Bulletin アニュアル月号PDFファイル

平成3年4月16日第三種郵便物認可 平成22年6月15日発行(隔月15日発行)第24巻 第7号 通巻222号
Bulletin
222
建築家会館:1968年竣工
Annual Repor t 2009
社団法人 日本建築家協会
関東甲信越支部
The Japan Institute of Architects
150-0001 東京都渋谷区神宮前2-3-18 JIA館
Tel: 03-3408-8291 Fax: 03-3408-8294 http://www.jia-kanto.org/members/
CONTENTS
Bulletin 222
Annual Report 2009
特集:
3 1 ―黎明期 1956∼
建築家会館/JIAの守破離
・建築家会館の誕生――処士横議の場 ・建築家会館コンペ案 ・建築家会館の建設
6 2 ―経過:JIA 館の建設 1972
6 3 ―現在そして未来へ 2008
支部長挨拶
四役の声
委員会活動報告
8 伊平 則夫
9
・幹事長
森 暢郎 ・副幹事長 今井 均 ・副幹事長 西勝 郁郎
10
・副支部長
11
・総務委員会 ・設計業務環境改善委員会 ・アーバントリップ実行委員会
・建築セミナー実行委員会
・JIAトーク実行委員会
12
13
上浪 寛 ・副支部長 東條 隆郎 ・副支部長 野生司 義光
・学生デザイン実行委員会
・大学院修士設計展実行委員会・広報委員会
・交流委員会
・建築相談委員会
・支部実務委員会
・保存問題委員会
・アーキテクツ・ガーデン2009建築祭実行委員会
・顧客支援システム委員会
・2011年UIA東京大会JIA関東甲信越支部準備委員会
・委員会一覧
支部トピックス
13
・保存問題山梨大会
地域会活動報告
14
・JIA神奈川
・JIA千葉
・JIA埼玉
・JIA茨城クラブ
15
・JIA栃木クラブ
・JIA群馬クラブ
・JIA山梨クラブ
・JIA長野県クラブ
16
・JIA新潟クラブ
・JIA中野クラブ
・JIA三多摩地域会
・JIA杉並地域会
17
・JIA新宿地域会
・JIA城東地域会
・JIA文京地域会
・JIA渋谷地域会
18
・JIA世田谷地域会
・JIA千代田地域会
・JIA中央地域会
・JIA城南地域会
19
・JIA城北地域会
・JIA港地域会
・JIA目黒地域会
・地域会一覧
20
・ミケランジェロ会
・デザイン部会
・都市デザイン部会
・住宅部会
・メンテナンス部会
・住宅再生部会
・情報開発部会
・建築交流部会
・学芸祭部会
・建築家写真倶楽部
・部会一覧
部会活動報告
21
広報からのお知らせ
22
・広報委員長退任の御挨拶=中村 高淑
・Bulletin号、舵取り――編集長退任の御挨拶=鈴木 利美
23
・2009年度「建築家online」を振り返り=中澤 克秀
23
・編集後記
24
・建築家会館最終設計図
社団法人日本建築家協会
関東甲信越支部
〒150-0001東京都渋谷区神宮前2-3-18 JIA館
Tel: 03-3408-8291 Fax: 03-3408-8294
http://www.jia-kanto.org/members/
リニューアルした建築家クラブ
写真:宮原博志(剣持デザイン研究所)
第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
特集:建築家会館/ JIA の守破離
2011 年、UIA 大会2011 が東京で開催される。UIA 世界大会が東京で開催されるのは史上初めてとなる。
これまで紆余曲折を経て幾度となくそのかたちを変えながら長い道のりを歩んできた日本建築家協会。
建築家の職能集団として、建築家会館・JIA 会館の二つの建物を拠点として集い、活動してきた。
そして昨年度、JIA 会館1 階に新たに「建築家クラブ」がオープン。会員の新たな集いの場として期待されている。
往時の先輩諸賢の念いの強さを今一度思い返し建築家会館建設の初心を護り
その思いを次の世代へと伝えていくことを目的とし、この特集を組むこととした。
「なかなか伝説どころの話ではないのだ」アルチゥル・ランボォ「歴史の暮方」
――『会館小史−建築家会館落成20 周年記念』発行:(株) 建築家会館より――
◎参考文献
『会館小史−建築家会館落成20 周年記念』1988年(株) 建築家会館/『日本の建築家職能の軌跡−新日本建築家協会の設立まで』1997年 (株) 日刊建設通信新聞社
1― 黎明期 1956∼
建築家会館の誕生――処士横議の場
設計競技は9月 13 日午後5時をもって締め切られ、51 点(本
■日本建築家協会発足∼建築家会館設計競技
部 41 点、関西支部6点、東海支部4点) の応募作の審査(委員長村野藤吾)
1956年、日本建築家協会発足。発足時の会員総数は180名、
初代会長松田軍平氏。協会の事務局は銀座の建築会館(現在プラ
が行なわれた。入賞は最優秀作品:進来廉、優秀作品;槇文彦、
石川洋美の三点。設計競技の結果については、
「日本建築家協
ンタンが建つ場所)内にあった。1960年、
「会館建設委員会」が結
会ニュース」No.233、1967年 10 月1日号で全会員に報告さ
成され、独自の活動拠点としての会館建設を目指す。当時思い
れ、授賞式および応募作品の公開展示が行なわれた。その後、
描かれた会館の構想は「処士横議の場」
。つまり、会員建築家
進来廉氏の案にもとづき建設が進められ、1968 年 12 月竣工
の拠点であり、各界各分野のひとびとが交流できる場であった。
することとなる。
1961年、株式会社建築家会館が設立され、初代社長に前川國
■建築家会館完成と建築クラブのオープン
男氏が就任。会員に向けて第1回の株を募集し、土地を買うた
1968年 12 月 20 日、落成披露宴が挙行された。会館竣工と
めの資金とする。当時 400名の家協会会員の内その 45 %にあ
同時にクラブ・バー(建築クラブ)がオープンした。現在1階の
たる 180 名が株式を分有して自らの拠点をもつことに協力し
ホールは、竣工当時はクラブ室と呼んでいた。みんなでお金を
た。1962 年8月、青山南町1丁目の敷地 (東京電力変電所隣地)
出し合ってピアノを買い音楽会などを開いた。1970 年から
を一旦購入したがその後換金し、1966年、紹介のあった神宮
「建築倶楽部金曜日の集い」が企画され、自由で気楽な雰囲気
前の現在地を購入。9月 17 日移転登記を完了した。1967 年、
の中で様々な音楽会や講演会が開催された。1977 年頃、営業
建設資金とするため、会員による資本金の1/2の増資を行なっ
面で困難を窮し一時クラブ・バーの中止の話がでるが、1979
た。また会館の建設を実現すべく、その設計案を会員から募集
年、有志により「建築クラブ」が結成され、一人あたり年間
することとし、同年8月1日設計競技募集要項を発表した。同
30,000円ほどの協力によってバーを支えた。
建築家会館 募集要項
■建築家会館設計募集要項 (抜粋)(1967年8月)
出典:(株) 建築家会館
○趣旨:私共は長い間、日本建築家協会会員のための会館
を持ちたいと念願し、土地の購入、その他の準備に努力し
てまいりましたが、この際建築家協会会員による増資を行
い、一日も早く会館の建設を実現することになりました。
ついては、その設計案を建築家協会正会員から募集するこ
とに致しますので奮ってご応募ください。
1968 年8 月1 日
株式会社建築家会館代表取締役前川國男
A. 応募条件
1. 一般事情
(1)競技の名称 建築家会館設計競技
(2) 競技形式 日本建築家協会正会員を対象とする公開競
技
2. 応募者
(1) 日本建築家協会正会員に限る
(2) 審査員および審査員が主宰し、または関与する建築設
計組織に所属する者は、この設計競技に応募することが
できない。
(3) 応募者の提出する設計案は1つに限る。
3. 質疑応答
(1) 一切受け付けない
4. 応募設計図書の提出
(1) 提出先東京都中央区銀座西3 丁目1 番地
建設会館日本建築家協会内株式会社建設会館
(2) 提出締切日昭和42 年9 月13 日(水) 午後5 時
5. 応募設計図書
(1) 配置図(縮尺1:100)敷地内の将来計画(B.3に詳記)
を想定し、その位置を示し、かつ駐車場、庭園略図設計
計画を示す。
(2) 各階平面図(縮尺1:100 なお1階は配置図として兼
用してよい)
(3) 断面図(縮尺1:100 1面以上)
(4) 立面図(縮尺1:100 2面以上)
(5) 説明書(設計要旨) 構造・設備・工費概算などを字
数 2 0 0 0 字以内にまとめ、イラストレーションを入れて
もよい。
(6) 応募者の住所、氏名を記した紙片を密封した無記名の
封筒
6. 提出部数
(1) 各1部
(中略)
B.設計条件
当会館は、日本建築家協会の拠点となり、かつ会員相互
のコミュニケーションの場としての性格をもつもので、一
部に東京都建築事務所健康保険組合の事務所もあわせて収
容する。
1. 敷地所在および面積
東京都渋谷区神宮前2丁目4番 10 号(添付案内図に示
されている位置) 敷地面積(実測値)833.07m2 (252.00
坪)
2. 敷地に関する条件
敷地は宅地・住居地域・第5種容積地区・第2文教地
区・準防火地区に指定されており、当敷地附近は電気・ガ
ス・上下水道等の施設が容易に利用される。(中略)
3. 将来計画について
現在の敷地条件は、敷地西側に約 86m2 の崖地(東京都
所有地)を経て、都市計画街路環状四号線に接している。
なおこの道路は、敷地より約−6 mであり、将来この崖地
を買収して、容積制限(この設計競技により建設される建
物を含む限度)までの高層ビルを建設する計画である。し
たがって、その建設に十分な空地を考慮されたい。
4. 建物
建築延面積は750 平方米以内、ピロティ−部分は床面積
に算入する。
(2) 建築設備
空調調和設備・電気設備・給排水衛生設備・その他の必要
な設備を完備したものとする。ただし図面にはこれらの設
備に必要な面積の機械室その他を示すのみでよい。
(3) 建築工事費
4500 万円以内とする。ただし、造園・外構・家具・駐車
場などの工費(総計600 万円以内)を含まない。
(4) 構造は耐火構造とする。
(5) 所要室は次表による。(略)
Bulletin 2009 年度アニュアル号
3
特集:建築家会館/ JIA の守破離
第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
建築家会館コンペ案
1967年
最優秀賞:進来 廉 氏
■進来廉(すずき れん)
1950年:東京大学卒業、前川國男
建築設計事務所勤務(神奈川県
立図書館・音楽堂などに携わる)
1955年:渡仏 カンディリス、
ル・コルビュジエ、ジャン・プ
ルーベ、シャルロット・ペリア
ンに師事
1963年:帰国
1964年:連建築設計事務所設
1972年:レン設計事務所 に組織
変更
1964∼66年:東京大学講師
1964∼71年:横浜国大院講師
1966∼79年:東京電機大教授
新日本建築家協会理事、 国際委
員会委員長、UIA日本支部代表
理事、UIA副会長を歴任
2009年5月4日逝去
1996年シャルロット・ペリアン女史と
優秀賞:
槇 文彦 氏
4
Bulletin 2009 年度アニュアル号
優秀賞:石川 洋美 氏
第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
特集:建築家会館/ JIA の守破離
建築家会館の建設
JAA(旧家協会)当時からご活躍の方に
伺いました
竹ノ内 洋一郎 氏
建築家クラブの思い出
会館のクラブバー
■建築家会館のコンペということで、会員の関心は高かった。
■ 1960年代、先達の建築家たちが、銀座の建築学会会館に同
それまでは銀座の建築会館に建築学会と共に間借りしていたか
居から、この地に、建て、専業の仲間とはばかりなく話し合え
ら、自分たちの居場所ができることが嬉しかった。
る場ができた。
元JIA支部広報委員会 編集委員 大森 康幹
募集要項が発表されてから応募締め切りまで1ヶ月しかなか
話し合う仲介はお酒。1階大ホールの壁に各自のボックスが
ったのでどうなるかなと思ったが、蓋をあけてみると50 案ほ
あり、それぞれ好きなお酒を入れ、訪れたとき仲間と懇談しな
どの応募があった。なかでも 30 ∼ 40 代の若手の建築家の応
がら、だんだんと声も高くなり、旧制高校生に成る方も、われ
募が多かった。私も応募しようと思ってスケッチを描いていた
われ若者もつられ、親しみをもてる時、場所であった。
ら、ある日前川先生に呼ばれてコンペを手伝えと言われ、審査
側に回ったので、応募は断念した。
私たち関東支部ニュース編集員は、集まる日は木曜日、なぜ
なら、故前川國男先生が、かならず秘書を連れてお見えになる。
当時、敷地の西側の都市計画街路環状4号線 (現外苑西通り)
始めは静かで、お酒を嗜んでおられ、私たちも作業が終わろう
に面した崖地部分は東京都の所有地だった。したがって前面道
としている頃合から先生から声が掛かり、いろいろお話を伺っ
