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平成26年11月20日
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Vol.77
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名南コンサルティングネットワーク
マネジメントコンサルティング事業部
真・自立型経営への転換 76
どうなる日本経済
早いもので、今年もあと一月と少しとなりました。例年です
と、年末の決算に向けて業績の詰めにバタバタとなる時期で
すが、今年は決算期を変更(12月⇒9月)したため、新年度ス
タートの中で年末を迎えることになります。いささか慣れない
感もありながら、新年度もお客様の明日への発展のために、
日々を価値あるものとすべく精進して参る所存です。今後と
も末永く、よろしくお願い申し上げます。
さて、消費増税から半期が過ぎ、景気の回復は悲喜交々と
いったところのようです。円安による株高は、資産効果により
株式保有率の高い高齢者層、富裕層の消費を喚起していま
す。高額商品は消費増税とは関係なく、比較的堅調に推移
しているようです。高級時計や、高級車、宝飾品などに関連
する分野であれば、忙しくされていることでしょう。
一方でそうした金融商品の保有率が低い層では、給与アッ
プの恩恵は限定的である上、円安による燃料、エネルギーコ
ストの上昇により、むしろ家計は厳しくなっているという例も珍
しくありません。加えて消費増税による家計への負担増は、
更に消費者の消費意識を厳しいものとしています。その証拠
に、コンビニエンスストアからスーパーへ客足がシフトしてい
ます。利便性より、一円でも安い方へ。敏感な消費者は、躊
躇なく行動を変化させます。こうした影響を受けやすい分野
であれば、数量が伸びない中、更なるコスト要請に頭を悩ま
せていることでしょう。
そして、この大きな変化はまだ続きます。これから来年10月
に予定されている二段階目の消費増税に向けて、恐らく広
い範囲で駆け込み需要が発生することでしょう。今回のような
ことは無いという意見もありますが、先のように変化に敏感な
消費者は、間違いなく消費の先食い(駆け込み)をすることに
なる可能性が高いのではないでしょうか。問題はその後の反
動減です。ここまで何とか、政策面から消費を刺激し続けて
きましたが、そこまでに消費の自律的な回復が生まれなけれ
ば、日本の経済は、いずれ息切れすることになります。
変革への決断
こうした(経営環境の)変化は、容赦なく企業に変革を求め
てきます。この変化に対応できなければ、企業は衰退を余儀
なくされるのです。
このような市場の縮小を予測して、大手企業を中心に広く
業界再編が進んでいます。大企業といえども(あるいは大企
業ゆえに)、こうした環境の変化に敏感に対応していかなけ
れば、市場で生き残ることは難しいということです。これは、中
堅中小企業においても全く同様であり、環境の変化に適応で
きなければ、無情にも市場からの退場を余儀なくされることで
しょう。
企業とは環境適応業、変化が常態化した組織でなければい
けません。そして、その変化のタイミングや方向性を決めるこ
とができるのは、唯一経営者だけです。経営者が自ら判断
し、変革に向けての決断を下さなければ、企業は何も変わる
ことはありません。経営環境が変化する中、企業側の変化が
遅れれば、遅かれ早かれ淘汰されることになるでしょう。
変化の度合いが大きければ大きいほど、そのスピードが速
ければ速いほど、経営者には大きな決断、素早い決断が求
められます。経営者は、そうした大きな責任を担っているとい
う自覚を、常に持って企業運営に当らなければいけません。
経営理念と経営ビジョン
経営者として、確かで間違いのない決断をするために必要
なものは何でしょう。それには様々な要件がありますが、こうし
た情勢において、とりわけ重要な要件が、経営理念と経営ビ
ジョンであると思うのです。先にも申しましたが、これからの変
化は、今まで以上に大きく、速いものであるとすれば、その変
化に適応するための、「企業のあるべき姿(経営ビジョン)」も、
より大きな視点で描かれなければいけません。想定するビジョ
ンが、これまで以上に大きなスケールで考えることができたな
ら、当然、それを実現するための手段も、大きなスケールで考
えることができるはずです。敢えて、少し極端なスケールでビ
ジョンを描き、そこに向けての戦略を真剣に模索する中で、新
たなブレイクスルーが生まれる・・・。
では、こうしたビジョンを生み出すために必要なものは何か。
それは、経営ビジョンの上位概念である「経営理念」、もう少し
正確に言えば、経営者自身の「経営理念追求に向けた熱い
情熱」と言えるでしょう。こうした想いが無ければ、あるいは弱
ければ、先に述べたようなビジョンを描くことは、やや難しいか
もしれません。
