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A “Step” Toward Sustained
Earnings Growth
アニュアルレポート 2006
2006 年 3 月期
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
目 次
コーポレート・プロフィール . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1
新機能事業グループ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
24
財務ハイライト . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2
エネルギー事業グループ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
30
組織体制およびネットワーク . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
4
金属グループ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
36
機械グループ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
42
化学品グループ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
48
生活産業グループ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
52
地域戦略 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
56
コーポレート・ガバナンスおよび内部統制 . . . . . . . . .
60
コーポレートセクション . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
73
財務セクション . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
82
株主ならびにステークホルダーの皆さまへ . . . . . . .
6
小島社長に聞く . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
7
1.『INNOVATION 2007』
ホップ期間のレビュー
2.『INNOVATION 2007』
ステップ期間の計画見直し
営業の概況 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
20
営業グループ概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
22
コーポレートデータ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 151
見通しに関する注意事項
このアニュアルレポートに記載されている三菱商事の将来の収益計画・戦略・理念および業績見通しなどのうち、歴史的事実でないものは将来に関する見通し
です。
これらは、現在入手可能な期待・見積り・予想・計画および当社の経営者による判断に基づいています。
これらの期待・見積り・予想・計画は、多くの潜在的リ
スク・不確実な要素・仮定を含んでおり、実際の業績は、
これらの重要な要素の変動により、当社の見込みとは大きく異なる可能性があります。従って、読者の皆さ
まにおかれましては、
これらの将来予測に関する記述について全面的に依拠することは控えるようお願いします。
また、当社は新しい情報・将来の出来事あるい
はその他動向に関するすべての見通しに関する注意事項を更新する責任を負うものではありません。
実際の業績に影響を与え得るリスクや不確実な要素・仮定には、
上記の内容以外に、商品市況・為替レート・当社の事業領域を取り巻く世界経済情勢・係争中およ
び将来の訴訟の結果・調達資金や金融商品・財源の継続的な有用性などがあります。ただし、
業績に影響を与え得る要素はこれらに限定されるものではありません。
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
コーポレート・プロフィール
三菱商事は、
国内および海外に200超の拠点を持つ最大の総合商社です。
私たちは、
エネルギー、
金属、
機械、
化学品、
食料や金融など、
あらゆる産業を事業領域としており、
500社を超える連結対象会社とと
もに、世界中のお客さまとビジネスを展開しています。
総合力を強みに事業を展開しつつ、
全社をあげて
「選択と集中」
や新しい機能の開発を進めてきた結果、
2006年3月期決算では3,500億円と過去最高の連結純利益を達成することができました。
これからも私たちは常に公明正大で品格のある行動を信条に、
豊かな社会の実現に貢献することを
目指し、
さらなる成長に向け全力で取り組んでいきます。
当社の沿革
企業理念 — 三綱領
∼ 1970
1954 年、総合商社として三菱商事
が新発足し、東京・大阪両証券取引
所に株式を上場しました。
1970 年代
1970年のブルネイLNG売買契約締
結に代表される、
単なる商取引にと
どまらない開発投資型ビジネスのグ
1971年、
ローバル展開が進展する中、
英文社名
“Mitsubishi Corporation”
の採用を決定しました。
1980 年代
燃料(2001 年にエネルギー事業に
改称)、金属、機械、食料、化学品、繊
維・資材の 6 グループ体制に加え、
1987年には情報産業グループを新
設。
1989年にはロンドン証券取引所
に上場しました。
しょ き ほうこう
しょ じ こうめい
りつぎょうぼう えき
所期奉公
処事光明
立業貿易
事業を通じ、
物心共に豊かな社会の
公明正大で品格のある行動を旨とし、
全世界的、宇宙的視野に立脚した
実現に努力すると同時に、
かけがえ
活動の公開性、透明性を堅持する。
事業展開を図る。
のない地球環境の維持にも貢献する。
1990 年代
1996 年、食料、繊維・資材グループ
の統合により生活産業グループが
発足。1998 年には佐々木幹夫(現
会長)が社長に就任、3 カ年中期経
営計画『 MC2000 』
( 2001 年には
『 MC2003 』)が策定されました。
2000 年代
( 2001年1 月、三菱グループ28社で構成される金曜会にて申し合わされた現代解釈)
2000年に新機能事業グループを新
設。2003 年、情報産業グループが
新機能事業グループ、
機械グループ
「三綱領」は、三菱四代社長岩崎小彌太の訓諭をもとに、1934年に(旧)三菱商事の行動指針とし
て制定されました。旧三菱商事は 1947年に解散しましたが、三菱商事においてもこの三綱領は企
と統合。
品川オフィス竣工。2004年、
新社長小島順彦が就任し、
中期経営
業理念となり、その精神は役職員の心の中に息づいています。
また三綱領は、三菱グループにおい
計画『INNOVATION 2007』
を策定。
2006 年に丸の内新本社ビルが竣
ても経営の根本理念となっています。さまざまな分野で活躍する三菱グループ各社は、同じ伝統と
工しました。
理念を共有するもの同士として、切磋琢磨を続けています。
1
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
財務ハイライト
三菱商事株式会社および連結子会社
3月31日に終了した事業年度
1996
1997
1998
1999
2000
¥15,491,747
¥15,792,080
¥15,825,653
¥13,700,556
¥13,112,801
568,640
75,042
72,121
6,789
33,412
86,750
590,664
68,374
96,251
15,269
44,385
113,553
588,225
51,028
71,200
17,863
47,848
104,866
582,938
28,130
39,366
18,419
31,176
76,512
575,058
54,682
30,726
12,197
26,302
93,900
9,835,500
5,145,636
3,818,320
1,171,648
9,659,955
5,274,374
4,113,919
1,099,585
9,523,369
5,409,745
4,219,175
1,010,443
8,844,185
5,068,800
3,830,605
950,311
8,098,194
4,306,923
3,740,132
906,459
¥ 21.32
21.22
747.70
8.00
¥ 28.32
28.24
701.63
8.00
¥ 30.53
30.53
644.75
8.00
¥ 19.89
19.89
606.38
8.00
¥ 16.78
16.78
578.40
8.00
37.5
¥ 1,400
28.2
¥ 1,100
26.2
¥ 1,090
¥
経営指標:
売上高*1 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期業績:
売上総利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税引前利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
持分法による投資損益 . . . . . . . . . . . . .
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
基礎収益*2 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
事業年度の財政状態:
総資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有利子負債*3 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ネット有利子負債 . . . . . . . . . . . . . . . . .
株主資本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
:
1株当たり情報(単位:円)
1株当たり当期純利益
基本的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化後 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1株当たり株主資本 . . . . . . . . . . . . . . . .
配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
配当性向
(%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
期末株価 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
40.2
775
47.7
931
¥
注記:米ドル金額は、便宜的に1米ドル=117円で換算しています。
*1 売上高は米国会計基準における売上高または収益を意味するものではありません。
*2 基礎収益=営業利益(貸倒引当金繰入額控除前)+利息収支+受当配当金+持分法による投資損益
*3 有利子負債総額は短期借入金および長期借入金債務(1年以内の期限到来分を含む)から債務の時価評価の影響を除いた金額としています。ネット有利子負債は、
有利子負債総額から現金および現金同等物と定期預金を差引いたものです。
当期純利益と希薄化後1株当たり当期純利益
売上総利益
(10億円)
(10億円)
1200
1,200
400
(円)
400
300
1,051.5
株主資本、
ROEとネット有利子負債倍率
(10億円)
2500
2,500
2,379.3 30
350.0
1,000
25
2,000
877.8
300
205.62
769.4
800
200
718.6
1,504.5 18.0
1,224.9
182.4
200
600
116.0
400
938.6
60.7
62.0
38.74
37.12
0
02
03
68.40
04
05
0
06
■
10
500
200
03
3.7
6.3
3.8
2.9
5
2.3
1.3
04
05
当期純利益
[左軸]
希薄化後1株当たり当期純利益[右軸]
06
0
0
0
0
02
03
04
■ 株主資本[左軸]
ROE(%)
[右軸]
ネット有利子負債倍率(倍)
[右軸]
2
15
10.7
100
107.58
6.1
100
0
02
13.4
1,032.5
1,000
0
20
1,500
643.9
05
06
0
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
単位:百万円
2001
2002
¥13,995,298
¥13,230,675
603,716
68,391
131,811
17,010
92,605
130,516
単位:
百万米ドル
2006/2005
2006
2004
2005
2006
¥13,328,721
¥15,177,010
¥17,132,704
¥19,067,153
643,922
68,189
99,420
9,293
60,702
134,813
718,580
100,639
60,735
44,878
62,019
182,227
769,381
130,523
150,119
56,464
116,020
211,898
877,763
183,365
209,799
97,095
182,369
330,528
1,051,481
349,864
478,383
119,008
350,045
537,410
19.8
90.8
128.0
22.6
91.9
62.6
8,987
2,990
4,089
1,017
2,992
4,593
8,069,384
4,194,873
3,823,221
971,551
8,148,902
4,239,764
3,813,947
1,032,499
8,099,500
3,912,935
3,526,086
938,621
8,392,833
4,012,428
3,520,816
1,224,885
9,093,372
4,042,515
3,430,257
1,504,454
10,411,241
3,802,586
3,148,662
2,379,264
14.5
–5.9
–8.2
58.2
88,985
32,501
26,912
20,336
¥ 59.09
59.09
619.94
8.00
¥ 38.74
38.74
659.09
8.00
¥ 39.60
37.12
599.51
8.00
¥ 74.11
68.40
782.40
12.00
¥116.49
107.58
960.85
18.00
¥ 215.38
205.62
1,411.38
35.00
84.9%
91.1
46.9
94.4
$ 1.84
1.76
12.06
0.30
20.2
732
16.2
¥ 1,230
15.5
¥ 1,389
¥
16.3
2,680
92.9%
$22.91
¥
13.5
833
¥
2003
増減率
20.7
941
¥
11.3%
$162,967
2006年3月期決算の概要
営業利益・連結純利益がともにほぼ倍増で過去最高益を更新
好調な商品市況を背景に、
エネルギー事業グループおよび金属グループが順調に収益を伸ば
したことに加え、
機械グループを中心に他のグループも大幅な増益となりました。
この結果、
当期純利益は2005年3月期を92%上回り、2004年3月期から3期連続で最高益を
更新する3,500億円となりました。
営業利益も原料炭価格の上昇の影響などで売上総利益が初めて1兆円を超えたことから、
2005年
3月期と比べ91%増益の3,499億円となりました。
本業の儲けを示す基礎収益も2005年3月期から63%増益の5,374億円と過去最高となりました。
全オペレーティング・セグメントで増益
2004年3月期から3期連続で、すべてのオペレーティング・セグメントで増益を達成しました。
株主資本が2兆円を大幅に超過
当期純利益の積み上がりに加え、
有価証券評価益の増加、
転換社債の株式転換により、
2005年
3月期末と比較して8,748億円増加し、2兆3,793億円となりました。
また、
ネット有利子負債倍率は
2005年3月期から1.0ポイント改善し、1.3倍となりました。
3
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
組織体制およびネットワーク
組織図(2006年7月 1日現在)
新機能事業グループCEOオフィス
株主総会
新機能事業グループコントローラーオフィス
• ICT事業本部
新機能事業グループ
• 金融事業本部
• 物流サービス本部
監査役会
• ヒューマンケア事業本部
• メディア・コンシューマー事業本部
監査役
監査役室
エネルギー事業グループCEOオフィス
エネルギー事業グループコントローラーオフィス
石油・ガス探鉱開発事業ユニット
ガバナンス委員会
エネルギー事業開発ユニット
エネルギー事業グループ
取締役会
国際諮問委員会
• 天然ガス事業第一本部
• 天然ガス事業第二本部
• 石油事業本部
監査部
• 炭素・LPG事業本部
経営企画部
CIOオフィス
取締役社長
金属グループCEOオフィス
金属グループコントローラーオフィス
金属グループ
社長室会
• 非鉄金属本部
事業開発部
機械グループCEOオフィス
地球環境事業部
機械グループコントローラーオフィス
ITS事業企画部
機械新規事業開発ユニット
ビジネスクリエー
ション部
コーポレート
スタッフ部門
• 鉄鋼製品本部
• 鉄鋼原料本部
イノベーション
センター
戦略ソリューション事業ユニット
機械グループ
• 重電機本部
• プラント・産業機械事業本部
• 開発建設プロジェクト本部
国際戦略研究所
• 船舶・交通・宇宙航空事業本部
広報部
• 自動車事業本部
オフィスビル企画部
• いすゞ事業本部
総務部
人事部
化学品グループCEOオフィス
HRDセンター
化学品グループコントローラーオフィス
人材センター
アリステックユニット
法務部
業務部
化学品グループ
フェニックスユニット
• 汎用化学品本部
中国事業戦略オフィス
• 機能化学品本部
コントローラーオフィス
• 先端化学品本部
リスクマネジメント部
ポートフォリオ・マネジ
メント委員会事務局
生活産業グループCEOオフィス
トレジャラーオフィス
生活産業グループコントローラーオフィス
IR部
生活産業グループ監査室
生活産業グループ
コンシューマー・サービスユニット
リテイル事業ユニット
• 食糧本部
• 食品本部
• ライフスタイル本部
4
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
ネットワーク(2006年4月1日現在)
拠点数
国内: 43
海外:118(このほか、
世界各地に39の現地法人を設けており、
これらの本・支店などが77カ所あります)
海外拠点 *
国内拠点*
北中米
欧州
アフリカ
アジア
■ 海外事務所
グアテマラ
サンサルバドル
■ 海外事務所
ロンドン
ワルシャワ
イスタンブール
アンカラ
プラハ
ソフィア
オスロ
ストックホルム
ブカレスト
ベオグラード
■ 海外事務所
ヨハネスブルグ
ダカール
カサブランカ
アビジャン
アルジェ
チュニス
マプト
ナイロビ
ダルエスサラーム
■ 海外事務所
クアラルンプール
ビンツル
シンガポール
マニラ
カラチ
コロンボ
ダッカ
ハノイ
ホーチミン
北京
成都
重慶
広州
天津
青島
上海
大連
瀋陽
イスラマバード
ラホール
ニューデリー
バンガロール
ムンバイ
コルカタ
ヤンゴン
プノンペン
ジャカルタ
メダン
スラバヤ
バンダル・スリ・ブガワン
(ブルネイ)
ウランバートル
■ 海外現地法人
米国三菱商事会社
ニューヨーク
サンフランシスコ
シアトル
シリコンバレー
ロスアンゼルス
ダラス
ヒューストン
シカゴ
ピッツバーグ
ワシントン
ボストン
アーリントン
ツーソン
カナダ三菱商事会社
バンクーバー
トロント
メキシコ三菱商事会社
メキシコシティ
パナマ三菱商事会社
パナマ
南米
■ 海外事務所
キト
ラパス
アスンシオン
■ 海外現地法人
ペルー三菱商事会社
リマ
コロンビア三菱商事会社
ボゴタ
智利三菱商事会社
サンチャゴ
ベネズエラ三菱商事会社
カラカス
プエルト・オルダス
亜国三菱商事会社
ブエノスアイレス
伯国三菱商事会社
サンパウロ
リオデジャネイロ
■ 海外現地法人
欧州三菱商事会社
ロンドン
スペイン三菱商事会社
マドリッド
英国三菱商事会社
ロンドン
仏国三菱商事会社
パリ
オランダ三菱商事会社
ロッテルダム
独国三菱商事会社
デュッセルドルフ
フランクフルト
ハンブルグ
ベルリン
イタリア三菱商事会社
ミラノ
ギリシャ三菱商事会社
アテネ
CIS
■ 海外事務所
モスコー
ユジノサハリンスク
キエフ
バクー
トビリシ
タシケント
アルマトゥイ
■ 海外現地法人
ナイジェリア三菱商事会社
アブジャ
ラゴス
エチオピア三菱商事会社
アディスアベバ
中東
■ 海外事務所
アンマン
バグダッド
トリポリ
リヤード
ジェッダ
アル・コバル
ドーハ
ドゥバイ
カイロ
ラマッラ
アブダビ
テルアビブ
マスカット
■ 海外現地法人
クエート三菱商事会社
クエート
イラン三菱商事会社
テヘラン
■ 海外現地法人
インド三菱
ニューデリー
チェンナイ
ムンバイ
コルカタ
バンガロール
ハイデラバード
ブバネシュワール
泰国三菱商事会社
バンコク
ハジャイ
泰国MC商事会社
バンコク
ハジャイ
シナール・ベルリアン
クアラルンプール
MCインドネシア
ジャカルタ
三菱商事(中国)有限公司
上海
北京
三菱商事(中国)商業有限公司
北京
三菱商事(広州)有限公司
広州
三菱商事(天津)有限公司
天津
北京
三菱商事(青島)有限公司
青島
三菱商事(上海)有限公司
上海
南京
寧波
三菱商事(大連)有限公司
大連
香港三菱商事会社
香港
厦門
深e
台湾三菱商事会社
台北
韓国三菱商事会社
ソウル
光陽
浦項
オセアニア
■ 海外事務所
ヌメア
■ 海外現地法人
オーストラリア三菱商事会社
メルボルン
シドニー
パース
ブリスベン
ニュージーランド三菱商事会社
オークランド
本店
東京
北海道ブロック
札幌
東北ブロック
仙台
中部ブロック
名古屋
新潟
富山
静岡
四日市
関西ブロック
大阪
神戸
岡山
高松
西条
高知
若狭
八幡浜
中国ブロック
広島
九州ブロック
福岡
長崎
大分
那覇
熊本
鹿児島
川内
玄海
セグメント別連結従業員数および連結対象会社数(2006年 3月 31日現在)
2006年3月期末
従業員数
連結対象会社数
新機能事業
4,934
エネルギー事業
1,887
53
金属
10,453
27
機械
9,765
166
化学品
3,395
53
20,268
118
生活産業
コーポレートスタッフ
3,036
76
24
現地法人 33
計
53,738名
550社
* 本データには、プロジェクト事務所および本店の
分室は含まれていません。
www.mitsubishicorp.com/jp/network/index.html
5
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
株主ならびにステークホルダーの皆さまへ
『 INNOVATION 2007 』で定めた、ホップ、ステップ、
ジャンプの 3 段階ステージのホップ期間において、
着実に足場を固めることができました。
この足場をもとに、新たなステージである「ステップ」
期間では、さらなる飛躍を目指してまいります。
2006年 3月期の当社の業績は、連結純利益が 3,500億円と、前期の 1,824億円からほぼ倍増し、3 期連続
で過去最高益を更新しました。資源関連ビジネスが好調であったことがその大きな要因ですが、資源関連
以外のビジネスも好調で、すべての営業グループで前期比増益となりました。2006年 3 月末の株主資本は
初めて 2兆円を突破し、ネットDER(有利子負債倍率)は 1.3倍まで低下するなど、財務体質の健全化も一層
進みました。
2004年 7月に策定した中期経営計画『 INNOVATION 2007』につきましては、ホップ期間である 2006年
3月期までの 2年間の環境変化も踏まえ、2010年 3 月期までのジャンプ期間に向けて、ステップ期間以降の
目標や計画を見直しました。具体的には次ページ以降にありますように、ステップ期間の初年度に当たる
2007年3月期には連結純利益 3,700億円、さらにジャンプ期間には連結純利益4,000億円以上を目指します。
これまでのホップ期間の 2年間で、
「 打って出る」ための事業基盤の整備を進めることができたと考えて
おります。ステップ期間は、国内外ともに、従来にも増して環境変化の激しい 2年間になると思われますが、
ジャンプ期間以降も中長期的に持続的な成長を果たせるよう、有望分野への積極投資など、必要施策に
着実に取り組んでまいります。
2006年 7月 30日
代表取締役社長
6
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
小島社長に聞く
三菱商事は、2006年 4 月 28 日、2006 年 3月期の決算公表と同時に、中期経営計画『 INNOVATION
2007』のステップ期間の計画見直しを発表しました。2005年 3月期決算に、中期経営計画の 4年目
に当たる 2008年 3月期の目標値であった連結純利益 1,800億円を前倒しで達成したものの、高騰
する資源・エネルギー価格の今後の動向や、三菱自動車工業への支援など、継続して取り組むべき
大きな課題もあります。そのような中で、ホップ期間の 2 年を終え、ステップ・ジャンプ期間へ向け
てどのような戦略で臨むのか、内外の投資家からも高い関心が寄せられています。
ここか らは 、小島 社長 に、ホップ 期間 のレビューと、ジャンプ期 間を睨ん だ、次 の 2 年間である
ステップ期間の計画見直しについて聞きます。
A “Step” Toward Sustained
Earnings Growth
1.『INNOVATION 2007』ホップ期間のレビュー . . . . . . . . . . .
8
2.『INNOVATION 2007』ステップ期間の計画見直し . . . . . . . 12
「財務諸表に見るビジネスモデルの変革」.
.......
19
77
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
1.『INNOVATION 2007』ホップ期間のレビュー
QUESTION 1.
まず、2006 年 3 月期までのホップ期間の 2 年間を簡単にレビューしてください。
2004年 7月に策定した『 INNOVATION 2007』では、中長期的な成長を目指し、
「 未来を拓く」をテーマに、
「新・産業イノベーター」というビジョンの実現に向けて、三つの基本コンセプトを掲げました。すなわち、
“変化を捉えて未来を拓く”
“ 人を活かし人を育てる”そして“足場を固める”の三つで、これらの下で経営
施策を進めてきました。
定量目標としては、2008 年 3月期に連結純利益で 1,800億円、そして「ジャンプ」期間以降、安定的に連結
純利益 2,000億円以上の収益レベルを達成することとしましたが、ホップ期間の終了時点で連結純利益が
3,500 億円と、計画を大きく上回りました。一方、成長戦略の中心となる投資計画は、4年間で 8,000億円を
予定していましたが、ホップの 2年間で 7,000億円を実行しました。また、連結純利益の増加や、当社の株価
上昇に伴い、CB(転換社債)の株式転換が進んだことなどにより、株主資本は 2.4兆円まで積み上がり、ROE
も 18%と、当初の計画値を前倒しで、かつ大幅に超えて達成することができました。
■ 当初の計画
■ 実績
「ホップ」
「ステップ」
2006年3月期
『INNOVATION 2007』
定量目標
2008年3月期
連結純利益 3,500億円
株主資本 2.4兆円
ROE 18.0%
「ジャンプ」
連結純利益 1,800億円
株主資本 1.8兆円
ROE 10%
3,500億円
2004年3月期
連結純利益 1,160億円
株主資本 1.2兆円
ROE 10.7%
1,160億円
QUESTION 2.
1,824億円
1,800億円
2,000億円
企業へ
1,300億円
2004.3
2005.3
2006.3
実績
実績
実績
2007.3
2008.3
実績が目標を大きく上回ったのは、やはり昨今の資源・エネルギーの価格の高騰が要因でしょうか。
確かに、
『 INNOVATION 2007』策定時の想定を大幅に超える、資源・エネルギー価格の上昇があったこ
とは事実ですが、それ以外の四つの営業グループの収益も着実に拡大しました。
すべての営業グループで増益を果たすことができた背景としては、三点あると思います。一点目は、前
中期経営計画『 MC2003 』以降、事業の選択と集中を進めたこと。二点目は、ビジネスモデルの変革を進め
たこと、すなわち、取引仲介を主体とする「総合商社」機能に加え、投資や金融機能を絡めてバリューチェー
ンのさまざまな段階に参画し利益をあげる、言わば「グローバルな総合事業会社」機能を強化したこと(財
務諸 表 に見 るビジネス モデ ル の変 革 の結 果 については 19 ページ をご参照ください )。そして 三点 目は 、
それらを支える経営管理のツールとして導入したBU(ビジネスユニット)制やMCVA(Mitsubishi Corporation
Value Added)などのシステムが、着実に機能したことがあげられます。
8
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
セグメント別業績推移 ■
新機能事業
■
機械
■
化学品
■
生活産業
■
エネルギー事業
■
金属
■
その他
(10 億円)
400
350.0
300
新機能事業
機械
化学品
生活産業
43%
182.4
収益1,580億円
200
116.0
100
58%
61%
エネルギー事業
金属
57%
収益2,109億円
42%
39%
0
–100
04.3
05.3
06.3
ホップ期間終了時点の 2006年 3 月期には大口の不良債権の償却が減り、赤字 BUの赤字額が 164億円に
まで減少した一方、黒字 BUの黒字額は 3,761億円と、大幅な伸びを見せました。今後とも、この管理システ
ムはしっかりと維持していく考えです。ちなみに、BU の数はシステム導入当時の 189 ユニットから統廃合
が進み、2006 年 4 月現在では 138ユニットとなりました。
黒字・赤字BU
(ビジネスユニット)の合計金額の推移
BU事業収益の推移
BU数の変遷
,
01/4
189
,
04/4
164
,
05/4
(10 億円)
,
149
06/4
400
359.7
300
再構築
14.0%
成長
20.0%
258.1
186.6
200
159.7
141.6
100
138
BU
219.3
149.7
105.7
65.0
0
(2006.4)
–100
拡張
66.0%
ミッション別の内訳
376.1
138
▲76.6
02.3
▲54.0
03.3
赤字BUの赤字額合計
▲36.9
▲38.8
04.3
05.3
黒字BUの黒字額合計
▲16.4
06.3
事業収益合計
9
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
QUESTION 3.
投資をかなり前倒しで実行したように見えますが、いかがでしょうか。
当初の計画に対し、2年間で 9割近くを実施したことになりますが、この中には計画策定後に発生した三
菱自動車工業への追加出資 1,000億円も含まれています。また、新規分野への投資というよりは、お客さま
との永年の信頼関係や、当社独自の知見を培ってきた既存ビジネスの拡張投資が 8割強を占め、
「 ステップ」
「ジャンプ」に向け、より確度の高い収益機会をねらうことに注力してきました。
「ホップ」
期間
(2005年3月期∼2006年3月期)
の投資実績(戦略累計別)
バリューチェーン
既存
既存
新規・拡張
既存拡張型
バリューチェーン発展型
5,900億円(84%)
500億円(7%)
投資実績
7,000億円
ドメイン
新規
50億円(1%)
550億円(8%)
横展開型
R&D型
2年間(
「ホップ」
期間)の投資実績 ⇒ 7,000億円
QUESTION 4.
資源・エネルギー分野への新規投資はどのくらいあったのでしょうか。
詳細は下記資料に示しましたが、天然ガス、石油資源、金属資源の三つの資源・エネルギー関連分野向け
投資は 2,350億円と、全体の約 3割にあたり、その大部分は、サハリン IIプロジェクト向けの追加出資や、豪
州原料炭事業の拡張投資でした。一方で、自動車、海外 IPP(発電)、食品など、資源・エネルギー以外の四つ
のグループに関連する分野には、約 7 割の資金を投下しました。
「ホップ」
期間
(2005年3月期∼2006年3月期)
の投資実績(分野別)
分野
10
投資等事例
金額(億円)
分野
投資等事例
金額(億円)
金融関連
REIT事業拡大(物流施設)、
リース用船舶の取得
天然ガス
サハリン投資、西豪州拡張
石油資源
メキシコ湾開発・生産、
アンゴラ・ガボン拡張
200
食糧
かどや製油・塩水港精糖の
株式取得、米国食肉事業拡張
100
金属資源
豪州原料炭事業拡張、
南ア・フェロクロム事業拡張
750
食品
明治屋商事設立、菱食拡張、
サンエス・ライフコーポレーション
の株式取得
750
自動車事業
三菱自動車工業株式取得、
いすゞ自動車優先株取得
1,700
その他
鉄鋼製品、先端化学品など
100
1,400
海外IPP
米国発電所買収、CLPとのJV設立、
メキシコ発電所建設
850
資源型
化学品
サウジ石化株式追加取得
150
1,000
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
QUESTION 5.
昨年のアニュアルレポートでも三つの課題の一つとしてあげていた、三菱自動車工業に対する支援の取り
組み状況はいかがですか。
三菱自動車工業は 2005年 1月、それ以前の計画を抜本的に見直した「三菱自動車再生計画」を公表しまし
た。当社は同計画の精査などを行った結果、同社からの要請に基づき、2005年 3月に 700億円の追加増資を、
さらに 2006年 1 月には 300 億円の優先株式を引き受けました。
2006年 3 月期には、国内市場での新車発売効果もあり、
「 三菱自動車再生計画」の初年度の目標を達成し
ました。三菱自動車工業の再生は順調に推移していると理解していますが、まだ道半ばです。当社は同社
との直接取引のほか、アジアにおける販売事業や欧州における販売金融事業など、主に海外で同社と共同
で事業を展開しており、引き続き同社の株主としてだけではなく、ビジネスパートナーとしても、同計画の
達成に向けて協力をしていきます。
三菱自動車工業への投資
リスクエクスポージャー
(10 億円)
500
400
株含み益
20.3
300
200
約290
株含み益
72.8
約350
株含み益
110.7
約420
約200
700億円
増資引受
100
300億円
優先株引受
0
05.1
05.3
05.9
06.3
11
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
2.『INNOVATION 2007』ステップ期間の計画見直し
QUESTION 1.
今回のステップ期間の計画見直しのコンセプトをお聞かせください。
テーマ、ビジョン、そして三つの基本コンセプトについては変更ありません。また、MCVAや BU 制といっ
た経営管理システムも引き続き堅持していきます。したがって、見直しの中心は定量目標と投資計画にな
ります。まず定量目標ですが、ステップ期間は、ジャンプ期間以降に連結純利益で 4,000億円以上、中長期
的に ROE15%を目指すための仕込みの期間ととらえ、初年度の連結純利益見通しを3,700億円としました。
成長戦略の核となる投資計画は、2 年間で 1兆 2,000億円を予定しています。投資性資産は増加しますが、
株主資本に対する倍率は 1.5 倍以下をめどとし、DER も 2 倍以下程度に抑え、バランスシートの健全性を
維持していきます。また、配当については業績連動的な考え方を継続し、連結純利益の 15% 以上を株主に
還元することとします。
「ホップ」
「ステップ」
「ジャンプ」
P/L
3,500億円
3,700億円
4,000億円以上
連結純利益
1,160億円
ROE
1,824億円
2004.3
2005.3
2006.3
2007.3
10.7%
13.4%
18.0%
14.6%
B/S
2006年3月期
連結総資産:10.4兆円
その他負債
その他資産
投資性資産
3.2兆円
有利子負債
(ネット)
3.1兆円
株主資本2.4兆円
投資性資産/資本倍率 : 1.4倍
DER : 1.3倍
2008.3
2009.3∼
中長期的に平均15%を目指す
2008年3月期
その他資産
投資性資産
4.4兆円
負債
株主資本
3.0兆円程度
投資性資産/資本倍率 :
1.5倍以下を目処
DER : 2倍以内を目処
ホップ期間の 2 年間で、当社の利益水準は急激に上昇しました。背景には、構造的な変化とも言える大き
なマクロ環境の変動がありました。そして、ステップ期間の向こう 2 年間には、さらに大きな環境変化があ
ると予想しています。ステップ期間は、ジャンプ期間に向けて仕込みをするという意味で、当社にとって
非常に 重要な 2 年間になると考えています。
12
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
QUESTION 2.
ステップ期間は仕込み期間とのことですが、ホップ期間に比べると、あまり収益の伸びがありません。すでに
ジャンプが終ってしまったようにも見えますが、今後は過去のような大きな成長は難しいのでしょうか。
資源・エネルギー価格については、今後、変動がさらに大きくなることも予想されますので、それを念頭に
置いて計画を立てています。計画 に当たっての前提条件をご覧に なれば、計 画策定時点の実 勢より低 め
に見ていることがお判りになるでしょう。いずれにせよ、計画した成長戦略を着実に実行していくことで、
さらなるジャンプを目指すことは可能と考えています。
計画の前提条件
『INNOVATION 2007』
の前提
2006年3月期実績
2007年3月期見通し
100.0
113.3
110.0
金 利(円短期金利、%)
0.25
0.09
0.30
原油価格(US$/バレル)
26.0
53.5
55.0
銅価格(US$/トン)
1,983
4,097
4,630
アルミ価格(US$/トン)
1,400
2,029
2,300
為 替(¥/US$)
QUESTION 3.
ジャンプ期間以降の連結純利益 4,000 億円というのは、保守的な目標なのでしょうか。
4,000億円“以上”と目標設定しています。資源・エネルギー関連以外の営業グループも着実に収益レベ
ルをかさ上げしてきていますので、ジャンプ期間の目標として、
“ 最低”4,000 億円は稼げる実力を持った
会社にしたいというのが、今回の計画です。
QUESTION 4.
投資 計画を 2 年間で 1 兆 2,000 億円としました。この投資の 規模については、投資家 の間でも、
「 それほど
案件があるのか」、あるいは「もっとやれないのか」など、いろいろな意見があるようです。
まず、計画策定に
当たっての考え方をお聞かせください。
投資計画の規模を考えるに当たっては、三つの点を考慮しました。一つは、1件当たりの投資金額が大きく
なっていることです。資源・エネルギー分野をはじめとして、案件が大型化しています。当初 1兆 2,000 億円
を大幅に超える提案が各グループから出てまいりました。その中から、採算性、実行性などを考えて投資
案件を絞り込んでいきました。二つ目として、投資に伴い、人材の供給が必要となることです。資金を投下
するだけではなく、人も投入して事業の価値をあげていくわけですから、人材の育成や確保の見通しも、
投資計画を策定するに当たって考慮しなければならない重要な要素です。そして三つ目としては、バラン
13
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
スシートの健全性の維持です。資産サイドについては、現状の資源・エネルギー分野への投資割合を維持
すべく、同分野への新規投資は計画全体の約 3 割に抑え、バランスの良い事業ポートフォリオを作ることに
配慮しました。一方、調達サイドについては、よほど大きなマクロ環境の変化がないかぎり、DERや投資性
資産の対資本倍率といった指標について健全と思われる水準を維持することを考慮し、全体の投資計画
の規模を設定しました。
「ステップ」
期間
(2007年3月期∼2008年3月期)
の投資計画(分野別)
重点分野
(1)
中核ビジネスの徹底強化継続
重点分野
(2)
社会やお客さまのニーズを捉えた
新しいビジネスの開拓
追加投資による事業拡大
エネルギー
天然ガスおよび石油探鉱・開発事業
金属資源
石炭、
銅、
アルミなど
食糧・食品
国内流通分野の基盤強化および
バリューチェーン拡大
産業金融
4,000億円
1,500億円
自動車事業
三菱自動車工業、
いすゞ自動車との事業展開強化
海外IPP
アジアへの展開
1,000億円
その他の投資
プラント、建設、
船舶関連他
2,500億円
500億円
トレーディング関連の事業強化
鉄鋼製品
海外バリューチェーンの拡大
化学品
資源型化学品事業の強化
自動車リース、REITなど
消費者起点
ローソン事業や消費者周辺事業
医療・介護関連
ヘルスケア分野における
バリューチェーンの拡大
環境関連
排出権など
新技術関連
ナノテク関連など継続強化
1,500億円
「ステップ」
期間の投資計画 合計1兆2,000億円
1,000億円
(
「ホップ」
期間の投資実績 7,000億円)
「ステップ」
期間(2007年3月期∼2008年3月期)の投資計画(戦略累計別)
バリューチェーン
既存
既存
新規・拡張
既存拡張型
バリューチェーン発展型
営業拡充・チャネル拡大等
上流事業又は下流事業への投資等
6,000億円
(50%)
2,000億円
(17%)
ドメイン
新規
地理的拡張・成功モデルの
隣接業界への展開等
3,800億円
(32%)
ドメイン・バリューチェーンともに
新たな領域への参入
200億円+α
(1%+α)
横展開型
R&D型
投資候補合計=1兆2,000億円
14
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
QUESTION 5.
「バリューチェーン発展型」や「横展開型」というのはどういうものですか。
たとえば LNG(液化天然ガス)で言えば、今後の一つのキーワードはグローバル展開です。かつては日本
が LNGの過半を消費していましたが、すでに EU 、アメリカが本格的な消費国になり、ついに中国も輸入を
開始するなど、LNGの需要が世界的に高まりを見せています。こうした状況において、LNG船への投資の
みならず、アメリカにおける受入基地の建設投資など、将来のグローバルな LNGのトレーディング市場拡
大を見越した展開が考えられます。これが川中や川下へのバリューチェーンの発展型です。
一方、すでにアメリカ、
メキシコなどで実績を積んできた IPP 事業に関しては、今後電力の民営化が進む
と期待されるアジアでも、パートナーとともに同様な事業の展開を計画しています。これが、一つのビジネ
スモデルを他地域でも適用する横展開型の例です。
知見のない所に飛び地的に入っていくのではなく、既存ビジネスをタテ、ヨコに展開していくことで、成
功の確率は高まります。
QUESTION 6.
収益的には、次のステップ期間もやはり資源・エネルギーが牽引役になるという理解で良いでしょうか。
当社の収益に占めるエネルギー事業・金属両グループの割合は、2006 年 3 月期で約 6割と大きく、この構
造はそれほど急には変わらないと思います。当社が強みを持つ事業は、引き続き拡張していくことで、さら
なる収益の拡大がねらえると考えています。その上で、ホップ・ステップ期間に行う、資源・エネルギー関
連以外のグループの成長戦略が実を結んで、資源・エネルギーの比率が相対的に下がり、よりバランスの
取れた形になることをねらっています。
QUESTION 7.
お話を聞いていますと、主に既存ビジネスの延長線で収益機会を拡げているように見えます。一方で、中期
経営計画のビジョンでもある「新・産業イノベーター」
という言葉からは、改革・革新といった全く新しいもの
がイメージされ、少し食い違うようにも思えますが。
今回の投資計画で言うと、
「 重点分野( 2)」
として 1,500億円の投資を予定している“社会やお客さまのニー
ズを捉えた新しいビジネスの開拓”の欄を見ていただくと、
イメージがしやすいと思います(14ページの『「ス
テップ」期間( 2007年 3 月期∼ 2008 年 3 月期)の投資計画(分野別)』参照)。
ここ数年、商社のビジネスモデルも変わり、バリューチェーン上で私たちが担っている機能をお客さま
に提供することで、お客さまのイノベーションを手助けできることが増えてきました。身近な例で言えば、
私たちがローソンとともに取り組んでいる中で得るさまざまな知見が、食品メーカーや食品卸問屋の、新
しい、まさにイノべーティブな事業に貢献し、時には当社も一緒に手がけるということが起こりうるわけで
す。
「 新・産業イノベーター」と言っても、当社が一人で全部やるということではなく、お客さまとの会話を
通じ、お客さまと一緒にイノベーションを手がけていくというコンセプトだと考えてください。
15
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
QUESTION 8.
2006年 3月末にはネットDERが 1.3 倍まで下がりました。もっとレバレッジをあげて資本効率を改善すべき
では、という声もありますが。
今回の計画では、ステップ期間中に 1 兆 2,000 億円の投資 を行っても、期間終了時点の DER は 2.0 倍以
内に抑えられ、投資性資産の資本に対する倍率も 1.5 倍以下をめどに運営できると見込んでいます。もち
ろん、個々の事業では、リスクの度合いに応じてレバレッジをより利かせて、資本効率 をあげる べく努力
しますが、その上でも、全体としては上述の財務体質を維持できると見込んでいます。現在の当社におい
ては、
トレ ーディングビジネス が主 体であった 以前 の商 社ビジネス に比 べ、固 定的 な投 資性 資産 の絶 対
額が大きくなっています。そのため、投資の積み上げに応じ、厚めの株主資本を用意することが必要になっ
ています。
また、三菱自動車工業やサハリン IIプロジェクトといった大口の投資案件の存在も、引き続き経営上の
留意事項です。こういった大きな規模の事業に余裕を持って取り組むためにも、バランスシートの健全性
の維持は重要であると考えています。
株主資本とネット有利子負債の増減
(10 億円)
4,000
(倍)
3.8
3,526.1
4
3,520.8
3,430.3
3,148.7
2.9
3,000
3
2.3
2,379.3
2
2,000
1,504.5
1,224.9
1,000
1.3
938.6
1
0
0
03.3
04.3
ネット有利子負債[左軸]
16
05.3
株主資本[左軸]
06.3
ネットDER[右軸]
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
QUESTION 9.
ステップからジャンプへの成長戦略を支える経営施策と、計画を実行するに当たって特に留意していること
などをお聞かせください。
ただ資金を使って投資を行うだけでは、計画の目標を達成することはできません。人材育成や、CSR(企
業の社会的責任)、内部統制といった足場固めの施策、そしてグローバルな拠点体制の整備も、私にとって
は言わば大事な“投資”であり、ステップからジャンプ期間の定量目標を達成するための重要な鍵でもあ
ると考えています。
「ステップ」
期間
(2007年3月期∼2008年3月期)
の計画
基本コンセプト
1. 変化を捉えて未来を拓く
・
・
・中長期の成長戦略
中核ビジネスの徹底強化 新しいビジネスへの取組み
2. 人を活かし人を育てる
・
・
・成長を支える人材の育成
3. 足場を固める
・
・
・連結経営基盤の強化
・成長に向けた地域戦略の強化
・イノベーション活動の推進
・HRDセンターの設置
(HRD=Human Resources Development)
・内部統制体制の一層の強化
・システムインフラ整備の推進
・CSRの一層の推進
当社の取り組む投資は、単に資金を出すだけではなく、事業の運営にも携わるものです。したがって、人
材の不足が今後の当社の成長戦略のボトルネックにならないよう、経営能力がある社員の育成や、外部か
らの経験者の採用などを、継続的かつ積極的に行っていく必要があります。同時に、国内のみならず、連結
ベースかつグローバルで一元的に人材の育成を行うことも重要です。当社は今春、HRD(Human Resources
Development)センターを設置しましたが、同センターが中心となって、世界中の多様な人材を全社ベー
スで活用していくことが、成長戦略の推進には欠かせないと考えています。さらに、成長に向けた地域戦略
の強化は、場所発信を促す意味でも大切であり、これが国内外の拠点体制の整備につながります。
内部統制の仕組みについては、会社法で、基本方針の取締役会決議が求められるなど、益々重要となって
いるため、従来にも増して、連結ベース、グローバルベースで徹底して整備をしていきます。また、システム
インフラの整備を推進していきます。
さらに、社会貢献活動や環境への取り組みにも、従来にも増して力を入れていきます。
17
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
企業行動指針
1. 企業活動の目的
我が社は、事業を通じ、企業価値の向上を図るとともに、有用なサービス・商品を安全
性にも配慮して創出・提供し、物心共に豊かな社会の実現に努める。
2. 公明正大な企業活動
我が社は、企業活動の展開に当たり、諸法規、国際的な取決め及び社内規程を遵守す
るとともに、社会規範に沿った責任ある行動をとる。
3. 人権・社員の尊重
我が社は、人権を尊重し、差別を行わない。
また、人材育成を通じて企業活力の維持・
向上を図るとともに、社員の人格・個性を尊重する。
4. 情報の管理・公開
我が社は、企業情報を適切に管理するとともに、
ステークホルダーを含め社会一般か
らの正しい理解を得、透明性の保持を図るため、情報を適時・適切に公開する。
5. 地球環境への配慮
我が社は、地球環境に配慮しない企業は存続しえないとの認識に立ち、企業活動のあ
らゆる面において地球環境の保全に努め、持続可能な発展を目指す。
6. 社会貢献活動
我が社は、社会の一員として、
より良い社会の実現に向けて積極的に社会貢献活動を
行う。
また、社員による自発的な社会貢献活動を支援する。
以
上
〔改定履歴〕
制定:1973 年6月 5日
改定:1992 年12月 7日、2005 年1 月1 日
QUESTION 10.