路は南側の幅員の細い道路となるので容積率が厳しくて、皆ゾ
て、建築家としての人生論など、特に先生は、人間の血液型に
ーニングには苦労したんじゃないかな。コンペ当選案は、実際
ついて、自論を展開され、建築家向きはA型である。何人も
に建設に至るまでに基本設計の中で何度か手直しが入り、最終
見てきたが、適性であると力説され、B型は、AB 型は、O型
的に現在の形になった。
は、と展開され、A型の者は、このまま進めばよいのか? あ
土地を買うのなら同じ金額でビルを建て直すという意見もあ
ったが、今となればやっぱりあの時自分達で土地を購入して自
れから30 余年。適性だったのかどうか未だに、老骨に鞭打ち
ながら……。
分達の会館を建てたことが良かったと思う。当時は四大学(旧
印象残る先生方、郡菊夫、柳英男の両先生の兵役の話、書道
制) といって東大・早大・日大・芸大の建築の卒業生の交流
の話、住宅公団の標準設計の話、農林省に生活改善普及が、浸
(例えば「建築世代」などのグループ)が盛んに行なわれてい
透し、農村生活に建築家がもっと入り込まなければ……、設計
た。そんな場所となっていったのも、今では懐かしい。
(談)
〈(株) 竹ノ内設計〉
料が支払い出来る人々がどれだけいるのか? 大変刺激を受け、
新聞社の住宅設計相談に、設監協の建築相談室の開設に参加し、
現在のJIA建築相談員に、続けている。
〈(有) 大森建築設計事務所〉
建築家会館と廉さん
レン設計事務所元所員
鈴木喬
■もう40 年以上も昔の話になってしまった。
進来廉さんがフランスから帰国し事務所を始めて3年目、私
が入所した 1967年にコンペがあった。
廉さんが選ばれ、かつての師匠の前川國男先生を施主として
仕事をすることとなった。色々難しい面もあったと思うが、廉
さんは前川先生相手に仕事ができることを喜んでいたに違いな
い。「なかなかウンと言わないんだ」と言いながら図面を持っ
てよく先生の所へ出かけていた。
●建築家クラブとバー
(Photo: OSAMU MURAI)
先生も腹案があるようで、お互いボールを投げ合って楽しん
でいる所があった。お金のない施主だ、と言いながらも廉さん
はしっかりしたものを創ろうと心を定めていた。
施主、設計者のがんばりと施工者の赤字覚悟の協力で、
1968年末、会館は予算をはるかに凌ぐ出来栄えで完成をみた。
その廉さんも去年5月に亡くなり、会館ホールで偲ぶ会が持
たれた。もうすぐ一周忌になる。
〈アーキドラマ〉
●バー風景
●バーにおけるブリッジ風景
(Photo: KEN HAYASHIDA)
特集企画協力:
林田研〈(株) 研建築設計事務所〉(レン設計事務所元所員)
Bulletin 2009 年度アニュアル号
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第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
特集:建築家会館/ JIA の守破離
2 ― 経過: JIA館の建設 1972∼
JIA 会館(旧健保会館)設計の思い出
レン設計事務所元所員
佐野順治
■田の字の中の十の字の先端を繋いで出来る半分の菱形四角形
がメインストラクチャーで、残りの半分の面積がまるまるキャ
ンチレバーという構造上は何とも不安定な形、それは、1970
年大阪万博ワコール・リッカーミシン館のヤジロベー構造の屋
根と似て、進来廉さんの得意とする造形であった。デイテール
は、やはり廉さんより大分前に他界された当時共同していた真
嶋松太さんが仕上げた作品である。この設計が終わると二人が
袂を分かれたことも私には寂しさが残った。
何しろ施主が当時、建築家会館社長の前川國男先生と健保の
理事長の松田軍平先生だったので、初めての常駐監理をする私
には、施主が大建築家という困った事態であった。学生時代に
●JIA館外観(旧健保会館):1972年竣工
前川事務所にアルバイトしたことがあったけれども、その時と
の接続、外苑西通りに面するこの建物と旧館の接道する高い位
は違って大いに緊張したが、みんな優しくて、気持ちよく監理
置の道路の高低差の建築設計上の処理には留意した。
をさせてもらいながら勉強させてもらえた。
予算が少ない処、職業柄希望は大きく施工の大林組、前村所
最も難解だったのは、打放しの角錐柱を最下階から最上階ま
で連続して収斂させる形状だったが、構造計画の湯脇さんを煩
長には最後までご迷惑をおかけした。私は、この竣工の後、現
地のすぐそばで最初の事務所を開いた。
わせた。また、建築家会館の増築の形態を取ったため、旧館と
〈(株) 新都市建築設計事務所〉
3 ― 現在そして未来へ 2008∼
建築家会館/建築家クラブ
今後の展望
建築家会館代表取締役
■金曜の会のこれまでの活動
●2009年
南條洋雄
■株式会社建築家会館は JIA「会館活用委員会」での議論を経
4月
南條 洋雄 氏トーク「私の集合住宅論」
5月
仙田 満 氏トーク
5月
野生司 義光 氏トーク
6月
大宇根 弘司 氏トーク「レンガで建築をつくる」
て、2008 年 10 月「建築家クラブ」をオープンした。所有者
7月
BCS建築家と語る(北氏、芝山氏、山口氏、山木氏)
は「会館」だが運営はJIA本部にお願いしている。発足後1年
11月
国広ジョージ 氏トーク「ナチュラルないんたーなしょなるへ」
半が経過した。利用状況をみると委員会や部会など会議目的の
12月
齋藤 孝彦 氏トーク「建築家と資本主義の倫理」
利用が多いようである。だが本来は会員相互の団欒親睦が目的
●2010年
であり「会員が誰でもいつでも利用できるサロン」を目指して
いる。そのためのインテリアであり、図書コーナーであり、大
型液晶テレビなのだ。単に足りない会議室の代替では残念なの
である。
員に愛される建築家のサロンを実現すべく様々な試みをしてお
り、そのひとつが「金曜の会」である。一人でも多くの会員が
「建築家クラブ」に「参加」し、魅力的なサロンに育てあげて
欲しい。自分達の城に毎晩でも立ち寄って欲しい。多くの会員
がサロンに足繁く通うようになると、自ずと一時休業中のクラ
6
Bulletin 2009 年度アニュアル号
連健夫氏トーク「AAスクールの経験」
当選祝いと4候補一丸となってJIAを盛る上げる会
2月
松下重雄氏トーク「地方に生きる」
3月
青木涼子氏トーク「能ー伝統から現代へ、そして未来へ」
■今後の日程
そこでJIAでは会館活用委員会にクラブ運営WGを置き、会
ブバー再開への道が開けてくるのだ。
1月
2月
〈(株) 南條設計室〉
・5月31日(月) 19時∼
トーク「ラージファームでの設計、魅力と苦悩」
講演者(未定):細田氏(佐藤総合)、田中氏(山下設計)
・6月18日(金) 19時∼
佐々木宏氏トーク(住宅部会・デザイン部会・金曜の会共同主催)
・7月23日(金) 18時∼ 建築家・鬼頭氏を語る会 *その他種々の企画が予定されています。HPなどを御覧ください。
第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
特集:建築家会館/ JIA の守破離
建築家クラブの内装への想い
インテリア・デザイナー
長尾 俊夫
■自由で気楽に利用できるクラブ・ラウンジを目指した。所与
の空間構成を歪めることなく、その特性に素直に沿うよう機能
分化を図った。書架、ラウンジ、カウンター(バー)の三ゾーン。
当面、目論まれた多様な利用形態の意から、ひとつの纏まりあ
る空間とした。建築家クラブに相応しい本物(自然)材料の導入
も念頭に置いた。建築会館入口、バーに使われている楢材を天
井、書架、家具をも含めた基本材とし、また大ホールで長年使
われてきた黒革の椅子を蘇生させて、歴史継承の意を込めた。
コンクリート柱,白壁、楢材生地に書架の黒背景、黒革椅子を
組み合わせトーンを締めた。小椅子の赤オレンジで明るい活気
●↑建築家クラブ平面図
●↓建築家クラブ
を添えた。一時閉鎖したクラブバーの復活への過渡的役割を担
う変形カウンターは今やこの場所での主役になりつつある。こ
の重厚な楢無垢材を丁寧に集成した天板の周りに活動の気が溢
れ、今後会館バーの復興につながる場つくりであったとすれば
幸甚である。
〈剣持デザイン研究所〉
建築家クラブの活用状況
JIA・会館 活用委員会委員
(株) 建築家会館取締役
建築家クラブで ワイワイやろう!
小倉 浩
■建築家クラブは、よく車の両輪に例えられる、店子である
JIA・会館活用委員会委員長
(株) 建築家会館持株会 理事長
大宇 根 弘司
■建築家クラブが出来ました。
JIA と大家である建築家会館の協議の結果、使用者激減のため
いいものが出来てよかった、というのが私の耳に入って来る
閉鎖中のバーに代わる会員交流の場、JIA への訪問客と会員の
大方の皆さんの感想です。しかし本物の建築家クラブにするの
談話スペース、オープンなグループミーティングスペース、ラ
にはまだまだ時間と手間とがかかるだろうなあと思います。実
イブラリー機能などを複合させた形でオープンし1年半が経過
は建築家クラブは株式会社建築家会館のもので、建築家協会は
しました。従来の展示スペースは大ホールに常設、企画展示共
その運営を担当しています。その大元の建築家会館は建築家協
可能な壁面を設けることで対応しました。無線 LAN、大型液
会の正会員が株を持つことで成り立っていますから、全会員が
晶 TV、PJ 用スクリーンを備えたスペースは、2008 年 10 月
会館の存立の趣旨を理解してクラブを利用してくれることを期
末のオープニングパーティ開催以来、会議前後の役員の休憩場
待しています。
所、金曜の会、各地域会、新入会員の集い、UIA 関連の会合、
現在は会館活用委員とそのWG の人達がいろいろ御尽力し
JIA にしかない図書類のライブラリー蓄積等々と活用されてい
てくれて、だんだんといい雰囲気になって来ています。もっと
ますが、とりわけ毎夕のように行なわれている様々な催しは想
利用がふえて、さらにいい雰囲気になれば会館が専従の女性を
定以上の活気で賑わっています。
配置してくれることになっています。早くそうなるといいなあ
全国の会員を対象に設けたこのスペースがさらに有効活用さ
れ、クラブ・バー設置の初心である「処士横議の場」として生
かされることを望んでおります。
と期待しています。
〈(株) 大宇根建築設計事務所〉
〈(株) 小倉設計〉
Bulletin 2009 年度アニュアル号
7
第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
支部長挨拶
関東甲信越支部の 2009 年度
JIA関東甲信越支部
支部長
伊平 則夫
■業務環境改善に向けて
国土交通省が進める“プロポーザルによる設計者選定”と
せん。
関東甲信越支部では、昨秋の京都大会において「『建築基本
“告示 15 号の運用”が、地方自治体レベルではなかなか的確
法』が目指すもの」と題するシンポジウムを主催しました。
に実施されない現実があります。この問題を本年度活動方針
参議院議員、弁護士、作家などをパネリストに交えて広い視
のトップに挙げ、各地域の関連団体と一団となって県、主要
野で議論がなされ大盛会のシンポジウムとなりました。また、
都市に働きかけてきました。また、首長選挙を機会に立候補
新春の集いを「『2011 年の建築家』を考える」シンポジウム
者に対してアンケート調査の形で設計者選定に入札は不適切
として、パネリストに BCS を含む設計五会と伝統構法の大工
である旨を訴えて来ました。
棟梁に加わっていただきました。業態や立場の違うところで
JIA 会長方針で業務環境改善に関連する重要課題だった登録
設計・建築づくりを実践する方々の意見は“職能”を考える
建築家資格制度のオープン化を今年度に実施しました。 UIA
上で非常に参考になりました。“建築家の職能”については
基準に見合う国家制度を目指すという点では会員の誰もが同
2011 年の UIA 大会で国際シンポジウムを開始する方針です。
じ考えなのですが、“オープン化の対象”と“制度の運営機関”
大会までシンポジウムを連続的に開催して、広く一般市民を
の二つの点では JIA 内で意見が一致しませんでした。「建築士
巻き込みながら、議論を深めて行く計画です。
法の中で資格者を業態で区別すべきではない」と「専ら設
UIA大会2011東京に向けて
計・監理業務を行う個人もしくは法人事務所であること」と
JIA の悲願であった UIA 大会の東京開催がいよいよ来年の
いう考えとに分かれました。「JIA 内で制度を運営するのは資
9月に迫っています。JIA が本格的に大会誘致を目指してから、
格制度のオープン化を分からなくするものだ」という反論も
関東甲信越支部ではベルリン大会、イスタンブール大会とに
ありました。結果的には“専業者のみ”を対象とし、“資格制
団体で参加して来ました。東京開催が決まって、 A R C A S I A
度委員会の運営”によるオープン化となりました。しかし、
北京大会に参加し、中国、インドなどアジア新興国の建築家、
その後も登録者数の増加はほとんどなく、制度の運営が J I A
学生たちのとても元気な姿を目の当たりにしてきました。そ
