はじめに 竹田 真木生 本号は、私たちの研究室の、一つの時代の変わり目になる。33年間神戸大学に在職された内藤 教授の退職がその主な理由である。最後の表紙を飾る文章をお願いしたが、18日に迫る最終講義と パーティの準備にお忙しい様子なので、私が代筆する。前号からの3年間に、自然科学の方の助手の 藤原さんが任期を終えて、1年半の空白の後、また一つポストが回ってきたが、パキスタンからの、 もと留学生で一度帰国したツファイルさんがこのポストを得た。再び任期つきのポストであるが、竹 田と前藤さんともにしばらくこの3人の体制になる。前回は、未来型予算の5年目の年で、富田さん が技官として、大いにサポートしてくれ、その冨田さんも去って、今年度は池川さんがその後を継い だ。その池川さんも、この4月で去り、再び小さめの編成になる。この3年間に、13人の博士がう ちの研究室からだけで生まれた。その半数以上は留学生である。4人の外国人の学振ポスドクがやっ てきて、色々な面で層が厚くなった。JICA の”植物保護のための総合防除2”というトレーニングコ ースも竹田がコースリーダーを務めており、研究室での研修にも毎年4人ほどのアジア・アフリカ・ ラテンアメリカの学生が日本の学生とともに数ヶ月汗を流す。間違いなく、国際的で最も活発な昆虫 科学研究室のひとつになった。修士課程の学生は英語で修士論文をものするのが当たり前になったし、 ディスカッションも英語で普通に出来るようになった。自然科学の新棟プロジェクトも概して良い評 価を得た。 今年は、スタッフの体制もかわるが、校舎の改修がある。居なれた校舎をかなり値切ったぎりぎ りの改修で、多くは望めそうにはないが、それでも見かけは美しくなるだろう。大雨の時に雨漏りが して閉口するが、多少こうした事は改善されるに違いない。多くの人が大学院に進学するようになっ て、ひと頃に比べたら、卒業生の数もかなり増えた。増えることによって窮屈になったり、色々な弊 害が見られることもあったかもしれないが、ものはポジティヴに考えよう。卒業生が色々なフィード バックを返してくれれば、それはそれで、研究室の活動にとっても良いことだ。大学への国からの財 政支援は小さくなる一方である。そんな時でも、降参してしまうことなく、生き続けなければならな い。同窓生が、社会を出ても助け合い、また大学に刺激と機会を与えてくれることを望む。我らが学 びの窓に青春の火は燃えつづけ、我らの理想と実践は時代を超えて行くだろう。他に大きな大学は幾 多あれ、この理想と友情は固い。岩田先生が基礎を作り、内藤先生が発展させた研究室の灯をもっと 大きく燃やし続けよう。 “嗚呼、誰か来て私にいえ 億の巨匠がならんで生まれ、そうして、あい犯さない そういう社会が必ず来ると“ 2006・3・10 (記憶で書いているから正確でないかもしれないが、宮沢賢治) 1 世界的レベルの研究室(内藤教授の退官に寄せて) 研究室同窓会(蜂友会)会長 足立隆昭 内藤親雄教授がこのたびめでたく退官を迎えられました。 内藤先生は岩田、奥谷、桃井教授につづく4代目教授として平成4年に就任されました。ハ バチを中心とした研究は国内・外に卓越した功績を残されています。学内では学生および後 進の指導、学内各委員長として大学運営に、特筆すべきは神戸大学創立記念事業の「神戸大 学チベット学術探検隊」隊長として貢献されました。学外では非常勤講師として名古屋大学 をはじめ7大学で教鞭をとられ、昆虫学会会長、多数の学会評議委員、環境庁委員、兵庫県 「人と自然の博物館」協議会会長・委員長などなど数々の貢献・功績を残されております。 神戸大学は学生数、学部数ともに東京大学、京都大学に続く全国第3位の規模に成長してお ります。従来に増して高等教育研究機関として充実と発展が求められ、またブランド力の形 成や社会的説明責任も問われます。 昆虫科学研究室(詳細は研究室のホームページにお任せします)は日本のファーブルとも称 された岩田イズム(研究室創設初代教授岩田久仁雄先生:神戸大学名誉教授)の伝統的研究 (生態学)と先端科学を創生している研究(生化学)が世界的レベルの評価を受けています。 同窓会としてたいへん頼もしく喜ばしいことであります。 現在、学部生 11 人、修士課程 7 人、博士課程 14 人、ポスドク2名、研究生 0 人、うち外 国人留学生 6 人、外国人ポスドク2名、また男:女=24 人:10 人の盛況です。 卒業生は篠山時代40人、植物防疫学科時代123人、生物環境制御時代、49人、大学院 生は外からの人が、32名、中からの人が約60人います。大学や公務員、会社員、サービ ス業、自営業など様々ですが其々の業界の中心的な存在として活躍されています。 大学が改革を問われているとき、昆虫学研究室が毅然として存続し、盛況であることに内藤 先生を始め教官に感謝申し上げます。 内藤先生は退官後、神戸大学名誉教授として研究・指導につくされますが、ご健勝で更なる ご活躍を期待・祈念申し上げます。 農学部内で唯一研究室単位の同窓会(蜂友会)会誌「なべぶたむし」は研究室と卒業生の連 携強化の糧とし、また研究室と学外の交流の促進にも努めています。文書の内容・形式など は問いません。随時「なべぶたむし」に投稿ください。 06年1月23日 2 私の青春のひとこま ----篠山の頃---内 藤 親 彦 私が初めてハバチと出会ったのは高校3年生の春、たぶん1959年5月10日であったと思う。神戸市 内にある隣の高校の同学年であった中筋房夫さん(現岡山大学農学部教授)が、私と私の同級の中西明徳 さん(現兵庫県立人と自然の博物館研究部長)をお気に入りの採集場所に案内して下さったのがきっかけ であった。 六甲山塊の西の縁を南北に急勾配で走る神戸電鉄の山ノ街駅からほんの数分の場所であったが、 1本の潅木にそれまでに見たことのないハチのような虫が次々に飛んで来るのを見つけた。1cm そこそ この大きさで、赤、黄、緑、黒などの色で彩られた虫を、私は夢中で何匹も採集し、殺虫管に収めた。そ れらは私には宝石のように見えた。 中筋さんは当時から物知りで、それらがハバチであることを教えてくれた。それからしばらくはハバ チ採りに夢中になった。我々は長田高校という高校の生物部で、私が部長、中西さんが副部長を務め、 「六 甲山総合研究」という課題に情熱を注いでいた。六甲山系の動植物相を解明しようとする取組で、私はチ ョウの調査を担当し、2年間で約100種を採集した。今でも飛んでいるチョウのほどんどは名前を言い 当てることができるのは、この頃の修行のなごりである。高校生活は部活動に心血を注ぎ、成績は下がる 一方であった。中筋さんはその頃すでに昆虫の専門家になることを宣言して、我々を感心させていた。私 はそんなおおそれたことは夢にも思わなかったが、 ハバチについて勉強したい気持ちは大きくなっていた。 受験勉強よりも虫採りにうつつを抜かしていた私には、旧帝大は無理で、それが結果的には私に合った兵 庫農科大学入学となった。 兵庫農科大学には、ハチ類の行動学で著明な岩田久二雄先生とハバチの研究で有名な奥谷禎一先生が おられることを、すでに受験前に知っていたし、本屋で購入した「日本昆虫記」に書かれた両先生の話は 何度も読み返していた。中筋さんと中西さんは昆虫学のメッカ、九州大学に入学した。兵庫農科大学に入 学したその日、私は岩田先生の研究室の前に立っていた。出張中との行先案内が出ていた。1ヶ月以上た っても在室の表示には変わらなかった。後に知ったことであるが、先生はコロンボ計画でタイへ半年ほど 学術調査に出られていた。奥谷先生の部屋にも恐る恐る伺い、ハバチを研究しに来た旨を話すと、即座に 先生の部屋の中に机と椅子を用意して下さり、その日から出入り自由となった。奥谷先生は折に触れ、ハ バチを勉強するための本や文献を紹介して下さった。多くは英文で書かれたものであった。自分で購入し た書籍もあったが、先生からお借りした文献は手で書き写すか、写真に撮り焼きつけるかにした。当時は まだ複写機がなかった。私が篠山を離れ、大学院に進学した後もずいぶんお世話になった。先生が196 7年にヨーロッパに一年間留学された時も、大英博物館やスウェーデン自然史博物館に保管されているハ バチ類のタイプ標本等についての情報を何度も送って頂き、私の大学院での研究を助けて頂いた。 1年生の夏休みに入る前、奥谷先生からアルバイトの紹介があった。カナダのコモンウェルス研究所で森 林性のハバチを研究している Pshoron 博士が来日し、日本の針葉樹の害虫となるハバチ類を調査するので、 博士が信州大学農学部に滞在中の1ヶ月間、その手伝いをせよとの話しであった。1日500円がもらえ るこの仕事は、 私にとっては一石二鳥のありがたい話で、 中学時代からの虫友だちである中西さんを誘い、 7月20日頃に長野県伊那に入った。初めての信州旅行で、見るものが新鮮であった。農学部の敷地内に は雑木林が多く、関西の低地では見られないゼフィルスを何種も見かけ感動した。この時、前田泰生さん (現島根大学名誉教授)が助手として赴任されたところで、研究室の机の上にはドロバチ類の幼虫が入っ た竹筒がところ狭しと並べられていた。今も変わらない独特の口調で、かけ出しの我々の面倒を見て下さ った。三枝豊平さん(現九州大学名誉教授)と出逢ったのもこの時で、信州での虫採りの途中に信州大学 に寄られたそうで、ビンビンとした気迫に圧倒された記憶がある。この1ヶ月の滞在中に足腰がかなり鍛 3 えられた。Pshoron 博士はジープが入るあたりで調査し、夕方までには旅館に戻り、ビールでのどを潤す のを日課とし、博士と同行する日は天国となる。しかし、車では登れない高山地帯の調査はもっぱら我々 が担当した。3000m 級の中央アルプスの木曽駒ヶ岳には数度登り、ハイマツにつくハバチの幼虫を採 集した。この時、ハイマツにマツノキハバチがついていることを発見したが、これはその後の高山型とア カマツにつく低山型の関係に関心を呼ぶきっかけを作ることになった。この時訪れた山に入笠山がある。 南アルプスの北のはずれにある標高2000m 程の山で、山の上部は台地状になっており、森林あり、草 原あり、湿原ありと、変化にとんでいる。7月頃はハバチも多く、神戸大学に務めてからも学生諸君とも 何度かこの山を訪れた。 1年生の秋、友だちにサッカー部への入部を誘われた。サッカーは高校時代から好きなスポーツであ ったので入部させてもらった。入部してから1週間ほどして岩田先生に呼ばれた。先生の部屋に伺うと開 口一番、 「昆虫を本気で勉強するなら1分を惜しんで勉強せんとあかん。 」とのお言葉。先生の研究室から グランドが丸見えで、放課後ボールを蹴っているのを見ておられたらしい。私はその日の内に退部届けを 出した。2年生の秋、先生は当時助手であった宮本セツ先生と九大の院生となっていた岡本喜一郎先輩に ハチ類の行動学に関する特別講義を1週間に一度、2ヶ月間ほど行われた。その際、講義に参加すること を許されて、興味ある話の数々を聞くことができた。先生は私が分類学を志すことには賛意を示されず、 「分類学は世界中の情報を相手にしなければならず、日本のような大陸のはずれにあるような島国では真 っ当な分類学はできない。 」とおっしゃっていた。分類学に執着する私に愛想を尽かし、 「分類学をする限 りは、変わった分類屋になれ。 」とのお言葉を頂いた。 岩田先生は勿論偉い先生であったが、 大変気さくな先生でもあった。 先生は週休二日制のさきがけで、 金曜日の夕方に実家のある京都に帰られ、月曜日の朝に篠山に戻られる生活をしておられた。篠山では単 身赴任で農大の先生方が住む平家の集合住宅におられた。時々研究室の学生と先生の家を訪れてはお酒を ご馳走になった。もっとも、私はお酒が飲めない人間であったので、他の友人ほどありがた味は感じなか った。ある日、お邪魔した時は先生は留守で、家に上がり込んで冷蔵庫を物色し始めた。なんだか部屋の 様子がおかしいので表札を確かめると、違う先生の名前が掛かっていた。驚いてその家を飛び出すと、先 生の家はその向い側にあった。お二人は親しい間柄で、気分転換に家を交換したとのことであった。先生 は学生を大事にして下さった。他大学の昆虫の先生への批判は痛烈であったが、学生への非難は聞いたこ とがなかった。専攻生の受講についてはめくら判で優であった。 岩田先生が忠告して下さったように、分類学に対する疑念は私自身も抱いていた。助手に着任間もな い桃井節也先生は、北大で学位を取って母校に戻られたヒメバチ類の新進気鋭の分類学者であった。大学 では気難しい先生として通っていたが、お宅を訪れると人が変わったように優しく対応された。そんな先 生や奥さんの迷惑を顧みず、夜中まで居座って、 「分類学に理念はあるのですか。 」 、 「研究対象とする昆虫 群が違っても議論できるのが学問ではないのですか。 」など、大口をたたいていたのを思い出す。私は自分 では至って謙虚で、でしゃばらないタイプの人間であると思ってきた。しかし、私をよく知る友人に言わ せると、この上ない厚かましい人間であると言われる。確かに右も左も分らない学部生が突然先生の部屋 を訪れ、特別の計らいを受けたり、先生に議論を持ちかけたりするなどは、とても謙虚とは言えないかも 知れない。しかし、そういうことができる雰囲気が当時の農大にはあり、また、篠山という町が学生を大 事にしてくれたことなどが、良い意味での学生天国を作り出していたのかも知れない。昨年卒業後40年 ぶりの農大農学科の同期会を篠山で開いたところ、連絡できた26名の内、20名が参加した。すでにリ タイヤした者や、今なお現役で働いている者もいたが、当時のいい加減な学生生活からは想像できないほ ど、皆が社会の第一線で活躍してきたことに驚いた。 農大での4年間の学生生活が自分を支えたと言う者が多かった。私も真面目に勉強したように聞こえ るかも知れないが、遊んでいたことも多かったように思う。マージャンが好きで、相性の良い友人からは 4 「鬼」と言われた。朝帰りもしばしばで、下宿のおばさんには「女ができたらしい。 」と思われていた。一 時はパチンコに見入られ、気が付くとパチンコ台の前に座っていた。余分な話であるが、パチンコ屋のお 姉さんに好意を持たれ、予定外の玉がジャラジャラと受け皿に出てくることが度々あった。ある日、従業 員のお姉さん達が皆で夜逃げをしたそうで、それ以後恩恵に預かることはなくなった。 一番時間を費やしていたのはやはり虫採りで、大学から大学院にかけては、日本中を歩き回ってハバ チを採集した。この頃は記憶力もよく、標本にしたハバチを見ると、それをどこで、どんな環境で採った かを鮮明に思い出せた。ひたすらにハバチを採りまくった頃であったが、この時集めた標本やそれに関す る情報が、後の同所的種分化などの生きた分類学に有形無形に役立つこととなった。学部の4年間で最も 多く訪れたのは兵庫県北西部に位置する、県下第2の高峰扇ノ山であった。この山は奥谷先生が開拓され たと言われており、昆虫類が極めて豊富な地域であった。1年生の時、生物研究部の先輩、湯浅浩史さん (現進化生物研究所教授)や辻啓介さん(現兵庫県立大学教授)に連れられて、初めて扇ノ山に入った時 は驚いた。数百年を経たブナの巨木が林立し、トチやミズナラが負けじとブナと競っていた。兵庫県にこ んな原生林があるとは夢にも思わなかった。バスを降りてから半日をかけ、重い食料品を運ばなければな らない辛い登山ではあったが、何度も足を運んだ。山の高台には夢やぶれた開拓部落があり、伊関さん一 家だけがなお頑張っておられた。泊めて頂くお礼がわりに、米や食料品を余分に担いで登った。ある時、 伊関さんが「裏のハッカ畑にキジが来ているはずだから、撃ってくるか。 」と言われ、散弾銃を受け取った。 霧にかすむ畑にはそれらしい姿は見えない。と、思っていると、突然足もとからキジが飛び立った。引き 金は引けず、飛び去っていく姿を呆然と見ていた。 扇ノ山はすばらしい原生林であったが、一つだけ私を悩ますものがあった。ブユである。幼虫が清流 に棲むこの虫は扇ノ山にはやたらと多く、うっかり咬まれると恐ろしく腫れる。目の上を咬まれ片目が見 えなくなったり、足首を咬まれ登山靴がはけなくなったり、手の甲を咬まれグローブのような手になった り、散々であった。ブユに弱い体質であるらしいが、扇ノ山のブユは特別のように思う。昆虫の豊富さは 県下第一と思われた。特定のヤナギの木には毎年ヒメオオクワガタがいたし、珍品といわれるカミキリム シやコガネムシも数多くいた。広留野の草原には、採るのがいやになるほどウスイロヒョウモンモドキが 飛び交っていた。奥谷先生と私が新種の模式標本としたハバチの新種も何種かいる。それから数年して林 道がつけられ、 その後3年で山は禿山となった。 わずかに残された原生林で細々生きている昆虫もいるが、 伐採後姿を消した種も多い。 3年生の6月、九大の三枝さんから採集旅行のお声がかかった。山梨県の金峰山と南アルプスの仙丈 岳に10日間程の日程で採集に行くとのお誘いであった。勿論参加の意志を伝えた。大学はまだ授業が真 っ盛りであったので、受講している全ての科目の先生に採集のための欠席届けを提出した。帰ってきて分 かったのであるが、ほとんどの先生は出席扱いにして下さっていた。この時同行されたのが永冨昭先生(今 春ご逝去)であった。先生は私が農大に入学する1年前に、農大から鹿児島大学に転任されていた。農大 の共通項があり、初対面とは思えないほど親しくして頂いた。甲府の三枝さんの実家に集合し、一泊お世 話になった後、金峰山に入った。仙丈岳には伊那谷の戸台から赤河原の長いだらだら道を40kg の荷物を 背負って数時間歩き、谷のどんずまりの丹渓山荘に辿り着き、ここを拠点に北沢峠経由、または馬の背経 由で山頂を目指す。今は戸台から北沢峠まで夏期には路線バスが運行されているが、当時は林道はなく、 食料も持参であった。滞在3日目に三枝さんが一足早く上高地に向かうことになり、永冨先生と二人で山 頂を目指すことになった。先生は太っておられ、登山は苦手であった。恐い三枝さんが居なくなったので、 山麓で採集しようと言い出されたのを、10分登って2分休む案を受け入れて頂き登り始めた。この方法 は先生にも無理が少なかったようで、クロユリが咲き乱れる馬ノ背のお花畑へと登ることができた。これ を契機に登山に自信をもたれ、その後は本州や北海道の高山を単独登山で次々と踏破された。この時の印 象は強かったご様子で、年賀状を頂く度に懐かしい思い出として書かれていた。また、この時の同行者で 5 あった三枝さんと私がともに日本昆虫学会の会長になったことに感慨深気であられた。今は亡き先生のご 冥福をお祈りします。 学部は4年間で卒業したが、諸事情があって教養部の動物学教授の野草俊一先生のところで助手とし て1年間お世話になった。先生はドスの効いた声と強面の顔で一見恐そうに見えるが、実に暖かい先生で 日頃からよく研究室に出入りさせて頂いていた。