コミュニティファシリテーターを育てる実践研修 ~メタファシリテーションを用いた、住民主体による地域づくり~ (特活)ムラのミライ 研修の概要 期間および回数:2017 年 4 月~2018 年 7 月 ・上記期間中に、4 泊 5 日の研修を数か月おきに 4 回実施します ・研修と研修との間に、受講生は各自の活動現場(または居住地等の近辺)で地域づ くりの活動を実践します 研修実施地域:沖縄県名護市久志地区(名護市東海岸に位置する 13 行政区=久志、 豊原、辺野古、二見、大浦、大川、瀬嵩、汀間、三原、安部、嘉陽、底仁屋、天仁屋) 講師・スタッフ 和田信明(ムラのミライ 専属コンサルタント) 中田豊一(ムラのミライ 代表理事) 原康子(ムラのミライ 認定トレーナー) 宮下和佳(ムラのミライ 専務理事) 到達目標 1)研修を修了したコミュニティファシリテーターが、現場での活動が真に住民主体 の活動となるように住民をファシリテート/サポートするスキル(プロジェクト/プロ グラム形成のメタファシリテーション能力)を獲得する。 2)研修を修了したコミュニティファシリテーターが、上記 1 のスキルを他者に技術 移転する講師となるための指導スキルを獲得する。 参加対象者 1) NGO/NPO・地方自治体等で国際協力事業を担当されている方(または担当する予定 の方)で、所属団体から本研修受講者として推薦された方 2) 協力隊 OV や地方自治体の JICA 連携事業関係者など、国際協力という視点や経験 を持って国内の地域活性化に従事している方で、所属団体から本研修受講者とし て推薦された方 3) NGO/NPO・地方自治体等で国内における国際協力関連の活動(開発教育等)を担当 している方で、所属団体から本研修受講者として推薦された方 *同一団体から 2 名以上が通して参加することを原則とする。 (少なくとも 1 名が 4 回シリーズの研修に連続して参加することとする) 1/5 背景 国内外におけるいわゆる「住民参加型開発」は、端的に言って、そのほとんどにおい て「住民主体」は単なるお題目であり、住民はただ「参加」の体裁を取るために動員 されるだけ、すでに用意された事業や活動に参加するだけとなっている。従って、期 間限定の事業終了後、住民が主体的に活動を持続させる事例は非常に少ないのが現実 である。その原因は、事業や活動を仕掛ける側がそのような結果を意図したからでは なく、「住民主体」を現場で具体的に実現してゆくための技術とその方法論について の理解が乏しく、よって具体的な技術習得のための機会も「仕掛ける側」になかった ことにある。そのため、住民の本音を引き出し、住民自ら何が課題であるかを気付く 過程を創出できず、従って、ニーズの把握も中途半端なものに終わる。住民自らの気 付きがなければ、その後の活動に対する持続的なモチベーションも持ち得ないことは、 明らかである。 本研修は、そのような状況に鑑み、事業や活動を仕掛ける外部者(行政、NPO/NGOな ど)に、活動のあらゆる場面において住民の気付きを促し、主体性を醸成するような 技術、能力を獲得させることを意図する。 そのために、メタファシリテーション手法の創始者である和田信明・中田豊一が一連 の研修の企画・実施を担い、国内での地域開発の現場での実地指導を通して技術指導 を行い、研修受講者の国内外での活動が真に住民主体の活動となるよう支援するもの である。 研修の内容 回 1 年月日 実施概要 【パートナーシップの構築】 (移動・前泊 4 月 12 日) 1 日目 4 月 13 日(木) メタファシリテーション基礎講座(座学) *基礎講座を既に終了している受講者には基礎講座Ⅱ(各自 2017 年 の実践に応じたアドバイス)を実施 4 月 12 日~16 日 2 日目 4 月 14 日(金) 午前:久志地区での事実質問練習(フィールド) 4泊5日 午後:フィールドの振り返りとパートナーシップの構築 I (前泊含む) 3 日目 4 月 15 日(土) 午前:久志地区での事実質問練習(フィールド) 午後:フィールドの振り返りとパートナーシップの構築 II (座学) 4 日目 4 月 16 日(日) 午前:第 1 回まとめと次の研修までの課題(座学) 2/5 第 1 回研修から 第 2 回研修の間 2 3 4 受講生による各自の現場での実践 講師による実践モニタリングとアドバイス 【コミュニティによる課題分析 I】 1 日目 8 月 27 日(日) 午後 オープンセミナー *対象に一般参加者を含む ・久志地区と各受講生による成果発表(座学) ・成果発表の解説、質疑応答と住民主体を実現するための技 術(メタファシリテーション)の紹介(座学) 2017 年 2 日目 8 月 28 日(月) 8 月 27 日~31 日 午 前 : 久 志 地 区 に お け る CBIA ( Community Based Issue Analysis=コミュニティによる課題分析 I (座学) 4泊5日 午後:久志地区での CBIA 実践(フィールド) (後泊含む) 3 日目 8 月 29 日(火) 