健康保険について

健康保険について
近年、法人経営では、新たな部門導入や規模拡大等に伴い、従業員を雇用するケースが多くな
っています。
従業員は、農業経営を行う上で大切な経営資源と言えます。そこで今回は、株式会社及び確定
給与を支払う農事組合法人が必ず加入しなければならない健康保険について紹介します。
健康保険の目的
健康保険は、従業員とその家族が病気やケガをした場合の医療の給付、また、従業員が病気
やケガで休業したときの所得の補償、出産や死亡したときの費用の軽減などな目的としていま
す。
※農業法人の代表者は、法人から報酬を受け取っている場合には、法人に使用される者として被
保険者となります。
【健康保険の加入要件】
個 人
農事組合法人
または任意組合 従事分量配当 確定給与の支給 株式会社
事業主及び
国民健康保険
健康保険
従業員
(強制適用)
(強制適用)
1
給付
健康保険では、被保険者本人(従業員など)への保険給付のほかに、被扶養者(従業員など
の家族など)についても保険給付を行います。
【被扶養者の範囲・要件】
要
件
被 扶 養 者 の 範 囲
生計維持関係のみ ①直系尊属(父母、祖父母等)
②配偶者(事実婚含む)
③子
④孫(曾孫は入らない)
⑤弟妹(兄姉は入らない)
生計維持関係
①被保険者の3親等内の親族
+
②事実上婚姻関係にある配偶者の父母及び子(祖父母、孫は入らない)
同一世帯に属する ③事実上婚関係にある配偶者が死亡した後の父母及び子
【生計維持の基準について】
生計維持関係(①主として被保険者に生計を維持されている、②主として被保険者の収入
により生計を維持されている)状態とは、以下の基準により判断します。
区
分
基 準 等
認定対象者が被保険者 認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上又は
と同一世帯に属してい 概ね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)
る場合
であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満 ※例外あり
認定対象者が被保険者 認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上又は
と同一世帯に属してい 概ね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)
ない場合
であって、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合に
は、被扶養者となる。
2
保険料
健康保険の保険料は、被保険者の標準報酬月額をもとに決められます。なお、事務作業の軽
減を図るため、報酬の額をいくつかの等級に区分して仮の報酬を定め各々の従業員について原
則として1年間はその報酬をもとに毎月の保険料の計算を行います。
【平成25年9月分(10月納付分)からの保険料額表】
(一部抜粋)
全国健康保険協会管掌保険料
標準報酬
報 酬 月 額
等級
月額
日額
円以上
1
2
58,000
68,000
1,930
2,270
11.45%
全 額
折半額
円未満
~ 63,000
63,000~ 73,000
5,742
6,732
9,900
10,890
22,900
25,190
3,320.5 下限
3,893.0
…
19,800
21,780
6,641
7,786
…
195,000~ 210,000
210,000~ 230,000
2,871
3,366
…
…
6,670
7,330
9.90%
全 額
折半額
…
…
200,000
220,000
介護保険第2号被保険者
に該当する場合
…
…
17
18
介護保険第2号被保険
者に該当しない場合
11,450.0
12,595.0
…
…
…
…
…
…
…
…
47 1,210,000 40,330 1,175,000~
119,790
59,895
138,545
69,272.5 上限
※介護保険第2号被保険者は、40歳以上65歳未満の方であり、健康保険料率(9.90%)に介護保険料率(1.15
%が加わります。
※保険料の支払いは会社側と2分の1ずつとなります。
【保険料の控除・納付】
社会保険料は、被保険者負担分を毎月の給与から控除して、会社負担分と合算したものを
会社の所在地を管轄する年金事務所(旧社会保険事務所)に会社が納めます。
(注)当月の賃金から当月分の保険料を控除することはできません。控除することができるの
は、前月分の保険料です。ただし、被保険者が退職等でその事業所に使用されなくなった
ときは、前月分とその月分の保険料を控除することができます。
3 加入の手続き
【社員・従業員を新規採用した場合の手続き-「被保険者資格取得届」の提出】
項 目
内 容 等
届出者・提出者
・事業主が加入手続きを行います。
届出先・提出先
・会社の所在地を管轄している年金事務所(旧社会保険事務所)
届出・提出方法
・郵送または、窓口に持参します。
届出・提出の期間・ ・雇入れ後5日以内
期限・時期
必要書類
・所定の「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」
※新たに雇い入れた従業員等全員分
その他添付書類な ・扶養家族がいる従業員等については、「健康保険被扶養者(異動)届」
ど
の提出も必要となります。
・さらに、その扶養家族が配偶者である場合には、「国民年金第3号被
保険者資格取得届」も提出します。
※新たに法人を設立した場合には、
「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を遅滞なく届出な
ければなりません。
<参考文献>
改定3版 農業の労務管理と労働・社会保険 百問百答(全国農業会議所発行)
【農業革新支援担当 阿部 浩一】