先生は魚の染色体研究では著明な方で、その頃昆虫の染 色体にも手を出し始めておられた。ハバチの幼虫も染色体研究のために飼っておられ、春先には腰高シャ ーレの土の中からハバチの蛹を掘り起こし、染色体のプレパラートを作っておられた。私は先生が作られ たプレパラートから分裂像を顕微鏡で捜すお手伝いをした。先生が帰られてからも、夜遅くまで検鏡を続 けた。目が良いことを褒められたのを励みに、熱心に検鏡を続けた。DNA の塩基配列は話題にもなって いない頃で、染色体研究は動植物で盛んであった。私もハバチの系統分類に染色体を使うことは常々希望 していたので、野草先生の染色体研究をお手伝いすることは願ってもない修行であった。しかし、重たい 課題が目の前にあった。染色体そのものを研究する段では問題ないことであるが、核型の比較を系統分類 の手段とするためには、相当数の種について染色体を調べる必要がある。日本に生息するハバチが約70 0種であるとすると、最低100種、できれば200種の染色体の比較が必要と思われた。しかし、従来 の蛹の精巣の分裂像を見る方法では、100種の染色体を調べるのは至難の技である。大半のハバチは春 に年1回の出現で、老熟した幼虫は土に潜り、翌春に蛹になる。この頃幼虫とその食草が分かっている種 類は100種に満たず、幼虫が飼育できても翌春まで土中で生存する個体は少なく、更に細胞分裂が盛ん な状態にある精巣を持つ蛹を掘り当てることは難しく、頑張っても数十種のハバチの染色体を調べるのが 精々と思われた。しかも精巣の細胞分裂で観察できるハバチ類の染色体は小さく、核型の分析に適してい るとは言えない。この難問に私は悩んだ。幼虫を採集し、蛹を材料とする方法は限界が見えている。成虫 の採集は容易で、多くの種を得ることができる。しかし、成虫の組織で細胞分裂を観察することはできな い。諦めるしかないのか。 野草先生のところで1年間お世話になった後、大阪府立大学大学院に進学した。当時の教授であった 伊藤修四郎先生は、染色体などを分類の手段に使おうとする異端児を受入れ、新しい顕微鏡まで購入して 下さった。修士2年生の春も野草先生のお手伝いをするために、1ヶ月ほど篠山に滞在していた。この時 も色々と考えにふけっていたが、細胞分裂は精巣だけでなく、卵の胚発生の過程でも盛んなのではないか という考えが浮かんできた。さらに、雄産生型の単為発生を行うハバチでは、雄は未受精卵から発生する ので、この過程を人為的に行うことができるのではないか。うまくいけば、成虫を野外から採集し、人為 的に発生させた卵を材料として、胚分裂像を観察できるかも知れない。そうすれば数百種のハバチの染色 体観察も可能になるかも知れない。途方もない夢のような話しであったが、篠山を離れる直前、この筋書 きは現実のものとなった。顕微鏡の視野に、精巣での分裂像とは比較にならないほどの大きな、鮮明な染 色体を観察した時は体が震えた。その後、これほどの感動を覚えた記憶はない。 昆虫学教室には1年生の頃から出入りをさせて頂いていたので、 3年上の先輩にも親しくして頂いた。 私が1年生当時、4年生には優等生の岸谷靖雄、気さくな山崎敏雄、岩田先生のお気に入りの岡本喜一郎、 3年生には理論派で活動家の福井正樹の諸先輩がおられた。2年生になると野生派の竹谷昭彦、紳士派の 本多 勉の両先輩が研究室に分属してこられた。皆さん、個性豊かな先輩であった。もうお一人、猪股凉 一さんが3年次編入生として研究室に入って来れれた。猪股さんは私より15歳も年上で、西脇高校の夜 間部で化学の先生をしておられた。生物の先生の免許を取るために編入してこられたが、実際はハバチの 生態研究をする方が主目的であった。夜間部で教鞭をとっておられたのも、昼間はハバチの研究をするた めの時間を取る必要からとのことであった。ハバチの研究はすでにプロ級で、独自の視点でハバチ類の生 態研究に取り組んでおられた。特に、分類が難しく、誰もが敬遠していたキモンハバチ属の生態解明に取 り組まれていた。後の話になるが、形態のみからでは分類が不可能とされた同属ハバチの生態を明らかに 6 する過程で、それまでせいぜい20種が日本に分布するとされていたのを、70余種が分布することを明 らかにし、多くの新種を発表された。私も同じハバチの研究を志す者として、猪股さんには公私に渡り親 しくして頂き、お世話になった。実は我々夫婦の仲人でもある。残念ながら、あの大震災の後遺症により その年に亡くなられた。3年生になって正式に昆虫学教室に分属した。昆虫学を希望したものは私一人で あったが、6月頃に山本 将さんが病理から昆虫に移ってきた。山本さんのユニークさも大変なもので、 ただ一人4年間を丸坊主で通した。彼は昆虫の生理学に興味を持ち、高田啓温先生に師事した。当時昆虫 の先生は5人おられ、贅沢な陣容であった。彼は意識が高く、ノーベル賞を取るために研究すると言い切 っていた。悪餓鬼の同期生達はひやかしていたが、彼は大真面目であった。卒業後、大阪大学大学院の理 学部に進み、 ノーベル賞への近道として粘菌を研究対象に選んだ。 現在関東の大学で研究を続けているが、 ノーベル賞は未だ手にしていない。ちなみに岩田先生が講義で唯一「可」をつけた専攻学生が彼である。 4年生になると、大塚(旧姓岸田)剛二、黒田禮文、武下謙一郎、中條道裕、西田隆昌の5名もの3 年生が分属してきた。大塚さんとは今も虫仲間としてつき合っている。黒田さんとは大学の文化部長、副 部長の間柄で、文化祭を二人で取り仕切った思い出がある。中條さんは私とは正反対の生き方をする人で あったが、いちばん付き合いの深かった人である。東京の文系の大学から編入学して来られたが、年は私 よりも4歳上であった。ツッカケが学生の履物と決まっていた当時、彼は革靴で登校し、我々を驚嘆させ た。虫よりも女性に興味を持ち、色々と男女の道について教えて頂いた。私はお返しに、授業のレポート 作成を手伝った。助手になっても昆虫教室にはよく出入りしていた。野草先生には、学生気の抜けんやつ と怒られていた。この年には山口勝幸さんと山西(園田) 浩さんが3年生として分属した。山口さんは 頭がきれる人であり、思い切ったことをする人でもあった。詳細は分らなかったが、2年生の試験を一切 受けず、1年留年の上、農芸化学科から農学科に転入し、昆虫学教室に来た。アシナガバチの研究をする ため、九大の大学院に進学した。私学の教授をしている山西さんとは大学院でも先輩後輩の仲で(お互い 同輩の積りでいるが) 、今も親しくしている。学長の座を捨てても研究にこだわる学究肌の人で、現在もカ とウィルスの関係を研究している。負けず嫌いな一面があり、大学院時代、二人でマージャンを始めたが、 私が勝つので腹を立て、勝つまで止めないと言って、延々と続けたことがある。篠山での5年間は、私の 青春そのものであった。今思い返しても、退屈して困ったという記憶がない。緑豊かな環境で、多くの人 と出合い、お世話になった。思い返すと、ただただ厚かましく自分中心に生きていたような気がする。あ れから40年がたつが、年を経て何か人のお役に立てたのであろうか。自問しながら、間もなく定年退職 を迎える。 平成18年3月吉日 内藤 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 履歴書 氏名 内藤 親彦(ないとう ちかひこ) 生年月日 1942 年 5 月 22 日 (63 歳) 現住所 姫路市青山南 4-13-7 学歴 1961.4 兵庫農科大学農学科入学 1965.3 同上卒業 1966.4 大阪府立大学大学院農学研究科修士過程園芸農学専攻入学 7 1968.3 同上修了(農学修士) 1968.4 大阪府立大学大学院農学研究科博士過程園芸農学専攻入学 1972.3 同上修了(農学博士) 職歴 1965.4 兵庫農科大学臨時助手(~1966.3) 1972.4 大阪府立大学研究生(~1972.7) 1972.8 日本学術振興会奨励研究員(~1973.3) 1973.4 神戸大学農学部助手 1983.4 神戸大学農学部助教授 1992.8 神戸大学農学部教授(現在に至る) 非常勤講師 信州大学理学部、名古屋大学農学部、京都府立大学大学院農学研究科、大阪府立大学大学 院農学生命科学研究科、近畿大学大学院農学部、岡山大学農学部、九州大学大学院比較社 会文化研究院、琉球大学農学部 学会活動 1965.4~現在 日本昆虫学会正会員(会長、評議員、自然保護委員長、編集委員) 1974.4~現在 日本応用動物昆虫学会正会員(評議員) 1991.1~現在 日本環境動物昆虫学会正会員(常任理事、評議員) 1995.1~現在 日本昆虫分類学会正会員(評議員、編集委員) 1995.1~現在 International Society of Hymenopterists 正会員 賞罰 なし ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 功 績 調 書(名誉教授への推挙の資料) 同人は,本学在職中において,教育・研究,大学行政及び学界等多方面にわたり 多大の貢献をしてきたものであり,その功績はまことに顕著であると認められる。 1.略歴 昭和40年 3月 兵庫農科大学卒業 昭和47年 3月 大阪府立大学大学院農学研究科博士課程修了 昭和48年 4月 1日 神戸大学助手(農学部) 昭和58年 4月16日 神戸大学助教授(農学部) 平成 4年 8月 1日 神戸大学教授(農学部) 平成18年 3月31日 定年退職 2.所属講座(学科目)又は部門及び主な担当授業科目 (1) 所属講座 昆虫科学講座 8 (2) 主な担当授業科目 農学部・・・・基礎昆虫学、生物環境制御学各論、卒業研究 自然科学研究科・・・・昆虫科学特論・、昆虫多様化機構論、特定研究・ ,特定研究・,特別演習・,特別演習・, 3.主な研究分野・・・・昆虫類の種多様化機構、ハバチ類の系統分類と染色体核 型進化、雄半数性ハチ類の性決定および性配分機構 4.併任の職及び主な学内各種委員 農学部生物環境制御学科長 (平成10年 4月 1日~平成11年 3月31日, 平成16年 4月 1日~平成17年 3月31日) 評議員 (平成11年 4月 1日~平成12年 3月31日, 平成12年 4月 1日~平成14年 3月31日, 平成14年 4月 1日~平成16年 3月31日) 自己評価委員会委員 (平成11年 4月 1日~平成13年 3月31日, 平成13年 4月 1日~平成15年 3月31日) 学術研究推進委員会委員 (平成12年4月1日~平成15年3月31日) 神戸大学教育憲章策定委員会委員 (平成13年?) 神大会館運営委員会委員 (平成13年 4月 1日~平成15年 3月31日) 百年誌編集委員会委員 (平成16年 4月 1日~平成18年 3月31日) 5.学界における活動 日本昆虫学会会員(会長2年間、評議員約20年間、自然保護委員長2年間) 日本応用動物昆虫学会会員(評議員2年間) 日本環境動物昆虫学会(常任理事4年間、理事5年間、評議員8年間) 日本昆虫分類学会(評議員10年間) International Society of Hymenopterists 会員 6.社会における活動 環境庁自然環境保全基礎調査検討委員 (平成7年4月~11年3月) 環境庁遺伝的多様性調査、調査検討委員(平成8年4月~12年3月) 兵庫県立人と自然の博物館協議会会長(平成15年3月~現在) 、同委員(平成5 年3月~14年3月) 兵庫県松くい虫被害対策推進協議会委員(平成12年4月~現在) 橿原市昆虫館運営協議会委員(平成7年4月~現在) 日本ペストコントロール協会理事(平成14年4月~現在) 7.受賞 なし 9 内藤親彦先生の著書・論文等目録 (1963年) 1. On the habits of Cleptes fudzi Tsuneki. KONTYU(日本昆虫学会誌), 30:294-296. (1969年) 2. 勝尾寺周辺の昆虫相.箕面勝尾寺付近の生物生態調査報告書, pp.15-44. 3. The genus Pseudohemitaxonus of Japan, with descriptions of two new species. KONTYU, 37:403-408. (1970年) 4. Notes on the genus Lagidina Malaise, with description of a new species from Japan. Bulletin of Japanese entomological Academy, 5:31-35. (1971年) 5. A revision of the genus Hemitaxonus in the Old World, ・. KONTYU, 39:19-28. 6. A revision of the genus Hemitaxonus in the Old World, ・. KONTYU, 39:77-82. (1973年) 7. A new species of Nipponorhynchus Takeuchi from Japan. KONTYU, 41:95-96. 8. Onycholyda Takeuchi, 1938 (Insecta, Hymenoptera): Request for designation of a type-species under the plenary powers. Bulletin of Zoological Nomenclature, 30:95(1975年) Eriocampidea, Hemitaxonus, Pseudohemitaxonus, Nipponorynchus and Adelesta, referred to the Selandriinae. KONTYU, 9. Phylogeny and distribution of five related genera, 43:330-342. (1976年) 10. ハバチ類の染色体と性.植物防疫, 25:66-71. (1978年) 11. Chromosomes of the Tenthredo olivacea-mesomelas group. KONTYU, 46:257-263. 12. Chromosomes of the genus Macrophya Dahlbom. KONTYU, 46:470-479. (1979年) 13. Systematic position and redescriotion of [Selandria carinifrons Malaise]. AKITU, No.21:1-4. 14. Japanese species of the genus Neostromboceros Rohwer. AKITU, No.23:1-8. 15. New host records of the Selandriinae from Japan (Hymenoptera: Tenthredinidae). AKKITU, No.23:8. (1980年) 10 16. Studies on the Japanese sawflies of the genus Strongylogaster Dahlbom. KONTYU, 48:390-401. (1982年) 17. ハバチ類の遺伝的性質を利用して.昆虫と自然, 17(11):8-13. 18. Chromosome number differentiation in sawflies and its systematic implication. KONTYU, 50:569-587. (1983年) 19. Genetic dimorphism of thorax coloration in the rose sawfly, Arge nigrinodosa. The Journal of Heredity, 74:469-472. (1986年) 20. ハバチ--食草転換による同所的種分化.日本の昆虫--侵略と撹乱の生態学(桐谷圭治編) ,東海大 学出版会, pp.16-23. 21. 幻のチョウ中国に追う.朝日新聞,文化欄(9月20日) (1997年) 22. 男女生み分け--蜂の世界では当たり前.神戸新聞,科学エッセー欄(8月17日) 23. 進化のドラマ--ダーウィン説に疑問.神戸新聞,科学エッセー欄(9月7日) 24. 進化の過程--絶滅には一種の寿命も.神戸新聞,科学エッセー欄(9月28日) 25. 擬態--生物進化の“影武者“.神戸新聞,科学エッセー欄(10月19日) 26. 獲得形質の遺伝--“進化史”切り開く人類.神戸新聞,科学エッセー欄(11月16日) (1988年) 27. 昆虫進化の源流を求めて.天帝の峰に挑む--東チベット・四川学術調査 3000 キロ(神戸大学西蔵 学術登山隊編),神戸新聞総合出版センター, pp.196-214. 28. 同所性種分化--ハバチ類の適応進化の一断面.昆虫学セミナー・,進化と生活史戦略(中筋房夫編) , 冬樹社,pp.69-108. 29. The sawfly genus Strongylogaster in Tibet and Sichuan, China (Hymenoptera, Tenthredinidae). The Science Reports of Faculty of Agriculture, Kobe University, 18:41-48. 30. Pamphiliid sawflies (Hymenoptera) from Xizang (Tibet) and Sichuan, China. Annales de la Societe entomologique de France, 24:89-97. 31. Systematic position of the genus Rocalia (Hymenoptera, Tenthredinidae) feeding on fern spores, with description of a new species from Japan. KONTYU, 56:798-804. 32. ハバチ類の食性と種分化, ・.インセクタリウム, 25:124-131. 33. ハバチ類の食性と種分化, ・.インセクタリウム, 25:208-215. (1989年) 34. Studies on the sawfly, Athalia rosae (Insecta, Hymenoptera, Tenthredinidae), ・. General biology. Zoological Science, 6:541-547. 35. ハバチ類概説.遺伝, 43(1):80-85. 