財務を圧迫する心配が出ていますが、今後とも建築家資格制
してトリノ大会に団体で参加、東京大会のアピールに一役を
度の推進は JIA 活動の重要課題であることに変わりありませ
担いました。これからは東京大会の準備に全力を注ぐ時期に
ん。
なります。大会参加登録者を増やし、準備活動をもっと活発
建築基本法の制定推進
にすること。JIA が JOB に協力を約束した寄附金調達も、支
世界的な経済不況が続く中で、日本社会では民主党への政
部の次年度以降の大きな課題です。UIA 東京では国際シンポ
権交代という歴史的な出来事がありました。新政権は脱官僚、
ジウムの開催などで、建築家の職能を広く社会に対してアピ
地域分権などを掲げ、「コンクリートから人へ」という標語の
ールし、日本の優れた環境技術、プロダクツ、ノウハウを世
下、土木・建築の公共工事から、子育て・福祉政策に重点が
界に発信する大変良い良い機会です。そして、JIA 定款の「目
置かれることになりました。国土交通大臣は建設業界の経済
的・事業」に謳われているように“建築文化の向上に資する
活性化策として現行申請業務の迅速化を図るため、建築基準
国際交流”の大舞台がこの UIA 大会東京だと考えます。建築
法の再改正を実施するとしております。確認申請の“期間短
家協会の大先達の夢が、私たちの代で今現実になるのです。
縮”、“書類軽減”、“厳罰化”の三つを改正のポイントとして
■これから
います。また、副大臣は“建築基本法”の制定を視野に入れ
この1年は唐突な“支部長選挙戦”という反省点がありま
ているとのことです。建築の関連法体系が大きく動きつつあ
したが、支部・地域会活動は総じて健全に活発に行われて来
るように思われます。“建築基本法”の制定の下では建築基準
ました。私は、新支部長とその執行部に支部の舵取りをバト
法、建築士法、都市計画法等を抜本的に見直して、税制や保
ンタッチしますが、一会員として継続して UIA 大会東京開催
険制度などの社会の仕組みも変え、その中で建築家の職能、
を支援し、その準備活動を続けるつもりです。
資格制度や選定方法などが確立されるものでなければなりま
8
Bulletin 2009 年度アニュアル号
〈(株) 久米設計〉
第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
建築界の連携とUIA 東京大会
四役の声
初心にもどって
「変わらないこと、変えること」
徒然なる想い……
幹事長
副幹事長
副幹事長
森 暢郎
今井 均
西勝 郁郎
■これまで高速道路を安心して走ってい
■ 20 年余に渡りJIAは建築家の社会的
■沖縄本島今帰仁城跡の西に位置する本
た私たちは、気が付けば先が見えず走り
位置付に多くの時間を割いてきたと思い
部町「備瀬のフクギ並木集落」を訪れた。
にくい畦道や山道を走らざる得ない状況
ます。新建築家協会発足時の圧力団体を
エメラルドの海と白い砂浜は、高瀬貝や
にいます。これが建築界の現況だと思い
めざしたJIA はいまや会員一人一人が世
サンゴが打上げられるほどの自然に溢れ、
ます。
間というフィールドにでて、地域会とい
うっそうとしたフクギ並木は夏日陰に適
建築の諸団体は、建築界を取り巻く社
う新しい取り組みの中で活動するべく方
し嵐の時は防風林となる緑に覆われた集
会環境の激変に呼応して、市民に向けた
向転換する時期にきていると感じます。
落だ。環境問題をことさら最新の設備機
発信を行う動きを始め、建築基本法など
個人としての建築家の位置づけは時代が
器でビジネスチャンスにしようとする人
の共通課題に連帯して取り組むようにな
どう変化しようと基本的には同じ想いで、
が居るかたわらで、何百年もの昔から変
りました。最近では建築五会が建築や都
その運動の取り組み方こそ違え、今後も
わらずに自然と供に環境を守って暮らし
市に関する制度と仕組みについての意見
推進していかねばならないと思いますが
てきた人々が居ることに心打たれた。
交換を始めています。
皮肉なことに建築家という名称も世間で
変わらないこと、変えること。JIA で
このような情勢の中にあって、JIA の
は近年日常的にも使われるようになりま
は伊平支部長の下で、副支部長、副幹事
役割は極めて大きいと思います。JIA は
した。どうもある種の企業の宣伝活動に
長として様々な事を学んだ。特に、支部
各団体に呼び掛けて協議の場を用意し、
利用されているといった中でのことであ
の財政問題への対応は辛い日々に明け暮
論点を整理し方向付けを行なっていかね
るように感じ、複雑な状況とも思います。
れたがどうにか危機は回避した。しかし、
ばなりません。そして中央と地方、組織
今後 JIA としては支部と地域会をどう上
今なお、本部財政は悪化し続けこの二年
と個人のような違いを際立たせる議論で
手に連携していくかが今後の大きな課題
間で最悪の事態に直面している。「会費
はなく、小異を捨てて大同につくことが
かと思います。また会員の特権?として
改定の問題」は、早急に根本から変えな
重要になります。
私事で言えば多くの敬愛する先輩会員と
くてはいけない最大の課題である。また、
の分け隔てのない自由な気風の中での交
JIA 設立時の理念を変えずに、変わらな
京大会で、この大会を建築界全体で成功
流こそがJIA の素晴らしい処と思います。
くてはいけない事に「法人形態」と「定
裡に導くことは、当支部会員が一致して
この想いをもう一度復活させ、殺伐とし
款改正」がある。難題だが会員の意見集
大会に協力することがどこまでできるか
てきた社会にあって、個人としての建築
約がこれ程大切な案件は他にない。何し
どうかに懸かっています。
家に勇気と様々な示唆を会員相互のなか
ろ JIA の将来を決定する訳だから心して
で育んでいくことを願いたく思います。
取り組まなければいけない。さらに、
この連携の試金石が 2011 年 UIA 東
何はともあれ JIAは、いかなる渦中で
も、五感を全開にして厳しい道を上手く
UIA大会もその精神の延長線として位
走り抜けると考えています。
置づけられるよう内容の充実を計り、多
なくてはいけない大会だ。先輩方が苦労
くの会員のサポートをお願いしたいと思
して誘致した UIA を日本で開催する目
います。
的や意義は決して変えてはいけないと思
結びに一言。私は幹事長を今般退任し
ます。この間、支部財政の改善、東京大
会の企画運営、東京の地域会設立などに
〈創建築アトリエ〉
「UIA 2011東京大会」は是非成功させ
う。
も関わりましたが、支部役員や会員の支
最後に、伊平支部長の4年間の活動と
援を受けて幹事長職を二期4年大過なく
ご尽力に対し、心から変わらぬ敬意を表
務めることができました。心より感謝し
したい。ありがとうございました。
ています。
〈(株) 山下設計〉
〈一級建築士事務所西勝建築設計〉
Bulletin 2009 年度アニュアル号
9
第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
四役の声
UIA 東京大会と新生 JIA
JIA 活動を支える正会員と
賛助会員の交流
日本建築家協会の今後の課題
副支部長
副支部長
副支部長
上浪 寛
東條 隆郎
野生司 義光
■私は支部では副支部長ならびに UIA
■ JIA の活動は、建築家という職能理念
■今、日本建築家協会で、一番の問題は
東京大会支部準備委員会委員長、本部で
に基づきその資質向上とともに、社会的
財政である。
は定款改定特別委員会委員と実務委員会
資産・文化的資産として質の高い建築や
仙田会長および松原支部長時代に、財
委員、また JOB(UIA 準備日本組織委員
まちなみを創り出していくための社会貢
政検討のタスクフォースを作り、本部が
会: UIA 東京大会のため国と建築5団体を
献が目的の一つであると思います。関東
会費 36,000 円のうち 18,000 円を本部
中心とした合同組織)の広報副部会長とし
甲信越支部では、その JIA 活動の大きな
が予算として取り、仙田会長は「十分で
て活動しました。UIA 大会は残すとこ
柱の一つが地域会活動です。2008 年度
はないが、この金額で本部会計を乗り切
ろ後1年半足らずとなり、特に広報はこ
に目黒地域会が出来、9の県の地域会、
る」と約束した。残りを各支部にて分配
れからの1年間が勝負で、メンバーは
14 の東京の地域会となり、関東甲信越
する形で、予算を決めた。残りの不足分
日々手分けして活動に精を出しておりま
全域に活動の拠点が出来ました。2009
は各支部で集める形になり、関東甲信越
す。JIA 先輩たちの悲願であったこの大
年度も所属する建築家が JIA 支部・地域
支部では、最初の1年は緊急拠出金とし
会開催の意義を再確認し、この時代に生
会をプラットホームとして様々な活発な
て、10,000 円を会員から集めた。次年
きる会員にとっての大きなチャンスとし
活動を行なっています。また、これら支
度からは、6,000 円を支部会費として集
て捉え、UIA 大会を成功に導く一助に
部の様々な活動には賛助会の参加・支援
めることになった。それで何とかお金の
なりたいと考えています。
があります。会費とともに賛助会からの
話は、一段落ついたと誰もが思った。し
昨年8月には次期支部長選挙に立候補
財政支援により支部の活動が支えられて
かしながら、次期会長選で、仙田満さん
をしました。これも、UIA 大会の成功
います。この賛助会会員と正会員との相
が敗れ出江寛さんが会長に決まり、続い
へ寄与したいという思いと、新しい法人
互の交流・研鑽を目的として交流委員会
て専務理事も柳澤氏から森田氏に代わり、
形態選択をきっかけに、若い建築家にも
があり、業種別にAからGのグループ
トップ2人が変わって、財政再建が最重
魅力的でサスティナブルな新生 JIA を目
がそれぞれ活発に活動しています。様々
要課題となった。この2人が、今期限り
指す一助になりたいと考えたからです。
なセミナーや建物視察、新技術・新製品
で退くが、残した課題はあまりにも大き
選挙では多くの会員の皆様に応援して
情報の会員への発信、毎年開催されてい
い。年間5,000万もの赤字を作ってしま
いただきました。この紙面をお借りして
る交流大会などを通じて正会員との交流
った。会員一人当たり 10,000 円の会費
感謝申し上げます。選挙を通じて早い段
を図っています。我々の活動は我々のみ
増の金額である。
階で会員の皆様から直に激励や要望を聞
ではなく多様な人々との関わり・協働の
今、家協会には貯えがない。UIA 大
くことができました。UIA 大会開催な
もと行われています。正会員と賛助会会
会も来年に控えている。そちらは後、3
らびに新法人形態移行にともなう定款改
員との交流もその一助になると思います。
億円集めなくてはならない。この難題を
定という大きな課題を2年間の任期中に
今後も多くの正会員と賛助会会員との活
背負って、芦原会長がスタートする。
抱え、火中の栗を拾うようなものかもし
発な交流が図られることを望みます。
れませんが、新執行部ともども、会員の
皆様の協力を賜りながら運営していきた
いと思っておりますので、どうぞよろし
くお願い申し上げます。
〈(株) 構想建築設計研究所〉
10
Bulletin 2009 年度アニュアル号
〈(株) 三菱地所設計〉
大変なことである。
〈(株) 野生司環境設計〉
第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
委員会活動報告
総務委員会
建築セミナー実行委員会
委員長:西勝 郁郎
委員長:木下庸子+渡辺真理
■総務委員会は、支部総会を始めとして支部主催の会議を準備し、
■ JIA 建築セミナーは今年度は 32 名のセミナー生を集めて6月
支部執行部と密接に直接間接に関わり運営する委員会です。さら
に開講、本年2月まで九つの「プロジェクト」(講演会、ワーク
に最近では、これら会議後の懇親会の企画やメニューの選定まで、
ショップ、見学会)などを行なった。プロジェクトのいくつかを
その活動は広範です。毎月1回開催される委員会では、入会、休
紹介するなら、7月には妻有アートトリエンナーレを2泊3日で
会、退会者の審査を行ないます。また、規定や細則の原案および
見学した。1 0 月にはスカイハウスと塔の家を見学し、後日、菊
改正案の作成や、各地域会の予算配分案の検討など、その活動は
竹雪さん、東理恵さんから実家が名作住宅であることについて植
支部の中枢機関として多岐に渡ります。今年度は、新委員長とし
田実さんのコーディネートでお話を伺った。2月の最終回には陣
て「会員懇談会」を5月と7月に2回、 10 月に JIA 会長および
内秀信氏と中沢新一氏のお二人から「東京のリアル」というタイ
支部長選挙の「立会演説会」、10 月にアーキテクツ・ガーデンに
トルで東京のゲニウス・ロキを議論する機会をえた。毎回セミナ
参加し「新会員の集い」、1月に「新春の集い」をそれぞれ開催し
ー後には会場で会費 500 円の「ワン・コイン・パーティ」を開い
ました。
たが、講師とセミナー参加者の懇談するよい機会となった。