最後に、株主還元についてお聞かせください。ステップ期間の計画では、どのような方針で株主への利益還
元を行っていくのですか。
配当方針については、2005年 3月期より導入した業績連動的な考え方を継続していきます。さらに、投資
計画や単体の財務状況などを踏まえながら、連結配当性向で 15%以上を目安に、弾力的に決定することと
します。
当期純利益と年間1株当たり配当金の推移
(10億円)
(円)
40
400
350.0
300
35.0
30
182.4
200
92.6
100
26.3
12.0
62.0
60.7
8.0
8.0
8.0
20
18.0
116.0
10
8.0
0
0
00.3
01.3
02.3
03.3
04.3
当期純利益[左軸]
05.3
06.3
年間1株当たり配当金[右軸]
さらなる成長のための投資機会は非常に多いことから、内部に留保した資金も活用して、企業価値の向
上に努めることで、間接・直接的に株主の皆さまに十分な還元をさせていただけるものと確信しています。
18
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
Progress in Numbers – 財務諸表に見るビジネスモデルの変革
当社のビジネスモデルの変化は、財務諸表に大きな影響を与えています。
トレーディングビジネスのピークを
記録した 1991年 3月期と、直近で連結純利益が最小となった2000年3月期を、当期の財務諸表と比較してみると、
構造の変化が鮮明に現われています。
1991
2000
2006
に総資産は一旦縮小
バランスシートの推移
しましたが、その後
総資産
11.9兆円
成長に応じて増加に
総資産
流動資産
4.3兆円
負債
資本
0.7兆円
資産
一般負債
2.9兆円
有利子負債
4.3兆円
固定資産
3.8兆円
固定資産
3.4兆円
資産
10.4兆円
8.1兆円
有利子負債
7.1兆円
転じています。
総資産
一般負債
4.1兆円
流動資産
8.5兆円
資産の健全化ととも
負債
資本
0.9兆円
一般負債
4.2兆円
流動資産
5.4兆円
事業投資の拡大にした
がい、固定資産が増加
固定資産
5.0兆円
有利子負債
3.8兆円
しています。株主資本
資本
2.4兆円
が増える様バランスシ
負債
果、ネットDERが着
資産
の増加に応じ固定資産
ートを管理してきた結
実に改善しています。
売上総利益の推移
売上総利益
10,515億円
トレーディングから
事業投資への流れの
中で、収益の主体が
売上総利益
5,821億円
単体売上総利益
3,005億円
売上総利益
5,751億円
単体売上総利益
2,063億円
親会社から子会社へ
と変化しました。
単体売上総利益
1,908億円
純利益の推移
純利益
3,500億円
持分法適用の関連会
社利益も大きく伸長
しており、連結純利
持分法利益
206億円
純利益
持分法利益
122億円
純利益
263億円
持分法利益
1,190億円
益の増加に寄与して
います。
653億円
注:1991年3月期は米国会計基準 基準書第115号(売却可能有価証券の時価評価)を適用していません。
19
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
営業の概況
営業グループ概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 22
新機能事業グループ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
新機能事業グループ CEOオフィス /新機能事業グループコントローラーオフィス
24
金融事業本部
投資ユニット /金融企画ユニット /M&Aユニット
ICT事業本部
ITFユニット /ネットワークサービス事業ユニット
物流サービス本部
リスクエンジニアリングユニット/物流事業ユニット /不定期船事業ユニット /ターミナル事業ユニット
ヒューマンケア事業本部
ヘルスケア事業ユニット /ライフケア事業ユニット
メディア・コンシューマー事業本部
フードサービス事業ユニット /ヒューマンサービス事業ユニット /メディア・コマース事業ユニット /
携帯電話事業ユニット
エネルギー事業グループ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
エネルギー事業グループ CEO オフィス/ エネルギー事業グループコントローラーオフィス
石油・ガス探鉱開発事業ユニット/ エネルギー事業開発ユニット
30
天然ガス事業第一本部
ブルネイ事業ユニット/アラスカプロジェクトユニット/マレーシア事業ユニット/
オーストラリア事業ユニット/インドネシアプロジェクトユニット
天然ガス事業第二本部
オマーンプロジェクトユニット/ サハリン事業ユニット/ 新規プロジェクト開発ユニット/
グローバルガスユニット/米国基地事業ユニット
石油事業本部
石油リテール事業ユニット/産業燃料ユニット/ 電力燃料ユニット/ オリマルジョンユニット/
発電用石炭ユニット/ 石油原料ユニット/ 海外石油事業ユニット/ 精製需給ユニット
炭素・LPG事業本部
炭素原料ユニット/ 石油コークスユニット/LPG 事業総括ユニット/ 波方事業ユニット
金属グループ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
金属グループ CEOオフィス /金属グループコントローラーオフィス
鉄鋼製品本部
鉄鋼製品事業ユニット/ 鉄鋼事業開発ユニット/ 部品事業開発ユニット
鉄鋼原料本部
鉄鋼原料販売事業ユニット/ 一般炭事業ユニット/ 鉄鉱石事業ユニット/ ニッケル・合金鉄事業ユニット/
MDPユニット
非鉄金属本部
ベースメタル事業ユニット/アルミ事業ユニット/ 商品市場事業ユニット/ 非鉄製品事業ユニット/
非鉄事業開発ユニット/ 海外通信プロジェクトユニット/TOTプロジェクトユニット
20
36
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
機械グループ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
機械グループ CEOオフィス /機械グループコントローラーオフィス
機械新規事業開発ユニット/ 戦略ソリューション事業ユニット
42
重電機本部
重電機ユニット/重電機輸出ユニット/エレベーター事業ユニット/海外電力事業ユニット/国内電力リテール事業ユニット
プラント・産業機械事業本部
化学プラントユニット/重機ユニット/プロジェクト開発ユニット/製紙・繊維機械ユニット/ 環境・水事業ユニット/
産業機械ユニット/レンタル・建機事業ユニット
開発建設プロジェクト本部
不動産事業・企画ユニット/ 都市開発ユニット/ 建設・設備ユニット/ 住宅事業ユニット/ 総合開発ユニット
船舶・交通・宇宙航空事業本部
船舶ユニット/交通システムユニット/ エアラインビジネスユニット/ 宇宙システムユニット/ 衛星通信事業ユニット/
地理・空間情報事業ユニット/ 防衛システムユニット/ 情報セキュリティビジネスユニット
自動車事業本部
自動車アジア・アセアンユニット/自動車欧州・中東・アフリカユニット/自動車米州・豪州ユニット/自動車国内ユニット
いすゞ事業本部
アジア事業ユニット/国際事業ユニット
化学品グループ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
化学品グループ CEOオフィス /化学品グループコントローラーオフィス
アリステックユニット/フェニックスユニット
48
汎用化学品本部
AALLC事業ユニット/ オレフィン・アロマユニット/ 石化中間原料ユニット/ポリエステル原料ユニット/
メタノールユニット/アンモニアユニット/ 肥料ユニット/無機原料ユニット/ クロールアルカリユニット
機能化学品本部
サウディ石化ユニット/ 塩化ビニールユニット/ 汎用樹脂ユニット/ 工業樹脂ユニット/PET樹脂ユニット/
コーティングケミカルユニット/ 機能性ポリマーユニット/ 機能材料ユニット/ 電子材料ユニット
先端化学品本部
ファインケミカルユニット/生化学製品ユニット/ バイオビジネスユニット/ 先端技術事業化推進ユニット
生活産業グループ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
生活産業グループCEOオフィス/生活産業グループコントローラーオフィス/生活産業グループ監査室
コンシューマー・サービスユニット/リテイル事業ユニット
52
食糧本部
穀物製品ユニット/ 穀物ユニット/ 砂糖ユニット/澱粉・ビールユニット/ オイルシードユニット/油脂ユニット/
食肉事業ユニット/ 飼料ユニット
食品本部
鮪ユニット/ 低温食品ユニット/酪農食品ユニット/コーヒー・ココアユニット/ 果汁・青果物ユニット/
加工食品ユニット/ 飲料・缶詰ユニット/ 菓子・ペットユニット
ライフスタイル本部
ブランドユニット/S.P.A. 第一ユニット/S.P.A.第二ユニット/S.P.A.第三ユニット/ 百貨店S.P.A. ユニット/
生活資材ユニット/ 紙・パッケージングユニット/ 住宅資材ユニット/ALPACユニット
地域戦略 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 56
21
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
営業グループ概要
2006年3月期の業績*
新機能事業グループ
売 上 高:273,576百万円
売上総利益:52,461百万円
当期純利益:19,390百万円
総 資 産:690,830百万円
総資産(10億円)
1,200
純利益(10億円)
1,000
19
20
1,062
845
800
15
12
691
600
10
従 業 員:4,934名
400
5
2
200
04
エネルギー事業グループ
売 上 高:4,533,390百万円
売上総利益:93,880百万円
当期純利益:75,061百万円
総 資 産:1,501,723百万円
05
06
2,000
60
46
1,141
856
40
500
05
3,000
06
2,670
04
05
150
06
136
120
2,057
2,000
31
20
04
従 業 員:10,453名
06
75
80
1,500
1,000
売 上 高:4,184,986百万円
売上総利益:304,829百万円
当期純利益:135,780百万円
総 資 産:2,669,659百万円
05
1,502
従 業 員:1,887名
金属グループ
04
1,707
90
48
60
1,000
31
30
04
機械グループ
売 上 高:3,354,085百万円
売上総利益:181,197百万円
当期純利益:70,350百万円
総 資 産:2,456,423百万円
05
06
04
05
80
3,000
2,165
2,298
70
2,456
55
60
2,000
06
42
40
従 業 員:9,765名
1,000
20
04
化学品グループ
売 上 高:1,945,093百万円
売上総利益:76,977百万円
当期純利益:19,595百万円
総 資 産:707,681百万円
05
800
06
708
04
05
06
25
648
20
590
18
20
600
15
14
400
従 業 員:3,395名
10
200
5
04
生活産業グループ
売 上 高:4,790,470百万円
売上総利益:336,216百万円
当期純利益:48,571百万円
総 資 産:1,943,991百万円
2,500
従 業 員:20,268名
1,000
05
06
04
05
06
60
1,944
2,000
1,739
49
45
50
39
1,486
40
1,500
30
20
500
10
04
05
06
* 従業員数は 2006年 3月 31日現在のデータとなります。本ページに記載されていないコーポレートスタッフの従業員数は 3,036名となっています。
22
04
05
06
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
事業規模(2006年4月1日現在)
主な商品・サービス
組 織:5本部15BU
ICT事業本部(2BU)
金融事業本部(3BU)
物流サービス本部(4BU)
ヒューマンケア事業本部(2BU)
メディア・コンシューマー事業本部(4BU)
拠 点:国内5拠点 海外:13拠点(11カ国)
■
組 織: 4本部24BU
天然ガス事業第一本部(5BU)
天然ガス事業第二本部(5BU)
石油事業本部(8BU)
炭素・LPG事業本部(4BU)
グループCEO直轄(2BU)
拠 点:国内11拠点 海外:29拠点(25カ国)
■
組 織: 3本部15BU
鉄鋼製品本部(3BU)
鉄鋼原料本部(5BU)
非鉄金属本部(7BU)
拠 点:国内4拠点 海外:22拠点(17カ国)
■
組 織: 6本部33BU
重電機本部(5BU)
プラント・産業機械事業本部(7BU)
開発建設プロジェクト本部(5BU)
船舶・交通・宇宙航空事業本部(8BU)
自動車事業本部(4BU)
いすゞ事業本部(2BU)
グループCEO直轄(2BU)
拠 点:国内12拠点 海外:50拠点(37カ国)
■
組 織: 3本部24BU
汎用化学品本部(9BU)
機能化学品本部(9BU)
先端化学品本部(4BU)
グループCEO直轄(2BU)
拠 点:国内8拠点 海外:31拠点(25カ国)
■
組 織: 3本部27BU
食糧本部(8BU)
食品本部(8BU)
ライフスタイル本部(9BU)
グループCEO直轄(2BU)
拠 点:国内10拠点 海外:38拠点(28カ国)
■
ICT関連事業(ITソリューション&サービス事業、
ネットワークサービス関連事業、
IT
関連コンサルティングなど)
バイアウト、
ベンチャー事業育成、
M&A支援、証券化、オペレーティングリース、
ア
セットマネジメントなど
■ 物流事業
(部品・製品物流、
不定期船、
タンクターミナルなど)
、
保険事業
(総合保険ソ
リューション、
キャプティブ再保険など)
■ 病院向け総合ソリューション、
介護サービス、
地域総合ケアなど
■ 外食、
コンテンツ、
eコマース、出版、人材ビジネス、
コールセンター、
モバイル関連事
業など
■
LNG、LPG、原油、
ガソリン、
ナフサ、
灯油、
軽油、
重油、
潤滑油、
アスファルト、
その他石
油製品、
オリマルジョン®、
無煙炭、
石炭コークス、
石油コークス、
カーボンブラック原
料油、
コールタール・タール製品、
炭素繊維・活性炭、
人造黒鉛電極、
石油・ガス探鉱開
発、
新エネルギー開発、
省エネ対応エネルギーシステム開発、
電熱供給事業など
製鉄用原料炭、
一般炭、
鉄鉱石、
副原料、
ニッケル・クロムなどのステンレス原料、
合
金鉄、
銅・アルミなどの非鉄金属原料、
非鉄金属製品、
貴金属、
自動車部品、
銑鉄、
屑鉄、
普通鋼材、
鋼管、
ステンレス鋼、
その他鉄鋼製品など
発電プラント、送変電設備、
昇降機、鉄道車両、
交通システム、
ガス・石油プラント、
化学プラント、
製鉄機械、非鉄製造設備、
セメント機械、
鉱山機械、
船舶、
舶用機械、
廃棄処理設備、環境設備、自動車、建設機械、工作機械、印刷機械、航空機、
航空機
エンジン、航空機搭載機器材、防衛関連電子機器、
宇宙関連機器など
■ 建築工事の設計・施工、
住宅の分譲・賃貸、
オフィスビル・商業施設などの開発、
不動
産仲介・証券化、PFI事業、海外建設・土木プロジェクトなど
■ プロジェクト開発事業、
電力卸売、小売事業、
上下水道運営などインフラストラク
チャーの整備・運営、
自動車製造販売および自動車販売金融事業、
FPSO/FSO定
期用船事業、
食品リサイクル事業、
衛星通信事業、
衛星地図情報事業、
情報セキュリ
ティ事業、ASP事業、航空機リース事業など
石油化学品、
肥料、
無機化学品、
合成樹脂・製品、
機能性材料、
電子材料、
食品添加物、
医薬・農薬中間体、
バイオ事業、
先端素材など
米穀、小麦、小麦粉、
とうもろこし、砂糖類・その他の糖類、澱粉、
コーングリッツ、
ビール原料、
大豆、
菜種、
ゴマ、
油脂製品、
鶏・豚肉、
食肉加工品、植物蛋白、糟糠類、
粗飼料など
■ 加工食品、
飲料、
原料茶、
缶詰、
酒類、
菓子、
製菓原料、
健康食品、
ペットフード、
鮪、
水
産物、低温食品、チーズ、
乳製品、
コーヒー・ココア原料、果汁、
青果物など
■ 繊維原料・糸・織編物、
産業繊維、
光ファイバー、
衣料、
ブランド事業、
家具、
靴、
日用
雑貨、タイヤ、
紙、
包装資材、
パルプ、
木材チップ、
住宅建材、セメント、
硅砂など
■ リテイル経営ソリューション、
マーケティングリサーチ、
ロジスティクエンジニアリ
ング、
セールスプロモーションサービスなど
23
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
新機能事業グループ
グループCEOメッセージ
グループ全体戦略
新機能事業グループは、
2000年4月の発足以来、総合商社のビジネスを内部で支えてきた機能
(金融、
情報・通信、
物流、
経営・マーケティング支援など)
を社外にも提供することにより、
新たな
ビジネスの構築にチャレンジしてきました。
従来の当社のビジネスモデルは、
商流からの収益創造、
およびその中で得た業界知識、
商品ノウハウを活用した事業投資展開によって収益拡大を図るとい
うものでしたが、
当グループは複数の戦略子会社と有機的に連携することでサービス自体を販売す
るという新しい手法により、
当社が従来手がけてこなかった新しい事業領域でのビジネス開拓を実
、
医療・福祉事業、
コンテンツ事業などはその代表例です。
現してきました。
不動産金融事業
(REIT)
当グループは、今後とも社内外に高度な機能を提供し、
事業の創出、
変革、拡大を行うことで、
連結ベースの利益の最大化を追求していきます。
2006年3 月期の業績について
『INNOVATION 2007』の“ホップ”最終年である2006年3月期は、純利益194億円を達成し
ました。前期との比較では、投資活動に伴うキャピタルゲインのほか、金融、保険、ヘルスケア、
常務執行役員
新機能事業グループCEO
携帯電話販売などの関係会社の持分利益の増加により、58%の増益を達成しました。
2006年3 月期は、2005年3 月期の利益100億円の達成以後も、継続的に100億円を超える
利益を実現するグループとしての基盤がほぼ完成した年と言えます。
2007年3 月期の見通し
当グループは
『INNOVATION 2007』の“ジャンプ”期間に200億円を超える利益の達成を目
指します。
“ステップ”期間の初年度に当たる2007 年 3月期は、その布石を打つ年と位置付け、
150億円の利益の実現を目指しますが、同時に、収益拡大に向けた打ち手も加速していきます。
ヒューマン
まずは、2006年 4 月1 日付けでICT事業本部、金融事業本部、物流サービス本部、
ケア事業本部、
メディア・コンシューマー事業本部の 5 本部体制としました。
社会構造の変化と技術革新が進む中、業界再編成の動きが激しい消費者起点ビジネス分野
での事業機会を創出すべく、旧ヒューマンライフ事業本部の一部とICT事業本部の一部を融合
し、
メディア・コンシューマー事業本部を創設し、
また、医療・介護事業のさらなる強化・展開を
目指してヒューマンケア事業本部を設立したものです。
さらに、ICT事業本部は、戦略子会社であるアイ・ティ・フロンティアの ITマネジメントサービ
ス企業としての体質強化を図ります。金融事業本部はリース、不動産・事業金融などのアセット
ファイナンスや企業再生支援ビジネスに注力します。
また、
物流サービス本部は、三菱商事ロジ
スティクスを中心とした国内外一貫物流による総合力の強化を進めます。各本部でこれらの
事業を重点分野と定め、経営資源を集中的に投入することにより、新しい事業の創出を通じた
収益拡大を今後も目指します。
組織図
旧組織
新組織
ICT事業本部(5BU)
ICT事業本部(2BU)
金融事業本部(5BU)
金融事業本部(3BU)
物流サービス本部(5BU)
物流サービス本部(4BU)
ヒューマンケア事業本部(2BU)
ヒューマンライフ事業本部(6BU)
メディア・コンシューマー事業本部(4BU)
24
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
新機能事業グループ 総資産とROAの推移
新機能事業グループ 売上総利益と全社構成比の推移
(単位:10億円)
(単位:%)
(単位:10億円)
(単位:%)
60
12
1,200
10
50
10
1,000
8
40
8
800
6
30
6
600
4
20
4
400
2
10
2
200
0
0
0
0
03.3
04.3
05.3
06.3
■■ 売上総利益 ■ 全社構成比
03.3
04.3
05.3
06.3
–2
■■ 総資産 ■ ROA
新機能事業グループの事業概念図
社内外への高度な機能提供と事業の創出を通じて規模感ある収益を目指す。
顧 客
事業投資先
他営業グループ
機能提供
新機能事業グループ
Financial
Information
Logistics
Human Care
Media Consumer
F
I
L
H
M
金融事業
本部
ICT事業
物流サービス
本部
ヒューマンケア
事業本部
本部
メディア・コンシューマー
事業本部
事業創出
取引先
顧客
パートナー企業
「機能を磨き、
事業を活かす」
機能提供→収益→機能強化→収益強化→さらなる機能強化→ ・
・
・という好循環モデルの構築
25
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
本部長からの報告
金融事業本部
金融事業本部長
門多 丈
金融事業本部は、
国内外での永年にわた
も機能を強化する一方、外部資金を取り込むことで、優良投資機
る金融ビジネスや自己資金を使った投資に
会へのアクセス力を高めると同時に、
商社ならではのアセットマ
より蓄積してきた知見・ネットワークを活か
ネジメント業務を行っていきます。
し、社会やお客さまのニーズをとらえた新
2006年3 月期は、分散投資によるリスクコントロールと、機動
しいビジネスを開拓することを目指した金
的なアセットアロケーションが功を奏し、オルタナティブ分野の
融サービス事業に取り組んでいます。
各種ファンドへの投資が好調に推移したこと、不動産金融事業で
今後の計画も含めて注力分野と考えて
は子会社の三菱商事・ユービーエス・リアルティを核に引き続き
いるのは、オペレーティングリースなどの
順調に推移したことなどを中心に当本部の各種ビジネスは全般
多様な金融サービスを提供するリース・レ
的に堅調で、グループの利益拡大に大きく貢献しました。
REIT・プロジェクトファイナン
ンタル事業、
2007年3月期も引き続き、
『INNOVATION 2007』のビジョン
さらに、クレジッ
ス・PFIなどで実績のある不動産・事業金融です。
である新・産業イノベーターの金融面での担い手として、
アセット
トカード事業などでの経験を活かすリテール金融も推進します。
ファイナンスビジネスを進めるとともに、自らもリスクキャピタ
お客さまのさまざまな要求にお応えするべく、総合商社ならでは
REIT、ヘルスケア関連ファイ
ルを提供することで、
自動車リース、
の多様なリソースを活用して適切なソリューション・プロバイディ
ナンスなどの産業金融ビジネスに積極的に経営資源を投入して
ングを行うことを目指しています。
取り組んでいきます。
M&A関連業務(M&Aアドバイザリー、共同
また、
当本部は、
全社の成長戦略・ポートフォリオ戦略推進のた
投資など)
、バイアウト投資、
非上場株式への直接投資や各種エク
めに、総合商社としての強みを活かしたM&A 機能を強化する役
イティ関連ファンドにリスクを分散して投資を行うことにより、
安
割を担っています。お客さまの戦略的なM&A案件を支援するべ
定収益を追求する投資業務も、総合商社ならではの強みである
く、
アドバイザリー業務の強化に努めており、自己資金・外部資金
商流・物流、グローバルネットワークを活かして推進していきま
投入によるバイアウト投資、プリンシパル・インベストメント、戦
す。
また、日本の非上場企業への直接投資、大中華圏に投資をす
略的なファンド参画なども行っています。
またプライベート・エクイティをはじめ、各種ファンドにリスク
るプライベートエクイティファンドの運営を通じて、産業金融ビ
ジネスの創出を目指します。
分散した投資を行うことで安定収益を求める投資業務は今後と
ライフタイムパートナーズ
中華圏ファンド
ライフタイムパートナーズでは、病
当本部は、全額出資子会社である
院・介護事業者に対し、
ファイナンス
MC Capital Asia Pacificを通じて、
アレンジメントを含む総合的な経営
アジア太平洋地域の未上場企業への
2005年
サポートを提供しています。
6月にはSPC(特別目的会社)
スキー
投資を行う投資ファンドMC Capital
Asia Pacific Private Equity Fund
L.P.を外部投資家資金も含めファン
ド総額 132 億円にて組成し運用を
ムを用いた資金調達により、札幌市
に 終身 介 護付き有 料老 人 ホーム
「ヴィラフローラ南円山」
(全152室)
経済成長の著しい中華圏(中国・香港・台湾)の有望未上場企業に投資を行い、
SPCを活用することにより、倒産が隔離された(運営会社などが倒産しても事業
総合商社ならではの当社のさまざまな機能を提供することにより投資先企業価
は存続可能)
状態での不動産管理が可能となり、
入居者のより高い安心感につな
値を向上させ、高い投資リターンの獲得を目指します。
がりました。
入居者募集・組織運営に関しては、
三菱グループを含めた各関連会社
の協力により、
さらに大規模かつ効率的なマーケティング活動の展開が可能と
なっています。
26
開始しました。
本ファンドでは、
主に
を開設しました。
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
ICT事業本部
ICT事業本部長
中川原 元彦
インターネット・ブロードバンドの一層の
2007年3月期は、戦略子会社であるアイ・ティ・フロンティアの
普及やITとネットワークの融合によるユビ
徹底的な強化を図り、ITマネジメントサービスプロバイダとして
キタス化の進展、ICT技術の高度化と複雑
の成長を加速していきます。
また、
ネットワーク分野においては、
化によるアウトソースサービス化の進展と
ネットワンシステムズなどと引き続き連携して、
新規ソリューショ
いうように、ICT 事業本部をめぐる事業環
ンや付加価値サービスの開発を推進していきます。さらに、海外
境は大きな転換期を迎えています。
市場においても、iVision(上海)や MIC Business Solutions
このような中で、
より機動性を高めるべ
(ニューヨーク)などの海外事業投資先との連携の下、当社の持
く、ICT事業本部では、事業の一部を新設し
つ顧客アクセスや海外ネットワークを活用して、グローバルな
たメディア・コンシューマー事業本部に移
ICTサービス事業の展開を目指します。
2006年4月よりITとネットワークに集
管し、
2006年3月期にはネットワーク
約した組織に再編しました。
また、
アイ・ティ・フロンティア
分野のリーディングカンパニーであるネットワンシステムズとの
ERPを核とする「基幹
アイ・ティ・フロンティアは、
共同事業であるネットワークサービスアンドテクノロジーズへの
「システム基盤技術力」
をコアに、
IT戦略の企画、
シ
システム構築力」
と信頼性の高い運用を実現する
ステムの設計から構築・運用に至るまで、
お客さ
出資比率を引き上げ、
ネットワークアウトソーシングサービス事業
「ITマネジメ
まのIT資産をトータルにサポートする
を強化しました。
ントサービスプロバイダ」
です。
「人と技術が生き
る価値創造企業」
をビジョンとして、
全社員が知識
と技術を結集し、お客さまの事業に対して最大の
価値を創り出すよう努めています。
物流サービス本部
物流サービス本部は、グローバルな視
2007年3月期は、さらなると収益基盤の拡充に向け、三菱商事
点から総合物流サービスや保険を切り口
ロジスティクスを中心とした「自動車・アパレル物流」
での一層の
としたリスクマネジメントサービスなどを
機能向上と、
他分野への横展開を図ります。保険分野は、
リスクマ
顧客に提供しています。具体的には、自動
ネジメントやリスクソリューションを通じた全社成長戦略への貢
車・アパレル・低温などの物流事業、鉄鋼原
献、キャプティブ事業、
レンタキャプティブ事業での機能高度化・
料・食糧事業などにかかわる不定期船事
収益拡大を積極的に進めていきます。
業、液体総合物流対応のタンクターミナル
物流サービス本部長
事業などです。
さらに、物流REITやICタグ
泉 道夫
など、金融や ICT 機能とのコラボレーショ
三菱商事ロジスティクス
シー中国投資の設立などが例としてあげられます。
ました。新会社は、
これまで主
価値創造
として国内での展開を図って
金融手法
を完了しました。菱光ロジスティクスとエム・シー・トランス イン
立、中国国内物流事業に関する日本通運との持株会社日通エム・
を設立、
総合商社系物流会社と
しては、
他社を凌ぐ規模となり
し、保険事業として、
レンタキャプティブ事業も開始しています。
ターナショナルの経営統合による三菱商事ロジスティクスの設
ある三菱商事ロジスティクス
物流ソリューション
MCグループを取り巻くさまざまなリスクに対するノウハウを活か
2006年3月期には、拡大・成長のための基盤再構築・体制強化
2006年4月に総合物流会社で
お客さま
ン実現を目指して新規事業も展開中です。
RFID
(ICタグ)
情報技術
アセット
ファイナンス
総合商社の
諸機能
パートナー
シップ
きた旧菱光ロジスティクスと、
国際物流を中心としてきた旧
エム・シー・トランス インター
ナショナルの両社の機能を統
合し、
市場のグローバル化に対
応する総合物流会社として、
国
内外のさまざまなお客さまに
対し、
最適な物流ソリューショ
ンと質の高いサービスを提供
していきます。
27
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
ヒューマンケア事業本部
医療
(ヘルスケア)
・介護(ライフケア)の
も、
日本ケアサプライが介護用品のレンタル卸から在宅介護サー
分野では、従来、さまざまなサービスがそ
ビスまでを手がけており、
さらにはトヨタ自動車との合弁会社の
れぞれ独立した事業体から供給されてお
グッドライフデザインでは、企業の健康保険組合と医療機関や介
り、
運営が非効率であったり、
利用者の利便
護・福祉施設を結びつけ、地域ヘルスケアモデルの構築を進めて
性が悪かったりという問題がありました。
います。
当 本 部で は 医 療・介 護 分 野 の 幅 広 い バ
2006年3月期は、バリューチェーン展開の集大成として、プロ
リューチェーンの中で、総合商社ならでは
キュアの営業を開始しました。プロキュアは当本部のバリュー
ヒューマンケア事業本部長
のトータルコーディネーション能力と、バ
チェーンでは川中に位置し、そういう意味では、川上から川下ま
有吉 純夫
リューチェーンの一翼を担う機動力のある
での戦略子会社が一通り揃ったと言えます。バリューチェーン
戦略子会社群を最大限活用しつつ、
お客さ
の各戦略分野でも実績をあげました。たとえば、企業立病院の経
まのニーズに応えてきました。
具体的には、
エム・シー・メディカル
が川上に位置し、
海外の最先端の医療機器や在宅医療向けシステ
営支援分野では、札幌鉄道病院向けの事業を受注しました。
医療機材分野のバリューチェーン展開がほぼ完成したことを
ムの販売事業を展開しています。
また、川下でも、
さまざまな面で
受け、2007 年 3 月期はさらなる飛躍に向けた 1 年と位置づけて
お客さまの経営支援を行っています。日本ホスピタルサービスは
います。まず、当社のノウハウのさらなる結集に向けて、従来
医療材料の病院向け一括調達と物品管理を行い、
アプリシアは病
ヒューマンライフ事業本部で取り組んでいた医療・介護事業を独
院の新設や建て替えの際のコンサルティング業務によるトータル
立させ、ヒューマンケア事業本部を新設しました。既存ビジネス
コストの削減を実現しています。ライフタイムパートナーズも病
のさらなる強化も当然ながら、新しいエリアにも積極的にチャレ
院や介護施設に対する業務改善コンサルティングや資金調達で
ンジしていきます。
すでに、
医薬品・介護用品総合卸売り大手のメ
経営を支援しています。さらには、
これらの総合力のすべてを活
ディセオ・パルタックホールディングスと提携し、日本および中
用し、病院 PFI(Private Finance Initiative:民間の資金・経営能
国で医薬品流通を含む新しいビジネスモデル作りの推進も検討
力・技術を活用した公共施設の建設・維持管理・運営)事業や企業
しています。
立病院の経営支援事業に積極的に取り組んでいます。
介護分野で
メディセオとの提携
日本ケアサプライ
当社は医療用医薬品卸最大手のメ
日本ケアサプライは、介護保険で福祉用
ディセオ・パルタックホールディン
具レンタルを行う全国の事業者のニーズ
グスと、医療ビジネスにおける包括
に応え、
独自のビジネスモデル
「福祉用具
的な業務提携を行うことで合意しま
レンタル卸サービス」
を構築し、
順調に業
した。提携内容は、①中国における
容を拡大してきました。
また、
2006年4月
医薬品流通ビジネスの共同検討、
②
の介護保険制度改正を契機に、
事業者や
病院の医薬品、医療材料・医療機器
地域医療との連携・協働を図りながら、
新
などの購買・配送・管理を一括で提
たな在宅介護サービス事業、
アクティブ
の共同事業化、③プライ
供するサービス
(Supply Processing & Distribution)
シニアも視野に入れた商品販売事業へと
ベートブランド品の共同研究、
④臨床検査関連ビジネスの共同検討の4分野です。
事業領域を拡大し、
高齢者の健康で安心な
当社が持つ、IT、物流、金融などの機能を組み合わせた医療機関向け経営支援
暮しを支援する
「高齢者ケア事業」
の充実
ビジネスのノウハウや中国におけるネットワークと、
メディセオ・パルタックホー
を図っています。
ルディングスの医療分野での豊富な実績と国内の営業網を活かし、
変動する医療
業界で、
医療機関や社会のニーズに対応する、
新たな医薬品、
医療機器、
医療材料
ビジネスを推進していきます。
28
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
メディア・コンシューマー事業本部
メディア・コンシューマー事業本部は、
さ
まざまな生活シーンにおいて、消費者を起
メディア・コンシューマー
事業本部長
田村 栄作
品・サービス・コンテンツの販売、さらにはその開発まで手がけ
ています。
点としたビジネスの開発や事業投資を手
直接消費者に対面しているフード分野では、クリエイト・レスト
がけます。2006 年 4 月から、新たに ICT 事
ランツやスマイルズのさらなる飛躍を目指します。
また、
レオック
業本部の一部を統合し、楽しみ系から安心
ジャパンを通じて、市場の拡大が見込まれる事業所や医療・福祉
系までの生活全般に対するビジネス創造
施設向けの給食サービスも手がけています。一方、
ビーウィズで
を目指して新設された本部です。
はコールセンターの運営事業を展開しており、日々、消費者に対
メディア分野では、テレビを中心とした
従来のメディアに加え、ブロードバンドや
モバイルの登場で業界の大型再編が今後
ますます進んでいくと思われます。当本部
は戦略子会社であるディーライツを通じ、川上のコンテンツ分野
面して、企業とエンドユーザーの円滑なコミュニケーション作り
をお手伝いしています。
また、少子高齢化社会を迎える中で、NPO法人新現役ネットの
活動も積極的に参加・支援し、団塊世代を中心としたアクティブ
シニア向けの新たなビジネス構築を目指しています。
では、
アニメを企画・製作して放映すると同時に、関連キャラク
人材派遣分野については、
メイツを中心に、単なる派遣に留ま
ター商品の開発・販売を行っています。ディーライツはスタジオ
ることなく、
採用・教育・研修までを含めた総合的な人材関連アウ
ジブリ作品に出資するなど業界内でのポジショニングも形成し
トソースビジネスに発展させていきます。
つつあります。
また、川中から川下にかけてはコマース事業とし
2006年3月期はクリエイト・レストランツの上場や、M&A戦略
て、テレビやカタログを利用した通販を手がけるデジタルダイレ
の実行によるエム・エス・コミュニケーションズの業界シェア
クトの他に、JAL のマイルを販促のインセンティブとして提供す
るイーマイルネット、ローソンの店舗とお客さまをネット・モバイ
No.1への躍進など、当本部の事業基盤を強化した1 年でした。
2007年3 月期は個々の既存ビジネスのさらなる強化に加え、
ルでつなぐアイ・コンビニエンスなど、
多様な消費者向けビジネス
各事業を有機的、複合的に結合させていくことにより、総合商社
に MC のマーケティング機能を組み合わせて有機的な連携関係
ならではの差別化を実現し、
メディア・コマースを中心に消費者
の強化を進めています。モバイル分野ではエム・エス・コミュニ
起点ビジネス分野でのさらなる飛躍を目指していきます。
ケーションズを通じた携帯電話の販売だけでなく、多種多様な商
クリエイト・レストランツ
デジタルダイレクトSAQWA
クリエイト・レストランツは、その
デジタルダイレクトは、
カタログ通販をはじめ、
時々の消費者ニーズに合ったさまざ
テレビ通販、
インターネット通販、携帯電話通販
まなレストランやフードコートを自
などさまざまなメディアをリンクさせ通信販売を
ら開発し、
多様な立地で全国展開し
展開する、
新しい形のコマース企業です。
大手ク
ています( 2006 年 3 月期末で78 業
レジットカード会社のクレディセゾンと提携した
態/226店舗)
。当社関連会社である
カタログ事業、
放送局のビジネスをサポートする
同社は、
97年の会社設立後順調に業
TVショッピング事業、
カタログ事業やTV事業と
強力なパートナー企業
連動したWEB事業など、
容を拡大し、2005 年 9 月に東証マ
ザーズへの株式上場を達成しました。
最近では、
愛知万博会場内でのフードコー
のバックアップのもと、
ユニークかつ先進的なコ
ト一括運営や、東京メトロ表参道駅の商業施設『Echika 表参道』内に出店した
マース事業を展開しています。
最近ではクレディ
などが注目を集めました。
『MARCHÉ DE METRO』
セゾンとのタイアップ企画として、
女性向けライ
を展開し、多くのお
フスタイル提案型ショッピングサイト
“fun style shopping”
客さまのご支持をいただいています。
29
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
エネルギー事業グループ
グループCEOメッセージ
エネルギー事業グループでは、産業の発展ならびに国民生活の向上に欠くことのできない
「光」
「 熱」
「 動力」の源となる、天然ガス(液化天然ガス:LNGを含む)、原油、石油製品、LPG(液
化石油ガス)、石油コークス、石炭コークス、炭素製品などの気体・液体・固体の幅広いエネル
ギーを取り扱っています。
ビジネスモデルも、石油・ガスの探鉱・開発・生産事業、LNG液化プロ
ジェクトへの投資事業、輸入・三国間といった貿易事業、国内取引やリテール事業など、上流か
ら下流までバリューチェーンのあらゆる領域に及んでいます。
また、
エネルギー価格が高騰し、
資源の枯渇が問題と認識される中、長期的エネルギーの確保、エネルギーの有効利用、地球環
境保全といった観点から、GTL(天然ガスの液体燃料)、バイオ燃料、水素供給、燃料電池といっ
た、高い技術を必要とし、地球環境に資する新エネルギー事業にも積極的に取り組んでいます。
当グループは、過去に電力用の生焚き原油やLNGを日本に初めて導入するなど、常にエネル
ギー業界をリードするべく努力してきました。
永年にわたって築き上げてきた取引基盤、
国内外の
お客さまとの信頼関係、主要産油国・産ガス国やオイルメジャーとの幅広いネットワークは当グ
ループの大きな強みとなっており、
その強みを活かして今後も挑戦を続けていきたいと思います。
当グループは 2005年 4 月から、
「 価値向上、価値創造に絶えず挑戦し、安定供給に資するグ
常務執行役員
エネルギー事業グループCEO
ローバルエネルギー企業を目指して」
という新たな経営理念を掲げました。高い志をもって課
題に挑戦していくこと、日本はもちろん、エネルギー需要が拡大するアジアをはじめ、世界のあ
らゆる地域で国際的な視野に立って事業展開すること、エネルギーの安定供給を通じて社会
に貢献することを使命として事業に取り組んだ結果、2006年 3月期の連結純利益は 751 億円
となり、2005 年3 月期に引き続き過去最高益を達成しました。
2007年3月期は、
『INNOVATION 2007 』の第二段階であるステップ期間に入ります。京都
議定書の発効、石油・ガス価格の高騰、資源ナショナリズムの台頭、地政学的リスクの高まりな
ど、エネルギー事業を取り巻く環境は日々激しく変化しています。エネルギー事業グループは、
変化の時代において、新たなビジネスチャンスを発掘し、着実にチャンスを取り込んで成長戦
略を実現し、社会とともに発展できるように、一段と高い志をもって挑戦を続けていきたいと
思います。
エネルギー事業グループの組織
今後一層の拡大が期待されるLNG事業ですが、さらにきめ細かな対応を図るべく、2006年
4 月に 2 本部に分割しました。天然ガス事業第一本部は、既存の LNG プロジェクトを通じて、
LNGの生産、液化、販売、ならびに物流事業を展開し、天然ガス事業第二本部は、今後のLNG市
場の成長を取り込むため、現在開発中の LNGプロジェクトの早期立ち上げ、新規プロジェクト
への参画など、新たなビジネスモデルの構築を目指します。
組織図
旧組織
新組織
天然ガス事業第一本部(5BU)
天然ガス事業本部(10BU)
天然ガス事業第二本部(5BU)
30
石油事業本部(8BU)
石油事業本部(8BU)
炭素・LPG事業本部(4BU)
炭素・LPG事業本部(4BU)
グループCEO直轄(2BU)
グループCEO直轄(2BU)
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
エネルギー事業グループ 総資産とROAの推移
エネルギー事業グループ 売上総利益と全社構成比の推移
(単位:10億円)
(単位:%)
100
10
80
8
60
(単位:%)
2,000
8
1,500
6
1,000
4
500
2
6
40
4
20
2
0
(単位:10億円)
03.3
04.3
05.3
06.3
0
0
■■ 売上総利益 ■ 全社構成比
03.3
04.3
05.3
06.3
0
■■ 総資産 ■ ROA
エネルギー事業グループが参画する主な海外プロジェクト
PDRM
サハリン2
(ロンドン)
PDI(カリフォルニア州
アーバイン)
チュニジア
リビア
アメリカ
西海岸地区
オマーン
マレーシア
ガボン
アンゴラ
PDS/Diamond
Tanker
メキシコ湾
ブルネイ
タング
(シンガポール)
西オーストラリア州
● 石油・ガス 上流
● LNG(液化・受入基地)
● 石油 中流下流
31
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
本部長からの報告
天然ガス事業第一本部
天然ガス事業第一本部は、世界の主な
とともにガス埋蔵量積み増しのため、探鉱事業を推進するなど、
LNG輸出国・地域であるアラスカ、ブルネ
さらなる付加価値向上を積極的に追求しています。
また、
インド
イ、マレーシア、オーストラリア、インドネ
ネシアでは新規プロジェクト
(タング)の早期立ち上げに取り組
シアでLNGプロジェクトに参画し、天然ガ
むなど、天然ガス事業の収益基盤の拡充を図っています。
スの生産、液化、LNG 船事業、さらには日
天然ガス事業第一本部長
本に おけ る輸入 代行業務まで、L N G バ
西オーストラリア第五液化系列
リューチェーンの幅広い領域で事業を拡
当社は、
三井物産と共同で設立した
Japan Australia LNG(MIMI)を通
大しています。
水野 正幸
じ、西オーストラリア North West
LNG 需要は、中国、インドなど新興市場
Shelfプロジェクトに参画していま
の拡大や、
アメリカ・ヨーロッパ域内の天
す。
同プロジェクトは、
2008 年半ば
の立ち上げを目指し、LNG 生産設
然ガス生産減退に伴う LNGへの需要シフトなどから、今後10年
備の第五液化系列(生産能力、年間
間で現在の 1.5億トン(海上貿易量)から倍増する見通しです。
ブルネイ、
マレーシア、
オー
こうしたLNG市場の成長を見据え、
約420万トン)を増設します。5系列
全体での生産能力は年間約1,590万トン(うち当社持分は8.33%)
となる見込
みです。
ストラリアの既存プロジェクトでは、LNG液化設備の増設・増量
三菱商事関連LNGバリューチェーン
バリューチェーン全域でのプレゼンス
Upstream
天然ガス事業第一本部
液化
マレーシアSATU
マレーシア DUA
天然ガス事業第ニ本部
仕掛中
32
インドネシア タング
サハリン
米国西海岸基地
取得済
マレーシア TIGA
オマーン
受入基地
インドネシア アルン
西オーストラリア
船舶
アラスカ
ブルネイ
Marketing
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
天然ガス事業第二本部
天然ガス事業第二本部は、今後の LNG
アパシフィック地域のみならずアトランティック地域も含め、有
市場のグローバルな成長を取り込むため
望と思われる新規LNGプロジェクトや GTL事業などへの参画を
に、現在開発中であるサハリン2プロジェ
積極的に追求するなど、世界で大きな存在感を示しつつ、天然ガ
クトの早期立ち上げ、
また、当社がオマー
ス事業の持続的発展を目指しています。
ンから購入した LNG 、ならびにアメリカ・
テキサス州のレイクチャールズ LNG 受入
米国LNG受入基地
基地や2009年から使用を開始するフリー
当社は、
オイルメジャーのコノコフィ
天然ガス事業第二本部長
ポートLNG 受入基地などを活用した LNG
リップスと組んで、
米カリフォルニア
加藤 晴二
グローバルトレーディングの推進、さらに
立ち上げを目標に、
LNG受入基地の
州のロングビーチ港にて2011年の
はアメリカ・カリフォルニア州ロングビー
建設を計画しており、
現在、
建設許認
チでの LNG 受入基地事業への参画など、新たなビジネスモデル
可の手続き中です。
アメリカのガス
の構築に取り組んでいます。
れており、当社はこの基地を通じて
また、将来にわたって安定した収益基盤を確保するため、
アジ
需要は今後も堅調な伸びが予想さ
年間最大600万トンのLNGをアメリカ西海岸地域向けに販売していく計画です。
石油・ガス探鉱開発事業ユニット
石油・ガス探鉱開発事業ユニットは、
世界各地で石油・ガス探
キシコ湾事業においては、当社として初めて、原油生産鉱区の
鉱 開 発 事 業 へ の 投 資 を 行 っ て い ま す 。こ の 事 業 は 、
現地操業を行うことになりました。
また、
アンゴラでは生産・開
『 INNOVATION 2007』においても当社の中核ビジネスの一
発鉱区の新契約締結に成功、加えて探鉱鉱区を取得しました。
つに位置づけられており、今後の成長に向け積極的な事業展
さらに、
豊富な埋蔵量を有する北アフリカ地域を注目地域と位
開を目指しています。
置づけてプロジェクト参入を図り、リビアでは探鉱鉱区を落
原油価格高騰を背景に、石油業界各社の収益の中心が上流
事業へシフトしている一方、優良な上流資産獲得はますます難
札、チュニジアで新たにガス開発鉱区を取得しました。
2007 年 3 月期は、既存事業の一層の強化・拡大に努め、ま
た、従来以上に、当社傘下の石油・ガス探鉱・開発会社エム
しくなっています。
ガボン、
アンゴラ、
メキシコ
このような中、2006 年3月期は、
湾の既存事業で、事業規模の堅実な拡大を図りました。特にメ
シー・エクスプロレーションとの一体化を図り、新規事業を積
極的に追求していきます。
アンゴラ石油
メキシコ湾
2005年10月、当社は連結子会社
当社は、
アメリカの100%子会社
であるアンゴラ石油を通じて、
西
を通じて、
アメリカ・メキシコ湾に
アフリカのアンゴラ国沖合海上
て原油・天然ガスの探鉱・開発事
の生産・開発鉱区である Block
3/05にて、20年間にわたる生産
量約8,000BOE(Barrel of oil
業に取り組んでおり、
現在では日
分与契約の締結に成功しました。
equivalent)の生産を行っていま
加えて、
隣接する探鉱・開発鉱区
す。2006年3月期には、MU726
である Block 3/05-A について
鉱区において、
当社としては初と
5年間の探鉱期間を有する生産分与契約を締結しました。これにより、
ア
も、
なるオペレーターとしての原油生産を開始しました。
今後も、
開発案件を中心
ンゴラにおいて既存生産事業の強化を図るとともに、
探鉱・開発事業による
に新規案件を開拓し、
事業の拡大を図ります。
さらなる事業拡大を追求していきます。
33
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
石油事業本部
石油事業本部では、
原油、
石油製品、
ナフ
当本部は、国内の石油製品の需給構造が大きく変化する中、そ
サなど、石油全般をさまざまな業態で幅広
れに合わせた国内供給体制を拡充しつつ、
国内販売力、特に三菱
く取り扱っています。取引形態は、輸入、三
商事石油との連携を通じたSSの業態変革・運営力強化などのリ
国間、
国内取引にとどまらず、
三菱商事石油
テール分野の強化策を一層推進して行きます。
また、2007年3月
を中心とした新業態のサービスステーショ
期は、
アジア地域での旺盛なエネルギー需要増大を睨み、日本か
の展開や、
最近は価格変動リスクの
ン
(SS)
らの石油製品輸出ビジネスなど海外取引の強化に注力していく
マネジメントにまで広がっています。
対面業
予定です。
また、国際的ネットワークなど商社ならではの強みを
石油事業本部長
界も、
一般産業や電力会社から一般消費者
活かし、新規事業としてのGTL、バイオ燃料など環境対応型新エ
柳井 準
まで、多岐にわたっています。
ネルギー事業の構築にも取り組んでいます。
世界的には、中国・インドでの需要拡大、
中東・アフリカ産油国などでの供給面の不安定要因、さらには精
Petro-Diamond Risk
製能力不足に起因する地域的な石油製品の逼迫などを背景に、
Management Ltd.
国内では、石油製品価格の高騰による需要減少という現象だ
2003年2月イギリスにPetro当社は、
Diamond Risk Management Ltd.
(PDRM)
を設立しました。
同社は、
当
けでなく、重油の輸入関税の引き下げ、原油価格の高騰分を製品
社が長年のエネルギー取引で培った
原油価格の高値推移はしばらく続くものと思われます。
経験に基づくコンサルティングサー
価格に転嫁しきれないことによる精製利益の圧迫、環境規制強
ビスと、
最新の金融工学により組成さ
化、需要構造変化などに対応すべく、国内石油精製会社は重質留
れたデリバティブ
(金融派生)
商品を、
分をさらに軽質化するための分解装置の増設や、脱硫装置の増
市況変動のヘッジニーズなどのある
国内外のエネルギーの需要家や生産
強などの対応に迫られている状況です。
者に提供しています。
炭素・LPG事業本部
炭素事業
鉄用)、タールおよびタール製品(主に炭素メーカー向け)
といっ
炭素事業では、石油・石炭から派生する
た戦略商品に経営資源を集中させる一方で、新たなビジネスモ
多様な炭素原料・炭素製品を取り扱ってお
デルである石油コークス発電事業への横展開を目指します。
ま
り、輸出入・三国間・国内各種取引を通じ
た、2005 年 4 月に新設した炭素事業戦略室では、新規用途開発
て、炭素業界のバリューチェーン全般にか
を引き続き実行中であり、新たなコア商品の育成にも取り組ん
かわっています。
また、対面業界も石油・石
でいます。
炭・鉄鋼・アルミ産業など、多岐にわたって
炭素・LPG事業本部長
今井 鉄郎
フロンティアエネルギー新潟
います。
フロンティアエネ ルギー新潟は、
2003年6月、新日本製鐵・新日本石
グローバルな業界再編や中国・インドを
油・当社の合弁で設立された電力卸
はじめとするBRICs諸国での旺盛な需要を
供給事業会社です。同社は、世界初
受け、鉄鋼・アルミ産業などの対面業界は再活性化を続けており、
の石油コークス専焼発電所
(出力11
主要炭素製品の生産設備新設・増強などの投資活動は引き続き活
万 kW )を新潟東港地区に建設、約
3カ月の試運転期間を経て、2005年
7 月に営業運転を開始しました。当
況を呈しています。
2007 年 3 月期も、石油コークス(石油精製過程における副産
物で、主に産業用燃料として用いられる)、石炭コークス(主に製
34
社は、
石油コークスの供給や副生品
(コークス燃焼灰)
の再資源化などで、
同事業
をサポートしています。
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
(炭素・LPG事業本部)
LPG事業
LPGは、プロパン、ブタンの総称です。主な需要としては、日本
また、当本部は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機
構が愛媛県今治市に建設中の、日本初となる水封式地下岩盤貯
の全世帯の約半数で利用されている家庭用プロパンガスがその
槽方式による LPG 国家備蓄基地に隣接する、波方ターミナルの
代表であり、
その他ではタクシーなどの自動車用燃料、工業用、
化
所有者でもあります。基地完成後は、波方ターミナルが同基地の
学原料用、都市ガス原料用、電力燃料用など幅広い分野でも利用
運営を全面的に請け負う予定にあるなど、日本の LPG備蓄事業
されるなど、日本のエネルギーの一翼を担っています。近年、
にも積極的に協力しています。
LPGは環境に優しく地震などの災害にも強いエネルギーとして
も注目されています。
LPG事業
当本部は、
これまで子会社の三菱液化ガスを通じてLPGの国内
アストモスエネルギーは世界で運航
販売を行い、輸入・海外取引においては自社船団によるコスト競
されている大型LPG船の約2 割を運
航しています。写真は同社子会社が
争力を強みにLPG 事業を発展させてきました。そして、さらなる
一
所有するGAS CAPRICORN号で、
事業展開を実施すべく、2006年4月、当本部は出光興産との協議
航海で約45千トンのLPGを運びます。
を経てLPG事業統合を行い、LPG 国内販売でトップシェア、海外
取引・輸送量では世界一の企業となる、
アストモスエネルギーを
新たに誕生させました。同社は今後、バリューチェーンの強化を
推進し体力強化を図っていくとともに、エネルギーソリューショ
ンカンパニーとして、LPGにとどまらない幅広い分野での活動を
行っていく予定です。
エネルギー事業開発ユニット
エネルギー事業開発ユニットは、近年の電力・ガスの規制緩
特に、燃料電池・水素分野の具体的な展開としては、当社が
和、地球温暖化対策の強化、化石燃料価格の高騰などのエネル
特許を保有するHHEG(高圧縮水素エネルギー発生装置)を活
ギーを取り巻く大きな状況変化の中で、
これらの変化を追い風
用し、将来の燃料電池自動車時代をにらんで、燃料となる水素
ととらえ、エネルギーに関連した新規ビジネスモデルの開発、
供給ステーション用の商用機の開発に取り組んでいます。
新規事業の立ち上げに取り組んでいます。
また、バイオマス分野ではバイオマス燃料の専用粉砕機器
具体的には、規制緩和を利用し、当社自らが発電・コジェネ
の開発を進めています。既存の微粉炭ボイラーでバイオマス
レーションなどによる電力・熱の供給やガスの販売などを行う、
燃料を混焼するためには、多種・多様な木質バイオマスの微
近年地球温暖化
いわゆる2次エネルギー供給事業への展開や、
粉砕技術の確立が課題でしたが、2005 年 4 月には当社が開
対策の観点からも注目されるバイオマス燃料を対象としたビジ
発した機器により、帝人ファイバー松山事業所において 5%
ネスモデルの開発、
さらに、
長期のR&D型事業である燃料電池・
の混焼実証試験に成功しました。今後、これらの技術的な特
水素分野での個別プロジェクトなど、
広範囲に事業開発を行って
長を活かしながら、地球環境に資するビジネスを推進してい
います。
く予定です。
35
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
金属グループ
グループCEOメッセージ
金属グループの 2006 年 3 月期の業績は、当期純利益が 1,358 億円と、2005 年 3 月期
実績の 482 億円に比べて 876 億円増・約 2.8 倍となり、史上最高益を更新しました。大
幅増益の主な要因としては、原料炭販売価格上昇・販売数量増によるオーストラリアの
MDP ( Mitsubishi Development Pty., Ltd.)の持分利益増、堅調な鉄鋼製品市況による
メタルワンの持分利益増、および鉄鋼原料・非鉄金属市況の高騰による鉄鉱石・銅関連事
業投資先などの持分利益・配当増などがあげられます。2007 年 3 月期の業績見通しは、引
き続き堅調な商品市況を前提に、2006 年 3 月期業績のレベルを超える連結純利益を想定
しています。
金属グループは、三菱商事の三綱領に立脚して、
「世界市場で良質の原料、材料、製品
を安定的に供給し続けることを通じて社会に貢献する」という基本理念を掲げています。
この基本理念の下、当グループの基本戦略としては、①グループの根幹である、鉄と非鉄
の二本のバリューチェーンの戦略的機能充実を図ること、②さらなる「足場固め」を行う
ための経営の効率化、選択と集中を推進することを、三つの事業戦略単位(鉄鋼製品本
部、鉄鋼原料本部、非鉄金属本部)を通じて実行することです。さらに、( 1 )金属資源
常務執行役員
金属グループ CEO
分野への積極的投資、( 2 )鉄鋼、非鉄の原料、製品の付加価値の高いトレーディング力
の強化、( 3 )次世代の柱作りのための先行投資、( 4 )人材の育成を重点施策として掲げ
ています。
『 INNOVATION 2007』のステップ期間は、ジャンプ期間へ向けての重点投資計画とし
て、石炭、鉄鉱石、ステンレス原料、銅、アルミなどの金属資源への追加投資による事業
拡大、および、鉄鋼製品、非鉄金属取引の海外バリューチェーンの拡大によるトレーディ
ング関連の事業強化を行う予定です。今後とも、当グループは「鉄鋼」および「非鉄」の
両バリューチェーンを川上の資源から川下の製品分野まで一貫して手がけることで、付加
価値の高いサービスを提供し、金属産業・市場とともに成長を遂げていくと同時に、新た
な挑戦を通じ、より高い次元への飛躍を目指していきます。
組織図
36
旧組織
新組織
グループCEO直轄(3BU)
鉄鋼製品本部(3BU)
鉄鋼原料本部(4BU)
鉄鋼原料本部(5BU)
非鉄金属本部(6BU)
非鉄金属本部(7BU)
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
金属グループ 総資産とROAの推移
金属グループ 売上総利益と全社構成比の推移
(単位:10億円)
(単位:%)
350
35
300
30
250
25
200
(単位:%)
3,000
6
2,500
5
2,000
4
1,500
3
1,000
2
500
1
20
150
15
100
10
50
5
0
(単位:10億円)
03.3
04.3
05.3
06.3
0
0
■■ 売上総利益 ■ 全社構成比
03.3
04.3
05.3
06.3
0
■■ 総資産 ■ ROA
金属グループの組織
金属グループは、2006年4月1日付で組織改編を行い、従来の
を行うことで、各プロジェクトの優先順位の選別、
スピーディー
グループ CEO直轄ユニットをすべて3つの事業戦略単位の下に
な意思決定および経営資源の重点配分などを推進するため、
よ
集約し、鉄鋼製品本部、
鉄鋼原料本部、
非鉄金属本部の3本部によ
り迅速かつフレキシブルな体制を構築しました。一方、販売事業
る体制としました。
においては、
よりカスタマーオリエンテッドな体制を目指して、原
鉄鋼製品本部は、グループCEO直轄ユニットであった旧鉄鋼製
品事業ユニット、
旧部品事業開発ユニット、
およびグループ付事業
料炭と鉄鉱石を中心に取り扱う販売子会社であるエムシーリ
ソーストレードを設立しました。
開発ユニットを母体として新設され、
成長戦略実行のための機能充
非鉄金属本部は、
アルミ、ベースメタル、商品市場事業の主要
実が図られました。
グループとして戦略的子会社と位置づけたメタ
3 ユニットに集約しつつ、R &D 部門として新たに非鉄事業開発
ルワンの経営基盤強化の支援を行いつつ、
当社の総合力をより活
ユニットを新設するなど、非鉄金属資源投資を中心とした川上
かすために連結ベースでのさらなる経営強化を図っていきます。
分野から、グローバルなトレーディング体制を強化している川
鉄鋼原料本部は、グループ CEO直轄ユニットであった旧MDP
ユニットが加わり、
鉄鋼原料の投資事業ポートフォリオの一元管理
下分野に至る、一貫したバリューチェーン体制の確立を目指し
ています。
37
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
本部長からの報告
鉄鋼製品本部
鉄鋼製品本部は、
メタルワン(2003年に
メタルワンでは、
この3年間を振り返って、自社の強みとともに
旧日商岩井と共同で設立)
を通じて、
鉄鋼製
社内外にまたがる課題を再認識しました。
そして、
第二次中期経営
品全般の流通・加工などの事業展開を行う
計画では、
独自性ある存在意義を追求するために、
「グローバル・
とともに、総合商社機能を活かした事業領
バリューチェーンの構築」を通じて「強靭で、健全な豊かさと成長
域の拡大を企図し、新たなビジネスモデル
力のあるメタルワングループを目指す」
ことを目標とし、数値・規
の構築を目指しています。
また、
金属素材を
模の増大のみならず、
質と体積を重視した活動を強化しています。
ベースとした自動車部品などの製造事業、
さらには、今後の一段の躍進に向け、新た
滝 道郎
な成長機会を狙った新規事業開発を積極
し、総合力を活かした鉄鋼事業戦略をグループとして構築してい
的に推進しています。
くことを目指し、対応していきます。
今の鉄鋼業界の大きな動きの中で、
同社と当社の連携を一層強化
ここ数年間の鉄鋼業界は、
中国での鉄鋼需要の急拡大および国
また、
世界的規模での大きな変革期にある自動車関連産業にお
内の堅調な需要に支えられ、
鉄鋼製品価格が3年間で30%以上も
いては、
従来より、
主要原材料である金属素材の取り引きを通じて
上昇、鉄鋼メーカー・流通業者とも大幅に収益力を改善しました。
培ったノウハウ、機能、経験をベースに、自動車部品などの製造事
「メタル・マーケットメー
一方、
メタルワンは、
設立後3年にわたり、
業への進出を図ってきましたが、
イノベーションセンター内に設立
カー」
というビジョンと
「メタル・バリューオプティマイザー」
という
された
「自動車関連事業推進室」
との協業を通じてこれを一層拡充
ミッションを掲げて、継続的な構造改革( PMI;Post Merger
し、具体的な事業化の検討を進めます。
Integration・BPI;Business Process Innovation)と成長戦略に
このように、
既存のビジネスの拡充と成長を求める一方で、
鉄鋼
総力を結集して取り組んできました。
こうした経営努力と製品価格
業界全体を俯瞰した新しい事業投資の戦略構築・ビジネス機会の
の上昇があいまって、
2006年3月期は当初計画を大きく上回る連
発掘などに取り組むことにより、
鉄鋼製品事業の一層の拡大を目
結純利益を達成しました。
指します。
メタルワン
DMETは、当社が100%出資するタ
り、PMI・BPI・成長戦略などに全社
イの自動車部品製造販売会社です。
員の総力を結集して取り組み、
鉄鋼
同社では最新鋭・大型・自動化の設
流通業界において
「メタルワンブラ
備と高い品質管理レベルを武器に、
ンド」
を浸透させてきました。2006
プレス加 工によりサイドパネ ル、
年1月から第二次中期経営計画のス
ルーフ、
フロアなどの車体部品を製
タートに際し、
「世界最強の鉄鋼総合
造し、
完成車メーカーに供給してい
商社」
を視野に入れて改めてビジョ
2007年3月期は生産性の向上
ます。
チェーンの構築」
に取り組み、
「強靭で、
健全な豊かさと成長力のあるメタルワン
グループ」
の実現を目指します。
DMET
メタルワンは、設立後 3 年間にわた
ン・ミッションを再認識するとともに、将来を見据えて「グローバル・バリュー
38
当本部は、
こうしたメタルワンの活動推進を支援する一方で、
昨
鉄鋼製品本部長
を図るとともに、
早期に増設を実行し、
生産能力の増強を図る計画です。
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
鉄鋼分野のバリューチェーン
➔
資源
製鉄
➔
➔
加工・流通販売
最終需要家
取引
取引
取引
取引
建設会社
原料炭
探鉱・開発・生産
➔
高炉メーカー
➔
➔
(J/V)
2・3次
加工・流通
自動車メーカー
➔
➔
機械メーカー
MDPなど
取引
取引
メタルワン
資源メジャー
家電メーカー
部材メーカー
鉄鉱石・
投資
戦略パートナー
製缶メーカー
取引
その他原料
➔
取引
投資
電炉メーカー
造船メーカー
投資
石油・ガス会社
投資
投資
スクラップ
➔
取引
➔
➔
取引
金融
39
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
鉄鋼原料本部
鉄鋼原料本部では、原料炭・鉄鉱石と
が、前年に引き続き世界の粗鋼生産の伸びを牽引しました。中
いった製鉄用主原料、発電用の一般炭、
国経済の伸長が主因となり鉄鋼原料の需給が世界的に逼迫する
ステンレス原料であるニッケル・クロ
中、増産を行ったことによる生産拡大などの効果から、需給状
ム、製鉄副原料の合金鉄などの資源開発
況に一定の調整局面が見られましたが、鉄鋼原料の市況は
と、その取引を行っているほか、 R & D
2006 年 3 月期全体を通じて強含みに推移し、2007 年 3 月期
として HIsmelt 製鉄法の事業展開にも取
も引き続き高いレベルを維持する見通しです。
り組んでいます。こうした原料としての
高い成長率の持続が見込まれる事業環境の下、2007 年 3 月期
鉄鋼原料本部長
金属資源の需要が世界的に急拡大する一
においては、収益の柱である原料炭・鉄鉱石といった既存事業
衣川 潤
方で、生産拡大との間にタイムラグが生
の成長を核とした戦略をとりながら、新規優良案件の発掘を通
じており、結果として需給はタイトな状
じて、中長期的に当本部の事業を支える施策を打つ考えです。金
況が続いています。当本部が取り扱う商品は、将来にわたって
属資源の分野においては、今後はより難易度の高い国・地域へ
持続的な成長が見込まれる金属資源重点分野に位置づけられて
の進出も予想されますが、適切なリスクマネジメントを図りつ
おり、主力であるオーストラリアでの MDP による原料炭事業
つ、既存事業で培ってきた知見・強みを活かして積極的に参画
をはじめとする海外事業投資先においては、増産計画の実行を
機会を追求する考えです。また、原料のトレーディング事業に
積極的に推進しています。
関しては、顧客との関係強化、販売に関する知見の集積などを
2006 年 3 月期は、世界的な景気回復と鉄鋼需要拡大を反映
し、世界の粗鋼生産は 11 億トンを突破しました。とりわけ、
世界の粗鋼生産の約 3 割のシェアを占める中国の旺盛な需要
狙い、原料炭および鉄鉱石の販売を担う子会社であるエムシー
リソーストレードを新たに設立し、グローバルな販売ネット
ワークの構築を目指していく方針です。
MDP
MDPが参画するBMA(BHP Billitonとの石炭
合弁事業体)
では、
年間生産能力を従来の4,800
万トンから5,800万トンに引き上げる増産計画
三菱商事の金属資源分野の展開
を推進しています。
この増産計画は、
短期的な原
料炭需給逼迫のみならず、
中長期的な需給見通
しを踏まえた上で、
世界最大の原料炭輸出業者
として全世界の顧客への安定供給責任を果た
す目的で行われており、2006 年中に完工する
見通しです。
大平洋金属
(日本)
IOC
当社は1992年より北米最大級の鉄
鉱石会社である I O C( I r o n O r e
Company of Canada)の経営に参
画し、
現在は26.18%の株式を保有
MOZAL
(モザンビーク)
Asahan
(インドネシア)
しています。
同社は低不純分の鉄鉱
BMA
(オーストラリア)
石資源をベースに年間1,600万トン
Gresik
(インドネシア)
を生産し、
今後30年以上にわたり生
産が可能な埋蔵量を誇っています。
現在、
年間生産量を2,000万トン超の規模にまで増強するため、
段階的な拡張計
画を策定中です。
Hernic
(南アフリカ)
40
HIsmelt
(オーストラリア)
Coal & Allied
(オーストラリア)
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
非鉄金属本部
非鉄金属本部では、アルミ地金・銅鉱
すが、当本部ではギニアでのボーキサイトの探査活動をはじ
石・鉛亜鉛鉱石・銅地金に対する資源投
め、プロジェクトの初期段階からの参画など、資源投資には
資、貴金属を含む非鉄金属地金の現物取
今後も積極的に取り組む方針です。また、当本部は、資源価
引と、それから派生する先物取引・ファ
格の下降局面でも底堅い収益を確保できる体制を構築するこ
ンド取引、アルミ・銅素材を中心とした
とを戦略の大きな柱の一つとしていることから、トレーディ
非鉄製品取引、および太陽光発電関連な
ング部門においては、事業領域の見直しや領域内での選択と
どの先端製品取引を行っています。
集中をさらに徹底するとともに、収益力向上に必要な布石を
非鉄金属本部長
2006 年 3 月期は、資源価格の高騰によ
小野 誠英
打っていきます。
る銅、アルミなどの事業投資先からの高
2007 年 3 月期の重点課題は、銅鉱山事業のエスコンディー
収益および現物取引・先物取引・非鉄製
ダ(チリ)、アルミニウム製錬事業のモザール(モザンビーク)
品取引からの安定した取引利益に支えられ、連結純利益を前期
に続く、銅・アルミ資源のさらなる確保と拡大、および非鉄流
比でほぼ倍増することができました。短期的には、資源価格の
通分野の機能強化です。また、2007 年 3 月期から非鉄事業開発
大幅な下落の可能性は低いと予測しており、資源投資からの収
ユニットを新設し、レアメタルなどの新規分野へも展開してい
益は 2007 年 3 月期も大幅に増加するものと考えています。
く方針です。さらに、資源案件の推進に必要な人材の育成、お
市場の寡占化により資源価格が高止まりする中で、優良案件
参画の機会を確保することはますます難しくなってきていま
よびリスク管理に重点を置いた商品取引ノウハウの充実にも力
を入れていきます。
チリ エスコンディーダ銅鉱山案件
当社が7%出資するチリのエスコン
ディーダ銅鉱山は、1989 年に生産
● 石炭
● 鉄鉱石
● ステンレス原料
●銅
● アルミ
開始され、
現在では含有銅分にして
年間130万トンを生産する世界最大
の銅鉱山となっています。
2006年に
は、
バクテリアを利用した湿式精錬
法により、
低品位の鉱石から年間18
万トンの銅地金を生産するプロジェ
クトが立ち上がります。
このプロジェクトでは、
資源の有効活用が図られるほか、
淡水化した海水の利用など、
周辺環境にも最大限の配慮を行います。
IOC
(カナダ)
モザンビーク モザール・アルミニ
ウム製錬所案件
当社は、
モザンビーク共和国におけ
る史上最大のプロジェクトであるモ
Antamina
(ペルー)
Albras/Alunorte
(ブラジル)
ザール・アルミニウム製錬所に、
モザ
ンビーク政府、
南アフリカ開発公社、
世 界最 大の 金属 資 源会 社である
Boyne
(オーストラリア)
Escondida
(チリ)
CMH
(チリ)
BHP Billitonとともに出資していま
NOVA ERA SILICON
(ブラジル)
す
(当社出資比率25%)
。
モザールは2000年に稼動し、
現在では年間56万トンのアルミニウムを生産、
モザ
また、
学校建設をはじめと
ンビークのGDPへの寄与度は約15%にものぼります。
する地域貢献策にも積極的に推進するなど、
同国の発展に貢献しています。
Los Pelambres
(チリ)
41
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
機械グループ
グループCEOメッセージ
ホップ期間(2005年3 月期∼2006年3 月期)のレビュー
機械グループは、
選択と集中を積極的に進め、
さまざまなバリュー
チェーンの中で当社の機能とビジネスモデルを進化させながらビジ
ネスを拡大し、2004年3月期より3期連続で最高益を更新しました。
2006年3月期は、イラク債権の無税化という特殊要因もありまし
たが、当グループの中核ビジネスでは、
アジアでの自動車事業や船
舶運行事業が引き続き好調だったこと、発電・交通・化学プラントな
どの案件での大型プラント受注によりプラント輸出額が過去最高の
水準となったこと、
さらに、
レンタル建機、
産業機械、
昇降機などの量
販・サービス事業、不動産事業なども好調であったことなどにより、
着実に収益を拡大しました。
ステップ(2007年3月期∼2008年3月期)およびジャンプ期間
常務執行役員
機械グループ CEO
( 2009年3月期∼2010年3 月期)に向けての中期経営計画
常務執行役員
機械グループ CO-CEO
当グループが対面する業界は非常に多岐にわたることから、経済
2006年4月にグ
環境の変化により迅速かつ的確に対応できるよう、
ループ内の組織改編を行いました。
まず、グループ経営体制では、勝村元常務執行役員が CO-CEOに
就任し、私と業務執行を分担します。
次に、事業戦略単位を改編し、船舶、交通、宇宙航空の3事業を集約して、それぞれのビジネス
モデル相互のシナジーを追求しつつ、組織の最適化と収益の拡大を図ります。
また、開発建設
を一つの事業戦略単位として独立させました。
一方、
産業機械とレンタル建機は重機・化学プラ
ントなどのプラント部門と統合し、新たなシナジーを追求しつつさらなる成長を目指します。
これらの機構改革により、当グループの中核ビジネスの徹底強化を、
「ステップ」
「ジャンプ」
期間を通じてより強固に推し進めていきます。
一方、当グループの強みであるバリューチェーンの中で新たな機能を進化させて新しいビジ
ネスモデルを生み出す取り組みとして、オンサイト発電事業・FPSO/ FSO 事業や排出権案件
なども積極的に推進しています。さらに、新機能事業グループなどと協力しながら新たな商社
型産業金融ビジネスにも取り組んでいます。
このように、
「 ホップ」期間に育てた新しい芽を
「ステップ」期間に着実に成長させ、
「ジャン
プ」期間で大きな中核となるビジネスに育成するとともに、従来からの中核ビジネスも拡大・
強化することにより、資源価格に左右されない安定した収益基盤の確立を目指します。
組織図
42
旧組織
新組織
重電機本部(6BU)
重電機本部(5BU)
プラントプロジェクト本部(6BU)
プラント・産業機械事業本部(7BU)
宇宙航空機本部(6BU)
開発建設プロジェクト本部(5BU)
開発建設・産業機械事業本部(8BU)
船舶・交通・宇宙航空事業本部(8BU)
自動車事業本部(6BU)
自動車事業本部(4BU)
いすゞ事業本部(2BU)
いすゞ事業本部(2BU)
グループCEO直轄(2BU)
グループCEO直轄(2BU)
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
機械グループ 総資産とROAの推移
機械グループ 売上総利益と全社構成比の推移
(単位:10億円)
(単位:%)
200
40
150
30
100
(単位:%)
2,500
5
2,000
4
1,500
3
1,000
2
500
1
20
50
0
(単位:10億円)
10
03.3
04.3
05.3
06.3
■■ 売上総利益 ■ 全社構成比
0
0
03.3
04.3
05.3
06.3
0
■■ 総資産 ■ ROA
サステナビリティの実現に向けた取り組み
東岳HFC23処理プラント
(排出権取引)*
イコノス事業(地球観測衛星事業)
ジャパンウォーター 浄水場維持管理
地球温暖化防止に向けた排出権取
引、
環境にやさしいエネルギーへの転
換に貢献するオンサイト事業、
省エネ
ルギーを目指すESCO事業、
食品廃棄
物によるバイオマス発電
(バイオエナ
ジー(株))事業、省資源化に資する
廃プラスチックリサイクル事業、
ある
いは地域社会にも貢献する民間水道
(ジャパンウォーター)
事業、
そして環
ケニア・人造りセン
ター
(無償資金協力)
トルコ・大学向視聴
覚機材
(無償資金協力)
境保全に寄与する観測衛星(イコノ
ス)事業などに、他の営業グループと
も連携しながら取り組んでいます。
また、当グループでは、
国際協力の趣
旨に則リ、日本政府の政府開発援助
(ODA)
により実施される発展途上国
向け、学校建設などの無償資金協力
案件も、全社的な観点からグローバ
ルに展開しています。
東海大学伊勢原キャンパス(ESCO事業)
廃プラリサイクル事業
バイオエナジー(株)
(東京スーパーエコタウン)
*同プラントは、現在建設中であり、写真は同型のプラントのものです。
43
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
本部長からの報告
重電機本部
国内では、
電力会社の設備投資は抑制気
の伸びが著しいアジア地域を中心に積極的に事業を拡大し、
当本
味に推移していますが、
海外では中国・アセ
部の中核ビジネスに育成していきます。
新規事業である国内オン
アン・欧州・中東など世界的に旺盛な設備
サイト発電事業では、
エネルギー事業グループと協調するなど、
当
需要が続いており、プラント輸出は好調を
社の総合力を活かしたサービス事業を展開していきます。
持続しています。一方、海外IPP 事業では、
香港のCLP Holdings社とタイ・台湾・フィ
リピンなどアジアにおける協業について
モーリス発電所
2005年8月、
アメリカで民間発電事
業を行う 100% 子会社であるDia-
重電機本部長
基本合意に至るとともに、同社との折半出
mond Generating Corporationが、
片山 善朗
具体的な
資で新会社OneEnergyを設立し、
イリノイ州で運転中のモーリス発電
事業拡大に向けた検討を開始しました。
2007年3月期も、当本部の伝統的ビジネスである国内・海外向
けの発電プラント取引に引き続き注力し、商社機能の強化を図り
ながら取引拡大を目指します。
海外IPP事業については、
電力需要
これ
所( 18 万kW )を買収しました。
により、
同社の発電所は10件となり
ました。
同発電所は隣接する化学品
工場へ電気・蒸気を供給する一方、
余剰電力を電力市場に卸売りする
オペレーションも行っています。
プラント・産業機械事業本部
2006年3 月期は、石油・ガス、石炭、金属
いった戦略子会社の付加価値創出能力と体力の増強に努め、業
などの資源市場の活況を受け、世界的に
界のリーダーとして継続発展できる基盤作りに注力します。さら
設備投資が増加したことから、プラント・
に、当本部が持つサービス機能・事業モデルを他地域・他事業分
産業機械事 業本部の業績も海上 石油生
野へも適用すべく横展開中であり、実績のある中国・ブラジル・イ
産・貯蔵設備、中国・韓国向け製鉄機械、石
ンドを重点市場とするとともに、他の新興市場にも市場特性に応
炭・金属資源開発用鉱山機械などの受注
じた地域戦略を策定し、
メリハリのある対応を進めています。
が 増 加し 、好 調 に 推 移しました 。ま た 、
プラント・産業機械
事業本部長
白木 清司
2006 年 4 月に当本部に統合され、もう一
つの事業の柱となる産業機械販売、建設
機械レンタル事業も、国内の設備投資の
当本部では、
世界各地の製鉄所向け
にプラント納入実績を有していま
活況を受けて順調な拡大を続けました。さらに、新規領域である
す。
世界の粗鋼生産量が10億トンを
環境分野においても、中国で大量の排出権確保を伴うCDM案件
超え、
主要鉄鋼生産国での設備投資
で成約のめどをつけることができました。
日本が有する世界レベルの最先進
2007年3月期も引き続き、海洋エネルギー開発、金属資源開発
分野において、他グループとの協業をさらに強化し、既存ビジネ
がますます活発化する中、
当本部は
技術を搭載した製鉄機械プラントの
多国間貿易に積極的に取り組んで
います。
写真は、
とりわけ多数の納入
スの収益拡張を図ります。
また、当本部の大きな収益の柱となる
実績を有する熱間圧延プラント設備
量販機械の販売事業では、産業機械販売と建設機械レンタル事
です。
業の両分野において、三菱商事テクノスやレンタルのニッケンと
44
熱間圧延プラント設備
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
開発建設プロジェクト本部
開 発 建 設 分 野 を取り巻く市 場 環 境 は
では、既存の REIT や私募ファンドの資産規模の拡大を図るとと
2006 年 3 月期も好調に推移し、当本部は
もに、新規に物流施設などを対象とする REITを上場することに
前期に続き高収益を達成することができ
より、業績のさらなる向上を目指します。
ました。懸案案件からの撤退を完了すると
拠点配送センター「Tokyoビッグ
ともに、住宅事業では首都圏において御
ベイ」
殿山、東雲などのマンション物件を販売し
当社は、
東京都江東区東雲に国内最
ました。不動産証券化業務では、商業施設
開発建設プロジェクト
本部長
中西 良和
大規模の物流配送センター施設
(延
を開発し、
2006
床面積51,837m2)
などを中心に順調に事業拡大を続けてい
年春に宅配便事業はじめ貨物運輸
ます。
業界の代表的企業である佐川急便
に一括賃貸し、
同社の拠点配送セン
都市再生のイノベーターとして、引き続
き機能・バリューチェーンの強化・高度化を推進します。住宅事業
では、分譲事業の安定的な推進と賃貸事業の育成に注力します。
商業施設や物流センターに加え、社内外との協業を強化しなが
として営業
ター
「Tokyoビッグベイ」
を開始しました。
当社は、
上場済みのJ-REIT「日本リテールファンド投資法人」
に
次いで、
2006年中の物流施設を中心としたIndustrial型J-REITの新規上場を睨
み、
優良なポートフォリオ形成に向けて物流施設の開発事業に積極的に取り組ん
でいます。
ら医療・福祉などの分野にも積極的に取り組みます。不動産分野
船舶・交通・宇宙航空事業本部
船舶・交通・宇宙航空事業本部は、船舶
たファイナンスビジネスのノウハウを共有し、他ビジネスへの展
ユニット・交通システムユニットと旧宇宙
開を図るとともに、防衛や交通など既存ビジネスへの取り組みを
航空機本部が統合し、2006 年 4 月に新た
強化して、さらなるステップアップを目指します。
に創設されました。2006年3 月期は、前期
に引き続き民間航空機と防衛の分野を中
心 に 堅 実 に 収 益 をあ げ 、また 新 た に 加
船舶・交通・宇宙航空
事業本部長
小林 健
全自動無人運転の鉄道システム
「ドバイメトロ」
当本部は三菱重工業、大林組、鹿島
わった船舶・交通分野においても、活発な
との5
建設、Yapi Merkezi(トルコ)
市況を背景に大きく収益を伸ばすことが
社連合で、
2005年7月にアラブ首長
できたことから、大変良いスタートが切れ
ました。
当本部では、
名実ともに陸上・海上・航空・宇宙すべての輸送関連
国連邦ドバイにおける、全自動無人
運転の鉄道システムの建設(フル
ターンキーベース)を総額約4,000
億円
(オプションを含む)
で受注しま
(うち約12kmは地下)
で、
無人運転の鉄道シ
した。
同システムは総延長約70km
ビジネスを取り扱うとともに、衛星利用サービス・情報セキュリ
ステムとしては世界最長のものです。
2006年3月21日に起工式を行い、2009年
ティを含む幅広い関連事業を展開しています。2007 年 3 月期は
9月の開業を目指し本格的に工事を開始しました。
「融合」をキーワードに、航空機リースや船舶ファイナンスといっ
45
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
自動車事業本部
当本部は、
三菱自動車工業製ならびに三
菱ふそうトラック・バス製車輌を中心に、
国
内および海外における販売、
販売金融など
三菱自動車工業、
三菱ふそうトラッ
ク・バス
当本部は、30 数年にわたり世界各
地において自動車事業全般のビジ
のビジネスに携わっています。2006年3月
ネスを展開しています。今後もバ
期は、
欧州における販売金融事業展開に向
リューチェーン型の事業展開を図
けた取り組み、
マレーシアでの販売会社の
り、
三菱自動車工業および三菱ふそ
うトラック・バスとの連携を深め、
立ち上げのほか、
国内の自動車ファイナン
車輌販売の拡大に取り組んでいき
自動車事業本部長
ス事業再編についてダイヤモンドリースお
ます。
白地 浩三
よび三菱自動車工業と基本合意に達する
れ、
今後欧米などに輸出される三菱
など、
将来に向けての販売体制の整備に努
自動車工業の新型SUV「アウトラン
写真は、すでに国内向けに発売さ
ダー」
と、
インドネシアで生産されて
めました。
いる三菱ふそうトラック・バスの小
2007 年3 月期は、当本部の重要戦略地域であるインドネシア
自動車市場の低迷の影響が懸念されますが、引き続きアジア・ア
型トラック
「コルトディーゼル」
(日本
名
「キャンター」
)
です。
セアンおよび欧州地域における販売体制強化に努め、自動車バ
リューチェーンにおける当本部の事業付加価値の一層の拡大を
目指します。
再生基盤の確
なお、
三菱自動車工業の再生計画は2年目を迎え、
立を目指すこととなりますが、当本部も一層の拡販を通じて積極
的に支援していきます。
いすゞ事業本部
いすゞ事業本部は、いすゞ自動車製の自
強化に努め、引き続き高水準の車輌販売を目指していきます。
ま
動車に関連する輸出、
海外での製造・販売・
た、タイ事業で培ったノウハウを他地域でも活用しながら、世界
販売金融などの事業に携わっています。
各国でいすゞ製自動車の拡販を図り、いすゞ自動車との緊密な関
2006年3月期は、最大市場のタイにおいて
係をさらに強化していく方針です。
は、競合他社の猛追を受けながらも販売台
23年連続商用車シェアNo.1を
数を伸ばし、
達成しました。
タイのいすゞ自動車との合弁
いすゞ事業本部長
会社で生産するピックアップトラックの
一寸木 守一
海外販売も、
アジア、
中東、
欧州、
中南米など
世界 各 国で実 績 をあげています。また 、
2005年7月には、いすゞ自動車と合弁でメキシコに中型トラック販
売会社を立ち上げ、積極的な拡販活動を展開しています。
今後、タイでは一層の競争激化が予想されますが、いすゞ自動
車と連携しつつ、生産能力の増強とともに商品競争力・販売力の
46
輸入販売会社Isuzu Motors de
Mexico S. de R. L.