ある研究会の調査結果で、中堅企業で優秀な業績を上げて
いる企業の多くが、老舗企業に似た経営スタイルをとっている
という報告をしています。経営理念を大事にし、社員と共有
し、その実現への取り組みを経営の中心にした経営スタイル
をさしています。
変化の激しい時代であるからこそ、ぶれることの無い経営理
念を中心においた経営が、組織の変革を促すのでしょう。改
めて経営理念への向き合い方を見直す必要がありそうです。
名南コンサルティングネットワーク
永井 晶也
Meinan Management Review Vol.77
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【MANAGEMENT FOCUS】
各企業において、新入社員は入社半年が経過し、それぞれの特徴が表れる
頃ではないでしょうか。ここ数年、当部門でも継続的に新卒採用を行っていま
す。つくづく、入社3年間の大切さを感じております。
新人教育を進める中で、マナーやスキルは欠かせませんが、思考習慣はそれ
以上に重要であると思います。
例えば、同期入社の二人が同じ知識量、スキルを持っているとしても、思考を
有用に働かせる人の方が継続的に成果をあげ、成長し続けることができます。
長期間に引き直せば、その人は大きな利点を持っていると言えるでしょう。
人間の思考は、感情や行動に影響を与えます。加えて、その思考は日々繰り
返されて習慣となり、やがて無意識のうちに自然な形で当人の判断基準、行動
基準となります。組織や社会で有用な好ましい思考習慣を持った人は、おのづ
と、好ましい感情と行動が増えてゆきます。残念ですが、自分にとって都合良
く、組織や社会には有用でない思考習慣を持った人は、組織や社会にとって有
用な行動をとることができず、本人の熱心さや楽しさとは裏腹に、周囲からの信
頼や評価がついてくることはないでしょう。
加えて、好ましい思考や感情を伴わない表層的な知識やスキルだけを身に付
けている人は、長い社会人人生の中で、広範囲に亘って状況毎にそれを役立て
ることができず、有用に働く領域が狭すぎて、継続的な成果が出せなくなります。
だからこそ、新人を迎え入れる側は、入社3年間に基礎スキルと共にマインド
教育として、“好ましい思考習慣”を繰り返し伝える努力を怠ってはいけないので
す。人間の最大の能力である思考をトレーニングすることは、成果・成長に繋が
る近道ではないでしょうか。左記のチェックリストを参考に、是非皆様の経験を基
にしたマインド教育を進めてみてください。
【成長し続けるための思考習慣チェック】
①小さな物事に有り難さを見出すことができる
Yes ・ No
②人の話や事例を聞いた時など、何事も自分自身
に置き換えて捉えることができる
Yes ・ No
③自身の影響や責任で物事を捉えることができる
Yes ・ No
④自身の思考、言動、態度、感情を振り返ることが
できる
Yes ・ No
⑤達成するために何をすべきか、順序立てて
考えることができる
Yes ・ No
⑥無理だと思われるような状況でも、“自分に何が
できるか”を考えることができる
Yes ・ No
⑦反省や改善の視点で、自身の振り返りができる
Yes ・ No
⑧あるべき姿(当たり前の基準)を自ら高めることが
できる
Yes ・ No
⑨迷ったとき、自分に厳しく周囲に優しい選択が
できる
Yes ・ No
⑩自分の思考を使うことができる
Yes ・ No
【気になる統計指標⑫】
社会人3年目までにものにしておきたい思考習慣
(水谷 マミ)
中部の鉱工業の動向(鉱工業指数)
表1 中部の鉱工業指数
生 産
指数
前月比
出 荷
前 年
同月比
指数
前月比
在 庫
前 年
同月比
指数
前月比
前 年
同月比
指数
(平成22年=100)
在 庫 率
前 年
前月比
同月比
中部鉱工業
111.2
1.2
0.7
106.9
▲ 0.5
▲ 2.1
115.1
▲ 0.4
5.2
129.1
7.0
11.1
全国鉱工業
95.2
▲ 1.9
▲ 3.3
93.9
▲ 2.1
▲ 3.7
112.6
0.9
4.6
118.5
8.6
7.1
1.生産
寄与した主な業種
電子部品・デバイス工業
上
石油・石炭製品工業
昇
パルプ・紙・紙加工品工業
低 窯業・土石製品工業
下 輸送機械工業
前月比
11.6
前 年
同月比
4.3
7.6 石油製品
8.4
▲ 3.1 用紙、パルプ
▲ 23.7
▲ 2.9
寄与した主な中分類
17.5 集積回路・半導体素子
▲ 4.7 ファインセラミックス、ガラス・同製品
▲ 6.2 乗用車、自動車部品
2.出荷
寄与した主な業種
輸送機械工業
低
汎用・生産用・業務用機械工業
下
プラスチック製品工業
上 電子部品・デバイス工業
昇 化学工業
前月比
▲ 3.2
▲ 3.6
▲ 4.4
10.1
0.6
前 年
同月比
寄与した主な中分類
▲ 6.3 自動車部品、乗用車
4.7 運搬機械、金属加工機械