午前:フィールドの振り返りと CBIA II (座学) 午後:久志地区での CBIA 実践(フィールド) 4 日目 8 月 30 日(水) 午前:CBIA から地域開発政策を組み立てる I (座学 & フィ ールド) 午後:第 2 回まとめと次の研修までの課題(座学) (移動 8 月 31 日) 第 2 回研修から 受講生による各自の現場での実践 第 3 回研修の間 講師による実践モニタリングとアドバイス 【コミュニティによる課題分析Ⅱ】 (移動・前泊 4 月 12 日) 1 日目 1 月 25 日(木) 午前:久志地区と各受講生による成果発表(座学) 午後:CBIA から地域開発政策を組み立てる II (座学) 2018 年 1 月 25 日 2 日目 1 月 26 日(金) ~29 日 午前:久志地区での CBIA と地域開発政策 I 実践(フィール ド) 4泊5日 午後:フィールドの振り返りと CBIA II(座学) (前後泊含む) 3 日目 1 月 27 日(土) 午前:CBIA から地域開発政策を組み立てる III (座学 & フ ィールド) 午後:第 3 回まとめと次の研修までの課題(座学) (移動 1 月 28 日) 第 3 回研修から 受講生による各自の現場での実践 第 4 回研修の間 講師による実践モニタリングとアドバイス 【行動計画】 (移動・前泊 7 月 5 日) 2018 年 1 日目 7 月 6 日(金) 7 月 5 日~9 日 午前:久志地区と各受講生による成果発表(座学) 午後:地域開発政策と行動計画 I ( (座学) 4泊5日 2 日目 7 月 7 日(土) (前後泊含む 午前:久志地区での行動計画 I 実践(フィールド) 午後:フィールドの振り返り & 地域開発政策と行動計画 3/5 II(座学) 3 日目 7 月 8 日(日) 午前:地域開発政策と行動計画 III(座学&フィールド) 午後:第 4 回まとめ(座学) (移動 7 月 9 日) 研修の方法 講師の和田・中田・原は、JICA 技術協力事業「市民社会の参加によるコミュニティ開 発技術協力プロジェクト(2004 年〜2006 年 於インドネシア)」に専門家として従事 した経験を持つが、その際に採用したのが、研修→各自の現場で実践→フォローアッ プ研修を繰り返すという方法であった。このプロジェクトでメタファシリテーション 研修を受け「マスターファシリテーター」として認定された約 10 名の NGO・地方行政 官はその後、インドネシア国内外で「地域住民の自助による地域づくり」を実践して おり、彼/彼女らが指導した地域開発の担い手もインドネシア全土で活躍している。 本研修では、同プロジェクトの経験をもとに、複数年・複数回にわたる研修期間を設 定し、参加者が研修と実践を繰り返す方法を取る。 本件ご連絡先 担当者:宮下和佳 (みやしたわか) E メールアドレス:[email protected] 電話番号: 0798-31-7940 住所:〒662-0856 兵庫県西宮市城ケ堀町 2-22 早川総合ビル 3F 参考資料 ◆ムラのミライとメタファシリテーション ムラのミライは地方都市・飛騨高山で「インド山村部の貧困層を助けよう」と、識字 教室や収入向上活動など「ない」ものを投入する支援をする小さな市民グループとし て始まった。しかし活動経験を積むうち、住民との対話を通じてコミュニティが持つ 経験や知識を引き出し、住民自身による課題分析・解決を促す独自の手法「メタファ シリテーション(対話型ファシリテーション)」による、徹底的に住民主体・住民に よる地域資源管理にこだわった活動スタイルに転換。数々のコミュニティ開発プロジ ェクトを実施すると同時に、住民の行動変化を促すスキルを持つファシリテーターを 育成してきた。ムラのミライがメタファシリテーション方式で実施したインド・ネパ ール・日本の農村部や都市スラムでの活動は、プロジェクト終了後も住民によって活 動が継続・拡大されるという顕著な成果を生み、注目を集めている(2010年 第22回 4/5 毎日国際交流賞、2011年 献賞など)。 第7回JICA理事長表彰、2014年 第16回日本水大賞国際貢 メタファシリテーションは、 「資源/予算がない」 「人がいない」から○○できないと いう住民の思い込みをひっくり返し、コミュニティ単位での生活向上を目ざして能動 的に行動を起こさせる独自の方法論の体系であり、ムラのミライはその実践スキルを 書籍やセミナー・研修で普及。2016年9月現在、基礎講座(日本開催分)の修了生は、 のべ600名を超える。プロジェクトや研修を通じてメタファシリテーションに触れた 途上国・新興国では、支援される側/する側という構図を打ち破り、対等な関係性を つくる手法として実践者が広がりつつあり、書籍「途上国の人々との話し方」は2015 年2月に英語版、9月にペルシャ語版、2016年3月にインドネシア語版が出版され、フ ランス語・スペイン語への翻訳作業も進んでいる。 5/5
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