第2章 温室効果ガス排出量の現状と将来

第2章 温室効果ガス排出量の現状と将来
1. 葛飾区の温室効果ガス排出状況
葛飾区の温室効果ガスの排出状況はどうなっているのでしょう。
直近で推計可能な平成 21 年度(2009)の葛飾区の温室効果ガス総排出
排出量 1,523 千t-CO2
量は、1,523 千 t-CO2 となっており、京都議定書*の基準年注*における排
削減されています(図
出量 1,745 千 t-CO2 と比べて 222 千 t-CO(12.7%)
2
東京ドーム 614 杯分
2-1)。排出量の推移を見ると、平成 16 年度(2004)以降は基準年の排出
量を下回る傾向にあります。部門別に見ると、産業部門が大きく減少す
る一方で、家庭部門・業務部門が増加しています(図 2-2)。
温室効果ガス排出量
基準年の排出量
1,523
2009
2008
2007
2006
基準年比で 12.7%削減
(222 千 t-CO2)
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
2004 年度以降、温室効果ガスの排出量
は基準年を下回っています。
1990
基準年
(千t-CO2)
2,000
1,745
温
室
1,500
効
果
ガ 1,000
ス
排
500
出
量
0
年度
注)基準年は、温室効果ガスのうち CO2、CH4、N2O は平成 2 年度(1990)
、HFCs、PFCs、SF6 は平成 7 年度(1995)です。
この違いは、HFCs、PFCs、SF6 については平成 7 年度(1995)以降のデータしかないためです。
また、基準年の温室効果ガス排出量は、平成 2 年度(1990)の CO2、CH4、N2O の値と、平成 7 年度(1995)の HFCs、
PFCs、SF6 の値との合算値となります。
資料:
「特別区の温室効果ガス排出量
平成 24 年 3 月
みどり東京・温暖化防止プロジェクト」より作成
図 2-1 葛飾区の温室効果ガス総排出量の推移
家庭部門、
業務部門が増加
(千t-CO2)
二 700
600
500
産業部門
400
家庭部門
300
業務部門
200
産業部門が
継続的に減少
100
運輸部門
廃棄物部門
2009
2007
2008
2006
2005
2004
2003
2002
2001
1999
2000
1998
1997
1995
1996
1994
1993
1992
基準年
1991
0
1990
酸
化
炭
素
排
出
量
年度
産業部門の平成 15 年度(2003)の大幅な減少は製紙工場の移転によるものと考えられます。
資料:
「特別区の温室効果ガス排出量
平成 24 年 3 月
みどり東京・温暖化防止プロジェクト」より作成
図 2-2 部門別二酸化炭素排出量の推移
4
第2章 温室効果ガス排出量の現状と将来
【部門とは】 温室効果ガスの排出源を、家庭・業務・産業・運輸・廃棄物の 5 部門に分けて
表したものです。
部 門
家庭部門
業務部門
産業部門
運輸部門
廃棄物部門
活動内容等
家庭(自家用車は運輸部門に含む)における電気や燃料の消費
事務所ビル、小売店舗、飲食店、学校などにおける電気や燃料の消費
製造業、建設業などにおける電気や燃料の消費
自動車(自家用、事業用)
、鉄道などによる電気や燃料の消費
廃棄物(家庭系ごみ、事業系ごみ)の燃焼等による処理
備考:発電所などの「エネルギー転換部門」は、受益者が複数の自治体にまたがるため計画の対象とはしません。
2. 将来の状況
将来の葛飾区の温室効果ガスの排出状況はど
2009 年度比
7.0%増
(千t-CO 2 )
2,000
うなるのでしょう。
このまま温暖化対策の新たな取り組みなどを
行わなかった場合、葛飾区の温室効果ガス排出量
は、5 年後の平成 29 年度(2017)には 1,629 千
t-CO2、平成 42 年度(2030)には 1,620 千 t-CO2
温
室
効
果
ガ
ス
排
出
量
同 6.4%増
1,745
1,523
1,629
1,620
2017
2030
1,500
1,000
500
0
になると予測され、それぞれ平成 21 年度(2009)
1990
2009
(基準年)
注
比で 7.0%、6.4%増加すると予測 されます(図
年度
図 2-3 温室効果ガスの将来推計結果
2-3)
。
温室効果ガスの大部分を占める二酸化炭素
( 千t-CO2 )
2,000
の排出量は、平成 21 年度(2009)比で平成 29
年度(2017)には 4.6%、平成 42 年度(2030)
には 3.0%、それぞれ増加すると予測されます
(図 2-4)。増減する要因は次のことが考えら
れます。
1,712
二
酸 1,500
化
炭
素
排 1,000
出
量
●葛飾区の人口は平成 28 年(2016)まで増加すると
「葛飾区基本計画」において推計されており、こ
0
●事務所などの延床面積の増加により、業務部門の
471
532
581
576
270
311
334
341
499
436
427
423
24
40
41
41
1990
(基準年)
2009
2017
2030
500
れにより家庭部門と廃棄物部門の排出量が増加し
ます。
448
廃棄物部門
運輸部門
業務部門
家庭部門
産業部門
1,541
1,518
1,473
158
137
154
年度
図 2-4 二酸化炭素排出量の将来推計結果
排出量が増加します。
●産業部門では主要業種の製造品出荷額が、運輸部門では走行量がそれぞれ減少し、
これに伴って排出量は減少します。
注)温室効果ガス排出予測の算出に関する説明については、資料編 71 ページをご参照下さい。
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