▲ 3.1 工業用プラスチック製品、その他のプラスチック製品
7.5 集積回路、電子部品
▲ 4.8 医薬品
3.在庫
寄与した主な業種
低 窯業・土石製品工業
下 輸送機械工業
上 電気機械工業
昇 鉄鋼業
前月比
▲ 13.5
▲ 13.1
13.9
5.8
前 年
同月比
寄与した主な中分類
▲ 4.2 ファインセラミックス、その他の窯業・土石製品
53.5 乗用車
28.6 配線・照明用器具
0.5 普通鋼鋼材(除、形鋼・棒鋼)、普通鋼形鋼・棒鋼
※1:指数は、季節調整済み。前月比は季節調整済指数、前年同月比は原指数による。
※2:前月比、前年同月比は、増減率(%)を表す。
※3:業種及び中分類は、原則として対前月比寄与度順。
出典 中部経済産業局
左の表は、中部経済産業局が平成26
年10月20日に発表した、平成26年8月
の管内(富山、石川、岐阜、愛知、三重
の5県)の鉱工業生産指数、生産者出
荷指数、生産者製品在庫指数及び生
産者製品在庫率指数の概要です。
生産指数は、国内で生産された製品
の量を、出荷指数は国内で出荷された
製品の量を、在庫指数は国内の製品在
庫の量を、それぞれ基準年である平成
22年を100として指数化したものです。
全国の生産・出荷指数が100を割り込
んでいるのに対し、中部の生産・出荷指
数は100を上回っています。このことか
ら、今も中部地区が日本のものづくり産
業を牽引しているといえます。
中部管内で見ると、生産指数は2ヶ月
連続で上昇しており、前年同月比も上
昇し ていま す。これを牽 引 し ているの
は、電子部品・デバイス工業です。逆に
足を引っ張っているのは、窯業・土石製
品工業と輸送機械工業です。中部地
区、特に愛知県の主要産業であるこれ
らの業種についても、早く回復してもら
いたいものです。
(木島 知也)
Meinan Management Review Vol.77
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デール・カーネギーの
名言・格言
【コンサルタントお勧めの1冊】
「あんぽん 孫正義 伝」(佐野 眞一著)
経済学者のケインズが
著書の中で表現した「ア
ニ マ ル ス ピ リ ッ ト」と い う
言 葉が あ り ま す。”根拠
のない自信が企業家に
投資 を 行わ せる”とい う
意味 で、「アニ マ ル スピ
リ ッ ト」を 持 つ 人 の 存 在
は、経済成長の原動力
になりうるとしています。
日本の経営者では、ソフトバンクの孫社長を
思い浮かべる人が多いと思いますが、その孫
社長のアグレッシブな経営姿勢のルーツを知る
ことができるのが本書です。
【セミナー・研修案内】
平成27年度新入社員研修
弊社マネジメントコンサルティング事業部主
催「新入社員研修」は、学生から社会人への
意識の切り替えとビジネスマナーについて徹
底的に学んでいただく講座です。3月又は4月
に前期研修を行い、5月に後期研修として、前
期研修の振り返りを含めたコース別研修を行う
流れとなっています。今年も147名の新入社員
の方が当研修を受講し、社会人としての第一
歩を踏み出しています。平成27年度につい
て、以下の通り、企画致しましたので、ご検討
下さいませ。
【講義内容】
◆前期研修
・学習する場の心得と規律
・私にとって仕事とは
【知って得する情報】
内容は孫社長の生い立ちだけでなく、家
族との関係、在日韓国人問題、ソフトバンク
立上げ後の社長交替劇、KDDI稲盛氏との
取引上のやりとりなど多岐にわたります。
中でも働き者の祖母と破天荒だが魅力的
な父親の存在が強烈で、孫社長の人間形成
に大きな影響を与えたことがわかります。
著者の佐野眞一氏は、孫社長本人、親族
だけでなく、一族の出身地である韓国にまで
行って取材を行い、異端の起業家の実像に
迫ろうという執念を感じます。
どこまで真実なのか考えてしまう部分もあり
ますが、きれいごとの立志伝にはない面白さ
があり、圧倒的な迫力を感じる1冊です。
(奥田 康博)
・幸せな人生とは
・ビジネスマナー(挨拶、お辞儀、敬語、電
話・応接応対、名刺交換、ビジネス文書)
・企業経営の目的
・好ましい指示の受け方と報告
◆後期研修/前期の振り返りとコース別内容
【開催要項】
◆前期研修(宿泊) 9:00~翌18:00
・A日程 3月26日(木)~27日(金)
・B日程 4月2月(木)~3日(金)
◆後期研修(1日) 9:00~18:00
・営業基礎・店舗接客 5月7日(木)
・女性マナー 5月8日(金)
・現場作業・製造事務 5月11日(月)
※詳しくは、同封のチラシをご覧ください。
平成27年度予算 経済産業省概算要求
今年も残り僅かとなり、経済産業省が所管する
平成26年度予算の補助金は、そのほとんどが
募集を終えました。そこで気になるのは来年
度の補助金の内容です。その概要は、以下の
URLに掲載されている平成27年度予算概算
要求の内容をご覧下さい。(http://www.meti.
