Nishimae Elementary School News Letter 横浜市立西前小学校 平成27年5月29日 Web: http//www.edu.city.yokohama.jp/sch/es/nishimae/ 今 私にできること ~クリキンディからの問いかけ~ 校 長 末松 隆一郎 惜春の思いにひたる間もなく、夏の日射しが若葉に遠慮することなく照りつけています。今年も雄 々しい夏の到来が予感されます。 5月25日の全校朝会で、「ハチドリのひとしずく」という話を紹介しました。ハ チドリは、南アメリカに生息し、ミツバチのように羽をバタバタさせながら花の蜜 を吸う世界最小の鳥です。この話は、南アメリカのアンデス地方に昔から伝わる民 話です。 森が燃えています。森の生きものたちは、われ先にと逃げていきます。 でも、クリキンディという名のハチドリだけは、いったりきたり、くちばしで水 のしずくを一滴ずつ運んでは、火の上に落としています。 動物たちがそれを見て、 「そんなことをして、いったい何になるんだ」と笑います。 クリキンディは、こう答えました。 「私は、私にできることをしているだけ。」 クリキンディの行動と言葉は、地球環境、世界平和、貧困・差別等々、それらが時に閉塞感として 世を覆いがちな現代社会において、とても大切なことを問いかけているのではと私は思います。全校 児童には、今回は「平和」という視点で言葉を続けました。 今、世界のどこかで戦争状態の地域もあり、多くの命が奪われ、大切な人や家を失い、避難し ている人もたくさんいます。日本は、戦争はありませんが、恐ろしい犯罪も時々起こります。 「戦争や犯罪のない、平和な世界をつくりましょう 。 」といっても、どうすればいいのかわから ないし 、「できっこないよ。」と思ってしまうかもしれませんね。でも、「できっこないよ 。」と 言って、何もしなくてもいいのかなぁ、と思います。 クリキンディのように、今、自分にできることをやっていくことが大事だと思います。世界の 平和を願うなら、まず身近な友だちや人を大切にする心をもつこと。許し合う心をもつこと。暴 力やいじめを許さない心をもつこと。そういう一人ひとりの、一つ一つの心が、やがて大きな大 きな力になっていくと、先生は思っています。 クリキンディは、教えてくれていると思います。あの燃えている森は、身の回りの、 そして、世を覆っている闇の事かもしれないと。いじめ、差別、喧嘩、戦争、環境破 壊・・・、私たちの周りには大変な問題がたくさんあります。しかし、一番大きな問 題は、これらのことに対して、「自分に解決する力はない」とか、「そんなことして何 になるんだ」と、目をそらしてしまうことではないでしょうか。 「今、私にできること」についてみんなが考え、行動し、それらを積み重ねていけ ば、どんな「燃えている森の火」も、消すことができるのではないかと思います。私 も含めて、「私にできること」を見つけていきたいと思います。 高め合う力 ー6年生日光修学旅行ー 5月11日・12日、6年生の日光修学旅行に同行しました。スローガンは「歴史を学んで自然に 親しむ、日光修学旅行」。二日間天候にも大変恵まれ、スローガン通り、大自然と文化遺産の地で、 かけがえのない二日間を過ごすことができました。行動の素早さ、片付け等の手 際のよさ、帰校後の振り返りの真摯さ、そして、それを生かした一週間後の NFW のリーダーシップを見て、6年生の子どもたちの、高め合い成長していく姿の素 晴らしさを感じました。「自覚」が「行動」となり、「自信」となって高まってい く姿に、リーダーとしてのたくましさと期待を感じます。
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