当社は、2005年4月の
「日墨経済連
」
発効の機会をとらえ、
携協定
(EPA)
同年 7 月8 日メキシコに、日本でも
トップシェアを誇る「いすゞエルフ」
の輸入販売会社Isuzu Motors de
Mexico S. de R. L.をいすゞ自動車
と合弁で設立しました。
「メキシコに
配送・物流革命を!」
をテーマに、
現在積極的な拡販活動を展開しています。
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
機械新規事業開発ユニット
戦略ソリューション事業ユニット
当グループにおいて、R &
D 分野での新規事業 のイン
組みは、グループおよび国内
キュベーションは、機械新規
事業投資先における顧客対
事 業開 発 ユ ニットが 中 心と
応力強化と生産性向上に向
なって取り組んでいます。
現在、具体的には次の 2 つ
の分野に注力しています。
第一に、新エネルギーのバイオマス燃料製造事業では、エネ
ルギー事業・生活産業・化学品・金属の4つの社内グループとタ
当グループの I T への取り
けた IT 基盤整備や活用強化
を中心に展開しています。一
方で、その中で得たノウハウ
やニーズを具体的にビジネスにも結び付けています。
その一つの例として、戦略ソリューション事業ユニットでは、
スクフォースを組み、石炭・軽油・ガソリンの代替燃料の開発と
業務用アプリケーションをインターネット経由で提供するサー
事業化調査を行い、茨城県つくば市の環境資源研究所では、バ
ビス・プロバイダー事業(ASP事業)を展開しています。現在の
イオマス燃料の評価・分析や、付加価値を付けて他社品と差別
主力商品である「建設サイト」
シリーズでは、
総合建設会社など
化するための加工技術の開発を行っています。
第ニに、
コンテナセキュリティ事業では、
テロ対策などの目的
で海上コンテナ貨物の封印状況を監視する新技術に着目し、
ア
建設事業者向け業務アプリケーションを提供しており、2000
年のサービス開始以来、使い勝手や機能の改善など、サービス
の拡充を重ね、今では全国数千社で利用されています。
メリカGEおよびドイツSiemensとのパートナーシップのもと、
世界展開を図っています。
機械グループの地域展開
当グループは、
世界のあらゆる地域で、
さまざまな活動を行っています。
世界37カ国の現地法人や事業投資先に242名のスタッフ
を派遣し、その強力な情報発信ネットワークをフルに活用し、自動車、発電、プラント、量販機器、不動産などの中核ビジネスを
グローバルに展開しています。
現地法人派遣者
事業投資先出向者
47
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
化学品グループ
グループCEOメッセージ
『INNOVATION 2007』ホップ期間の最終年である 2006年3月期の業績は、当期純利益が
196億円となり、4 期連続で過去最高益を更新することができました。
中国をはじめとするアジア市場の拡大と予想を上回る石油化学品の好市況を追い風に、
当グループでは市況変動に耐え得る安定収益体質の構築に向けた足場固めを行う一方、競
争力のあるサウジアラビアでの石油化学事業、ベネズエラでのメタノール事業をはじめ、
中核ビジネスの徹底強化を推進しました。また、将来の成長分野であるバイオビジネス関
連では、予防・診断分野において遺伝子検査薬事業などの展開を開始しました。
中東における石油化学プラントの新増設ラッシュが一段落する2008 年前後までは、需給
はおおむねバランス状態で推移すると予想されるものの、原油高および川下分野での過当
競争の影響により、2006年後半からは需要減および価格転嫁の難しさといった厳しい局面
を迎える可能性もあり、より市況動向を注視していく必要があります。
このような環境下、汎用化学品本部では Asset Holding Trader としての機能を一層強
化し、機能化学品本部ではバリューチェーンと顧客対応力をベースとしたマーケットアウ
ト戦略により、収益のさらなる拡大を目指します。先端化学品本部では、「食品化学」での
常務執行役員
化学品グループCEO
“健康・安全”、「バイオビジネス」での“予防・診断”といったヘルス・ウェルネス分野への
取り組みを進めます。
当グループのビジネス領域は多様な産業にかかわっており、かつグローバルに展開して
います。そのため、さまざまな事業拡大の可能性があることから、それぞれの分野におい
て「商売能力」を発揮して収益に結び付けていきたいと考えています。
あわせて、グループ戦略を成功させるために、「全員参加型のグループ経営」を引き続き
推進します。当社拠点・連結先も含めた国内外のグループ人材の積極的活用と能力開発を
行うことで、年齢・国籍・性別を問わず高い競争力と創造力ある人材を確保・育成し、連結
ベースでの総合力向上を図っていきます。
高まる時代のニーズを敏感にとらえ、社内外への情報発信源としての役割を担うユニーク
なグループとして、さらなる躍進を目指します。
組織図
48
旧組織
新組織
汎用化学品本部(8BU)
汎用化学品本部(9BU)
機能化学品本部(9BU)
機能化学品本部(9BU)
先端化学品本部(4BU)
先端化学品本部(4BU)
グループCEO直轄(2BU)
グループCEO直轄(2BU)
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
化学品グループ 総資産とROAの推移
化学品グループ 売上総利益と全社構成比の推移
(単位:10億円)
(単位:%)
(単位:10億円)
(単位:%)
80
20
800
4
60
15
600
3
40
10
400
2
20
5
200
1
0
0
0
03.3
04.3
05.3
06.3
■■ 売上総利益 ■ 全社構成比
03.3
04.3
05.3
06.3
0
■■ 総資産 ■ ROA
化学品グループの海外事業投資先
21
16
16
15
14
1
20
13
5
19 4
2
17
2
18
9
3
10
12
1
6
5
7
11
1
8
2 3 4
〈製造会社〉
社 名
業 種
� AROMATICS MALAYSIA SDN. BHD.
パラキシレン・ベンゼン製造・販売
� PT.KALTIM PARNA INDUSTRI
アンモニア製造
� P.T.CENTRAM
カラギーナン製造
� P.T. SORINI TOWA BERLIAN CORPORINDO
糖アルコール製造・販売
� MC-TOWA INTERNATIONAL SWEETENERS CO., LTD. 糖アルコール製造・販売
� DIA RESIBON(THAILAND)CO., LTD.
研磨砥石製造・販売
� THAI CHEMICAL CORPORATION
可塑剤・接着剤・ホルマリン製造
� SUN ACE KAKO(PTE)LTD.
樹脂添加剤製造
� 連雲港昭菱磨料有限公司
研磨材製造
쐅 ENGRO ASAHI POLYMER & CHEMICALS LTD.
PVC製造・販売
쐈 METANOL DE ORIENTE, METOR, S.A.
メタノール製造・販売
쐉 EXPORTADORA DE SAL, S.A. DE C.V.
工業塩製造・販売
씈 TOSOH HELLAS A.I.C.
電池原料製造
씉 MITENI S.P.A.
フッ素化合物製造・販売
씊 ACLO COMPOUNDERS INC.
プラスチックコンパウンド製造
씋 INOVATECH CORPORATION
食品添加物製造
씌 RIMTEC CORPORATION
塩ビコンパウンド製造
社 名
業 種
씍 ARISTECH ACRYLICS LIMITED LIABILITY COMPANY アクリルシートおよび人造大理石製造・販売
씎 AMFINE CHEMICAL CORPORATION
プラスチック用安定剤・添加剤製造
씏 C&M FINE PACK INCORPORATED
食品容器製造
F2 CHEMICALS LIMITED
フッ素ファインケミカル製造
〈販売会社〉
社 名
� MITSUBISHI INTERNATIONAL FOOD
�
�
�
�
INGREDIENTS, INC.
MCMET CHEICAL, INC.
MI CHLOR-ALKALI INC.
MIC SPECIALTY CHEMICALS INC.
MITSUBISHI INTERNATIONAL POLYMER
TRADE CORPORATION
〈投資会社〉
社 名
� SHARQ
(投資会社であるサウディ石油化学に出資)
� MC LIFE SCIENCE VENTURES, INC.
業 種
食品添加物販売
米国内メタノール販売
苛性ソーダ販売
スペシャリティケミカル販売
合成樹脂卸売販売
業 種
エチレングリコール・ポリエチレン製造
投融資業務
49
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
本部長からの報告
汎用化学品本部
汎用化学品本部長
宮内 孝久
汎用化学品本部は、石油化学、天然ガス
当本部は、基本方針として「取引数量の拡大」
と
「取引の質の向
誘導品、クロールアルカリ、無機・肥料の分
上」
を掲げています。
「数量の拡大」
は、
市場の
「生の動き」
に関与す
野における商品のトレーディングと、関連
る
「活動の場」
を拡げる原点であり、
「質の向上」
を図るための重要
事業投資を行っています。
な要素です。
この分野の世界需要は、中国とインドの
中東の石化製品、マレーシアのアロマ製品、ベネズエラのメタ
成長に牽引され堅調に伸張する一方で、成
ノール、
インドネシアのアンモニア、
メキシコの塩などの中核ビジ
熟した欧米や日本のウェイトはおのずと低
ネスを軸とした新たな展開を追求し、一層の飛躍を図ります。
下する傾向にあります。
当本部は、
過去長期間にわたって日本の
ベネズエラのメタノール事業
ベネズエラ石油化学公社、
三菱ガス
化学業界のニーズに合わせた輸出入を活
化 学 な ど を パ ート ナ ー と す る
動の中心に据えてきましたが、
ここ数年、
事業投資も含めた海外展
Metanol de Oriente, METOR S.A.
開の割合が高まっており、その領域も世界各地に拡がってきてい
では、天然ガスを原料にメタノール
を製造しています。当社のメタノー
ます。
多岐にわたる化学品グループの取り扱い商品の中でも、
コモ
ル取引における基盤をより強固なも
ディティと括られる当本部の商品群は、歴史的に市況変動が大き
のとすべく、同事業の強化を図って
いことから、
高い商品専門性と需給動向を的確に読む力に裏付け
いきます。
られた取引・事業投資の遂行が不可欠です。先を読む力「先見の
明」を強化し、刻々と変化し複雑化する世界市場の「生の動き」に
直接関与することが重要であると考えています。
機能化学品本部
『INNOVATION 2007』ホップ期間の最
ション強化を図り、増設後には単一工場として世界最大規模とな
終年である 2006 年 3 月期、機能化学品本
るSHARQ の川上事業とともに、強い収益基盤を確立していきま
部は川下での顧客対 応力の強化を目的
す。現状に甘んじることなく、
「 変革」や「チャレンジ」をモットー
に、包装材料・自動車・物流分野では三菱
に、関連会社を含め社員全員一丸となって取り組んでいきます。
商事プラスチックを、塗料分野では三菱商
事ケミカルを核とした一体化経営を推進
中国の研磨材製造事業
したほか、OA 分野での機能強化を目的に
昭和電工をパートナーとする連雲港
機能化学品本部長
関連会社を統合し、MC 山三ポリマーズを
安田 正介
設立しました。川上分野では、サウジアラ
昭菱磨料
(中国江蘇省)
は、
代表的な
研磨材である溶融ホワイトアルミナ
と立方窒
(Fused White Alumina)
の
化ホウ素(Cubic Boron Nitride)
ビアの石油化学事業である SHARQ の増
本格的な商業生産を2006年6 月よ
設を決定し、現在順調に工事が進行中です。
2007年3月期からのステップ期間では、包装材料・自動車・携帯
電話部品関連事業の拡大、超硬材料など無機系資源事業のバ
リューチェーン強化などの方策により、川中・川下分野でのポジ
50
り開始しました。
今後一層の伸張が
期待される自動車・ハードディスク・
ベアリングなどの幅広い分野で使用する研磨材のアジア最大の製造拠点として
市場への安定供給を図っていきます。
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
先端化学品本部
先端化学品本部は、化学を軸として市場
案件の商業化を進めています。2006 年 3 月期は、タイの低カロ
ニーズを汲み取りながら、
化学品業界に隣
リー甘味料製造会社や中国の医農薬中間体受託製造会社での商
接す る 成 長 分 野での 新 産 業 のイン キュ
業生産開始、ゲノム診断薬関連ビジネスの立ち上げ、
また、ナノ材
ベーションや、新技術の用途開発・商業化・
料の用途開発や環境関連ビジネスの商業化を推進しました。
事業化に取り組んでいます。
当本部の事業領域は技術指向が強く、製造業を事業投資先に
消費者の「安全」
「健康」
「環境」意識の高
まりに対応して、バイオ、診断・検査薬、医
先端化学品本部長
薬、食品化学、ヘルスケアといった成長分
池田 純
野での、商品やサービス事業の展開、R&D
多く持つという特徴から、社内スタッフだけではなく外部専門家
やキャリア採用を通じて、積極的に人材強化を図っています。
甘味料製造会社の立ち上げ
医農薬中間体受託製造
当社の出 資により設立した M C -
当社 36% 出資により2004 年10 月
TOWA International Sweeteners
Co., Ltd.では、タイのタピオカを原
料として2005 年 11 月よりマルチ
に中国江蘇省常熟市に設立した合
トールの商業生産を開始しました。
た。
今回稼動したのは有機合成のた
当社甘味料販売事業の製造拠点の
めの多目的プラントで、
医農薬分野
弁会社・力菱ファインケミカルでは、
2005 年 12 月に工場が稼動しまし
一つとして、
食品化学分野ビジネス
を中心にファインケミカルの受託製
の拡大に寄与します。
造を行います。
文中の用語
【クロールアルカリ】
【メタノール】
【ゲノム】
クロールアルカリ事業とは、塩を電気分解するこ
メチルアルコール (Methyl Alcohol) とも呼ば
とによって、塩素と苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)な
れるアルコールの一種で、天然ガスなどから製造さ
らびに水素を生産する事業です。生産される塩素は
れ、接着剤・ホルマリン・固形燃料製造に使用される
生物の細胞内にあるDNA 分子であり、遺伝子や遺伝
パイプや壁紙の材料となる塩化ビニールや各種塩
など工業用の基礎原料として広く使われています。
子の発現を制御する情報などが含まれています。現
素系化学品の原料に、苛性ソーダは、主に副資材と
して、紙・パルプや化学繊維、
アルミナの製造をはじ
め幅広い産業で使われています。
遺伝子と染色体を組み合わせた言葉で、生物の持
つ遺伝子情報の全体を指す言葉です。その実態は、
代の生命科学では、生物の仕組みをゲノムの解読か
【ファインケミカル】
ファインケミカルとは、付加価値が高く少量多品
ら解明しようとする研究が盛んに行われており、医
療分野への応用が期待されています。
種の化学合成品の総称です。
ファインケミカル製品
【アロマ製品(アロマティクス)】
アロマティクスは、芳香族炭化水素 ( A r o m a t i c
としては、医薬、農薬、化粧品原料、塗料、染料、接着
剤などがあります。
【マルチトール】
でんぷんから作られる低カロリー甘味料の一種
Hydrocarbon)とも呼ばれ、主にナフサなどを原料と
です。砂糖代替として、
ガムや菓子、飲料などに広く
して作られる工業用の基礎原料です。
ベンゼン、
トル
使われています。
エン、キシレンなどが代表的な商品で、樹脂・繊維・
フィルムなどの原料として幅広く利用されています。
51
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
生活産業グループ
グループCEOメッセージ
グループ全体戦略
生活産業グループは、
「衣」
「食」
「住」の分野を中心に、原料の調達から生活者にダイレクト
に繋がる事業まで、「消費者を起点」にしたビジネスモデルの創造に挑戦してきました。
『INNOVATION 2007 』のホップ期間に当たる2005年3 月期からの2 年間は、対面業界で
の大型再編や統合も相次ぎ、厳しい競争環境ではありましたが、イギリスの加工食品メー
カーPrincesなど関連会社の収益拡大などにより、2006年3月期は連結純利益486億円とな
り、2年間で99億円の増益と、着実に成長を遂げることができました。また、明治屋商事を
設立したほか、ライフコーポレーションなど有力卸・小売への出資も実施しました。
消費には明るい兆しも見えてきましたが、一人ひとりのライフスタイルが多様化し、変
化のスピードも加速している中で、日本の総人口も初めて自然減少に転ずるなど、時代の
変化のうねりが押し寄せてきています。健康で快適な生活に対する志向の高まりや、デジ
タル市場・ツールの進化に加え、異業種や外資系企業の参入により、競争もますます複合
化・大型化すると考えています。
当グループでは今後も、商社の原点である「商品力」
「 調達力」に一層磨きをかけ、グロー
副社長執行役員
生活産業グループ CEO
バルなネットワークを駆使し、国内外の100社を超える関連会社とも連携しながら、原材料
から製品に至るまで、お客さまや消費者の期待を上回る商品を提供できる仕組みを構築し
ていきます。さらに、それぞれの国や地域に根ざした文化・嗜好に対応した消費市場への
取り組み、さらに「モノとサービスの複合化」を進め、「生活者起点の総合サービス基盤」を
整えていきます。
新しい戦略の実行体制
2007年3月期は、生活産業グループが発足して10年の節目を迎えます。新たな10年に向
け、「次世代」を先取りする体制を固めるため、 2006 年4 月に組織の改編を実施しました。
リテイル戦略、サービス分野・マーケティング機能の強化をねらい、
「リテイル事業ユニット」
と「コンシューマー・サービスユニット」をグループCEO直轄としてスタートしたほか、「ラ
イフスタイル本部」を新設することにより、「衣」
「 住」の領域を主体に、「食」の分野とも連
携しながら、生活関連分野に総合的に対面していきます。
新体制のもと、原料、製品、中間流通、小売・外食と、バランスよくトータルに事業を
展開し、社会に信頼される「生活産業」を創造するグループを目指していきます。
組織図
旧組織
新組織
食糧本部(8BU)
食糧本部(8BU)
食品本部(8BU)
食品本部(8BU)
繊維本部(6BU)
ライフスタイル本部(9BU)
資材本部(8BU)
グループCEO直轄(2BU)
52
グループCEO直轄(2BU)
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
生活産業グループ 総資産とROAの推移
生活産業グループ 売上総利益と全社構成比の推移
(単位:10億円)
(単位:%)
350
70
300
60
250
50
200
40
150
30
100
20
50
0
(単位:10億円)
(単位:%)
2,000
4
1,500
3
1,000
2
500
1
10
03.3
04.3
05.3
06.3
0
0
03.3
■■ 売上総利益 ■ 全社構成比
04.3
05.3
06.3
0
■■ 総資産 ■ ROA
生活産業グループ組織改編の概念図
新・
「生活」
産業グループ
市場の変化・時代の転換
ライフ
スタイル革命
異業種
外資参入
一次産品
次世代分野
原料・素材
製品
中間流通
小売・外食
「モノ+サービスの複合化」
取引
「食」
食糧本部
• 安全・安心
リテイル事業BU
• 健康志向
投資
• 高付加価値化
「総合サービス基盤」
の強化
食品本部
• 地域性
➔
生活
関連
➔
コンシューマー
・サービスBU
業界の垣根を
超えた複合化
「衣」
「ライフ
スタイル」
生活者起点
提携
ライフスタイル本部
商品力・調達力
マーケティング・サービス
リテイル戦略
「住」➔
53
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
本部長からの報告
食糧本部
2006年3月期は、原油の高騰に伴い、サ
トウキビ・トウモロコシなどの各種農産物を
た調達力の強化を一層推進するとともに、引き続き成長が見込ま
れるアジア市場に対しても積極的に取り組んでいきます。
代替エネルギーの原料として利用すること
が世界各地で加速するなど、
食糧需給構造
の大きな変化が印象づけられた 1 年でし
た。こうした状況の中で、安心・安全な食
糧 商 品 をお 取 引 先 に 的 確 かつスピ ー
ケンタッキーフライドチキン
ケンタッキーフライドチキン事業は、
当本部が
食糧本部長
ディーに提供するため、海外の集荷・加工
藤井 明
拠点強化に取り組み、アメリカの植物油
召し上がっていただける代表的な事業です。
当
事業である California Oils Corporation
事業では、
鶏肉、
衣、
フライ油の多くは、
当本部の
の能力増強などを行いました。
2007年3月期は、国内においては当社関連会社の原料加工メー
カーの事業基盤強化を目指しています。
また、
これまで培った経験
力を注いでいる食糧商品を実際にお客さまに
商品を使って生み出されています。
たとえば、
使
用される鶏は、当社がアメリカなどから輸入し
たトウモロコシを主原料とした飼料により、
当
社の経営する農場で肥育され、
同じく当社関連
の販売会社を通じて全国に配送されます。
やノウハウを活かしつつ、
国内外におけるバリューチェーンをさら
に太く強くする戦略を進め、
グローバルネットワークの拡充を通じ
食品本部
2006 年3 月期は、食品小売業界におけ
安心・安全志向がますます高まる中、
トレーサビリティの確立も
る競争激化によるデフレ現象が続く厳し
視野に入れ、安定した品質の商品を安定的に供給することを目
い環境下、商品力・流通力などの機能強化
指し、国内外の原料・商品の調達力、
ものづくり機能の強化を今後
に努めました。国内では、かどや製油の株
も積極的に推進していきます。
、
青果物仕入販売会
式取得
(22.34%保有)
社 MC プロデュースの設立などにより、取
引基盤の拡充を図る一方、新たに加わった
サンエス
食品本部長
菓子卸のサンエスや食品酒類卸の明治屋
サンエスは、全国物流・マー
成田 恒一
商事など、
グループ各社にて経営基盤の強
とともに、
「卸ならではの商品
化を図りました。海外では、イギリスの加
開発」
に取り組んでいます。
現
チャンダイジング機能の充実
時点での開発アイテム数は
工食品メーカーであるPrincesが2005 年3 月期実績に対し増収
500前後にのぼり、川上から
増益となり、当本部の業績に大きく貢献しました。
2007年3月期は、連結経営体制をさらに強化し、原料調達から
消費に至るまで、顧客・消費者が望むモノやサービスを速やかに
提供できるバリューチェーンの強化に取り組みます。
また、食の
54
川下まで連なる「菓子産業バ
サンエスが開発したオリジナル菓子商品群
リューチェーンオーガナイ
ザー」
として、あらゆる顧客
ニーズに対応できる菓子卸売業界のリーディングカンパニーを目指しています。
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
ライフスタイル本部
2006 年 4 月 1 日付で旧繊維本部と旧資
2007 年3 月期も、変化し続ける消費者のライフスタイルをと
材本部が統合し、ライフスタイル本部が誕
らえ、
「衣」
「住」や紙関連、自動車周りをはじめとする分野におい
生しました。当本部では、衣料品、靴、家具
て、新たな事業の創出を目指します。そのためにも、当本部およ
から、紙製品、建材、自動車周りまでの生活
び関連会社の機能と体制をさらに強化することが重要なテーマ
に身近なアイテムに加え、製紙原料、木材、
となります。
セメントや光ファイバーなど、生活基盤を
支える原料・素材を幅広く取り扱っていま
ライフスタイル本部長
す。
「衣」
「住」の分野において、優れた商品
矢野 雅英
調達力を背景に消費者に喜んでいただけ
輸入住宅部材ビジネス
当社は環境先進国・スウェーデンの
木造住宅用構造部材・窓メーカーで
る商材を提供し、
また原料・素材において
当社の環
あるTomoku Husへ出資、
も、従来のトレーディングに加え、国内外の強力なパートナーと
境方針に沿った企業運営を行って
連携しながら事業開発に取り組んでいく考えです。
います。同社から輸入した部材は、
輸入住宅のリーディングカンパニー
2006 年3月期は、S.P.A.(製造小売業)向けのサプライチェー
で現地会社のパートナーでもあるス
ンマネジメント機能を強化することで多様化する小売市場に対
ウェーデンハウスの住宅で使用さ
れ、
当社は日本への物流を担ってい
応したほか、需要拡大を続けるセメントやタイヤの販売を積極的
ます。
に行うことで、収益力を維持・拡大しました。
グループCEO 直轄ユニット
コンシューマー・サービスユニット
を事業領域にしています。関連会社としては、
コンビニエンス
コンシューマー・サービスユニットは、次世代分野の開発組
業界第 2 位のローソン、食品スーパー最大手のライフコーポ
織として、ネットやモバイルを活用した消費者対面プラット
レーションがあります。
また、人口動態、消費動向の変化に対応
フォーム開発、
ITを活用したリテイルプラットフォーム支援、有
するために、次世代分野・新規分野での事業開発にも積極的に
力パートナーとの提携による成長市場のチャネル開拓を推進
取り組んでいます。
します。消費者購買行動に基づくマーケティングリサーチ・
セールスプロモーション事業、消費者コミュニケーションを強
化するメディア開発、流通業界のノウハウを活用した物流ソ
リューションを軸に、機能強化を実現します。
ローソン
ローソンは全国47都道府県すべ
てに出店をして、顧客の「便利」
のニーズに応えています。
一方、
健康志向の高まりを受けて、
特に
リテイル事業ユニット
リテイル 事業 ユニットは、生活 産 業 グルー プの バリュー
チェーンの川下分野に位置し、消費者に対面している小売業
女性をターゲットとした新しい
タイプの店舗
「ナチュラルローソ
ン」
を、関東および関西の都市部
を中心に、積極的に出店を進め
ています。
55
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
地域戦略
CROからの報告
『INNOVATION 2007』
で掲げた中長期の成長戦略を
「地域」
の観点から推進するのが、
チーフ・
リージョナル・オフィサー
(CRO)
としての私の役割です。
事業戦略単位で策定された各営業グループの個別戦略と、各国・地域の成長性、さらには
200以上のグローバルな拠点ネットワーク発の情報発信を掛け合わせ、地域ごとに異なる市場
特性や有望な事業領域、パートナーの存在を踏まえ、全社としての地域戦略を立案し、
これに
沿って具体的な施策を実行しています。
『 INNOVATION 2007』のステップ期間では、市場戦略、拠点戦略、グローバル人材施策の
3つの切り口で、地域戦略を推進していきます。
第一に、
「市場戦略」
として、
成長の著しい市場に対する取り組みを強化していきます。市場の
規模と成長性の観点から、全社をあげて経営資源を投入し、取り組みを加速していく緊急度の
高い市場として中国とインドを
「全社支援対象地域」に指定し、施策を実行しています。一方、
中長期的な地域の成長を睨み、新たな有望分野への参画に重点を置きながら取り組みを強化
副社長執行役員
CRO
グローバルに展開する全社海外拠点ネットワーク
三菱商事
(東京本社)
● 海外事務所
● 海外現地法人
56
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
していく地域として、新たに中東、ブラジル、ロシア・ウクライナ、
従来以上にきめ細かくフォローし、強化していくことにしてい
トルコを
「追加支援対象地域」
に指定し、
特に営業グループだけの
ます。
取り組みでは不足する人的リソースなどの経営資源を全社経営
拠点からの情報発信、
すなわち「地域発のイノベーション」は当
の観点から対象地域に再配分することにより、
対象地域への取り
2006年4月にはモンゴル、ルーマニア、セルビア
社の生命線です。
組みにドライブを掛けています。
第二に、
「拠点戦略」
として、連結経営の推進に貢献する拠点の
に拠点を設置しましたが、
引き続きグローバルな拠点ネットワーク
を拡充し、
新たな地域の成長を取り込む体制を整備していきます。
役割・機能を強化していきます。まずは、地域に展開する各拠
最後に、
「 グローバル人材施策」、すなわち連結・グローバル
点が分社・事業投資先とも連携しながら顧客ニーズをプロア
ベースでの人材開発については、当社本体の人材育成・強化とあ
クティブに察知し、最適なソリューションを提供していくこと
で、各地域における三菱商事グループ企業全体としての価値
わせ一元的に推進する組織として、新たに「 HRD センター」を
2006年4月に設置し、拠点や分社・事業投資先を支える人材の確
向上を図ることを、拠点長のミッションとして明確化しました。
保・育成・活用をさらに積極的に進めていきます。
また、拠点の経営サイクルを通じ、各拠点に期待される機能を
『 INNOVATION 2007』地域戦略の推進
市場戦略
■
全社支援対象地域
(中国の大陸地域、インド)
■
追加支援対象地域
(中東、ブラジル、ロシア・ウクライナ、
トルコ)
拠点戦略
■
拠点長のミッション明確化
■
拠点の機能強化
■
拠点ネットワークの整備・拡充
グローバル人材施策
■
グローバル人材開発施策の推進
57
57
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
全社支援対象地域
中国
世界経済との結びつきを強めながら急速な経済成長を続け、
今後も持続的な発展が見込まれる中国は、当社にとって極めて
重要な市場です。当社は中国全土 14 都市に全社拠点を展開し、
化学品・機械・食品・繊維製品など多分野にわたる製品の輸出入
および中国国内取引を行っている他、自動車エンジン・セメント・
リンゴ果汁などの製造業から IT・物流などまで広範な領域で
投資・事業運営を進めています。また、中国ビジネスに関する
中長期的な成長戦略を強力に推進していくために2005年4月に
設置した「中国担当役員」および「中国事業戦略オフィス」をコア
に、全社的な取り組み体制を強化しています。今後は、中国が第
11次五カ年計画(2006年~2010年)の中で重点的に取り組もう
としている「省エネルギー・省資源」、
「 環境保護」、
「 輸出・投資
依存から消費主導への経済成長の構造転換」などの切り口から、
新規ビジネスの開発を図っていきます。
中国「上海」
インド
2006 年 3 月期は小泉首相やブッシュ大統領をはじめとする
政 府 首 脳 がインドを訪 問した ほ か 、ダ ボス 会 議 でも“ I n d i a
Everywhere”がメイン・テーマになるなど、世界中がインドを有
望市場として再認識した1年でした。当社はインド全土7都市に全
社拠点を展開し、化学品・機械・金属など多分野にわたる製品の
輸出入およびインド国内取引を行っているほか、
冷凍倉庫や合成
繊維原料をはじめとする投資案件を推進しています。
また、
イン
ド・ビジネスに弾みをつけるために、社内のタスクフォース「イン
ド市場政策会議」を立ち上げ、ターゲット事業領域の選定や、
現地
有力企業との新規協業案件への取り組みを加速させています。
特
に成長が見込まれるインフラ事業、石油化学、二輪・四輪関連な
どの各分野でビジネスの拡大に取り組んでいきます。
インド「ムンバイ」
58
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
追加支援対象地域
中東
中東地域は資源価格高騰の追い風を受け、巨額の資金が流入
ロシア・ウクライナ
プーチン大統領の強力なリーダーシップの下、
改革を推し進め
し、著しい経済成長を遂げつつあります。従来から人口増加に見
るロシアと、
2004年末のオレンジ革命により民主政権が誕生した
合うインフラの拡張・再整備が急務でしたが、昨今の好況はこの
ウクライナは、
ともに資源に恵まれた将来性の高い国として注目
動きに拍車がかかると同時に、WTO加盟など市場開放の動きが
されています。特にロシアは資源価格の高騰を背景に輸出・国内
広がっています。当社は伝統的に強みを持つエネルギー、機械、
消費ともに堅調に拡大しています。
当社はエネルギー・金属資源分
化学品などの分野に加え、今後は消費市場の拡大に呼応し川下
野や自動車などの消費分野を中心に取り組みを強化しています。
分野にも取り組むなど、ビジネスの裾野を広げつつあります。
中東「UAE(アラブ首長国連邦)ドゥバイ」
ロシア「モスクワ」
ブラジル
トルコ
BRICsの一角であるブラジルは、好調な資源輸出に支えられ、
トルコは EU 市場向けの自動車や家電品などの輸出産業に支
安定的な経済成長が続くことが予想されます。ブラジルを鉱物・
えられ、年率5%を超す高成長を遂げています。
トルコでは、
イン
エネルギー資源、食糧のサプライソースとして、当社が従来から
フレの沈静化、内需の拡大、国際信用力の回復に伴い、外国投資
取り組んでいるビジネスに加え、新エネルギーをはじめとする新
や設備投資が順調に伸びています。当社は現地の有力企業グ
たな資源関連ビジネスへの取り組みを強化しています。
また、国
ループと連携を強めながら、EU市場向けの輸出産業や国内市場
内市場をターゲットとしたIT事業など、地場密着型のビジネスも
向けのインフラ案件などをターゲットに、
ビジネスチャンスの取
積極的に展開しています。
り込みを図っています。
ブラジル「サンパウロ」
トルコ「イスタンブール」
59
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
コーポレート・ガバナンスおよび内部統制
60
三菱商事のコーポレート・ガバナンス . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
61
取締役 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
62
コーポレート・ガバナンスに対する取り組み . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
64
監査役 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
66
内部統制システム . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
67
企業の社会的責任( CSR). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
70
執行役員 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
72
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
三菱商事のコーポレート・ガバナンス
佐々木 幹夫
取締役会長
株主の皆さまおよびすべてのステークホルダーの皆さまに、取締役会を代表して
三菱商事のコーポレート・ガバナンスに関する取り組み状況をご報告いたします。
私たち取締役は、当社の企業理念である「三綱領」を踏まえ、企業の価値を向上させ
ることが、株主およびすべてのステークホルダーの皆さまの期待に応えることにな
ると認識しています。したがって、健全かつ効率的な経営と、透明性の充実が図られ
るよう、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。
当社では、過去数年にわたり、執行役員制度の導入、監査機能の強化、また、ガバナ
ンス委員会や国際諮問委員会による外部の視点を入れたチェック・アンド・バランス機
能の強化などを通じ、取締役会の監督機能を充実してまいりました。
私は、コーポレート・ガバナンスとは企業の日々の活動の礎となる重要な事項であ
り、企業文化を形作る重要な要素とも言える、と考えています。したがって、一朝一夕
に構築できるものではありません。時代の移り変わりに伴い、企業に求められる使命・
役割も変わってくると思いますので、絶えざるガバナンス体制の強化・見直しが必要
であり、これで終わりということはないと考えています。2006年5月には会社法が施
行されました。引き続き企業を取り巻く環境も変化していくことが予想されますが、
これまで構築してきた体制をさらに発展・強化させ、ステークホルダーの皆さまの期待
にお応えできるよう、努力していく所存です。
61
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
取締役(2006年7月1日現在)
[5]
佐々木 幹夫 [1]
1960年 三菱商事(株)入社
2004年 取締役会長
順彦* [2]
1965年 三菱商事(株)入社
2004年 取締役社長
小島
[3]
[2]
石橋 武* [3]
1964年 三菱商事(株)入社
2004年 副社長執行役員
2006年 社長補佐
[4]
井上 彪* [6]
1970年 三菱商事(株)入社
2003年 生活産業グループCEO
2006年 副社長執行役員
チーフ・コンプライアンス・
オフィサー、
チーフ・
インフォメーション・
水野 一郎* [7]
1966年 三菱商事(株)入社
オフィサー
2003年 コーポレート担当役員
(CFO)
2006年 副社長執行役員
上野 征夫* [4]
1968年 三菱商事(株)入社
2004年 関西支社長
2005年 副社長執行役員
関西ブロック統括兼
関西支社長
亀崎 英敏* [5]
1966年 三菱商事(株)入社
2002年 コーポレート担当役員
(CRO)
2004年 コーポレート担当役員
CRO)
(総括、
2005年 副社長執行役員
コーポレート担当役員
(総括、
経営計画、広報、
オフィスビル企画、CRO)
CISO
2006年 コーポレート担当役員
(国際戦略研究所、
広報、
オフィスビル企画、CRO)
経営計画担当、
CISO
62
[1]
宮本 雅雄* [8]
1966年 三菱商事(株)入社
2003年 常務執行役員
2005年 機械グループCEO
吉村 尚憲* [9]
1968年 三菱商事(株)入社
2003年 常務執行役員
2005年 エネルギー事業グループ
CEO
松本 治雄* [10]
1967年 三菱商事(株)入社
2004年 常務執行役員
新機能事業グループCEO
[6]
[7]
金井 義邦* [11]
1968年 三菱商事(株)入社
2005年 常務執行役員
中部ブロック統括兼
中部支社長
勝村 元* [12]
1969年 三菱商事(株)入社
2005年 常務執行役員
2006年 機械グループ CO-CEO
小塚 睦実* [13]
1969年 三菱商事(株)入社
2005年 常務執行役員
金属グループCEO
清田 正昭* [14]
1970年 三菱商事(株)入社
2006年 常務執行役員
化学品グループ CEO
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
[8]
[9]
[ 10 ]
[ 17 ]
[ 11 ]
[ 15 ]
西岡 喬** [15]
1959年 新三菱重工業(株)入社
2003年 三菱重工業(株)
取締役会長
三菱商事
(株)
取締役
[ 13 ]
[ 16 ]
谷口 一郎** [16]
1959年 三菱電機(株)入社
1998年 三菱商事(株)取締役
2006年 三菱電機(株)相談役
有馬
[ 14 ]
[ 12 ]
[ 18 ]
堤 富男** [18]
1962年 通商産業省入省
1996年 同省退官
2004年 三菱商事(株)取締役
龍夫** [17]
外務省入省
1962年
1997年
1998年
2001年
同省退官後、
外務省参与
日本国政府代表
三菱商事
(株)
取締役
会社名および役職名は記載当時の表記を使用しています。
* 代表取締役を示しています。
** 会社法第2条第15号に定める社外取締役を示しています。
63
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
コーポレート・ガバナンスに対する取り組み
当社のコーポレート・ガバナンスの体制
株主総会
選任・解任
報酬(枠)の決定
選任・解任
報酬(枠)の決定
選任・解任
諮問
取締役会
ガバナンス委員会
国際諮問委員会
監査役・監査役会
選任・
監督
重要事項
の付議・業務
執行の報告
会計監査人
報告
監査
提言
会計監査
監査
報告
業務執行組織
■■ は、P67参照
当社は、中長期的な持続的成長を目指し、経営基盤の継続的
当社の取締役会は、社外取締役 4名を含む 18 名で構成され、
強化に取り組んでおり、中期経営計画『 INNOVATION 2007』
原則として月 1 回開催し、経営上の重要事項の決定と業務執
においても、コーポレート・ガバナンスの継続強化および内
行の監督を行っています。2001 年に執行役員制度を導入し、
部統制システムの整備を重要課題として掲げています。
取締役と執行役員の機能・責任の明確化を図ったほか、2004年
には、機動的な取締役会体制構築を目的に、取締役の任期を 2
64
当社は制度・形式にかかわらず、より実効性のある体制を構
年から 1年に短縮し、2006年 3月期の株主総会で、取締役会運
築することが重要であると考え、監査役制度を継続した上で、
営の機動性確保の観点から取締役会の書面決議を可能とする
法定の機関・ガバナンス体制に加えて、社外取締役の選任、執
定款変更を行っています。なお、社外役員の方々にその期待さ
行役員制度および諮問委員会の導入などを通じてコーポレー
れる役割を十分に発揮いただけるよう、損害賠償責任を限定
ト・ガバナンス体制の改善・強化に努めています。
する契約を社外取締役・監査役の方々と締結しています。
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
取締役会の諮問機関につきましては、社外役員の一部の方々
役員報酬につきましては、執行役員制度導入以降、業績との
と社外有識者、および会長、社長などから構成されるガバナ
リンクをより強める体系としてきており、株主の皆さまとの
ンス委員会および国際諮問委員会を 2001年に設置し、当社の
価値共有の観点から、中長期のインセンティブ報酬としてス
コーポレート・ガバナンスや国際化に関する重要課題につき、
トックオプションを発行しています。
社外第三者の観点から種々助言をいただいています。2006年
4 月に開催されたガバナンス委員会では、敵対的企業買収に
監査役監査につきましては、社外監査役 3名を含む 5名の監
対する考え方、内部統制システム構築の基本方針、定款一部
査役が、直属の監査役室スタッフを活用しながら、取締役会
変更議案、執行役員報酬制度のレビューなど、2006年 3月期
および重要会議に出席し、国内外主要拠点を含む社内各部局
におけるコーポレート・ガバナンスに関する重要課題につき
との対話を行うとともに、連結経営上重要な子会社等を中心
委員の方々のご意見をいただき、取締役会での審議や本年の
に往査を実施しています。また、内部監査については、監査部
株主総会の議案等に反映させています(当社の内部統制シス
が全社的な見地から当社、現地法人および関係会社の監査を
テムの概要については、P67 をご参照ください)。
行っていることに加え、個々の営業グループも各々内部監査
組織を設けて、管下組織の監査を連結ベースで行っており、
監査結果を定期的に取締役会に報告しています。
【役員報酬の内容】
区分
支払人員数
2006年 3月期支払額
(名)
取締役
20
(百万円)
842
摘 要
1. 2006年 3月期末現在の人員数は、取締役 17名、監査役 5名です。
なお、支払人員数には、2005年 6月 24日に退任した取締役 3名を含んで
います。
2. 1989年 6月 29日開催の定時株主総会の決議により、取締役の報酬限度
額は月額 90百万円以内、監査役の報酬限度額は月額9百万円以内です。
3. 退任した取締役に対する退任慰労金(役員年金を除く)の 2006年 3月期
監査役
5
88
支給額は 406百万円、また、退任した役員に対する役員年金の 2006年
3月期支給総額は、取締役278百万円、監査役11百万円で、それぞれ左記
の支払額には含めていません。
合 計
25
930
4. 取締役賞与の支給額は155百万円で、左記の支払額には含めていません。
(百万円未満切り捨て)
(注)2006年 6月 27日開催の定時株主総会の決議により、取締役の報酬限度額は月額 120百万円以内、監査役の報酬限度額は月額 12百万円以内です。
65
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
監査役(2006年7月1日現在)
[4]
新開 友三 [1]
1962年 三菱商事(株)入社
2001年 常任監査役(常勤)
[2]
[1]
樋口 公啓* [3]
1960年 東京海上火災保険(株)入社
1998年 三菱商事(株)監査役
2004年 東京海上日動火災保険(株)
三木 繁光* [2]
相談役
[5]
中島 茂* [4]
弁護士登録
1979年
1983年
1984年
2004年
中島経営法律事務所代表
弁理士登録
[3]
藤村 潔 [5]
1972年 三菱商事(株)入社
2003年 監査役(常勤)
三菱商事
(株)
監査役
1958年(株)三菱銀行入行
2004年 三菱商事(株)監査役
2006年 (株)三菱東京UFJ銀行
取締役会長
会社名および役職名は記載当時の表記を使用しています。
* 会社法第 2条第 16号に定める社外監査役を示しています。
常任監査役からのメッセージ
社外監査役からのメッセージ
新開常任監査役
中島監査役
私たち監査役は、株主の負託に応えるべく、社外監査役 3 名を
私はビジネス専門の弁護士としてずっと仕事をしてきました。
含む 5 名体制で当社の監査を行っています。当社の取締役のみな
2004年、当社の社外監査役に選任いただき、これまで外側から見て
らず担当部局の責任者とも幅広く意思疎通を図り、当社の状況を
きた企業に内側から関与できるということで、大変に張り切って業
的確に把握し、監査役として適時適切に対応することを常時心が
務を行っています。
けています。さらに、当社の会計監査人や内部監査部門のみならず、
常任監査役を始め、他の監査役、取締役、会計監査人の皆さまとは
重要な子会社の監査役等との連携を密にし、企業集団としての
密接にお会いし、話し合う機会を持ち、社長にも定期的にお会いし
業務の適正確保にも留意しています。また、監査役の職務遂行を
ています。また、
「 MCA会」といって、グループ会社の監査役の方々
補助する 5名の専任職員の独立性や、監査役への担当部局の責任者
と情報交換を行う場もあるので積極的に出席しています。
からの速やかな報告体制の確保にも配慮しています。私たち監査役
こうして得た情報、理解をもとに、取締役会では「この点をもう少
は、各々の職務を真摯に遂行することにより、当社の企業価値向上
し調査したらどうですか」
「 もっと議論したほうがよいのでは?」
に資するよう努めて参りたいと念じています。
などと、機会ごとに発言するようにしています。当社の社会的信頼
性をより向上させるために、少しでもお役に立ちたい気持ちでいっ
ぱいです。
66
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
内部統制システム
当社は、法令・定款に適合し、かつ、適正に業務を遂行するために、以下のとおり内部統制システムを構築・運用し、継続的に改善・
向上に努めています。
効率的な職務遂行
コンプライアンス
社長は、経営の基本方針を示し、具体的な経営目標を定める
コンプライアンス、すなわち、法令を遵守し、社会規範に沿っ
とともに、経営計画を策定して効率的に目標の達成に当たり、
た行動をとることを職務遂行における最優先事項と位置付け、
達成状況を常時フォローアップします。
企業理念をはじめとする社内諸規程を制定し、さらに、コンプ
経営目標を最も効率的に達成するよう柔軟に組織編成を行
い、適材を配置します。組織の指揮命令系統を明確にし、目標達
ライアンスに関し特に留意すべき事項を定めた役職員行動規
範を制定し、周知徹底を図っています。
成に必要な範囲で各組織の長および所属員に権限を付与し、随
時報告を求めています。
コンプライアンスを推進するために、チーフ・コンプライア
ンス・オフィサーを統括者とする社内横断的な体制を構築し、
内部通報制度も設け、課題の把握と情報共有に努め、研修の実
施など予防・是正措置を講じています。
当社の内部統制の体制
コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス 体 制
【業務執行組織】
監査役・会計監査人と連携
社 長
監
査
部
社長室会
内部統制関連の主な委員会
業務活動の監査
ポートフォリオマネジメント委員会
コ ン プ ラ イ ア ン ス 委 員 会
開
示
委
I S M S 委
営 業 6
グ ル ー プ 内・
拠点内の監査組織
グ ル ー プ
・本部・BU
員
会
員
会
コ
ー
ポ
レ
ー
ト
ス
タ
ッ
フ
部
門
内部統制関連の各種制度・施策の立案、周知徹底
・国内・海外拠点
・関係会社
■■ は、P64参照
67
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
リスク管理
職務遂行にともなうリスクについては、
リスクの類型を定め、
連結経営における業務の適正確保
子会社・関連会社ごとに管理担当部局を定め、毎年、各社の業
類型ごとに責任部局を設け、リスク管理のための方針・体制・手
績や経営効率などを定量的に把握し、さらに、コンプライアン
続を定めています。新たに発生したリスクについては、速やか
スやリスクマネジメントなどの定性的な課題についても把握
に責任部局を定めて対応します。
に努めています。
個別案件の取組においては、担当部局の責任者が、全社的な
子会社・関連会社に対しては、役員派遣、合弁契約締結、議決
方針・手続に沿って、案件ごとにリスクとリターンを分析・把握
権行使などを通じて、改善のための意思表示を行い、連結ベー
の上、所定の決裁権限に従って意思決定を行い、推進・管理して
スでの企業価値向上を目指しています。
います。
個別案件ごとのリスク管理を行うほか、定量的に把握可能な
リスクについては、
当社としての全体的なリスク状況を把握し、
内部監査
各組織では定期的に自らの責任において職務遂行の点検お
必要に応じ見直しの上、適切な管理を行っています。
よび改善を行っており、加えて、各組織の職務遂行をより客観
財務報告
的に監査を行っています。
的に点検および評価するために、内部監査組織を設置し、定期
財務諸表の適正かつ適時な開示のために、会計責任者を置き、
法令および会計基準に適合した財務諸表を作成し、開示委員会
での討議・確認を経て開示しています。さらに、財務報告の信頼
監査役
監査役は、取締役会および重要な経営会議に出席して意見を
性を一層高めるために、
米国企業改革法レベルの対応を目標に、
述べるほか、取締役・使用人などと意思疎通を図って情報の収
財務諸表作成のプロセスを文書化し、
評価・改善を行う作業に着
集・調査に努め、取締役・使用人等はこれに協力しています。
手しています。
一定額の損失発生や重大な問題が発生するおそれがある場
合は、担当部局の責任者は所定の基準・手続に従い、速やかに監
情報の管理・保存
職務遂行に関する情報については、管理責任者が、内容の重
監査役の監査の実効性を高めるために、監査役の職務遂行を
要度に応じて個々に情報を分類して利用者に取扱いを指示し、
補助する組織を設置し、職務補助者の評価・異動などの人事に
情報セキュリティの確保および効率的な事務処理と情報の共
際しては、監査役の意見を尊重するなど、独立性の確保に留意
有化に努めています。
しています。
管理責任者は、法定保存文書及び会社が定める内部管理上の
重要な情報については、
所定の期間保存します。定めのない情報
については、管理責任者が保存の要否および期間を定め保存し
ています。
68
査役に報告しています。
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
制定するとともにコンプライアンス・オフィサー制度を導入し、
コンプライアンス体制
役職員一人ひとりが、法令遵守はもとより社会通念に照らし
て適切な行動をとるという意識を徹底してきました。2003年
4月には役職員行動規範を改訂し、全役職員から誓約書を取
りつけましたが、本年より毎年、全役職員から誓約書を取り
つけることとし、社内コンプライアンス体制の充実・強化を
進めています。
さらに、当社単体のみならず連結ベースでコンプライアン
スの推進を図っていくことが重要であるという考えに基づき、
国内外の子会社・関連会社においても当社と同等水準のコン
プライアンス体制の構築・運用ができるよう、施策の強化を
図っています。そのための具体策の一つが、2005 年 2 月に設
石橋 武
副社長執行役員
置した国内子会社役職員用の MCグループ弁護士目安箱です。
当社では 2001年 11月にコンプライアンス目安箱や弁護士目
チーフ・コンプライアンス・オフィサー
安箱などの内部通報制度を整備していましたが、これを新た
に連結ベースまで拡充する体制を整えました。
当社は、
「 三綱領」や「企業行動指針」の考え方を基盤とし、
今後も、当社は連結ベースでの企業価値向上を実現するた
法 令 遵 守 は もと よ り 、適 正 か つ 公 正 な 事業 活 動 を 継続 し て
めの重要施策の一つとして、当社関係会社の社員一人ひとり
いくための体制作りに、かねてより取り組んできました。社
に至るまでコンプライアンス意識が浸透・徹底するよう、実
会が企業に求めるコンプライアンスのレベルは日々高まって
効性のあるコンプライアンス施策のさらなる充実・強化を図っ
いますが、当社は 2000 年 9月に「三菱商事役職員行動規範」を
ていきます。
当社のコンプライアンス体制
社 長
グループCEO、
国内ブロック統括、
地域統括
指揮・監督
チーフ・コンプライアンス・オフィサー
コンプライアンス委員会
グループ・コンプライアンス・オフィサー、
国内ブロック・コンプライアンス・オフィサー、
海外地域コンプライアンス・オフィサー
二次報告
職場の上司
報告・相談
事務局:
法務部コンプライアンス統括室
(目安箱・電話相談窓口)
報告・相談
二次報告
社外弁護士
監査部
(目安箱・電話相談窓口) (目安箱・電話相談窓口)
二次報告
報告・相談
報告・相談
報告・相談
社 員
69
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
企業の社会的責任(CSR)
近年、グローバル化の進展により企業の活動領域が飛躍的に
部組織として2003年に設置された「 CSRタスクフォース」にお
拡大し、社会に与える影響が格段に大きくなったことから、企
いて、社内関係各部の情報共有を図るとともに、啓発活動・実態
業の社会的責任( CSR)に対する関心が高まっています。企業は
把握・情報開示などを CSRの重点施策として、検討を行ってい
利益の追求とともに「社会に何をもたらすために存在するのか」
ます。CSRへの取り組みについては、サステナビリティ・リポー
という命題にも真剣に向き合っていかなければなりません。
トやホームページによる情報開示を行っています。これまでの
当社には創業以来の企業理念である三綱領(所期奉公、処事
CSRへの取り組みと情報開示における透明性を評価され、FTSE
の
“FTSE4Good”
、
ダウ・ジョーンズの
“Dow Jones Sustainability
Indexes(DJSI)”、モーニングスターの“MS-SRI”など世界的な
社会 的 責 任投 資( SRI:
Social Responsible
Investment)のイン
光明、立業貿易)があり、社会や環境との共生の視点を持ちなが
ら時代に即したビジネスを創造していくことを謳っており、事
業活動や人・社会・環境への配慮など、当社が企業の社会的責任
を果たす上での拠り所となっています。
CSRへの取り組み
デックスに組み込ま
当社では「社会・環境委員会」
( 委員長:亀崎 副社長執行役員)
れています。
において、CSRの重要課題である地球環境問題や社会貢献活動
などについて議論を行っています。また、社会・環境委員会の下
環境マネジメントEMS推進体制
CSR推進体制
社会・環境委員会
(委員長=コーポレート担当役員)
社 長
CSRタスクフォース
(事務局=社会・環境室)
取締役
(社会・環境担当)
営業グループ
(新機能事業、エネルギー事業、
金属、機械、化学品、生活産業)
環境監査責任者
経営企画部
社会・
環境委員会
オフィスビル企画部
総務部
社会・環境室
(EMSタスクフォース)
環境管理責任者
人事部
法務部
各グループ・国内ブロック
社会・環境責任者
各グループ・国内ブロック
環境推進担当者
業務部
トレジャラーオフィス
コントローラーオフィス
各部署
環境責任者
70
各部署
環境担当
IR部
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
母と子の自然教室
サンゴ礁保全プロジェクト
地球環境問題への対応
地球環境問題は、企業経営を進めるうえで極めて重要な課題
であると認識しています。三菱商事では 1996年に「三菱商事環
海外地域貢献施策
(地域の小学生との植樹/北京)
の経費は企業が社会で存続するための社会的経費(ソーシャル
コスト)として負担しなければならない」という認識の下、
「社
会環境室」
を設置、
社会貢献活動に本格的に取り組んできました。
境憲章」を制定。
「 地球環境に配慮しない企業は存続し得ない」
以来、
「継続」と
「社員参加」
をキーワードとして、地球環境・福祉・
との基本理念を定め、
地球環境問題に積極的に取り組んでいます。
国際交流・文化芸術・教育の各分野において様々な社会貢献活
「環境問題への適切な対応」は経営管理上の重要項目であると
動を行っています。具体的には、1974年から継続している東京
認識しており、環境マネジメント実践のためのツールとして
1990
都のひとり親家庭の母子を招待する「母と子の自然教室」、
ISO14001を活用しています。また、環境と経済の両立の観点か
年に開始した「熱帯林再生実験プロジェクト」
「三菱商事太陽の
、
らも、持続可能な社会の実現に向けて、地球温暖化の防止・新エ
家」などの身体障害者就労教育支援、また2005年度は、三菱商事
ネルギー・リサイクルなどをテーマにした環境ビジネスにも取
50周年記念事業の一環として企画した「サンゴ礁保全プロジェ
り組んでいます。
クト」を開始しました。海外においては、発展途上国を中心に地
域貢献施策を実施したり、米国三菱商事財団や三菱商事欧阿基
社会貢献活動への取り組み
三菱商事の企業文化には、企業理念である三綱領を拠り所に、
真に豊かな社会の実現を目指して、地域社会や国際社会ととも
金を設立するなど幅広く活動を行っています。施策面では、
「ボ
ランティア休暇制度」
を設け、
社員のボランティア活動への参加
を支援しています。
また、全役職員のボランティア活動参加を促
に発展していこうという思いがあります。1973年に「企業は社
を開始するなど、社員のボラ
進する
「MC Volunteer Activity!制度」
会の一員として社会貢献活動を積極的に行うべきで、そのため
ンティア活動を積極的に支援する枠組み作りも行っています。
サステナビリティ・リポート
CSRへの取り組みについての詳しい内容は、サステナビリティ・リポートをご覧下さい。
当社ホームページでも紹介しています。
http://www.mitsubishicorp.com/jp/csr/report/index.html
71
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
執行役員(2006年7月1日現在)
小島
社長
順彦 *
石橋 武 *
副社長執行役員
社長補佐
チーフ・コンプライアンス・
オフィサー
チーフ・インフォメーション・
オフィサー
上野 征夫 *
副社長執行役員
関西ブロック統括兼
関西支社長
亀崎 英敏 *
副社長執行役員
コーポレート担当役員
(国際戦略研究所、広報、
オフィスビル企画、CRO)
経営計画担当
CISO
井上 彪 *
副社長執行役員
生活産業グループ CEO
水野 一郎 *
副社長執行役員
コーポレート担当役員
( CFO)
宮本 雅雄 *
常務執行役員
機械グループ CEO
吉村 尚憲 *
常務執行役員
エネルギー事業グループ CEO
松本 治雄 *
常務執行役員
新機能事業グループ CEO
金井 義邦 *
常務執行役員
中部ブロック統括兼
中部支社長
勝村 元 *
常務執行役員
機械グループ CO-CEO
西澤 正俊
常務執行役員
コーポレート担当役員
(総務、人事、法務)兼
HRDセンター長
木島 綱雄
常務執行役員
欧州ブロック統括兼
欧州三菱商事会社社長兼
英国三菱商事会社社長
小塚 睦実 *
常務執行役員
金属グループ CEO
上田 良一
常務執行役員
米州ブロック統括兼
米国三菱商事会社社長
小松 孝一
常務執行役員
チーフ・イノベーション・
オフィサー
矢野 雅英
常務執行役員
生活産業グループ COO兼
ライフスタイル本部長
清田 正昭 *
常務執行役員
化学品グループ CEO
三野 博
執行役員
新機能事業グループ CEO
オフィス室長
片山 善朗
執行役員
機械グループ
重電機本部長
鍋島 英幸
執行役員
経営企画部長
伊与部 恒雄
執行役員
韓国三菱商事会社社長
柳井 準
執行役員
エネルギー事業グループ
石油事業本部長
中原 秀人
執行役員
中国総代表兼
三菱商事(中国)有限公司社長兼
三菱商事(中国)有限公司北京
支店長兼
三菱商事(中国)商業有限公司
社長兼
北京事務所長
安田 正介
執行役員
化学品グループ
機能化学品本部長兼
サウディ石化ユニットマネージャー
小宮 修
執行役員
機械グループ CEOオフィス室長
永野 哲行
執行役員
生活産業グループ
ライフスタイル本部副本部長
武内 英史
執行役員
トレジャラー
小島 信明
執行役員
イノベーションセンター長兼
事業開発部長
加藤 晴二
執行役員
エネルギー事業グループ
天然ガス事業第二本部長
藤井 明
執行役員
生活産業グループ
食糧本部長
小林 健
執行役員
機械グループ
船舶・交通・宇宙航空事業本部長
小野 誠英
執行役員
金属グループ
非鉄金属本部長
吉村 和美
執行役員
インド三菱商事会社社長兼
コルカタ支店長
宮内 孝久
執行役員
化学品グループ
汎用化学品本部長
衣川 潤
執行役員
金属グループ
鉄鋼原料本部長兼
鉄鋼原料販売事業ユニット
マネージャー
桑原 徹郎
執行役員
エネルギー事業グループ
E&P担当、エネルギー事業開発担当
水野 正幸
執行役員
エネルギー事業グループ
天然ガス事業第一本部長
垂水 裕之
執行役員
米国三菱商事会社 EVP兼
金属部門担当 SVP
白木 清司
執行役員
機械グループ
プラント・産業機械事業本部長
有吉 純夫
執行役員
新機能事業グループ
ヒューマンケア事業本部長兼
ヘルスケア事業ユニット
マネージャー
寺田 哲郎
執行役員
金属グループCEOオフィス室長
武井 実
執行役員
三菱商事フィナンシャル
サービス(株)
代表取締役社長
池田 純
執行役員
化学品グループ
先端化学品本部長兼
ファインケミカルユニット
マネージャー兼
生化学製品ユニットマネージャー
寺村 元伸
執行役員
ジャカルタ駐在事務所長
* の執行役員は取締役を兼務しています。
72
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
コーポレートセクション
株主情報 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 74
主要連結子会社および関連会社 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 78
73
73
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
株主情報
株式の状況
(1)発行可能株式総数:普通株式25億株
(2)2006年3月末現在の発行済株式総数および株主数
発行済株式総数
(株)
2005年3月期末現在
1,567,399,508
65,298
119,947,937
93,223
1,687,347,445
158,521
増減
2006年3月期末現在
株主数
(名)
(注)発行済株式総数の増加は、当年度中における新株予約権の行使に伴うものです。
(3)2004年9月1日付けで、
1単元の株式の数を1,000株から100株に変更しました。
大株主の状況
所有株式の状況
(千株未満切捨て)
株主名
出資比率(%)
株式数
(千株)
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
126,505
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社
(信託口)
7.50
120,950
7.17
東京海上日動火災保険株式会社
93,167
5.52
明治安田生命保険相互会社
79,552
4.71
三菱重工業株式会社
48,920
2.90
ステートストリートバンクアンドトラストカンパニー
48,499
2.87
株式会社三菱東京UFJ銀行
42,701
2.53
ステートストリートバンクアンドトラストカンパニー505103
32,807
1.94
ザチェースマンハッタンバンクエヌエイロンドン
30,267
1.79
野村信託銀行株式会社(退職給付信託、
三菱UFJ信託銀行口)
22,088
1.31
株主数の推移
(名)
160,000
158,521
65,298
65,000
61,448
59,197
60,000
60,605
57,334
55,000
54,811
50,000
74
96.3
54,943
53,818 54,394
97.3
98.3
99.3
00.3
01.3
02.3
54,322
03.3
04.3
05.3
06.3
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
株主構成比
政府など
金融機関
2006年
3月期
証券会社 その他法人
43.5%
2.0%
外国法人・個人
個人その他
32.9%
10.4%
11.3%
0.0%
2001年
3月期
58.6%
0.3%
13.8%
9.8%
17.5%
0.0%
1996年
3月期
62.6%
19.0%
9.4%
8.7%
0.2%
0.0%
(単元)
政府など
2006年3月期
2
金融機関
証券会社
その他法人
外国法人・個人
個人その他
合計
7,334,119
329,991
1,899,677
5,553,916
1,749,361
16,867,066
2001年3月期
0
914,359
4,296
214,864
273,140
152,377
1,559,036
1996年3月期
206
975,064
3,811
296,417
146,773
135,382
1,557,653
(注)2006年3月期の各数値は単元(1単元の株式数は100株)
株価および株式売買高の推移
(円)
3,000
2,000
1,000
(千株)
0
2,000,000
1,500,000
1,000,000
■ 株価
■ 株式売買高
500,000
02.3
2002年3月期
03.3
2003年3月期
04.3
05.3
06.3
2004年3月期
2005年3月期
2006年3月期
1,778,788
865,133
1,234,324
1,313,535
1,493,690
最高(円)
1,108
1,069
1,245
1,490
2,850
最低(円)
722
690
678
936
1,313
売買高
(千株)
(注)株価および株式売買高は、東京証券取引所(市場第一部)の市場相場および売買高によるものです。
75
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
新株予約権の状況
(1)ストックオプション
発行日
2000年8月7日
2001年8月1日
2002年8月15日
2003年8月15日
2004年8月13日
2005年8月10日
新株予約権の数
132個
945個
613個
1,108個
1,167個
12,790個
2006年8月10日
13,600個
新株予約権の目的となる
株式の種類および数
普通株式
132,000株
普通株式
945,000株
普通株式
613,000株
普通株式
普通株式
普通株式
普通株式
1,108,000株
1,167,000株
1,279,000株
1,360,000株
新株予約権の発行価額
無償
無償
無償
無償
無償
無償
無償
権利行使時の1株当たり
払込金額
(行使価額)
903円
1,002円
809円
958円
1,090円
1,691円
2,435円
権利行使期間
2002年6月30日から
2010年6月29日まで
2003年6月29日から
2011年6月28日まで
2004年6月28日から
2012年6月27日まで
2005年6月28日から
2013年6月27日まで
2006年6月25日から
2014年6月24日まで
2007年6月25日から
2015年6月24日まで
2008年6月28日から
2016年6月27日まで
(注)1. 発行時に定めた条件により、行使価額は調整されることがあります。
2. 新株予約権の数は2006年3月末現在の残高を記載しています。
3. 2005年以降のストックオプションは、新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は100株です。
(2)株式報酬型ストックオプション
発行日
2005年8月10日
2006年4月28日
2006年8月10日
新株予約権の数
2,998個
138個
1,660個
新株予約権の目的となる
株式の種類および数
普通株式299,800株
普通株式13,800株
普通株式166,000株
新株予約権の発行価額
無償
無償
無償
権利行使時の1株当たり
払込金額(行使価額)
1円
1円
1円
権利行使期間
2005年8月11日から
2035年6月24日まで(注)
2006年4月29日から
2035年6月24日まで(注)
2007年6月28日から
2036年6月27日まで(注)
(注)対象者は、当社取締役および執行役員のいずれの地位も喪失した日の翌日から10年間に限り新株予約権を行使できます。
(3)新株予約権付社債(2011年満期円貨建転換社債型新株予約権付社債)
発行日
2002年6月17日
新株予約権の数
1,705個
新株予約権の目的となる株式の種類および数
普通株式7,175,926株
新株予約権の発行価額
無償
権利行使時の1株当たり払込金額(転換価額)
1,188円
2002年7月1日から2011年6月3日まで
権利行使期間
(注)1. 発行時に定めた条件により、転換価額は調整されることがあります。
2. 新株予約権の数は2006年3月末現在の残高を記載しています。
取締役・監査役の所有持株の状況
役 位
氏 名
取締役会長
取締役社長
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
佐々木幹夫
小島 順彦
石橋 武
上野 征夫
亀崎 英敏
井上 彪
水野 一郎
宮本 雅雄
持株数
(千株)
103
61
50
40
49
34
43
30
役 位
氏 名
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
吉村 尚憲
松本 治雄
金井 義邦
勝村 元
小塚 睦実
清田 正昭
西岡 喬
谷口 一郎
(注)持株数は2006年6月27日現在の数字です。千株未満を切り捨てています。
76
持株数
(千株)
32
45
36
21
32
19
5
3
役 位
氏 名
持株数
(千株)
取 締 役
取 締 役
常任監査役
監 査 役
監 査 役
監 査 役
監 査 役
有馬 龍夫
堤 富男
新開 友三
三木 繁光
樋口 公啓
中島 茂
藤村 潔
10
5
20
–
3
–
7
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
株主総会
定時株主総会は毎年6月に招集します。臨時株主総会は、
必要がある場合に随時招集します。
配当金
(1)
利益配当金支払株主確定日 3月31日
(2)
中間配当金支払株主確定日 9月30日
(3)
利益配当金および中間配当金が支払開始の日から満3年を経過しても受領されないときは、
当社はその支払の義務を免れます。
株式の取り扱い
株式の名義書換、
単元未満株式の買い取りおよび買い増しなどの株式の取り扱いについては、当社の株主名簿管理人である三菱UFJ信託銀行株式
会社にご照会ください(外国居住株主については、
日本における常任代理人を定め届け出る必要があります)。
(1)郵便物送付先/電話照会先
〒171-8508
東京都豊島区西池袋一丁目7番7号 三菱UFJ信託銀行株式会社証券代行部
フリーダイヤル:0120-707-696
(2)住所変更届等諸届用紙ご請求先
フリーダイヤル:0120-86-4490
IRサイトのご紹介
投資家情報につきましては、ホームページでも掲載しています。
詳しくはこちらをご覧ください。
URL http://www.mitsubishicorp.com/jp/ir/
(日本語)
http://www.mitsubishicorp.com/en/ir/(英語)
77
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
主要連結子会社および関連会社(2006年3月31日現在)
新機能事業グループ
会社名
出資比率(%)
事業内容
病院ソリューション事業
■ ビーウィズ
(株)
(日本)
コールセンター業務
多業態・マルチブランドにわたるレストラン事業の展開
(株)
クリエイト・レストランツ
(日本)
■(株)
ディーライツ
(日本)
アニメーション制作版権ライセンシング業務
■(株)
アイ・ティ・フロンティア
(日本)
IT関連のビジネスソリューション、システム構築サービス、ITマネジメントサービス、
プロダクトマーケティングなど
20.00
クレジットカード業務
(株)
ローソン・シーエス・カード
(日本)
20.03
病院・福祉施設・事業所向け給食受託事業
(株)
レオックジャパン
(日本)
46.67
総合人材サービス業
(人材派遣、
人材紹介、
教育研修、
事務請負)
(株)
メイツ
(日本)
■ MC Capital Asia Pacific
(株)
(日本)
100.00
プライベートエクイティ投資
■ MC Capital Inc.