〈一級事務所建築士西勝建築設計〉
〈設計組織ADH:木下庸子(工学院大学)+渡辺真理(法政大学)〉
設計業務環境改善委員会
JIA トーク実行委員会
委員長:森岡 茂夫
委員長:平倉 直子
■本委員会は、出江会長の強い意向により本部に設置された特別
■日新工業の後援により、1976 年頃から記録にあるもので 138
委員会を親委員会として、各支部に設置されました。
回の催しを行なっています。会員増をめざし若い人にアピールす
文字通り、会員の業務環境改善の方策を協議し、活動するため
る。JIA 会館のピアノを活用しその響きで会場を満たす。環境に
の委員会です。中でも重点的に取組んだのが、ダンピング・告示
つながる話。一人は女性。など四つの目標を掲げ、参加者総数約
1 5 号・確認申請に重要事項説明書の添付・国土交通省の工事監
600人、企画をする楽しみも味わいました。
理ガイドライン・住宅瑕疵担保履行法などへの提言。
住宅瑕疵担保履行法は当初、伝統工法による木造住宅は保険の
第1回グラフィックデザイナー・佐藤卓氏「ほどほどを、徹底
的にデザインする」/第2回作曲家・三枝成彰氏「驚きの西洋音
対象外となっていましたが、JIA の提言により対象となりました。
楽をお教えします」/第3回ジャズピ
また、告示 15 号や工事監理ガイドラインの作成時に、当委員会
アニスト・山下洋輔氏「即効の音楽ジ
が国土交通省に行なった提言が取り入れられ、大きな成果となり
ャズについて」/第4回江戸学研究:
ました。
法政大学教授・田中優子氏「未来のた
〈アルフィ建築デザイン〉
●第3回山下洋輔氏
めの江戸学」 〈平倉直子建築設計事務所〉
アーバントリップ実行委員会
学生デザイン実行委員会
委員長:近藤 昇
委員長:村山 隆司
■会員研修のための見学会を、東京ガス(株) の後援を頂いて年3
■東京都学生卒業設計コンクールは今年で 18 回を数え、作品の出展数も
年々増え、今年は都内 25 大学から 55 作品が集まり、充実した会になりま
した。2009 年 5 月 30 日に工学院大学新宿キャンパスのアトリウムを会場
にして、多くの聴衆を集め公開審査が行なわれました。
審査委員には、北山恒氏、小玉祐一郎氏、東理恵氏、ヨコミゾマコト氏、
岡村仁氏らを迎え、それぞれの立場からの視点で、卒業設計としての評価
をいただきました。午前中の1次審査は、すべての出展者と審査員が意見
を交わせるように多くの時間を割き、午後の2次、3次審査へと進みまし
た。3次審査では学生のプレゼンテーションと審査員との質疑応答を交わ
し、審査員同士の熱い議論も行なわれ、「その形態が建築といえるのか」と
いうような、熱い議論を交え、まれにみる審査風景となりました。審査員
の様々な意見のやりとりは、卒業作品に対しての様々な批評を生で感じ取
ることができ、大変に貴重な時間を体験できたことと考えています。
金賞、銀賞、銅賞は前述の過程の中で投票を行ない、多くの議論の末に
選ばれた作品です。また、さらに審査員特別賞をもうけ、合議で決まる金
賞、銀賞、銅賞以外の中から、審査員独自の視点での北山賞、小玉賞、東
賞、ヨコミゾ賞、岡村賞を選出いたしました。
回開催しています。3回の内2回は1日バス見学とし、1回は徒
歩半日見学です。「プロフェッショナルとして学び、各々の創造
性構築の参考となる機会を設ける」を基本とし、毎月開催される
委員会では担当者を決め全員で様々な切り口から企画・検討して
います。見学会では設計者の方に解説をお願いすることにしてい
ます。毎回楽しめる見学会を考えておりますので、是非ご参加下
さい。
60回座・高円寺
〈近藤総合計画事務所〉
61回SUMIKA
62回川本製作所
〈村山隆司アトリエ一級建築士事務所〉
Bulletin 2009 年度アニュアル号
11
第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
委員会活動報告
大学院修士設計展実行委員会
建築相談委員会
委員長:飯村 和道
委員長:阿部 一尋
■環境・建築系大学院の各専攻では、修士論文に替えて、修士設
■ JIA の対社会活動・公益事業として市民向け建築相談を行なっ
計の提出を認める専攻が漸増しております。そのため、当実行委
ている。今年度は特に相談員の資質向上を目的に、計5回の研修
員会では後進育成の事業の一環として、修士設計を支援する立場
会を開催した。 JIA 賛助会員のご協力を得て、防水・塗装・コン
から、関東甲信越支部における「大学院修士設計展」を 2003 年
クリート・タイル・サッシをテーマに開催し、一般会員の参加も
より実施しております。本年で第7回目を迎え、作品数も 28 点
(18 大学)と定着しつつあります。展示方法は、今までどおり各
勧め好評であった。JIA 京都大会において他支部の相談委員会と
情報交換するとともに、当組織の本部復帰を全国各支部に訴えた。
大学院専攻より選ばれた優秀作品を JIA 関東甲信越支部のホーム
JIA として全国統一的な相談活
ページに1年間掲載する方法を採っております。また、第 10 回
動が必要であり、全支部の賛同
に向けて今までの作品を掲載した広報用小冊子の制作と、毎年発
を基に、本部理事会の承認を得
行できるパンフレットの企画制作を検討しております。
て平成 2 2 年度から本部建築相
談委員会が復活する。
〈女子美術大学学芸部デザイン学科〉
〈NPO横浜マンション管理組合ネットワーク〉
●研修会風景
広報委員会
保存問題委員会
委員長:中村 高淑
委員長:和田 昇三
■若手中心の活気ある委員会です。2009 年度の主な活動を紹介
■当委員会では東京中央郵便局に対して 1999 年から重要文化財
します。
指定や保存活用の要望を繰り返し行なってきたが、部分保存とい
① 会報誌「Bulletin」の企画発行:年間7号発刊。印刷所を見
直すことによりオールカラー化とコストダウンを実現。② WEB
サイト・ブログの企画運営:前年度の会員向サイトに引き続き一
う結果に対して、昨年7月「声明」を発表し「モダニズム建築・
存亡の危機を越えるために」というテーマでシンポジウムを開催
した。また、今年度は「世田谷区民会館を始めとする庁舎群」
「博報堂旧本館」「片倉工業旧本社ビル」「歌舞伎座」に対して保
般向けサイトをリニューアル。③ メールマガジンを毎週発行。
存要望書を提出した。この中のいくつかは近
④ 連携強化:本部−支部−地域会間の広報連携に加え、 J O B
いうちに取り壊されると聞いている。
昨年の事業仕分けのさいに野依良治氏が
(UIA大会)との連携準備を進めた。⑤ 一般向け広報:会員向け
「果たして将来、歴史という法廷に立つ覚悟
広報の充実を図りつつ、一般向け広報強化に向けて整備中。
はできているのか」と発言されたが、我々建
次年度は広報委員長、編集長が交代、新しい広報体制になりま
す。
〈中村高淑建築設計事務所〉
築家はこの言葉をどのように受け止めたら良
●博報堂旧本館
いであろうか。
〈足利工業大学〉
交流委員会
支部実務委員会
委員長:鈴木 敏彦
委員長:野生司 義光
■交流委員会は、支部の正会員と賛助会員がパートナーと
■ついに「登録建築家」制度がオープン化に
して技術や情報の交流を通して相互研鑽し、建築技術なら
「登録建築家」制度を当初の予定に沿い、社会的制度と
びに建築物の質の向上・発展を目指すことを目的とする委
して、昨年の 1 2 月 1 5 日より J I A 会員以外にも開放して
運用することになった。その結果、JIA 会員外から1名登
員会です。
活動は、セミナー、施設見学会、懇親ゴルフコンペなど
を通年で開催しており、2009 年度は建築相談委員会との
録建築家になり、9名が新たな登録建築家として認定され
た。今回、更新申請者のうち、237 名については、何れも
更新要件を満たしており、支部認定評議会より認定された。
共催で賛助会員企業による連続研修会を開催しました。支
しかしながら、更新者 66 名については、いくつかの基準
部財政に大きく貢献している賛助会員制度への正会員の皆
を満たしていないため、3月末までに更新要件を満たし、
様のご理解を賜ると共に、交流委員会の種々の活動への正
かつ更新手続きがなされたものは、支部建築家資格制度委
会員、賛助会員の皆様の多数の参加をお待ちしております。
員会が確認の上、更新を認めるものとする。
〈(株) 大建設計〉
12
Bulletin 2009 年度アニュアル号
〈(株) 野生司環境設計〉
第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
委員会活動報告・支部トピックス
アーキテクツ・ガーデン 2009
建築祭実行委員会
■委員会一覧
●
総務委員会
委員長:西勝 郁郎
●
支部設計業務環境改善委員会
委員長:森岡 茂夫
●
アーバントリップ実行委員会
委員長:近藤 昇
●
教育文化事業委員会
委員長:野生司 義光
■今年の AG2009 建築祭も昨年に続き JIA の本拠地神宮前で 10
●
建築セミナー実行委員会 委員長:木下 庸子・渡辺 真理
月下旬の4日間をコア期間に「日本の暮らし・わがまち」をテー
●
JIAトーク実行委員会
マに開催されました(詳細はBulletin2010年2月号をご参照下さい)。
●
学生デザイン実行委員会
委員長:村山 隆司
●
大学院修士設計展実行委員会
委員長:飯村 和道
●
広報委員会
委員長:中村 高淑
・Bulletin編集WG
編集長:鈴木 利美
委員長:西勝 郁郎
建築家の存在を市民に知らせることを目的に長年開催されてき
た伝統ある AG 建築祭は、毎年少しずつ参加者を増やしながら、
オープニングセミナーは演劇学者の河竹登志夫さんをゲストに大
・ホームページWG
主査:中澤 克秀
●
交流委員会
委員長:鈴木 敏彦
●
建築相談委員会
委員長:阿部 一尋
好評でした。また、展示は9地域会と 10 の委員会・部会が日頃
の成果を発表し、サテライト会場も含めた各種セミナーは6セッ
委員長:平倉 直子
ション、エクスカーションやウォッチングが6イベント、懇親会
・対市民建築相談室
も3企画開催されました。来年もより多くの参加者を歓迎しま
●
保存問題委員会
委員長:和田 昇三
す。
●
苦情対応委員会
委員長:石原 直次
●
支部実務委員会
委員長:野生司 義光
●
アーキテクツ・ガーデン実行委員会
委員長:西勝 郁郎
●
顧客支援システム委員会
委員長:瀧川 公策
●
2011年UIA大会支部準備委員会
委員長:上浪 寛
〈一級建築士事務所西勝建築設計〉
顧客支援システム委員会
委員長:瀧川 公策
■アーキテクツ・ファイルはスタートして3年が経過しました。
支部トピックス
スタート以来、委員会では、ファイル登録の建築家を増やすこと
と、顧客すなわち市民との接点をいかに広げるかを課題に議論を
重ねてきました。2009 年度は、社会とのインターフェースのひ
保存問題山梨大会
とつとして、メンバー紹介を兼ねたアーキテクツファイルの書籍
実行委員長:網野 隆明
の出版を企画し、準備を進めてきましたが、
参加メンバーも充実し5月にはいよいよ発刊
されることになりました。一方で、ファイル
への登録申込みも 100 名を超えました。委員
会としては今後、さらに登録メンバーの増加
と、社会との接点を広げる方策を探ると共に
実績を増やすべく努力する予定です。
●出版予定の書籍の表紙(イメージ)
〈瀧川環境・建築研究所〉
■保存問題委員会と山梨地域会は 2 月 2 0 ・ 2 1 の両日、
甲州市の塩山・勝沼地区を中心に第 19 回保存問題山梨大
会を開催した。ここは明治以降、養蚕業と観光葡萄園、そ
してワイン醸造の発達した地域であるが、そうした近代産
業を支える建築技術ならびに関連産業は近世以前から当地
域にはぐくまれていた。歴史的な建築の保存は現在のみな
らず、地域の未来のためにも貴重な資産となっていること
が、今も地域内に残る民家集落の活用事例や各ワイナリー
の建築からうかがい知ることができたと思う。
2011 年 UIA 東京大会
JIA 関東甲信越支部準備委員会
〈(有) アルケドアティス〉
委員長:上浪 寛
■ UIA 東京大会まであと1年半となりました。世界中か
ら1万人に及ぶ建築家が東京に集まり、一般市民を巻き込
んだ大きな国際イベントとなります。国、東京都、建築5
団体が中心としてフェデレーションを組み、準備を進めて
●基調講演:シンポジウム
●現地視察
*詳細は2010年6月号223号を御覧ください。
■2009年度支部総会:懇親会
います。
J I A の先輩達が U I A 大会を誘致した意義を再確認し、
お膝元である関東甲信越支部が 1 0 0 余りあるプログラム
への積極的な関与をしながら大会を盛り上げていきます。
皆さんの積極的な参加を期待しております。
〈(株) 構想建築設計研究所〉
Bulletin 2009 年度アニュアル号
13
第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
地域会活動報告
JIA 神奈川
JIA 埼玉
代表:森岡 茂夫
代表:三浦 清史
■神奈川から開く!