36. カブラハバチの性と遺伝.遺伝, 43(5):66-71. 11 37. 中国チベット自治区および四川省のハバチ相.神戸大学西蔵学術登山隊調査報告,pp.87-96. 38. ヤルツアンポ-河中・下流域ならびに横断山脈の昆虫区系.神戸大学西蔵学術登山隊調査報告, pp. 97-110. 39. 高山性昆虫の変異と適応.神戸大学西蔵学術登山隊調査報告, pp. 111-115. (1990年) 40. Sawflies of the genus Strongylogaster (Hymenoptera, Tenthredinidae) from Baikal Region, USSR, with descriptions of two new species. Japanese Journal of Entomology, 58:75-80. 41. Experiments inducing prospective polar body nuclei to participate in embryogenesis of the sawfly Athalia rosae (Hymenoptera). Developmental Biology, 198:389-394. 42. The tribe Strongylogasterini (Hymenoptera, Tenthredinidae) from Taiwan. The proceeding of Entomological Sciety of Washington, 92:739-745. 43. 単食性ハバチの同所性食草転換機構に関する研究 平成元年度科学研究費補助 金(一般研究C)研究成果報告書 18pp. 44. ミカンコミバエの生態とタイ国におけるマンゴスチン加害実態.神戸大学共同 開発センター年報, 1:81-86. 45. カブラハバチを使った実験・観察(・)--採集・飼育と染色体観察. 遺伝 , 44:82-86. 46. 東チベットの山村にて.兵庫教育, 42(4):32-35. (1991年) 47. Name lists of insects in Taiwann ---- Hymenoptera: Symphyta. Chinese Journal of Enktomology, 11:85-95. 48. Sex determination in the sawfly, Athalia rosae ruficornis (Hymenoptera): Occurrence of triploid males. The Journal of Heredity, 82:101-104. 49. Some Pamphiliidae (Hymenoptera) from Sichuan Province, China. Bulletin of the biogeographical Society of Japan, 46:155-160. 50. 膜翅目:カブラハバチ.昆虫の飼育法(湯嶋 健他編) 日本植物防疫協会, pp. 288-290. (1992年) 51. Four new species of the sawfly genus Rocalia (Hymenoptera, Tenthredinidae) from Sichuan Province, China. Japanese Journal of Entomology, 60:96-102. 52. A family of highly repeated DNA sequences of the fern sawfly Hemitaxonus japonicus complex (Hymenoptera: Tenthredinidae). Applied Entomology and Zoology. 27:399-405. 53. Synthesis and field test of mimic pheromone of the pine sawfly (Neodiprion sertifer).Bioscience, Biotechnology and Biochemistory, 56:1711-1714. 54. 日中共同調査によって採集された中国チベット自治区および四川省のハバチ類.神戸大学日中友好四 川省生物調査報告, pp.34-49. 55. 中国産ハバチ類80種の染色体数とその変異性にみられる特徴.神戸大学日中友好四川省生物調査報 告, pp.50-55. 56. 横断山区およびその昆虫相.神戸大学日中友好四川省生物調査報告, pp.56-63. 12 57. 四川西部およびその隣接地区におけるキクイムシ科について.神戸大学日中友好四川省生物調査報告, pp.64-70. (1993年) 58. Characterization of a family of tandemly repeated sequences from Loderus genucinctus insulicola (Hymenoptera: Tenthedinidae). Applid Entomology and Zoology, 28:238-241. 59. Life cycle characteristics of sympatric Athalia sawflies (Hymenoptera: Tenthredinidae) sharing food resources. Applied Entomology and Zoology, 28:407-415. 60. 膜翅目昆虫卵黄蛋白質の変異と抗原共通性の保存 日本節足動物発生学会誌, (28):27-29. 61. 自然教育の場としての博物館.ハーモニー, (5):1. 62. 単食性ハバチの同所性寄主転換と生態種形成機構に関する遺伝・化学生態的研 究 平成4年度科学研究費補助金(一般研究B)研究成果報告書 37pp. (1994年) 63. 1993年のハチ・アリ界.昆虫と自然, 29(3):34-38. (1995年) 64. 自然環境と人間生活:動物との関連.ヒルサイドレジデンス構想(日本建築学会編) ,冬樹社,pp.66-78. 65. Repetitive DNA sequence families in Hemitaxonus minomensis and H. athyrii (Hymenoptera; Tenthredinidae). The Japanese Journal of Genetics, 70:7-16. 66. A new species of Strongylogaster (Hymenoptera: Tenthredinidae) from north America. Entomological News, 106:57-60. 67. Characterization of a family of tandemly repetitive DNA sequences from the fern sawfly, Strongylogaster osmundae (Hymenoptera: Tenthredinidae). The Japanese Journal of Genetics, 70:167-177. 68. Molecular characterization of a family of tandemly repetitive DNA sequences (pYS family) in the genus Hemitaxonus (Hymenoptera: Tenthredinidae). The Japadnese Jpurnal of Genetics, 70:533-542. 69. A family of tandemly repetitive DNA sequences from the fern sawfly, Strongylogaster osmundae (Hymenoptera: Tenthredinidae). Applied Entomology and Zoology, 30:581-584. 70. A new Hoplocampoides (Hymenoptera, Tenthredinidae) making leaf galls on Weigela decora (Caprifoliaceae) from Japan. Japanese Journal of Entomology, 63:735-738. 71. 単食性ハバチの同所性種分化の機構とその実験的再現 平成6年度科学研究費 補助金(一般研究C)研究成果報告書 26pp. (1996年) 72. 膜翅目:ハバチ科.日本原色虫えい図鑑(湯川淳一・桝田 長編著) ,全国農村教育協会, pp.104-117; 373-378. 73. Phylogeny of the fern associated sawfly genus Strongylogaster Dahlbom (Hymenoptera: Tenthredinidae). Memoirs of the Entomological Society of Washington, No. 17:161-178. 74. Two-dimentional electrophoretic analysis for determination of the phylogenetic relationships among three Athalia species (Hymenoptera: Tenthredinidae). Applied Entomology and Zoology, 31:43-49. 13 75. チベット及び四川省のハバチ類.昆虫と自然, 31(10):6-9. 76. アブラナ科の害虫--菜の黒虫の不思議.プランタ, 45(5):8-13. (1998年) 77. 広腰亜目.日本動物大百科10:昆虫・ (日高敏隆監修) ,平凡社, pp.10-13. 78. Pamphilius tibetanus (Hymenoptera, Pamphiliidae) and its close relatives. The Japanese Journal of Systematic Entomology, 4:1-15. 79. Records of Cephidae (Hymenoptera) from China and southeastern Asia, with two new species of Janus Stephens. The Japanese Journal of Systematic Entomology, 4:237-242. 80. Egg deposition behavior in the haplodiploid sawfly Athalia rosae ruficornis (Hymenoptera: Symphyta: Tenthredinidae). Journal of Insect Behavior, 11:419-428. 81. Field and electroantennogram responses of the pine sawfly, Diprion nipponica, to chiral synthetic pheromone candidates. Bioscience, Biotechnology and Biochemistry, 62:607-608. 82. 昆虫の世界--性の革命.大阪消防, 1998(8):10-11. 83. 昆虫の世界--多様性と種分化.大阪消防, 1998(9):12-13. 84. 昆虫の世界--進化と絶滅.大阪消防, 1998(10):12-13 (1999年) 85. Strongylogaster Dahlbom, 1835 (Insecta, Hymenoptera): proposed conservation by the designation of Tenthredo multifasciata Geoffroy in Foureroy, 1785 as the type species. Bulletin of Zoological Nomenclature, 56(1):23-26. 86. The mechanism of sperm displacement in the turnip sawfly, Athalia rosae (Hymenoptera: Tenthredinidae). Entomological Science, 2:61-65. 87. 雄半数性ハチ目昆虫の性比調節機構の解明とその利用に関する研究 平成8年 度~平成10年度科学研究費補助金(基盤研究(B2)研究成果報告書 24pp. (2000年) 88. 昆虫の種多様性と系統進化.応用昆虫学の基礎,朝倉書店,pp.7-41. 89. Geographic variation in the field response of male European pine sawflies, Neodiprion sertifer, to different pheromone stereoisomers and esters. Entomologia Enperimentalis et Applicata, 95:229-239. 90. List of the type-specimens of sawflies (Insecta: Hymenoptera) described by R. Inomata in the museum of Nature and Human Activities, Hyogo, 5:47-59. (2001年) 91. 同所的種分化による単食性ハバチ類の種多様化機構 平成11年度~平成12年度科学研究費補助金 (基盤研究C)研究成果報告書 59pp. (2002年) 92. ハバチ類の種分化の多様性.ハチとアリの自然史(前田泰世ら編) ,北海道大学図書刊行会, pp.165-178. 93. Regio- and stereochemical study of sex pheromone of pine sawfly; Diprion nipponica. Bulletin of the Chemical Society of Japan, 75:111-121. 14 94. 昆虫類.京都府レッドデータブック上,野生生物編,京都府, pp.258, 321, 354. 95. 昆虫類:膜翅(ハチ)目.京都府自然環境目録2002,京都府, pp.149-152. (2003年) 96. 昆虫類.京都府レッドデータブック[普及版] ,京都府, p.92. 97. 昆虫類.保全遺伝学(小池裕子・松井正文編) ,東京大学出版会, p.241-258. 98. ハチ類(昆虫綱:ハチ目) . ・主要害虫群概説.日本農業害虫大辞典(梅谷献二・岡田利承編) ,全国農 村教育協会, pp.1101-1106. (2004年) 99. Estimation of allele numbers at the sex-determining locus in a field population of the turnip sawfly (Athalia rosae). Journal of Heredity, 95:81-84. 100. Effects of selective logging on the arboreal ants of a Bornean rainforest. Entomological Science, 7:341-349. 101. 兵庫県におけるハバチ類の多様性.自然環境モノグラフ1号(内藤親彦編著) .兵庫県立人と自然の博物館発行.85pp. (2005年) 102. A new species of Heterrrarthrus Stephens (Hymenoptera: Tenthredinidae) leafmining Salix spp. in Japan. Japanese Journal of Systematic Entomology, 11:189-193. 103. A new triploid thelytokous species of the genus Pachyprotasis Hartig (Hymenoptera: Tenthredinidae) from Japan and Korea. 15 雑感 永 田 健 二 内藤先生退官おめでとうございます。健康に留意されて、今後はゆったりと研究、行進の指導を続け てください。 私は神東塗料㈱シントーファイン㈱で大阪の東淀川の半径50mの中39年9ヶ月で働いていまし たが2000年12月卒業、その後同級生足立さんの紹介でシニア自然大学講座生、ぶらぶらしてい てはいけない大学で本でも書けと医学部保健学科に出入りは許されたが本は書けず。週一回は顔を出 している、たまに薬剤の野外試験したりしているが研究はしてない。公的には建物衛生法関連のビル 管理者の認定講習や NPO 健康住宅協会で講習などで環境生物や水の話をしている。その他茨木市環 境教育ボランティアで自然観察部会担当便利屋で、公開講座や観察会手配師や市の環境教育や環境保 全の相談のオブザーバー、フリーと云うのは相手が勝手に決めてくれていつも何かに追い回されてい る毎日である。 最近、河原、社寺林、都市の公園や学校校庭等が忌まわしい事件で、整備と称して、自然や生き物を 無視した伐採・除草・清掃がなされるようになり3,4年前に調査した樹林が跡形もない姿となり嘆 いている。幼児からの環境教育がこれからの課題かもしれないと思うこの頃である。 16 「内藤先生ご退官に寄せて」 昭和 59 年修士卒業 細見彰洋 自動車保険の年令条件を何度も確認しておられたので、私が 26 才、D1 の春?だったと思います。先生 の車を運転して採集に御供したことがありました。大塔から十津川を越え、長い山道を進みました。途中、 シダハバチを採集した切畑、大津荷といった集落の名前は、今でも頭の片隅に残っています。宿は新宮の 小さな旅館でした。全くの飛び込みと見えて、女将は慌てて食材を買いに出てしまいました。他に従業員 や客も居ない静かな宿で、何時整うとも分からない夕飯を2人で待ったのを覚えています。晩い食事を終 えても、先生はすぐには床に就かれませんでした。胃の負担を考え、就寝まで3時間以上を習慣にされて いるとのこと、今でこそ身に染みますが、当時の私にはそこまでの摂生が理解できませんでした。一方で、 先生はなかなかの「食い道楽」 。沿線のサンマ寿司やめはり寿司、柿の葉寿司(寿司ばかりですが)もこの 時教わりました。