(アメリカ)
100.00
投資会社(アメリカにおけるファンド投資・貸付などを行う)
■ MC Finance International B.V.
(オランダ)
100.00
証券投資など
■(株)
エム・シー インシュランスセンター
(日本)
100.00
保険業
(保険媒介代理業、
保険サービスを含む)
■ エム・シー・メディカル
(株)
(日本)
100.00
医療機器材の輸出入、在宅医療事業
■ エムシー・マーチャントサービス
(株)
(日本)
100.00
クレジットカード売上代金の決済事業
■ MC Silicon Valley Inc.
(アメリカ)
100.00
ベンチャーキャピタル・ベンチャービジネス向け投資
■ エム・シー・ターミナル
(株)
(日本)
100.00
LPG・石油・化学品の受払および貯蔵
メモリーテック
(株)
(日本)
25.19
オーディオ用CD、
CD-ROM、DVD、その他光ディスク関連商品の製造・販売
■ ミレニア・ベンチャー・パートナーズ
(株)
(日本)
100.00
ベンチャー企業に対する投資
■ 三菱商事証券
(株)
(日本)
100.00
証券業および投資顧問業
■ Mitsubishi Corporation Finance PLC
(イギリス)
100.00
証券投資など
■ 三菱商事ロジスティクス
(株)
(日本)
*
100.00
総合物流業
■ 三菱商事・ユービーエス・リアルティ
(株)
(日本)
51.00
投資法人資産運用業、コンサルティング業務および委託代行業務
三菱鉱石輸送
(株)
(日本)
39.32
石炭・鉄鉱石・自動車等の外航不定期船の運航および船舶貸渡業
50.00
移動体通信サービス・端末および各種通信サービスならびに通信放送事業にかかわるサービス・
(株)
エム・エス・コミュニケーションズ
(日本)
機器全般の取り扱い
(株)
(日本) 20.60
ネットワークインフラストラクチャに関わる企画、設計、
構築、運用、
保守までをトータルに
ネットワーク サービス アンド テクノロジーズ
カバーするサービスメニューを提供
■(株)
日本ホスピタルサービス
(日本)
100.00
医療材料物品管理
(JITS)
サービス
■(株)
日本ケアサプライ
(日本)
65.20
介護用具・用品のレンタル・販売
41.65
港湾運送事業、
倉庫業
瀬戸埠頭(株)
(日本)
*菱光ロジスティクスとエム・シー・トランス インターナショナルが合併し、2006年4月1日より三菱商事ロジスティクスとなりました。
■(株)
アプリシア
(日本)
65.00
90.00
43.86
100.00
80.00
エネルギー事業グループ
会社名
アンゴラ石油
(株)
(日本)
出資比率(%)
事業内容
51.00
アンゴラにおける石油の探鉱・開発・生産業
Brunei LNG Sendirian Berhad(ブルネイ)
25.00
液化天然ガスの製造・販売業
50.00
液化天然ガスの購入・販売業
セルト
(株)
(日本)
(株)
ダイヤ昭石
(日本)
50.00
石油製品販売業
■ Diamond Tanker Pte. Ltd.
(シンガポール)
100.00
船舶運行および船舶運行管理業
Japan Australia LNG(MIMI)Pty, Ltd.(オーストラリア) 50.00
西豪州北西大陸棚における天然ガス・コンデンセート・LPG・原油の開発販売業
MC BITOR Ltd.(中国)
50.00
オリマルジョン®販売業
■ エム・シー・カーボン
(株)
(日本)
100.00
炭素製品販売業
■ エムシー・エネルギー
(株)
(日本)
100.00
アスファルトおよび石油製品販売業
■ エム・シー海運
(株)
(日本)
70.00
内航海上輸送業
■ エム・シー・マリーン
(株)
(日本)
100.00
船舶運行管理会社
■ MCX New Ventures, Ltd.
(アメリカ)
100.00
アメリカにおける石油・天然ガスの探鉱・開発・生産業
*
100.00
LPGならびにLPG器具国内販売業
三菱液化瓦斯
(株)
(日本)
■ 三菱商事石油
(株)
(日本)
100.00
石油製品卸売業
■ エムピーディーシー・ガボン
(株)
(日本)
100.00
ガボンにおける石油の探鉱・開発・生産業
■ 小名浜石油
(株)
(日本)
80.00
石油類倉庫業、
土地・設備賃貸業、
石油輸入・販売業
■ Petro-Diamond Inc.
(アメリカ)
100.00
石油製品販売業
■ ペトロダイヤモンドジャパン
(株)
(日本)
100.00
石油製品販売業
■ Petro-Diamond Singapore
(Pte)
Ltd.(シンガポール)
100.00
原油・石油製品販売業
Sakhalin Energy Investment Co., Ltd.(ロシア)
20.00
原油・天然ガス生産・販売
■ 石油コークス工業
(株)
(日本)
100.00
石油コークス加工・保管・販売業
*三菱液化瓦斯は、出光興産の子会社である出光ガスアンドライフと合併し、2006年4月1日付でアストモスエネルギーを設立しました。新会社への出資比率は49.00%と
■
なっています。
78
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
金属グループ
会社名
出資比率(%)
キャプテック
(株)
(日本)
100.00
■ Hernic Ferrochrome
(Pty)
Ltd.(南アフリカ共和国)
50.98
Iron Ore Company of Canada(カナダ)
26.18
■ ジェコ
(株)
(日本)
70.00
■ M.C. Aluminum America, Inc.
(アメリカ)
60.00
■(株)
エム・シー・アルミ
(日本)
100.00
■ M.C. Aluminum
(Thailand)
Co., Ltd.(タイ)
79.42
■ MC Copper Holdings B.V.
(オランダ)
100.00
■ M.C. Inversiones Limitaba
(チリ)
100.00
■ M.C.Nikkei Aluminum
(Kunshan)
Co., Inc.(中国)
51.00
■ エム・シー非鉄
(株)
(日本)
100.00
■ エムシーリソーストレード
(株)
(日本)
100.00
■ MCA Metals Holding GmbH
(オーストリア)
100.00
■(株)
メタルワン
(日本)
60.00
■ 三菱商事フューチャーズ証券
(株)
(日本)
100.00
■ Mitsubishi Development Pty., Ltd.
(オーストラリア)
100.00
■ 三菱商事軽金属販売
(株)
(日本)
100.00
■
■
事業内容
投資関連コンサルタント業
南アフリカ産フェロクロム生産販売
鉄鉱石生産販売業
エスコンディーダ銅鉱山
(チリ)
への投資会社
アルミ二次合金地金製造・販売
アルミ二次合金地金製造・販売
アルミ二次合金地金製造・販売
ロス・ペランブレス銅鉱山
(チリ)
への投資会社
ロス・コロラドス鉄鉱山事業への投資会社
アルミ二次合金製造・販売
アルミ製品、
伸銅品、
その他金属製品の販売および金属建具・内装工事
鉄鋼原料販売およびサービス業
モザールアルミ製錬所(モザンビーク)
への投資会社
鉄鋼製品事業
商品先物取引業
石炭採掘販売
アルミニウム地金および非鉄地金の販売業
PETRO-DIAMOND RISK MANAGEMENT LTD.
(イギリス)
Ryowa Development Pty., Ltd.(オーストラリア)
■ Ryowa Development II Pty., Ltd.
(オーストラリア)
■ TRILAND METALS LTD.
(イギリス)
■ TRILAND USA INC.
(アメリカ)
■
(メタルワン子会社)
■ 朝日機材
(株)
(日本)
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
エネルギー関連商品のリスクマネジメント業
ボインアルミ製錬所への投資およびアルミ地金販売
ボインアルミ製錬所への投資およびアルミ地金販売
ロンドン金属取引所
(LME)
ブローカー
商品先物取引業
63.49
100.00
80.00
56.60
40.41
55.29
55.00
100.00
80.00
100.00
100.00
95.00
100.00
100.00
88.37
100.00
70.00
100.00
57.90
51.05
83.34
建設機器資材の販売、賃貸
自動車部品の製造・販売
(タイ)
*(メタルワン20%、MC80%)
■(株)
ガルバート・ジャパン
(日本)
亜鉛めっき鋼線製造・販売
■ 五十鈴
(株)
(日本)
建材
(薄板類)
の加工販売
京葉ブランキング工業(株)
(日本)
金属加工業
■(株)
九州スチールセンター
(日本)
建材倉庫業・鋼板加工業
■ 九州製鋼
(株)
(日本)
鋼材加工販売業
■ MC Metal Service Asia
(Thailand)
Co., Ltd.(タイ)
金属加工業
■ Metal One Holdings America, Inc.
(アメリカ)
鋼板加工事業の統括
■(株)
メタルワン特殊鋼
(日本)
特殊鋼販売業
■(株)
メタルワン建材西日本
(日本)
鋼材加工販売業
■ Metal One Stainless (Asia) Pte. Ltd.
(シンガポール)
ステンレス鋼材加工販売業
■(株)
メタルワン鉄鋼製品販売
(日本)
鉄鋼製品販売
■(株)
メタルワン建材
(日本)
鋼材加工販売業
■ 大阪玉造鋼業
(株)
(日本)
鋼材
(厚板)
の加工販売
■(株)
オトフジ
(日本)
鋼管および同付属品の販売業
■ Shenzhen Baoling Tongli Ltd., Corp.
(中国)
鋼板加工・販売
■ Siam MCT Telecom Ltd.
(タイ)
通信機器リース業
■(株)
サステック
(日本)
ステンレス鋼材加工販売業
■ スズフジ・スチールサービス
(株)
(日本)
鋼材加工販売業
■(株)
スズヤス
(日本)
鋼材
(薄板類)
の加工販売
*メタルワン子会社については、メタルワン出資比率を表示していますが、DIA Modern Engineering(Thailand)Co., Ltd.については、三菱商事からも出資しており、出資比
率はその合計となっています。
■
DIA Modern Engineering(Thailand)Co., Ltd.(タイ)*
機械グループ
会社名
(株)
ダイヤモンドシティ
(日本)
■
Diamond Generating Corporation(アメリカ)
■(株)
インフォセック
(日本)
出資比率(%)
27.45
100.00
84.68
事業内容
商業施設開発・運営
電力事業
情報セキュリティサービス
15.00
27.50
80.00
35.00
94.90
100.00
100.00
エンジン製造業
車輌組立業
自動車販売
自動車輸入製造販売およびそれに付帯する業務
衛星による地表物のデータ・画像の加工・販売
中量販品の販売金融会社
航空機リース関連サービス業
Isuzu Engine Manufacturing Co.,(Thailand)Ltd.
(タイ)
Isuzu Motors Co.,(Thailand)Ltd.(タイ)
■ Isuzu Operations
(Thailand)
Co.,Ltd.(タイ)
Isuzu Philippines Corporation(フィリピン)
日本スペースイメージング
(株)
(日本)
MAC Funding Corporation(アメリカ)
■(株)
エムシー・エアクラフト・マネジメント
(日本)
■
■
79
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
■
■
MC Machinery Systems, Inc.(アメリカ)
MC Realty, Inc.(アメリカ)
100.00
100.00
43.25
100.00
50.00
100.00
100.00
100.00
63.76
95.00
85.00
三菱オートクレジット・リース
(株)
(日本)
三菱商事テクノス
(株)
(日本)
Mitsubishi Motors de Portugal, S.A.(ポルトガル)
■ MKG Bank GmbH
(ドイツ)
■ MSK DFW, Inc.
(アメリカ)
■ エム・エス・ケー農業機械
(株)
(日本)
■(株)
レンタルのニッケン
(日本)
■ 日東都市開発
(株)
(日本)
■ P.T. Dipo Star Finance
(インドネシア)
■
P.T. Mitsubishi Krama Yudha Motors
and Manufacturing(インドネシア)
49.50
28.41
51.00
93.50
49.00
88.73
宇宙通信(株)
(日本)
Spitalgate Dealer Services Ltd.(イギリス)
Thai Auto Sales Company Limited(タイ)
The Colt Car Company Ltd.(イギリス)
■ Tri Petch Isuzu Sales Co., Ltd.
(タイ)
■
■
工作機械の販売・アフターサービス
不動産投資事業
自動車販売金融業および各種車両賃貸業
産業機械・設備販売業
自動車輸入販売業
自動車販売金融業
不動産投資会社
農業機械・酪農施設などの販売・サービス
建設機械などの賃貸ならびに販売
商業施設の企画・建設・運営および管理
自動車販売金融業
自動車エンジン部品、板金部品の製造・販売
スーパーバードによる電気通信事業および受託放送事業
自動車販売金融業
自動車販売金融業
自動車輸入販売業
自動車輸入・製造販売ならびにこれに付帯する業務
化学品グループ
会社名
出資比率(%)
90.00
30.00
■ 中央化成
(株)
(日本)
100.00
Exportadora de Sal, S.A. de C.V.(メキシコ)
49.00
30.00
(株)
興人
(日本)
連雲港昭菱磨料有限公司
(中国)
40.00
■ MCフードテック
(株)
(日本)
100.00
■ MC-TOWA International Sweeteners CO., LTD.
(タイ) 100.00
32.93
明和産業(株)
(日本)
Metanol de Oriente, METOR, S.A.(ベネズエラ)
25.00
■ MITENI S.p.A.
(イタリア)
91.11
■ Mitsubishi International Food Ingredients, Inc.
(アメリカ) 100.00
■ 三菱商事アグリサービス
(株)
(日本)
100.00
■ 三菱商事ケミカル
(株)
(日本)
100.00
■ 三菱商事プラスチック
(株)
(日本)
100.00
PT. Kaltim Parna Industri(インドネシア)
50.00
50.00
新酸素化学株式会社
(日本)
サウディ石油化学
(株)
(日本)
21.09
■ 東和化成工業
(株)
(日本)
79.27
■
Aristech Acrylics Limited Liability Company(アメリカ)
Aromatics Malaysia Sdn. Bhd.(マレーシア)
事業内容
アクリルシートおよび人工大理石製造・販売
パラキシレン・ベンゼン製造・販売
化学品製造・販売
製塩業
発酵製品・化成品・プラスチックフィルム・化学紙の製造・販売
研磨材製造
調味料・日持ち向上剤ほか食品添加物・食品加工原料の開発・製造・販売
糖アルコールの製造・販売業
商社
メタノール製造・販売
フッ素化合物製造・販売
機能性食品素材販売
肥料国内販売
溶剤、
コーティングレジン他販売
合成樹脂原料製品の販売
アンモニア製造業
過酸化水素製造
サウディアラビア石油化学合弁事業への投資ならびに製品販売
食品・食品添加物および化学品製造・販売
生活産業グループ
出資比率(%)
AGREX, Inc. (アメリカ)
100.00
■ Alpac Forest Products Inc.(カナダ)
70.00
Atunes De Levante, S.A.(スペイン)
49.00
■ Bridgestone Sales(Thailand)Co., Ltd.
(タイ)
65.40
■ California Oils Corporation
(アメリカ)
100.00
■ Cape Flattery Silica Mines Pty., Ltd.
(オーストラリア) 100.00
22.73
コカ・コーラセントラルジャパン
(株)
(日本)
■ 大日本明治製糖
(株)
(日本)
100.00
塩水港精糖
(株)
(日本)
31.66
■ フードリンク
(株)
(日本)
74.39
■(株)
フードサービスネットワーク
(日本)
100.00
Forestal Tierra Chilena Ltda.(チリ)
50.00
■(株)
グリーンハウザー
(日本)
100.00
■ Indiana Packers Corporation
(アメリカ)
80.00
(株)
ジャパンファーム
(日本)
40.00
22.34
かどや製油
(株)
(日本)
31.53
日本ケンタッキーフライドチキン
(株)
(日本)
24.00
キリンエムシーダノンウォーターズ(株)
31.67
(株)
ローソン
(日本)
20.70
(株)
ライフコーポレーション
(日本)
会社名
■
80
事業内容
穀物貯蔵販売
パルプ製造・販売
水産養殖業
タイヤ販売
植物油脂搾油・精製業
硅砂の採掘および販売
清涼飲料水製造販売業
製糖業
精糖業
食肉総合商社(鶏肉・豚肉・加工調理食品・惣菜類等の販売)
コンビニエンスストア向け食品卸売業
ユーカリ植林および販売
木材製品、
建材、
住宅機器の販売
豚肉処理・加工・販売業
総合畜産業
(養鶏・養豚、
鶏肉加工、
加工食品の開発・製造・販売、その他製品販売)
食料品製造業
飲食店
(フライドチキンレストラン)
飲料輸入・製造・マーケティング
コンビニエンスストア「ローソン」
のフランチャイズチェーン展開
食品を中心としたスーパーマーケットチェーン
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
100.00
履物販売
(株)
マルイチ産商
(日本)
20.30
食品卸売業
30.00
澱粉加工業
松谷化学工業
(株)
(日本)
■ エム・シ−・ビバレッジ・フ−ズ
(株)
(日本)
100.00
飲食料品卸売業
MCC Development Corporation(アメリカ)
30.00
生コンクリート・骨材製造販売関連を行う投資会社
■(株)
エム・シー・フーズ
(日本)
92.31
コーヒー豆および食品類販売業
■ エム・シー・ニット
(株)
(日本)
100.00
ニット製品製造・販売およびニット原糸卸売業
■(株)
エム・シー・テキスタイル
100.00
テキスタイル販売
■ 明治屋商事
(株)
(日本)
51.00
食品・酒類卸売業
Mitsubishi Cement Corporation(アメリカ)
28.71
セメント製造・販売
■ 三菱商事建材
(株)
(日本)
100.00
建設用資機材販売
■ 三菱商事パッケージング
(株)
(日本)
88.22
各種包装資材、
段ボール原紙、
段ボール製品、
洋紙販売
■(株)
エム・アール・エス
(日本)
100.00
水運業
■ ムラカワ
(株)
(日本)
70.00
食品卸売業
21.88
配合飼料製造販売、
畜水産物生産・加工・販売、
家畜飼育・販売
日本農産工業
(株)
(日本)
日本食品化工
(株)
(日本)
39.81
コーンスターチおよび同加工品製造
42.20
製粉業
日東製粉(株)
(日本)*
■ Princes Limited
(イギリス)
100.00
食品飲料製造販売
■ Riverina (Australia) Pty., Ltd.
(オーストラリア)
100.00
飼料原料集荷販売、
配合飼料生産販売、
食肉販売、穀物輸出取引
■(株)
菱食
(日本)
50.22
食品卸売業
■(株)
サンエス
(日本)
91.93
菓子卸売業
■ 三洋食品
(株)
(日本)
100.00
食品加工販売業
16.80
植物油脂製造
日清オイリオグループ(株)
(日本)
■ TH FOODS, Inc.
(アメリカ)
53.16
米菓・スナック製造・販売
■ トーショー
(株)
(日本)
100.00
ペット関連商品卸売業
■ 東洋冷蔵
(株)
(日本)
80.82
水産物販売
■ Tredia Fashion Co., Ltd.(中国)
100.00
繊維製品生産管理および販売
*日東製粉は、富士製粉と2006年4月1日に合併し、日東富士製粉(株)となりました。新会社への出資比率は34.71%となっています。
■(株)
ライフギアコーポレーション
(日本)
コーポレートスタッフ部門
出資比率(%)
会社名
フロンティアカーボン(株)
(日本)
23.26
38.78
100.00
Fullerene International Corporation(アメリカ)
■
三菱商事フィナンシャルサービス
(株)
(日本)
事業内容
炭素素材の製造/販売会社
フラーレン・カーボンナノチューブの商業化と知的財産管理
財務・経理・審査業務受託、
企業金融、
経営コンサルティング業務
現地法人
出資比率(%)
会社名
オーストラリア三菱商事会社
(オーストラリア)
■ 香港三菱商事会社
(中国)
■ 欧州三菱商事会社
(オランダ)
■ 韓国三菱商事会社
(韓国)
■ 台湾三菱商事会社
(台湾)
■ 英国三菱商事会社
(イギリス)
■ 米国三菱商事会社
(アメリカ)
■ 独国三菱商事会社
(ドイツ)
■ 泰MC商事会社
(タイ)
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
65.80
■
事業内容
貿易業
貿易業
欧州現地法人の持株会社
貿易業
貿易業
貿易業
貿易業
貿易業
貿易業
(注)1. ■ は完全連結子会社、その他は持分法適用会社です。
2. 連結子会社は、議決権の過半数を所有するすべての国内および海外子会社からなっています。
関連会社は、株式所有比率が20%以上50%以下を所有する会社および20%未満であっても重要な影響力を行使し得る会社、コーポレートジョイントベンチャーからなっています。
関連会社に対する投資は、持分法を適用しています。
3. 出資比率は議決権所有割合となっています。
2006年3月期末連結対象会社数
グループ名
新機能事業
エネルギー事業
金属
機械
化学品
生活産業
コーポレートスタッフ
現地法人
合計
①
②
103
87
225
253
67
195
38
35
1,003
76
53
27
166
53
118
24
33
550
① 子会社で連結経理処理を実施している関係会社を含む。
② 子会社で連結経理処理を実施している関係会社を含まない。
81
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
財務セクション
財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析 . . . . . 84
6年間の主要財務データ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 108
連結貸借対照表 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 110
連結損益計算書 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 112
連結包括損益計算書 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 113
連結資本勘定計算書 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 114
連結キャッシュ・フロー計算書 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 115
連結財務諸表に対する注記 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 116
独立監査人の監査報告書(訳文) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 150
82
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
当社が財務報告を作成するに当たって、その適正性を担保するための体制の基礎となっているのは当社の
企業理念です。
当社には、
企業理念として
「三綱領」
および
「企業行動指針」
があり、
それらに基づいて社内規程を
定め、
その遵守を全役職員に周知徹底しています。
また、
証券取引法、
会社法などの法令や東京証券取引所の規則
に基づいた重要な情報の開示については、
当社の基本方針を記した
「情報開示指針」
を策定して公表しています。
経営上重要な事項については、
会社の最高経営意志決定機関である社長室会で協議・決定し、
取締役会に付議
すべき事項については、その議を経て決定する体制としています。
また、
業務執行状況など重要な経営情報につ
いても、社長室会および取締役会に報告が行われています。業務の手続き、管理状況については、監査部および
個々の営業グループや海外拠点内の内部監査組織が、
関係会社も含めて内部監査を行っており、
その結果につい
ては都度報告を受けています。
このような社内の体制を基礎として、財務報告を作成する上でその業務分担と責任部署を明確化しており、
各責任部署において適切な業務体制を構築の上、社内規程に則った会計処理を行っています。
2005年3月期より私が委員長となり、財務報告の内容作成に関連する部局の代表者により構成される
また、
開示委員会を設置しています。
この委員会で2006年3月期の本レポートの財務セクションについてもその開示
内容について評価を行った結果、適正な内容であることを確認しています。また、添付の連結財務諸表につい
ては、監査法人による厳正な監査が行われ、
監査法人より適正意見を表明する旨の監査報告書を受領しました。
当社の経営陣は、
上述のとおり適切な内部管理および財務報告の体制構築に責任をもって取り組んでいます。
三菱商事株式会社
CFO
副社長執行役員、
83
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析
1. 業績概況
2006年3月末には量的緩和政策も解除
りました。
こうした中で、
2006年3月期における経済環境を概観しますと、先進国の景
気拡大や中国・インドなどの高成長が支えとなって世界経済は拡
大基調をたどり、
資源・エネルギー価格は高水準で推移しました。
され金融政策の正常化も始まるなど、
デフレ脱却への動きが明瞭
になりました。
前年度に引
このような環境の下、
当社の2006年3月期決算は、
アメリカでは、
雇用が引き続き増加傾向にある中で個人消費や住
き続き好調な商品市況を背景に、
エネルギー事業グループ、
金属
宅投資が堅調な伸びを示し、
さらに情報化関連を中心に設備投資
グループで大きく収益を伸ばしたのに加え、機械グループなど
EU諸国の経済
も大きく伸長したため、
景気の拡大が続きました。
このよ
他の4グループも2005年3月期比で増益を達成しました。
は、
国ごとに差が見られたものの、
全体としては輸出の伸びなど
うに全グループの業績が好調であった結果、
全社の基礎収益
(下
を中心に緩やかな成長を維持しました。
表ご参照)
は2005年3月期に続き過去最高を更新し、5,374億円
中国においては、
引き続き輸出が高い伸びを示し、
また政府に
となりました。
また、
連結純利益も過去最高の3,500億円となり、
よる金融引締め策の一方で建設・設備投資の大幅な増加が続いた
2004年7月に中期経営計画『INNOVATION 2007』を策定した時
ため、
高成長が持続しました。
その他のアジア諸国では、
原油高や
点で、
「 ジャンプ」期間( 2009 年 3 月期以降)に目標としていた
IT 市況の低迷により、内需・外需ともにやや減速しましたが、
2,000億円以上の連結純利益を計画スタートから2年目で達成し
2006年3月期後半には外需を中心に回復傾向が見られました。
の内容、
たことになります。
(中期経営計画
『INNOVATION 2007』
日本経済は、
雇用・所得の拡大に支えられた個人消費と好調な
企業収益を背景とする設備投資が好調であり、
一時的に減速傾向
の
「1)経営課題
およびその見直しについては、
「 7. 戦略関連事象」
と今後の方針」
をご参照ください。
)
にあった輸出も中国やアメリカ向けなどを中心に持ち直したこ
とから、
内需・外需ともにバランスの取れた力強い景気拡大とな
基礎収益
単位:百万円
2002年
売上総利益−販売費および一般管理費
支払利息
(受取利息控除後). . . . . . . . .
受取配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
持分法による投資損益 . . . . . . . . . . . .
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基礎収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2005年3月期と2006年3月期との比較
1)売上総利益
2006年3月期の売上総利益は、2005年3月期から1,737億円
2003年
2004年
2005年
2006年
¥101,109 ¥123,188 ¥137,959 ¥192,741
(11,767) (13,984) (10,642)
(1,710)
36,178
28,145
28,117
42,402
9,293
44,878
56,464
97,095
¥354,702
(4,435)
68,135
119,008
¥134,813 ¥182,227 ¥211,898
¥537,410
¥330,528
2)販売費および一般管理費
2006 年3 月期の販売費および一般管理費は、6,968 億円と
2005年3月期より118億円(1.7%)の小幅負担増となりました。
増加し、
過去最高の1兆515億円となりました。
これは、
(19.8%)
当社では2005年3月期に計上した厚生年金基金の代行部分返上
オーストラリアの原料炭関連子会社( MDP )の売上総利益が
に伴う清算費用の反動があったものの、
食料関連子会社の新規連
2005年3月期の4倍近くに増加するなど、原料炭価格や原油価格
結の影響による増加があったことで、
販売費および一般管理費全
の上昇により資源関連子会社が好調だったことに加え、
海外自動
体では微増となりました。
車事業が堅調に推移したこと、
ならびに食料関連の事業が拡大し
3)貸倒引当金繰入額
たことなどによるものです。
2006年3月期の貸倒引当金繰入額は48億円となり、2005年3
月期の94億円から46億円の改善となりました。
これは子会社に
おける債権回収による貸倒引当金振戻益の計上などによるもの
です。
84
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
4)支払利息(受取利息控除後)
2006年3月期の受取利息差引後の利息は、2005年3月期より
10)法人税等
2006年3月期の法人税等は、2005年3月期比1,183億円の負担
27 億円悪化し、44億円の負担となりました。これは主に、米ド
増となりました。これは税引前利益の増加による影響に加え、
ル建ての借入金について、
ドル金利上昇により利息負担が増加し
過年度更正税金による負担増があったことによるものです。
たことによるものです。
なお、
実効税率は、
上記の負担増がある一方で、
イラク宛債権切り
5)受取配当金
捨てによる税負担の軽減もあったため、
ほぼ前年並みの約44%
2006年3月期の受取配当金は681億円となり、2005年3月期
となっています。
より257億円(60.6%)の大幅増加となりました。これは原油価
過年度更正税金は、当社とオーストラリアエネルギー事業グ
格上昇や非鉄金属価格上昇に伴い資源関連投資先の業績が好調
ループ関係会社群との取引に関する2000年3月期から2005年3
であったことから、
配当額が大幅に増加したことによるものです。
月期の6事業年度についての移転価格税制に基づく法人税等234
6)有価証券損益
億円、およびタイ関係会社の出資形態変更にかかわる法人税等
2006年3月期の有価証券損益は513億円の利益となり、2005
86億円によるものです。これらの金額は更正通知を受領してい
年3月期の638億円の損失から1,151億円の大幅な改善となりま
なかったため見積額にて計上しており、
また、
更正によって創出
2005年3月期に計上した三菱自動車工業の普通株
した。
これは、
される外国税額控除の影響を含めています。
式についての減損、
ローソン株式取得時ののれんについての減損
の反動に加え、
上場・非上場の株式売却益が増加したことなどに
東京国税局よりタイ関係会社の出資形
なお、2006年6月1日、
態変更にかかわる更正通知を受領しました。
よるものです。
また、2006 年6 月30 日にオーストラリアエネルギー事業グ
7)固定資産損益
ループ関係会社群との取引に関して、
東京国税局が更正処分する
2006年3月期の固定資産損益は21億円の損失となり、2005年3
月期の83 億円の利益から104億円の悪化となりました。これは
2000年3月期1事業年度の更
方針としている6事業年度のうち、
正通知を受領しました。
2005年3月期に当社が保有していた品川の賃貸用ビルの大口の売
東京国税局によれば、
これは国税庁が豪州税務当局と今後日豪
却益の計上があったことによる反動、
および2006年3月期に子会
6事業年度
租税条約に基づく情報交換を行うことになったため、
社で土地・建物などの減損の計上があったことによるものです。
のうち除斥期間の経過によって更正する権利が消滅する2000年
8)その他の損益
3月期の更正処分だけを行ったもので、現時点では6事業年度を
2006年3月期のその他の損益は、156億円の利益と2005年3
更正処分する当初の方針に変更はなく、
残る5事業年度について
月期の412億円の利益(厚生年金基金代行返上部分に係る返還
も情報交換が長引いた場合には除斥期間の経過に応じて更正処
これは主に2005年3月
差額を含む)
から256億円減少しました。
分を行うとのことです。
期に当社と子会社で、
厚生年金基金の政府への代行返上に伴う返
なお、
当社としては両事案に対する更正処分とも納得できるも
還差益が計上されたことの反動によるものです。
のではないことから、
更正通知の内容を検討した上で、
然るべく
9)税引前利益
対応する所存です。
2006年3月期の税引前利益は、上記の売上総利益の増加に加
11)少数株主持分利益
え、
受取配当金の増加、
有価証券損益の大幅改善があり、
支払利息
2006年3月期の少数株主持分は353億円となり、2005年3月
(受取利息控除後)
、
固定資産損益、
その他の損益は小幅悪化した
これは、
メタルワンなどの子会社で
期から45億円増加しました。
(128.0%)
増加
ものの、
最終的には2005年3月期から2,686億円
の利益が拡大したことによるものです。
して4,784億円となりました。
12)持分法による投資損益
2006年3月期の持分法による投資損益は、2005年3月期から
219億円(22.6%)と大幅に増加して、1,190億円となりました。
LNG、鉄鉱石、石油化学品などの持分法適用関連会社が
これは、
好調な商品市況を背景に利益を増やしたことが主な要因です。
85
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
3)貸倒引当金繰入額
受取配当金、持分法による投資損益、
支払利息
単位:10億円
受取配当金 . . . . . . . . . . .
持分法による投資損益
(税引後). . . . . . . . . . . .
支払利息
(受取利息控除後). . . . .
2004年
2005年
2006年
¥ 28.1
¥42.4
¥ 68.1
56.5
97.1
119.0
2005年3月期の貸倒引当金繰入額は94億円となり、2004年3
月期の74億円から19億円の悪化となりました。
これは2004年3
月期にあった債権回収による貸倒引当金振戻益計上の反動など
(10.6)
(1.7)
(4.4)
によるものです。
4)支払利息(受取利息控除後)
2005年3月期の受取利息控除後の利息は、2004年3月期より
89 億円(83.9% )の大幅改善となり、17億円の負担となりまし
13)当期純利益
これらの結果、当期純利益は3,500億円と2005年3月期から
1,676億円(91.9%)増加し、2005年3月期に続いて過去最高の数
字を記録しました。
なお、
株主資本当期純利益率は2005年3月期
の13.4%から18.0%へと上昇しています。
¥68.40
12.00
10.7%
16.9
9.2
るものです。
5)受取配当金
(50.8%)
の大幅増加となりました。
これは、
銅およ
より143億円
びLNGの権益保有にかかわる配当の増加があったことによるも
2005年
2006年
1株当たり当期純利益
(希薄化後)
(円). . . . . . . .
配当金(円). . . . . . . . . . . .
ROE(%). . . . . . . . . . . . . .
PER(高)
(倍) . . . . . . . . . .
PER(低)
(倍) . . . . . . . . . .
(MKG-B)
を子会社化したことによる受取利息計上額の増加によ
2005年3月期の受取配当金は424億円となり、2004年3月期
1株当たり当期純利益、配当金、ROE、PER
2004年
た。これは主に欧州自動車販売金融会社である M K G B a n k
¥107.58
18.00
13.4%
13.9
8.7
¥205.62
35.00
18.0%
13.7
6.4
のです。
6)有価証券損益
2005年3月期の有価証券損益は638億円の損失となり、2004
年3月期の53億円の利益から大幅な悪化となりました。
一部非上
場株式の売却益の計上はあったものの、
上場有価証券の売却益は
2004年3月期と比較して減少し、また三菱自動車工業の普通株
2004年3月期と2005年3月期の比較
1)売上総利益
2005年3月期の売上総利益は、2004年3月期から1,084億円
増加し、
過去最高の8,778億円となりました。
これは、
鋼
(14.1%)
材市況の上昇により子会社であるメタルワンで計上した売上総
利益が大幅に増加したこと、
エネルギー事業や化学品事業の市況
が好調だったことで当社の売上総利益が増加したこと、
前期は持
分法適用会社だった食料関連子会社を子会社化したことによる
増加、
および新規の食料関連子会社を買収したことなどによる影
響があったためです。
2)販売費および一般管理費
2005 年3 月期の販売費および一般管理費は、6,850 億円と
2004年3月期より536億円(8.5%)の負担増となりました。これ
は当社で人件費が減少したものの、
持分法適用食料関連子会社の
子会社化、
食料関連子会社の新規連結の影響、
ならびに厚生年金
基金の代行部分返上に伴う清算費用などの計上があり、
販管費全
体が増加したことによるものです。
ローソン株式取得時
式について122億円の減損を計上したこと、
全
ののれんにつき544億円の減損を計上したことなどの影響で、
体では大きな損失となりました。
7)固定資産損益
2005年3月期の固定資産損益は83億円の利益となり、2004年
3月期の184億円の損失から268億円の改善となりました。これ
は子会社で土地・建物などの減損の計上があったものの、
当社が
保有していた品川の賃貸用ビルの大口の売却益の計上、
子会社で
の固定資産売却益の計上があり、
全体では利益となったものです。
8)その他の損益
2005年3月期のその他の損益は、412億円の利益と2004年3
月期の153億円の利益からさらに改善しました。
これは当社と子
会社で、
厚生年金基金の政府への代行返上に伴う返還差益が計上
されたことによるものです。
9)税引前利益
2005年3月期の税引前利益は、上記の売上総利益の増加に加
え、
利息尻、
受取配当金、
固定資産損益、
その他の損益がすべて改
2004年3月期
善したことで、
有価証券損益の悪化が打ち消され、
(39.8%)
増加して2,098億円となりました。
から597億円
86
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
10)法人税等
2005年3月期の法人税等は、税引前利益の増加に伴い2004年
オペレーティング・セグメント別売上総利益(2006年3月期)
(10億円)
400
3月期比189億円の負担増となりました。実効税率は2004年3月
これは配当に
期の49.9%から改善して44.7%になりましたが、
300
かかわる税負担が減少したことなどによります。
11)少数株主持分利益
200
2005年3月期の少数株主持分利益は308億円となり、2004年
3月期から150億円増加しました。これは、メタルワンなどの子会
100
社での利益が拡大したことによるものです。
12)持分法による投資損益
0
2005年3月期の持分法による投資損益は、2004年3月期から
新機能
事業
エネルギー
事業
金属
機械
化学品
生活産業
406億円(72.0%)と大幅に増加して、971億円となりました。商品
LNG、アルミ、石油化学品などの持分法適用会
市況の好調により、
社が利益を増やしたこと、
持分法を適用している投資ファンドで
キャピタル・ゲインがあがったこと、
さらにサウディ石油化学の
株式買い増しにより持分連結を開始したことが寄与しました。
オペレーティング・セグメント別当期純利益(2006年3月期)
(10億円)
150
13)当期純利益
これらの結果、当期純利益は 2 0 0 4 年 3 月期から 6 6 3 億円
2 年連続で過去最高業績となる
(57.2%)の大幅な増加となり、
100
1,824億円を記録しました。株主資本当期純利益率は2004年3月
期の10.7%から13.4%へと上昇しています。
50
2. 2006年3月期のセグメント別業績概況
オペレーティング・セグメント
0
1)新機能事業グループ
新機能
事業
エネルギー
事業
金属
機械
化学品
生活産業
2006年3月期の新機能事業グループの当期純利益は194億円
58.2%の増加となりました。
となり、2005年3月期から71億円、
投資活動に伴うキャピタル・ゲインのほかに、
海外の証券・ファン
ド投資子会社、
クレジットカードなどの金融関連会社や保険、
ヘ
ルスケア、
携帯電話販売などの関係会社の業績が好調であったこ
とや、
関連会社の新規上場による持分の一部売却などが増益に寄
与しました。
オペレーティング・セグメント別総資産およびROA(2006年3月期)
(10億円)
(%)
3,000
6
2,500
5
2,000
4
1,500
3
1,000
2
500
1
2)エネルギー事業グループ
エネルギー事業グループの 2 0 0 6 年 3 月期の当期純利益は
2005年3月期比292億円(63.8%)増加の751億円となり、2005年
3月期に引き続き大幅な増益となりました。これは原油価格の高
騰およびそれに伴う天然ガス価格の上昇により、
資源開発・生産
会社からの受取配当金や持分利益が増加したことに加え、
当社で
資源販売子会社の原油価
の電力燃料・LPGなどの好調な取引や、
格上昇による売上総利益増加などがあったことによるものです。
0
新機能
事業
エネルギー
事業
金属
機械
化学品
生活産業
0
オペレーティング・セグメント別総資産[左軸]
オペレーティング・セグメント別ROA[右軸]
87
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
3)金属グループ
連結対象会社の損益状況
単位:10億円
2006年3月期の金属グループの当期純利益は1,358億円とな
2005年3月期の482億円と比べて3倍近い数字へと大幅な増
り、
MDPの収益が石炭価格の大幅
加となりました。
この主な要因は、
上昇により急拡大したことです。
さらに、
これに加え鉄鋼製品事
業会社である子会社メタルワンが、
前年に引き続き市況堅調によ
り好決算になったこと、
銅・アルミ・鉄鉱石の価格高騰により金属
2004年
2005年
2006年
利益合計 . . . . . . . . . . . . .
利益計上会社数
(社). . . . .
¥179.8
419
¥219.5
394
¥349.9
443
損失合計 . . . . . . . . . . . . .
損失計上会社数
(社). . . . .
¥ (14.7)
96
¥ (31.2)
115
¥ (17.8)
107
黒字会社率
(%). . . . . . . .