go.jp/main/yosangaisan/fy2015/)
このうち、「平成27年度中小企業・小規模事
業者政策の概要」を見ていくと、一昨年、昨年
と補正予算に組み込まれた「創業補助金」が、
本予算に組み込まれることがわかります。一
方、同じく一昨年、昨年の補正予算に組み込
まれた「ものづくり補助金」は、本予算には組
み込まれず、ものづくり系の補助金としては、
「革新的ものづくり産業創出連携促進事業」と
いうものが新設される見通しです。こちらは、
中小ものづくり高度化法の計画認定を必要と
<経済産業省概算要求概要(抜粋)>
名称
概算要求金額
創業・第二創業促進補助金
25億円
革新的ものづくり産業創出連
携促進事業
112億円
ふるさと名物応援事業
23億円
し、予算規模も一昨年、昨年の「ものづくり補
助金」のような大型なものではないため、採
択のハードルは高くなることが予想されます。
また、新たに「ふるさと名物応援事業」というも
のが新設される見通しです。こちらは、地域
資源を活用した「ふるさと名物」の開発、販路
開拓等を支援する事業です。他の事業を含
め、該当しそうなものがあれば、採択の可能
性を高められるよう、早めの情報収集、準備
を進めてはいかがでしょうか。
(工藤 稔之)
プランを立てて
仕事を任せる
(デール・カーネギー『D・カーネ
ギーの指導力』より)
管理者の大きな役割の一つ
に、部下育成があります。管理者
が部下を育成しようとする場合、新
しい仕事や役割を与えて、その中
で気づきを得て、成長を促そうとす
る手法が多く用いられます。皆さん
の会社の現場を思い返してくださ
い。新しい仕事を与える場合、ど
のような手順で行っているでしょう
か。中小企業の管理者は、担当者
として高業績を納め、その優秀さ
か ら管 理職 へ 昇進 し た方 が多 く
(管理者として優秀かどうかは別問
題)、自分に出来ることは他人も出
来るであろうと思い込んでいるケー
スが多く見受けられます。こうした
思い込みは、部下の能力を考えた
仕事の与え方ではない、部下への
仕事の説明が不十分である(目的
やゴールが共有できない)など、好
ましくない仕事の任せ方に繋がり
ます。ではどのように部下に仕事
を任せて、成長を促せばいいので
しょうか。D・カーネギー氏は、以下
の5ステップで仕事を任せることが
大切であると述べています。
①部下それぞれに、その仕
事をこなす力がどれだけあ
るかを判断する
②部下の訓練、指導、監
督、その他の支援にどれ
だけの時間と注意力が必
要かを判断する
③代行させることで、その部
下の目下の仕事量がどう
なるのかを判断する
④その部下が別のプロジェ
クトに参加している場合
は、優先順位等でもめない
よう、そのプロジェクトの管
理者と扱い方を決めておく
⑤管理者やリーダーとして
進行中の仕事だけではな
く、部下の人間的側面にも
目を配る
皆さんの会社でも、上司から部
下への仕事の任せ方について、
今一度振り返ってみて下さい。
名南コンサルティングネットワーク
マネジメントコンサルティング事業部
Meinan Management Review Vol.77
平成26年11月20日発行(通巻第77号)
発行人:永井晶也
編 集:渡邉圭蔵、加藤直子
執 筆:永井晶也、水谷マミ、木島知也
奥田康博、工藤稔之、伊藤淳
山田尚慶
名南コンサルティングネットワーク
マネジメントコンサルティング事業部
〒460-0003
名古屋市中区錦二丁目4番15号
ORE錦二丁目ビル5階
TEL
052(229)0758
FAX
052(229)0754
ホームページもご覧下さい
http://www.meinan.net/
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【主任研究員のコラム】 企業の農業進出と6次産業化