学生というのは困ったもので、どうも肝心の学業より「食べもん」の方を鮮明に覚えて いる様です。ついでに書く話ではありませんが、多人数で自宅に押し掛け、奥様の手料理をご馳走になる 事もありました。その時の感激は、ご家庭、そしてご家族のすばらしさとともに深く心に残っています。 切畑、大津荷の地名は後に学会で耳にしました。ハバチの種分化について先生の講演を聞いた時の事で す。かつて歩いた山村が、壮大な進化のプロセスを覗く窓口だった事に驚きました。先生の「大きさ」を 痛感したのもこの時です。ロマンを秘め、妥協を許さないカッコ良さを思い知った瞬間でした。むろん、 その「大きさ」をどこまで理解し、どれほど吸収したのか自信はありませんが、横着な私に「喝」を頂いた のは事実です。 先生の勧めで就職も叶い、 曲がりなりにも研究を商売にしています。 研究の対象は虫から離れましたが、 これからも大いなる「道標」とさせていただく所存です。勇退されても、姫路を基地に益々活躍される事 を心からご祈念申し上げます。 17 Tribute to Dr. C. Naito A Teacher and Scholar On His retirement After 33 Dedicated Years of Service To Laboratory of Insect Science (Kobe University) I have been fortunate enough to know Dr. C. Naito from my first visit in 1995 when I came as a JICA participant, then as a student from 1997-2003, then as a visiting scientist (JSPS fellow) from 2003-2005, and now as a faculty member. At all levels of my stay here in this lab, I found him a great teacher, a dedicated scientist, and willing to provide that extra help when I needed it. I knew about his retirement after my coming here this year. I wish him the best of his retirement, and thanks to him for his help and for all I have learnt from him and hope he remains part of the insect lab family. I will miss Dr. C. Naito as all students of this lab and those who have known him over the years. I want to let you know that I will miss your ever lasting help and kindness and what I will miss most of all is that great big smile you always wear. You will never be forgotten. Keep on smiling. Muhammad Tufail Laboratory of Insect Science, Kobe University. 18 Tribute to Dr. C. Naito On his retirement I came to Japan in Oct. 1993 as a research student when I first met with Professor Dr. C. Naito on a complementary dinner for a Ph.D. student, Dr. S. M. Alvi of Graduate School of Science and Technology, Kobe University. I was very much impressed by his ever smiling and humble personality. Our acquaintance goes back to the time when I joined the Insect Science Laboratory as PhD student and he became my academic advisor after retirement of Professor Dr. Setsuya Momoi in April 1995. In later years, the relations with Dr. C. Naito become more intimate. During this period, though, the Professor Dr. Makio Takeda provided technical advice but Dr. C. Naito never disappointed me and extended his moral, technical, as well as monetary help whenever I needed it. I have the honor to visit his house many times on New Year events and to see his noble family. I completed my PhD in 1999 and these relations continued after I returned to Pakistan to join my parent department. I would describe him as an exceptional researcher, a kind, and caring person. It is not exaggeration to describe Dr. Chikahiko Naito as a born scientist. He did excellent work in the field of Insect Science particularly on systematics of sawflies. He is retiring after 33 years intelligent and devoted services in the Insect Science Laboratory, Kobe University. I wish him and his family the very best for their future. Muhammad Naeemullah JSPS Fellow Researcher Plant Genetics Laboratory, Faculty of Agriculture, Kobe University. 19 昆虫科学研究室の総合成績 1. 公表学術論文(2003-2005) 著書 内藤親彦(2003)昆虫類.小池裕子,松井正文(編) 保全遺伝学,東京大学出版会,pp. 241-258 内藤親彦(2003)ハチ類(昆虫綱:ハチ目) .II 主要 害虫群概説.梅谷献二,岡田利承(編)日本農 業害虫大辞典,全国農村教育協会,pp. 1101-1106 竹田真木生 (2003) 昆虫の神経伝達物質. 三橋淳他(編) 昆虫学大事典,朝倉書店,pp. 295-303 Maeto, K. and Fukuyama, K. (2003) Vertical stratification of ambrosia beetle assemblage in a lowland rain forest at Pasoh, Peninsular Malaysia. In Okuda, T. et al. (eds.) Pasoh: Ecology of a lowland tropical rain forest in Southeast Asia, Springer, Tokyo, pp.325-336 Fukuyama, K, Maeto, K. and Sajap, A.S. (2003) Spatial distribution of flower visiting beetles in Pasoh Forest Reserve and its study technique. In Okuda, T. et al. (eds.) Pasoh: Ecology of a lowland tropical rain forest in Southeast Asia, Springer, Tokyo, pp.421-436 内藤親彦(2004)兵庫県におけるハバチ類の種多様 性.内藤親彦(編著)自然環境モノグラフ1号, 兵庫県立人と自然の博物館,85pp 竹田真木生(2004)光周性と概日時計の分子的なメ カニズム.檜垣守男,小滝豊美,田中誠二(編) 休眠の昆虫学―季節適応の謎,東海大出版,pp. 235-246 城所久良子(2004)ストレスと休眠覚醒.檜垣守男, 小滝豊美,田中誠二(編)休眠の昆虫学―季節 適応の謎,東海大出版,pp. 271-281 岩田健一(2004)培養系からみた昆虫の卵休眠.檜 垣守男,小滝豊美,田中誠二(編)休眠の昆虫 学―季節適応の謎,東海大出版,pp. 282-292 Bembenek J., Ichihara N., Sakamoto K. and Takeda M. (2004) Melatonin and N-acetyltransferase in the cockroach Periplaneta americana, their relevance to circadian clock. Trends in Comparative Endocrinology (Eds. Oishi, T., Tsutsui, K., Tanaka, S. and Kikuyama, S.), pp 80-81 Takeda, M., Sehadova, H., Markova, E. and Ichihara, N. (2004). Structures of circadian and photoperiodic clocks in two moth species (Bombyx mori and Antheraea pernyi). Trends in Comparative Endocrinology (Eds. Oishi, T., Tsutsui, K., Tanaka, S. and Kikuyama S.), pp. 78-79 Takeda, M., Uwo, M.F., Goto, S., Sakai, T., Natsukawa, D., Hirano, F., Tei, K., Loeb, M.J. and Park, PY. (2004) Modes and mechasnisms of replacement of midgut tissue in insects.Trends in Comparative Endocrinology (Eds. Oishi, T., Tsutsui, K., Tanaka, S. and Kikuyama S.), pp. 167-168 Tufail, M., Raikhel, A.S. and Takeda, M. (2004) Biosynthesis and processing of insect vitellogenins. In: Progress in Vitellogenesis (Eds. Raikhel, A.S. and Sappington, T.W.); Reproductive Biology of Invertebrates (Series Editors, Adiyodi, K.G. and Adiyodi, R.G..), Vol XII. Part B, Science Publishers, Inc. Enfield, USA- Plymouth UK, pp. 1-32 Tufail M. and Takeda M. (2004) Molecular characterization of cockroach vitellogenins/ vitellogenin receptor. Trends in Comparative Endocrinology (Eds. Oishi, T., Tsutsui, K., Tanaka, S. and Kikuyama, S.), pp. 126-128 竹田真木生,H.シェハドバ,E・マルコバ,柘原岳人, J.ベンベネク,平垣進,岩井幸夫,東野洋平,吉 永咲,冨田麗子,市原直征,藤原義博(2005) 昆虫の光周性の構造と機能. 「むしの才覚を探 る」 ,日本学術振興会,pp. 225-243 竹田真木生,J. ベンベネク,柘原岳人,LTD トラ ン,谷河賞彦,吉田洋子,細羽浩成,後藤信太 郎,平野文守,浅野博信,山野浩嗣,CC ニヴ ァ,冨田麗子,市原直征,坂本克彦(2005)昆 虫の生理機能に関るインドールアミン代謝系の 構造と機能. 「むしの才覚を探る」 ,日本学術振 興会,pp. 243-255 前藤 薫(2005)農林業による景観管理の知恵.石 井 実(監修)生態学からみた里やまの自然と 保護,講談社,pp. 147-152 Naito, T. and Inomata, R. (in press) A new triploid helytokous species of the genus Pachyprotasis Hartig (Hymenoptera: Tenthredinidae) from Japan and Korea. In: Taeger, A. and Schmidt, S. (eds.) Recent Sawfly Research: Synthesis and Prospects. German Entomological Institute. 竹田真木生(印刷中)昆虫のコミュニケーション. 長谷川宏司(編)多次元のコミュニケーション, 大学教育出版,pp. 214-229 原著論文 Fujiwara, Y., Takahashi, R., Hirabayashi, M., Ueda, M., Muramatsu, T., Yamanaka, H. and Sekikawa, K. (2003) Analysis of the flanking regions of human alpha-lactalbumin gene responsible for position-effect independent expression. Gene, 305, pp.71-78 Fujiwara, Y. (2003) Position-independent expression vectors for transgenic animal bioreactors. In Animal Frontier Sciences - Life science research update in animal sciences, Hokuto Shobo, Kyoto, pp.199-204 前藤 薫,光後圭枝,小谷英司,宮田弘明,杉村光俊 (2003)四万十川流域におけるトンボ類生息地の 地理的解析.昆虫(ニューシリーズ), 6, pp.27-41 20 differentiations in diapause characteristics in three host-habitat strains of Atrophaneura alcinous (Lepidoptera: Papilionidae). J. Environ. Entomol. Zool., 15, pp.169-177 Loeb, M. J., Coronel, N., Natsukawa, D. and Takeda, M. (2004) Implications for the functions of the four known midgut differentiation factors: an immunohistologic study of Heliothis virescens midgut. Arch.Insect Biochem.Physiol, 56, pp.7-20 Maeto, K. and Sato, S. (2004) Impacts of forestry on ant species richness and composition in warm-temperate forests of Japan. For. Ecol. Manage., 187, pp.213-223 Muhammad N., Sharma, P.N., Nakamura, C. and Takeda, M. (2004) Nonspecific resistance in brown planthopper (Nilaparvata lugens Stål) - resistant indica rice varieties against Plodia interpunctella (Lep.; Phycitidae). Entomol Sci., 7, pp.137-140 Sakai, T., Satake, H., Minakata, H. and Takeda, M. (2004) Characterization of crustacean cardioactive peptide (CCAP) as a novel insect midgut factor: Isolation, localization, and stimulation of alpha-amylase activity and gut contraction. Endocrinology, 145(12), pp. 5671-5678 佐藤重穂,前藤 薫,宮田弘明,鴻上 泰(2004)四 万十川森林計画区における森林管理が希少植物 に与える影響.森林応用研究, 13, pp.25-36 佐藤重穂,前藤 薫,田端雅進,宮田弘明,稲田哲治 (2004)ニホンキバチの羽化成虫数に影響を及 ぼす要因―夏季のスギ間伐放置木において樹木 個体間で成虫発生数が変動する原因―.