81%
77%
81%
資源関連事業における持分利益や受取配当金が増加したことも
大幅増益に貢献しました。
地域別セグメント
4)機械グループ
1)日本
機械グループの2006年3月期の当期純利益は、2005年3月期
売上高はメタルワンでの取引増加の影響および食料関連子会
(27.0%)
増加の704億円となりました。
当社では住
から150億円
社の新規連結による影響により、2005 年 3 月期に比べて 1 兆
宅事業やプラント取引増加により売上総利益が増加となったほ
4,557億円(10.2%)増加し、15兆7,171億円となりました。売上
か、
イラク向け債権切り捨てに伴う税負担減、
有価証券売却益の
総利益は、
当社における石油関連取引利益の増加や、
堅調な鉄鋼
計上などがあり当期純利益の増加に寄与しました。
また、
海運市
製品市況によるメタルワンの好決算、
および食料関連子会社の新
(民間電力事
況上昇による船舶関連取引利益増や、北米IPP事業
2005年3月期に比べ392億円(6.2%)増加し、
規連結などにより、
業)
の好調により増益となっています。
6,758億円となりました。
5)化学品グループ
2)アメリカ
2006年3月期の化学品グループの当期純利益は、2005年3月
売上高は、
現地法人および石油関連子会社における取引の増加
(8.2%)
増加の196億円となりました。
石油化学品な
期比15億円
(18.3%)
増加し、
9,733
により、2005年3月期に比べ1,503億円
2005年3月期比で
どの取引を中心とする当社の売上総利益は、
億円となりました。売上総利益は、2005年3月期に比べ58 億円
ほぼ横ばいとなった一方、
連結対象会社では、
マレーシアの製造
関連会社のプラントのメンテナンスなどによる持分利益の減少
がありましたが、
当社の有価証券売却益の増加などにより全体で
は増益となっています。
6)生活産業グループ
3)その他
売上高は、アジアにおける自動車関連子会社の販売台数増加
の販売価格上昇
や、
オーストラリア石炭事業関連子会社
(MDP)
により、2005 年3 月期に比べ3,285 億円(16.0% )増加し、2 兆
生活産業グループの2006年3月期の当期純利益は486億円と
3,768億円となりました。また、売上総利益についてもMDPの販
2005年3月期から37億円(8.3%)の増加となりました。当
なり、
売価格上昇による増加や、
アジアにおける自動車関連子会社の取
社では食料取引において売上総利益が減少しましたが、
食料関連
2005年3月期に比べ1,287億円(67.0%)増加
引利益増加により、
子会社および資材関連会社の業績堅調、
ならびにローソン事業の
し、3,210億円となりました。
新機能事業グループからの移管により、
グループ全体では増益と
なっています。
88
増加し、
547億円となりました。
(11.9%)
(注)
上記解説文のうち、
売上高については、
日本の会計慣行に従って表示して
。
います
(連結財務諸表に対する注記1をご参照ください)
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
3. 2005年3月期のセグメント別業績概況
の製造関連会社の業績が好調だったことによる持分法利益の増
オペレーティング・セグメント
2004年3月期に株式の買い増しによって持分法適用会社と
加、
1)新機能事業グループ
なったサウディ石油化学の新規連結の影響などが増益に貢献し
2005年3月期の当期純利益は、2004年3月期から98億円と大
123億円となりました。投資活動の成果として大口
幅に増加し、
のキャピタル・ゲインがあったことや、
物流、
ヒューマンケア、
携
ました。
6)生活産業グループ
2005年3月期の当期純利益は449億円となり、2004年3月期
帯電話事業などの関係会社の好業績が利益増加に寄与しました。
(15.8%)
増加しました。
当社の売上総利益は食糧・食
から61億円
2000年4月にグループが発足して以来、初めて当期純
この結果、
固
品取引の減少により2004年3月期から微減となりましたが、
利益が100億円を超えました。
定資産関連利益を計上したこと、ローソン事業が新機能事業グ
2)エネルギー事業グループ
ループから移管されたこと、
新規買収の影響などによって食料関
2005年3月期の当期純利益は458億円となり、2004年3月期
連子会社の持分利益が増加したことなどにより、
グループ全体で
これは市況が好
から152億円と49.6%の大幅増益となりました。
ローソンの
増益となりました。
なお、
当期純利益の449億円には、
調に推移したことで当社においてLPGなどの取引総利益が増加
投資にかかわる減損は含まれていません。
したことに加え、
原油価格の上昇およびこれに伴う天然ガス価格
の上昇や生産数量の増加などの要因により、
資源開発・生産会社
地域別セグメント
の持分利益や受取配当金が増加したことによるものです。
1)日本
3)金属グループ
2005年3月期の当期純利益は482億円となり、2004年3月期
売上高は、メタルワンの取引が好調だったことによる増収お
よび市況好調に伴う石油関連や石油化学品関連取引の増加など
(55.4%)
の大幅な増加となりました。
これは銅、
ア
から172億円
2004年3月期に比べて1兆4,094億円(11.0%)増加し、
により、
ルミなどの金属資源需給の世界的逼迫により市況が高騰した結
14兆2,614億円となりました。売上総利益は、メタルワンの好調
果、
これらの金属資源の生産に従事している投資先の持分利益、
な取引による増益、
および新規の食料関連子会社を買収したこと
2003年に鉄
受取配当金が増加したことによるものです。
さらに、
2004年3月期に比べて704億円(12.4%)
による影響などにより、
鋼製品事業部門を分社して設立したメタルワンが、
鋼材市況上昇
増加し、6,366億円となりました。
により2004年3月期を大きく上回る好決算となったことも貢献
2)アメリカ
しました。
4)機械グループ
売上高は、
現地法人における資源関連取引およびエネルギー関
2004年3月期に比べ
連子会社における取引の増加などにより、
2005 年3 月期の当期純利益は、2004 年3 月期から132 億円
(17.8%)
増加し、8,230億円となりました。
売上総
て1,243億円
増加の554億円となりました。
当社では、
プラント・ビジ
(31.2%)
利益は、
現地法人における資源関連取引およびエネルギー関連子
ネスの受け渡しの減少があったものの、
自動車のアジア向け輸出
2004年3月期に比べて81
会社における取引の増加などにより、
取引が好調で、
売上総利益は全体でほぼ横ばいとなりました。
一
億円
(19.9%)
増加し、
489億円となりました。
方、
品川の賃貸用ビルの売却益が計上されたことおよび、
国内の建
3)その他
設機械レンタル事業関連子会社での売上増加、
船舶関連事業子会
売上高は、
アジアや欧州における自動車関連取引の増加や、
ア
社における市況高騰による収入増加、
アジアの自動車事業関連子
2004年3月期に
ジアにおける石油関連取引の増加などにより、
会社の好業績などが要因となって、
当期純利益が増加しました。
(25.9%)
増加し、
2兆483億円となりました。売
比べて4,220億円
5)化学品グループ
上総利益は、
船舶関連取引の増加や食料関連子会社が買収を行っ
2005年3月期の当期純利益は、2004年3月期に続いて石油化
学品を中心に市況が好調に推移したため、2004年3月期から40
億円
(28.1%)
増加の181億円となりました。
当社においては市況
高騰の中で取引が増加したことに伴う売上総利益増、
マレーシア
2004年3月期に比べて298億円(18.4%)増
たことなどにより、
1,923億円となりました。
加し、
(注)
上記解説文のうち、
売上高については、
日本の会計慣行に従って表示して
います。
89
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
主要連結対象会社の状況(10億円以上の当社持分利益または5億円以上の当社持分損失を計上した会社)
利益計上会社
当社持分損益(億円)
グループ
国内:
金属
生活産業
会社名
出資比率
(%)
2006年 2005年
3月期
3月期
株式会社メタルワン
株式会社ローソン
60.00
31.67
197
70
136
64
金属
化学品
ジェコ株式会社
サウディ石油化学株式会社
70.00
21.09
67
52
57
38
エネルギー
生活産業
機械
新機能
エムピーディーシー・ガボン株式会社
株式会社菱食
株式会社レンタルのニッケン
株式会社エム・エス・コミュニケーションズ
100.00
50.22
63.76
50.00
49
29
22
21
14
29
25
14
三菱商事石油株式会社
株式会社ダイヤモンドシティ
三菱商事プラスチック株式会社
株式会社サンエス
日清オイリオグループ株式会社
株式会社日本ケアサプライ
アンゴラ石油株式会社
三菱商事パッケージング株式会社
三菱オートクレジット・リース株式会社
エム・シー・ニット株式会社
100.00
27.45
100.00
91.93
16.80
65.20
51.00
88.22
43.25
100.00
19
19
13
13
12
12
11
11
10
10
7
14
8
10
5
12
6
10
10
(1)
Mitsubishi Development Pty., Ltd.(オーストラリア)
Tri Petch Isuzu Sales Co., Ltd.(タイ)
MCA Metals Holding GmbH(オーストリア)
M.C. Inversiones Limitada(チリ)
Iron Ore Company of Canada(カナダ)
Mitsubishi Corporation Finance PLC(イギリス)
Isuzu Operations(Thailand)Co., Ltd.(タイ)
Princes Limited(イギリス)
MC Copper Holdings B.V.(オランダ)
Mitsubishi International Corporation(アメリカ)
MCC Development Corporation(アメリカ)
Isuzu Motors Co.,(Thailand)Ltd.(タイ)
MCX New Ventures, Ltd.(アメリカ)
The Colt Car Company Ltd.(イギリス)
Mitsubishi Electric Hong Kong Group Ltd.(香港)
Indiana Packers Corporation(アメリカ)
Metanol de Oriente, METOR, S.A.(ベネズエラ)
Diamond Generating Corporation(アメリカ)
Ryowa Development II Pty., Ltd.(オーストラリア)
Mitsubishi Corporation International N.V.(イギリス)
MKG Bank GmbH(ドイツ)
TRILAND METALS LTD.(イギリス)
Mitsubishi Cement Corporation(アメリカ)
Alpac Forest Products Inc.(カナダ)
MC Machinery Systems, Inc.(アメリカ)
100.00
88.73
100.00
100.00
26.18
100.00
80.00
100.00
100.00
100.00
30.00
27.50
100.00
49.00
20.00
80.00
25.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
28.71
70.00
100.00
975
93
78
74
68
44
41
40
36
33
22
20
19
17
17
16
16
16
16
14
13
12
11
11
10
247
89
65
22
(8)
18
24
37
7
32
12
25
28
15
7
14
12
7
14
19
12
9
8
16
3
エネルギー
機械
化学品
生活産業
生活産業
新機能
エネルギー
生活産業
機械
生活産業
海外:
金属
機械
金属
金属
金属
新機能
機械
生活産業
金属
コーポレート
生活産業
機械
エネルギー
機械
機械
生活産業
化学品
機械
金属
コーポレート
機械
金属
生活産業
生活産業
機械
主な事業内容
鉄鋼製品事業
コンビニエンスストア
「ローソン」
のフランチャイズ
チェーン展開
エスコンディーダ銅鉱山
(チリ)への投資会社
サウディアラビア石油化学合弁事業への投資ならびに
製品販売
ガボンにおける石油の探鉱・開発・生産業
食品卸売業
建設機械などの賃貸ならびに販売
移動体通信サービス・端末および各種通信サービスならび
に通信放送事業にかかわるサービス・機器全般の取り扱い
石油製品卸売業
商業施設開発・運営
合成樹脂原料製品の販売
菓子卸売業
植物油脂製造
介護用具・用品のレンタル・販売
アンゴラにおける石油の探鉱・開発・生産業
各種包装資材、
段ボール原紙、
段ボール製品、
洋紙販売
自動車販売金融業および各種車両賃貸業
ニット製品製造・販売およびニット原糸卸売業
石炭採掘販売
自動車輸入・製造販売ならびにこれに付帯する業務
モザールアルミ精錬所
(モザンビーク)への投資会社
ロス・コロラドス鉄鉱山事業への投資会社
鉄鉱石生産販売業
証券投資など
自動車販売
食品飲料製造販売
ロス・ペランブレス銅鉱山(チリ)
への投資会社
貿易業
生コンクリート・骨材製造販売関連を行う投資会社
車輌組立業
アメリカにおける石油・天然ガスの探鉱・開発・生産業
自動車輸入販売業
昇降機販売・据付・保守
豚肉処理・加工・販売業
メタノール製造・販売
電力事業
ボインアルミ製錬所への投資およびアルミ地金販売
欧州現地法人の持株会社
自動車販売金融業
ロンドン金属取引所
(LME)
ブローカー
セメント製造・販売
パルプ製造・販売
工作機械の販売・アフターサービス
損失計上会社
当社持分損益(億円)
グループ
国内:
生活産業
エネルギー
海外:
機械
化学品
機械
90
会社名
明治屋商事株式会社
三菱液化瓦斯株式会社
Electricidad Aguila de Tuxpan(メキシコ)
ARSH, INC.
Electricidad Aguila de Altamira(メキシコ)
出資比率
(%)
2006年 2005年
3月期
3月期
51.00
100.00
(11)
(16)
–
(1)
50.00
(8)
(14)
(20)
(2)
(25)
(7)
49.00
主な事業内容
食品・酒類卸売業
LPGならびにLPG器具国内販売
電力卸売業
投資業
電力卸売業
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
4. 2006年3月期のセグメント別の事業環境と2007年
3月期以降の見通し
1)新機能事業グループ
新機能事業グループは、
機能サービス
(金融、
情報・通信、
物流、
当グループではこれらの事業環境の中で、金融事業本部、ICT
事業本部、物流サービス本部、ヒューマンケア事業本部、
メディ
これらの本部にお
ア・コンシューマー事業本部の5本部および、
ける本部戦略実現の基盤である100社にも及ぶ事業投資先を融
経営・マーケティング支援など)
を提供することで、
企業の経営革
2007年3月期も継続して150億円レベルの
合させていくことで、
新を支援すると同時に、
当社にとっては新規分野であった生活密
利益の達成を目標としています。
着型市場などでのビジネスを開拓してきました。
2)エネルギー事業グループ
2006年3月期は、グループ全体にわたる収益力の拡大に加え
2004年に引き続き、2005年も原油価格は非常に高いレベルで
エム・エ
て、
クリエイト・レストランツのIPOに伴う株式売却益、
推移しました。
アメリカ、
中国をはじめとして全世界の石油需要
ス・コミュニケーションズのカルソニックコミュニケーション買
が堅調に増加する一方、
原油生産・精製余剰能力の欠如、
地政学的
KDDI株式
収による持分法利益増加、
リップルウッド株式売却益、
リスクの増大、
ハリケーンによるアメリカ南部石油生産・精製施
売却益に加え、
金融子会社のデリバティブ取引損益などの一時的
設の被害、
投機資金のさらなる流入などが原油価格を高いレベル
な利益もあり、
当期純利益は194億円を達成しました。
へ押し上げた要因と考えられます。
特に8月末にアメリカ南部に
現在の当グループを取り巻く事業環境を大きくとらえると、
社
上陸したハリケーン
「カトリーナ」
はアメリカ南部の原油・ガス生
会・産業の成熟化、
人口構造の変化、
情報技術革新があり、
それに
産設備、
石油精製施設に大きな被害をもたらし、
原油価格は史上
伴う企業の経営姿勢の変化、
消費者行動の変化があります。
これ
(WTI)
を記録しまし
最高値である1バーレル当たり70.85米ドル
らは相互作用しながら、新たなビジネス機会を生み出していま
た。
その結果、
当グループの業績も好影響を受け、
当期純利益で過
REIT(不動産投資信託)市場の登場、ファンド資本
す。
その1つが、
去最高となる751億円を計上しました。
主義という言葉に象徴される企業再生ファンドの発展です。
さま
2006年の見通しとしては、引き続き石油需要の増加が見込ま
ざまな商品、
業界にネットワークを有する総合商社としての知見
れる一方、
原油生産・精製余剰能力が限界であるという状況は不
を活かした新しい金融サービスを提供する機会が広がっている
変であり、
さらにナイジェリア、
イラン、
ベネズエラといった大産
と言えます。
油国の政情不安がより一層高まる傾向にあることから、
原油価格
情報技術革新は情報技術の高度化をもたらす一方で、
複雑化も
が大きく下落する見込みは低く、
引き続き高いレベルで推移する
招きました。
複雑化する情報技術の効率的な活用は、
企業の生命
OPEC産油国は各国ともほぼ
可能性が高いものと考えられます。
線であり、
技術を提供するだけではなく、
実ビジネスでの活用支
生産能力一杯の生産を継続しており、
万が一供給面に問題が発生
援までも含めた総合サービスを提供する総合商社ならではの情
した場合には、
これを補える生産余力がほぼないことから、
原油
報・通信ソリューションへのニーズも拡大しています。
物流分野
では、
特に著しい成長を見せている中国を中心としたグローバル
かつボーダレスな物流ネットワークが望まれていますが、
国際的
な貿易取引に永年従事してきた当社は、
物流網の構築にも大きな
原油価格(ドバイスポット価格)
の推移
(米ドル/バーレル)
60
アドバンテージを持っています。
少子高齢化に伴って医療や介護に対しても急激に関心が高
まっています。
消費者の目はますます厳しくなっており、
医療機
50
40
関や介護施設は効率的な経営を迫られています。
消費者の行動変
化は医療・介護ビジネス以外でも、
さまざまな分野で新しいビジ
30
ネス機会を生み出しつつあります。
当社にとっては、
これらの新
20
しい機会は総合商社の総合力を活かす格好の機会になります。
10
01.4
02.4
03.4
04.4
05.4
06.3
91
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
価格はより一段高いレベルへと上昇することも懸念されます。
ま
た、
アメリカでは環境問題への対応からガソリン品質規制が変わ
日本向けオーストラリア原料炭価格の推移
(米ドル/トン)
140
り、
このため、
ガソリンに対する供給逼迫懸念が高まっており、
ガ
ソリン価格の高騰が原油価格を引き上げるといった構図も考え
110
られます。
ここ数年の原油価格は過去に経験のない高いレベルで
推移しており、関係専門機関による原油の予想価格にも大きな
80
ばらつきが見られ、
確実な価格見通しを立てることがより困難な
状況となっています。
50
2007年3月期の業績見通しの算出に際しては、原油価格
なお、
(ドバイスポット価格)
を1バーレル当たり55米ドルを前提とし
20
01
ています。当グループは西オーストラリア、マレーシア、
ブルネ
02
03
04
05
イ、
アメリカ・メキシコ湾などにおいてLNGや原油の上流権益あ
るいはLNG液化設備を保有しており、上記の原油価格の変動に
より、
当グループの業績は影響を受けることになりますが、
原油
主に持分法損益の変動
価格1バーレル当たり1米ドルの変化が、
をとおして連結純利益10億円程度の変動をもたらすと試算して
アルミ価格の推移
(米ドル/トン)
2,500
います。
ただし、
この価格変動が当グループの業績に影響を及ぼ
すのにはタイムラグがあるため、
この価格変動がただちに同じ期
2,100
の業績に反映されるとは限りません。
3)金属グループ
1,700
金属資源事業においては、中国をはじめとしたBRICs経済の
2003年後半から鉄鋼原料や非鉄金属の需給逼
急成長を背景に、
1,300
迫が顕著となっています。2006年3月期にはこの需給逼迫傾向
がさらに深まり、鉄鋼原料では年間契約価格が2005年3月期と
900
01.4
02.4
03.4
04.4
05.4
06.3
02.4
03.4
04.4
05.4
06.3
非鉄金属では現物需給の逼
比べて約2倍の値上げとなったほか、
迫に投機資金の流入が加わったことで、
銅を中心に年間を通じて
2005年の年間平均価格は、銅地金が2004
高値で推移しました。
年のポンド当たり1.3米ドルを3割弱上回る同1.7米ドルとなっ
たほか、
アルミ地金も2004年のトン当たり1,720米ドルから同
1,900米ドルに上昇しました。市況の上昇を受けて、主力のオー
ストラリア原料炭事業会社MDPが2006年3月期の当期純利益
銅価格の推移
(米ドル/ポンド)
2.5
2.0
2005年3月期の247億円の約4倍となる975億円を計上
として、
するなど、
金属資源関連の連結子会社の持分利益は大幅に増加し
1.5
ました。
1.0
現在、
需給の逼迫と市況の高騰を受けて、
鉱山の増産計画が相
次いでいますが、
増産効果が顕在化するまでには数年のリードタ
0.5
イムを要することや、
鉱山の増産ペースに地金製錬の能力拡大が
追いつかないこと、
また資機材価格高騰などプロジェクトコスト
2006年
の上昇により案件の実現が難しくなっていることから、
92
0
01.4
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
2006
の需給状況も引き続きタイトであることが予想されます。
また、
開発建設ビジネスでは、
近年急速に拡大を続ける不動産
年3月期の原料炭価格は史上空前の高水準で決着しましたが、
高
証券化・流動化関連ビジネスにも積極的に取り組んでいます。
騰した価格水準も沈静化に向かう方向にあり、
原料炭価格も前年
2005年末の時価総額ベースの市場規模は、J-REITが約3兆円、私
非鉄金属は主力
比で数%の下落で市場が形成されつつあります。
さまざまな不動産ファン
募ファンドは約3.3兆円にまで成長し、
の銅、
アルミともに最高値圏で推移しており、
連結子会社の2007
ド関連のビジネスチャンスを創出しています。
機械グループは新
年3月期の持分利益は、
MDP社を中心に、鉄鋼原料事業、非鉄金属
機能事業グループと協力して、
運用会社三菱商事・ユービーエス・
事業ともに、2006年3月期並みの高いレベルが維持されること
リアルテイの下で上場済みの商業施設特化型J-REIT日本リテー
を予想しています。
ルファンド投資法人の拡張に注力するとともに、
物流関連施設を
2005
鉄鋼製品事業は、
中国における鉄鋼需要の急増を背景に、
中心対象とするインダストリアル型J-REITの新設・上場を目指
年に世界の粗鋼生産が11億トンを突破し、
鉄鋼製品価格も高騰
しています。
さらに、
私募ファンドの運用会社
「ダイヤモンド・リ
2003年1月に設立されたメタルワン(当社
するという環境の下、
アルティ・マネジメント」
を通じ、
活発な国内外の機関投資家の参
60%、双日40%の共同出資会社)が2006年3月期の当期純利益と
画を得て、
私募ファンド
(商業施設・賃貸住宅)
の運用事業も順調
して、2005年3月期の227億円を大幅に上回る329億円を達成
に取り進め、
さらなる商圏の拡大に努力しています。
また、
これま
2007年3月期も、中国を中心にアジア地域の鉄鋼需要
しました。
で培った開発建設のノウハウ・知見を活かし、
これら不動産ファ
が増加することを根拠に市況が堅調に推移すると見込んでおり、
ンドの対象施設を自らが開発する
「開発型ビジネス」
にも積極的
メタルワンの当期純利益は2006年3月期並みの300億円を予想
に取り組んでいます。
しています。
5)化学品グループ
4)機械グループ
2006年3月期の世界の化学品市場は、アメリカでのハリケー
機械グループの自動車事業では、
いすゞ自動車と合弁で行って
ンの影響により石油化学製品の原料である原油・ナフサ生産が一
いるタイにおける商用車製造・販売ビジネスが収益の大きな柱に
時停滞したことに起因する短期的な需給変動などがあったもの
2006年3月期のタイ経済はGDP成長率が約5%と
なっています。
の、
原油価格の高止まりにより化学品市況は強含みで推移し、
一
好況が持続し、同国内の乗用車・商用車の総販売台数は 7 0 万
方で中国やインドをはじめとするアジアの旺盛な需要が継続し
3,000台と、過去最高となりました。このような自動車需要の伸
たことにより、
総じて需給はバランス状態で推移しました。
びを背景に、
タイ自動車事業の中核販社であるTri Petch Isuzu
2006年3月期の業績は、汎用化学品
この様な市場環境の中で、
Salesの販売も拡大し、2006年3月期は同社からの持分利益とし
分野での市場・市況の動向を的確にとらえたトレーディングが実
て93億円を計上しました。今後石油価格の高騰などの懸念要素
践できたこと、
機能化学品分野では、
バリューチェーンの強化策
2007年3月期も
はあるものの、
タイ経済は比較的安定しており、
が順調に進み、
分社・販社の活動も一層充実したことが寄与し、
過
同国内における自動車販売台数には引き続き伸長が期待されま
去最高益をあげることができました。
また、
先端化学品の分野に
す。
しかし一方で、
他自動車メーカーの新車投入などにより、
同国
おいても、
新たなビジネスモデルの育成への取り組みを進めるこ
市場での競争は激化すると思われます。
とができました。
重電機プラント輸出も機械グループにおける収益の柱の一つ
一方、
今後の化学品市場では、
大規模石油化学プラントの新増
2006年3月期も2005年3月期に続き主要市場であるアジ
です。
設が計画されている中東地域と、
堅調な需要増加が続く一方で国
ア(中国を含む)
・メキシコ・中東(サウジアラビア・ドバイ)など
内の生産能力の増加により、
需給バランスの予測が立ちにくい中
で、
サプライソースの多様化を図りながら多くのプラントあるい
国が市況を見通す上で重要性の高い地域となっています。
中東で
は地中電線案件を受注しました。
今後も中国・アセアン・欧州・中
2008年前後に計画されており、しば
の新増設ラッシュの多くは、
2010年まではこの
東など、
世界的に旺盛な設備需要が見込まれ、
らくの間は、
石油化学品を中心とした需給は、
概ねバランス状態
需要の伸びは続くものと予想されるため、
当社機能のさらなる強
で推移するものと思われますが、
原油高により原料コストは上昇
化を図りながら、
多くの成約を見込んでいます。
また、
これまでに
2006年後
する一方で川下分野では過当競争の影響も懸念され、
世界各国に納めた多数のプラントへのアフターサービスビジネ
半あたりより原料価格の転嫁が難しい局面を迎える可能性も否
スの拡大にも注力していきます。
定できず、
今後も市場の状況を注意深く見ていく必要があります。
93
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
短期的な市況は、
比較的安定して推移するとの見方が大勢では
分野では、食品メーカーやコンビニエンスストアなどのエンド
ありますが、
複雑化する中国市場の動きに加えて、
原料となる資
ユーザーとの取り組みを基盤に、
原料から製品まで、
総合的な供
源に影響を与える気象状況や地政学的リスクの動向にも十分注
給体制を強化します。
また、
タイヤ・機能材を中心とした自動車関
意を払いながら、
市場のニーズに対応するトレーディングや事業
連分野への取り組みにも注力していきます。
投資展開を一層拡大させていきたいと考えています。
6)生活産業グループ
5. 研究開発活動
生活産業グループの対面業界では、
消費者をターゲットに異業
2006年3月期の研究開発費は23億円でした。この研究開発費
種の参入も活発化し、
業界の垣根を越えた、
グローバルな競争が
の中には、
当社の事業開発部にて推進している再暗号化案件に関
激化しています。
衣食住の基盤となる国内の総人口が初めて自然
する費用、
エネルギー事業開発ユニットで開発を行っている高圧
減少に転じる一方で、
消費者の価値観はますます多様化し、
健康
に関する費用、
および連結子
縮水素エネルギー発生装置
(HHEG)
で快適な生活に対する志向の高まりや、
鮮度・こだわり・ブランド
会社のMDPで計上した探鉱費用などが含まれます。
といった差別化された価値への要求も高まっています。
今後一
層、変貌を続ける市場環境や、消費者ニーズを的確に把握し、商
6. 流動性と資金の源泉
品・サービスを瞬時に提供できる体制固めを実行しました。
1)資金調達方針と流動性マネジメント
中核となる食料分野では、
商社の原点とも言える商品力・調達
当社では事業活動を支える資金調達に際して、
低コストでかつ
力をさらに強化していきます。
食の安全・安心を第一に、
トレーサ
安定的に資金が確保できることを目標として取り組んでいます。
ビリティを確立し、
世界的な需給バランスも考慮し、
日本の
「食」
CPや社債などの直接金融と銀行借入な
資金調達に当たっては、
に貢献していきます。
また、
フルライン化、
差別化、
効率化といった
どの間接金融とを機動的に選択・活用しており、その時々での
中間流通の機能強化は、
引き続き重点施策として考えています。
マーケット状況での有利手段を追求しています。
当社は資本市場
菱食や明治屋商事、菓子卸のサンエスなどの関係会社に加え、
でのレピュテーションも高く、
低利での資金調達が可能となって
信頼できる顧客との取り組みを拡大し、
全国展開のネットワーク
いますが、
加えて間接金融についても、
メインバンク以外に外銀・
と、
地域の食文化にも密着した最適な流通体制を構築するととも
生保・地銀などの金融機関とも幅広く好関係を維持しており、
調
に、
中食・惣菜分野への取り組みも進めていきます。
達コストは競争的なものとなっています。
海外においても、
消費市場としての取り組みを図ります。
アメ
2006年3月期は、償還のピークを迎える長期資金を、引き続き
リカAGREXの穀物・大豆などのグローバルな調達力をベースに、
長期資金で置換することを基本方針とし、
調達を行いました。
こ
成長が期待されるアジア諸国への販売を拡大します。
欧州では、
の方針を踏まえ、
長期資金調達手段の多様化の一環として2005
M&Aも活用しなが
イギリスの食品・飲料会社Princesを中心に、
年3月期より実行しているシンジケートローンによる調達も継
ら、
さらなる事業の拡大を図ります。
600億円の資金を調達しました。ただし、全般的に
続的に実行し、
小売分野への取り組みでは、
ローソンの企業価値向上のため、
資金の回収基調が続いたこともあり、
コストターゲットを絞った
引き続き商品開発や業態開発支援などに注力し、また、2006年
調達を行ったことで調達額は期落額を下回りました。
この結果、
3月期に出資比率を引き上げたライフコーポレーションとの取
2006年3月末の当社でのグロス有利子負債残高約2兆5,000億円
り組みを強化していきます。
のうち、
約90%が長期資金と
(連結ベースでは約3兆8,000億円)
2006年4月に新設したライフスタイル本部では、
「衣」
・
「住」
を
、
その平均残存期間は約5年
なっており
(連結ベースでは約83%)
主体に、
生活関連分野への総合的な対面力を強化していきます。
2007年3月期は、成長戦略の推進により新たな
となっています。
SPA型企業(製造小売業)とアライアンスを組み、
衣料分野では、
長期資金の需要が見込まれますが、
量的緩和解除などによって金
衣料品のみならず、
靴、
家具、
雑貨を含めたクロスマーチャンダイ
融環境は大きく変化し、
歴史的な低コスト水準にある長期資金調
ジングをさらに拡大していきます。
また、
住宅資材分野では、
アメ
達環境は長く続かない可能性が高いと考えられます。従って、
リカ・中国でのセメント事業が引き続き好調を維持しており、
さ
CPを
引き続きコストを見極めつつ長期資金を調達する一方で、
らに
「住」
関連分野での取り組みを進める考えです。
紙・包装資材
従来以上に活用するという、
長期・短期のバランスの取れた資金
調達を行うことを基本方針としていきます。
94
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
また、
当社を中心に、
国内外の金融子会社、
海外現地法人などに
当社ではグローバルな資金調達とビジネスを円滑に行うため、
おいてそれぞれ資金調達を行い、
国内を中心とした事業投資先へ
ムーディーズ・インベスターズ・
格付投資情報センター(R&I)、
の資金供給をするというグループファイナンス方針を原則とし
サービス
(ムーディーズ)
、
スタンダード・アンド・プアーズ
(S&P)
2006年3月末では、原則化の対象となる事業投資先の
ています。
3社の現在の当社に対する
の3社から格付けを取得しています。
総有利子負債に占める、グループファイナンスの比率は約65%
R&IがAA–/a-1+(見通し安定的)、ムー
格付け
(長期/短期)
は、
となっています。
今後は、
海外事業投資先も含めて、
より安定した
(見通しポジティブ)
、
S&PがA/A-1(見通し
ディーズがA2/P-1
資金供給ができるような体制を目指し、
資金調達を当社本店や国
安定的)となっています。
内外の金融子会社に集中し、
また資金余剰のある事業投資先の余
2005年11月にS&Pは、当社を含む総合商社5社を格上げ方向
資を他の事業投資先の資金需要に機動的に活用できるような体
この後、
当社と
で見直すというCredit Watchの状態としました。
制整備を目指します。
のアニュアル・レビュー・ミーティングなどを経て、2006年2月
2006年3月末の流動比率は連結ベースで130%となっており、
にこのCredit Watchを解除し、当社の格付けを長期でA-からA
流動性の点で当社の財務健全性は高いと言うことができると
に、短期でA-2からA-1に1ノッチずつ引き上げると発表しまし
思われます。また、2 0 0 6 年 3 月末時点の当社、米国三菱商事、
S&Pはこの理由として、①利益の積み上げや資本増強に伴う
た。
Mitsubishi Corporation FinanceでCPおよび1年以内に償還を
自己資本の蓄積、②経営資源の「選択と集中」による収益性の改
予定している社債を合わせた短期の市場性資金が2,684億円で
善、
③リスク管理体制の強化をあげています。
一方で、
各商社とも
あるのに対して、
現預金、
一年以内に満期の到来する公社債、
売買
投融資を拡大させる傾向があるとし、
集中リスクの増大や予想を
目的有価証券、
フィーを支払って確保しているコミットメントラ
上回る投資の拡大などにより、
リスク資産とバッファーである自
カバー率は317%と十分な水準に
インが合計で8,497億円あり、
己資本のバランスが著しく悪化する場合には再び格下げとなる
あると考えています。
ちなみに、
当社のコミットメントラインに
こともあるとしています。
外貨で15億ド
ついては、
円貨で3,100億円を国内主要銀行より、
さらに、
ムーディーズは2006年6月に当社の格付けを見直した
ルを欧米主要銀行より取得しており、
本体のみならずグループ内
短期債務格付けをP-2から
結果、
長期債務格付けをA3からA2に、
関係会社への資金供給にも十分な流動性を確保しています。
P-1に引き上げ、見通しは引き続きポジティブとすることを発表
しました。
ムーディーズはこの格上げを、
当社の継続的かつ大幅
ROA)の向上と負債比率の改善、市況の
な主要財務指標
(純利益、
影響を受けやすいセグメントと他のセグメントのバランスを改
善するための将来の投資戦略、
および長期投資の対資本比率の改
善を財務上の重点課題としたことを評価した結果としています。
運転資本、
流動比率
(10億円)
(%)
1,600
200
1,200
150
800
100
当社はこのような格付け機関からの指摘も踏まえ、
引き続き利
益の蓄積による自己資本増加と新規投資額の増加のバランスを
注視していく方針です。
格付け
400
50
0
格付け機関名
長期/短期
格付投資情報センター
AA–/a-1+(見通し安定的)
ムーディーズ・インベスターズ・
サービス
A2/P-1(見通しポジティブ)
スタンダード・アンド・プアーズ
A/A-1(見通し安定的)
0
02.3
03.3
04.3
05.3
06.3
運転資本[左軸]
流動比率[右軸]
95
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
長期借入債務は2005年3月期と比較して910億円(3.1%)減
インタレストカバレッジレシオ
単位:10億円
営業利益 . . . . . . . . . . . . .
受取利息 . . . . . . . . . . . . .
受取配当金 . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . .
支払利息 . . . . . . . . . . . . .
インタレスト
カバレッジレシオ(倍). .
2004年
2005年
2006年
¥130.5
29.4
28.2
¥183.4
41.5
42.4
¥349.9
46.1
68.1
188.1
(40.0)
267.3
(43.2)
464.1
(50.5)
少し、2兆8,771億円となりました。当社で調達が増加したもの
の、転換社債の株式転換が進んだことにより全体では減少とな
りました。
長期繰延税金負債は2005年3月期から2,578億円(123.4%)
これは主に上場株式の含み益
増加して4,667億円となりました。
が増加したことによるものです。
4.7
6.2
9.2
(15.9%)
増加して2,677億円となり
少数株主持分は368億円
ました。
これは子会社での利益積み上がりによる影響が主な要因
(注)
営業利益=売上総利益−
(販売費および一般管理費+貸倒引当金繰入額)
2)資産および負債・資本
2006年3月期末の総資産は2005年3月期末より1兆3,179億
増加の10兆4,112億円となり、
10兆円の大台を超え
円
(14.5%)
ました。
増加して5兆
流動資産は2005年3月期比5,176億円(10.6%)
3,835億円となりました。これは、国内食料関連子会社の新規連
結およびエネルギー・金属資源関連の市況高騰により、
営業債権
が増加したことや、
当社・メタルワンで鉄鋼製品の価格上昇によ
り棚卸資産が増加したことなどによるものです。
(23.3%)
増
投資および長期債権は2005年3月期比6,446億円
これはサハリンIIプロジェ
加して3兆4,157億円となりました。
クトでの関連会社増資引き受け、海外民間発電(IPP)事業への
出資、
ライフコーポレーションの株式取得などに加え、
保有株式
の上場に伴う含み益の増加などにより投資残高が増加したこと
によるものです。
となっています。
資本合計は2005 年3 月期比8,748 億円(58.1% )増加の2 兆
3,793億円と前期に続いてさらに増加しました。当期純利益によ
る増加のほか、
保有している上場株式の未実現有価証券評価益が
当社
株価上昇により2,660億円の大幅増加となったことに加え、
での年金積立不足の解消により最小年金債務調整額が改善したこ
とや、
対米ドルおよび豪ドルでの円安により為替換算調整勘定が
改善したことにより、
資本合計では大幅な増加となりました。
また、
有利子負債総額から現金および現金同等物を控除した有
2006年3月期末は3兆1,487億円となり、
利子負債額
(ネット)
は、
2005年3月期末と比較して2,816億円の減少となっています。こ
の結果、
有利子負債額
(ネット)
を期末資本合計で除した有利子負
債倍率
(ネット)
は2005年3月期末の2.3倍から1.3倍に低下して
います。
ROIC
有利子負債、有利子負債倍率
(ネット)、
単位:10億円
MDPでの生産拡張に伴う設備投資、
有形固定資産については、
リース用航空機の取得などによ
海外IPP事業における設備投資、
2005年3月期比1,001億円(8.2%)増加して1兆3,273億円と
り、
なりました。
2005年3月期より4,063億円(5.5%)増
一方、
負債については、
2004年
短期借入金 . . . . . . . . . . . ¥1,025.2
長期借入金 . . . . . . . . . . . 2,987.2
株主資本 . . . . . . . . . . . . . 1,224.9
有利子負債倍率
(ネット)
(倍). . . . . . . . . . . . . . .
2.9
ROIC(基礎収益)
(%). . . .
3.9
2005年
2006年
¥1,115.4
2,927.1
1,504.5
¥ 860.7
2,885.1
2,379.3
2.3
6.0
1.3
8.7
7兆7,643億円となりました。
加し、
(7.3%)
増加して4兆
流動負債は2005年3月期より2,810億円
1,414億円となりました。当社・海外金融子会社で短期借入金の
返済がありましたが、
国内食料関連子会社の新規連結、
および市
況商品の価格上昇により営業債務の増加があったことにより、
全
体では増加となりました。
96
3)キャッシュ・フロー
2006年3月期の現金および現金同等物の期末残高は、2005年
3月期末に比べ773億円(13.6%)増加し、6,463億円となりまし
た。
これは、
主に2006年3月期の好調な営業活動による資金の増
加に伴うものです。
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
2006年3月期では、営業活動により資金は3,363億円増加しま
7. 戦略関連事象
した。
これはメタルワンで、
鉄鋼製品市況の好調による取引増加
1)経営課題と今後の方針
を背景に運転資金負担が増加したものの、
資源関連を中心とした
中期経営計画『INNOVATION 2007』
MDPの採
投資先からの配当収入が堅調に推移したことに加え、
当社は2004 年7 月に、4カ年の中期経営計画『INNOVATION
算向上による営業取引収入が大幅に増加した結果、
資金が増加し
“
。環
2007』を策定しました。本経営計画のテーマは「未来を拓く」
たことによるものです。
境変化の中で、
時代の波を捉えて中長期的な成長を続けること”
当社および
投資活動では、
資金は945億円減少となりました。
海外金融子会社で利鞘運用目的債券の償還による収入があった
ものの、サハリンIIプロジェクトや海外IPP事業、ライフコーポ
MDPでの生産拡張による設備投資
レーションへの投資に加え、
が
「未来を拓く」の定義です。
■ビジョン
本計画では、
「新・産業イノベーター」
というビジョンを掲げて
います。
などがあり、
全体で投資キャッシュ・フローは減少となりました。
これは、
あらゆる産業にグローバルなアクセスを持つ当社の強
上記の投資活動によるキャッシュ・フローのマイナス金額は、
みを活かして、
次世代を担う新しい仕事を生み出し、
産業を市場
営業活動によるキャッシュ・フローのプラス金額の範囲内に収
ニーズから捉え直して新しい仕組みを作ることで、お客さま、
まっており、
営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によ
産業界、広くは社会に貢献していこう、
というビジョンです。
るキャッシュ・フローの合計額であるフリー・キャッシュ・フロー
未来を拓きながら成長することにより、
社会に貢献する
「新・産
2,418億円のプラス
の金額は2005年3月期よりさらに増加して、
業イノベーター」
となることを目指しています。
となっています。
■経営計画の期間
財務活動では、メタルワンで運転資金見合いに借入を増加さ
本計画の対象期間は2005年3月期から2008年3月期までの4
せたことにより資金増となりましたが、
海外金融子会社で投資し
年間となっており、
「ホップ」
「ステップ」
「ジャンプ」のイメージ
ている債券の償還見合いに長期借入債務の返済があったことに
(2005・2006年3月期)
を
「ホップ」
期間、
後半の2
で、
最初の2年間
加え、グループ内部の資金を効率的に活用して返済を行った結
年間
(2007・2008年3月期)
を
「ステップ」
期間として、
その後に続
果、
全体で資金は1,879億円の減少となりました。
く
「ジャンプ」
期間に向けて中長期的な成長を遂げていくことを
目指しています。
■三つの基本コンセプト
かかる
「新・産業イノベーター」
を目指すため、
本計画では以下
(基本方針)
として、
経営施策を実行して
の3点を基本コンセプト
キャッシュ・フローの推移
います。
(10億円)
(中長期的な成長戦略)
① 変化を捉えて「未来を拓く」
400
② 人を活かし人を育てる(社員の活力とビジネス感度の向上)
300
③ 足場を固める(経営基盤の継続的強化)
200
(中長期的な成長戦略)
① 変化を捉えて「未来を拓く」
a. 中核ビジネスの徹底強化
100
今後も成長が期待され、当社の強みが発揮できる、天然ガ
0
資源型化学品、
ス、
石油資源、
金属資源、
自動車、
海外IPP事業、
食糧、
食品、
金融事業、
医療・介護関連事業などに経営資源を重
–100
02.3
03.3
04.3
05.3
06.3
点的に投下します。
営業活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フロー
フリー・キャッシュ・フロー
97
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
「ホップ」
期間においては、
サハリンや西オーストラリアの
b. 内部統制体制については、コンプライアンスを徹底し、適正な
LNGプロジェクト、アメリカ・メキシコ湾などでの石油・ガス
財務報告を行い、
かつあらゆるリスクを系統立てて把握・管理
探鉱・開発事業、
オーストラリア石炭事業、
三菱自動車工業株
し、
業務を効率的に遂行できるようにするため、
連結ベースで
サウディSPDC
式取得、
いすゞ自動車株式取得、
海外IPP事業、
の体制の一層の強化と継続的な改善を図っています。
株式取得、
国内食品流通事業・食品メーカーへの投資、
REIT事
c. 連結経営情報を正確かつ早期に把握する体制の整備や、ITを
2年間合計で約7,000億円の投資
業などに積極的に取り組み、
を実行しています。
b. 社会やお客さまのニーズを捉えた新しいビジネスの開拓
従来のビジネスを社会やお客さまのニーズの面から捉え
■本計画の定量目標の見直し
の前半の2年間となる
「ホップ」
期間で
『INNOVATION 2007』
は、
事業領域の
「選択と集中」
の成果に加えて、
エネルギーや資源
直して、
既存の営業グループの枠組みを超えた新しいビジネ
価格の高騰などもあり、
連結純利益は2005年3月期が1,824億円、
スの創出や拡張を目指していきます。
主な分野として、
当社の
2006年3月期が3,500億円と、3年連続で最高益を更新しました。
知見を活かした産業金融、
消費者起点、
医療・介護関連、
環境関
2007
今般
「ホップ」
期間の実績や昨今の経営環境も踏まえて、
連、
新技術関連のビジネスなどに取り組んでいく方針です。
② 人を活かし人を育てる(社員の活力とビジネス感度の向上)
年3月期から2008年3月期までの「ステップ」
期間の計画につい
て見直しを行いました。
人材の育成や確保、
社員の活力向上に向けて、
以下の整備と環
「ステップ」
期間は、
次の
「ジャンプ」
期間に一段と高いステージ
境作りを進めています。
その取り組みを一元的に強化するため、
へ飛躍するための仕込みの期間と位置づけ、
将来のさらなる成長
2006年4月にHRD(Human Resources Development)センター
に向けての投資を2年間で1兆2,000億円程度実行する計画です。
を設立しました。
このような新規投資や既存事業の強化を通じて、
本計画終了後の
a. 成長を支える人材の育成と確保
ビジネス感度の高い人材の育成が重大な責務という意識
の下、
当社の基本である、
お客さまのニーズに応えてビジネス
を構築する信頼感のある人材のさらなる育成に加えて、
連結
経営を支える事業投資先経営者やCFO人材の確保や育成に、
長期的視点から取り組んでいます。
b. 社員の活力向上に向けた人事制度の整備
社員のモチベーションを高め、
最大限に活力を高められる
よう、
評価制度や研修制度など人事制度の整備に継続的に取
り組んでいます。
③ 足場を固める(経営基盤の継続的強化)
成長戦略を支える経営基盤のさらなる強化に取り組んでい
ます。
a. 事業領域の「選択と集中」を進めるためのビジネスユニット
制やMCVA、
およびバランスシート管理といった経営の
(BU)
基本的枠組みの下、
ポートフォリオマネジメントの一層の推
進を図っています。
98
活用した経営システムの再構築を行っています。
「ジャンプ」
期間には連結純利益4,000億円以上を目指します(*)。
中長期的な平均として15%
また経営指標としてROEを重視し、
の実現を目指していきます。
「ステップ」
期間初年度にあたる2007年3月期の連結純利益は、
当期実績3,500億円を200億円上回る3,700億円の見通しです。
* 現状の経済環境が大きく変化しない場合の目標であり、経済環境が大きく
( )
変化した場合には見直す場合があります。
■ステークホルダーについて
当社は、
「株主・債権者」
「お客さま・パートナー」
「従業員」
の3者
を中心とした
「ステークホルダー・トライアングル」
という考え方
の下、
すべてのステークホルダーに評価される企業を目指してい
ます。
2)利益配分に関する基本方針
当社は、
内部留保の活用による企業価値の最大化を引き続き基
本方針としながら、
各期の連結業績も勘案して株主への直接的な
利益還元を行う業績連動的な配当の考え方を2005年3月期から
。
取り入れました
(2005年3月期の1株当たりの配当は18円)
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
今後も、
旺盛な投資機会があることから内部留保を成長のため
また、
当社はもともと本体にあったLPG事業部門を会社分割に
の投資に活用していくことを基本方針とし、
配当は、
投資のため
より切り出し、
当社の子会社である三菱液化瓦斯がその事業を承
の資金需要や単体の財務状況なども考慮しながら、
連結配当性向
継した上、
出光興産の100%子会社である出光ガスアンドライフ
15%以上を目安に弾力的に決定していきます。
LPG事業部
と合併させることを決定しました。
この事業再編は、
上記方針の下、2006年3月期の1株当たりの配当金額は、連結
業績の伸びも勘案し、35円としました。
門において、
当社と出光興産が輸入・トレーディング、
国内物流、
販売のすべての分野で統合することを目的としており、
その結
2007年3月期の1株当たりの配当金額は、連結当期純利
また、
果、事業規模拡大に加えシナジー効果を最大限に発揮すること
益が現状の見通しである3,700億円となった場合には35円程度
で、強い競争力を持った新会社を創出するということを企図し
とする予定です。
ています。この新会社は、2006年4月1日より、アストモスエネ
3)主たる投資活動および事業再編
ルギー株式会社という名称で、
日本のLPG需要の20%の供給を
当社は2005年8月に、
首都圏・近畿圏をベースに食品スーパー
マーケットを展開するライフコーポレーションの株式を追加取
得し、
それまでに取得していた株式と合わせ、
出資比率を20.7%
にまで高め、
持分法適用関連会社としました。
同社には1992年よ
担う国内最大のLPG元売りとして営業を開始しています。
4)2007年3月期の見通し
2007年3月期の連結売上高は、当期とほぼ同額の19兆2,000
億円を予想しています。
り両者関係強化の一環として、
役員派遣を行ってきましたが、
食
売上総利益については、
金属や食料関連の子会社が堅調に推移
料ビジネスなどを通じ、
より一層の関係強化を図り、
同社の企業
することから、当期を585億円上回る1兆1,100億円を見込んで
価値向上に向けて協力していく方針です。
います。
2006年3月には、香港を拠点として発電・配電事業を行って
当期純利益は、
売上総利益が増加するため、
金利の上昇により
アジアにおける発電
いるCLP Holding Limitedとの合弁により、
支払利息の増加が予想されるものの、当期を 200 億円上回る
事業の開発、運営を行う新会社 One Energy Limitedを設立し
3,700億円を予想しています。
ました。当社は、
従来より海外IPP事業を中核事業の一つと位置
なお、
業績見通しの算出に際しては、
為替レートは110円/米
づけ、アメリカを中心に積極的に業容の拡大を図ってきました
金利
(TIBOR)
は0.30%を前
ドル、
原油価格は55.0米ドル/BBL、
が、
今回、
着実な電力需要の伸びが期待できるアジア市場におい
提としています。
ても、
戦略的な取り組みを強化するため、
アジア有数の電力会社
当
であるCLPグループと合弁事業を立ち上げることとしました。
およびCLPグループの技
社の海外でのIPP実績とネットワーク、
術的知見を持ち寄り、
今後積極的に東南アジア、
台湾を中心とし
た地域での新規発電事業の開発、
既存発電資産の買収を手掛ける
計画です。
99
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
主要取引国・地域の名目GDP成長率
主要通貨の為替レート推移
(%)
(円)
150
20
100
10
50
0
0
–10
01.4
米ドル
ユーロ
02.4
03.4
04.4
05.4
06.3
01
豪ドル
元
日本
アメリカ
中国
02
03
04
05
ブラジル
インド
アジア8カ国・地域(シンガポール、タイ、インドネシア、
フィリピン、マレーシア、香港、韓国、台湾)
(参考)前提条件の推移
為替レート
(¥/US$)
原油価格
(US$/バレル)
金利
(TIBOR、
%)
2007年3月期(予想)
2006年3月期(実績)
増減
110.0円/米ドル
55.0米ドル/BBL
0.30%
113.3円/米ドル
53.5米ドル/BBL
0.09%
▲3.3円/米ドル
+1.5米ドル/BBL
+0.21ポイント
(注意事項)
本アニュアルレポート資料における業績予想や将来の予測などに関する記述は、
現時点で入手された情報に基づき合理的と判断した予想であり、潜在的なリスク
や不確実性その他の要因が内包されています。
従いまして、実際の業績は、
見通しと大きく異なる結果となる可能性があります。
8. 事業等のリスク
1)世界マクロ経済環境の変化によるリスク
で自動車の組立工場、
販売会社、
販売金融会社を設立し、
広範な自
当社はグローバルにビジネスを展開しており、
当社の業績も世
動車事業を展開しています。
自動車の販売数量はこれらの国の内
界のいくつかの国々の景気動向と連関しています。
日本の景気動
需に連関するため、
タイ、
インドネシア両国の経済動向は当社の
向が重要なことは言うまでもありませんが、
海外における事業に
自動車事業から得られる収益に大きく影響を与えることになり
注力した結果、
日本の景気が当社業績に与える影響は、
近年相対
ます。
的に小さくなってきています。
一方、
貿易相手国の中心であり、
事
2)市場リスク
業投資も数多く行っているアジア諸国の景気動向の当社業績へ
の影響は大きくなっています。
中国はプラント、
建設機械用部品、
鉄鋼製品、
鉄鋼原料、
化学品
100
タイ、
インドネシアでは、
当社は日本の自動車メーカーと協同
(以下、
持分損益への影響額の試算は、
ほかに記載のない限り、
当社の2006年3月期の連結業績に基づいています。)
① 商品市況リスク
などの主要輸出先であるため、
中国経済の動向は当社の業績に直
当社では商取引や、
資源エネルギーの権益を保有しての生産物
接的に影響を及ぼすのに加え、LNG・原油などのエネルギー資
の販売、
事業投資先の工業製品の製造・販売をすることなどの活
源、
原料炭・銅・アルミなどの金属資源などの価格は中国の需要動
動においてさまざまな商品価格の変動リスクを負っています。
当
向で大きく左右され、
その点で当社の資源ビジネスも影響を受け
社の業績に大きな影響を与える商品分野として次のようなもの
るということが言えます。
が挙げられます。
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
(エネルギー資源)
また、
サウディ・アラビア、
マレーシア、
ベネズエラではエチレ
当社は西オーストラリア、
マレーシア、
ブルネイなどにおいて
ングリコール、
パラキシレン、
メタノールなど石油化学品の製造・
LNGや原油の上流権益あるいはLNG液化設備を保有しており、
販売会社に出資しており、
これらの会社の業績も市況の影響を受
LNGや原油の価格変動はそれらの事業の業績に大きな影響を与
け、
当社の持分法投資損益に影響を与えます。
えます。LNG の価格は基本的に原油価格にリンクしており、1
② 為替リスク
バーレル当たりの原油価格が1米ドル変動することで、
当社の連
当社は輸出入、
および外国間などの貿易取引において外貨建て
結純利益は主に持分法による投資損益の変動をとおしてLNG・原
の決済を行うことに伴い、
円に対する外国通貨レートの変動リス
ただし、
LNGや原油の価格
油合わせて約10億円程度変動します。
クを負っています。これらの取引では先物為替予約などによる
変動が当社の業績に影響を及ぼすまでにはタイムラグがあるため、
ヘッジ策を講じていますが、
それによって完全に為替リスクが回
価格変動が直ちに業績に反映されるとは限りません。
避される保証はありません。
(金属資源)
また、
海外における事業からの受取配当金や海外連結子会社・
当社はオーストラリアの100%子会社Mitsubishi Develop-
持分法適用関連会社の持分損益の連結純利益に占める割合が比
ment Pty(MDP)を通じて、鉄鋼原料となる原料炭を中心に年間
較的高く、
これらの収益の多くが外貨建てであり当社の報告通貨
29百万トン強の石炭を生産し販売していますが、石炭価格の変
が円であることから、
外国通貨に対して円高が進むと連結純利益
動はMDPの収益変動を通じて当社の連結業績に影響を与えるこ
にマイナスのインパクトを与えます。
当社の試算によると、
米ド
とになります。
石炭の販売については、
大半が年間契約ベースに
連結純利益に約19億円の変動
ル・円のレートが1円変動すると、
なっており、
年一回の需要家との交渉によって決定された価格
をもたらします。
が、向う1年間の船積みに適用されることになっています。よっ
さらに、
当社の海外事業への投資については、
円高が進行する
2007年3月期についてはすでにMDPの販売する石炭につい
て、
と為替換算調整勘定を通じて自己資本が減少するリスクがあり
ては大半の価格が決まっているため、
年度内での市況変動が当社
ます。
このため、
大口の新規投資については為替リスクのヘッジ
業績に及ぼすインパクトは小さいと言えます。
石炭の年間契約価
を原則とするなど、
外貨建てのエクスポージャーが拡大しないよ
格の変動が当社の連結純利益に及ぼす影響を、2007年3月期の
う施策を実行していますが、
完全にリスクが回避できるわけでは
MDPの業績見込みをベースに試算すると、MDPの販売する石炭
ありません。
約20億円の変動
の輸出平均価格でトン当たり1米ドルの変化は、
③ 株価リスク
MDPの業績は石炭の価格以
をもたらすこととなります。
ただし、
取引先や関連会社を中心に約1兆
当社は2006年3月末時点で、
外に豪ドル・米ドル・円の為替レートや生産コスト、
および販売数
7,400億円(時価ベース)の市場性のある株式を保有しており、株
量などの変動によっても大きく影響を受けるため、
上記の感応度
価変動のリスクを負っています。
同時点での市場価格により評価
のみで単純に決定されるものではありません。
株価の動向
すると、
約1兆1,000億円の含み益となっていますが、
銅・アルミニウムについても、
生産者としての価格変動リスク
次第で含み益は減少するリスクがあります。
を負っています。
銅については1トン当たりの価格が100米ドル
また、
株価の下落は年金資産の目減りを通じて年金の積立不足
アルミニウムについては
変動すると持分損益で約4.5億円の変動、
を増加させ、
ひいては年金費用を増大させるリスクがあります。
1トン当たりの価格が100米ドル変動すると持分損益で10億円
このため、
年金資産の運用に当たり、
いわゆる絶対利回り追求型
の変動をもたらすと試算されます。
の手法
(市場インデックスの変動に影響されず、
一定のリターン
(石油化学製品)
当社はナフサや天然ガスを原料として製造される石油化学製
品の貿易取引を広範に行っています。石油化学製品はこれら原
を上げることを目標とする運用手法)
を採り入れた運用方針を採
用していますが、
株価の下落による影響を完全に排除できるわけ
ではありません。
料市況ならびに需給バランスなどの要因から、
製品ごとに固有の
市況を形成しており、
その変動は当該取引から得られる収益に影
響を及ぼします。
101
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
④ 金利リスク
(短期借入金および
当社の2006年3月末時点の有利子負債総額
当社では海外の会社との取引や出資に関連して、
当該会社が所
から債務の時価評
長期借入債務
(1年以内の期限到来分を含む)
在している国の政治・経済情勢に起因した、
代金回収や事業遂行
一部を除いて
価の影響を除いた金額)
は約3兆8,000億円であり、
の遅延・不能などが発生するカントリーリスクを負っています。
変動金利となっているため、
金利が上昇する局面では利息負担が
カントリーリスクについては、
保険を付保するなど第三者への
増加するというリスクがあります。
ヘッジを原則とし、
案件の内容に応じて適切なリスクヘッジを講
このうちの相当部分は金利の変動により影響を受ける営業債
じています。
また、
リスクを管理するために、
カントリーリスク委
権・貸付金などと見合っており、
金利の変動リスクは、
タイムラグ
員会を設置し、
本委員会の下にカントリーリスク対策制度を設け
はありますが、
相殺されることになります。
また、
純粋に金利の変
ています。
カントリーリスク対策制度では、
国ごとの信用度
(国別
動リスクにさらされている部分についても、
見合いの資産となっ
レーティング)
およびカントリーリスク管理上の裸リスクマネー
ている投資有価証券や固定資産からもたらされる取引利益、
配当
(出資、
融資、
保証、
および貿易債権額からヘッジ額を控除した額
金などの収益は景気変動と相関性が高いため、
景気回復の局面に
区分ご
の合計)に基づき取引対象国を6つの管理区分に分類し、
おいて金利が上昇し支払利息が増加しても、
見合いの資産から得
とに裸リスクによる枠を設定することでリスクの積み上がりを
られる収益も増加し、
結果として影響が相殺される可能性が高い
コントロールしています。
と考えられます。
このような金利などの市場動向を注視し、
機動
しかしながら、
上記のようなリスクヘッジ策を講じていても、
的に市場リスク対応を行う体制を固めるため、
当社は資金調達政
当社の取引先や出資先、
もしくは当社の進行中のプロジェクト所
ALM(Asset
策の立案や金利変動リスクを管理する機関として、
在国や地域の政治・経済・社会情勢の悪化によるリスクを完全に
Liability Management)委員会を設置しています。
回避することは困難です。
そのような事態が発生した場合、
当社
ただし、
金利の上昇が急である場合には、
影響を相殺しきれず、
の業績は大きな影響を受ける可能性があります。
当社の業績は一時的に影響を受ける可能性があります。
現状、
単
ちなみに、2006年3月期末での当社の取引主要国におけるリ
体ベースで円金利(短期)が1%上昇することによる税引前利益
スクマネーは次のようになっています。インドネシア、タイ、韓
の悪化は約80億円と試算されます。
国、マレーシア、
中国、香港、
フィリピンのアジア7カ国に対して
3)信用リスク
(貿易保険などでヘッジさ
の出資・融資・保証の総額は5,699億円
当社ではさまざまな営業取引を行うことによって、
売掛金、
前
、
貿易債権額は2,256億円であり、
メ
れていない額は5,007億円)
渡金などの取引与信、
融資、
保証および出資などの形で取引先に
キシコ、
ブラジルの中南米2カ国に対しての出資・融資・保証の総
対して信用供与を行っており、
取引先の信用悪化や経営破綻など
額は938億円(貿易保険などによりヘッジされていない金額は
による損失が発生する信用リスクを負っています。
また、
当社は
923億円)、貿易債権額は148億円です。また、ロシアに対しての
主としてヘッジ目的のためにスワップ、
オプション、
先物などの
(貿易保険などによってヘッ
出資・融資・保証の総額は2,341億円
デリバティブ取引を行っており、
デリバティブ取引の契約先の信
で、
貿易債権額は8億円となっ
ジされていない金額も2,341億円)
用リスクというものも負っています。
ています。
当社では当該リスクを管理するために取引先ごとに信用限度
102
4)カントリーリスク
5)事業投資リスク
額・成約限度額を定めると同時に、
社内格付け制度を導入し、
社内
当社は、
株式・持分を取得して当該企業の経営に参画し、
事業の
格付けと与信額により定めた社内規程に基づき、
与信先の信用状
拡大やキャピタル・ゲイン獲得などを目指す事業投資活動を行っ
態に応じて必要な担保・保証などの取り付けを行うことにより、
ていますが、
この事業投資に関連して投下資金の回収不能、
撤退
リスクヘッジを講じています。
の場合に追加損失が発生するリスク、
および計画した投資採算が
しかしながら、
こうしたリスクヘッジ策により、
信用リスクが
確保できないなどのリスクを負っています。
事業投資リスクの管
完全に回避されるという保証はなく、
取引先の破綻などにより債
理については、
まず新規の事業投資を行う場合には、
投資のリス
権などが回収不能になった場合には当社の業績は影響を受ける
クを定量的に把握し、
リスクの度合いに応じて社内で定めた最低
ことになります。
期待収益率を上回っているか否かを評価し、選別を行っていま
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
す。
投資実行後は、
事業投資先ごとに、
毎年定期的に
「経営計画書」
20%権益を保有する当社の、2006年3月末の同社への投資額は
を策定し、
投資目的の確実な達成のための管理を行う一方で、
早
約2,400億円となっています。
期の持分売却・清算による撤退を促す
「EXITルール」を採用する
ことで、効率的な資産の入れ替えを行っています。
本プロジェクト第二段階開発の総予算は、
最終投資決定の時点
その後、
詳細な技術
で約100億米ドルを想定しておりましたが、
このような投資の段階での案件の選別、
投資実行後の管理を厳
検証の結果、
設備の設計変更などによる追加費用の発生・建設工
格に行っていますが、期待する採算があがらないというリスク
事遅延による費用増加、
世界的な燃料費、
鋼材価格や関連業界の
を完全に回避することは不可能であり、
当該案件からの撤退など
マーケットの上昇、
労務費用の高騰、
環境対策費用の増大などに
に伴って、損失が発生する可能性があります。
より約200億米ドルとなることが判明しました。これに関して
6)重要な投資案件に関するリスク
2005年9月にロシア政府との取り決めに基づき、サハリン・
は、
① 三菱自動車工業への取り組み
エナジーから現段階での総開発コストについての資料をロシア
当社は、三菱重工業、東京三菱銀行(現三菱東京 UFJ銀行)な
どとともに、2004年5月に公表された三菱自動車工業株式会社
側に提出しています。
2006年3月末
なお、
本プロジェクトの建設工事の進捗割合は、
の
「事業再生計画」
の実現に向けて、2004年6月に同社が発行し
で約70%まで進んでいます。
た優先株式の第三者割当に応じて、400億円の引き受けを行い
7)コンプライアンスに関するリスク
ました。
また、その後2005年1月に発表された「三菱自動車再生計画」
当社は、
国内外で多くの拠点を持ち、
あらゆる産業を事業領域
としてビジネスを展開していることから、
関連する法令・規制は
の評価を行い、
同社の要請に応じて上記3社で第三者割当増資を
多岐にわたっています。具体的には日本の会社法、税法、
証券取
同社が2005年3月に発
引き受け、
総額2,740億円の増資のうち、
引法、
独占禁止法、
貿易関連諸法、
環境に関する法令や各種業法を
行した普通株式と優先株式を引き受け、
それぞれ513億円と187
遵守する必要があり、
また海外で事業を展開する上では、
それぞ
億円の払い込みを行いました。
また、
2006年1月に同社の資本増
れの国・地域での法令・規制に従う必要があります。
強策の一環として追加的に優先株式を300億円引き受けました。
当社はコンプライアンス委員会を設け、
その委員会を統括する
この結果、同社に対するリスクエクスポージャーは2006年3月
チーフ・コンプライアンス・オフィサーが連結ベースで、
当社グ
末で約2,700億円となっています。
ループ全体の法令・規則遵守を指揮・監督し、
コンプライアンス意
なお、
当社は三菱自動車工業との直接取引のほか、
アジアでの
識を高めることに努めています。
販売会社事業、
欧州での販売金融事業など、
世界各国でタイアッ
しかしながら、
このような施策を講じてもコンプライアンス上
プし、
主に現地での販売会社およびその先の川下バリューチェー
のリスクは完全に回避できるわけではなく、
関連する法令・規制
ン分野での事業を展開しています。
このような取引にかかわる営
上の義務を実行できない場合には、
当社の事業および業績は影響
業債権、
共同事業への出資などに、
上記の三菱自動車工業本体へ
を受けることとなります。
のリスクエクスポージャーを合わせると、
当社の三菱自動車工業
関連でのリスクエクスポージャーは2006年3月末で約4,200億
円となっています。
② サハリンIIプロジェクトへの投資
9.重要な会計上の見積もり
財務諸表の作成に当たり、
経営者は、
決算日における資産およ
び負債の報告金額、
偶発資産および負債の開示、
報告期間におけ
当社は、ロイヤル・ダッチ・シェル、三井物産とともに、3社合
る収益および費用の報告金額に影響を与えるような見積もりを
弁企業サハリン・エナジーを通じて、サハリン II プロジェクト
行う必要があります。
当社の経営者は、
債権、
投資、
長期性資産、
棚
に参
(ロシア・サハリン島におけるLNG・原油開発プロジェクト)
卸資産、
収益の認識、
法人税、
資金調達業務、
事業再構築に伴う費
1999年7月より第一段階開発
画しています。
本プロジェクトは、
用、
退職給付制度、
偶発事象および訴訟などについて見積もりお
2003年5月に第二段階開発(現在半年
として原油生産を開始し、
よび判断を行っており、
これらを継続的に検証しています。
これ
の最終投資決定
(Final
生産中の原油の通年生産およびLNG生産)
らの見積もりおよび判断は、
過去の経験やその時点の状況として
Investment Decision )を行いました。サハリン・エナジーの
妥当と考えられるさまざまな要素に基づき行っており、
他の情報
103
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
源からは得られない資産および負債の帳簿価額について当社の
営者としても管理不能な不確実性を含んでおり、
予測不能な前提
判断の基礎となっています。
ただし、
前提条件や事業環境などに
条件の変化などにより債権の評価に関する見積もりが変化した
変化が見られた場合には、
見積もりと将来の実績が異なることも
場合には、
将来当社が追加で貸倒引当金を設定する可能性もあり
あります。
ます。
当社における重要な会計上の見積もりは以下のとおりです。
以
2)投資の評価
下の項目は、
不確定要素が極めて多い時点で、
見積もりを行う目
当社の投資は負債証券および持分証券で構成されており、
原価
的から前提条件を決定する必要があり、
また、
当期使用すること
法または持分法で会計処理しています。
投資の評価は、
時価の変
が可能であった他の仮定に基づいた場合などには財政状態また
動の影響を受けやすい中で経営者に回復可能性の判断を要求す
は経営成績に対して重大な影響を与え得ることから、
当社は以下
ることに加え、
当社の投資残高は重要性が高く多額の減損損失が
の項目を重要と判断しています。
発生する可能性があるため、
会計上の見積もりにおいて重要なも
1)債権の評価
のとなっています。
当社の売上債権、
受取手形および貸付金の残高は多額であるた
投資の減損判定については、
価値の下落が一時的か否かを検討
め、
債権の評価は会計上の見積もりにおいて重要なものとなって
しています。
その際には、
公正価値が投資の帳簿価額を下回って
います。
いる期間および下落の程度、
公正価値の回復が十分見込まれる期
当社は、
顧客の評価を継続して行っており、
支払実績および信
間まで投資を保有し続ける意思と能力が当社にあるかなどを基
用情報の査定に基づく現在の顧客の与信能力に基づき、
個々の与
に、
時価が帳簿価額を上回るまで回復可能かどうかを検討してい
信限度枠を調整しています。
当社は、
顧客の支払および回収状況
ます。
具体的には、
売却可能有価証券については市場価格を、
持分
を常にモニタリングしており、
回収が問題視される債権の内容、
法により会計処理された投資およびその他の投資については、
こ
過去の貸倒実績、
回収の趨勢、
債権残高に対する損失発生の潜在
れに加えて、
発行企業の財政状態、
経営成績、
経営環境、
事業計画
性の評価、
格付け機関による評価およびその他の情報に基づき、
およびこれらを基にした将来の見積キャッシュ・フローなどの要
それぞれの顧客に対して与信枠と貸倒引当金を設定しています。
