吸収抑制作用を示 ム吸収を増加させる。
す
ビタミンK 骨基質蛋白の活性化を促
SERM(サーム) 骨吸収を抑制する 進し、骨の石灰化を促進
カルシトニン 細胞に直接作用し骨
の吸収を抑制する。痛みも抑える
■薬物治療
■ビスホスホネート製剤と顎骨壊死 (がっこつえし)
閉経後の女性・50歳以上の男性が対象
骨折・骨量がYAMが70%以下、YAMが7
0~80%以下でアルコールの多飲・喫
煙・大腿骨頸部骨折家族暦などがあると
治療開始
積極的に骨量減少者は薬物治療開始
(YAMとは22歳~44歳の平均骨量で若
者成人平均値骨量のこと)
2003年に、ビスホスホネート製剤を使っている患者さんのごく一部に、顎骨壊死という、顎の骨が溶ける病気が起こる
という報告があり、それ以来、歯科関係者の間で話題になっています。
それは最初、癌の患者さんで骨にガン転移が起こった人に注射でこの薬を使い、1人だけ顎骨壊死が発生しました。
その後、内服薬でも10万人に1~4人の極く低い割合ですが、顎骨壊死が報告されています。このように、薬との関係
も取りざたされている顎骨壊死ですが、その20%は自然発生する場合があり、まだまだ不明な点の多い病気です。
さて、歯科治療の中で、顎骨壊死のきっかけとなるのは、歯を抜くなどの外科的処置と言われています。
歯科治療後に、万一、このような重い病気が起こると困るので、次のような事を憶えておきましょう。
骨粗しょう症でビスホスホネートを3年以上のんでいる人、更にこの薬に加え、ステロイドを飲んでいる人、糖尿病の
人、タバコを吸う人、また歯周病など口の中の衛生状態が悪い人が顎骨壊死になり易いようです。
■ビスホスホネート製剤
■症例1
■症例2
■注意
ダイドロネル
アレディア
オンクラスト
ティロック
フォサマック
ボナロン
ベネット
アクトネル
リカルボン
ポンテオ
ビスフォナール
ゾメオ
上記の薬の投薬を受けている方は歯科
治療時、歯科医に告げましょう。
下あごの一番奥、舌側に1円より小さ
い大きさの骨がむき出し状態です。
口腔清掃を行い、あまり刺激をしない
ようにしています。大きくならず、現状
維持です。
揺れて抜けそうな歯の周りに骨がむ
き出しのところがあります。歯を抜く
か、抜けるまで待つか考慮中です。
かなり全身状態が悪い方です。
骨粗しょう症などでビスホスホネート製
剤を飲む前には、歯を抜いたり歯周病
の外科処置を事前におこなう。
飲んでる方は、親知らずを抜いたり、
骨のダメージが多いことはしない。
点滴による投与患者さんで長期に投
与の方が発生しやすい。
投薬を受けている方は可能であれば
3ヶ月休薬し、外科処置をする。
可能であればビスホスホネート製剤か
ら他の薬に変更する。
診療時間: 月12時~20時 火~土9時~20時 日曜9時~17時
休診日 : 祝日 水曜日
診療科目: 一般歯科・小児歯科・障害者歯科・歯列矯正・インプラント歯科・訪問歯科
訪問歯科治療日 水・木曜日
施設訪問治療は金曜日 急患はご相談ください。
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