樹木医 学研究, 8, pp.75-80 Sehadova, H., Markova, E. P., Sehnal, F. and Takeda, M. (2004) Distribution of circadian clock-related proteins in the cephalic nervous system of the silkworm, Bombyx mori. J. Biol. Rhythms, 19, pp.466-482 末吉昌宏・前藤 薫・槙原 寛・牧野俊一・祝 輝男 (2003)皆伐後の温帯落葉樹林の二次遷移に伴 う双翅目昆虫群集の変化.森林総合研究所研究 報告, 388, pp.171-191 Widodo, E.S., Naito, T., Mohamed, M. and Hashimoto, Y. (2004) Effects of selective logging on the arboreal ants of a Bornean rainforest. Entomol. Sci., 7, pp.341-349 Yoshimura, M. and Maeto, K. (2004) Comparison of sampling methods for aquatic insect indicators of forest condition in terms of collection efficiency. Bulletin of FFPRI, 3(3) [392], pp.213 - 219 稲田哲治・前藤 薫・二宮生夫(2005)ヒノキの成長 促進によってニホンキバチの産卵は抑制される か? 日本森林学会誌, 87, pp.145-148 Smith, D.R. and Naito, T. (2005) A new species of Heterarthrus Stephens (Hymenoptera, Tenthredinidae) leafmining Salix spp. in Japan. Jpn. J. syst. Entomol., 11, pp.189-193 Maeto, K. and Arakaki, N. (2005) Gregarious emergence of Macrostomion sumatranum (Hymenoptera: Braconidae; Rogadinae) from the mummified, Maeto,K. and Ozaki, K. (2003) Prolonged diapause of specialist seed-feeders makes predator satiation unstable in masting of Quercus crispula. Oecologia, 137, pp.392–398 末吉昌宏,前藤 薫,槙原 寛,牧野俊一,祝 輝男 (2003)皆伐後の温帯落葉樹林の二次遷移に伴 う双翅目昆虫群集の変化.森林総合研究所研究 報告, 388, pp.171-191 Asano, H., Bembenek, J. and Takeda, M. (2003) Multiple forms of arylalkylamine N-acetyltransferase (NAT) from cockroach female colleterial glands and activity changes along oocyte maturation. Comp.Biochrm. Physiol. A, 134, pp.795-803 Shao Q.-M., Tanaka, S. and Takeda, M. (2003) Immunohistochemical localization of Double Time (DBT) and His- and Arg-corazonins in the head ganglia of Bombyx mori:Are corazonins downstream regulators of circadian clocks? 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(2004) Species specificity in photoperiodic control of nymphal development in four species of cricket from north-west China. Entomol. Sci., 7, pp.237-244 Fujiwara, Y., Akita, K., Okumura, W., Kodaka, T., Tomioka, K. and Naito, T. (2004) Estimation of allele numbers at the sex-determining locus in a field population of the turnip sawfly, Athalia rosae. J. Hered., 95, pp.81-84 Gomi, T., Muraji, M. and Takeda, M. (2004) Mitochondrial DNA analysis of the introduced fall-webworm, showing its shift in the life cycle in Japan. Entomol. Sci., 7, pp.183-188 Ijiro,T., Urakawa, H., Yasukochi, Y., Takeda, M. and Fujiwara, Y. (2004) cDNA cloning, gene structure, and expression of Broad-Complex (BR-C) genes in the silkworm, Bombyx mori. Insect Biochem. Mol. Biol., 34, pp.963-969 Kozuki, Y. and Takeda, M. (2004) Split life cycle and 21 full-grown larvae of Theretra silhetensis (Lepidoptera: Sphingidae). Entomol. Sci., 8, pp.131-132 Bembenek, J., Sehadova, H., Ichihara, N. and Takeda, M. 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(2005) Molecular cloning of a cDNA encoding arylalkylamine N-acetyltransferase from the testicular system of Periplaneta american: Primary protein structure and expression analysis. Arch. Insect Biochem. Physiol., 59, pp. 219-229 Tufail, M. and Takeda, M.. (2005) Molecular cloning,characterization, and regulation of the cockroachvitellogenin receptor during oogenesis. Insect Molecular Biology, 14, pp. 389-401 Takeda, M (2005) Differentiation in life cycle of sympatric populations of two forms of Hyphantria moths in central Missouri. Entomol. Sci, 8, pp. 211-218 Iwata, K., Shindome, C., Kobayashi, Y., Takeda, M., Yamashita, O., Shiomi, K. and Fujiwara, Y. (2005) Temperature-dependent activation of ERK/MAPK in yolk cells and its role in embryonic diapause termination in the silkworm, Bombyx mori. J. Insect Physiol., 51, pp. 1306-1312 Fujiwara, Y., Shindome,C., Takeda, M. and Shiomi, K. (2005) The role of ERK and P38 MAKK signaling cascades on embryonic diapause initiation and termination of silkworm, Bombyx mori. Insect Biochemistry and Molecular Biology, 36, pp. 47-53 Xu, H. and Takeda, M. (in press) Serotonin levels in the brain-subesophageal ganglion of the burying beetle, Nicrophorus quadripunctatus (Coleoptera: Silphidae) during sexual development and associated changes in reproductive behaviours. Physiol. Entomol. Saito, K., Su Zhi-Hui, Emi, A., Takeda, M. and Fujiwara, Y. (in press) Cloning and expression analysis of takeout/JBP-familt genes of silkworm, Bombyx mori. Insect Molecular Biology Shao, Q.-M., Sehadová, H., Ichihara, N., Sehnal, F. and Takeda, M. (in press) Immunoreactivities to 3 Circadian Clock Proteins in 2 Ground Crickets Suggest Interspecific Diversity of the Circadian Clock Structure Journal of Biological Rhythms, 21, pp. 1-14 Bembenek, J., Tsugehara, T., Ichihara, N. and Takeda, M., (in press) Arylalkylamine N-acetyltransferase in insects and its regulatory role in circadian oscillation. Trends in Entomology; 4, [An Invited Review] Kidokoro, K., Iwata, K., Fujiwara, Y. and Takeda, M. (in press) Effects of juvenile hormone analogs and 20-hydroxyecdysone on diapause termination in eggs of Locuta migratoria and Oxya yezoensis. Journal of Insect Physiology Maleque, M.A, Ishii, H.T. and Maeto, K. (in press) The use of arthropods as indicators of ecosystem integrity in forest management. Journal of Forestry その他の学術論文等 竹田真木生(2003)昆虫の神経系・中腸・生殖腺に おけるインドールアミンN-アセチル転移酵素の 構造と機能.平成 11-14 年度科学研究費補助金 (基盤研究B)研究成果報告書,pp.1-95 前藤 薫(2003)豊凶をめぐる昆虫と植物の相互作用. 神戸大学農学部学術報告, 27, pp.52-57 前藤 薫(2003)清流に舞う水の妖精-グンバイトン ボ.林業技術, 735, pp.38-39 城所久良子,岩田健一(2004)卵休眠の謎.昆虫と 自然,39, pp.19-22. 前藤 薫(2004)カミキリムシ類の多様性調査・解析 法―四万十川流域における研究事例から―.昆 虫と自然, 39(14), pp.24-25 佐藤重穂,前藤 薫(2004)原生林に住むアリにとっ て二次林は住みやすいか.森林総合研究所平成 15 年度研究成果選集, pp. 20-21 前藤 薫(2004)カミキリムシ類の多様性調査・解析 法―四万十川流域における研究事例から―.昆 虫と自然, 39(14), pp.24-25 前藤 薫・佐藤重穂(2004)トンボからみた四万十川 流域の自然環境.海洋と生物, 26, pp.522-527 前藤 薫(2005)昆虫学研究室訪問 第 14 回 神戸大 学昆虫科学研究室.昆虫と自然, 40(6), pp.26-27 城所久良子,岩田健一,竹田真木生,塩見邦博,藤 原義博(印刷中)昆虫の卵休眠覚醒機構、最近 の知見.蚕糸学雑誌 2. 学術講演(2005) 22 Uwo, M., Park, PY., Natsukawa,, D., Tei, K. and Takeda, K. (2005) Metamorphosis of the insect midgut: Apoptosis and remodeling of an organ under the skin. 環太平洋電顕技術学会,河北医科大学 城所久良子,岩田健一,竹田真木生(2005)強制発 現系による乾燥耐性遺伝子のスクリーニング. 第 49 回日本応用動物昆虫学会,玉川大学 岩井幸夫,竹田真木生(2005)カイコにおける lark 遺伝子の構造と発現解析.第 49 回日本応用動物 昆虫学会,玉川大学 岩田健一,城所久良子,竹田真木生(2005)低温耐 性機構の解明を目指して.第 49 回日本応用動物 昆虫学会,玉川大学 城所久良子,岩田健一,竹田真木生.(2005)ショウ ジョウバエの耐寒性・乾燥耐性制御因子の探索. 第 76 回日本動物学会大会,つくば 岩井幸夫,柘原岳人,竹田真木生(2005)カイコ N-acetyltransferase(NAT)の発現解析. 第 76 回日本 動物学会大会,つくば Bembenek J. and Takeda, M . (2005) (poster) Structure of circadian clock in P. americana with special references to indolamine metabolic pathway.. Chronobiology (Gordon Research Conference, Frontiers of Science), Newport, Rhode Island, United States of America (USA) Takeda M., Bembenek, J., Tsugehara, T., Firana, F., Sehadova, H. and Ichihara, N. (2005) Idolalkylamine metabolic pathway and the key enzyme, N-acetyltransferase (NAT) in physiological regulation in insects. Taiwan-Japanese-Czech Republic Cooperation Symposium on Entomology (TJCCSE) Taipei, Taiwan Sehadova, H., Qi-Miao, S., Sehnal, F., and Takeda, M. (2005) (poster) Distribution of circadian clock-related components in the cephalic nervous system of two cricket species. Part A: Core oscillator and input pathway. Taiwan-Japanese-Czech Republic Cooperation Symposium on Entomology (TJCCSE) Taipei, Taiwan Trang, L.T.D., Ichihara, N., Mita, K., Sehadova, H. and Takeda, M. (2005) (poster) Cloning of two double-time and arylalkylamine N-acetyltransferase homologs from the silkworm, Bombyx mori and their expression anlaysis. Taiwan-Japanese-Czech Republic Cooperation Symposium on Entomology (TJCCSE) Taipei, Taiwan Tufail, M. and Takeda, M. (2005) (poster) Molecular characterization of cockroach vitellogenins and vitellogenin receptor mechanisms. Taiwan-JapaneseCzech Republic Cooperation Symposium on Entomology (TJCCSE) Taipei, Taiwan 岩井幸夫,Sehadova, H.,竹田真木生(2005)カイコ における概日振動系.日本時間生物学会大会シ ンポジウム,つくば Sehadova, H, Qi-Miao, S, 市原直征, 竹田真木生 (2005) (poster)コオロギ 2 種の脳―食道下神経節にお ける概日時計遺伝子の発現:概日システムの多 様性.日本時間生物学会大会,つくば 前藤薫,新垣則雄(2005)イッポンセスジスズメに 寄生するスマトラカモドキバチの寄生生態.第 49 回日本応用動物昆虫学会講演要旨,p.138, 玉 川大学 香川理威,前藤薫(2005)農地環境におけるヤコン オサムシ成虫の分布.