新産業金融事業グループ - Mitsubishi Corporation

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Mitsubishi Corporation
Annual Report 2009
新産業金融事業グルー プ
組織
■
新産業金融事業グループ
CEOオフィス
■
■
■
■
■
新産業金融事業グループ
コントローラーオフィス
投資金融事業本部
産業金融事業本部
開発建設プロジェクト本部
物流サービス本部
当期純利益(単位:10 億円)
24.2
前列左より
小林 健
常務執行役員
新産業金融事業グループ CEO
後列左より
坂田 保之
執行役員
産業金融事業本部長
武内 英史
7.0
常務執行役員
新産業金融事業グループ COO
兼 投資金融事業本部長
宮原 一郎
執行役員
開発建設プロジェクト本部長
–41.2
佐々木 伸
理事
物流サービス本部長
08.3
実績
09.3
実績
10.3
見通し
グループ CEO メッセージ
2009 年 3 月期の活動内容について
式見做し売却益と、2009 年 3 月期に計上した上場株式減損を
当グループは、総合商社が得意とする「モノ」の知見に、
「金
除いた利益を比較すると、374 億円の減益となっています 。こ
融」を結びつけた商社型産業金融ビジネスを展開しています 。
れは、主にファンド投資や不動産関連収益が減少したことによ
主な事業は 、アセットファイナンスや企業のバイアウト投資か
るものです 。
ら、リース、不動産(開発・金融)、物流、保険まで多岐にわたっ
2009 年3 月期の主な活動としては、事業基盤の確立に向け、
ています 。幅広い産業界との接点と、事業やモノに対する目利
金融関連ビジネスでは 、投資ファンド運営会社・丸の内キャピ
き・知見を活かした金融ビジネスの展開力が、金融機関にはな
タルの設立や、三菱 UFJリー スに対する増資引き受け、そして
い当社の強みです 。
航空機リー ス事業をグロー バルかつ機動的に推進するための
当グル ープの事業は 、金融市場の みならず 、不動産市場や
M C アビエ ーション・パ ートナ ー ズの設立を行いました 。また
物流の実体経済と密接な関係にあり、2008 年秋以降の金融・
米国 Aladdin Capital Holdings へ の出資 、アント・キャピタル・
経済危機による市況の急速な悪化の影響を大きく受けること
パートナーズ
(旧日興アントファクトリー )
や、英国ヘッジファン
となりました 。その結果 、2009 年 3 月期の当期純利益は 412
ドの Capula Investment Management へ資本参加することで 、
億円の損失となり、2008 年 3 月期と比較して 654 億円の減少
当社がアセットマネジメントビジネスを展開する上での戦略的
となりました 。2008 年 3 月期に発生した三菱 UFJリー スの株
なパートナーシップを国内外に広げました 。不動産関連ビジネ
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スでは、当社の商業施設の開発・運営機能を活かし、不動産価値
ル マネジメントとともにバミューダにて保険ファンド専門の運
の再生を行うバリューアップ事業の第 1 号案件として、大阪の商
用会社ペンテリア ダイヤモンド キャピタル マネジメントを設
業施設「イーマ」を取得し、内装工事やテナントの入れ替えを図
立し、日本企業としては初めて本格的に保険ファンド事業に参
り、リニューアルオープンによる商業施設の再生を行いました。
入しました 。また、丸の内キャピタルでは、第 1 号案件としてタ
カラトミー へ出資を行いました 。不動産関連ビジネスでは 、
今後の見通しと『 INNOVATION 2009 』について
2009 年春には、名古屋において、イオングループと共同し、新
金融市場や実体経済の混乱も 2010 年 3 月期に入って徐々に
しい都市型ショッピングセンター「 mozo wondercity 」を開業
安定化の兆しが見られますが、市況の本格的回復までには、し
させるなど、当社の持つ機能を発揮し、着実に実績を積み上げ
ばらく時間を要するものと考えています 。
ています 。
こうした環境の中、2010 年 3 月期は 、当グル ープは保有資
2010 年 3 月期については、このような活動を通じ、またファ
産価値の維持・向上を図りながら 、金融・経済危機回復後の事
ンドや不動産関連分野の当期の損失の反動を見込み 、70 億円
業環境を見据え、それぞれの事業の足場固めと機能の強化・高
の当期純利益を計画しています 。
度化を行っていきます 。特に、不動産ビジネスにおいては、当
グループが保有する不動産開発・運営、金融、物流の機能を一
層融合させ 、高度化を図ることにより、当社の強みを活かした、
有機的なバリュー チェーンの構築を目指していきます 。
2009 年 4 月以降の主なトピックとしては、金融関連ビジネス
常務執行役員
新産業金融事業グループ CEO
小林 健
では、金融機能と保険機能とを融合させ 、ペンテリア キャピタ
事業を通じた社会・環境貢献
人と環境に配慮した mozo wondercity