素を考慮しています。
また当社は、
特定の顧客に対して、
貸倒引当金の見積もりをより
適切に行うべく、
その財政状態や与信の状況、
債権の回収状況を
投資価値に一時的でない下落が認められた場合、
投資の公正価
値と帳簿価額の差額について評価減を実施しています。
個々にモニタリングしています。
さらに、
長期債権の評価につい
2004年、2005年および2006年3月期において、当社は、上記に
ては割引キャッシュ・フロー法に基づく評価を実施しており、
評
関する見積もりおよび判断の下、
主に売却可能有価証券、
関連会
価に当たっては将来の返済計画予想および割引率などの前提条
社に対する投資およびその他の投資の一部について評価減を実
件を使用しています。
2005年3月期末では、貸倒引当金は2004年3月期末比96億円
849億円および81億円を、連結損
施しており、
それぞれ390億円、
益計算書上、有価証券損益に計上しています。
減少し1,574億円となりました。
2006年3月期末には、イ
(5.7%)
2005年3月期において、31.7%保有の持分法投資であ
当社は、
ラク向け債権の一部切り捨てを実施したことから、
貸倒引当金は
544億円ののれんの減損処理を実
るローソン宛の投資について、
2005年3月期と比べて604億円(38.4%)減少し、970億円となり
施しました。
ローソンに対する投資の公正価額については、
当社
ました。貸倒引当金の全債権(長期短期合計)に占める割合は、
による将来のキャッシュ・フロー予測、
加重平均資本コスト、
ロー
2 0 0 5 年 3 月期末および 2 0 0 6 年 3 月期末において、それぞれ
ソン株の市場取引価格を基にして独立した鑑定人が割引キャッ
4.2%、2.5%となっています。
シュ・フロー分析法を用いて算出していますが、
投資簿価と市場
経営者は、
債権の評価に当たり行っている見積もりは合理的で
取引価格との間の乖離が長期間にわたり発生していることを勘
あり、
貸倒引当金は十分に計上され、
債権が回収可能な額として
2004年12月末に減損処理を実施しました。この減損損失
案し、
計上されていると判断しています。
ただし、
これらの評価には経
はローソンに対する投資の帳簿価格と2005年12月末の市場価
格との差額です。
104
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
経営者は、投資の公正価値およびその下落が一時的か否かの
経営者は、
減損の事実の有無に関する判断および、
割引キャッ
評価は合理的であると判断しています。ただしこれらの評価に
シュ・フローや公正価値の見積もりに関する評価は合理的である
は、
経営者としても管理不能な不確実性を含んでいるため、
予測
と判断しています。
ただし、
これらの見積もりには経営者として
不能な前提条件の変化などにより投資の評価に関する見積もり
も管理不能な不確実性を含んでいるため、
予測不能な前提条件の
が変化した場合には、
結果として将来当社が追加で評価減を実施
変化などにより長期性資産の評価に関する見積もりが変化した
する可能性もあります。
場合には、
結果として将来当社が追加で減損損失を認識する可能
3)長期性資産の減損
性もあります。
当社は、
保有しかつ使用する長期性資産および売却による処分
4)年金債務
予定の長期性資産の帳簿価額について、
帳簿価額を回収できない
従業員の退職給付債務および費用は、
年金数理人が計算に用い
ことを示すような事業環境の変化や事象が発生した場合には、
減
る前提条件に影響を受けます。
特に割引率と長期期待収益率は、
退
損の有無の判定のため再評価しています。
継続使用の長期性資産
職給付債務および費用を決定する上で重要な前提条件であり、
当
については、
帳簿価額と当該資産にかかわる割引前の将来見積
社では、
少なくとも年に一度、
または重要な前提条件に大きな影響
キャッシュ・フロー総額を比較することにより、
その回収可能性
を与える事象が発生した場合には、
これらを再評価しています。
を検討しています。
また、
売却による処分予定の長期性資産は、
帳
割引率は、
測定日時点における、
従業員への給付が実行される
簿価額と、
売却費用控除後の公正価値のいずれか低い額により評
までの予想平均期間に応じた優良債券の利回りに基づき決定し
価しており、
減価償却の対象とはしていません。
売却以外の方法
2005年3月期において、これを0.5ポイント引
ています。
当社は、
による処分予定の長期性資産は、
継続使用の長期性資産として取
2006年3月期末には、期末におけ
き下げ2.4%に設定しました。
り扱っています。
る長期金利水準の上昇を受け、
これを0.2ポイント引き上げ2.6%
当該資産の帳簿価額が将来見積キャッシュ・フローを上回る場
合には、
その資産の公正価値と帳簿価額の差額を減損損失として
認識しています。
に設定しました。
長期期待収益率は、
投資方針、
運用収益の過去の実績、
資産の配
分およびこれらの将来見通しを考慮の上決定しています。当社
長期性資産の公正価値は、
主に第三者による鑑定評価または割
2005年3月期において、これを3.1%として退職給付費用を
は、
引キャッシュ・フロー法に基づき見積もっています。
これらの評
計算しましたが、2006 年3 月期には、国内株式市況の回復など
価には、
将来の市場の成長度合、
収益と費用の予想、
資産の予想使
を背景として運用収益が上向いたことから、
これを0.2ポイント
用期間、割引率などの前提条件を使用しています。
引き上げ3.3%として退職給付費用を計算しました。
2004年、2005年および2006年3月期において、当社は、上記に
米国会計基準上、
実績と前提条件との差異については、
累積さ
関する見積もりおよび判断の下、
保有する長期性資産について減
れ、
将来の期間にわたって償却することになるため、
通常将来に
2005年および2006
損損失を認識しています。
これらは2004年、
認識される退職給付債務および費用に影響を及ぼすことになり
年3月期において、それぞれ190億円、290億円および53億円と
ます。
なっており、
連結損益計算書上、
固定資産損益に計上しています。
経営者は、
年金数理計算上使用される前提条件と方法は適切で
2006年3月期において、主に競争激化による事業環境
当社は、
あると判断しています。
ただし、
前提条件と実際の結果が異なる
悪化に伴う収益性の低下や、
経営方針の変更に関連して、
減損の
場合、
または前提条件の変更がある場合には、
当社の退職給付債
兆候が認められた物流センター、
賃貸業用倉庫、
土地、
衛星事業関
務および費用に影響を与えることもあります。
連設備に対して再評価を実施し、
これらに対して減損損失を認識
5)収益の認識
しました。
当社は、
多種多様な商品取引およびこれに伴う販売先または仕
入先に対してのファイナンスや、
国際的なプロジェクト案件の構
築などに取り組んでいます。
鉄鋼原料、
非鉄金属、
石油およびガス
製品、
機械、
情報技術およびエレクトロニクス、
化学品、
食品および
一般消費財など幅広い製品について、
輸出入、
国内外での製造、
販
105
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
売、マーケティング、流通業務などを行うほか、コンサルティン
サービス関連事業にかかわる収益は、
契約上の役務が顧客に提
グ、
情報技術サービス、
技術支援、
輸送や物流といったサービス業
供された時点で計上しています。
リース事業にかかわる収益は、
務も行っています。
収益の認識方法については、
いくつもの会計
当該リース期間にわたって定額法により計上しています。
指針が複雑に絡みあっていることから、
最も適切な会計方針を決
• 売買取引にかかわる差損益および手数料
定するに当たっては難しい判断を行う必要がありますが、
当社で
当社は、
契約当事者あるいは代理人として関与するさまざまな
は、
収益が実現または実現可能となり、
かつ稼得された時点、
すな
商取引に関する手数料収益を得ています。
これは、
商取引におい
契約に関する説得力のある証拠があり、
(ii)
顧客に対する
わち
(i)
て顧客の商品売買のサポートを行い、
その対価として手数料を得
販売価
商品の引き渡しあるいは役務の提供が完了しており、
(iii)
ているものです。
売買取引にかかわる差損益および手数料は、
冒
対価の回収が合
格が確定または確定し得る状況にあり、
かつ
(iv)
頭記載の条件を充足した時点で認識しています。
理的に確保された時に収益を認識しています。
具体的な認識基準
6)デリバティブ
は次のとおりです。
• 商品販売および製造業等による収益
当社は、
商品販売、
製造業およびその他の事業において収益を
ティブ取引を利用していますが、
これらについては財務会計基準
得ています。
製造業およびその他の事業は、
主として連結子会社
「派生商品およびヘッジ活
審議会基準書
(以下
「基準書」
)
第133号
で行われています。
動に関する会計処理」
(基準書第138号および基準書第149号に
商品販売
)
に基づき処理しています。
より一部改訂、
以下
「基準書第133号」
当社は、
自らが契約当事者となり在庫を保有し、
商品の売値と
デリバティブおよびヘッジ活動に関する会
基準書第133号は、
買値の差額を損益として計上するさまざまな商取引を行うこと
計処理および開示を規定するものであり、
すべてのデリバティブ
により収益を得ています。
を公正価値により貸借対照表上、
資産または負債として計上する
製造業
ことを要求するとともに、
ヘッジ関係の指定と有効性に関する基
製造業には、
電化製品、
金属、
機械、
化学品、
一般消費財など、
多
岐にわたる製品の製造や、資源開発が含まれています。
商品販売および製造業にかかわる収益は、
顧客と合意した受け
渡しに関する条件を充足した時点で認識しています。
受け渡しに
準を定めています。
当社は、
市場価格のないデリバ
基準書133号の適用に当たり、
ティブまたはヘッジ対象について公正価値を見積もる際には、
前
提条件を置く必要があります。
関する条件は、
通常、
顧客に商品が引き渡された時点、
倉荷証券が
当社は、
デリバティブの契約日において、
ヘッジ会計の要件を
交付された時点、
または試運転が完了してそれ以降の義務がなく
満たす限り、
当該デリバティブを公正価値ヘッジまたはキャッ
なり契約に関する顧客の最終受入が確実となった時点に充足し
シュ・フローヘッジとしてヘッジ指定しています。
公正価値ヘッ
たと見なしています。
長期の建設工事に関しては、
その契約内容
ジとして指定したデリバティブの公正価値の変動額は損益計上
によって、
完成までに要する原価および当該長期契約の進捗度合
し、
ヘッジ対象の資産、
負債および確定契約の公正価値の変動額
を合理的に把握できる場合には工事進行基準により、
そうでない
による損益と相殺しています。
キャッシュ・フローヘッジとして
場合には工事完成基準により、
収益を計上しています。
指定したデリバティブには、
変動金利付負債を固定金利付負債に
その他の事業
変換する金利スワップや、
特定の債務に対する円ベースのキャッ
その他の事業には、
サービス関連事業およびリース事業が含ま
シュ・フローの変動を軽減する通貨スワップ契約などが含まれて
れています。
サービス関連事業には、
金融、
物流、
情報通信、
技術支
いますが、
その公正価値の変動額は、
ヘッジ対象取引が実行され
援などさまざまな役務の提供が含まれています。
また、
当社は、
オ
損益に計上されるまで
「累積その他の包括損益」
として繰り延べ
フィスビル、
航空機、
その他の事業用資産などのリース事業にも
ています。
携わっています。
106
当社では、
主として金利変動リスクや為替変動リスクの軽減、
商品や取引契約の相場変動リスクの回避を目的としてデリバ
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
7)新会計基準
2005年9月、発生問題専門委員会はEITF第04-13号「同一の相
2004年11月、審議会は基準書第151号「棚卸資産の原価-ARB
手方との棚卸資産の購入・販売に関する会計処理」
を公表しまし
第43号第4章の改訂」
を公表しました。
基準書第151号は、
ARB第
EITF第04-13号は、同一の相手方と棚卸資産の購入および販
た。
43号第4章「棚卸資産の価格」を改訂することにより、遊休設備費
売取引を行う場合は、
お互いを考慮して一つの取引として考え、
用、
輸送費、
運搬費および無駄となった材料費
(仕損)
にかかわる
棚卸資産の非金銭交換として取り扱う必要があると結論づけて
異常な金額の会計処理を明確にしています。
特に基準書第151号
EITF第04-13号には、取引がお互いの取引を前提と
います。
また、
は、
遊休設備費用、
過度の仕損、
倍加運賃、
再運搬費用などの項目
して行われたかどうかを判断する際に検討すべき指針も含まれ
「異常」
の要件を満たすか否かにかかわらず、
当
をARB第43号の
ており、
同業種における製品と原材料、
製品と仕掛品との非金銭
期費用として認識することを規定しています。
さらに、
基準書第
交換については公正価値で計上することを規定しています。
そし
151号は、固定製造間接費を加工費に按分する場合、生産設備の
て、
同業種内のその他すべての棚卸資産同士の交換取引は、
収益
通常の操業度を基に行うことを規定しています。基準書第151
獲得プロセスが完了していないことから帳簿価額で認識するこ
号は、2005年6月15日より後に開始する事業年度より適用され
2006年4月1日よりEITF第04-13
ととしています。
連結会社は、
ます。
連結会社は、
基準書第151号を2006年4月1日より適用開始
号を適用する予定です。
EITF第04-13号の適用による連結会社の
する予定です。
基準書第151号の適用による連結会社の財政状態
財政状態および経営成績へ与える影響は軽微と考えています。
および経営成績へ与える影響は軽微と考えています。
2005年3月、発生問題専門委員会はEITF第04-6号「鉱山業にお
ける生産時に発生した剥土費用に関する会計処理」
について合意
EITF第04-6号は、生産時に発生した剥土費用は変
に達しました。
動生産費であり、
棚卸資産へ配賦すること、
すなわち、
将来におけ
る潜在的な利益は考慮するべきではなく、
発生した期間の活動に
関連するものである旨を規定しています。EITF 第 04-6 号は、
2005年12月15日より後に開始される事業年度から適用されま
EITF第04-6号を2006年4月1日より適用開始す
す。
連結会社は、
EITF第04-6号の適用による連結会社の財政状態お
る予定です。
よび経営成績へ与える影響は軽微と考えています。
2005年5月、審議会は基準書第154号「会計上の変更および誤
を公表しまし
謬の訂正ーAPB第20号および基準書第3号の置換」
会社が任意に会計方針を変更した場合の
た。
基準書第154号は、
APB
会計処理および開示に関する要求を変更しています。
従来、
第20号は大部分の会計方針の変更について、
累積的影響額を変
更年度の損益に含めることを要求していましたが、
基準書第154
号は、
原則として過年度への遡及適用を要求しています。
また、
従
来会計方針の変更として処理していた減価償却方法の変更につ
いては、会計上の見積もりの変更として処理する必要がありま
2005年12月15日より後に開始する事業
す。基準書第154号は、
年度より適用されます。連結会社は、2006年4月1日より基準書
第154号を適用開始する予定です。
107
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
6年間の主要財務データ
三菱商事株式会社および連結子会社
3月31日に終了した事業年度
2001年
業績指標:
売上高*1 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥13,995,298
当期業績:
収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 3,020,626
売上総利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
603,716
会計原則変更による累積影響額前利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
92,605
会計原則変更による累積影響額*2 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
92,605
事業年度末の財政状態:
総資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 8,069,384
運転資本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
289,386
長期債務
(1年内期限到来分を除く). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,798,152
資本合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
971,551
2002年
¥13,230,675
¥ 3,142,597
643,922
60,702
60,702
¥ 8,148,902
694,282
3,238,871
1,032,499
1株当たり情報:
会計原則変更による累積影響額前利益:
基本的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化後 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
会計原則変更による累積影響額*2:
基本的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化後 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1株当たり当期純利益*2:
基本的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化後 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥59.09
59.09
¥38.74
38.74
........................
........................
........................
59.09
59.09
8.00
38.74
38.74
8.00
株式:
期末発行済株式数*3 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,567,172
1,566,553
........................
........................
¥125.54
111.65
¥132.70
125.64
........................
........................
125.54
104.19
134.77
115.89
米ドルとの交換レート:
(米国ニューヨーク連邦銀行による)
期末 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
期中平均 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
変動範囲:
安値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
高値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
........................
........................
........................
........................
(注)米ドル金額は、便宜的に1米ドル=117円で換算しています。
*1 売上高は日本の商社が通常自主的に開示する指標であり、米国会計基準における売上高または収益を意味するものではありません(連結財務諸表に対する注記1
をご参照ください)。
*2 連結財務諸表に対する注記2hをご参照ください。
*3 当社が保有する自己株式は含んでいません。
*4 連結財務諸表に対する注記26をご参照ください。
108
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2003年
2004年
2005年
修正再表示後*4
2006年
2006年
¥13,328,721
¥15,177,010
¥17,132,704
¥19,067,153
$162,967
¥ 3,321,168
718,580
53,919
8,100
62,019
¥ 3,491,124
769,381
116,020
¥ 4,145,884
877,763
182,369
¥ 4,826,944
1,051,481
350,045
$ 41,256
8,987
2,992
116,020
182,369
350,045
2,992
¥ 8,099,500
648,694
3,085,016
938,621
¥ 8,392,833
823,803
3,026,170
1,224,885
¥ 9,093,372
1,005,465
2,968,143
1,504,454
¥10,411,241
1,242,100
2,877,149
2,379,264
$ 88,985
10,617
24,591
20,336
単位:円
¥34.42
32.26
単位:米ドル
¥74.11
68.40
¥116.49
107.58
¥215.38
205.62
$1.84
1.76
74.11
68.40
12.00
116.49
107.58
18.00
215.38
205.62
35.00
1.84
1.76
0.30
1,565,557
1,565,749
1,685,767
¥118.07
121.10
¥104.18
112.75
¥107.22
107.28
¥117.48
113.67
133.40
115.71
120.55
104.18
114.30
102.26
120.93
104.41
5.18
4.86
39.60
37.12
8.00
単位:千株
1,565,647
単位:円
109
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
連結貸借対照表
三菱商事株式会社および連結子会社
2005年および2006年3月31日現在
単位:百万
米ドル
(注記1)
単位:百万円
2005年
資産の部
流動資産:
現金および現金同等物(注記4). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
定期預金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
短期運用資産
(注記4) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業債権(注記21)
:
受取手形および短期貸付金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売掛金および未収入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
関連会社に対する債権 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸倒引当金
(注記6). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
棚卸資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取引前渡金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
短期繰延税金資産
(注記13). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の流動資産
(注記14). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 569,005
43,253
277,974
2006年
¥
646,317
7,607
188,572
2006年
$ 5,524
65
1,612
534,550
2,260,887
252,252
(62,521)
667,968
139,987
56,289
126,240
538,799
2,580,476
224,406
(44,802)
840,874
161,374
49,493
190,404
4,605
22,055
1,918
(383)
7,187
1,379
423
1,628
4,865,884
5,383,520
46,013
835,079
1,398,042
632,879
(94,903)
1,090,222
1,884,656
493,027
(52,239)
9,318
16,108
4,214
(446)
投資および長期債権合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,771,097
3,415,666
29,194
有形固定資産ー減価償却累計額控除後(注記7、
21). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,227,161
1,327,272
11,344
のれん
(注記9) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
30,300
27,437
235
その他の無形固定資産ー純額(注記9、
14). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
66,075
67,460
576
その他の資産(注記13、
14) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
132,855
189,886
1,623
資産合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥9,093,372
¥10,411,241
$88,985
流動資産合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
投資および長期債権:
関連会社に対する投資および長期債権
(注記5) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の投資
(注記4) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期貸付金および長期営業債権
(注記21). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸倒引当金
(注記6). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
連結財務諸表に対する注記をご参照ください。
110
修正再表示後
(注記26)
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
単位:百万
米ドル
(注記1)
単位:百万円
2005年
負債および資本の部
流動負債:
短期借入金
(注記12). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1年以内に期限の到来する長期借入債務(注記12). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業債務:
支払手形 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
買掛金および未払金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
関連会社に対する債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取引前受金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未払法人税等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未払費用(注記14). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の流動負債
(注記13、
15). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
修正再表示後
(注記26)
¥ 545,124
561,484
2006年
¥
2006年
626,155
291,634
$ 5,352
2,493
240,260
1,853,299
124,459
128,585
58,354
100,107
248,747
228,187
2,206,383
126,832
143,330
89,313
133,791
295,795
1,950
18,858
1,084
1,225
763
1,143
2,528
流動負債合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,860,419
4,141,420
35,396
固定負債:
(注記12). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期借入債務
(1年内期限到来分を除く)
年金および退職給付債務
(注記14). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期繰延税金負債
(注記13). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の固定負債
(注記15、
21). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,968,143
54,182
208,873
266,359
2,877,149
40,121
466,663
238,932
24,591
343
3,989
2,042
固定負債合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,497,557
3,622,865
30,965
負債合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
7,357,976
7,764,285
66,361
少数株主持分 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
230,942
267,692
2,288
126,705
179,632
197,818
251,598
1,691
2,150
37,173
1,138,509
37,695
1,450,012
322
12,394
契約残高および偶発債務(注記24)
資本(注記13、
16、17、25)
:
資本金ー普通株式:授権株式数2,500,000,000株、
発行済株式総数2005年3月末ー1,567,399,508株、
2006年3月末ー1,687,347,445株;
2005年3月末(自己株式控除後)ー1,565,749,445株
2006年3月末(自己株式控除後)ー1,685,767,182株 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
資本剰余金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
利益剰余金:
利益準備金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の利益剰余金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
累積その他の包括損益:
未実現有価証券評価益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未実現デリバティブ評価損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
最小年金債務調整額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
為替換算調整勘定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
自己株式ー取得価額:
2005年3月末ー1,650,063株
2006年3月末ー1,580,263株 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
278,288
2,883
(38,542)
(219,264)
544,328
(7,151)
(2,669)
(91,250)
4,653
(61)
(23)
(780)
23,365
443,258
3,789
(930)
(1,117)
(10)
資本合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,504,454
2,379,264
20,336
負債および資本合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥9,093,372
¥10,411,241
$88,985
111
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
連結損益計算書
三菱商事株式会社および連結子会社
2004年、2005年および2006年3月31日に終了した事業年度
単位:百万
米ドル
(注記1)
単位:百万円
2004年
2005年
2006年
2006年
¥2,951,626
539,498
¥3,518,120
627,764
¥4,141,669
685,275
$35,399
5,857
収益合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売上高
(注記1 、
5 、19 )
:
2004年ー15,177,010百万円;
2005年ー17,132,704百万円;
2006年ー19,067,153百万円ー162,967百万米ドル
商品販売および製造業等による収益に係る原価 . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,491,124
4,145,884
4,826,944
41,256
2,721,743
3,268,121
3,775,463
32,269
売上総利益(注記19). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
769,381
877,763
1,051,481
8,987
631,422
7,436
685,022
9,376
696,779
4,838
5,956
41
10,642
(28,117)
(5,258)
18,428
4,435
(68,135)
(51,318)
2,139
収益:
商品販売および製造業等による収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売買取引に係る差損益および手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の収益・費用:
販売費および一般管理費
(注記14). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸倒引当金繰入額
(注記6). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
支払利息(受取利息控除後:受取利息金額
2004年ー29,373百万円;
2005年ー41,479百万円;
2006年ー46,094百万円ー394百万米ドル) . . . . . . . . . . . . . . . . .
受取配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有価証券損益
(注記4、
5) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
固定資産損益
(注記7、
9) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
厚生年金基金代行返上部分に係る返還差額
(注記14). . . . . . . . . . . . .
その他の損益ー純額
(注記9、
10、20) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(15,291)
1,710
(42,402)
63,757
(8,328)
(38,534)
(2,637)
その他の収益・費用合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
619,262
667,964
573,098
4,898
税引前利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
150,119
209,799
478,383
4,089
97,313
(3,562)
178,016
34,040
1,521
291
74,853
93,751
212,056
1,812
75,266
(15,710)
56,464
116,048
(30,774)
97,095
266,327
(35,290)
119,008
2,277
(302)
1,017
法人税等(注記13)
:
当期税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰延税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
法人税等合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税引後利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
少数株主持分利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
持分法による投資損益(注記5). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
86,863
(12,010)
¥ 116,020
¥ 182,369
(15,640)
¥ 350,045
38
(582)
(439)
18
(134)
$ 2,992
単位:米ドル
(注記1)
単位:円
1株当たり利益(注記18)
:
基本的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化後 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
連結財務諸表に対する注記をご参照ください。
112
¥74.11
68.40
¥116.49
107.58
¥215.38
205.62
$1.84
1.76
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
連結包括損益計算書
三菱商事株式会社および連結子会社
2004年、2005年および2006年3月31日に終了した事業年度
単位:百万
米ドル
(注記1)
単位:百万円
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年
2005年
2006年
2006年
¥116,020
¥182,369
¥ 350,045
$ 2,992
その他の包括損益:
:
未実現有価証券評価損益
(注記4)
期中発生額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益への組替額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
203,741
(35,771)
208,834
(3,937)
486,145
(36,217)
4,155
(309)
期中変動額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税効果(注記13) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
167,970
(65,889)
204,897
(83,435)
449,928
(184,439)
3,846
(1,577)
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
102,081
121,462
265,489
2,269
未実現デリバティブ評価損益
(注記10)
:
期中発生額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益への組替額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
4,611
8,146
8,426
(4,246)
(7,175)
(6,937)
(62)
(59)
12,757
(2,931)
4,180
(1,123)
(14,112)
4,078
(121)
35
9,826
3,057
(10,034)
(86)
179,033
(74,579)
9,097
(3,967)
77,364
(41,491)
661
(354)
104,454
5,130
35,873
307
期中変動額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税効果(注記13) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
最小年金債務調整額
(注記14) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税効果(注記13) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
為替換算調整勘定:
期中発生額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益への組替額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(34,717)
1,215
(12,475)
485
125,394
2,379
1,072
20
期中変動額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税効果(注記13) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(33,502)
(43)
(11,990)
1,371
127,773
147
1,092
1
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(33,545)
(10,619)
127,920
1,093
その他包括損益合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
182,816
119,030
419,248
3,583
包括損益合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥298,836
¥301,399
¥ 769,293
$ 6,575
連結財務諸表に対する注記をご参照ください。
113
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
連結資本勘定計算書
三菱商事株式会社および連結子会社
2004年、2005年および2006年3月31日に終了した事業年度
単位:百万
米ドル
(注記1)
単位:百万円
資本金ー普通株式:
期首残高ー発行済株式総数
2004年ー1,567,175,508株、
2005年ー1,567,193,508株、
2006年ー1,567,399,508株 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ストックオプション行使に伴う新株発行ー
発行済株式総数期中増加
2004年ー18,000株、
2005年ー206,000株、
2006年ー861,300株(注記22). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
社債転換による普通株式発行
2006年ー119,086,637株(注記12). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
期末残高ー発行済株式総数
2004年ー1,567,193,508株、
2005年ー1,567,399,508株、
2006年ー1,687,347,445株 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
資本剰余金:
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
株式報酬型ストックオプション
(注記2、
22). . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ストックオプション行使に伴う新株発行
(注記22). . . . . . . . . . . . . . . .
社債転換による普通株式発行
(注記12). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
自己株式処分差益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年
2005年
2006年
2006年
¥ 126,609
¥ 126,617
¥ 126,705
$ 1,083
8
88
375
3
70,738
605
¥ 126,617
¥ 126,705
¥ 197,818
$ 1,691
¥ 179,491
¥ 179,506
9
87
$ 1,535
7
3
605
6
39
¥ 179,632
786
374
70,738
68
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 179,506
¥ 179,632
¥ 251,598
$ 2,150
利益準備金:
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の利益剰余金からの振替額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
¥
¥
$
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
その他の利益剰余金:
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
35,550
527
36,077
¥
36,077
1,096
37,173
¥
$
318
4
322
¥ 876,201
116,020
992,221
¥ 979,163
182,369
1,161,532
¥1,138,509
350,045
1,488,554
$ 9,731
2,992
12,723
12,531
527
13,058
21,927
1,096
23,023
40,546
522
41,068
2,526
347
4
351
22
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 979,163
¥1,138,509
¥1,450,012
$12,394
累積その他の包括損益(税効果後)
:
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期その他の包括損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
子会社決算期変更による影響額
(注記1) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ (278,481)
182,816
¥
(95,665)
119,030
¥
$
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
(95,665)
¥
23,365
自己株式:
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取得ー純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
(749)
(64)
¥
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
(813)
¥
資本合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥1,224,885
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
処分額:
:
現金配当支払額(1株当たり)
(2004 年ー8.0円;
2005年ー14.0円;
2006年ー25.0円ー0.21米ドル) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
利益準備金への繰入額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
子会社決算期変更による影響額
(注記1) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
連結財務諸表に対する注記をご参照ください。
114
37,173
522
37,695
23,365
419,248
645
¥ 443,258
200
3,583
6
$ 3,789
(813)
(117)
¥
(930)
(187)
$
(8)
(2)
(930)
¥
(1,117)
$
(10)
¥1,504,454
¥2,379,264
$20,336
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
連結キャッシュ・フロー計算書
三菱商事株式会社および連結子会社
2004年、2005年および2006年3月31日に終了した事業年度
単位:百万
米ドル
(注記1)
単位:百万円
営業活動によるキャッシュ・フロー:
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業活動によるキャッシュ・フローへの当期純利益の調整:
減価償却費等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸倒引当金繰入額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
退職給付費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有価証券損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
固定資産損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
持分法による投資損益
(受取配当金控除後) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰延税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
厚生年金基金代行部分返上に係る返還差額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業活動に係る資産・負債の増減:
短期運用資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
受取手形および売掛金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
棚卸資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
支払手形および買掛金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取引前渡金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取引前受金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未収入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未払金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未払費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の流動資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の流動負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の固定負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年
2005年
修正再表示後
(注記26)
2006年
2006年
¥ 116,020
¥ 182,369
¥ 350,045
$ 2,992
119,638
7,436
45,049
(5,258)
18,428
(24,364)
(12,010)
125,224
9,376
52,841
63,757
(8,328)
(37,535)
(3,562)
(38,534)
126,967
4,838
23,391
(51,318)
2,139
(53,060)
34,040
1,085
41
200
(439)
18
(453)
291
(23,706)
(11,069)
(39,468)
16,989
(35,903)
48,023
16,943
546
(17,029)
26,768
10,119
1,900
(24,662)
(18,105)
(328,149)
(120,225)
228,232
48,913
(50,038)
5,289
40,753
(6,206)
(27,828)
48,318
(14,295)
(4,077)
(13,349)
(160,672)
(129,157)
156,333
17,795
35
(6,516)
40,459
3,631
(21,528)
60,445
(26,045)
(22,157)
(114)
(1,373)
(1,104)
1,336
152
234,390
148,190
336,316
2,874
投資活動によるキャッシュ・フロー:
有形固定資産等の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有形固定資産等の売却による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
関連会社への投資および貸付による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
関連会社への投資の売却および貸付金の回収による収入 . . . . . . . . . . . .
売却可能有価証券の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売却可能有価証券の売却および償還による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の投資の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の投資の売却による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸付金の実行による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸付金の回収による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
定期預金の増減 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(159,022)
27,717
(132,068)
75,656
(118,856)
232,641
(53,901)
14,598
(62,852)
98,014
15,254
(162,398)
220,788
(132,667)
59,350
(272,326)
327,994
(122,600)
31,881
(200,253)
273,281
(25,468)
(220,475)
37,390
(182,330)
62,765
(86,636)
240,243
(51,267)
29,641
(186,935)
224,769
38,364
(1,884)
320
(1,558)
536
(740)
2,053
(438)
253
(1,598)
1,921
328
投資活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(62,819)
(2,418)
(94,471)
(807)
財務活動によるキャッシュ・フロー:
短期借入金の増減
(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期借入債務による調達
(社債発行費用控除後). . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期借入債務の返済 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
配当金の支払 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
自己株式の取得
(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ストックオプション行使に伴う新株発行による収入 . . . . . . . . . . . . . . . .
(55,528)
549,188
(516,213)
(12,531)
(58)
17
8,571
629,723
(669,837)
(21,927)
(78)
175
18,843
495,233
(662,134)
(40,546)
(63)
749
161
4,233
(5,658)
(347)
(1)
6
財務活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(35,125)
(53,373)
(187,918)
(1,606)
現金および現金同等物に係る為替変動の影響額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(9,556)
営業活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
936
子会社決算期変更による影響額(注記1) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
25,019
(1,634)
(56)
346
31
(184)
517
(223)
(189)
214
(14)
現金および現金同等物の純増加額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
現金および現金同等物の期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
126,890
348,780
93,335
475,670
77,312
569,005
661
4,863
現金および現金同等物の期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 475,670
¥ 569,005
¥ 646,317
$ 5,524
連結財務諸表に対する注記をご参照ください。
115
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
連結財務諸表に対する注記
三菱商事株式会社および連結子会社
1. 事業内容および連結財務諸表の基本事項
事業内容 ー三菱商事株式会社
(以下、
「当社」
)
および国内外の連結子会
当連結損益計算書上の「売上高」を表示していますが、これは日本
社
(以下、
まとめて
「連結会社」
)
は、
国内外のネットワークを通じて、
エ
の商社が通常自主的に開示する指標であり、
連結会社が契約当事者ま
ネルギー、
金属、
機械、
化学品、
生活産業関連の多種多様な商品の売買や
たは代理人として関与した取引高または売買契約の取引金額の合計額
製造、
資源開発、
プロジェクト開発を行うほか、
金融、
情報、
物流、
マーケ
を表すものです。
「売上高」
は、
連結会社の役割が仲介人としてのみの関
ティングなど総合商社の持つ機能を活かした各種サービスの提供や、
与に限定されている取引額の契約額は含まれていません。この
「売上
環境、
医療・介護などの分野における新しいビジネスモデルや新技術の
高」
は、
米国会計基準における
「収益」
を意味するものではなく、
米国会
事業化など、広範な分野で多角的に事業を展開しています。
計基準における
「収益」
と同等またはその代用となるものではありませ
連結財務諸表の基本事項 ー当連結財務諸表は当社の所在地であり、
主
たる活動の拠点である日本の通貨(円)
により行っています。
2006年
3月31日終了の事業年度に係る米ドル金額は、日本国外の本レポート
の利用者の便宜のため2006年3月31日現在の円相場1米ドル=117
ん。
しかし、
発生問題専門委員会は、
EITF第99-19号の結論の中で、
「報
告された収益についてその取引額を自主的に開示することは、
財務諸
表利用者にとって有用ともいえる」
と述べています。経営者は、
「売上
高」
の情報は財務諸表利用者にとって有用であると考えています。
円で換算しています。これらが米ドル建てで表示されているからと
3月決算
当社は、
適正な期間損益を連結財務諸表に反映させるため、
いって、
上記あるいはその他のレートで円金額が米ドルに換金できる
以外の一部の子会社について決算期を当社の決算月である3月に変更
ということを意味するものではありません。
しています。
なお、
期間比較性の確保の観点から、
決算期変更子会社の
当社および国内の連結子会社は、
日本において一般に公正妥当と認
められた会計基準に基づき、
会計帳簿を保持し財務諸表を作成してい
ます。
海外連結子会社は、
それぞれ所在国の会計基準に基づき、
会計帳
簿を保持し財務諸表を作成しています。
そのため、
当連結財務諸表の作
成に当たっては、
米国において一般に公正妥当と認められた会計基準
12カ月を超える期間損益は資本勘定に直入しています。また、12カ月
を超える期間のその他の包括損益、
およびキャッシュ・フローの変動に
関しても、
独立した項目として別表記しています。
2006年3月31日終了の事業年度の表示方法に合わせ、2005年3月
31日終了の事業年度の連結財務諸表を一部組替表示しています。
に準拠するべく、
一定の調整または組替を加えています。
これらの調整
または組替事項は、法定帳簿には記帳されていません。
2. 重要な会計方針の要約
当連結財務諸表の作成に当たり採用した重要な会計方針の要約は以
下のとおりです。
a. 連結の基本方針ならびに子会社、関連会社に対する投資の会計処理
当連結財務諸表は、
当社および当社が直接・間接に議決権の過半数
を所有する国内外の子会社の各勘定を連結したものです。また、
連結
月31日、
または12月31日から当社の決算日である3月31日までに終
了する事業年度の財務諸表を用いています。
これら子会社の決算日と
連結決算日との間に、
当連結財務諸表を修正または開示すべき重要な
事項はありません。
会社は、
米国基準会計審議会解釈指針
(Financial Accounting Stan-
連結子会社あるいは持分法適用会社が、第三者割当増資により、連
dards Board Interpretation、以下「解釈指針」)第46号「変動持分事
結会社の当該会社に対する1株当たりの持分額を超える、あるいは下
業体の連結」
および2003年12月に発行されたその改訂版に基づき、
回る価格で株式を発行することがあります。
このような取引による連
連結会社が主たる受益者となる変動持分事業体についても連結をし
結会社の持分の増減額は、
株式の発行が行われた事業年度の損益とし
ています(注記23「変動持分事業体の連結」ご参照)。
資産について不
て計上しています。
可分の持分を所有し、
持分に比例して負債を負担する非会社組織の共
同事業体について、
連結会社は比例連結しています。
関連会社
(当社が
20%以上50%以下の議決権を所有する会社、20%未満であっても重
要な影響力を行使し得る会社、コーポレートジョイントベンチャー)
に対する投資は持分法を適用しています。
連結会社間の重要な内部取
引ならびに債権債務は、相殺消去しています。
116
当連結財務諸表の作成に当たり、一部の連結子会社については12
b. 外貨換算
外貨建財務諸表の項目は、
基準書第52号
「外貨換算」
に基づき換算し
ています。
当基準に基づき、
海外子会社および関連会社の資産および負
債は、
それぞれの決算日の為替レートにより、
収益および費用は、
期中
平均レートにより円貨に換算しています。
換算により生じる為替換算
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
調整勘定については、
税効果後の金額を
「累積その他の包括損益」
に計
加投資は取得原価で資産計上していますが、
維持修繕費および少額の
上しています。
また、
外貨建債権債務は、
決算日の為替レートで円貨に
改良に要した支出については発生時に費用処理しています。
換算し、
その結果生じる換算損益は連結損益計算書の
「その他の損益ー
純額」に計上しています。
c. 短期運用資産およびその他の投資
すべての債券および市場性のある株式は、
基準書第115号に基づき、
g. 長期性資産の減損
連結会社は、
基準書第144号
「長期性資産の減損または処分に関する
会計処理」
に基づき、
長期性資産の帳簿価額が回収できない可能性を示
す事象や状況の変化が生じた場合に、
その減損の有無を検討していま
売買目的有価証券
(公正価値で評価し、
未実現評価損益は当期の損益と
す。
継続使用の長期性資産については、
帳簿価額と当該資産に係る割引
して認識)
または売却可能有価証券
(公正価値で評価し、
未実現評価損
前の将来見積キャッシュ・フロー総額を比較することにより、
その回収
益は損益に含めず、
税効果後の金額を
「累積その他の包括損益」
に計上)
可能性を検討しており、
当該資産の帳簿価額が将来見積キャッシュ・フ
に分類しています。
この分類の妥当性については、
基準書第115号に基
ローを上回る場合には、
その資産の公正価値と帳簿価額の差額を減損
づき、決算日ごとに再検討しています。
損失として認識しています。また、売却による処分予定の長期性資産
連結会社は、
2004年3月31日終了の事業年度において、ポートフォ
リオの信用リスク管理方法の変更により、
満期保有目的債券の保有意
図を変更し、
すべて売却可能有価証券へと保有目的区分の変更を行い
ました。
変更の結果、
2006年3月31日終了の事業年度末までに取得し
た有価証券は、
売買目的有価証券または売却可能有価証券に分類して
います。
売却した有価証券の原価は、
移動平均法によっています。
は、
帳簿価額と、
公正価値から処分費用を控除した価額のいずれか低い
額により評価しており、
減価償却の対象とはしていません。
売却以外の
方法による処分予定の長期性資産は、
継続使用の長期性資産として取
り扱っています。
h. のれんおよびその他の無形固定資産
2001年7月1日以降の企業結合は、基準書第141号に基づき、パー
チェス法により会計処理しています。
のれん
(持分法を適用している関
連会社投資に係るのれんを含む)
および耐用年数の確定できない無形
連結会社は、
売却可能有価証券について定期的に減損の有無を検討
固定資産は、
基準書第142号に基づき、
償却を停止するとともに少なく
しています。
各々の投資の公正価値が投資原価を下回り、
その下落が一
とも年1回減損の判定を行っています。
償却対象となるその他の無形
時的なものではないと判断された場合には、
公正価値と投資原価の差
固定資産は、
耐用年数にわたって償却するとともに、
基準書第144号に
額について、
減損損失を認識しています。
また連結会社は、
市場性のあ
基づき、
減損の判定を行っています。
公正価値の下落が一時的である
る株式についてSAB第59号に基づき、
か否かを判断しています。
時価の下落が一時的でないと判断される場
合には、
その期において減損損失を認識しています。
i. 石油・ガスの探鉱および開発
石油・ガスの探鉱および開発費用は、
成功成果法に基づき会計処理し
ています。
利権鉱区取得費用、
試掘井および開発井の掘削・建設費用、
お
d. 貸倒引当金
貸倒引当金は、
主として過去における貸倒実績および債権の期末残
高に対する貸倒見積高に基づき必要額を計上しています。
よび関連生産設備は資産に計上し、
生産高比例法により償却していま
す。
試掘井に係る費用は、
事業性がないことが判明した時点で、
地質調
査費用などのその他の探鉱費用は、
発生時点で費用化しています。
確認
貸付金に関しては、
契約条件に従って全額回収できない可能性があ
利権鉱区は、
企業環境の変化や経済事象の発生により帳簿価額の回収
る場合に、引当を行っています。
引当額は、
将来の見積キャッシュ・フ
可能性が損なわれたと推定される場合に、
未確認利権鉱区は、
少なくと
ローを実効利率で割り引いた現在価値、
または当該貸付金の市場価額
も事業年度ごとに減損の要否の検討を行い、
それぞれ減損が発生して
あるいは担保物件の公正価値に基づき、算出しています。
いる場合には減損損失を認識しています。
e. 棚卸資産
j. 従業員退職金および年金制度
棚卸資産は、
主として商品および原材料からなり、
移動平均法または
連結会社は、
確定給付型年金制度および退職一時金制度のいずれか
個別法に基づく原価、
あるいは直近の再調達原価に基づく時価のいず
または両方を採用しています。年金費用は、年金数理計算に基づき算
れか低い額により評価しています。
定しています。
退職一時金制度に係る費用は、原則として確定給付債
f. 有形固定資産
務(貸借対照表日における自己都合期末要支給額)に基づき計上して
います。
有形固定資産は、
取得原価で表示しています。
鉱業権以外の有形固定
資産の減価償却は、
当該資産の見積耐用年数
(主として建物は10年か
k. 資産の除却債務
ら50年、
機械および装置は5年から20年、
航空機および船舶は12年か
連結会社は、
基準書第143号
「資産の除却債務に関する会計処理」
に
ら24年の期間)
に基づき、
主として当社および国内子会社は定率法、
海
基づき、
資産の除却債務について、
その発生時に公正価値で負債として
外子会社は定額法を用いて、
それぞれ算出しています。
鉱業権の減価償
認識するとともに、
関連する長期性資産を増加させています。
また、
こ
却は、見積埋蔵量に基づき、生産高比例法を用いて算出しています。
れにより認識した負債は毎期現在価値に調整されるとともに、
資産は
リース資産の改良に伴う費用は、
見積耐用年数または当該資産のリー
その経済的耐用年数にわたって減価償却することになります。
連結会
ス期間のいずれか短い期間で償却しています。
多額の改良費および追
社は2006年3月31日より、
解釈指針第47号
「条件付資産除却債務の会
117
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
計処理」
を適用しています。
解釈指針第47号では、
条件付除却債務が不
APB第25号「従業員に発行する株式の会計処理」を廃
処理」
を改訂し、
確実のため必要な情報が不足し、
その債務の公正価値を合理的に見積
止するもので、
株式に基づく支払いを従業員が報酬の対価としてサー
もることができない場合の事例を示し、
また、
それらを合理的に見積も
ビスを提供する期間にわたって費用計上することを規定しています。
ることができる十分な情報がある場合を明確にしています。
解釈指針
限定的な例外を除き、
報酬費用は、
権利付与日の公正価値に基づき算定
第47号の適用が連結会社の財政状態および経営成績に与えた影響は
されます。
また負債見合いで計上される報酬については、
その後決済日
軽微でした。
までの各会計期間において再測定されます。
当基準書の適用に伴う連
l. 撤退または処分活動に関連する費用
結会社の財政状態および業績に与える影響は軽微でした。
撤退または処分活動については、
基準書第146号
「撤退または処分活
2005年7月以前は、連結会社は、APB第25号に基づき本源的価値法
動に関する費用の会計処理」に基づき会計処理しています。
当基準書
および関連する解釈指針に従って会計処理を行っており、
行使価格が
は、
撤退または処分活動に関する費用を、
撤退計画の決定時ではなく負
付与日時点の市場価額を超えていたため、
報酬費用を計上していませ
債の発生時に認識することを要求するもので、
当該関連費用に係る負
んでした。
債はその発生時に公正価値で認識することを要求しています。
m. 株式に基づく報酬制度
連結会社は、
2005年7月1日より基準書第123号(2004年改訂)
「株
基準書第123号
「株式を基礎とした報酬の会計処理」
に基づき、
当社
のストックオプション制度による報償を付与日の公正価値で費用認識
1株当たり当期純利益お
すると仮定した場合、
連結会社の当期純利益、
式に基づく支払」の適用を開始し、修正将来法に基づいて会計処理を
よび潜在株式調整後1株当たり当期純利益は以下に示す想定数値のよ
行っています。
当基準書は、
基準書第123号
「株式に基づく報酬の会計
うに減少します。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
2005年
2006年
2006年
差引ー公正価値法によるストックオプション費用合計 . . . . . . . . . . .