第 49 回日本応用動物昆虫 学会講演要旨,p.138, 玉川大学 北畠駿,前藤薫,牧野俊一,井上大成,田中浩(2005) 里山の二次遷移にともなうコマユバチ科寄生蜂 のアバンダンスの変化.日本昆虫学会第 65 回大 会講演要旨,p.48, 岡山大学 佐藤重穂,前藤薫,宮田弘明,杉村光俊(2005)四 万十川源流域の林業地域における渓流性トンボ 類の長期モニタリングの試み.日本昆虫学会第 65 回大会講演要旨,p.49, 岡山大学 Nguyen Ngoc Bao Chau, Kaoru Maeto ( 2005 ) Superparasitism and host discrimination in a solitary endoparasitoid Meteorus pulchricornis (Hymenoptera, Braconidae). 日本昆虫学会第 65 回大会講演要旨, p.90, 岡山大学 前藤薫,上里卓己(2005)イモゾウムシとアリモド キゾウムシに寄生する Bracon 未記載種(コマユ バチ科).日本昆虫学会第 65 回大会講演要旨, p.90, 岡山大学 上里卓己,小濱継雄,前藤薫(2005)イモゾウムシ とアリモドキゾウムシの幼虫に寄生する Bracon 属コマユバチの分布、寄主範囲、寄生率.日本 昆虫学会第 65 回大会講演要旨,p.91, 岡山大学 香川理威,前藤薫(2005)農地環境におけるヤコン オサムシの成虫と幼虫で異なる生息地利用.日 本昆虫学会第 65 回大会講演要旨,p.91, 岡山大 学 櫻井厚司,内田健志,内藤親彦(2005)Thrinax 属同 胞種間におけるミトコンドリア Cox1 遺伝子の 遺伝的距離と種形成に関する考察.日本昆虫学 会第 65 回大会講演要旨,p.38, 岡山大学 西本 裕,内藤親彦(2005)カタアカスギナハバチ の3種半数体核型の混在地における多型頻度と 置換機構.日本昆虫学会第 65 回大会講演要旨, p.94, 岡山大学 4.その他の学術研究活動 大学等におけるセミナー・集中講義 23 内藤親彦:非常勤講師(大阪府立大学、名古屋大学) 竹田真木生:大学セミナー ”How do insects measure time?”(中国農業大学セミナー) 竹田真木生:セミナー ”Insect clocks”(吉林省蚕業試 験場) 竹田真木生:非常勤講師(近畿大学農学部) 研究助成金(2005) 科学研究費補助金基盤研究(C) ,内藤親彦:単食性 ハバチ類の非異所的種分化と種形成地帯におけ る生殖隔離の成立機構 科学研究費補助金基盤研究(A) ,前藤 薫(分担) : 天敵の利用を中心としたわが国と東南アジアに おける蔬菜害虫の総合的害虫管理 森林総合研究所受託研究,前藤 薫:CDM 植林が生 物多様性に与える影響評価と予測技術の開発 学外研究機関との共同研究 大塚化学,竹田真木生 人間文化研究機構 総合地球環境学研究所,前藤 薫 (分担) :持続的森林利用オプションの評価と将 来像 ポスドク研究員の受け入れ JSPS外国人特別研究員 (3名) :Tufail Muhammad, Hana Sehadova, Jadwiga Bembenek(竹田真木生) 国際協力 国際協力機構: 「植物保護のための総合防除集団研修 コースⅡ」のコース・リーダー(竹田真木生) と講師(前藤 薫) 海外からの研究者招聘 JSPS外国人招へい研究者(長期):Sergey A. Belokobylskij (Russia), Aug-Nov, 2005(前藤 薫) 学会活動 日本昆虫学会日本の昆虫目録編集委員:内藤親彦, 前藤 薫 日本環境動物学会理事,評議員:内藤親彦 国際野蚕学会理事:竹田真木生 医学生物学電顕技術学会評議員: 竹田 真木生 日本昆虫学会評議員,電子化推進委員長:前藤 薫 日本応用動物昆虫学会編集委員:前藤 薫 社会活動 兵庫県立人と自然の博物館協議会議長:内藤親彦 兵庫県松食い虫被害対策推進協議会委員:内藤親彦 橿原市昆虫館協議会委員:内藤親彦 日本ペストコントロール協会理事:内藤親彦 24 博士号取得者の氏名、論文名、取得月 2003 Tufail Muhammad Molecular Characterization of Cockroach Vitellogenins and Vitellogenin Receptor Mechanisms (Feb.) Cintia Carla Niva Molecular and neuroendocrine mechanisms of photoperiodism in Halyomorpha halys (Heteroptera: Pentatomidae) (クサギカメムシ Halyomorpha halys の 光周性調節機構の神経内分泌及び分子生物学的研究)114pp (Mar.) Elitza P. Markova Structures and functional roles of transcription regulators in circadian system of Bombyx mori.(カイコ概日振動系における転写調節因子の構造と役割) 155pp (Sept.) 2004 後藤 信太郎 Mechanisms that promote and inhibit cell proliferation and differentiation of the midgut in lepidopteran insects (鱗翅目昆虫の中腸における細胞増殖・分化の促進・ 抑制機構) 85pp(Mar.) Bembenek Jadwiga Structure and regulatory mechanisms of circadian and photoperiodic clocks in insects with special references to indoleamine metabolic pathway(昆虫の概日・ 光周時計の構造と調節機能:特にインドールアミン代謝計について)127pp (Sept.) Widodo R.E.Soeprastowo Biodiversity of canopy ants and effect of forest disturbance on the ant communities in tropical forests in Sabah, Malaysia (マレー シア、サバ州の熱帯雨林における樹冠性アリ類の生物多様性と森林撹乱がアリ群集に およぼす影響)101pp (Sept.) 2005 岩田 健一 Search for regulatory molecules of egg diapause in insect.(昆虫における卵休 眠調節因子の探索)82pp (Mar.) 25 酒井 翼 Crustacean cardioactive peptide (CCAP) in the midgut and the nervous systems of cockroach, Periplaneta americana. 62pp 徐海 Eco-physiology of reproductive behaviour in the burying beetle, Nicrophorus quadripunctatus (Coleptera: Silphidae)(ヨツボシモンシデムシの繁殖行動における生理 生態学的研究) 2006 岩井幸夫 Structural and temporal analyses of circadian genes in Bombyx mori. (カイコに おける概日時計遺伝子の構造と発現様式)。174pp 邵奇妙 Molecular mechanism of circadian clock in two ground crickets: Dianemobius nigrofasciatus and Allonemobius allardi [Orthoptera: Gryllidae]( 2 種 の コ オ ロ ギ Dianemobius nigrofasciatus および Allonemobius allardi における概日時計の分子機構)。 171pp (Feb.) 柘原岳人 Molecular, pharmacological and spectroscopic approaches to the mechanisms of diapause termination in Antheraea pernyi ; with a special reference to arylalkylamine N-acetyltransferase (サクサンの休眠覚醒機構への分子的、薬理的、分光学的アプロー チ;特にアリルアルキルアミン N-アセチル転移酵素について)83pp 城所久良子 The analysis of regulatory mechanism of egg diapause in insects (昆虫における卵休眠制御機構の解析) 69pp Lisa J.Canlas An Integrated Approach Towards the Effective Management of the Tow-spotted Spider mite, Tetranychus urticae Koch (Acari:Tetranychidae) (ナミハダニの効果的な制御への統合的なアプローチ)(Mar.) 124pp 26 修士号取得者と論文タイトル、取得年 2003 松本知久 Search for the neural center controlling hunger and satiety in the American cockroach , Periplaneta americana. 49pp 青山真弓 Purification of midgut peptides of cockroach that control cell proliferation. 38pp 岩井幸夫 Cloning of period and timeless genes from Bombyx mori.44pp 下原健司 Isolation of an inducible peptide from Dermestes haemorrhoidalis 42pp 浦川 寿代 Cloning and expression analyseis of Broad Complex genes of Bombyx mori.44pp 夏川 大 Modes and mechanisms of midgut cell proliferation, differentiation and apoptosis in some lepidopteran larvae/pupae. 64pp 2004 森本裕子 ボルネオ島熱帯雨林における樹上活動性アリ類の種多様性と樹木利用様式に関す る研究。146頁 2005 平野(朴)文守 Regulation mechanism of the cell proliferation in the midgut of the American cockroach, Periplaneta americana. 72pp 福井美子 Temporal expression patterns of circadian clock-related genes in the peripheral tissues of Bombyx mori. 53pp 斉藤耕平 Structural and expressionanalyseson genes of takeout/JHBP in Bombyx mori.60pp 林直孝 Induction of transposon-mediatedmutationand mutantphenocopy and construction of the creening system in sawfly Athalia rosae. 60pp 内田健志 分子進化からみたシダハバチ類における同所性種分化の様相 53頁 宮崎史貴 Haplodiploid 型生殖昆虫カブラハバチの4倍体作出に関する研究 2006 尾上健太郎 カブラハバチ3倍体雌の特徴と減数分裂における染色体配分に関する研究 香川理威 地表性天敵昆虫ヤコンオサムシの農地環境における分布と移動 Nguyen Ngoc Bao Chau Superparasitism and intraspecific competition in a solitary endoparasitoid(Meteorus pulchricornis) of lepidopterous larvae. 27 卒業論文タイトル 2003 林 直孝:カブラハバチを用いた突然変異スクリーニングシステムの開発 51頁 斉藤耕平:カイコの転写コリプレッサーSMARTER のクローニング46頁 小林由紀:カイコの休眠卵・日休眠卵における MAP キナーゼの解析46頁 藤野好子:カイコの変態時におけるリン酸化蛋白質の変動 37頁 2004 新留ちよ美:カイコ休眠卵におけるリン酸化蛋白質の解析 38頁 聴濤資子:カブラハバチの成否に及ぼす温度の影響に関する研究 23頁 飯代智之:カイコ Broad Complex cDNA のクローニングとmRNA の発現 46頁 河辺勇治:サクサン(Antheraea pernyi)におけるセロトニンレセプター遺伝子のクローニ ング 30頁 2005 安岡拓郎:ヒメボタル Luciola parvula の生活史の解明と、飼育方法の研究 25頁 伊崎陽介:ギンケハラボソコマユバチ(Meteorus pulchricoris)の産雌性単為生殖における 共生菌 Wolbachia の関与の有無 29頁 西村 2006 田川真希:非農耕地に隣接する水田および周辺畦畔における斑点米カメムシ類の趣向性とア バンダンス 27頁 糸川健太郎:Structures, localizations and enzymatic activity of circadian genes and proteins of Athalia rpsae (Hymenoptera: Symphyta) as a model insect to strudy for molecular mechanism of photoperiodic time measurement. 30pp 28 昆虫科学スペシャル講座・・・大学と博物館でできること 八木 剛(兵庫県立人と自然の博物館: 期・D2) はじめに・・・10 年ひと昔 講座のデザイン:一日から 100 万年まで 神戸大学昆虫学研究室を後にして、早 10 年が 経過した。私事で恐縮だが、住吉に転居したこと、 自らのリカレントの必要性、週に一度のゼミが休 館日の月曜日に設定されていることもあって、昨 年度から、ドクターコースの末席に名を連ねるこ とを許していただいている。 薄暗い廊下やたなびく臭気にかつてとさほど 違いはないが、変化を感じたこともいくつかある。 ひとつ、学生さんはみなよく勉強されており、ア カデミックな雰囲気は当時とは比べものになら ない。ひとつ、あたりまえのことだが、科学技術 は進歩している。そして、10 年前にはあまり意 識しなかったことであるが、あらためて気づいた ことは、昆虫科学研究室の守備範囲の広さであっ た。 学生のみなさんの立派なプレゼンをきいてい るうちに、商売柄、今回の企画を思いついてしま った。あるいは、自分自身のキャッチアップにも ちょうどいいな、と思ったのも理由である。内藤 先生にご相談したところ、「ええやん」というこ とになり、さっそく内容、キャストへの示唆をい ただいた。お願いしたみなさんも快くご協力くだ さり、実施の運びとなった。 オムニバス講義は、うまく編集しないと、単な る寄せ集めになってしまう。幅広い昆虫科学研究 室の守備範囲を相互に関連づけるため、今回はタ イムスケールという切り口を中心に、トピックス をならべてみることにした(下記)。もっとも、 当該学問分野はこんなに単純なものではないし、 無理やりっぽいところもないではないが、一般の 人を対象とするには、まずもって取っ付きやすい ことが重要である。さらに、前藤先生に包括的な イントロダクションを、内藤先生にはコーヒーブ レーク的な役割を演じていただいた。最後に応用 科学の例として、衛生の話と自然環境保全の話を、 新旧2人のOBの方にお願いした。自画自賛にな るが、なかなかよい切り口ではないだろうか。 記者発表を行うと、新聞記者から、予定通りの 「どこがスペシャルなんですか?」との質問を受 けた。「昆虫を題材とした講座や観察会はたくさ んありますが、昆虫「学」を紹介した一般向けの ものはないですよ。しかも今回は、神戸大学昆虫 科学研究室の全面的な協力をいただき、先生と大 学院の現役学生さんに、まさに研究のナマ話をし ていただきます。こんなスペシャルはめったにあ りません。」と答えた。開催者側の理屈ではある 昆虫科学スペシャル講座」の概要(募集チラシの掲載内容) 兵庫県立人と自然の博物館と神戸大学農学部昆虫科学研究室がおとどけする、本格的な昆虫学講座。地球上で最も繁栄する 生物である昆虫は、我々人類とはまったく異なる生き物です。彼らはいかにして生きているのか、不思議に満ちた昆虫たちの素顔 を、先端の研究成果を交えて、わかりやすく紹介します。(大学院レベルの内容も多く含まれますが、わかりやすく解説します) 主催/兵庫県立人と自然の博物館 協力/神戸大学農学部昆虫科学研究室 オーガナイザー/内藤親彦(神戸大学農学部教授)・八木 剛(兵庫県立人と自然の博物館主任研究員) 日時/2005年11月4日(金)から2006年1月20日(金) 年末除く毎週金曜日開講、19:00から20:30 会場/県立神戸学習プラザ(三宮駅前交通センタービル4F) 対象/高校生以上 定員/40名(多数の場合、抽選) 受講料/5,000円(全10回) 各回の内容 11月4日(金) 生態系と昆虫の多様性 前籐 薫(神戸大学助教授) 11月11日(金) 虫の1日−体内時計の生理学− 竹田真木生(神戸大学教授) 11月18日(金) 虫の1年−休眠と季節適応− 城所久良子(神戸大学大学院) 11月25日(金) 虫の男女−性の革命− 内藤親彦(神戸大学教授) 12月2日(金) 虫の衣食住−生活史と環境− 安岡拓郎(神戸大学大学院) 12月9日(金) 虫の10年−コミュニティとその変遷− 香川理威(神戸大学大学院) 12月16日(金) 虫の1万年−氷河期から現在まで− 八木 剛(人と自然の博物館) 1月6日(金) 虫の100万年−DNAが語る「種」−中峰 空(三田市立有馬富士自然学習センター) 1月13日(金) 虫と疫学−蚊とウイルス− 山西 浩(神戸学院女子短期大学教授) 1月20日(金) 自然環境保全−夢と現実− 近藤博道(〔財〕ひょうご環境創造協会) が、事実、大学の外にこのような機会はなかろう 29 昆虫科学スペシャル講座 受講者の属性 と思う。