ターの敷地内で植樹祭を行い、約 2,500 名の地域の皆さまと
当社とイオンモ ー ルが共同で取り組んできた名古屋の
ともに、地域に適した樹木を中心に約2 万本の苗木を植樹しま
ショッピングセンター「 mozo wondercity( モゾ ワンダーシ
した。こうした活動を通じて、ショッピングセンターを緑あふれ
ティ)」が、2009 年 4 月 21 日にグランドオープンしました 。
る憩いの場とすべく努めています。
このショッピングセンターでは、
「 人と環境に配慮した SC 」
をスローガンとして掲げることにより、ユニバ ー サルデザ
インの導入など、さまざまな施策を実施しています 。
大きな特長としては、高効率冷凍機(インバーターターボ
冷凍機)
や電力会社が推奨する氷蓄熱空調システムを導入す
ることにより、年間約 1,975トンの CO2 削減と電力の平準化を
実現したことがあげられます。そのほか、建物の外壁には合
計約 1,700m2 に及ぶ壁面緑化を実施し、緑化によるCO2 削減
や、外壁に緑の潤いを与えることによる、建物の圧迫感軽減
を図っています。また、2009 年 3 月には、ショッピングセン
人と環境に配慮したショッピングセンター
mozo wondercity(モゾ ワンダーシティ)
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Annual Report 2009
新産業金融事業グルー プ
投資金融事業本部
■ 投資ユニット
■ プライベートエクイティ投資ユニット
当本部では、国内外の金融市場を巡るさ
まざまな環境変化の中、総合商社ならでは
*1 各種金融商品の仕入から販売までを手掛け、これ
らを仲介することにより顧客・投資家ニーズに応
える事業
*2 既存企業に出資し、経営をサポートすることで、企
業価値向上を通じてリターンを得る投資事業
*3 国債、社債、地方債などの金利関連商品に生じる、
価格の歪みを利用してリターンを得る投資分野
*4 機関投資家などから委託を受け、未公開株式など
を取得し、経営をサポートする内外のファンドを選
別し、投資モニタリングを行う事業
宅・物流施設などを対象とした不動産私募
ファンドを組成・運用しています。
リース事業分野では、2008 年8 月にトル
コの大手自動車リース会社 Ekim Turizm
Ticaret Ve Sanayi A.S.(ブランド名Intercity)
に対し、当社と三菱 U FJリースで共同して
合計 45% の出資をしました。また、国内
の多様な産業界との接点と、グローバルな
オートリース事業再編の一環として、当社
ネットワークやノウハウを活かし、金融仲
と三菱 U FJリースの合弁企業である三菱
介・投資事業を展開しています。アセットマ
オートリースが、三菱 UFJリースの 100%
ネジメント事業*1 およびバイアウト投資事
子会社であるセントラルオートリースと事
業*2 を中心に、さまざまな顧客・投資家の
業統合しました。
ニーズに応えています。
エアライン分野では、これまで当社本体
アセットマネジメント事業においては、
2008 年 5 月にクレジット関連商品を専門と
丸の内キャピタルは、総額1,
000 億円のファンドを組成
して、主に国内企業への投資を行っています。
で展開してきた航空機リース事業と関連
サービス事業を営む子会社とを集約し、
する米国 Aladdin Capital Holdings へ出資
2008 年 8 月にMCアビエーション・パート
(19.5% )
したのに続き、2008 年 10 月には
ナーズを設立しました。同社は、資産残高
債券アービトラージ分野*3に強みを持つ英
産業金融事業本部
国の有力ヘッジファンド運用会社 Capula
Investment Managementと資本提携を行
い、同社持分の 5%を取得しました。
バイアウト投資事業においては、三菱UFJ
フィナンシャルグループと共同で、投資ファ
ンド運営会社である丸の内キャピタルを
2008 年4 月に設立しました。同社はその第
1 号 案 件 として、2009 年 5 月にタカラト
ミーと戦略的資本・事業提携を結び、丸の
内キャピタルの組成する投資ファンドがタ
カラトミーに対し、約 15% 出資することと
なりました。また、2008 年11 月には、アン
ト・キャピタル・パートナーズ
(旧日興アント
ファクトリー)
への出資を行いました。2009
年 2 月には、当社の子会社でプライベート
エクイ ティファンド のゲート キーパー 事
業*4 を行っているエー・アイ・キャピタル
が 、三井住友銀行と資本・業務提携を結
び、資産運用ビジネスの強化・発展に取り
組んでいます。
約 2,000 億円、保有・管理機数 100 機以上
の国内最大規模を誇る航空機専業リース会
■ 金融企画ユニット
■ 不動産・事業金融ユニット
社です。
■ リース事業ユニット
再保険金融分野では、業界優良プレイ
■ エアラインビジネスユニット
ヤーであるペンテリア キャピタル マネジ
当本部は、グローバルな構造変化から生
じるさまざまな金融ニーズをビジネス機会
と捉え、
「モノ」
「サービス」への知見と、ア
セットマネジメント、ファイナンスのノウハ