りました。タスクフォース的な WG を増やすことで、一人でも多くの会員
■和光市が主催する「放課後こども教室」で建築家の役割を紹介する
機会が与えられ、「空間ワークショップ」を通して、子供たちに家づ
くりの楽しみを体験してもらうことになりました。瓦桟の寸面の木材
をゴム輪でジョイントし「お家」を作るこのワークショップ、すでに
いくつかの地域会で経験を重ねてきた活動ですが、僕たちの地域会で
は初めての試みです。老舗の中野地域会と実績の三多摩地域会、両地
域会の方々の協力を仰ぎ、なんとか実施まで辿り着くことができまし
た。
少し風はあるものの、陽射しも暖かく絶好のワークショップ日和。
一年生から六年生まで 26 人の小学生が集まり、緊張する中にも楽し
い土曜日の午前中を過ごすことができました。僕たちにとって嬉しか
ったことは「この次はいつやるの」という小学生からのリクエストの
声。その模様は写真でご覧ください。
最後にこの誌面を借りて、上記両地域会のご尽力にお礼申し上げる
と共に、不慣れゆえの不手際をお詫び申し上げる次第です。
が参加できるようにするのが狙いでした。その結果、建築 WEEK やテレ
〈こうだ建築設計事務所〉
私が JIA 神奈川7代目の代表に就任したのは、一艘の黒船が神奈川の浦
賀に来航してからちょうど 150 年目の年にあたります。活動方針を「神奈
川から開く!」と掲げたのは、閉塞した建築界と JIA の突破口をなんとか
見つけたいという思いからでした。そこで、会員に二つの活動方針を呼び
かけました。「活動方針1:社会の信任を得る!」「活動方針2:1%の
JIA活動を!」
その方針を明確にするため、今まであった委員会構成を大きく変更し、
委員会は総務委員会と広報委員会、対会員活動委員会と対社会活動委員会
の四つとしました。対会員活動委員会には、見学会・コンペ・仕事役立ち
講座・業務支援・神奈川 CPD 協議会の WG を、そして対社会活動委員会
には、建築相談室・建築 WEEK ・災害対策・学生コンテスト・住まい講
座・まちづくり・子どもワークショップ・建物ウォッチングの WG をつく
ビ神奈川と横浜市から依頼を受けて開催した子どもワークショップには、
正会員はもとより多くの賛助会員もイベントに参加し、年頭に掲げ活動方
針の目的を達成することができました。
これからも、市民社会の信任を得るため
に、一人でも多くの会員が JIA 活動に参
加してくれることを願っています。
〈アルフィ建築デザイン〉
●テレビ取材を受けた子どもワークショップ
● 3月13日和光市役所前で開催した空間ワークショップ「お家をつくろう」
JIA 千葉
JIA 茨城クラブ
代表:櫻井 修
代表:天 茂彦
■倫理観・理念を保持し、多様な変化に柔軟に対応
千葉地域会は新体制となり、方針を「変革、持続、実行」とし、建
■茨城地域会では毎月1回例会を開催し、会員の情報共有を図っ
築家としての倫理観・理念を保持し社会変化に柔軟に対応、持続可能
ています。本年度は、天茂彦地域会会長になって2年目となり、
で実行を伴う組織の構築を目指すことを再確認しました。具体的な活
活動内容が更に拡大しました。
動として、県内文化遺産の掘り起し(千葉市の旧検見川送信所が保存を前
提とした調査の実施他)、また、県より、建築設計業務の環境改善を意図
「『茨城の建築家』作品展」も3回目を迎えて恒例行事となり、
平成 21 年 11 月 28 日より平成 21 年 12 月 11 日、学校法人リリ
する、「建築設計業務報酬・入札及び契約制度の改正 (案)」が示され、
ー文化学園専門学校文化デザイナー学院のギャラリーにおいて開
関連団体との意見交換や要望書の受理を経て実施されます。今回は
催しました。
「設計入札以外の選定方法による業務委託」とする本来の目的を前提
会期中には、11 月 28 日に建築家西沢大良氏をお迎えして講演
とした現制度の見直しと理解しています。さらに、建築確認申請業務
会を、1 2 月5日には出展者によるギャラリートークを開催しま
の省力化に繋がるアンケート、県建築設計関連団体と同指定確認検査
した。
機関連絡協議会との意見交換会の実施、大学院の実務認定の見直しを
図る、産学連携による建築教育について意見交換する「千葉県産学連
また、今年度より茨城県消費生活センターから委託を受け、毎
月2回建築相談に地域会会員が対応しています。
携建築教育連絡会議」によるインターンシップの実施が推進されます。
これらは県内建築設計関連6団体の連携活動が評価されたものです。
継続的な活動として、建築相談会の積極開催、講演会・見学会・旅行、
学生賞の拡大開催に加え、今後、会員・市民の作品・業績の発表の場
の定例化や千葉県の住環境の向上や良質な資産形成を図るため県内主
要都市との意見交換会の開催が予定されています。これら、官・産・
学・民との協働を通して建築家の倫理・理念が広く伝わり職能評価が
得られれば幸いです。
14
Bulletin 2009 年度アニュアル号
〈株) 桑田建築設計事務所〉
●講演する西沢大良氏
〈(株) 天建築設計事務所〉
第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
地域会活動報告
JIA 栃木クラブ
JIA 山梨クラブ
代表:藤原 宏史
代表:長田 孝三
■ 2009年栃木クラブの活動報告
■山梨クラブは会員数8名の小さな地域会ですが、全員がアクティブ会員
で、団結力・行動力は素晴らしく、和気あいあいとした会です。
◎地域貢献活動
1 ―甲府市中心市街地の活性化とまちづくり
・各商店街を対象にした活性化の提案の県内の大学生との共同提出。
・店舗デザインコンテストを商工会議所と共催
・中心市街地に再生モデル地区の設定とデザイン提案
2 ―地域自治会おしかけ講座「地震に強いまちづくり・家づくり」の継続
実施
◎保存活動
1―旧県立図書館保存要望
同建築物は築 80 年のアールデコ調コンクリート建築物で、以下の活動
の結果、再現可能な詳細な図面・記録と貴重で特徴的な部位の保存に
至りました。
・保存要望書を支部保存問題委員会と共同提出
・見学会やシンポジウムの開催。80余名が参加
2 ―保存問題山梨大会
歴史的建造物の保存活用をテーマとし、以下の見学会やシンポジウム
の開催。120余名の参加者。
・甲州市塩山・勝沼地区の日本最古のワイナリー
・JR廃線トンネル利用のワインカーブ
・甲州民家の集落
◎その他例年開催
1 ―卒業設計コンクール
2 ―見学会。今年は二回実施
3 ―月例会。親睦と情報交換・活動企画の場
① 2ヵ月ごとの定例会議の開催、②県内学生との宿泊研修 (スクール
in 栃木)、③会員参加の研修旅行 (研修見学会)、④県内学生の卒業作品の
表彰 (JIA 栃木クラブ賞)、以上が恒例となってる当クラブの年間行事で
す。
第 16 回スクール in 栃木は(10 月 24 日∼ 25 日実施)芦原太郎氏
をゲストに迎えて葛生、栃木を舞台に「街をつくる建築」をテーマに
しての研修でした。
会員参加の研修見学会は、越後妻有トリエンナーレ見学 ( 9 月 5 日 ∼
6日実施) を見学し、第
26 回 JIA 栃木クラブ賞は (3月 13 日∼ 20 日) 間
もなく表彰式、展示会が行なわれようとしています。
栃木クラブの今後の課題はクラブの若返りと若い会員を増員です。
それからもう一つの大きな課題は来年度宇都宮市大谷で行なわれる各
県持ち回りの保存問題大会の準備です。
いずれの課題についても会員力を合わせて取り組むつもりでいま
す。
●JIAスクールin栃木
〈佐藤公紀/栃木地域会〉
●JIAスクールin栃木
●研修見学会集合写真
〈(株) イズ〉
JIA 群馬クラブ
JIA 長野県クラブ
代表:神澤 宣次
代表:赤羽 吉人
●第19回保存問題山梨大会にて
■平成 10 年 2 月 26 日、あいにくの小雨模様ではありましたが、JIA 群馬地域
会による CPD 見学研修として、群馬県伊勢崎市にあるカッシーナ工場の見学会
が、一般参加者十数名を含む多くの参加者のもと開催されました。
■ JIA 長野県クラブの構成員は正会員 70 名、賛助会員 58 社。常設委
カッシーナと言えば、建築家ル・コルビュジエがデザインした椅子などで大
員会は総務・広報・出版・会員・事業・まちづくりの六つ。会員委員
変有名ですが、ここでは主にソファなどのウレタン成形、布・皮加工、成形を
会内に職能部会を設置しています。UIA 大会準備特別委員会が発足し
行なっており、輸入布の検品からカット、縫製、組み立ての一連の様子を見学
たばかりです。
しました。それぞれ独特な特殊機械を用いた加工がなされていて、特にウレタ
ン成形には独自のノウハウがあり、金型加工から成形、骨材の様子など、独自
の成形技術を見せて頂きました。
12 月に「信州の建築家とつくる家」第6集を発刊しました。会報の
一方、工場の設計は難波和彦氏によるも
発行は年4回、ホームページの充実にも取り組んでいます。2月末に
のであり、ローコストながら機能的かつシ
松本市美術館との共同開催で建築祭(講演会・卒業設計コンクール・
ステマチックに組み上げられた建物は、設
会員建築展)を開催しました。
計者の特徴を色濃く反映し見事に昇華した
ものとなっており、丁寧に検討されたであ
●カッシーナ工場外観
地域会活動の主眼は地域社会に向けての対外的情報発信です。昨年
会員の研鑽と交流を兼ねて研修会や見学会、技術交流会、会員集会
ろう各部ディテールも、皆真剣に見入って
等を行ないました。建築家資格制度のオープン化をテーマとするシン
おりました。
ポジウムや、告示 15 号、設計監理業務委託契約書についての勉強会
見学を快く受け入れて頂きました、株式会社
CIXM の代表取締役 堀尾様には、自身自ら案内を頂
き、会社の成り立ちや経緯、難波氏との出会いや出
来事など、大変興味深いお話を伺うことが出来、と
ても意義の深い見学会となりました。
堀尾様始め会社の方々に感謝の意を表すると共に、
参加頂いた方々がこのような良品をよく知っておら
も行なっています。
地域会として年間 29 単位の CPD プログラムを提供しており、委員
会活動も加えて全会員 36 単位取得を目指しています。来年度は UIA
大会に向けての活動、参加登録促
進が大きな課題です。
〈(株) 林魏建築設計事務所〉
れ、深い興味を持たれていることに、感銘を受けな
がら、帰路に着きました。
●同:館内アウトレットショップ
〈かんざわ一級建築士事務所〉
●長野県学生卒業設計コンクール審査風景
Bulletin 2009 年度アニュアル号
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第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
地域会活動報告
JIA 新潟クラブ
JIA 三多摩地域会
代表:塚本 久志
代表:高田 典夫
■本年度の活動としては、武蔵野市立小学校での空間ワークショップ
■新潟クラブは正会員 26 名ですが、南北に長い地形や冬の豪雪
「家をつくろう」/東大和市中央公民館での空間ワークショップ/
など、なかなか皆さんが集まりにくい環境の中次の活動を行ない
「東京の奥深さを探る」秋のツアー/こども環境学会大会(千葉)ほ
ました。①―5月に 2008 年度卒業生の設計コンクールを開催し、
特別審査員に平田晃久氏を迎えました。②―6月は 17 回目創作
研究会で、那須方面の建築を中心に見学会を行ないました。③―
か、他の地域会主催の空間ワークショップへの参加協力/府中建築文
化フォーラムなどへの活動支援/平成 23 年1月に予定している「三
多摩地域会展」の企画立案・準備など、例年行なっている活動に加え、
新たな試みも始動させている。
9月は住まいのクリニックセミナーを今川憲次先生、やすみりえ
空間ワークショップは、武蔵野市立桜野小学校・千川小学校と東大
(川柳作家)、篠田新潟市長を迎えて行ないました。④― 10 月は第
和市中央公民館で実施し、延べ 158 名の子どもたちが参加するととも
12 回 JIA 新潟クラブ建築セミナーを開催。2008 年 JIA 新人賞の
に、各地域会からの協力も得て、延べ24名の建築家が参加した。
井口浩さんを迎え、「持続可能調和社会へのしかけとして環境建
秋のツアーは、前代表の故嶋津民男氏の発案に基づいた「東京を知
築をつくる」というテーマで講演を行ないました。⑤―2月は群
る」ツアーの第一弾で、9名の参加を得て秋の奥多摩の自然を楽しみ
馬で行なわれる課題設計コンクールのプレ大会として、県内4大
学から 23 の作品が集まり、各校3作品が群馬本選に出展されま
した。⑥―新潟クラブでは月例会があり、情報交換と親睦を深め