なるほど、と思ったかどうかは知らない が、読売と朝日が神戸版に告知記事を出してくれ たはずである。 毎回の講義は 19 時からの 90 分間。質疑応答込 みであるから毎回時間が足りないが、いくら三ノ 宮駅前とはいえ、現役社会人にはこれがぎりぎり の時間設定であた。 受講者のレベルや関心をつかむためと、消化不 良を防ぐため、講義時には A4 判用紙1枚の「質 問カード」を配布し、その回答を次回に返すこと とした。項目は、解説してほしい用語、質問、意 見感想の自由筆記で、集計と回答には現役学生の みなさんが協力してくださり、ほとんど手を入れ ずともそのまま受講生に返せることも多かった。 広報媒体は受講者アンケートによる。他は受講申込書 の情報から集計。 ê´ï èó 31% íj 69% 男女比 女性が1/3 îNóÓç\ê¨ ふたを開ければ、遠くからも続々と 20 博物館の主催セミナーは、ここ数年「受益者負 担」ということになっていて、受講料を設定し、 その予算でやりくりすることになっている。つま り、人が集まらなければ、講師へのお礼もままな らない。 結果としては 43 名の方が応募され、キャン セルが1名で、きっちり机とイスの定数である 42 人が受講者され、狭い講義室は毎回満席とな った。キャンセルが1名というのも異例の低率だ が、毎回の出席率も初回の 100%を皮切りに、最 後まで 80%以上の高率を維持した。受講料徴収の 効果もさることながら、それだけ講師、内容に期 待されていたということがいえよう。 参加者層は、右の通り。女性が 1/3 で、思った より多かった。年齢構成では、現役世代後半の 50 代が最も多かった。10 代がいなかったことが 残念だが、これは「夜の三ノ宮」という設定が健 全な青少年には裏目に出たのかも? 注目すべきは、居住地である。新聞で告知され た神戸からの集客が多いものの、京都から加古川、 大阪府南部に至るまで、受講者は広域から点々と 集まった。一般に専門的な内容であるほど関心者 の「生息密度」は低くなる。「ホタルを鑑賞しよ う」が新聞に出たら、近隣住民がどっと押し寄せ るだろう。今回の講座はこれとは正反対の、マニ アックな講座ということになる。 チラシやポスター、新聞記事を使った伝統的な 広報手段しかなかった時代では、対象者が低密度 の専門的な講座は、企画することすら難しかった。 今回の講座が盛況となったのは、博物館のメンバ ーシップと、Web 環境の改善により、低密度に分 布する関心者に効率的に告知できたからである。 数字には表れないし、ヒアリングもしていない が、私の観察によると、客層はつぎのように分類 できた。 まずは、昆虫好き、自然好き。博物館をよく利 用する常連さんなどで、このタイプの方が最も多 かった。神戸大学昆虫学研究室の OB の方も含ま 15 30 10 5 0 年齢構成 社会人対象セミナーの一般的な傾向 20ë„ 30ë„ 40ë„ 50ë„ 60ë„ 70ë„ 居住地 関心者は広く低密度に分布している。 京都市 1 西宮市 6 枚方市 1 伊丹市 1 高槻市 1 尼崎市 1 茨木市 2 神戸市東灘区 4 吹田市 1 神戸市灘区 1 泉大津市 1 神戸市中央区 2 大阪狭山市 1 神戸市北区 1 大阪市 1 神戸市西区 3 豊中市 2 神戸市須磨区 2 川西市 1 神戸市垂水区 2 宝塚市 2 明石市 1 三田市 2 加古川市 1 çLïÒî}ëà ímêlè–âÓ 17% ÉzÅ[ÉÄÉyÅ[É 33% îéï®äŸçLïÒéè 33% êVï 17% 広報媒体 Web が 1/3 を占める(有効回答 12 件) れている。虫そのものについての関心が高いが、 科学としての昆虫学にはあまりなじみがない。パ ワーポイントでは、表やグラフよりも虫の写真に 強く反応する。 2つめは、ビジネス系。環境行政に携わる行政 マン、学校の教員、コンサルタント会社の社員な ど。 3つめは、特に昆虫学というわけではないが、 科学に造詣が深い方。医薬関係など、周辺分野に たずさわっている方。 最後に、新聞を見て深く考えず申し込んだ方。 新聞の告知内容は不十分なため、期待と内容のギ ャップが大きいことも。カルチャーセンター好 き? 中には、この人いったい何者?と思う方もいら っしゃった。昆虫学には、いろんな層が関心を持 っているのである。 続編への期待、教科書の出版も? アンケートでは、よい評価の回答が実 際より多くなるが、それを差し引いた上 でも、高い評価が多かった。受講者アン ケートを集約したもの(次のページ)か らは、やはり、昆虫学の専門的な話がき けたこと対する満足感が読み取れる。ま た、若いスピーカーへの前向きな評価が 得られたことも、大きな収穫であった。 話の内容より肩書きにこだわる受講者 もときに見受けられるから、有料の講座 であることも相まって、学生のみなさん QuickTimeý Dz TIFFÅiLZWÅj êLí£ÉvÉçÉOÉâÉÄ Ç™Ç±ÇÃÉsÉNÉ`ÉÉǾå©ÇÈǞǽDžÇÕïKóvÇ-Ç ÅB の登壇に不安がなかったかといえばウ ソになる。 ちなみに、悪い評価の場合、人は何も書かずに 去ってゆく。アンケート回収数は最終回出席者の 約半数だったから、何も書かなかった人の中には、 「えらい損をした」と思っている人もいるかもし れない。 うれしい反応としては、後日、受講者の方から、 電子メールと口頭で私宛に激励のメールをいた だいた。曰く「今回の話をまとめて、出版物にし てはどうか?」 たしかに、日本語で読める昆虫 学の教科書が充実しているとはいえないから、悪 くはないかもしれない。しかし、私の力ではそこ までは無理だから、無責任ながら、「神戸大学の 先生方に期待しましょう」と答えておいた。 研究室の定番に 参加者の声にもあるように、受講者はアカデミ ズムに触れることで、一定の満足感を得らた。で は、提供者側はどうだろうか。 芸術の世界では、世俗に浸かればよい作品がで きなくなる、という経験則があるらしい。アカデ ミズムも然りであろう。ただし、少しの間なら、 むしろよい刺激になり、創作意欲の向上に貢献す るとのことである。教官の先生方はともかく、学 生のみなさんが、何年間かにわたって研究の方法 を学ぶ上で、このような場で一般の方々とコミュ ニケーションをとることも悪くないのではない かと思う。講師へのアンケートは野暮ゆえに実施 していないが、二三聞き及んだところでは、そん なに悪い印象はお持ちでないだろうと高をくく っている。 博物館は世俗とアカデミズムの間にあるよう なところだから、これからも、機会があれば続編 を企画してみたい。2、3年に1度の定番行事と してはどうだろうか? その際は、多士済々の OB 諸兄に、ぜひご協力をお願いしたい。 最後になったが、神戸大学昆虫科学研究室の糸 川健太郎、香川理威、田川真希、安岡拓郎の諸氏 には、アシスタントとして、会場設営、受付、質 問票の集計・回答などに、多大なご協力をいただ いた。ここに厚くお礼を申し上げる。ٛ 質問票の様式 あらかじめ内容を想定できないので、 毎週回転させることは容易でない。今回は学生のみ なさんのご協力で充実した対応ができ、受講者の満 足につながった。 31 <内容・講師> ・それぞれの先生による特徴的、専門的な話が聞けたこと。(4) ・様々な種類の昆虫についてわかりやすく説明してもらえた。(4) ・専門分野の一端が垣間見れて益々興味が刺激された。(3) ・内容のレベルを少し下げていただきたい。(2) ・感激したり、びっくりしたり、子どもの心になったことが嬉しかった。(2) ・若い方々のご自身の仕事への情熱が感じられる講義はフレッシュでとてもよかった。(2) ・虫は刺されたり、かぶれたり・・・であまり好きではなかったが、親しみがわくようになった。特に、オサムシの話が楽しか った。 ・久しぶりに講義を聞きいい刺激になった。 ・「蚊の生物学」、印象の悪かった蚊、奥深さに魅力、もっと知りたい気持ちになった。 ・生物(虫)に対する考え方、思想に触れることができた。 ・どんな質問にも丁寧に回答して下さるところがよかった。 <日時会場・運営> ・平日の夜に行けるのがいい。 ・毎週続けて10回の講義は少し大変。できたら、土日を使っての集中講義などをやっていただけたらありがたい。 ・受講場所として便利な位置で参加しやすかった。(2) ・1講義の時間が少なすぎるようなので、もう少し長くとっていただければよいと思います。(2) ・質問票の回答集を毎週楽しみにしていた。(2) ・パワーポイントは分かりにくい時があった。(2) 昆虫科学スペシャル講座 参加者の声 よかった点、よくなかった点、博物館への意 見、の各項目への自由筆記。講座最終日に配 布し、回答者数 18 名。1人で複数回答もあり。 昆虫科学スペシャル講座 第4回 内藤親彦教授 2005年11月25日 兵 32 いわゆる生理学グループのデータ 書籍 1)竹田 真木生(2003)神経伝達物質 昆虫学大辞典 (三橋淳総編集)295-303 頁朝倉書店 2) 竹田真木生 (2004) 4 光周性と概日時計の分子的なメカニズム "休眠の昆虫学 ―季節 適応の謎” (樋垣・小滝・田中編) 東海大出版235-246頁。 3)城所久良子 (2004) ストレスと休眠覚醒. 田中誠二・檜垣守男・小滝豊美 編著.休眠の昆虫学-季節 適応の謎. 東海大学出版会. pp. 271-281. 4)岩田健一(2004)田中誠二・檜垣守男・小滝豊美 編著.休眠の昆虫学-季節適応の謎. 東海大学出 版会. pp.. 5)竹田真木生、H.シェハドバ、E・マルコバ、柘原岳人、J.ベンベネク、平垣進、岩井幸夫、 東野洋平、吉永咲、冨田麗子、市原直征、藤原義博(2005)昆虫の光周性の構造と機能。 「む しの才覚を探る」 225-243 頁 独立行政法人 日本学術振興会 未来開拓学術研究 推進事業 282pp 6)竹田真木生、J. ベンベネク、柘原岳人、LTD トラン、谷河賞彦、吉田洋子,細羽浩成、 後藤信太郎,平野文守、浅野博信、山野浩嗣、CC ニヴァ、冨田麗子、市原直征、坂本克彦(2 005)昆虫の生理機能に関るインドールアミン代謝系の構造と機能。「むしの才覚を探る」 243-255 頁 独立行政法人 日本学術振興会 未来開拓学術研究推進事業 7)竹田真木生(2006) 川宏司編) 昆虫のコミュニケーション 282pp “多次元のコミュニケーション”(長谷 214-229 頁 大学教育出版(印刷中) 総説・解説 1. 城所久良子・ 岩田健一. 2004. 卵休眠の謎. 昆虫と自然 39, 19-22. 2. 城所久良子1、岩田健一1,3、塩見邦博2、藤原義博1,2,3昆虫の卵休眠覚 醒機構、最近の知見 蚕 糸学 雑 誌 (印刷中) 発表論文 1) Asano, H.,, J. Bembenek, M. Takeda (2003) Multiple forms of arylalkylamine N-acetyltransferase (NAT) from cockroach female colleterial glands and activity changes along oocyte maturation. Comp.Biochrm. Physiol. A 134; 795-803 2) Shao Q.-M., S. Tanaka, M. Takeda (2003) Immunohistochemical localization of Double Time (DBT) and His- and Arg-corazonins in the head ganglia of Bombyx mori:Are corazonins downstream regulators of circadian clocks? Eur. J. Entomology 100, 283-286. 33 3) Markova, E. P., H. Ueda, K. Sakamoto, K. Oishi, T. Shimada, M. Takeda (2003) Cloning of Cyc (Bmal-1) homolog in Bombyx mori; Structural analyses and the tissue specific distributions. Comp.Biochem. Physiol. B. 134:535-542 4) )Niva, C., M. Takeda (2003) Effect of photoperiod and melatonin on nymphal development, polyphenism and reproduction in Halyomorpha halys (Heteroptera; Pentatomidae). Zool. Sci 20,963-970 5) Muhammad Naeemullah, Makio Takeda (2003) Responses to crowding are coupled with the mechanism controlling development rate in Plodia interpunctella (Lepidoptera: Phycitidae). J. Environ.Entomol.Zool. 14(3), 157-166 6) Markova, E.P., T.Shimada, M.Takeda (2003). Daily expression patterns of Cycle and Clock genes in the head of the silkworm, Bombyx mori. J. Biotech. Biotechnol. Equip. 18; 77-81. 7) Naeemullah,M., P. N. Sharma, C. Nakamura, M. Takeda (2004) Nonspecific resistance in brown planthopper (Nilaparvata lugens Stål)-resistant indica rice varieties against Plodia interpunctella (Lep.; Phycitidae). Entomol Sci. 7, 137-140 8) Tufail, M. , A. S. Raikhel, M. Takeda (2004). Biosynthesis and processing of insect vitellogenins. In: Progress in Vitellogenesis (Eds. A. S. Raikhel and T. W. Sappington); Reproductive Biology of Invertebrates (Series Editors, K. G. Adiyodi and R. G. Adiyodi), Vol XII. Part B, Science Publishers, Inc. Enfield, USAPlymouth UK, pp. 1-32 . 8) Gomi, T., M. Muraji and M. Takeda (2004) Mitochondrial DNA analysis of the introduced fall-webworm, showing its shift in the life cycle in Japan. Entomol. Sci. 7,183-188 9) Loeb, M. J., N. Coronel, D. Natsukawa and M. Takeda (2004) Implications for the functions of the four known midgut differentiation factors: an immunohistologic study of Heliothis virescens midgut. Arch.Insect Biochem.Physioll 56, 7-20 10) Sakai, T., H. Satake, H. Minakata, M. Takeda (2004) Characterization of crustacean cardioactive peptide (CCAP) as a novel insect midgut factor: Isolation, localization, and stimulation of alpha-amylase activity and gut contraction. Endocrinology 145(12), 5671-5678. 11) Kozuki, Y., M. Takeda (2004) Split life cycle and differentiations in diapause characteristics in three host-habitat strains of Atrophaneura alcinous (Lepidoptera: Papilionidae). J. Environ. Entomol. Zool.15, 169-177 12) Ijiro,T., H.,Urakawa, Y, Yasukochi,Y., M. Takeda, Y.Fujiwara (2004)cDNA cloning, gene structure, and expression of Broad-Complex (BR-C) genes in the silkworm, Bombyx mori. Insect Biochem. Mol. Biol. 34, 963-969 13) H. Sehadova, E. P. Markova, F. Sehnal, M. Takeda (2004) Distribution of circadian clock-related proteins in the cephalic nervous system of the silkworm, Bombyx mori. J. Biol. Rhythms 19,466-482. 34 14) Arai, T., J.-P. Liu, C.-M. Huan, X.