「農業分野」への企業の進出が活発になっています。下図のとおり、毎年
平均350の法人が参入しています。(下図 農林水産省 経営局調べ)
企業の農業参入が増加している要因として様々なものがありますが、最近の注目
すべき動きとしては、国が大規模な農業や自由な農業を目指す6次産業化を対象
に「ファンド」等で農業分野進出を資金面、制度面から応援する仕組みがなされた
ことが挙げられます。
この6次産業化とは、1次産業である農業者が中心となって、製造業やサービス業
等の2次、3次産業と連携して地域の活性化や新たな産業を創出するといった狙い
で考えられたビジネスモデルです。これは農業者の付加価値を高める取り組みで
すが、企業においてもこのモデルを活用し、農業者とうまく連携を図ることで、新た
な付加価値を生み出す市場を創造できる可能性があります。農産物生産だけでは
充分な付加価値が得られなくても、6次産業化を行うとその何倍もの付加価値を生
み出す可能性があるとされています。政府も成長戦略として後押ししようと、「六次
産業化法」(2010年)を成立させ、助成金交付等のさまざまな形で6次産業化を支援
しています。
「農業分野」は、自然相手であるだけに新分野への進出を考えている企業にとっ
て、厳しい世界です。しかし、農業者が持つ技術と企業が持つ技術をかけあわせ、
文字通り「1次産業×2次産業×3次産業=6次産業」といった図式により、新しい
世界(ビジネス)が広がる可能性があります。新分野進出時には検討してみる価値
はありそうです。
(伊藤 淳)
MBC特別講座の開催報告
講座のエッセンス
ライフネット生命保険株式会社の岩瀬大輔氏がお送りする
○頼まれたことは必ずやりきる
当たり前のことのようですが、実践し
続けることは、非常に難しいことです。
部下を持つ立場になり、督促しないと頼
まれた仕事に手をつけない人が、思い
の他多くいることに気付きました。頼ん
だことを必ず最後までやりきる若手は、
その仕事ぶりが必ずしも完璧でなくと
も、多くの信頼を集めます。その結果、
自然に仕事が集まり、多くの経験をする
ことで、より早く成長することが出来ま
す。だからこそ、今出来る精一杯の仕事で依頼に応える事が大
切です。
○つまらない仕事は無い
「この仕事は本当につまらない...」本当にその仕事はつまらな
いのでしょうか。「つまらない仕事」というものがある訳ではありま
せん。仕事が私を楽しくさせたり、つまらなくさせるのではなく、
私が仕事を楽しく感じたり、つまらなく感じているだけなので
す。仕事の「捉え方」によって、人生が辛くなることも、輝くことも
あります。
岩瀬氏の講話から、「基本を積み上げ続け、自分の仕事に楽
しさを見出すこと」がいかに大切かを、改めて見つめ直すことが
出来ました。仕事に取り組む好ましい「捉え方」をより早く身に
つけることで、新人・若手社員の成長は大きく加速していくこと
でしょう。
(山田 尚慶)
「仕事が変わる瞬間」
~「仕事が出来る」と言われる社員になる、
育てるためのポイント~
先月、名南ビジネスカレッジ特別講座「仕事が変わる瞬間」
~「仕事ができる」と言われる社員になる、育てるためのポイント
~を開催致しました。本年は、ライフネット生命保険株式会社
代表取締役社長兼COO岩瀬大輔氏を講師としてお迎え致しま
した。
岩瀬氏の著書「入社1年目の教科書」、「入社10年目の羅針
盤」の 内 容 を 基 に、新
人・若手社員が身に付
けておくべき大切な習
慣や考え方を、岩瀬氏
の実体験を交えてお伝
え頂きました。
多くの方々にご参加
頂いた本講座のエッセ
ン ス を、ほ ん の 一 部 で
は ご ざ い ま す が、ご 紹
介させて頂きます。部下指導や社員教育の内容として、少しで
もご活用頂ければ幸いです。