ながら建築や文芸作品・美術に親しむとともに懇親を深めた。
会員が広範囲に広がる当地域会では、それぞれの地域での個別の活動
にとどまらず、地域との繋がりを深めていく努力を進めていきたいと
考えている。
〈アトリエテン・実践女子大学〉
ています。今年からは、各会員が旅をして集めたお宝映像の上映
会などを企画しました。新潟クラブは今まで正会員のみの純粋な
クラブとして活動してきましたが、社会の多様化の中、開かれた
会として、賛助会員制度を設立しました。また、2010 年度から
NHK カルチャー建築セミナー(新潟クラブ会員講師)を開講し、市
民の建築文化への理解を深められるよう活動していきます。
〈DESIGN 空〉
●桜野小学校での空間ワークショップ
JIA 中野クラブ
JIA 杉並地域会
代表:小西 敏正
代表:曽根 幸一
●秋のツアー:御嶽・玉堂美術館の前で
■ 2009年度中野クラブの活動について
■私どもが「土曜学校」の講座を始めて2年が経ちました。1月末を
中野から発信された小学生を対象にした空間ワークショップは、
もって 2009 年度の講座を終えたところです。六角鬼丈さん、藤岡洋
東京杉並区、三多摩の他、千葉、神奈川、埼玉などの近県にも広
保さん、青木淳さん、倉田直道さん、そして最終回は伊藤滋さんと岡
がりつつあり、中野地域会としてできる限りお手伝いしている。
部明子さんの対談でした。テーマはそれぞれ異なりますが、みな杉並
一方、区内の小学校を対象にした試みをもう少し充実させなけれ
区にちなんだ話です。最近は区民の常連の方もふえて、退職後の区の
ばと思っている。
部長さんなど協力会員で地域会に入る方もおられます。会場は校長の
毎月例会を開いているが、6月には、登録建築家のオープン化
ご努力で荻窪駅前の区施設「あんさんぶる荻窪」に定着し、イメージ
について元副会長の河野進さんにレクチャーをして頂く。理解を
も固まってきています。資料代 500 円を頂いていますが、ほんのすこ
深めると同時に考えさせられるところも多かった。1月には、小
西が昨年訪れた、ル・コルビュジエの生誕地、スイスのラショ
ー・ド・フォンの彼が生まれたマンションや一般的な作品集に掲
載されていないごく初期の作品をスライドで紹介した。
中野地域会では、1998 年 9 月 30 日に当時の中野区長・神山好
市氏宛に、「野方配水塔の文化財登録に関す
る要望書」を提出したが、今年に入り 1 月
15 日付で、国の登録有形文化財に登録された。
実に 1 1 年以上掛かって文化財の少ない中野
区第一号の登録文化財となった。これが切っ
掛けとなって中野区のまちなみや建築の歴
し助成金から出している状況です。ただ、講師料が1万円とボランテ
ィアに近いのが気になり、私からは予算を精査して2万円はお支払い
出来ないかと提言しています。これは活動会議 (月1回) に諮るので
すが、この会議の場所取りが結構難題で副代表に御迷惑かけています。
阿佐ヶ谷の会員事務所を使わせて頂く場合もありです。「土曜学校」
は現在今年度のテーマを企画中ですが、コンセプトが「杉並からエコ
を考える」になる予定で、まち歩きも併用する講座も検討中。夏の土
曜日曜にはアーバンツアーがあり
ますが、毎回地元地域会の皆さん
にお世話になっています。
史・文化が大切にされる方向に進めばよいと
●野方給水塔
16
思っている。
Bulletin 2009 年度アニュアル号
〈建築環境デザイン研究所524〉
〈(株) 曽根幸一・環境設計研究所〉
第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
地域会活動報告
JIA 新宿地域会
JIA 文京地域会
代表:相田 武文
代表:堀越 英嗣
■昨年度からの継続プロジェクトとして、「Aゼミ」を春秋に各
三回ずつ、計6回工学院大学の会議室をお借りしての実施となり
ました。日程とテーマは以下となります。第4回 (4/30)建築美
学について、第5回 (5/28)ドイツ表現派から青島 (チンタオ) ま
で、第6回 (6/25) ヴェルサイユ宮殿と太陽王ルイ 1 4 世の宮廷
生活、第7回 (9/17)伊東忠太の「デザイン・サーヴェイ」、第8
回(10/28)バウハウスを超えてードイツの近代建築を再読するー、
建築家協会、建築士会、建築士事務所協会の3団体の支部として一緒に地
域貢献活動をする可能性を探ってきました。 2009 年 4 月 に (社) 東京建築
士会文京支部発足と同時に講演会などのイベントを協力することを手始め
に2会が一緒に活動することになりました。
現在、「文京建築会」の名のもとに (社) 東京建築士会文京支部と協働で
活動しています。
活動方針は、建築家の目を通して「文京ブランド」を可視化・顕在化し、
第 9 回 (11/26)近代和風大邸宅の世界。
これも昨年度からスタートした「新宿を知ろう」を二回実施し
ました。第3回 (6/11)スコットホールを訪ねて(早稲田大学奉仕
園内)、 第 4 回 (8/23)大地の芸術祭(越後妻有)への参加。
当会としては初めて新宿区役所の都市計画部から講師をお招き
し、「新宿区景観まちづくりについて」の講演会 (5/11)を実施し
ました。他の区でも進められている景観行政の話題が多い中、他
会からの参加者もあり、これからもこのような試みを継続したい
と思っております。
夏には、親睦を深めるべく有志に
て「ワインの会」第1回「ボルドー
とブルゴーニュの違いを極める」を
実施し、継続の予定です。
〈相田武文設計研究所〉
●第8回Aゼミ会場風景
■文京地域会では、地域での活動という視点から、建築設計の団体である
より良い「文京らしさ」の醸成に寄与し、併せて区民、行政、専門家の皆
さんとも、文京区という地域を舞台に共に活動し、交流を深めたいと願っ
ています。
主な活動
○安心・安全マップ「ブルーマップ」づくり
一昨年刊行した「文京グリーンマップ」に引き続き今回は防災という観点から、会員みず
からが文京区内を歩き、地形や歴史が生み出した安心で安全な空間やコミュニティを探し
出し、写真、スケッチ、文章などで記録し、出版する予定。
○講演会
2009年4月「シュアリング活動と文京区プロジェクト」
5月「地図と古地図の視点から」
6月「都心部河川の再生−神田川・日本橋川・亀島川の可能性」
7月「文京の地形、防災マップなどCADの可能性をさぐる」
2010年3月「東京タワーとセミナーハウス講演」(建築家協会文京地域会、東京建築士会
文京支部、建築士事務所協会文京支部、共同後援)
○街めぐり
2009年9月「神田川・日本橋川・亀島川舟めぐり」
2010年2月「文京区の水たまり探索」
〈(株) 堀越英嗣ARCHITECT 5〉
JIA 城東地域会
JIA 渋谷地域会
代表:庫川 尚益
代表:三井所 清典
●水たまり(井戸)探索風景
●一月例会風景
■ 2009 年度の活動は2月 26 日のシンポジウム「粋な下町ぐら
し」に収斂していく1年であった。雨天にも係わらず 100 名の参
加者で建築家会館ホールは埋まり、課題を抱えたままの木造密集
地の防災性などについて多くの危惧と関心が高いことをあらため
■本年度の特筆すべき活動は、ホームページ開設と、渋谷区から
の受託業務「木造住宅耐震化促進戸別訪問業務」(JIA が受託/以下
「耐震化促進事業」)である。
ホームページでは、例会の告知や「隣の建築家とその仕事」マ
て知らされた。
全く偶然にパネリストが一致して、ジェイコブス女史『大都市
の死と生』による 5 0 年前の警鐘を取り上げたことが興味深い。
都市には人間的な魅力と多様性が必要と説き、建替えによるコミ
ュニティの破壊を憂いたものであったが、この国では広い土地と
ペデストリアンデッキと中高層建築がまちづくりであって、残念
だが今も続いていると報告された。下町密集地のまちづくりの成
果に期待がされるのは、歴史の道すじや情景をそのままに住民主
体の再生が実現できるならば、最も先進的な実践例となるのでは
とシンポジウムの聴衆は受け止めた。シンポジウムに向けて編集
した冊子にパネリストの提言をまとめている。
私たち建築家がこの街に必要な職能で
ップの公開、昨年度開催したシンポジウム「渋谷駅が変わる!」
や耐震化促進事業などの活動報告を行なっている。今後コンテン
ツを充実させ、使いやすいホームページを目指したい。
耐震化促進事業は、渋谷区との良好な協力関係により2年越し
で受注に至った。7月に受注後、調査票や啓発用チラシを作製、
8 月 18 日には調査員を集めて説明会を行ない、10 月末までの約
2ヶ月間で調査を完了、データ集計後 12 月 25 日に納品している。
地域会発足以来、最大の事業であった。
2か月で約 10,000 件の調査は困難であったが、100 余名の調
査員が集まり、人的ネットワークを拡げられたこと、区内を隅々
まで歩き新たな問題を発見出来たことなど、その効用は大きかっ
た。他地域会でも同様の事業を行なう可能性は高く、我々の経験
あると真に市民社会の中に溶け込めるそ
を生かせる機会も多いであろう。
の日まで、我が城東地域会会員の歩みは
その他 6 月には J I A 渋谷セミナー
続くでしょう。
「建築家 アルヴァ・アアルトの軌跡を
探る(講師:水島信氏)」を開催した。
〈事務局長:伊藤政広/(株) 交建設計〉
●シンポジウム冊子「粋な下町ぐらし」――下町木造密集地の防災と景観
●耐震化促進事業 テスト調査
〈竹中一則/レーモンド設計事務所〉
Bulletin 2009 年度アニュアル号
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第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
地域会活動報告
JIA 世田谷地域会
JIA 中央地域会
代表:小林 正美
代表:長谷川 順持
■中央区はかつて水路が縦横にめぐる街でした。その中で、今も
■「空間ワークショップ」私たちの取り組み
残っている貴重な水路が亀島川です。2009 年3月に亀島川の水
地域会立ち上げ直後に、PTA 団体の方から「財政難によりこれか
辺再生から八丁堀・新川の街づくりについて活発に活動されてい
らの小中学校の整備は鉄骨造で ALC 板の外壁と聞いたが大丈夫なの
る阿部彰氏をコーディネーターとしてお招きし、桜の時期に中央
か」と相談を受け、区が抱えている教育施設整備の問題点に直面した。
私たちは専門家として、何か協力できることはないかと模索を始め、
会員の子供が通う学校の先生方と話し合いながら、空間ワークショッ
プを通じ、地道に子ども達と関わる上で見えてくるものを大切にし、
学校の内側からその実情を学ぶこととした。実情や現場を知らず、い
きなり行政に対して建築家として提言を行なうなど不遜であると考え
る。現在小学校2校で、世田谷地域会のメンバー自信がファシリテー
ターとして活躍している。武蔵丘小学校では、地域の達人たちが、書
道・中国語などを夏休みの地域講座として開催しており、我々の空間
ワークショップはその目玉企画として位置づけられた。千歳台小学校
では、総合学習と図工の4時間授業として行ない、事前に図工の教諭
地域会としては始めて船から街を「たべました」
。その後 2009 年
5月から8月にかけて、中央区区民カレッジにて、同氏が講師を
務めた「亀島川の再生と街づくり」講座を支援しました。一般市
民約 20 名の受講者と共に亀島川再生提言を纏めました。この活
動の記録を今回パンフレットに纏めました。その他には、城東小
学校で2年ぶりにこども空間ワークショップを開催しました。ま
た、中央区には東京都選定歴史的建造物は建物が10、橋が3し
かありません。 2010 年は片倉工業旧本社ビル、さらには歌舞伎
座が解体される予定です。保存委員会のこれら文化遺産について
の活動にも今年から参加しています。
〈事務局:藤沼傑〉
が割りばしを用いたプレスクールを行ない、本格的な教育活動となり
つつある。来年度はもう一校増やし、活動を広く展開してゆく中で、
P T A などとも協働して「人づくり」は
「まちづくり」につながると信じて更なる
発展を目指している。
〈副代表:長井隆志/(株) 佐野建築研究所〉
●千歳台小学校
●亀島川 乗船
常盤橋防災船着場から乗船、下船は亀島川水門手前の左岸から。
現在は日本橋川・亀島川を楽しむまともな船着場もない。
JIA 千代田地域会
JIA 城南地域会
代表:赤堀 忍
代表:椎名政夫
■今年度は8 月に千代田区役所ホールで千代田区を舞台にした
■ 4 月 11・12 日、川奈キャンプを開催し、建築家資格制度のオー
「卒業設計展」と千代田の景観写真展を同時開催しました。卒業
プン化と UIA2011 東京大会に関する内部討議を行ない、地域会