¥116,020
419
¥182,369
467
¥350,045
125
$2,992
1
想定数値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥115,601
¥181,902
¥349,920
$2,991
当期純利益:
報告数値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
単位:円
単位:米ドル
2004年
2005年
2006年
2006年
¥74.11
73.84
¥116.49
116.19
¥215.38
215.31
$1.84
1.84
68.40
68.15
107.58
107.31
205.62
205.54
1.76
1.76
1株当たり当期純利益:
報告数値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
想定数値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
潜在株式調整後1株当たり当期純利益:
報告数値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
想定数値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度に、当社
のストックオプション制度に基づき発行されたストックオプションの
2005年3月31日終了の事業年度末まで、ストックオプションの公
正価値は二項式オプション価格モデルにて算出していましたが、
加重平均公正価値は、
それぞれ376円、
415円および783円(6.69米ド
2006年3月31日終了の事業年度より、より妥当な評価を行うために、
ル)
です。
ストックオプションの公正価値をブラック・ショールズ価格モデルに
て算出しています。
公正価値の計算における前提条件は以下のとおりです。
2004年
リスクフリー利子率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
見積ボラティリティ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
見積配当率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
加重平均配当率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
見積権利行使期間 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
118
1.07%
35.56%
1.04%
1.04%
9.89年
2005年
2006年
1.65%
1.02%
36.23%
37.20%
1.65% 1.06%–1,800%
1.65%
1.32%
9.58年
7.00年
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
2006年3月31日終了の事業年度末においては、
株式に基づく報酬費
用が786百万円
(7百万米ドル)
計上されており、
資産計上されたものは
o. 広告宣伝費
広告宣伝費は発生した時点で費用として計上しています。
2004年、
ありません。
なお、
ストックオプション費用は、
日本の税務上損金経理
2005年および2006年3月31日終了の事業年度の広告宣伝費は、それ
処理がなされないため、
税効果を考慮しない金額で表示しています。
5,736百万円および6,739百万円(58百万米ドル)
ぞれ4,664百万円、
n. 収益の認識基準
連結会社は、
収益が実現または実現可能となり、かつ稼得された時
点、すなわち
(i)
契約に関する説得力のある証拠があり、
( ii )
顧客に対
です。
p. 研究開発費
研究開発費は発生した時点で費用として計上しています。
2004年、
する商品の引き渡しあるいは役務の提供が完了しており、
( iii )
販売価
2005年および2006年3月31日終了の事業年度の研究開発費は、それ
格が確定または確定し得る状況にあり、
かつ
( iv )
対価の回収が合理的
ぞれ3,206百万円、
2,226百万円および2,319百万円(20百万米ドル)
に確保された時に収益認識しています。
具体的な認識基準は次のとお
です。
りです。
q. 法人税等
商品販売および製造業等による収益ー連結会社は、
商品販売、
製造業お
法人税等は、
連結損益計算書上の税引前利益に基づき算出していま
よびその他の事業において収益を得ています。
製造業およびその他の
す。
会計上と税務上の資産負債の差額に係る一時差異および税務上の
事業は、
主として連結子会社で行われています。
繰越欠損金に対する税効果は、
将来、
当該一時差異が課税所得に影響を
商品販売ー連結会社は、
自らが契約当事者となり在庫を保有し、
商品の売値と買値の差額を損益として計上するさまざまな商取
引を行うことにより収益を得ています。
製造業ー製造業には、
電化製品、
金属、
機械、
化学品、
一般消費財
など、
多岐にわたる製品の製造や、
資源開発が含まれています。
与えると見込まれる期間に対応する法定実効税率を用いて算出してい
ます。
繰延税金資産のうち、
将来の実現が見込めないと判断される部分
に対しては評価性引当金を設定しています。
r. デリバティブ
連結会社は、
主として金利変動リスクや為替変動リスクの軽減、
商品
や取引契約の相場変動リスクの回避を目的として、
デリバティブ取引
商品販売および製造業に係る収益は、
顧客と合意した受け
渡しに関する条件を充足した時点で認識しています。
受け渡
しに関する条件は、
通常、
顧客に商品が引き渡しされた時点、
倉荷証券が交付された時点、
または試運転が完了してそれ以
降の義務がなくなり契約に関する顧客の最終受入が確実と
なった時点に充足したと見なしています。
長期の建設工事に関しては、
その契約内容によって、
完成
までに要する原価および当該長期契約の進捗度合を合理的
に把握できる場合には工事進行基準により、
そうでない場合
には工事完成基準により、収益を計上しています。
を利用しており、
基準書第133号に基づき処理しています。
基準書第133号は、
デリバティブおよびヘッジ活動に関する会計処
理および開示を規定するものであり、
すべてのデリバティブを貸借対
照表上公正価値により資産または負債として計上することを要求する
とともに、
ヘッジ関係の指定と有効性に関する基準を定めています。
連結会社は、
通常、
デリバティブの契約日において、
ヘッジ会計の要
件を満たす限り、当該デリバティブを公正価値ヘッジまたはキャッ
シュ・フローヘッジとしてヘッジ指定しています。
公正価値ヘッジとし
て指定したデリバティブの公正価値の変動額は、
損益計上し、
ヘッジ対
象の資産、
負債および確定契約の公正価値の変動額による損益と相殺
その他の事業ーその他の事業には、サービス関連事業および
しています。
キャッシュ・フローヘッジとして指定したデリバティブの
リース事業が含まれています。
サービス関連事業には、
金融、
物
公正価値の変動額は、
ヘッジ対象取引が実行され損益に計上されるま
流、
情報通信、
技術支援などさまざまな役務の提供が含まれてい
で
「累積その他の包括損益」
として繰り延べています。
ヘッジ指定され
ます。
また、
連結会社は、
オフィスビル、
航空機、
その他事業用資
ないデリバティブや、
トレーディング目的のデリバティブの公正価値
産などのリース事業にも携わっています。
の変動額は、
損益に計上しています
(注記10
「デリバティブ取引および
サービス関連事業に係る収益は、
契約上の役務が顧客に提
供された時点で計上しています。
リース事業に係る収益は、
ヘッジ活動」をご参照ください)
。
s. 連結財務諸表作成に当たっての見積もりの使用
当該リース期間にわたって定額法により計上しています。
連結財務諸表を一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成
売買取引に係る差損益および手数料ー連結会社は、
契約当事者あるい
する際には、
報告金額に影響を与えるような見積もりまたは前提を用
は代理人として関与するさまざまな商取引に関する手数料収益を得て
いる必要があります。
見積もりに内在する不確実性により、
実績が見積
います。
これは、
商取引において顧客の商品売買のサポートを行い、
そ
もりと異なる場合があります。
当連結財務諸表における重要な見積も
の対価として手数料を得ているものです。
売買取引に係る差損益およ
りには、
貸倒引当金の設定、
投資の評価、
長期性資産の評価、
年金および
び手数料は、冒頭記載の条件を充足した時点で認識しています。
資産の除却債務などがあります。
119
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
t. 1株当たり当期純利益
u. 現金および現金同等物
1株当たり当期純利益は、当期純利益を各算定期間における発行済
連結キャッシュ・フロー計算書における現金同等物とは、
換金が容易
普通株式の加重平均株式数で除して算出しています。
潜在株式調整後
で、
かつ価値変動リスクが僅少な流動性の高い投資であり、
短期の定期
1株当たり当期純利益は、潜在的普通株式であるストックオプション
預金を含んでいます。
や転換社債型新株予約権付社債の希薄化効果の影響を勘案して算出し
キャッシュ・フローに関する補足情報は以下のとおりです。
ています
(注記18
「1株当たり当期純利益」
をご参照ください)
。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
2005年
2006年
2006年
¥41,639
68,275
¥46,547
91,193
¥ 51,118
132,853
$ 437
1,135
1,979
2,420
10,177
9,951
719
189
141,476
6
1
1,210
年間支払額:
利息
(資産計上額を除く) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
法人税等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
キャッシュ・フローを伴わない投資および財務活動:
投資先の企業統合および再編に伴う株式の交換:
取得した株式の公正価額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
交換に供した株式の原価 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
社債転換による普通株式の発行 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
企業の買収に係るキャッシュ・フローを伴わない投資および財務活動については、
注記3「企業の買収」
をご参照ください。
v. 新会計基準
訂正ー APB第20号および基準書第3号の置換」
を公表しました。
基準
43号第4章の改訂」を公表しました。基準書第151号は、ARB第43号第
書第154号は、
会社が任意に会計方針を変更した場合の会計処理およ
4章「棚卸資産の価格」を改訂することにより、遊休設備費用、輸送費、
APB第20号は大部分の
び開示に関する要求を変更しています。
従来、
運搬費および無駄となった材料費
(仕損)
に係る異常な金額の会計処理
会計方針の変更について、
累積的影響額を変更年度の損益に含めるこ
を明確にしています。
特に基準書第151号は、
遊休設備費用、
過度の仕
とを要求していましたが、
基準書第154号は、
原則として過年度への遡
「異常」
の要件を
損、
倍加運賃、
再運搬費用などの項目をARB第43号の
及適用を要求しています。
また、
従来会計方針の変更として処理してい
満たすか否かにかかわらず、
当期費用として認識することを規定して
た減価償却方法の変更については、
会計上の見積もりの変更として処
います。
さらに、
基準書第151号は、
固定製造間接費を加工費に按分す
理する必要があります。
基準書第154号は、
2005年12月15日より後
る場合、生産設備の通常の操業度を基に行うことを規定しています。
2006年4月1日よ
に開始する事業年度より適用されます。
連結会社は、
基準書第151号は、
2005年6月15日より後に開始する事業年度より
り基準書第154号を適用開始する予定です。
適用されます。
連結会社は、
基準書第151号を2006年4月1日より適用
開始する予定です。
基準書第151号の適用による連結会社の財政状態
および経営成績へ与える影響は軽微と考えています。
120
2005年5月、審議会は基準書第154号「会計上の変更および誤謬の
2004年11月、審議会は基準書第151号「棚卸資産の原価ー ARB第
2005年9月、発生問題専門委員会はEITF第04-13号「同一の相手方
との棚卸資産の購入・販売に関する会計処理」
を公表しました。
EITF第
04-13号は、同一の相手方と棚卸資産の購入および販売取引を行う場
2005年3月、発生問題専門委員会はEITF第04-6号「鉱山業における
合は、
お互いを考慮して一つの取引として考え、
棚卸資産の非金銭交換
生産時に発生した剥土費用に関する会計処理」
について合意に達しま
として取り扱う必要があると結論づけています。
また、
EITF第04-13
した。
EITF第04-6号は、生産時に発生した剥土費用は変動生産費であ
号には、
取引がお互いの取引を前提として行われたかどうかを判断す
り、
棚卸資産へ配賦すること、
すなわち、
将来における潜在的な利益は
る際に検討すべき指針も含まれており、
同業種における製品と原材料、
考慮するべきではなく、
発生した期間の活動に関連するものである旨
製品と仕掛品との非金銭交換については公正価値で計上することを規
を規定しています。
EITF第04-6号は、2005年12月15日より後に開始
定しています。
そして、
同業種内のその他すべての棚卸資産同士の交換
される事業年度から適用されます。連結会社は、EITF 第 04-6 号を
取引は、
収益獲得プロセスが完了していないことから帳簿価額で認識
2006年4月1日より適用開始する予定です。EITF第04-6号の適用に
することとしています。連結会社は、2006年4月1日よりEITF第04-
よる連結会社の財政状態および経営成績へ与える影響は軽微と考えて
13号を適用する予定です。EITF第04-13号の適用による連結会社の
います。
財政状態および経営成績へ与える影響は軽微と考えています。
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
3. 企業の買収
MKG Bank ー連結会社は2003年11月、自動車販売金融事業を当社欧
当該企業結合は、基準書第141号に従い処理を行っており、その結
州自動車事業の中核事業の一つとして育成、
拡大するため、
欧州にて自
果、
2,550百万円(22百万米ドル)の投資額を取得日現在の公正価値に
動車販売金融事業を営む在ドイツMKG Bank(以下
「MKG-B」
)
の持分
基づき取得した資産と引き継いだ負債に配分しています。
取得日現在
55%を追加取得しました。追加取得以前は、連結会社はMKG-Bの持分
の取得した資産の総額および受け入れた負債の総額は、それぞれ
45%を保有し持分法を適用していました。追加取得の結果、MKG-Bは
71,443百万円(611百万米ドル)および66,443百万円(568百万米ド
連結会社の100%子会社となり、
MKG-Bの業績は取得日より連結会社
ル)
となります。
明治屋商事の業績は取得日より当社の連結業績に含め
の業績に連結されています。
また株式売買契約には、
今後数年間のドイ
られています。
ツ市場における車輌卸売台数に応じて追加支払を行う条項が含まれて
います。
北米での未公開事業会社への投資 ー2006年3月31日終了の事業年度
において、
未公開事業会社への投資を進めている北米の連結子会社は、
連結会社は取得日に資産 205,210 百万円を取得する一方、負債
Nutritional Holdings(ダイエット・栄養補強剤メーカー)、Milton’s
182,687百万円を引き受けました。また、資産および負債に加えて、
Fine Foods(パン・クラッカー・冷凍食品販売会社)、InterFlex Hold-
無形固定資産を18,360百万円、繰延税金負債を6,687百万円、また
ings(包装材デザイン加工販売会社)の3社を取得しました。
流動負債を1,003百万円計上しており、
無形固定資産は8年定額償却
を行っています。取得した無形固定資産は、欧州における三菱自動車
工業製車輌の顧客に対するファイナンスサービスを優先的に実施す
る権利によるものです。
流動負債は取得コストを超えた取得純資産に
相当し、
追加支払条項に基づいて追加のコストが発生した場合に相殺
されます。
2005年4月、連結会社は追加支払条項に基づき499百万円(4百万
米ドル)
を支払い、
これにより偶発的対価は確定しました。
残った流動
負債については、
取得原価を超過した獲得純資産として、
獲得した資産
の減額に配分しました。
明治屋商事 ー連結会社は2005年4月、
当社が51%を出資する明治屋
これらの取得は、
基準書第141号に基づき処理しており、
取得価額は
取得日の公正価値に基づき取得した資産および引き継いだ負債に配分
しています。
また、
各社の業績は、
各取得日以降、
連結会社の連結財務諸
表に含まれています。獲得純資産の公正価値は合計で6,642 百万円
(57百万米ドル)
であり、
また取得価額は合計で10,924百万円
(94百
万米ドル)
です。
取得した償却性無形固定資産は3,349百万円
(29百万米ドル)
であ
(15百万米ドル)
および商標権1,190百
り、
主に顧客関係1,707百万円
万円
(10百万米ドル)
です。
顧客関係は5年から13年の間で、
商標権は
5年間で定額償却を行っています。また、取得日に認識したのれんは
4,282百万円(37百万米ドル)となっています。
商事を通じ、
明治屋より食品・酒類卸売事業を取得しました。
この買収
により、
連結会社は明治屋が持つ信用、機能、
人材と、連結会社が有す
る情報力、
ネットワーク、
信用力を結合させ、
ビジネスを拡大すること
が期待されます。
121
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
4. 短期運用資産およびその他の投資
債券および市場性のある株式 ー基準書第115号に基づき、
連結会社が
2005年および2006年3月31日終了の事業年度末における売買目
保有するすべての債券
(主に社債やコマーシャル・ペーパー)
および市
的有価証券および売却可能有価証券に分類された有価証券に関する情
場性のある株式は、
売買目的有価証券に分類される一部を除き、
売却可
報は以下のとおりです。
能有価証券に分類されています。
2005年3月31日現在
単位:百万円
取得原価
未実現評価益
未実現評価損
公正価値
¥108,029
売買目的有価証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売却可能有価証券:
株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥386,167
282,870
¥511,792
5,832
取得原価
未実現評価益
¥(1,529)
(192)
896,430
288,510
単位:百万円
2006年3月31日現在
未実現評価損
公正価値
¥ 136,993
売買目的有価証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売却可能有価証券:
株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥414,987
221,964
¥976,166
2,506
¥ (836)
(1,267)
1,390,317
223,203
単位:百万米ドル
2006年3月31日現在
取得原価
未実現評価益
未実現評価損
公正価値
$ 1,171
売買目的有価証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売却可能有価証券:
株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
$3,547
1,897
$8,343
22
$ (7)
(11)
11,883
1,908
2006年3月31日終了の事業年度末において、連結貸借対照表の現金および現金同等物に含まれている売却可能有価証券ー債券の帳簿価額
は、49,996百万円(427百万米ドル)です。
2006年3月31日終了の事業年度末における売却可能有価証券に分類された債券の貸借対照表価額の期日別内訳は以下のとおりです。
単位:百万円
単位:百万
米ドル
1年以内 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1年超5年以内 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
5年超10年以内 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
10年超 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥102,634
82,169
29,460
8,940
$ 877
702
252
77
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥223,203
$1,908
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度における売却可能有価証券の売却収入額、売却益および売却損の総額は以下のと
おりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
2005年
2006年
2006年
売却収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥232,641
¥327,994
¥240,243
$2,053
売却益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売却損 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 38,450
(1,132)
¥ 18,698
(1,346)
¥ 37,839
(747)
$ 323
(6)
売却損益(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 37,318
¥ 17,352
¥ 37,092
$ 317
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度の当期純
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度末におい
利益には、
売買目的有価証券の未実現評価損益の変動により、
それぞれ
て、
売却可能有価証券に分類された市場性のある株式のうち、
時価の下
81百万円の損失、1,718百万円および10,306百万円(88百万米ドル)
落が一時的ではないと判断し、
連結損益計算書上に計上した評価損は
の利益が含まれています。
それぞれ1,720百万円、
12,408百万円および572百万円(5百万米ド
ル)
です。
122
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
2005年および2006年3月31日終了の事業年度において、一時的な下落と判断される未実現評価損を有する投資の総未実現評価損および公
正価値を、
投資分類および未実現評価損が継続している期間別に集計すると以下のとおりです。
単位:百万円
下落期間12カ月未満
2005年3月31日現在
下落期間12カ月以上
合計
公正価値
未実現評価損
公正価値
未実現評価損
公正価値
未実現評価損
債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 6,726
22,222
¥ (958)
(174)
¥1,727
1,072
¥(571)
(18)
¥ 8,453
23,294
¥(1,529)
(192)
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥28,948
¥(1,132)
¥2,799
¥(589)
¥31,747
¥(1,721)
市場性のある株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
単位:百万円
下落期間12カ月未満
2006年3月31日現在
下落期間12カ月以上
合計
公正価値
未実現評価損
公正価値
未実現評価損
公正価値
未実現評価損
債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 1,504
33,372
¥ (108)
(1,002)
¥3,326
3,446
¥(728)
(265)
¥ 4,830
36,818
¥ (836)
(1,267)
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥34,876
¥(1,110)
¥6,772
¥(993)
¥41,648
¥(2,103)
市場性のある株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
単位:百万米ドル
下落期間12カ月未満
2006年3月31日現在
未実現評価損
合計
未実現評価損
公正価値
債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
$ 13
285
$ (1)
(9)
$28
30
$ (6)
(29)
$ 41
315
$ (7)
(11)
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
$298
$(10)
$58
$ (8)
$356
$(18)
市場性のある株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
公正価値
下落期間12カ月以上
公正価値
未実現評価損
市場性のある株式ー市場性のある株式の未実現評価損は、
主に約50社
債券および市場性のある株式以外の投資ー
「その他の投資」
は、
市場性
の顧客および仕入先の普通株式で生じており、
市場価格の変動により
のない非関連会社、
すなわち顧客、
仕入先および金融機関に対する投資
生じているものです。
個々の投資の公正価値は投資簿価からおおよそ
からなり、
優先株式を含んでおり、
2005年および2006年3月31日終
1%から47%の下落となっています。当社は、これらの投資を公正価値
了の事業年度末の残高はそれぞれ313,524百万円および307,967百
の回復を合理的に見込める期間にわたり、
保有する能力および意思を
万円
(2,632百万米ドル)
です。
また
「その他の投資」
には、
差入保証金や
有していることと、当事業年度中の相当な株式市況全般の回復から、
長期の定期預金なども含んでおり、
2005年および2006年3月31日終
2006年3月31日終了の事業年度末において、これらの投資について
了の事業年度末の残高はそれぞれ69,523百万円および64,744百万
は、
一時的でない下落による減損ではないと判断しています。
円
(553百万米ドル)です。
債券ー債券の未実現評価損は、2006年3月31日終了の事業年度末に
市場性のない非関連会社に対する投資は公正価値を容易に入手する
おいて1,267百万円(11百万米ドル)となっています。
未実現評価損
ことが困難なため、取得原価で計上しています
(「原価法投資」
)。
しか
は、
約20銘柄の社債で生じており、
個々の投資の公正価値は投資簿価
し、
公正価値に重要な影響を及ぼす事象の発生や状況の変化が見られ、
からおおよそ0.1% から17%の下落となっています。未実現評価損
公正価値が下落したと評価され、
その下落が一時的でないと判断され
は、
主に金利の上昇およびクレジットスプレッドの拡大により生じて
た場合は、
公正価値を入手するとともに、
当該見積公正価値まで評価減
いるものです。
社債のクレジットスプレッドはわずかに拡大していま
を行っています。
すが、
当社は継続的な評価により、
現在のところ、
これらの投資が償還
期限に全額償還されると考えています。
当社は、これらの投資を公正
価値の回復が合理的に見込める償還日までの期間にわたり、
保有する
能力および意思を保有していることから、
2006年3月31日終了の事
業年度末において、
一時的でない下落による減損は生じていないと判
減損の判定を実施しなかった原価法投資の残高は、
2005年および
2006年3月31日終了の事業年度末で、それぞれ306,028百万円およ
(2,608百万米ドル)
です。減損の判定を実施しな
び305,188百万円
かったのは、
公正価値に重要な影響を及ぼす事象の発生や状況の変化
が見られず、かつ公正価値を見積もることが実務上困難なためです。
断しています。
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度末に計上
当社の投資先で、
取得株式の公正価値と帳簿価額との差額に基づき
株式交換損益の認識が必要となる企業結合が行われたことにより、
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度において、
それぞれ株式交換損441百万円、
株式交換益395百万円および530百
万円
(5百万米ドル)を計上しました。
された原価法投資の評価損は37,290百万円、
17,319百万円および
7,497百万円(64百万米ドル)です。2004年3月31日終了の事業年度
に計上された評価損には、
当社が持分11.6%を保有していたパワード
コムへの投資に対する評価損20,437百万円が含まれます。
123
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
5. 関連会社に対する投資および長期債権
関連会社
(連結会社が20%以上50%以下の議決権を所有する会社、
関連会社の事業は主として製造、
資源開発およびサービスの各分野
20%未満であっても重要な影響力を行使し得る会社、コーポレート
にわたっており、
主に連結会社の取引に購入者または供給者として参
ジョイントベンチャー)
に対する投資は持分法を適用しています。
加しています。
その営業地域は主として日本、
アジア、
オセアニア、
欧州
(20.00%)、
これらの投資先には、Sakhalin Energy Investment
ローソン(31.67%)
、
Japan Australia LNG(MIMI)
(50.00%)
、MI
Berau(56.00%)、サウディ石油化学(21.09%)、MOZAL(25.00%)
および北米です。
2005年および2006年3月31日終了の事業年度末における関連会
社に対する投資および長期債権の残高は以下のとおりです。
などがあります。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2005年
2006年
長期債権 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥777,541
57,538
¥1,041,750
48,472
$8,904
414
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥835,079
¥1,090,222
$9,318
投資 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
上記の関連会社に対する投資額には、
のれん残高が含まれています。
ました。
この減損損失はローソンに対する投資の帳簿価格と2004年
2005年および2006年3月31日終了の事業年度末におけるのれん残
12月末の市場取引価格との差額で、連結損益計算書の「有価証券損益」
高は、それぞれ92,219百万円および107,237百万円(917百万米ド
に計上されています。
ル)
となっています。
連結会社は、Tangguh LNGプロジェクトとよばれるインドネシア
また関連会社に対する投資額には、
市場性のある株式が含まれてい
でのLNG事業に参画しているMI Berau
(オランダ企業)
の株式を56%
2005年および2006年3月31日終了の事業年度末における市場
ます。
保有しており、
国際石油開発
(以下
「インペックス」
)
が少数株主として
性のある株式の簿価は、
それぞれ205,733百万円および239,505百
株式を44%保有しています。
MI Berauの業績は連結会社の2002年3
万円
(2,047百万米ドル)
です。
また、
これらの市場価額の総額について
月31日終了の事業年度より業績に連結していました。
2004年3月31
242,971百万円および363,076百万円(3,103百万米ド
はそれぞれ、
日終了の事業年度において、連結会社は、インペックスと合弁契約書
ル)
です。このうち、
ローソンの株式に関しては、帳簿価額がそれぞれ
(以下
「株主間協定書」
)
を取り交わし、
MI Berauの経営上の重要事項の
123,406百万円および127,887百万円(1,093百万米ドル)です。ま
決定に関しては連結会社に加えて、
インペックスの同意を必要とする
た、
市場価額については、
それぞれ127,653百万円および143,529百
旨を規定しました。
株主間協定書にて付与された権利により、
インペッ
万円
(1,227百万米ドル)となっています。
クスはMI Berauに対して、
重要な影響力を行使し得ることとなり、
連
ローソンに対する投資の公正価額については、当社による将来の
キャッシュ・フロー予測、
加重平均資本コスト、
ローソン株の市場取引
価格を基にして独立した鑑定人が割引キャッシュ・フロー分析法を用
いて算出していますが、
投資簿価と市場取引価格との間の乖離が長期
間にわたり発生していることを勘案し、
2005年3月31日終了の事業
年度の第3四半期において54,439百万円ののれんの減損処理を行い
124
2006年
結会社は、
単独での支配権を行使する立場にはなくなりました。
それに
伴い、
EITF第96-16号「少数株主が拒否権などの実質的参加権を有し
ている場合の子会社に関する会計処理」
に従い、
連結会社はMI Berau
の業績を連結することを取り止め、
2003年7月1日より持分法を適用
しています。
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度末における、持分法を適用している関連会社の要約財務情報は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2005年
2006年
2006年
その他の資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥1,800,780
2,492,608
966,476
¥2,139,171
3,331,337
1,168,650
$18,284
28,473
9,988
資産合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥5,259,864
¥6,639,158
$56,745
流動負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
資本勘定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥1,718,811
1,123,972
10,075
2,407,006
¥1,930,931
1,497,916
19,620
3,190,691
$16,504
12,803
168
27,270
負債および資本合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥5,259,864
¥6,639,158
$56,745
流動資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有形固定資産
(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
固定負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
少数株主持分 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
2005年
2006年
2006年
売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥5,013,324
¥4,611,073
¥5,722,770
$48,913
売上総利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥1,114,093
¥1,143,004
¥1,370,868
$11,717
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 180,137
¥ 275,505
¥ 379,294
$ 3,242
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度におけ
915,449 百万円、1,125,680 百万円および1,186,015 百万円
る、
連結会社の関連会社に対する売上高は、
それぞれ916,135百万円、 (10,137百万米ドル)となっています。
926,101百万円および1,095,523百万円(9,363百万米ドル)となっ
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業
ています。
また、
年度における、連結会社が関連会社から購入した額は、それぞれ
また、
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度に
おける関連会社からの受取配当金は、それぞれ 3 2 , 1 0 0 百万円、
59,560百万円および65,948百万円(564百万米ドル)です。
6. 貸倒引当金
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度における貸倒引当金の推移は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
2005年
2006年
2006年
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥182,591
¥166,986
¥157,424
$1,346
貸倒引当金繰入額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
7,436
9,376
4,838
41
取崩額:
回収 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(33,672)
4,079
(26,945)
5,980
(74,076)
8,554
(633)
73
小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(29,593)
(20,965)
(65,522)
(560)
切捨 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
.............................................
6,552
2,027
301
2
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥166,986
¥157,424
¥ 97,041
$ 829
(注)
その他
(注)
「その他」
には、
主に新規連結、連結除外および為替変動の影響が含まれています。
基準書第114号
「貸付金の減損に対する債権者の会計」
で規定されて
減損債権に係る受取利息は、
原則として現金主義により計上してお
いる、
減損が生じていると判断される貸付金の合計残高
(1年超の売掛
り、
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度に計上
金を含む)
は、
2005年および2006年3月31日終了の事業年度末にお
した金額は僅少です。
いて、それぞれ143,007百万円および67,701百万円(579百万米ド
ル)
であり、
これに対する貸倒引当金はそれぞれ117,946百万円およ
び59,844百万円(511百万米ドル)です。
125
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
7. 有形固定資産
2005年および2006年3月31日終了の事業年度末の有形固定資産の内訳は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2005年
販売用不動産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
土地 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
建物
(リース資産の改造費などを含む) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
機械および装置 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
航空機および船舶 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
鉱業権 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
建設仮勘定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
減価償却累計額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有形固定資産ー減価償却累計額控除 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度における
¥
66,240
257,922
510,170
564,289
393,824
142,821
37,448
1,972,714
(745,553)
¥1,227,161
2006年
¥
56,655
260,161
517,108
652,556
422,540
167,838
74,054
2,150,912
(823,640)
¥1,327,272
2006年
$
484
2,224
4,420
5,577
3,611
1,435
633
18,384
(7,040)
$11,344
事業関連設備、
賃貸用倉庫・土地に対する減損などが含まれています。
減価償却費は、それぞれ102,982 百万円、102,794 百万円および
2006年3月31日終了の事業年度における減損は、主に競争激化によ
104,725百万円(895百万米ドル)です。
る事業環境悪化に伴う収益性の低下や、
連結子会社の経営方針の変更
2006年3月31日終了の事業年度における長期性資産の減損には、
主に連結子会社が保有する物流センターおよび賃貸用倉庫、
土地、
同じ
く連結子会社が保有する衛星事業関連設備に対する減損が含まれてお
り、
2004年および2005年3月31日終了の事業年度においては連結子
会社が保有する施設、
土地、
航空機、
同じく連結子会社が保有する通信
に関連しています。
また、
2004年および2005年3月31日終了の事業
年度における減損も、
主に事業環境の悪化に伴う収益性の低下や、
連結
子会社の経営方針の変更に関連しています。
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度における
減損額のセグメント別の内訳は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
セグメント
2004年
2006年
¥
2,509
4
22
その他(注) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥10,124
9,380
6,324
2,135
50
1,015
10
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥18,952
¥29,038
¥5,300
$45
エネルギー事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
金属 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
機械 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
化学品 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
生活産業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
52
693
267
1,775
2006年
17
6,660
2,473
7,703
37
1,981
81
新機能事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
2005年
$ 6
2
15
(注)
「その他」
は、
特定の事業セグメントに割り振ることのできない共用資産の減損を表しています。
これらの金額は連結損益計算書の
「固定資産損益」
に含まれており、
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度において
当該資産の帳簿価額と見積公正価値との差額として算定しています。
資産化された支払利息は、
それぞれ1,848百万円、
1,696百万円および
見積公正価値は主に第三者による鑑定評価または割引キャッシュ・フ
1,798百万円(15百万米ドル)です。
ロー法に基づき算定しています。
126
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
8. 担保差入資産
2006年3月31日終了の事業年度末における短期借入金、長期債務および取引保証などに対する担保差入資産は以下のとおりです。
単位:百万円
単位:百万
米ドル
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 60,106
11,667
159,729
73,903
$ 514
100
1,365
631
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥305,405
$2,610
単位:百万円
単位:百万
米ドル
取引保証など . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 14,459
242,646
48,300
$ 124
2,074
412
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥305,405
$2,610
受取手形、
貸付金および売掛金
(短期および長期). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
投資有価証券
(貸借対照表計上額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有形固定資産
(減価償却累計額控除後) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
上記の担保差入資産を見合債務の種類別に分類すると以下のとおりです。
短期借入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期借入債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
連結会社は、
輸入金融の方法として、
通常は、
銀行にトラスト・レシー
ト
(輸入担保荷物保管証)
を差し入れ、
その銀行に対して輸入商品また
は売上債権およびその売却代金に対する担保権を付与しています。
輸
入業務が量的に膨大であることから、
手形を期日に決済するに当たり、
個々に当該手形とその売却代金との関連付けは行っていません。
従っ
て、
これらトラスト・レシートの対象となっている資産総額を確定する
ことは実務上困難です。
また貸付銀行の中には、
当該注記に記載された担保差入資産のほか
に担保差入
(あるいは追加担保差入)
を設定する権利を要求するものが
あります。
これらについては、注記12をご参照ください。
9. のれんおよびその他の無形固定資産
連結会社は基準書第142号に従い、
のれんおよび耐用年数を確定で
その他の無形固定資産
きない無形固定資産については償却を行っていません。
また、
連結会社
2005年および2006年3月31日終了の事業年度末におけるその他
は償却対象の無形固定資産については耐用年数にわたって償却を行っ
の無形固定資産の帳簿価額、
償却累計額の主な資産種類別の内訳は以
ています。
下のとおりです。
単位:百万円
2005年3月31日現在
取得原価
償却累計額
帳簿価額
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 53,518
39,037
9,980
¥(27,992)
(14,916)
(4,085)
¥25,526
24,121
5,895
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥102,535
¥(46,993)
¥55,542
償却対象の無形固定資産:
ソフトウエア . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
製造・販売・サービス実施権および商標権 . . . . . . .
耐用年数が確定できない無形固定資産:
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 1,421
3,453
3,834
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 8,708
借地権 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
顧客関係 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
127
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
単位:百万円
2006年3月31日現在
単位:百万米ドル
取得原価
償却累計額
帳簿価額
取得原価
償却累計額
帳簿価額
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 62,656
39,017
1,829
12,583
¥(32,978)
(21,721)
(104)
(5,444)
¥29,678
17,296
1,725
7,139
$535
333
16
108
$(282)
(185)
(1)
(47)
$253
148
15
61
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥116,085
¥(60,247)
¥55,838
$992
$(515)
$477
償却対象の無形固定資産:
ソフトウエア . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
製造・販売・サービス実施権および商標権 . . . . . . .
顧客関係 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
耐用年数が確定できない無形固定資産:
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 2,745
2,797
6,051
$ 23
24
52
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥11,593
$ 99
借地権 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
顧客関係 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度に取得し
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度に取得し
た償却対象の無形固定資産は、それぞれ合計で 3 2 , 4 9 8 百万円、
た耐用年数を確定できない無形固定資産は、
それぞれ合計で650百万
14,598百万円および18,741百万円(160百万米ドル)です。2004年
円、
3,773百万円および1,798百万円(15百万米ドル)です。2005年3
3月31日終了の事業年度に取得した主なものは、欧州自動車事業にお
月31日終了の事業年度に取得した主なものは、
卸売事業に係る顧客関
けるファイナンスサービス実施権 1 8 , 3 6 0 百万円、ソフトウエア
係3,453百万円です。
11,926百万円です。2005年3月31日終了の事業年度に取得した主な
ものは、
アジア自動車事業における製造および販売実施権2,182百万
2006年3月31日終了の事業年度
円、
ソフトウエア9,967百万円です。
に取得した主なものは、
顧客関係1,707百万円
(15百万米ドル)
、
ソフ
トウエア13,133百万円
(112百万米ドル)
です。製造および販売実施
ファイナンスサー
権およびソフトウエアの加重平均償却年数は5年、
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度における
17,166百万
無形固定資産償却費は、
それぞれ合計で14,518百万円、
円および16,952百万円(145百万米ドル)です。
2006年3月31日終了の事業年度末において、翌5年間の見積償却費
は以下のとおりです。
ビス実施権の加重平均償却年数は8年、
顧客関係の加重平均償却年数
は5年から13年の間です。
3月31日に終了する事業年度:
2007年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2008年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2009年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2010年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2011年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度において
128
単位:百万円
単位:百万
米ドル
¥16,252
13,194
9,650
7,554
4,109
$139
113
82
65
35
2005年および2006年3月31日終了の事業年度に発生した減損の
これらの無形固定資産について減損テストを行いました。その結果、
うち主なものは、
サービス実施権の公正価値が下落したことにより発
2004年3月31日終了の事業年度においては減損は発生していないと
生したサービス実施権の減損がそれぞれ4,922百万円および1,652
の判断に至りましたが、
2005年および2006年3月31日終了の事業年
百万円
(14百万米ドル)
であり、
機械グループで発生しています。
また、
度においては、
それぞれ5,987百万円および1,863百万円
(16百万米
公正価値の見積もりには割引将来キャッシュ・フローを使用していま
ドル)の減損が発生しました。
す。
なお、当該減損損失は固定資産損益に含めて表示しています。
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
のれん
2005年および2006年3月31日終了の事業年度における報告セグメント別ののれんの推移は以下のとおりです。
2005年3月31日終了の事業年度
単位:百万円
セグメント
新機能事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
期首残高
取得
その他(注)
¥ 1,679
¥ 383
276
143
¥(1,343)
エネルギー事業 . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
8,739
3,237
4,274
11,657
632
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥30,218
金属 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
機械 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
化学品 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
生活産業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
期末残高
¥
211
2,353
1,010
(429)
(1,797)
(18)
(504)
(203)
719
276
8,453
1,440
4,467
13,506
1,439
¥4,376
¥(4,294)
¥30,300
2006年3月31日終了の事業年度
単位:百万円
セグメント
期首残高
¥ 102
1
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . .
719
276
8,453
1,440
4,467
13,506
1,439
合計 . . . . . . . . . . . . . . .
¥30,300
¥4,402
新機能事業 . . . . . . . . . . . . . . .
エネルギー事業 . . . . . . . . . . . .
金属 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
機械 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
化学品 . . . . . . . . . . . . . . . . . .
生活産業 . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
取得
減損
¥
¥(2,930)
17
4,282
単位:百万米ドル
その他(注)
(683)
(42)
1
(198)
(255)
(44)
(3,712)
598
¥(3,613) ¥(3,652)
期末残高
¥
779
278
8,255
1,185
1,493
9,811
5,636
¥27,437
期首残高
$
取得
6
2
73
12
38
116
12
$ 1
$259
$38
減損
その他(注) 期末残高
$
$ (2)
(2)
$(25)
37
(6)
(32)
5
7
2
71
10
13
84
48
$(31) $(31) $235
(注)
「その他」
には、
売却、
為替換算調整額および買収前の偶発事象の調整が含まれています。
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度におい
2,930百万円(25百万米ドル)は、化学品セグメント
減損金額のうち、
て、
のれんの年次減損テストを行った結果、
2004年および2005年3月
において、
原料高および競争環境の悪化により、石油化学製品の製造
31日終了の事業年度において減損は認識されなかったものの、2006
販売を行う海外子会社の収益が低下し、
その結果当該子会社の公正価
年3月31日終了の事業年度においては3,613百万円
(31百万米ドル)
値が減少したため減損損失を計上したものです。なお、報告単位の公
の減損損失を計上しました。
これは、
「その他の損益ー純額」
に含まれ
正価値は、
主に割引将来キャッシュ・フローを使用して見積もられて
ています。
これらについては、注記20をご参照ください。
います。
10. デリバティブ取引およびヘッジ活動
リスク管理全般 ー連結会社は、通常の営業活動において、
金利変動、
為
ローの変動と高い相殺関係があるかどうかに関する有効性評価を実施
替変動、
商品相場および株価変動などの市場リスクに晒されています。
しています。
デリバティブ取引に関してヘッジとしての有効性が認め
これらのリスクを管理するため、
連結会社は、
原則として、
リスクの純
られないと判断した場合は、
そのデリバティブに対するヘッジ会計の
額を把握して、
ナチュラルヘッジを有効に活用しています。
さらに、
取
適用を中止しています。
引相手先に関するリスク管理方針にのっとってさまざまなデリバティ
ブ取引を締結し、
特定リスクの軽減を図っています。
連結会社の利用しているデリバティブ取引は、
主に金利スワップ、
為
替予約、
通貨スワップ、
商品先物取引です。
これらヘッジ手段の公正価
値の変動は、
その一部もしくは全部が、
対応するヘッジ対象取引の公正
価値の変動またはキャッシュ・フローの変動によって相殺されます。
実
務上可能な場合には常に、
ヘッジ会計の適用要件を満たすべく特定リ
スクに対してヘッジ指定を行っています。
こうした状況下、
連結会社
は、
ヘッジの開始時および継続期間中にわたって、
ヘッジ手段のデリバ
連結会社は、
デリバティブ取引に係る信用リスクを最小限に抑える
ために、
取引相手先を信用度の高い主要な国際金融機関に限定すると
ともに、
特定の取引相手先への集中を抑え、
また相手先の信用状況を常
時把握しています。
金利変動リスクの管理 ー連結会社のファイナンス、投資活動、資金管
理などの業務は、
金利変動に伴う市場リスクに晒されています。
これら
のリスクを管理するために、
連結会社は金利スワップ契約を締結して
います。
金利スワップは、
多くの場合、
固定金利付資産・負債を変動金利
付資産・負債に変換するために、
また一部の変動金利付資産・負債を固
ティブ取引がヘッジ対象取引の公正価値の変動またはキャッシュ・フ
129
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
定金利付資産・負債に変換するために利用しています。
固定金利付およ
キャッシュ・フローヘッジ ーキャッシュ・フローヘッジとして指定し
び変動金利付の資産・負債の割合を維持することによって、
資産負債に
たデリバティブは、
主として変動金利付負債を固定金利付負債に変換
関するキャッシュ・フローの全体の価値を管理しています。
する金利スワップ、
および特定の債務に係る機能通貨ベースのキャッ
為替変動リスクの管理 ー連結会社は、グローバルに企業活動を行って
おり、
各社が拠点とする現地通貨以外による売買取引、
ファイナンス、
投資に伴う為替変動リスクに晒されています。
連結会社は、
ナチュラ
ルヘッジを有効に利用して資産や負債、
未認識の確定契約に対する為
替リスクを相殺すること、および非機能通貨のキャッシュ・フローの
経済価値を保全するべく為替予約などの契約を利用することにより、
為替変動リスクを管理しています。
これら外貨建契約が基準書第133
号の下ではヘッジ手段として指定されていない場合であっても、
連結
会社は、
これらの取引が為替変動による影響を有効に相殺していると
判断しています。ヘッジ対象となる主な通貨は、
米ドル、ユーロ、
豪ド
ルです。
商品相場変動リスクの管理 ー連結会社は、売買取引およびその他の営
業活動において、
さまざまな商品の相場変動リスクに晒されています。
連結会社は、
リスク管理方針に基づき、
商品相場のリスクをヘッジする
べく商品先物、
商品先渡し、
商品オプション、
商品スワップを利用して
います。
これらの契約は、
キャッシュ・フローヘッジとしてヘッジ指定
された一部の取引を除き、
基準書第133号におけるヘッジ指定はして
いません。
シュ・フローの変動を減殺する通貨スワップです。
また、
10年を超えな
い商品スワップおよび先物契約も利用しており、キャッシュ・フロー
ヘッジとして指定しています。現在の未決済となっている契約は、
2015年までの予定取引をヘッジしています。2004年、2005年およ
び2006年3月31日終了の事業年度において非有効部分の金額および
有効性評価から除外された金額はありません。
「累積その他の包括損
益」
に計上されたデリバティブ関連の損益は、
対応するヘッジ対象取引
が連結損益計算書で認識された時点で損益に振り替えています。
2006
年3月31日終了の事業年度末において、
「累積その他の包括損益」
に含
まれているデリバティブの純損失のうち約4,700百万円
(40百万米ド
ル;税効果後)は、翌事業年度中に損益に振り替えられる見込です。
2006年3月31日終了の事業年度において、発生が見込まれなくなっ
た予定取引に対するキャッシュ・フローヘッジ取引はありません。
在外事業体に対する純投資のヘッジ ー当社は、
在外事業体に対する純
投資の為替変動リスクを回避するべく、
為替予約を利用しています。
ヘッジ手段であるデリバティブ取引の公正価値の変動は、
「累積その他
の包括損益」
に含まれる為替換算調整勘定に計上されています。
2005
年および2006年3月31日終了の事業年度において、為替換算調整勘
定に含まれたヘッジ手段であるデリバティブの純損益の金額は、
それ
公正価値ヘッジ ー公正価値ヘッジとして指定されるデリバティブは、
ぞれ1,652百万円の利益および14,881百万円
(127百万米ドル)
の損
主として固定金利付資産・負債を変動金利付資産・負債に変換する金利
失となっています。
スワップです。
ヘッジ対象の資産・負債およびヘッジ手段であるデリバ
ティブ取引の公正価値の変動は、
「その他の損益―純額」
として計上し
ています。
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度
において、
公正価値ヘッジとして指定されたデリバティブ取引のうち、
損益に計上した公正価値ヘッジの非有効部分の金額は、
それぞれ44百
万円、113百万円および8百万円(0百万米ドル)の利益となっていま
す。
また、
当該期間において、
確定契約に対する公正価値ヘッジのうち、
ヘッジ会計の要件を満たさなくなった結果損益計上したものはありま
せん。
ヘッジ活動以外に用いられるデリバティブ取引 ー当社および一部の
子会社は、
トレーディング活動の一環として金融デリバティブ契約を
締結しています。
連結会社は、
トレーディングを目的とするデリバティ
ブ取引とリスク管理目的で利用するデリバティブ取引とを明確に区分
しています。
また、
連結会社は、
内部統制上の方針として、
デリバティブ
取引に伴う潜在的な損失を最小化するため厳格なポジションの限度枠
を設定し、
その準拠状況をみるために定期的にポジションを監視して
います。
11. 金融商品の公正価値
連結会社は、
通常業務としてさまざまな金融商品を取り扱っていま
る額ではなく、
また実際の市場での交換価値を示すものでもありませ
す。
通常の営業活動において世界各地でさまざまな業界に属する多数
ん。
また、
異なった前提条件や算出方法を使用して公正価値を算出した
の顧客と取引を行っており、
これら取引に伴う債権や保証の種類も多
場合には、
算出結果が大きく異なることもあります。
岐にわたっています。
そのため、
特定の地域や取引先に対して重要な信
用リスクの集中は生じないと経営者は判断しています。
取引先の債務
金融商品の見積公正価値の算定に当たり使用した算定方法および前
提条件は以下のとおりです。
不履行時に生じる金融商品の信用リスクは、信用リスク管理方針に
則り、
与信限度の承認、
設定および定期的な信用調査を通じて管理して
短期運用資産以外の短期金融資産および負債 ー現金および現
います。
また、
連結会社は、
必要に応じて取引先に対し担保などの提供
金同等物、
定期預金、
営業債権債務および短期借入金は、
比較的
を要求しています。
短期間で満期が到来するため、
これらの公正価値は帳簿価額と
ほぼ同額です。
金融商品の見積公正価値は、
利用可能な市場情報または評価手法に
130
基づき算定しています。
ただし、
市場データから公正価値を導き出すに
短期運用資産およびその他の投資 ー「短期運用資産」および「そ
は主観的な判断が必要とされることから、
見積額は必ずしも実現され
の他の投資」
に含まれる市場性ある有価証券の公正価値は、
市場
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
価格に基づいています。
有価証券の保有目的区分ごとの公正価
長期債務 ー長期債務の公正価値は、連結会社が新たに同一残存
値は、
注記4に記載しています。
また
「その他の投資」
は、
市場性の
期間の借入を同様の条件の下で行う場合に適用される利率を使
ない非関連会社、
すなわち顧客、
仕入先および金融機関に対する
用して、
将来の見積キャッシュ・フローを割り引くことにより算
投資からなり、
優先株式、
差入保証金および長期の定期預金など
定しています。
も含まれています。
長期の定期預金などの公正価値は、
将来の見
デリバティブ ーデリバティブの公正価値は、
ブローカーから入
積キャッシュ・フローの現在価値に基づき算定していますが、
残
手した気配値または連結会社にとって利用可能な情報に基づく
りの非関連会社に対する市場性のない投資は、
容易に価値を算
適切な評価方法により算定しています。
定できない約1,000件に及ぶ取引先に対する小口の投資である
2005年および2006年3月31日終了の事業年度末における、基準書
ため、その公正価値を見積もることは実務上困難です。
第107号
「金融商品の公正価値の開示」
に基づき評価された金融商品の
長期貸付金および長期営業債権ならびに関連会社に対する債権 ー
帳簿価額および見積公正価値は以下のとおりです。
従い、
金融商品とし
これらの金融商品の公正価値は、
内包するリスクに見合う利率
て分類されないものに関しては表に含めていません。
を適用して、
将来の見積キャッシュ・フローを割り引くことによ
り算定しています。
単位:百万円
単位:百万米ドル
2005年
帳簿価額
2006年
公正価値
2006年
帳簿価額
公正価値
帳簿価額
公正価値
金融資産:
短期運用資産以外の短期金融資産
(貸倒引当金控除後). . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥3,597,426
¥3,597,426
¥3,952,803
¥3,952,803
$33,785
$33,785
1,309,816
366,200
1,309,816
1,703,611
369,617
1,703,611
14,561
3,159
14,561
528,750
552,617
454,939
467,530
3,888
3,996
86,193
86,193
44,644
44,644
382
382
2,921,603
2,921,603
3,410,661
3,410,661
29,151
29,151
3,699,739
3,684,690
3,304,818
3,289,482
28,246
28,115
53,301
53,301
57,900
57,900
495
495
短期運用資産およびその他の投資:
公正価値の見積もりが可能なもの . . . . . . . .
公正価値の見積もりが実務上困難なもの . . .
長期貸付金および長期営業債権ならびに
関連会社に対する債権(貸倒引当金控除後) . .
デリバティブ資産(
「その他の流動資産」
および「その他の資産」
に含む) . . . . . . . . . . .
金融負債:
短期金融負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期債務(1年内の期限到来分および
「その他の固定負債」に含まれる
長期営業債務を含む). . . . . . . . . . . . . . . . . .
デリバティブ負債(
「その他の流動負債」
および「その他の固定負債」に含む). . . . . . . .
12. 短期借入金および長期借入債務
2005年および2006年3月31日終了の事業年度末の短期借入金の内訳は以下のとおりです。
2005年
単位:百万円
コマーシャル・ペーパー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥534,841
10,283
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥545,124
銀行借入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2006年
金利率
1.5%
4.8
単位:百万円
¥563,031
63,124
¥626,155
2006年
金利率
2.2%
2.1
単位:百万
米ドル
$4,812
540
$5,352
利率は、
2005年および2006年3月31日終了の事業年度末の借入金残高を基準とした加重平均利率で表示しています。担保を差し入れてい
る短期借入金については、注記8「担保差入資産」
をご参照ください。
131
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
2005年および2006年3月31日終了の事業年度末の長期借入債務の内訳は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2005年
担保付長期借入債務
(注記8参照)
:
民間銀行および保険会社
最終返済期限2034年、
年利率主として1%∼2.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
政府系金融機関
年利率主として2%∼2.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
最終返済期限2022年、
民間銀行およびその他金融機関(外貨建)
年利率主として3%∼9.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
最終返済期限2022年、
政府系金融機関
(外貨建)
最終返済期限2025年、
年利率主として3%∼6.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
変動利率、2006年3月31日終了の事業年度末現在0.85%). . . . . . . . .
(2008年満期、
円建普通社債
(2007∼2009年満期、
固定利率0.56%∼1.675%). . . . . . . . . . . . . . . .
米ドル建社債
(2021年満期、
固定利率6.09%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
無担保長期借入債務:
銀行および保険会社
年利率主として0%∼1.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
最終返済期限2022年、
政府系金融機関
年利率主として1%∼1.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
最終返済期限2018年、
政府系金融機関
(外貨建)
最終返済期限2019年、
年利率主として4%∼5.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
銀行およびその他金融機関
(外貨建)
年利率主として3%∼4.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
最終返済期限2025年、
円建期限前償還条項付社債
変動利率、2006年3月31日終了の事業年度末現在1.7%). . . . . . . . . .
(2015年満期、
円建期限前償還条項付社債(2010年満期、
可変固定利率1.5%). . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建期限前償還条項付社債(2013年満期、
可変固定利率1.3%). . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建期限前償還条項付社債(2013年満期、
可変固定利率1.23%). . . . . . . . . . . . . . . . .
円建期限前償還条項付社債(2013年満期、
可変固定利率0.7%). . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建期限前償還条項付社債(2013年満期、
可変固定利率0.6%). . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建期限前償還条項付社債(2014年満期、
可変固定利率1.04%). . . . . . . . . . . . . . . . .
円建期限前償還条項付社債(2015年満期、
可変固定利率0.9%). . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建期限繰延条項付社債
変動利率、2006年3月31日終了の事業年度末現在0.377%). . . . . . . .
(2009年満期、
円建普通社債
(2007∼2010年満期、
変動利率、
2006年3月31日終了の事業年度末現在0.4%∼2.663%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2013∼2014年満期、
変動利率、
2006年3月31日終了の事業年度末現在0.834%∼2.163%). . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2015∼2016年満期、
変動利率、
2006年3月31日終了の事業年度末現在2.177%∼2.521%). . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2017年満期、
変動利率、
2006年3月31日終了の事業年度末現在1.145%∼1.952%). . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2006年満期、
固定利率2%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2007∼2008年満期、
固定利率0.6%∼2.125%). . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債(2009年満期、
固定利率2.08%∼2.58%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2010∼2019年満期、
固定利率2.07%∼3.18%). . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2008∼2009年満期、
固定利率0.35%∼0.72%). . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2012∼2015年満期、
固定利率0.91%∼1.27%). . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2016∼2017年満期、
固定利率2%∼2.65%、
変動利率への変更条件付).
米ドル建社債
(2005年満期、
固定利率3.6%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
泰バーツ建社債
(2008年満期、
固定利率3.35%∼3.77%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円・米ドル・リバースデュアルカレンシー社債
(2009年満期、
固定利率3%). . . . . . . . . .
円建新株予約権付社債
(2011年満期、
ゼロクーポン) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円・豪ドル・デュアルカレンシー社債
(2007年満期、
固定利率3.17%) . . . . . . . . . . . . .
円建ミディアム・ターム・ノート
年利率0%∼5.43%、
(2005年3月31日終了の事業年度末2005∼2019年満期、
2006年3月31日終了の事業年度末2006∼2019年満期、年利率0%∼4.21%) . . . .
米ドル建ミディアム・ターム・ノート
年利率2.7%∼7.1%、
(2005年3月31日終了の事業年度末2005∼2009年満期、
2006年3月31日終了の事業年度末2008∼2011年満期、年利率4.5%∼5.53%). . .
円建コマーシャル・ペーパー
(平均利率0.071%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
加算:プレミアム未償却残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
加算:基準書第133号による公正価値への修正 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
差引1年内期限到来分 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1年内期限到来分に関する公正価値への修正 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期債務(1年内期限到来分控除後). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
132
¥
30,824
2006年
¥
26,072
2006年
$
223
44,519
34,700
296
47,397
45,926
392
31,310
26,050
223
3,600
11,046
¥168,696
1,500
1,600
9,483
¥145,331
13
14
81
$1,242
1,495,901
1,431,336
12,234
152,164
145,129
1,241
102,843
95,409
816
347,212
299,409
2,559
10,000
10,000
10,000
10,000
14,000
10,000
15,000
10,000
10,000
85
10,000
10,000
14,000
10,000
15,000
10,000
85
85
120
85
128
85
35,000
34,400
294
59,100
59,100
505
65,000
65,000
556
35,000
55,000
470
30,000
257
61,000
120,000
117,000
35,000
57,000
521
1,026
1,000
299
487
9,148
15,000
8,524
2,920
78
128
73
25
96,006
821
20,000
61,500
120,000
117,000
35,000
57,000
30,000
13,081
8,037
15,000
150,000
3,043
139,994
29,414
150,000
3,330,289
3,498,985
2,571
28,071
3,529,627
(563,106)
1,622
¥2,968,143
8,232
210,000
3,033,613
3,178,944
121
(10,282)
3,168,783
(291,224)
(410)
¥2,877,149
70
1,795
25,928
27,170
1
(87)
27,084
(2,489)
(4)
$24,591
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
2002年6月17日、当社は総額150,000百万円の2011年満期円貨建
141,476百万円(1,210百万米ドル)が1株当たり転換価
社債のうち、
転換社債型新株予約権付社債を発行し、
149,910百万円を調達しまし
額1,188円で普通株式に転換されました。
当社は当社債を3,750百万
た。
当社債の所有者は、
2002年7月1日以降の権利行使期間において、
円のプレミアム付で発行しましたが、
本プレミアムは、
社債の一部とし
1株当たり転換価額1,188円で当社債を当社普通株式に転換すること
て負債に計上し、
社債の期間にわたり償却することで毎期利益認識し
が可能です
(ただし、
所定の事由が生じた場合には転換価額は適宜調整
ています。
一方、
当社は当社債に関する発行費用として3,750百万円を
されます)
。
また当社は、
所定の償還条件に基づき、
2005年6月17日か
支払いましたが、
本社債発行費用は
「その他の資産」
に計上し、
社債の期
ら2006年6月16日までの期間においては額面金額の105%
(2006年
間にわたり支払利息として毎期費用認識しています。
6月17日から2007年6月16日までの期間においては104%)で当社債
を償還することができます。
2006年3月31日終了の事業年度中に、当
2006年3月31日終了の事業年度末における長期債務の契約上の返
済年度別内訳は以下のとおりです。
単位:百万円
単位:百万
米ドル
2007年3月31日まで(流動負債に含む). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2008年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2009年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2010年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2011年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2011年4月1日以降 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 291,224
325,690
362,932
404,637
530,806
1,263,655
$ 2,489
2,784
3,102
3,458
4,537
10,800
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥3,178,944
$27,170
連結会社は、
金利および為替の変動に起因する市場リスクを軽減す
2001年10月7日、当社は2010年12月に契約満期を迎える上記の
る目的から、
短期借入金および長期借入債務の一部に対し金利スワッ
長期未使用融資与信枠、合計210,000百万円を、コマーシャル・ペー
プおよび通貨スワップ契約を締結しています。2006年3月31日終了
パーのために全枠使用することとしました。
当該与信枠に対応するコ
の事業年度末において、
銀行借入金970,794百万円
(8,297百万米ド
マーシャル・ペーパーの残高は、
2005年3月31日終了の事業年度末に
(5,709百万米ドル)
、ミディアム・ターム・
ル)
、社債668,000百万円
2006年3月31日終了の事業年度末において
おいて150,000百万円、
ノート105,208百万円
(899百万米ドル)
に対して金利スワップおよ
210,000百万円(1,795 百万米ドル)です。このコマーシャル・ペー
び通貨スワップ契約を締結しており、
これらのスワップ契約締結後の
パーは、
当社の運転資金およびその他一般資金需要に充当すべく発行
実効金利率は、
主として3カ月物LIBOR(London Interbank Offered
しているものであり、
また、
当社が、
本融資与信枠を背景にしたコマー
Rate)に基づいています。
シャル・ペーパーの継続発行によりこれらを長期的に借り替える意図
連結会社は、
さまざまな銀行との間で融資与信枠を設定しており、
そ
の設定額には、
2006年3月31日終了の事業年度末において、当社が保
(2,650百万米ドル)
、
国内
有している円建協調融資枠310,000百万円
連結子会社が保有している円建協調融資枠184,000百万円
(1,573百
と能力を有していることから、
2005年および2006年3月31日終了の
事業年度末において、
当該コマーシャル・ペーパーの残高を長期借入債
務として計上しています。
大部分の長短銀行借入は銀行取引約定に基づき行われていますが、
万米ドル)
、
および当社および米国連結子会社が保有している米ドル建
この約定には、
日本における慣行上、
銀行は一定の条件下において借手
外貨協調融資枠1,526百万米ドルが含まれています。
当社、
国内連結子
に対して担保
(または追加担保)
もしくは保証人を要求することができ
会社および米国連結子会社は、
これらの協調融資枠設定の対価として
る旨の規定が含まれています。
さらに、
担保が借手の特定債務に対して
銀行に対し手数料を支払っていますが、2004 年、2005 年および
差し入れられた場合でも、
銀行は当該担保を借手の全債務に対して供
2006年3月31日終了の事業年度については支払金額に重要性はあり
されたものとして取り扱うことができる旨の規定が含まれています。
ません。
なお、
協調融資枠設定に係る手数料には、
当社の信用格付けに
一部の長期借入契約には、
銀行から請求があった場合、
借手は配当金お
基づき決定されるものがあります。
国内連結子会社は上記の円建協調
よびその他の利益処分案を株主総会前に提出し、
あらかじめその承認
融資枠の保有に当たり、
一定の財務制限の維持を求められています。
を受けるとの条項が付されています。
また、
一部の借入契約の債務不履
上記の協調融資枠や当座借越契約を含む未使用融資与信枠は、
2005年3月31日終了の事業年度末において短期925,971百万円お
よび長期239,150百万円、
2006年3月31日終了の事業年度末におい
て短期989,762百万円
(8,460百万米ドル)
および長期290,601百万
円
(2,484百万米ドル)となっています。
行条項には、
借手の動産に関して銀行に所定の優先権を認めているも
のがあります。
主として政府系金融機関との間で締結された借入契約
には、
貸手は、
借手の期間損益の増加、
あるいは増資または社債発行に
よる調達資金をもって借入金の期前弁済が可能と判断した時には、
借
手に対し返済期限以前の借入残高圧縮を要求し得る旨の条項が付され
ているものもあります。
2005年および2006年3月31日終了の事業年
度において、
連結会社は上記の要求を受けたことはなく、
また今後も受
けることはないと判断しています。
133
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
13. 法人税等
日本における法人税等は、
法人税、
事業税および住民税から構成され
ており、
これら日本における税金の法定税率を基礎として算出した法
定実効税率は、
2004年3月31日終了の事業年度において42%、2005
年および2006 年 3 月 31 日終了の事業年度においては41% です。
2004年4月1日以降開始事業年度より法定実効税率が42%から41%
に変更されました。
また、
海外子会社に対しては、
その所在国における
法人所得税が課せられています。
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度の法定実
効税率と連結財務諸表上の実効税率の差異要因は以下のとおりです。
2004年
2005年
2006年
法定実効税率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税務上の損金不算入額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税効果を認識しない子会社の当期損失 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期に認識した子会社の過年度損失の税効果 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
低税率諸国にある海外子会社の当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
持分法投資に係る税効果 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
受取配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税率変更の影響 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
特定の繰延税金資産に対する評価性引当金の取り崩し . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
過年度法人税等(注) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
42.0%
2.7
2.7
(1.8)
(6.0)
4.5
4.0
0.5
41.0%
1.8
2.6
(2.0)
(5.2)
4.3
2.3
41.0%
0.9
1.3
(1.5)
(5.7)
1.1
4.5
1.3
(0.1)
(3.3)
6.7
(0.7)
実効税率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
49.9%
44.7%
44.3%
(注)
「過年度法人税等」
は、
当社とオーストラリア関係会社との間の取引に関する移転価格の更正23,385百万円、
およびタイ関係会社の出資形態変更に係る更正8,605百万円
によるものです。
これらの金額は更正通知を受領していなかったため見積額にて計上しており、
また、
更正によって創出される外国税額控除の影響を含めています。
なお、
2006年6月1日、東京国税局よりタイ関係会社の出資形態変更に係る更正通知を受領しましたが、見積計上額との差異は軽微でした。
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度に認識された法人税等の総額は、次の各科目に計上しています。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
2005年
2006年
2006年
法人税等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の包括損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 74,853
143,442
¥ 93,751
87,154
¥212,056
221,705
$1,812
1,895
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥218,295
¥180,905
¥433,761
$3,707
2005年および2006年3月31日終了の事業年度末における繰延税金資産および負債の主な構成項目は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2005年
繰延税金資産:
貸倒引当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
退職給与および年金債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
固定資産減損 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰越欠損金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未払費用等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰延税金資産(総額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
評価性引当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
3,945
3,453
10,452
33,027
82,115
187,448
(37,509)
132,992
(26,851)
2006年
$
34
30
89
282
702
1,137
(229)
繰延税金資産(評価性引当金控除後). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
149,939
106,141
908
繰延税金負債:
減価償却費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有価証券およびその他の投資 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有形固定資産および無形固定資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
25,679
167,714
62,323
39,058
31,092
366,808
57,855
57,128
266
3,136
494
488
繰延税金負債(総額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
294,774
512,883
4,384
繰延税金負債
(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
134
¥ 43,387
38,175
14,009
26,283
65,594
2006年
¥(144,835)
¥(406,742)
$(3,476)
評価性引当金は、
将来税務上減算される一時差異および繰越欠損金
おいて3,571百万円減少、
2005年3月31日終了の事業年度において
について認識した繰延税金資産のうち、
実現が不確実と判断される部
は4,125 百万円増加、2006 年3 月31 日終了の事業年度においては
分に対して設定したものであり、2004年3月31日終了の事業年度に
10,658百万円(91百万米ドル)減少しています。
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
繰延税金資産および負債
(純額)
は、
2005年および2006年3月31日終了の事業年度の連結貸借対照表上、以下の各科目に計上しています。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2005年
2006年
流動資産ー短期繰延税金資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
流動負債ーその他の流動負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
固定負債ー長期繰延税金負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 56,289
12,658
(4,909)
(208,873)
¥ 49,493
11,871
(1,443)
(466,663)
$
繰延税金負債
(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥(144,835)
¥(406,742)
$(3,476)
当社では、
連結子会社の未分配利益のうち現時点において配当する
2006年
423
102
(12)
(3,989)
ていない繰延税金負債の算出は実務的に困難です。
ことが予定されていないもの、
ならびに配当された場合に現行の国内
2006年3月31日終了の事業年度末において、連結会社の有する税
税法において追加課税の対象とならないものについては、
繰延税金負
(747百万米ドル)
であり、
こ
務上の繰越欠損金は総額87,403百万円
債を認識していません。
2005年および2006年3月31日終了の事業年
れらは将来発生する課税所得を減額するために使用することが可能で
度末において、
連結財務諸表上、
繰延税金負債を認識していない子会社
す。
2006年3月31日終了の事業年度末における失効期限別の繰越欠
の未分配利益はそれぞれ505,424 百万円および 717,552 百万円
損金額は以下のとおりです。
(6,133百万米ドル)
です。
なお、
海外子会社の未分配利益のうち認識し
単位:百万円
単位:百万
米ドル
.
.
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.