ウを組み合せた商社型産業金融事業の創
メントとともに保険ファンド専門の運用会社
ペンテリア ダイヤモンド キャピタル マネ
ジメントを設立しました。日本企業としては
初めて、人員派遣・経営参画まで踏み込ん
で本格的に事業参入することになります。
出・拡大を目指しています。
不 動 産 金 融 分 野 では、三 菱 商 事・
ユービーエス・リアルティが、商業施設特化
型REITとしては業界トップの資産残高を保
有する日本リテールファンド投資法人と、物
流施設・インフラ施設などの幅広い産業用
不動産を保有する産業ファンド投資法人の、
二つのREITを運用しています。また、当社
100% 子会社であるダイヤモンド・リアル
ティ・マネジメントでは、商業施設・賃貸住
MCアビエーション・パートナーズを設立し、航空機
リース事業を集約しました。
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よび運営事業を通じて蓄積してきた、当社
物流事業では、三菱商事ロジスティクス
独自のノウハウや知見を最大限に活用し、
を中核に、アパレルなどの生活財や自動車・
テナントの入れ替えや建物・設備の更新な
化学品の工業財分野などの部品・製品物流
どに取り組んでいます。また、名古屋では
において、最適な物流スキームの立案なら
■ 建設・設備ユニット
イオンモールと共 同して旧「ワンダーシ
びにオペレーションを実行することで、顧
■ 海外不動産ユニット
ティー 」を建て替え、新たなショッピングセ
客満足度の向上に努めています。
当本部は、商業施設・住宅・オフィス・医
ンターとして「 mozo wondercity 」を2009
不定期船事業では、石炭、穀物などの原
療施設・複合施設など、国内外の多様な不
年 4 月に開業させました。
料輸送において当社商流との連携を強化
開発建設プロジェクト本部
■ 不動産開発事業ユニット
■ 都市・住宅開発ユニット
動産を対象とした開発機能に金融の観点を
し、専用船事業や専航船(特定航路を運航)
付加し、開発から流動化まで一貫したバ
事業を通じて、日本への原料の安定供給に
リューチェーンを構築しています。都市再
貢献しています。
生および不動産ディベロッパー分野のイノ
保険事業では、主に子会社を通じて各種
ベーターとして、バリューチェーンのさら
事業を展開しています。NEW CENTURY
なる強化・高度化を図っていきます。
INSURANCEではキャプティブ再保険事
業を推進しています。また、エム・シーイン
不動産開発分野では 、三菱商事都市開
発とともに都市型商業施設をはじめとす
大阪の商業施設「イーマ」は、当社のバリューアップ事
業の第 1 号案件です。
シュアランスセンター は、総合リスクコン
る不動産の開発・運営事業の推進に取り組
サルタントとして、法人・個人向けの保険ソ
むほか、不動産証券化事業などを推進して
リューションを提供しています。さらに保険
います。
都市・住宅開発分野では、従来からの住宅
物流サービス本部
ファンドのエオリア・ダイヤモンドでは、企
業が抱える自然災害などのリスクヘッジ
ニーズと新たな投資ニーズを橋渡しする役
分譲事業に加え、収益不動産の投資・運営
■ リスクエンジニアリングユニット
や、短期売却型のオフィス開発、不動産企
■ 物流事業ユニット
目を担い、機関投資家のみならず企業や保
画・コンサルティングにも注力しています。
■ 不定期船事業ユニット
■ ターミナル事業ユニット
険会社からも注目されています。
建設・設備分野では、新聞印刷工場の建
設工事や設備納入のほか、PFI 事業・医療ソ
リューションビジネス、大規模複合施設の
企画・設計、さらに東京電力との合弁会社
である日本ファシリティ・ソリューションとの
連携により、ESCO(省エネ)事業などを推
進しています。
海外では、主に米国の子会社DIAMOND
R EALTY I NVESTM E NTSを通じて、ア
パート・物流施設などへの投資を行ってい
ます。
2009 年 3 月期においては、大阪梅田の
既 存 商 業 施 設「イーマ」を 取 得 し、リ
ニューアルオープンを行いました。本件で
は、30 年以上にわたる商業施設の開発お
そのほか、物流業界を対象としたアセッ
当本部は、長年蓄積してきた物流・保険
トファイナンス事業や外航船舶の保有・運
業務におけるノウハウと、当社グループの
航事業、船腹仲介業、リスクコンサルティン
商流と一体となって構築した拠点網による
グ、貿易保険業務なども提供しています。
物流事業・保険事業が強みです。物流現場
で培った知見に、金融ノウハウをからめた
付加価値の高いサービスを展開していま
す。また、当グループ内他本部と連携し、
物流施設を含む産業不動産への投資を行う
J-REIT の産業ファンド投資法人や、2009
年新たに立ち上げた日本企業初の保険ファ
ンドのエオリア・ダイヤモンドの運用にも取
り組んでいます。
Mitsubishi Corporation LT( Thailand )は、海外物流の
重要拠点として、タイにおける自動車関連の物流事業
を展開しています。
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