設計展は4点の展示と出展者との意見交換会があり、写真展は水
としての報告書をまとめました。各会員それぞれに意見の違いは
辺の景観にテーマを絞り、1965 年の東京オリンピック前の写真
と現代の写真を並べて展示し、これからの水辺景観を考える写真
展としました。
9月には住まいのクリニックセミナー「『地震に自信を』i n 千
代田」を「エンジン01 文化戦略会議」と共催しました。地震に
対する基礎知識を伝えると共に、現在住んでいる建物の耐震診断
ありましたが、最後に地域会の意見として集約できたことが、そ
の後の会員相互の結束を強化する結果となりました。
地域を知ろう (城南散歩) は6月に大田の町工場密集地区 (羽田、
糀谷)、9月に住宅密集地区 (武蔵小山、荏原) を見て回りました。
地域の特性として今後の地域会活動に生かされていくでしょう。
をするイベントでした。千代田区、東京電機大学、株式会社ア・
1 0 月のアーバントリップは日本建築大賞受賞作品の中村キー
ファクトリー、(株) ISGW、(社) リノベーション住宅推進協議会
ス・ヘリング美術館 (八ヶ岳)、八ヶ岳高原ロッジ・ヒュッテ・音
が後援で、セミナーには 69 名が参加し、主に千代田区在住・在
楽堂、海野宿などを見学。宿泊は伊藤豊雄氏設計の大田区休養村
勤者が多く、地域密着型のセミナーとなりました。夜は犬養裕美
とうぶの古民家を貸し切って、夜更けまで建築談義に花が咲きま
子さんによる「良いレストランの選び方講座」といった夜楽の懇
した。
親会がありました。
それ以外にも城南地域
千代田の歴史を伝える建造物の調査と保存・活用の一環で、10
月に博報堂解体に対して陳情書を千代田議会に提出し、区と博報
堂に要望書を出しています。その結果、解体前の見学会を企画し、
博報堂との意見交換会を継続して行なっています。1 1 月には淡
路町六軒長屋の調査を再開発組合の了解を得て、解体される前に
行ないました。1月には千代田区と防災協定を締結しました。最
後に会員の福岡征美さんがご逝去されました。
18
Bulletin 2009 年度アニュアル号
〈芝浦工業大学〉
会のパンフレット作成、
法人問題と定款改定問題
についての集中討議など、
内部固めの活動を主体的
に行ないました。来年はいよいよ積極的に対外活動をスタートさ
せる年になるでしょう。〈城南地域会事務局長:林田研(株) 研建築設計事務所〉
第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
地域会活動報告
JIA 城北地域会
JIA 目黒地域会
代表:松本 哲夫
代表:松原 忠策
■城北地域会は豊島・練馬・板橋・北の4区とその周辺からなる
■目黒地域会発足後ようやく2年が経過、会の運営も軌道に乗って参りました。
城北地域の特性を生かした諸活動を展開しようとする地域会です。
昨年には地域会ホームページを立ち上げ、地域住民に向けての情報発信、コミ
新しく2名の方が加わり,来年度は設立から4年目を迎えます。
ュニケーションの場に役立てばと期待しております。また、我々が暮らす地域
本年度は「建築家資格制度とそのオープン化について」など,会
を肌身で体験する「まち歩き」の会を実施、すでに4回を開催しました。参加
員としての多様な意見を交換し,そのような中から地域会活動の
者が歩いた街の評価は「街の通信簿」として記録分析してデーターベース化し、
5回まとまったところで小冊子を刊行する予定です。
あり方を考えた1年でした。
また,地域会会員の活動が、会員個々がよく地域の実情を精通し
ているという特性から、地域に関係の深い問題に関わる機会も多
くありました。
目黒地域会では目黒区行政との協力並びに連携を進めており、都市整備部と
の協議や外郭団体「めぐろ住宅・街づくりセンター」を通じて建築相談や街づ
くりへの協力を進めております。中でも昨年都の景観行政団体に指定された目
黒区の景観アドバイザーに代表の松原忠策氏が指名され、景観行政に参画する
特に、城北地域4区全体を総括する視点の活動とは別個に、各
機会が得られました。
区や各地域に特化した、分科会的な単位で、地域との連携や恊働
地域会は月例の定例会において JIA を取り巻く諸問題の討議や地域活動の実
する活動を行なっています。会員各人が市民として、また JIA 城
施について協議しておりますが、今後の継続的活動として地域住民が興味を持
北地域会会員として、豊かな地域づくりのために建築家として何
てるようなテーマを中心に、外部講師などもお招きして建築フォーラムを開催
ができるか試行錯誤の行動をしています。
して行きたいと考えております。〈棚橋廣夫/エーディーネットワーク建築研究所〉
来年度以降も地域への関わりがより深くなることが予想されて
います。さらなる充実した活動のためにも、当地域に興味をお持
ち の方々の参加を期待しています。
〈鈴木和貴/PAX建築計画事務所〉
↑目黒区長訪問
JIA 港地域会
→第4回「まち歩き」
■地域会一覧
代表:野老 正昭
■ 2009年度港地域会の活動
港地域に対し、プロフェッションとしての建築家の本質を極め、地域に
啓蒙をするとの発足以来の方針により様々な行動を行ないました。地域会
の組織を利用しての営業活動はしない。住民・官公署・他団体へは、原則
として各建築家個人の資格で対応する。環境・景観・住民の意識などの豊
かなこの地域の実りは、出来る限り享受しつつ、それを悪化させる動きに
注意し、情報を集め、出来うる限りの対処を行なった。
・対地域住民+区役所 総合支所単位で組織されているタウンミーティン
グの「かがやくまち」「にぎあうまち」「はぐくむまち」に、複数の地域
会員が参加し、知識と経験・専門技術をもつものとしてリーダー的役割
を果たした。
・ 対区役所都市計画課 スタートした景観条例の審議会。学識経験者委員
として複数参加する。
・ 対他団体 「港区の景観を考える会」「慶應義塾+港区役所・芝の家」
「慶應アートセンター・アートマネージメント講座」に参加・協力
・ 対「田町駅東口北地区公共公益施設・基本設計」文化芸術ホール・区民
委員リーダーとして参加。基本設計担当者も港地域会会員であった。
・ 対市民「ヤフーブログ・港区建築家」を公開し、2000 人を越える訪問
者を得る。建築家の職能の広報として役立った。
・ 対市民 MSA みなとアーキテクツサロン 二回実施、於いて JIA館
講師:第一回:今井均 第二回:穴道恒信、平山文則、田中俊行
共通のテーマは人と地域と建築家。「建築家の頭の中を覗いてみよう」
・ 対保存問題 旧国立保健医療科学院跡地(公衆衛生院)
国より港区が等価交換により取得した白金台の内田祥三設計 昭和 1 3
年竣工の建築の価値などの説明のため、関東甲信越支部 保存問題委員
会が、区高輪総合支所の要請により、現地などで区民の希望者に案内・
説明を行なった。港地域会も、他の案件と同じく、区に在住する建築家
として協力する。
・ 対日本建築家協会、「地域会の定款上の記載」についての意見書作成
現状に合った記載が望ましいとの趣旨の意見書を会長以下に提出した。
〈(株) 野老設計事務所〉
県名
地域名
代表者名
1
神奈川
JIA神奈川
森岡 茂夫
2
千葉
JIA千葉
櫻井 修
3
埼玉
JIA埼玉
三浦 清史
4
茨城
JIA茨城クラブ
天 茂彦
5
栃木
JIA栃木クラブ
藤原 宏史
6
群馬
JIA群馬クラブ
神澤 宣次
7
山梨
JIA山梨クラブ
長田 孝三
8
長野
JIA長野県クラブ
赤羽 吉人
9
新潟
JIA新潟クラブ
塚本 久志
10
東京
JIA中野クラブ
小西 敏正
11
〃
JIA三多摩地域会
高田 典夫
12
〃
JIA杉並地域会
曽根 幸一
13
〃
JIA新宿地域会
相田 武文
14
〃
JIA城東地域会
庫川 尚益
15
〃
JIA文京地域会
堀越 英嗣
16
〃
JIA渋谷地域会
三井所 清典
17
〃
JIA世田谷地域会
小林 正美
18
〃
JIA千代田地域会
赤堀 忍
19
〃
JIA中央地域会
長谷川 順持
20
〃
JIA城南地域会
椎名 政夫
21
〃
JIA城北地域会
松本 哲夫
22
〃
JIA港地域会
野老 正昭
23
〃
目黒地域会
松原 忠策
Bulletin 2009 年度アニュアル号
19
第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
部会活動報告
ミケランジェロ会
住宅部会
代表:富安 秀雄
部会長:郡山 貞子
■ミケランジェロ会は、JIA の絵画愛好者の会で、20 数年前、ヌ
■住宅部会では会員の交流・研鑽に留まらず、建築家の職能を広
ードデッサンの会がスタートでした。その後毎年展覧会・スケッ
く一般の方々に知っていただきたく JIA 館等を会場に年 30 数回
チ会を二回づつ行なっています。展覧会のうち、一回は都心の公
のセミナーを開催しています。
共ギャラリーで行ない、もう一回は JIA のイベントの際に行なっ
最近では地域会、災害対策委員会と連携して行政との関わりの
ています。ここ数年は、都庁近くのプロムナード・ギャラリーを
中で地域に根ざした対市民活動も行なっています。これらの活動
使わせてもらっており、今年も5月末から一ヵ月ほど開催します。
は当然ながら業務獲得とは無縁の立場で開催し部会の活動会議の
場で企画・立案・運営されています。
現在会員は 20 名ほどです。絵の好きな方で未加入の方は、JIA
他支部や地域会との交流も盛んで地
または私に申し込んでください。
昨秋のスケッチ会は神楽坂で行ない、参加者は 10 名ほどでし
域ごとの課題を共有する全国住宅部会
た。古い複雑な細街路の坂道の街を、それぞれスケッチして、後
連絡会議を目指しています。会員数
101名。
で作品を見せあい、楽しみました。今年も大いに描きましょう。
〈有) 郡山建築設計事務所〉
● 2009AG模型展「アーキカフェ」
デザイン部会
メンテナンス部会
部会長:大倉 冨美雄
部会長:宮城 秋治
■今年度には以下の討論会を実行した。
トにして、例会では部会員の改修事例を題材として研鑽し、国土交通省など外
第1回:古市徹雄、浅井治彦:環境への感性を取り込んで行動を。
部講師による最新の技術セミナーも継続しました。建築士法第 22 条の4研修に
第2回:芦原太郎、南條洋雄、堀内智樹:分業協働の現実。
基づく建築士総合研修テキストでは集合住宅コースを執筆し、110 のキーワー
第3回:池田靖史、甲斐徹郎、大倉冨美雄:計算手順を手なずけ
ドで学ぶ世界で一番やさしい「マンション大規模修繕」も発行されました。住
■既存建物のメンテナンス手法を積み重ねることをコンセプ
環境 共生を。
宅履歴情報整備検討委員会からはマンション版のリーフレット作製を受諾し、
今や設計業務の全体は、環境地域事情、コストと工期、入居者事
国土交通省総合技術開発プロジェクト「多世代利用型超長期住宅および宅地の
情、行政・施主対応、構造設備、法規、新技術などの総合で判断
形成・管理技術の開発(多世代利用総プロ)」では診断・改修技術部門SWGの
するしかない。BIM が加わってうまい設計の未来があるとしても、
作業が継続するなど、ますますメンテナンス部会への社会の期待が高まってい
もはや個人だけでやれることではない。専門分野の連携となれば、
ます。
〈宮城設計一級建築士事務所〉
普通にはそれだけのスタッフを揃え得る組織事務所以上でなけれ
●アーキテクツガーデンセミナー
(2009年10月28日)
ば仕事にならない。この3回は、それを承知して個人系事務所は
「多様化する新時代マンション改修の最新事情」
どうしたらいいのかを模索した1年だった。この成果は1、2年
の内に表明したい。
住宅金融支援機構すまい・るホールには 2 0 3 名
の参加者があった。
〈大倉冨美雄デザイン事務所〉
都市デザイン部会
住宅再生部会
部会長:鰺坂 徹
部会長:鯨井 勇
■「楽しみながらためになる」を目標に、「なぜ日本のまちは美
■住宅再生部会は戸建住宅の再生を理解する人なら誰でも参加自
しくならないのか」を議論し活動しています。昨年度は、見学会
由とし、原則隔月に1回、セミナーや研究会、現場見学や研修旅
(一号館 5 月)/ツアー(佐原 6 月)/東京の地域会と共同して円卓
セミナー「美しい東京を目指して――景観づくりにどう取組むか」
(国交省石崎氏他 10月) /レクチャー(8 月 12月 2 月 3 月)/ 3 コマ
スライド会などを開催しました。
行などを行なっています。
住宅の再生は建築家の仕事であるとの理念の元、建築家・大工
など作り手・住まい手と共に建築のライフサイクルを見直し、環
境の保全に配慮し、建築の工法・技法を考え、再生可能な建物・
今年度は、勉強会の回数を増やして H P(w w w . j i a - k a n t o .