¥ 4,645
8,872
13,304
10,157
7,039
15,357
3,337
24,692
$ 40
76
114
87
60
131
28
211
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥87,403
$747
失効期限:
2007年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . .
2008年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . .
2009年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . .
2010年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . .
2011年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . .
2011年4月1日から2016年3月31日まで .
2016年4月1日から2021年3月31日まで .
2021年4月1日以降 . . . . . . . . . . . . . . . .
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2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度における税引前利益の内訳は以下のとおりです。
単位:百万円
当社および
国内子会社
海外子会社
単位:百万米ドル
合計
2004年3月31日終了の事業年度 . . . . . . . . . . . . . .
¥ 63,245
¥ 86,874
¥150,119
2005年3月31日終了の事業年度 . . . . . . . . . . . . . .
¥116,324
¥ 93,475
¥209,799
2006年3月31日終了の事業年度 . . . . . . . . . . . . . .
¥220,757
¥257,626
¥478,383
当社および
国内子会社
$1,887
海外子会社
$2,202
合計
$4,089
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度における法人税等の内訳は以下のとおりです。
単位:百万円
当社および
国内子会社
単位:百万米ドル
当社および
国内子会社
海外子会社
合計
海外子会社
合計
¥ 56,142
(9,863)
¥30,721
(2,147)
¥ 86,863
(12,010)
¥ 46,279
¥28,574
¥ 74,853
当期税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰延税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 62,180
202
¥35,133
(3,764)
¥ 97,313
(3,562)
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 62,382
¥31,369
¥ 93,751
当期税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰延税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥104,424
29,026
¥73,592
5,014
¥178,016
34,040
$ 892
248
$629
43
$1,521
291
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥133,450
¥78,606
¥212,056
$1,140
$672
$1,812
2004年3月31日終了の事業年度:
当期税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰延税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2005年3月31日終了の事業年度:
2006年3月31日終了の事業年度:
135
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
14. 年金および退職給付債務
当社および一部の連結子会社は、
役員を除くほぼ全従業員を対象と
び過去分返上の認可を受け、
2005年3月31日終了の事業年度に代行
した確定給付型年金制度を設定しています。
また、
年金制度に加え、
多
部分の年金資産を国に返還しました。
代行返上に伴い、
当社および一部
くの国内の連結子会社は、
役員を除く従業員を対象とする非積立型退
の国内子会社の厚生年金基金制度の加算部分は、
確定給付企業年金法
職一時金制度を設定しています。
この制度は、
定年退職または早期退職
に基づく企業年金基金制度となりました。
の際に、
対象者に対し退職一時金を支給するものです。
これらの制度における給付額は、
従業員の給与水準や勤続年数など
に基づき算定されます。
上記確定給付型年金制度の主なものは、
日本の確定給付企業年金法
に基づく企業年金基金制度です。
なお、
それらの一部は、
日本の厚生年
金保険法に基づく、従来の厚生年金基金制度からの以下に記載する
2005年3月31日終了の事業年度の分離行為によるものから構成され
ています。
連結会社は、
EITF第03-2号に従い、加算部分を含む全体の制度から
の代行部分の一連の分離行為について、
給付債務および関連する年金
資産の代行部分の政府への移転が完了した時点において、
段階的に実
施される単一の清算取引の完了として処理しています。
連結会社は、
代
行部分に対応する未認識の年金数理上の純損失の一括認識額25,648
百万円を清算損失として、
代行部分に係る予測給付債務と累積給付債
務との差額2,848百万円を過年度給与上昇分積立額の一括償却額
(利
益)
として、
2005年3月31日終了の事業年度に計上しています。また、
過去分の給付債務が移管された時点における清算された累積給付債務
従来の厚生年金基金制度は、
会社および従業員の拠出からなる国の
と国への返還額との差額金38,534百万円を
「厚生年金基金代行部分
年金制度の一部を会社が代行する部分
(以下、
代行部分)
と、
会社が独自
返上に係る返還差額」
として2005年3月31日終了の事業年度に利益
に設定した従業員非拠出型の確定給付型年金制度を引き継いだ部分
として計上しています。
(以下、
加算部分)
により構成されていました。
日本の確定給付企業年金
連結会社の年金制度では、主に3月31日を測定日としています。
法の施行により、
厚生年金基金制度の代行部分について、
将来分給付義
務の免除および過去分給付債務の返上が可能となりました。
当社、
一部
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度におい
の国内子会社、
およびダイヤ連合厚生年金基金制度
(一部の連結子会社
て、
連結会社の年金制度および連結子会社の退職一時金制度に係る期
および関連会社のほぼ全従業員を対象とした従業員拠出型の確定給付
間純年金費用は以下のとおりです。
型多数事業主年金制度)
は、
それぞれ厚生労働大臣から将来分返上およ
単位:百万
米ドル
単位:百万円
勤務費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
利息費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
年金資産の期待運用収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
数理計算上の差異の償却費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
過去勤務債務の償却費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
会計基準移行時差異の償却費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
清算/制度解散による損失 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年
2005年
2006年
¥15,662
9,963
(4,528)
22,552
(13)
153
1,027
¥11,312
12,126
(7,224)
8,395
(147)
¥10,984
9,511
(6,828)
8,762
70
¥44,816
¥50,691
代行部分返還による清算損失 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
過年度給与上昇分積立額の一括償却 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
期間純年金費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
136
3,429
25,648
(2,848)
2006年
$ 94
81
(59)
75
1
247
2
¥22,746
$194
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
2005年および2006年3月31日終了の事業年度において、連結会社の給付債務および年金資産の変動、年金制度の財政状況および連結貸借
対照表計上額の内訳は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2005年
2006年
2006年
¥383,669
10,984
9,511
940
126
17,869
(16,230)
(2,746)
$3,279
94
81
8
1
153
(138)
(23)
為替換算調整 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥465,654
11,312
12,126
958
(1,530)
11,211
(14,795)
(2,828)
(96,613)
(1,537)
(289)
169
1,767
1
15
期末予測給付債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
383,669
406,059
3,471
349,311
112,361
24,610
940
(13,779)
(2,243)
2,986
960
210
8
(118)
(19)
為替換算調整 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
401,329
(1,122)
21,336
958
(12,535)
(3,973)
(55,231)
(1,270)
(181)
(983)
1,263
(8)
11
期末年金資産公正価値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
349,311
471,480
4,030
65,421
11,312
214
559
97
2
¥ 72,089
¥ 76,947
$ 658
¥107,471
(31,381)
29
828
$ 919
(268)
累積その他の包括損益(税効果考慮前). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 33,750
(42,260)
1,825
78,774
連結貸借対照表に計上した純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 72,089
¥ 76,947
$ 658
給付債務の変動:
期首予測給付債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
勤務費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
利息費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
従業員拠出額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
制度改定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
数理計算上の差異 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
退職給付支払額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
退職一時金の支払および清算、制度解散 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
代行部分返還による予測給付債務の清算 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
新規連結および連結除外の影響 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
年金資産の変動:
期首年金資産公正価値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
年金資産運用損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
会社拠出額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
従業員拠出額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
退職給付支払額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
退職一時金の支払および清算 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
代行部分返還による国への年金資産の返上 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
新規連結および連結除外の影響 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
年金制度の財政状況と連結貸借対照表に計上した純額との調整:
年度末時点の財政状況 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未認識数理計算上の差異 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未認識過去勤務債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
連結貸借対照表に計上した純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(34,358)
106,644
(197)
連結貸借対照表計上額の内訳:
前払年金費用
(
「その他の流動資産」
および
「その他の資産」
に含む). . . . . . . . . . . . . . . . . .
年金および退職給付債務
(
「その他の流動負債」
を含む(注)). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
無形固定資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
7
(注)2005年および2006年3月31日終了の事業年度末残高には、
「その他の流動負債」
で計上している2,989百万円および2,439百万円
(21百万米ドル)
をそれぞれ含みます。
2005年および2006年3月31日終了の事業年度末において、連結会
社の累積給付債務はそれぞれ365,119百万円および381,601百万円
(3,262百万米ドル)です。
2005年および2006年3月31日終了の事業年度末において、累積給
付債務が年金資産を超過する年金制度の予測給付債務、
累積給付債務、
年金資産の公正価値の合計額は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
予測給付債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
累積給付債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
年金資産の公正価値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2005年
2006年
¥338,298
323,694
286,017
¥63,051
61,896
34,879
2006年
$539
529
298
137
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
年金資産
連結会社の確定給付型年金制度において、
年金資産の大部分は当社の制度によるものです。
2005年および2006年3月31日終了の事業年度
末において、当社の資産カテゴリー別の年金資産の内訳は以下のとおりです。
資産配分
2005年
2006年
資産カテゴリー:
持分証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
負債証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
オルタナティブ投資 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
現預金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
55%
3
28
14
65%
9
19
7
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
100%
100%
投資方針
当社の確定給付型年金制度に係る投資方針は、
持分証券、
負債証券、
オルタナティブ投資などさまざまな資産を、
各々のリスク・リターンお
よびそれらの相関関係を加味した上で、
効率的なポートフォリオに構
成し、
将来の給付義務を全うできる水準の収益を安定的に確保するこ
とにあります。
なお、
各資産の運用を実行する際にも、
当社は戦略・ファンドマネー
ジャーに係るリスク分散に留意し、
各資産の運用面でも効率性を追求
することとしています。
前提条件
2005年および2006年3月31日終了の事業年度末において、退職給
付債務の測定上使用した前提条件
(加重平均値)
は以下のとおりです。
割引率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
昇給率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2005年
2006年
2.4%
2.4
2.6%
2.4
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度において、期間純年金費用の計算上使用した前提条件(加重平均値)は以下のとお
りです。
割引率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
昇給率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期期待運用収益率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
連結会社は、
投資方針、
運用収益の過去の実績、
資産の配分、
およびこ
れらの将来見通しを考慮の上、
長期期待運用収益率を決定しています。
拠出金
連結会社は、
年金制度の積立に当たり、
税務上損金算入できる範囲
で拠出することを基本方針としていますが、拠出額は過去の役務提
2004年
2005年
2006年
2.0%
2.4
2.2
2.9%
2.4
3.1
2.4%
2.4
3.3
供に対する給付に加え、
将来の役務提供に対する給付をまかなうこと
をも志向しています。
連結会社は、2007 年 3 月31 日に終了する事業年度において、約
27,000百万円(231百万米ドル)の拠出を見込んでいます。
予想将来給付額
予想将来給付額は、以下のとおりです。
単位:百万
3月31日に終了する事業年度:
2007年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2008年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2009年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2010年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2011年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2012年∼2016年計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
早期退職制度
当社は従業員に対する早期退職制度を有しています。
当制度関連費
$141
196
172
163
170
883
をその支払時期により
「未払費用」
および
「年金および退職給付債務」
に
計上しています。また、当制度関連費用は、2004 年、2005 年および
用の未払金額は、
予想される将来キャッシュ・フローの割引現在価値で
2006年年3月31日終了の事業年度において、それぞれ233百万円、
計上しています。
この未払金額は、
2005年3月31日終了の事業年度末
2,150百万円および645百万円(6百万米ドル)であり、連結損益計算
において19,783百万円、
2006年3月31日終了の事業年度末において
書上はこれらを
「販売費および一般管理費」に計上しています。
15,523百万円(133百万米ドル)であり、連結貸借対照表上はこれら
138
¥ 16,452
22,987
20,101
19,080
19,890
103,260
単位:百万円
米ドル
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
15. 資産の除却債務
連結会社は基準書第143号に基づき、
主に設備の除却、
土地の埋め立
連する長期性資産の帳簿価額を増加させることにより資産除却費用を
て、
廃坑に関連する資産除却債務を計上しています。
連結会社の資産除
資産化し、
これらについて、
関連する資産の使用開始時点からの減価償
却債務は、
石炭、
石油、
ガスの採掘設備などを通常使用する際に生じる
却累計額を控除しています。
法的義務に関連するものであり、
連結貸借対照表上「その他の流動負
債」
および
「その他の固定負債」
に計上しています。
また、
連結会社は、
関
2005年および2006年3月31日終了の事業年度における除却債務
残高の推移は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2005年
2006年
その他(注) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥11,379
617
(660)
1,201
708
¥13,245
704
(1,302)
2,386
2,907
$113
6
(11)
20
25
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥13,245
¥17,940
$153
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
増価費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
支払額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
新規発生額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2006年
(注)
「その他」
には、
主に為替変動、および新規連結の影響が含まれています。
上記のほか、
当社は恒久的な使用を予定している施設の閉鎖および
オフィスの移転などに係る債務を有していますが、
債務の清算時期の
見積もりを行うに当たり十分な情報が得られないため、
資産除却債務
の公正価値を見積もることができず、
負債として認識していません。
16. 資本金および資本剰余金
日本では、
2006年4月末まで、旧商法(以下「旧商法」)に従って企業
旧商法では、
取締役会決議により、
資本準備金および利益準備金を資
活動を行うこととなっています。
2006年5月1日に新会社法(以下「会
本金に組み入れることを認めています。
また旧商法では、
株主総会決議
社法」
)
が施行され、
さまざまな点で修正された上で旧商法に置き換わ
により、
配当可能利益を資本金に組み入れることが可能です。
りますが、
その多くは、
同日以降に終了する決算期間に生じた事象や取
引について適用されます。
旧商法ではすべての株式は無額面として会計処理され、
新株発行価
額の2分の1以上を資本金に組み入れることが規定されています。
なお、
会社法では、
資本金および準備金、
剰余金について、
株主総会決
議など一定の要件を充たす場合には、
相互に組み入れることを認めて
います。
旧商法では取締役会決議により資本準備金を資本金に組み入れるこ
旧商法では、
取締役会決議により自己株式を取得、
または処分するこ
とを認めています。
さらに、
旧商法では取締役会決議により、
株式分割
とが可能です。
ただし、
自己株式の取得額は、
配当可能利益に株主総会
により対価を伴わずに既存株主に対し株式を発行することを認めてい
で決議された資本金、
資本準備金、
および利益準備金の取崩額を加えた
ます。
通常、
本形態による株式の交付が株主資本の部に影響を与えるこ
金額の範囲内とされています。
とはありません。
なお、
会社法では、
自己株式の取得額は一定の限度額の範囲内とされ
ています。
17. 利益剰余金および配当金
利益準備金 ー旧商法では、各事業年度に現金配当など、利益処分とし
なお、
会社法では、
支払剰余金配当金額の10分の1を、
資本準備金ま
て支出する金額の少なくとも10分の1以上を、
資本準備金と利益準備
たは利益準備金として積み立てることになっています。
また会社法で
金の合計が資本金の4分の1に達するまで利益準備金として積み立て
は、
資本準備金と利益準備金の合計額を配当に充当する場合において、
ることになっています。
資本準備金および利益準備金の合計額で資本
資本金の4分の1を超える部分という旧商法の下限はなくなりました。
金の4分の1を超えた部分に関しては、
株主総会決議により配当に充当
することができます。
その他の利益剰余金および配当金 ー 2006年3月31日現在、旧商法上
の配当可能利益は442,009百万円
(3,778百万米ドル)
です。
これは、
日本で一般に認められた会計原則に準拠して記帳された会計帳簿上の
139
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
利益剰余金の額に基づき算定されるものであり、
米国会計基準に則っ
配当は、
事業年度終了後開催される株主総会において決議されます。
た連結財務諸表への修正額は、
旧商法上の配当利益の算定に影響はあ
また、
旧商法上定められた限度内において、
取締役会決議により中間配
りません。
旧商法では、
上記の利益処分に伴う利益準備金の積み立ての
2006年3月31日終了の事業年度の配当金
当を行うことも可能です。
ほか、配当可能利益の算定に当たり一定の制限条項を設けています。
については旧商法に基づき決議されます。
なお、
会社法においても、
配当支払と自己株式取得の金額について一
定の計算式に基づく制限を設けています。
ただし、
配当支払後の純資産
金額が3百万円を下回る場合には、剰余金の配当は認められません。
なお、
中間配当も含めて、
2007年3月31日終了の事業年度以降の配
当金については会社法に基づき決議されます。
連結資本勘定計算書の現金配当支払額および利益準備金への繰入額
は、
各事業年度中の支払額および繰入額を表示しています。
18. 1株当たり当期純利益
1株当たり当期純利益および潜在株式調整後1株当たり当期純利益の調整計算は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
分子:
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化効果のある証券の影響:
円建新株予約権付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化効果のある証券の影響考慮後の当期純利益 . . . . . . . . . . . . . .
2004年
2005年
2006年
2006年
¥116,020
¥182,369
¥350,045
$2,992
(277)
¥115,743
(246)
¥182,123
(1,446)
¥348,599
(13)
$2,979
単位:千株
分母:
加重平均普通株式数 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化効果のある証券の影響:
ストックオプション . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建新株予約権付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化効果のある証券の影響考慮後の加重平均株式数 . . . . . . . . . . .
2004年
2005年
2006年
1,565,603
1,565,593
1,625,211
347
126,263
993
126,263
2,691
67,485
1,692,213
1,692,849
1,695,387
単位:円
単位:米ドル
2004年
2005年
2006年
¥74.11
68.40
¥116.49
107.58
¥215.38
205.62
2006年
1株当たり当期純利益:
基本的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
潜在株式調整後 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
$1.84
1.76
19. セグメント情報
【オペレーティング・セグメント情報】
基準書第131号
「企業のセグメントおよび関連情報に関する開示」
で
は、
企業のオペレーティング・セグメントに関する情報の開示を規定し
ています。
オペレーティング・セグメントは、
企業の最高経営意思決定
ほか、原油、石油製品、LPG、LNG、炭素製品などの取引業務に携わっ
ています。
金属 ー主に鉄鋼、アルミ、銅といった金属および非鉄金属などの資源
開発、製造、
マーケティング、
取引業務に携わっています。
者が経営資源の配分や業績評価を行うに当たり通常使用しており、
財
務情報が入手可能な企業の構成単位、
として定義されています。
機械 ー発電、
船舶、
自動車、
航空機、
建設機械、
産業機械など多岐にわた
る事業分野において、企画、開発、建設プロジェクトのコーディネー
オペレーティング・セグメントは商品および提供するサービスの性
質に基づき決定されています。
連結会社の報告セグメントは以下の6
ションなどに携わっています。
また、
不動産開発やレンタル事業などに
も取り組んでいます。
グループにより構成されています。
化学品 ー化学品関連プロジェクトの発掘や投資を担うほか、
化学合成
新機能事業 ー新規事業分野に属する企業の発掘や投資、
新ビジネスモ
デルの開発を担うほか、
金融・情報・物流・マーケティングに関する技術
繊維の原料となる基礎化学製品や、
石油化学製品、
無機化学品、
化学肥
料、
スペシャリティケミカルなどの取引業務に携わっています。
を通じて他グループの支援を行っています。
生活産業 ー食料、
繊維、
木材および資材に係る事業分野において、
投資
エネルギー事業 ー石油・ガスのプロジェクト開発および投資を担う
140
および取引業務に携わっています。
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
経営者は管理上、
米国会計基準に基づく当期純利益を主要な指標と
を日本の会計基準から米国会計基準に基づく当期純利益へ変更したこ
して、
いくつかの要素に基づき各セグメントの業績評価を行っていま
とによる影響額は以下のとおりです。
す。
また、
内部での経営意思決定を目的として、
当社独自の経営管理手
新機能事業は1,380百万円増加、
エネルギー事業は2,270百万円減
法を取り入れています。
少、
金属グループは175百万円増加、
機械グループは796百万円増加、
当社は、
2005年3月31日終了の事業年度より、業績評価の主要な指
化学品グループは361百万円減少、
生活産業グループは1,705百万円
標を米国会計基準に基づく当期純利益に変更しています。
2004年3月
増加、その他は6,906百万円減少、となっています。
31日終了の事業年度までは、業績評価の主要な指標は日本会計基準に
なお、
セグメント間の内部取引における価額は、
外部顧客との取引価
基づく当期純利益であったため、
米国会計基準への調整および組替は
額に準じています。
「調整・消去」
に含めていました。
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度における
2005年3月31日終了の事業年度において、業績評価の主要な指標
連結会社のオペレーティング・セグメント情報は以下のとおりです。
単位:百万円
2004年
新機能事業
エネルギー事業
金属
機械
化学品
生活産業
計
その他(注1)
調整・消去(注3)
連結金額
50,385 ¥
67,097 ¥ 156,949 ¥ 150,885 ¥
67,990 ¥ 275,742 ¥
769,048
¥ 5,576 ¥ (5,243) ¥
769,381
持分法損益 . . . . . . . . . . .
1,761
19,032
7,782
14,992
3,991
4,970
52,528
(1,094)
5,030
56,464
当期純利益
(損失). . . . . .
2,425
30,643
31,045
42,224
14,140
38,744
159,221
(23,188)
(20,013)
116,020
総資産 . . . . . . . . . . . . . .
1,061,965
855,771
1,706,543
2,164,671
589,646
1,486,181
7,864,777
909,601
(381,545)
8,392,833
減価償却費 . . . . . . . . . . .
8,640
11,280
20,493
36,361
5,221
16,641
98,636
17,404
3,598
119,638
資本的支出 . . . . . . . . . . .
4,112
8,070
15,562
77,975
3,323
14,835
123,877
11,970
135,847
..........................................................................................................................................................................................................................................................
売上総利益 . . . . . . . . . . .
¥
売上高(注4)
:
外部顧客に対する
¥ 240,793
¥3,648,217
¥2,889,823
¥2,731,247
¥1,555,043
内部売上高 . . . . . . . .
6,874
45,507
4,271
5,152
2,852
計 ............
¥ 247,667
¥3,693,724
¥2,894,094
¥2,736,399
¥1,557,895
新機能事業
エネルギー事業
金属
機械
化学品
¥ 50,997 ¥
74,485
14,939
31,455
12,260
45,835
845,207(注8) 1,140,938
¥ 201,794
14,467
48,239
2,057,150
¥ 157,941
15,683
55,398
2,297,571
¥
¥245,649
¥3,435,300
¥2,765,204
¥1,899,716
売上高 . . . . . . . . . . . .
¥4,196,461 ¥15,261,584
¥ 22,622 ¥(107,196) ¥15,177,010
セグメント間の
4,659
69,315
¥4,201,120 ¥15,330,899
2,365
(71,680)
¥ 24,987 ¥(178,876) ¥15,177,010
単位:百万円
2005年
生活産業
計
その他(注1)
調整・消去(注3)
連結金額
¥ 314,994 ¥
875,464
¥ 5,175 ¥ (2,876) ¥
877,763
持分法損益 . . . . . . . . . . .
11,180
99,553
(212)
(2,246)
97,095
当期純利益
(損失). . . . . .
44,864(注5)
224,706
(25,794)
(16,543)(注6)
182,369
総資産 . . . . . . . . . . . . . .
1,739,340
8,728,536
938,950
(574,114)
9,093,372
のれん減損額 . . . . . . . . .
54,439(注7)
54,439
54,439
減価償却費 . . . . . . . . . . .
7,259
12,325
28,967
37,544
3,648
15,489
105,232
19,992
125,224
資本的支出 . . . . . . . . . . .
5,970
3,458
36,445
72,051
5,342
18,863
142,129
7,773
149,902
..........................................................................................................................................................................................................................................................
売上総利益 . . . . . . . . . . .
75,253
11,829
18,110
648,330
売上高(注4)
:
外部顧客に対する
売上高 . . . . . . . . . . . .
¥4,321,350
¥4,444,158 ¥17,111,377
¥ 21,944 ¥
(617) ¥17,132,704
セグメント間の
内部売上高 . . . . . . . .
20,637
10,921
5,769
3,373
4,449
計 ............
¥266,286
¥4,332,271
¥3,441,069
¥2,768,577
¥1,904,165
新機能事業
エネルギー事業
金属
機械
化学品
5,467
50,616
¥4,449,625 ¥17,161,993
4,561
(55,177)
¥ 26,505 ¥ (55,794) ¥17,132,704
単位:百万円
2006年
生活産業
計
その他(注1)
調整・消去(注3)
連結金額
¥ 52,461 ¥
93,880 ¥ 304,829 ¥ 181,197 ¥
76,977 ¥ 336,216 ¥ 1,045,560 ¥
6,051 ¥
(130) ¥ 1,051,481
持分法損益 . . . . . . . . . . .
4,347
40,004
31,400
18,270
9,108
18,446
121,575
(468)
(2,099)
119,008
当期純利益
(損失). . . . . .
19,390
75,061
135,780
70,350
19,595
48,571
368,747
(13,444)(注2) (5,258)
350,045
総資産 . . . . . . . . . . . . . .
690,830
1,501,723
2,669,659
2,456,423
707,681
1,943,991
9,970,307 1,087,676
(646,742) 10,411,241
減価償却費 . . . . . . . . . . .
6,326
10,347
30,839
38,631
3,634
15,566
105,343
21,624
126,967
資本的支出 . . . . . . . . . . .
14,717
13,991
65,647
73,634
4,009
18,641
190,639
13,888
204,527
..........................................................................................................................................................................................................................................................
売上総利益 . . . . . . . . . . .
売上高(注4)
:
外部顧客に対する
売上高 . . . . . . . . . . . .
¥231,574
¥4,524,941
¥4,181,131
¥3,349,762
¥1,940,335
¥4,785,136 ¥19,012,879 ¥
54,449 ¥
(175) ¥19,067,153
セグメント間の
内部売上高 . . . . . . . .
42,002
8,449
3,855
4,323
4,758
計 ............
¥273,576
¥4,533,390
¥4,184,986
¥3,354,085
¥1,945,093
5,334
68,721
¥4,790,470 ¥19,081,600 ¥
3,197
(71,918)
57,646 ¥ (72,093) ¥19,067,153
141
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
単位:百万米ドル
2006年
新機能事業
エネルギー事業
金属
機械
化学品
生活産業
その他(注1)
計
調整・消去(注3)
連結金額
$ 448
$
802
$ 2,605
$ 1,549
$
658
$ 2,874
$ 8,936
$
52
$
(1)
$ 8,987
持分法損益 . . . . . . . . . . .
37
342
268
156
78
158
1,039
(4)
(18)
1,017
当期純利益
(損失). . . . . .
166
642
1,161
601
167
415
3,152
(115)(注2)
(45)
2,992
総資産 . . . . . . . . . . . . . .
5,904
12,835
22,818
20,995
6,049
16,615
85,216
9,297
(5,528)
88,985
減価償却費 . . . . . . . . . . .
54
88
264
330
31
133
900
185
1,085
資本的支出 . . . . . . . . . . .
126
120
561
629
34
159
1,629
119
1,748
..........................................................................................................................................................................................................................................................
売上総利益 . . . . . . . . . . .
売上高(注4)
:
外部顧客に対する
$1,979
$38,675
$35,736
$28,630
$16,584
$40,899
$162,503
$ 465
内部売上高 . . . . . . . .
359
72
33
37
41
45
587
28
(615)
計 ............
$2,338
$38,747
$35,769
$28,667
$16,625
$40,944
$163,090
$ 493
$ (616)
売上高 . . . . . . . . . . . .
$
(1)
$162,967
セグメント間の
$162,967
(注)1.「その他」
は、
主に連結会社および関連会社に対するサービスおよび業務支援などを行うコーポレート部門を表しています。
また当欄には、
各オペレーティング・セグメ
ントに配賦できない、
財務・人事関連の営業活動による収益および費用も含まれています。
総資産のうち
「その他」
に含めた全社資産は、
2004年、2005年および2006年
3月31日終了の事業年度末において、それぞれ909,601百万円、938,950百万円および1,087,676百万円(9,297百万米ドル)であり、主に財務・投資活動に係る現金・
預金および有価証券により構成されています。
2. 2006年3月31日終了の事業年度の「その他」の項目に含めた当期純利益(損失)には、当社とオーストラリア関係会社との間の取引に関する移転価格の更正23,385百
万円
(200百万米ドル)
、
およびタイ関係会社の出資形態変更に係る更正8,605百万円
(74百万米ドル)
の影響が含まれています。
前者は
「エネルギー事業」
セグメントと
関連するものであり、
後者は
「機械」
セグメントと関連するものです。
これらの金額は更正通知を受領していなかったため見積額にて計上しており、
また、
更正によって
創出される外国税額控除の影響を含めています。
なお、
2006年6月1日、東京国税局よりタイ関係会社の出資形態変更に係る更正通知を受領しましたが、見積計上額と
の差異は軽微でした。
3.「調整・消去」には、各オペレーティング・セグメントに配賦できない収益および費用やセグメント間の内部取引消去が含まれています。2004年3月31日終了の事業年度
はこれらに加えて米国会計基準適用による調整および組替が含まれています。
4.「売上高」については、日本の投資家の便宜を考慮して、日本の会計慣行に従い表示しています。なお、
「売上高」
は、
連結会社が契約当事者または代理人などとして行った
取引額の合計となっています
(注記1をご参照ください)
。
5. 2005年3月31日終了の事業年度の「生活産業」のオペレーティング・セグメント情報の当期純利益は44,864百万円と表示されていますが、のれん減損額△54,439百
万円および税効果22,320百万円は含まれていません
(注記5をご参照ください)
。
6. 2005年3月31日終了の事業年度の各オペレーティング・セグメント情報の当期純利益の合計と連結当期純利益を一致させるため、のれん減損額および税効果の合計
△32,119百万円は「調整・消去」に含めています
(注記5をご参照ください)
。
7. 2005年3月31日終了の事業年度の「のれん減損額」は、
「生活産業」
のオペレーティング・セグメント情報における
「減価償却費」
以外の重要な非キャッシュ項目として開
示されています。
8. 2005年3月31日終了の事業年度の「新機能事業」の「総資産」は、デリバティブ取引に係る会計処理の訂正に基づき修正再表示されています(注記26をご参照ください)。
【地域別情報】
地域別の売上高は、
収益の発生原因となる資産の所在する地域により区分しています。
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業
年度における売上高および売上総利益、長期性資産は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
2005年
2006年
2006年
698,651
380,680
1,245,630
¥14,261,414
822,980
445,466
1,602,844
¥15,717,112
973,264
534,932
1,841,845
$134,334
8,319
4,572
15,742
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥15,177,010
¥17,132,704
¥19,067,153
$162,967
566,182
39,642
40,815
122,742
¥
636,609
44,471
48,929
147,754
¥
675,805
154,494
54,719
166,463
$
5,776
1,320
468
1,423
769,381
¥
877,763
¥ 1,051,481
$
8,987
売上高(注)
:
日本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥12,852,049
アメリカ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
タイ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売上総利益:
日本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥
オーストラリア . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
アメリカ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥
142
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
2005年
2006年
2006年
長期性資産:
日本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥
オーストラリア . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
アメリカ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
カナダ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
680,080
187,073
46,814
59,188
260,889
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 1,234,044
¥
581,611
198,620
62,295
61,026
257,760
¥ 1,161,312
¥
627,440
240,330
91,699
71,011
240,137
¥ 1,270,617
$
5,363
2,054
784
607
2,052
$ 10,860
(注)
「売上高」
については、
日本の投資家の便宜を考慮して、
日本の会計慣行に従い表示しています。
なお、
「売上高」
は連結会社が契約当事者または代理人などとして行った取引
額の合計となっています
(注記1をご参照ください)
。
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度において、連結会社のいずれのセグメントにおいても、単一の顧客として連結売上
高の10%を超過する取引先はありません。
20. その他の損益ー純額
2004年、2005年および2006年3月31日終了の事業年度における「その他の損益ー純額」の内訳は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
為替差損益
(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売掛金および貸付金売却損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年
2005年
2006年
¥(11,590)
(2,058)
¥(10,197)
¥(10,177)
(3,347)
249
$ (87)
(29)
2
3,613
(1,594)
(4,384)
31
(14)
(37)
¥(15,640)
$(134)
1,527
3,959
PCB処理費用引当(注) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
米国子会社事務所引越に伴うリース解約費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
のれん減損額
(注記9ご参照). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
事業売却に付帯する収益分配金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(1,643)
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥(15,291)
2,074
¥ (2,637)
2006年
(注)当社は、
「ポリ塩化ビフェニル
(PCB)
廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」
により、
2016年7月までにPCB廃棄物を処理することが義務付けられており、2005
年3月31日終了の事業年度中に当該処理に係る費用を合理的に見積もることが可能となったため、
2005年3月31日終了の事業年度に引当を行ったものです。また、2006
年3月31日終了の事業年度にも引当を行っています。
21. リース取引
賃貸人としてのリース取引
直接金融リースの純投資額は、連結貸借対照表の「営業債権」およ
連結会社は、
車輌、
船舶、
その他の産業用機械および装置を賃貸して
び「長期貸付金および長期営業債権」に含まれており、2005 年およ
「リースの会計処理」
における直接
いますが、
これらには基準書第13号
び2006年3月31日終了の事業年度末における残高は以下のとおり
金融リースに該当するものが含まれます。
です。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2005年(注)
2006年
2006年
差引:未実現リース利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥259,071
(46,721)
¥269,620
(44,443)
$2,305
(380)
純投資額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥212,350
¥225,177
$1,925
直接金融リースの総投資額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(注)2006年3月31日終了の事業年度末の表示にあわせて、2005年3月31日終了の事業年度末の金額を修正再表示しています。
また、連結会社は、航空機、船舶およびその他の産業用機械をオペ
産の取得原価および減価償却累計額は、それぞれ472,684 百万円
レーティングリースの形態で賃貸しています。
これらオペレーティン
(4,040百万米ドル)および171,928百万円(1,469百万米ドル)と
グリースに関し、2006年3月31日終了の事業年度におけるリース資
なっています。
143
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
2006年3月31日終了の事業年度末において、年度別将来の最低受取リース料は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
直接金融
リース
オペレーティング
リース
合計
合計
3月31日に終了する事業年度:
2007年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2008年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2009年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2010年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2011年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2012年以降 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 82,089
65,775
44,837
28,701
18,209
30,009
¥ 33,762
26,188
22,473
21,639
20,496
74,425
¥115,851
91,963
67,310
50,340
38,705
104,434
$ 990
786
575
430
331
893
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥269,620
¥198,983
¥468,603
$4,005
賃借人としてのリース取引
また、
オフィスビルなどをオペレーティングリースの形態で賃借し
連結会社は、
2005年3月31日終了の事業年度において、品川三菱ビ
ています。
上記セール・アンド・リースバック取引を含むこれらのリー
ルを110,178百万円で売却し、
その一部をおよそ4年半の期間でリー
ス料合計額は、2004年、
2005年および2006年3月31日終了の事業
スバックしています。
このリース取引は、
オペレーティングリースとし
年度において、それぞれ 2 7 , 9 2 2 百万円、2 6 , 7 5 4 百万円および
て会計処理されています。
将来の最低支払リース料の現在価値に相当
30,266百万円(259百万米ドル)です。
する売却益を繰り延べており、
リース料の支払に応じて取り崩してい
ます。
2006年3月31日終了の事業年度末において、解約不能なリース契
約に基づき発生する将来の最低支払リース料は以下のとおりです。
単位:百万円
単位:百万
米ドル
3月31日に終了する事業年度:
2007年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2008年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2009年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2010年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2011年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2012年以降 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥16,439
12,293
10,538
8,459
6,459
43,330
$141
105
90
72
55
370
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥97,518
$833
22. 株式に基づく報酬制度
当社は2種類のストックオプション制度を導入しています。
より23カ月間の据置期間の後、
権利が確定し、
確定と同時に権利行使
一つは、
当社取締役
(社外取締役は除く)
および執行役員に対して、
権
利付与日の東京証券取引所の終値、
または付与日1カ月前の平均終値
のいずれか高い方を基に算出された権利行使価格で当社の普通株式を
可能であり、権利行使期間は8年間となっています。
2006 年3 月31 日終了の事業年度末における、このストックオプ
ションの概要は以下のとおりです。
購入する権利が与えられます。
このストックオプションは権利付与日
権利付与日
2000年8月7日
2001年8月1日
2002年8月15日
2003年8月15日
2004年8月13日
2005年8月10日
権利行使期間
2002年6月30日から2010年6月29日まで
2003年6月29日から2011年6月28日まで
2004年6月28日から2012年6月27日まで
2005年6月28日から2013年6月27日まで
2006年6月25日から2014年6月24日まで
2007年6月25日から2015年6月24日まで
当初付与数
(数)
.............................................
.............................................
.............................................
.............................................
.............................................
.............................................
もう一方は、
当社取締役
(社外取締役は除く)
および執行役員に対し
144
313,000
1,091,000
1,204,000
1,269,000
1,167,000
1,279,000
なっていますが、
このストックオプションを保有する者は、
取締役およ
て、
行使価格1円で当社の普通株式を購入する権利が与えられます。
こ
び執行役員のいずれの地位も喪失した日の翌日より10年間に限り行
のストックオプションの権利行使期間は権利付与日より30 年間と
使可能となり、
上記にかかわらず、
付与日から25年後までに権利行使
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
日を迎えなかった場合には、
その翌日より行使可能となります。
また、
2006年3月31日終了の事業年度末に付与されたストックオプション
権利付与後、
翌年6月30日までに取締役および執行役員のいずれの地
の株式数総数は306,100株です。
位をも喪失した場合には、
当初割当個数のうち、
上記期間中の在任月数
に応じた数のストックオプションのみが行使が可能となります。
2006年3月31日終了の事業年度における当社のストックオプショ
ンの付与状況は以下のとおりです。
加重平均行使価格
加重平均
残存契約年数
本源的価値合計
株式数
単位:円
単位:
米ドル
4,820,000
1,585,100
(861,300)
¥ 964
1,365
870
$ 8.2
11.7
7.4
2006年3月31日終了の事業年度末未行使残高 . . . . . . . .
5,543,800
¥1,093
$ 9.3
8.6
¥8,797
$75
2006年3月31日終了の事業年度末行使可能残高 . . . . . . .
2,798,000
¥ 938
$ 8.0
6.2
¥4,874
$42
2006年3月31日終了の事業年度期首未行使残高 . . . . . . .
付与数 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
行使数 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年、
2005年および2006年3月31日終了の事業年度に行使され
年数
単位:
百万円
単位:
百万米ドル
事業年度までに付与され、
行使権利が未確定のストックオプションのう
たストックオプションの本源的価値合計は、
それぞれ0.1百万円、
73百
ち、
費用計上されていない報酬費用の総額は707百万円
(6百万米ドル)
1,012百万円(9百万米ドル)です。また、2006年3月31日終了の
万円、
であり、
今後、
この報酬費用が計上される加重平均期間は1.1年間です。
23. 変動持分事業体の連結
解釈指針第46号
(2003年改訂)
「変動持分事業体の連結」
に従い、
連
2005年および2006年3月31日終了の事業年度において、これらの
結会社が主たる受益者と推定されることから連結した変動持分事業体
変動持分事業体に対する議決権のない持分投資額はそれぞれ16,098
に関する情報、
および連結会社が主たる受益者とは推定されないこと
百万円および21,174百万円
(181百万米ドル)
であり、
また、
これらの
から連結を行わなかったものの、
重要な変動持分を有している事業体
(647
事業体の総資産はそれぞれ71,836百万円および75,662百万円
に関する内容は以下のとおりです。
百万米ドル)となっています。
連結した変動持分事業体
連結されなかった変動持分事業体
連結会社は、
変動持分事業体を経由し、
不動産に付加価値をつけるた
連結会社が主たる受益者ではなく、
連結をしていない変動持分事業
めの管理および開発を行った上で将来的に売却することを目的とし
体についても、
投資、
保証、
または貸付という形態により重要な変動持
て、
不動産あるいは不動産の権益を取得しています。
分を保有しているものがあります。
これらの変動持分事業体はさまざ
これらの不動産関連取引において変動持分事業体を使用することに
より、
第三者によるノン・リコースローンを組成し、
当該不動産取引に
係る連結会社のリスクを限定しています。
また、
アジアでの自動車事業に係る事業体については、
2005年3月
31日終了の事業年度において関与の方法を変更したことから、連結会
社が主たる受益者として推定されることとなり連結を行っています。
まな活動を行っており、
2005年および2006年3月31日終了の事業年
度におけるその規模は総資産でそれぞれ 1 5 0 , 7 8 8 百万円および
218,416百万円(1,867百万米ドル)です。
また、
2005年および2006年3月31日終了の事業年度における連結
会社がこれらの変動持分事業体への関与から被る可能性のある最大損
失額はそれぞれ約9,000百万円および約25,000百万円
(214百万米
ドル)です。
24. 契約債務および偶発債務
長期契約
さらに、
連結会社は、
貸付契約、
投資契約、
および設備代金延べ払いな
連結会社は、
通常の営業活動を行うに当たり、
金属、
LNG、原油、化学
どの長期の資金供与契約を締結しています。
2006年3月31日終了の
品などのさまざまな商品に関して、
固定価格または市況に合わせて調
事業年度末における総額は、
39,985百万円(342百万米ドル)です。
整可能な基本価格に基づく多額の長期買付契約を締結しています。
ま
た、
当該契約の大部分については、
見合いとなる商品販売契約を締結し
ています。
2006年3月31日終了の事業年度末における長期買付契約
残高は4,809,178百万円
(41,104百万米ドル)
であり、
契約上の受け
渡しは2028年までの期間にわたっています。
保証
連結会社は、
保証の提供によって、
債務を引き受けることとなるさま
ざまな契約の当事者となっています。
そうした保証は関連会社や顧客
や取引先に対して提供するものです。
145
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
信用保証
連結会社は、
主に信用状
(Stand by letter of credit)
や取引履行保
証の形態により、
2005年および2006年3月31日終了の事業年度末に
おいて、顧客や取引先に対して、それぞれ2 3 3 , 5 3 7 百万円および
170,706 百万円(1,459 百万米ドル)、関連会社に対して、それぞれ
115,867百万円および117,673百万円(1,006百万米ドル)の信用保
証を行っています。
これらの信用保証は、
顧客や取引先、
および関連会
社による第三者との取引または第三者からの資金調達を可能にするこ
とを目的としています。
多くの保証契約は10年以内に満期を迎えるも
のであり、
残りの信用保証も2033年までに満期となります。
仮に被保
証者である顧客や取引先、
または関連会社が取引契約または借入契約
に基づく義務の履行を怠った場合には、
連結会社が被保証者に代わっ
て債務を履行する必要があります。
これらの保証契約の中には、
連結会
社が被保証先より再保証または担保資産の提供を受けているものもあ
ります。
2005年および2006年3月31日終了の事業年度末における、再保証
または担保資産により担保されている残高の合計額は、それぞれ
9,490百万円および9,879百万円(84百万米ドル)です。
また、
2005年および2006年3月31日終了の事業年度末における上
2005年および2006年3月31日終了
また、
すでに請求行為を受け、
の事業年度末に負債計上を行った額は、それぞれ112 百万円および
122百万円(1百万米ドル)です。
訴訟
当社および米国連結子会社は、
1991年から株式が売却された1995
年1月まで当社が50%を出資していたUCAR International Inc.
(以
下
「UCAR」
、
現社名:グラフテック・インターナショナル)
から、
406百
万米ドルおよび金利についての損害賠償請求を米国で提訴されていま
2000年6月9日、当社および米国連結子会社は、請求内容が明ら
した。
かにされていないことを理由に訴えの却下の申し立てを行い、
2005
年3月31日終了の事業年度末に至るまでの間に米国連邦地方裁判所お
よび同控訴裁判所は共に却下の決定を下していました。これに対し、
UCAR社は米国連邦最高裁判所に対して期限内に上告を行わなかった
ため、
2006年3月31日終了の事業年度に控訴審の決定が確定し、終了
しました。
また、
当社および米国連結子会社は、
米国およびカナダにおいて人造
黒鉛電極取引に係る価格談合に関連して米国およびカナダの黒鉛電極
需要家から、
損害賠償を求める複数の民事訴訟を提起されています。
こ
れらの訴訟のほとんどは和解に至っています。
これらの訴訟に関して、
記の信用保証に係る負債計上額は、
それぞれ476百万円および2,335
当社は2005年および2006年3月31日終了の事業年度において訴訟
百万円(20百万米ドル)です。
関連損失に計上したものはありません。
残る現在係争中の民事訴訟に
損失補償
連結会社は、
事業売却や譲渡の過程において、
環境や税務などに関す
る偶発損失を補償する契約を締結することがあります。
補償の性質上、
関しては、
仮に当社および米国連結子会社が債務を負うことになった
としても、
その額が当社および米国連結子会社の業績および財政状態
に重要な影響を与えることはないと考えています。
これらの契約に基づく連結会社の最大負担額を予想することはできま
この他、連結会社はいくつかの係争中の事件がありますが、経営者
せん。
これらの契約による連結会社の補償義務については、
一部すでに
は、
これらの事件が最終的に解決され、
仮に連結会社が債務を負うこと
請求行為を受けているものを除いて、
大方は発生可能性が低くかつ見
になったとしても、
連結会社の財政状態および経営成績に重要な影響
積もり不能であるため、
負債は計上していません。
を及ぼすことはないと考えています。
25. 後発事象
配当およびストックオプション
2006年6月27日開催の通常株主総会において、配当金の支払い、ス
トックオプションの付与が決議されました。
配当 ー 2006年6月27日開催の株主総会において、2006年3月31日
現在の株主に対し、
1株当たり22円(0.19米ドル)、総額37,097百万円
(317百万米ドル)の現金配当を行うことが決議されました。
ストックオプション ー 2006 年6 月27 日開催の株主総会において、
2008年6月28日から2016年6月27日を権利行使期間とするストッ
クオプションを、
1,360,000株を限度として、当社取締役(社外取締役
は除く)
、
執行役員に対して付与することが決議されました
(注記22を
ご参照ください)
。
146
また、普通株式 205,000 株を上限として2006 年6 月28 日から
2036年6月27日を権利行使期間、行使価格を1円とした株式報酬型ス
トックオプションを当社取締役
(社外取締役は除く)
および執行役員に
対し付与することが決議されました
(注記22をご参照ください)。
更正税金
2006年6月1日、東京国税局よりタイ関係会社の出資形態変更に
係る更正通知を受領しましたが、見積計上額との差異は軽微でした
(注記13をご参照ください)。
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
26. 財務諸表の修正再表示
2005年3月31日に終了した事業年度の連結財務諸表について、当
2005年3月31日に終了した事業年度の連結当期
なお、
この訂正は、
社の在英国金融子会社がファンドのデリバティブ取引に係る会計処理
純利益に影響を与えるものではありません。
連結貸借対照表および連
を誤り、
本来債権と債務を相殺し表示すべきところ両建てで計上して
結キャッシュ・フロー計算書の中で、
修正再表示によって訂正された項
いたことが判明しました。
これを受け、
当社がすでに公表した2005年
目は以下のとおりです。
3月31日に終了した事業年度の連結財務諸表について修正再表示を
行っています。
単位:百万円
修正前
修正再表示後
連結貸借対照表:
現金および現金同等物 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
流動資産合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の投資 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期貸付金および長期営業債権 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
投資および長期債権合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
資産合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期借入債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
固定負債合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
負債合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
負債および資本合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 576,826
4,873,705
1,390,221
689,833
2,820,230
132,467
9,149,938
3,024,709
3,554,123
7,414,542
9,149,938
¥ 569,005
4,865,884
1,398,042
632,879
2,771,097
132,855
9,093,372
2,968,143
3,497,557
7,357,976
9,093,372
連結キャッシュ・フロー計算書:
営業活動によるキャッシュ・フロー:
その他(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(3,689)
148,578
(4,077)
148,190
(114,765)
(257,307)
(51,637)
(122,600)
(200,253)
(2,418)
686,389
3,293
922
101,156
576,826
629,723
(53,373)
936
93,335
569,005
投資活動によるキャッシュ・フロー:
その他の投資の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸付金の実行による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
投資活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
財務活動によるキャッシュ・フロー:
長期借入債務による調達
(社債発行費用控除後). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
財務活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
現金および現金同等物に係る為替変動の影響額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
現金および現金同等物の純増加額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
現金および現金同等物の期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
147
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
石油およびガスについての補足情報(非監査事項)
当社の石油およびガスの探査・開発・生産活動は、
連結子会社および
2006年3月31日終了の事業年度における子会社および持分法適用会
持分法適用会社を通じて、
環太平洋圏、
アメリカおよびアフリカの海上
社の当社持分に関する補足情報は、
基準書69号
「石油およびガスの生
または沿岸において行われています。
以下の2004年、
2005年および
産活動に関する開示」
の規定に基づいて作成されています。
表1ー石油・ガス生産活動に関連して資産計上された原価
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
未確認利権鉱区 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
206
8,600
確認利権鉱区 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
8,806
(1,474)
小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
減価償却、
減耗償却、
償却の累計額および評価引当金 . . . . . . . . . . . . . . .
資産計上された原価の純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2005年
¥
¥
7,332
1,151
13,618
14,769
(6,785)
¥
2006年
¥
2,206
28,483
30,689
(7,939)
2006年
$
19
243
262
(68)
7,984
¥ 22,750
$ 194
¥189,831
¥346,580
$2,962
持分法適用会社の資産計上した原価のうち
当社および連結子会社持分(注1) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥167,172
表2ー石油・ガスの利権鉱区の取得、
探査、
開発に関連して発生した原価
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
2005年
2006年
2006年
¥
開発費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
45
97
3,847
244
301
4,593
¥ 7,640
1,205
951
5,573
$ 65
10
8
48
小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 3,989
¥
5,138
¥15,369
$131
¥81,399
¥107,897
¥88,827
$759
利権鉱区の取得 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未確認利権鉱区の取得 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
探査費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
持分法適用会社の利権鉱区の取得、探査、
開発に関連して
発生した原価のうち当社および連結子会社持分(注1) . . . . . . . . . . . . . .
表3ー石油・ガス産出活動の経営成果
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
2005年
2006年
2006年
¥ 3,496
¥11,566
7,046
¥24,018
3,555
$205
30
268
97
1,515
8,980
128
4,759
2,535
6,152
2,270
3,909
5,895
53
19
33
50
¥ 1,616
¥ 2,210
¥ 9,347
$ 80
¥14,734
¥20,234
¥37,006
$316
収益:
第三者への売却 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
関連会社への売却 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
費用:
産出原価 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
探査費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
減価償却、
減耗償却、
償却および評価引当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税金費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
石油・ガス産出活動の経営成果
(共通経費および利息費用を除く). . . . . .
持分法適用会社の産出活動の経営成果のうち
当社および連結子会社持分(注2) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
148
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
表4ー埋蔵量の量的情報
米国会計基準に則り、
確認済みガス埋蔵量は、
厳密な販売契約に関す
的に期待される全体量の、
ごく一部となっています。
また、
2005年お
る量のみに制約されています。
そのため、
各事業年度末時点の天然ガス
よび2006年3月31日時点の確認済み石油埋蔵量のごく一部に関して
埋蔵量は、
長期の販売契約とそれに基づく開発継続の決定により将来
は、
簡便法をもって計算しています。
原油および天然ガソリン
(百万バーレル)
2004年
既開発および未開発確認埋蔵量:
期首 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
過去の見積量の修正 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
拡張および発見 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
購入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
生産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2005年
2
2
12
7
2006年
天然ガス
(10億立方フィート)
2004年
2005年
2006年
21
5
5
3
(3)
21
(8)
11
6
(3)
27
2
11
14
(8)
46
(4)
2
(6)
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2
21
31
27
46
38
既開発確認埋蔵量ー期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2
14
21
27
20
20
持分法適用会社の埋蔵量に対する当社および
連結子会社の期末現在の比例持分ー期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
129
89
109
1,429
2,312
2,675
表5ー石油・ガスの確認埋蔵量に関する標準キャッシュ・フローによる将来の純キャッシュ・フローの割引現在価値および当期における変動
米国会計基準に則り、
確認埋蔵量に関する将来の純キャッシュ・フ
みの埋蔵量の見積もりのみに対して算出されます。
確認済みガス埋蔵
ローの割引現在価値について標準化された測定方法は、
各事業年度末時
量は、
確定した販売契約の量のみに制約されています。
また、
各事業年
点の価格、
費用、
現時点の実効税率、
および年率10%の割引計数に基づ
度末時点の天然ガスの埋蔵量は、
長期の販売契約見込みとそれに基づ
くものです。
天然ガス事業に関する将来の純キャッシュ・フローの割引
く開発継続が決定している全体量の一部に過ぎません。
そして確認埋
現在価値について標準化された測定方法では、
統合的生産分与契約に基
蔵量の見積もりは、
新たな販売契約の締結に伴い、
長期的に変更となる
づく資産の開発および運用のための決定済み費用をすべて含みます。
可能性があります。
よって、
ここに記載した情報は、
当社の将来キャッ
シュ・フロー見積もりや確認埋蔵量の価値に対する経営陣の見通しを
一方収益は、
表4
「埋蔵量の量的情報」
に記載のとおり、
すでに確認済
示すものではありません。
( 1)
標準化された測定方法による将来の純キャッシュ・フローの割引現在価値
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
2005年
2006年
2006年
.
.
.
.
¥17,442
(910)
(1,286)
(3,037)
¥109,522
(32,211)
(12,560)
(18,430)
¥240,220
(95,266)
(22,972)
(45,356)
$2,053
(814)
(196)
(388)
割引前の将来の純キャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
年率10%での割引計算による影響額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
12,209
(3,004)
46,321
(12,996)
76,626
(23,802)
655
(203)
将来キャッシュ・インフロー
将来の産出原価 . . . . . . . . .
将来の開発費用 . . . . . . . . .
将来の税金費用 . . . . . . . . .
.
.
.
.
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.
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.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
標準化された測定方法による将来の
純キャッシュ・フローの割引現在価値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 9,205
¥ 33,325
¥ 52,824
$ 452
持分法適用会社の標準化された測定方法による
将来の純キャッシュ・フローの割引現在価値のうち
当社および連結子会社持分(注2) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥38,912
¥116,042
¥263,838
$2,255
( 2)
当期変動の詳細
単位:百万
米ドル
単位:百万円
4月1日時点の割引現在価値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
産出された石油・ガスの販売または移転(産出原価控除後). . . . . . . . .
発生した開発費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
埋蔵量の購入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
販売価格、
開発費および産出原価の変動 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
拡張および発見、
産出技術の改良
(関連費用差引後). . . . . . . . . . . . . .
過去見積量の修正 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ディスカウント(10%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税金の変動 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
外国為替レートの変動 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3月31日時点の割引現在価値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年
2005年
2006年
¥ 7,538
(2,980)
3,551
1,698
3,455
4,625
(6,553)
674
(1,999)
(804)
¥ 9,205
10,076
(1,881)
6,241
2,771
20,819
(1,316)
(916)
(11,423)
(251)
¥ 33,325
(21,343)
5,856
6,837
34,068
1,695
920
3,934
(16,162)
3,694
2006年
$ 285
(182)
50
58
291
14
8
34
(138)
32
¥ 9,205
¥ 33,325
¥ 52,824
$ 452
(注)1. 天然ガス事業にはLNG生産関連費用を含みます。
2. 天然ガス事業にはLNG生産関連の収益および費用を含みます。
149
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
独立監査人の監査報告書(訳文)
三菱商事株式会社の取締役会および株主各位
ならびに2006
私どもは添付の三菱商事株式会社および子会社の2005年および2006年3月31日現在の連結貸借対照表、
年3月31日をもって終了した3年間の各事業年度の連結損益計算書、
連結包括損益計算書、
連結資本勘定計算書および連結
キャッシュ・フロー計算書
(すべて日本円表示)
について監査を行った。
これらの連結財務諸表は、
会社の経営者の責任で作成
されている。
私どもの責任は、
実施した監査に基づき、
これらの連結財務諸表に対する意見を表明することにある。
私どもは、
米国において一般に公正妥当と認められた監査基準に準拠して監査を実施した。
これらの基準は、
財務諸表に重
要な記載誤りが無いかどうかについて合理的な確証を得るため、
私どもが監査を計画し実施することを要求している。
監査
は状況に適した監査手続を計画するための基礎としての財務報告に関する内部統制の検討を含んでいるが、
それは財務報告
に関する内部統制の有効性に対する意見を表明することを目的とするものではない。
よって、
私どもは内部統制の有効性に
対する意見は表明しない。
監査は、
財務諸表上の金額および開示の基礎となる証拠の試査による検証、
経営者が採用した会計
方針および実施した会計上の重要な見積りの検討ならびに財務諸表全体の表示についての評価を含んでいる。
私どもは、
私
どもの監査が監査意見に対する合理的な基礎を提供していると確信している。
私どもの意見では、
上記の連結財務諸表は、
すべての重要な点において、
三菱商事株式会社および子会社の2005年および
2006年3月31日現在の連結財政状態ならびに2006年3月31日をもって終了した3年間の各事業年度の連結経営成績およ
び連結キャッシュ・フローの状況を、
米国において一般に公正妥当と認められた会計原則に準拠して適正に表示している。
連結財務諸表に対する注記26に記載の通り、
2005年3月31日現在の連結貸借対照表および2005年3月31日終了の事業
年度の連結キャッシュ・フロー計算書を修正再表示している。
私どもの監査はまた、
2006年3月31日をもって終了した事業年度の連結財務諸表に含まれる日本円金額の米ドル金額へ
の換算も含むが、
私どもの意見では、
これらの換算は注記1に記載の方法に従ってなされている。
この米ドル金額は海外の読
者の便宜のためのみに表示されている。
デロイト トウシュ トーマツ
日本 東京
2006年6月20日(注記25については2006年6月27日)
(注)
本監査報告書は、
Mitsubishi Corporation Annual Report 2006に掲載されている“Independent Auditors’ Report”を和文に翻訳したものである。
150
MITSUBISHI CORPORATION ANNUAL REPORT 2006
コーポレートデータ(2006年3月31日現在)
社名:三菱商事株式会社
設立年月日:1950年4月1日
資本金:¥197,817,613,412
発行済株式総数:1,687,347,445株
本店所在地:
丸の内オフィス
(エネルギー事業グループ、化学品グループ、
コーポレートスタッフ)
〒100-8086
東京都千代田区丸の内ニ丁目3番1号
電話:03-3210-2121(代表)
連絡先:
三菱商事株式会社 IR部
〒100-8086
東京都千代田区丸の内ニ丁目3番1号
電話:03-3210-8685
ファクシミリ:03-3210-8583
ホームページ
最新のアニュアルレポート、
会社業績、
ニュースリリースなど
の情報は投資家向けホームページでご覧いただけます。
URL: www.mitsubishicorp.com/jp/ir/(日本語)
www.mitsubishicorp.com/en/ir/(英語)
品川オフィス
(新機能事業グループ、金属グループ、
機械グループ、
生活産業グループ)
〒108-8228
東京都港区港南ニ丁目16番3号
従業員数:
単独: 5,943名
連結:53,738名
独立監査法人:
監査法人トーマツ
株主数:158,521名
上場証券取引所:
東京、
大阪、名古屋、
ロンドン
株主名簿管理人:
三菱UFJ信託銀行株式会社
〒171-8508
東京都豊島区西池袋一丁目7番7号
三菱UFJ信託銀行株式会社証券代行部
電話:03-5391-1900(代表)
ADR:
比率:1ADR=2普通株
上場市場:OTC(店頭取引)
シンボル:MSBHY
CUSIP番号:606769305
ADR名簿管理人:
The Bank of New York
101 Barclay Street,
New York, NY 10286, U.S.A.
電話:
(212)815-2042
フリーダイヤル
(米国内)
:888-269-2377
(888-BNY-ADRS)
このアニュアルレポートは、再生紙にアロマフリータイプ大豆油インクを使用して印刷されています。
151
三菱商事株式会社 アニュアルレポ
ト 2006
www.mitsubishicorp.com
Printed in Japan