部材などの活用を通じ安心で安全な住宅を提供し、スクラップ&
org/members/organization/toshi-design / www.jia-
ビルド型の社会構造を転換していくこ
kanto.org/members/ organization/toshi-design)の活性化も
とが目的です。行政との連携による住
進める予定です。HP に予定を掲載しておりますので、是非ご参
宅の耐震化などにも取り組んでいます。
加下さい。
多くの方のご参加をお待ちしていま
〈(株) 三菱地所設計〉
20
Bulletin 2009 年度アニュアル号
●住宅再生セミナー風景
す。
〈岸崎孝弘/日欧設計事務所〉
第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
部会活動報告
情報開発部会
建築家写真倶楽部
部会長:天神 良久
部会長:兼松 紘一郎
■報開発部会は賛助会員Gグループと合同で活動しています。会
■昨年のアーキテクツガーデンでは、テーマにそって「 MY
員数は部会員が 15 名、Gグループ会員は、CAD ・情報処理系9
HOME TOWN」と題して写真を撮り展示した。撮りながら視てき
社、教育・出版系6社、合計 15 社です。月に一回部会を開催し
た我がまちの様を語り合う中で、現在では死語になりつつある「コ
ています。主なテーマは IT 系情報(CAD、CG、情報通信)と時
ミュニティ」を僕たちは再考していることに気がついた。今年も楽
の技術動向に関する勉強会が中心です。講師をお呼びしたり、賛
しくまちを歩き、ファインダーを通してみる建築の面白さやまちの
助会員が発表する機会もあります。2010 年2月は「車に乗せた
課題を捉えたい。現在のメンバーは 15 名、建築写真家がいて歴史
G P S +レーザスキャナによる高精
の研究者もいる。活動を積み重
度三次元地図測量」の勉強会を開
ねることによって見えてくるも
催し新技術に質問が飛び交いまし
のがある。建築やまちの変化や
た。また、アーキテクツガーデン
変わらないもの……写真を楽し
では「 C G 画廊」を運営していま
みたい人、連絡ください。
す。
〈兼松設計〉
〈(株) ケー・デー・シー〉
建築交流部会
部会長:亀井 正浩
■建築交流部会は、活動を通して JIA 内外の相互交流を図ること
で社会における建築家の職能についての理解を高めることを目的
としています。主に、①年数回の見学会:最近では「時を経て輝
き続ける建築の記憶――東京・関東の名建築を建築家と訪ねる」
と題し、今年1月に日本大学生産工学部藤谷陽悦教授を講師にお
招きし、下町散歩(清澄庭園∼江東区内の近代建築散策∼深川東
京モダン館)、②「建築家のメモ展」の開催:企画展として(株)三
菱地所設計のご協力を頂き「三菱
一号館」の復元をテーマに大型パ
ネルを 15 点+ JIA 会員のメモを展
示しました。
〈(株) 亀井建築設計事務所〉
■部会一覧
●清澄庭園涼亭での講義
●
会員部会
ミケランジェロ会
ワインクラブ
学芸祭部会
代表:富安 秀雄
(世話人:堀川 秀夫)
●
デザイン部会
部会長:大倉 冨美雄
●
都市デザイン部会
部会長:鯵坂 徹
●
建築ネットワーク部会
部会長:米澤 正己
●
住宅部会
部会長:郡山 貞子
・住宅というものづくりWG
島田 喜男
・市民住宅講座WG
庫川 尚益
・安全・防災WG
庫川 尚益
者に歌詞カードを配布し、声楽メンバーが音頭を取って、秋にち
・木構造WG
金田 正夫・吉田 晃
なむ歌を合唱。
・住宅環境講座WG
吉田 晃
部会長:奥山 陽子
■ 9 月 20 日、奥山さんがベローナから一時帰国されたのを期に、
小林将樹さん主宰の「黒猫音楽室」にて、練習会。
10 月 29 日、アーキテクツガーデンのオープニングパーティー
(日本青年館) でバイオリン+ピアノ演奏。終盤、パーティー参加
・業務支援WG
高木 恒英
ギターとボーカルの中心だった永松暁さんが体調をくずされて以
●
メンテナンス部会
部会長:宮城 秋治
来、休止状態だった UD フォークメ
●
住宅再生部会
部会長:鯨井 勇
ニアの復活が期待されます。
●
情報開発部会
部会長:天神 良久
●
建築交流部会
部会長:亀井 正浩
●
学芸祭部会
部会長:奥山 陽子
●
建築家写真倶楽部
部会長:兼松 紘一郎
新部会員、アクースティックギターの大川宗治さん(OM-1主宰)。
〈渋田一彦/(株) 日建ハウジングシステム〉
●アーキテクツ・ガーデン
オープニングパーティー
Bulletin 2009 年度アニュアル号
21
第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
広報からのお知らせ
広報委員長退任の御挨拶
ことでコストを抑えつつ、これまで手薄であったイベント
支部広報委員会委員長 中村 高淑
報告・一般向け情報の更新などがリアルタイムに行なえる
環境を構築しました。月刊であったメールマガジンも週刊
■ 2006 年度から広報委員長を務めさせていただきまして、
早いもので今年度を持って任期を終えることになりました。
至らぬ点も多々あったかと思いますが、これまでの広報委
化、タイムリーな情報発信を可能にしました。
紙媒体においては機関誌「Bulletin」を大幅に刷新。デザ
インだけでなく企画においても国会議員や国土交通省審議
員会の伝統と広報委員の皆様に助けていただきながら、支
官をはじめ、各界文化人など J I A 外部の方からも寄稿いた
部の多く方々からご理解とご協力を賜ることができ、おか
だいたり、インタビューを行なうなどの企画がスタート。
げさまで活発な広報活動を行なうことができたのではない
印刷所を見直すことでオールカラー化を実現すると同時に、
かと思います。この場をお借りして皆様に御礼申し上げる
印刷コストの削減にも成功しました。
と共に、主な取り組みをご報告いたします。
今後の課題としては、更なる会員向け広報の充実と共に、
任期中は重点的に下記の課題に取り組んできました。
「対外的広報の体制強化」を強く推し進めていただきたい。
「広報財政問題の抜本的改善」、「会員向け広報企画の充実」、
そのために WEB と紙媒体の連動に向けて企画と体制を整備
「本部−支部−地域会間、会員−賛助会員間における広報の
中。また、既存メディアや各種団体、自治体、教育機関な
どへの広報を積極的に展開できるように準備を整えつつあ
連携」、「対外的広報の体制準備」
地域会が出揃い、活動が益々活発になるにつれ WEB 掲載
ります。
情報が増加。しかしながら財政問題から外部委託者に大変
な赤字受注を強いてしまっており、更新頻度を抑えてみる
広報の重要性が年々高まっております。2 0 1 1 年 U I A 東京
も抜き差しならない状況でした。この問題を解決するため
大会を控え、ますます一般社会へのメッセージの発信が求
に WEB 自動掲載システムの構築、サーバの変更、ブログの
められることでしょう。今後の新しい広報委員会に期待し
開設、広告設置などの大幅なリニューアルを行ないました。
ます。
事務局や委員会・地域会の広報担当者が直接更新を行なう
Bulletin 号、舵取り――編集長退任の御挨拶
Bulletin編集長
鈴木 利美
ありがとうございました。
〈中村高淑建築設計事務所〉
じます。法改正、新法の
制定、景気の停滞、環境
配慮型社会への移行など
――Bulletinが錨を下ろして寄港、そして出港――
が挙げられ、社会におけ
この3年間、力不足ながらも編集長を務めさせて頂きまし
る建築物の、建築設計・
たが、2010 年度より湯浅剛氏に舵をお渡しすることになり
監理の、建築家のあり方、
ました。この場をお借りして、愛読下さっている会員の皆
価値が問われているのだ
様に心からの感謝を申し上げたく思います。
と思います。この転換期
より良い誌面、より価値のある会報誌を目指して、
をどのように乗り越える
B u l l e t i n は様々な試みをしながら変化してまいりました。
のか? 何を目指しどち
また、その背後でより合理的な体制を検討し、事務作業の
らの方向へ舵をきるの
削減などを図って参りました。掲載したトピックスと共に
か? 我々一人一人がこ
ざっと振り返ってみます。
れらの問題と向き合い、真剣に考え議論をし、歩を進めて
2008 年4月号:装丁を刷新し、コンテンツの構成を明確
化。特集、話題と各会活動報告が2 本の柱に。新項目とし
て、インタビュー記事の覗いてみました他人の流儀、温故
●2007年12月号(205号)表紙
いかなくてはいけない時期なのでしょう。
“処士横議の場”と前川國男氏は言われました。今、まさ
にその時と言えます。
知新、法関連、支部ダイジェストがスタート。2008 年 6 月
B u l l e t i n はその場となりえているでしょうか? 新編集
号「初等段階での建築教育」2008 年 10、12 月号「震災そ
長、広報委員長、委員の皆様に今後を託し、更なる発展を
の後」2009 年4 月号、2010 年4月号:座談会。現在、対
期待しながらエールを送って、言葉を締めくくりたいと思
外広報に目を向け送付先を戦略的に整備中。
います。
昨今、建築業界は大きな波にさらされている、と私は感
22
Bulletin 2009 年度アニュアル号
「面舵いっぱい。ヨーソロー!」
〈ダンス建築研究所〉
第三種郵便物認可 Bulletin 2010年6月15日発行
広報からのお知らせ
2009 年度「建築家 online」を振り返り
ホームページワーキンググループ主査
中澤 克秀
■ 2009 年度は一般向けサイト「建築家 online」をリニューアル
しました。トップページを SEO 対策もかねてポータルサイトの
ようなデザインに一新しました。各広報 HP ワーキングメンバー
が担当のコンテンツを持ち、更新頻度が増えました。そのかいあ
って、サイトを訪れる人が増えています。特に「今月の建物」は
「建築家 online」のメインと位置づけ、毎月2件の建築家が設計
した建物を紹介しています。今月竣工したものに限らず、住宅以
外の建物も広く募集していますので、JIA 会員の方、応募お待ち
しております。Bulletinと連携して「覗いてみました他人の流儀」
や「海外レポート」も WEB 上で紹介しています。今後、「建築ガ
イド」や「写真ギャラリー」などを充実していく予定です。
支部サイト同様、「建築家 online」もよろしくお願いいたしま
す。
〈中澤建築設計事務所〉
編集後記
●年度末の1年を振り返って
■年度末から新年度へ変わります。毎年のことですが、気持や
色々なことを切り替えられる絶好のタイミングでもあります。新
年度も頑張ろうと思います。
[安東]
■最近、「忙しさ」は「充実」と読み替えています。本業と併行
したなかでの委員会は、本当に充実した時間となっています。
[池元]
■年度末の度、単年度予算主義に悩まされてきた。果たして本当
に良い公共建築が出来ているのか疑問を感じている。
[古池]
■母校の卒業式に出席。街の緑の豊かさを心に持てと校歌。今度
は自分が緑に恩返しする番と心に念じ。
[近藤(弘)]
■広報委員会に新しい方が大勢参加していただける。これからも
微力ながら協力していきたいと思います。
[近藤(剛)]
■この一年。何度も、絶対絶命もうだめだ。と思いつつもなんと
か乗り切った自分を誉めたい気分です。(笑)
[杉本]
■年度末と言えば桜。今年は風雨にも耐え、辛抱強く例年より長
く楽しませてくれた。大不況の世情の中、今年も頑張れそうだ。
[高橋]
■ 3 月 31 日って 12 月 31 日のような静けさがありますね。予定
を入れるのを避ける傾向があるからでしょうか?
[高安]
■照明デザイナーの東海林さんのインタビューを終えての帰り道、
一軒の家が表通りの街路樹の桜を、自宅からライトアップしてい
る。一年で数日のためだけの照明、素敵です。
[田中]
■今年の桜は早く咲き寒さに耐え、例年の倍楽しめた。中村委員
長、鈴木編集長、今年の桜のように長きにわたり輝き続け、あり
がとう。
[中澤]
■ Bullitin の多様な取材に精力的に取り組んだ一年でした。中で
も今回の特集担当を通じて諸先輩方の偉大な功績と熱い想いに触
れたことは、またひとつ大きな宝物となりました。
[三上]
■鈴木編集長のもと、仲間とともに Bulletin の製作に関われたこ
とは、私にとって大きなプラスとなりました。委員長、編集長、
お疲れさまでした。
[湯浅]
■いろいろなかたちで建築の仕事に携わっている仲間たちとの出
会いがあり、意見の衝突があったり、仕事の悩みを相談したり、
楽しめました。
[米村]
編集 :社団法人 日本建築家協会
関東甲信越支部広報委員会
委員長 :中村高淑
副委員長:鈴木 利美・中澤 克秀
委員 :安東 政朗・池元 真克・榎本 雅夫・近藤 弘文
近藤 剛啓・古池 廣行・三上 紀子・白石 健次
杉本 由美子・高橋 隆博・高安 重一・立石 博巳
田中 宣彰・湯浅 剛・米村 ふみ子
編集長 :鈴木利美
副編集長:湯浅 剛
編集委員:安東 政朗・池元 真克・中村 高淑・三上 紀子
田中 宣彰・米村 ふみ子・菊地 良一
表紙デザイン:湯浅 剛/目次デザイン:安東 政明
発行人 :菊地 良一
発行所 :社団法人日本建築家協会 関東甲信越支部
〒150-0001東京都渋谷区神宮前2-3-18 JIA館
Tel: 03-3408-8291(代) Fax: 03-3408-8294
印刷 :株式会社 協進印刷
エディトリアル・デザイナー退任 山口 尊敏
■ Bulletin のデザインに関わって 12 年。この間多
くのことを学び、得ることができました。皆様の更
なる御活躍を望みつつ退場いたします。ありがとうございました。
さらに、菊地良一さんをはじめとする JIA 事務局の方々には深
く感謝いたします。
〈やまぐちたかはる〉
■JIA関東甲信越支部関連サイト一覧
・(社)日本建築家協会 (JIA) http://www.jia.or.jp
・建築家online(一般向け)http://www.jia-kanto.org
・JIA関東甲信越支部(会員向け)
http://www.jia-kanto.org/members
©社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 2010
Bulletin 2009 年度アニュアル号
23
建築家会館最終設計図
Photos: OSAMU MURAI
■ 建築家会館設計概要
・工事費内訳:本工事
・名称:建築家会館
・建築設計:連建築設計事務所
建築工事:33,600,000 円
・竣工:1968年12月
・構造設計:構造計画研究所
空調工事:10,200,000 円
・構造:鉄筋コンクリート造/地上3階(塔屋1 階)
・設備設計:森村協同設計事務所
電気工事:3,500,000 円
・敷地面積:833.073 m2
・建築工事:(株) 大林組
衛生工事:2,860,000 円
・建築面積:310.360 m2
・空調工事:東洋熱工業 (株)
・延床面積:814.610 m2
・電気工事:東光電気工業 (株)
・工事費:6,100 万円
・衛生工事: 須賀工業 (株)
計:50,160,000 円
別途工事:その他
11,690,638 円
計:11,690,638 円
合計:61,850,638 円
出典:(株) 建築家会館