-Y. Chen, Y. Watari, M. Takeda (2004). Species specificity in photoperiodic control of nymphal development in four species of cricket from north-west China. Entomol. Sci. 7; 237-244 15) Bembenek, J., H. Sehadova, N. Ichihara, M. Takeda (2005).Day/night fluctuations in melatonin content, arylalkylamine N-acetyltransferase activity and nat mRNA expression in the CNS, peripheral tissues and hemolymph of the cockroach, Periplaneta americana. Comp. Biochem. Physiol. B 140,27-36. 16) Higashi,T., M. Takeda, S. Momoi. (2005)Temperature and photoperiodic regulation of the postembryonic development of the cigarette beetle, Lasioderma serricorne (Coleoptera: Anobiidae) J. Environ. Entomol. Zool. 15,19-30 17) Goto, S., M.J. Loeb, M. Takeda (2005) Bombyxin stimulates proliferation of cultured stem cells derived from Heliothis virescens and Mamestra brassicae larvae. In Vitro Cellular and Developmental Biology-Animal40,38-42 18) Iwata,K.,Fujiwara, Y.,Takeda,M.(2005) Effects of temperature, sorbitol, alanine and diapause hormone on the embryonic development in Bombyx mori: A test of old hypotheses in vitro . Physiol.Entomol.30, 1-7 19) .Bembenek,J., K. Sakamoto, M. Takeda (2005)Molecular cloning of a cDNA encoding arylalkylamine N-acetyltransferase from the testicular system of Periplaneta american: Primary protein structure and expression analysis. Arch. Insect Biochem. Physiol.59;219-229 20) Tufail, M.,Takeda, M. (2005) Molecular cloning,characterization, and regulation of the cockroachvitellogenin receptor during oogenesis. Insect Molecular Biology 14;389-401 21) Takeda, Makio (2005) Differentiation in life cycle of sympatric populations of two forms of Hyphantria moths in central Missouri. Entomol. Sci. 8;211-218 22) Iwata, K., Shindome, C., Kobayashi, Y., Takeda, M., Yamashita, O., Shiomi, K.,Fujiwara, Y. Temperature-dependent activation of ERK/MAPK in yolk cells and its role in embryonic diapause termination in the silkworm, Bombyx mori. J. Insect Physiol. 51,1306-1312 23) Saito,K., Su Zhi-Hui, Emi, A., M.Takeda, Fujiwara Y. (2005)Cloning and expression analysis of takeout/JBP-family genes of silkworm, Bombyx mori. Insect Molecular Biology (in press) 24) Shao, Q.-M., H. Sehadová, N. Ichihara, F. Sehnal, M. Takeda Immunoreactivities to 3 Circadian Clock Proteins in 2 Ground Crickets Suggest Interspecific Diversity of the Circadian Clock Structure Journal of Biological Rhythms 21, 1-14 25) Bembenek J., Tsugehara T., Ichihara N., Takeda M., 2005. Arylalkylamine N-acetyltransferase in insects and its regulatory role in circadian oscillation. Trends in Entomology; 4, [An Invited Review] (in press) 26) Fujiwara,F., Shindome,C., Takeda, M., Shiomi, K. (2005) The role of ERK and P38 MAKK 35 signaling cascades on embryonic diapause initiation and termination of silkworm, Bombyx mori. Insect Biochemistry and Molecular Biology 36, 47-53 27) Kidokoro, K., Iwata, K. I., Fujiwara, Y., Takeda, M., Effects of juvenile hormone analogs and 20-hydroxyecdysone on diapause termination in eggs of Locuta migratoria and Oxya yezoensis. Journal of Insect Physiology. In press. 28) Iwai, S., Fukui, Y,Fujiwara,Y.,Takeda, M. Structure and expression pattern of two circadian clock genes, Period and timeless in the commercial silkmoth, Bombyx mori. Journal of Insect Physiology In press. 29) Tsugehara,T., Tsenkova, R., Takeda, M. A non-invasive monitoring of developmental changes in pupal case of Antheraea pernyi by near infrared spectroscopy. Internaional. Journal of Wild Silkmoths &Silk (in press) 講演発表 2003 1)Takeda,M.(2003)Insect midgut peptide mechanisms.Departmental Seminar, Dept. Fisiologia del Desenvolupament i Agrobiologia, C.I.D., C.S.I.C., Barcelona,Spain 2)Takeda, M., Sehadova, H.,Markova, E.P., Tsugehara, T., Bembenek, J., Iwai. S., Sakamoto, K., Fujiwara, Y. and Hardie, J. ( 2003 ) A Molecular Approach to the Photoperiodic System in Insects. Royal Entomological Society Annual Meeting at Univ. of Reading (invited speaker to a symposium).,U.K. 3)竹田真木生(2003)昆虫―虫眼鏡の向こうの小さな生物.“ミクロの不思議な世界”.出雲市/ 出雲市教育委員会(出雲科学館) 4)Takeda, M., Sehadova, H., Markova, E.P., Tsugehara, T., Bembenek, J.,Hiragaki, S. Iwai. S.,Shao, Q.M., Trang, L.T.D.,Ichihara, N. Yamano, M., Sakamoto, K., Fujiwara, Y.(2003)Circadian/Photoperiodic Clocks in Non-drosophilid Insects. Interantioinal Symposium: “The Expression Mechanism of Insect Functions” JSPS, Univ. Tokyo 5)竹田真木生(2003)家蚕・野蚕的光周性/概日時計的分子生物学.中国蚕学会第七次全国大会 (特別講演) (遼寧省瀋陽市,中華人民共和国) 6)竹田真木生(2003)昆虫の中腸の機能とそれにかかわるペプチド・モノアミン因子.第 23 回 神戸バイオサイエンス研究会(神戸市) 7)Sehadova, H. Markova,. E.P., and Takeda, M.(2003)Distribution of circadian clock-related proteims in the cephalic nervous system of the silkworm, Bombyx mori First Internat. Congr. Chronobiol., Sapporo (J. Chronobiol. P47 A1-4) 8)後藤信太郎, 竹田真木生, Loeb, M.J. (2003) ボンビキシンによる鱗翅目昆虫の幼虫中腸細胞 の増殖促進.第 73 回日本蚕糸学会大会(東京大学) 9)Hiragaki, S., Tsugehara, T, Fujiwara, Y. and Takeda, M. (2003) Correlation of a serotonin signal transduction pathway and diapause termination in Antheraea pernyi. 第 73 回日本蚕糸学会大会(東京 36 農工大学) 10)柘原岳人, 藤原義博, 竹田真木生 (2003)サクサンの概日時計関連遺伝子 Clock と NAT のクロ ーニング.第 73 回日本蚕糸学会大会.(東京農工大学) 11)浦川寿代,竹田真木生,藤原義博(2003)カイコ Broad-Complex(BR-C)遺伝子のクローニ ングと発現.第 73 回日本蚕糸学会大会(東京農工大) 12)岩田健一,藤原義博,竹田真木生(2003)培養系からみたカイコ卵休眠の制御機構.第 73 回日本蚕糸学会大会(東京農工大学) 13)Shao, Q.-M., S., Tanaka, S. and Takeda, M. (2003) Immunohistchemical localization of clock proteins (DBT and PER), and [His7]- and [Arg7]- corazonins in the cerebral ganglia of Bombyx mori: Are corazonins downstream regulators of circadian clocks? 第 47 回日本応用動物昆虫学会大会(岩手大 学) 14)平野文守,竹田真木生(2003)摂食,絶食にたいするゴキブリ中腸細胞の増殖:部位による違 い.第 47 回日本応用動物昆虫学会大会(岩手大学) 15)竹田真木生(2003)カイコ doubletime 遺伝子の構造と発現部位.第 47 回日本応用動物昆虫 学会大会(岩手大学) 16)岩田健一,竹田真木生(2003)昆虫卵内の生体アミン組成.第 47 回日本応用動物昆虫学会大 会(岩手大学) 17)岩田健一,藤原義博,城所久良子,竹田真木生(2003)シグナル伝達からみた卵休眠2:カ イコ除殻培養系からの知見.日本昆虫学会第 63 回大会(東京農大) 18)城所久良子,藤原義博,岩田健一,竹田真木生(2003)シグナル伝達からみた卵休眠1:MAP キナーゼによる卵休眠制御の可能性.日本昆虫学会第 63 回大会(東京農大) ポスター発表 1)Tsugehara, T., Bembenek, J., Fujiwara, Y. and Takeda, M. (2003) Structures an dynamics of CLK and arylalkylamine N-acetyltransferase in Antheraea pernyi; The implications to circadian/ photoperiodic clocks. Interanatioinal Symposium: “The Expression Mechanism of Insect Functions” JSPS, Univ. Tokyo 2)Hiragaki, S., Fujiwara, Y. and Takeda, M. (2003) Serotonin receptor mechasnisms that underlie photoperiodic regulations of pupal diapause in Antheraea pernyi Interanatioinal Symposium: “The Expression Mechanism of Insect Functions” JSPS, Univ. Tokyo 3)Bembenek, J., Sakamoto, K. and Takeda, M. (2003) Protein structure of N-acetyltransferase and its functional roles in the regulation of circadian rhythm in cockroach. Interanatioinal Symposium: “The Expression Mechanism of Insect Functions” JSPS, Univ. Tokyo 4)Iwai, S., Fujiwara, Y. and Takeda, M. (2003) Roles of Period and Timeless in theporal organization of Bombyx mori. Interanatioinal Symposium: “The Expression Mechanism of Insect Functions” JSPS, Univ. Tokyo 5)Sehadova, H. Markova,. E.P., and Takeda, M. (2003) Distribution of circadian clock-related 37 proteims in the cephalic nervous system of the silkworm, Bombyx mori. Gordon Research Conference “Developmental Biology”, New London, USA 2004 1)Bembenek, J., Ichihara, N., Sakamoto, K. and Takeda, M. (2004) Melatonin and N-acetyltransferase in the cockroach Periplaneta americana, their relevance to circadian clock. Fifth Congress of the Asia and Oceania Society for Comparative Endocrinology (AOSCE) in Conjugation with the Annual Meeting of Japan Society for Comparative Endocrinology (JSCE), Nara, Japan 2)Bembenek, J., Tsugehara, T., Sakamoto, K. and Takeda, M. (2004) カイコ・サクサン・ワモンゴキブ リの N-アセチル転移酵素の構造と機能調節.日本比較生理生化学会第 26 回大会予稿集 3)平野(朴)or 朴(平野)文守,竹田真木生(2004)ワモンゴキブリ中腸細胞の増殖活性へのNアセチルセロトニンの影響.第 48 回応動昆大会講要, p.63 4)岩田健一,新留ちよ美,城所久良子,竹田真木生,藤原義博(2004)カイコ卵休眠覚醒時にお けるERK活性化とその意義.第 48 回応動昆大会講要, p.101 5)城所久良子,岩田健一,藤原義博,竹田真木生(2004)メソプレン塗布はトノサマバッタの卵 休眠を覚ます.第 48 回応動昆大会講要, p.101 6)酒井 翼,佐竹 炎,南方宏之,竹田真木生(2004)ゴキブリ Crustacean Cardioactive Peptide (CCAP) cDNA の構造と中腸における発現細胞の同定.第 48 回応動昆大会講要, p.109 7)Takeda, M. (2004) Key note lecture: Molecular mechanism of photoperiodic determination of pupal diapause in Antheraea pernyi. International Workshop on Wild Silkmoths and Silks "Current Advances and Development in Wild Silkmoths and Tropical Bombyx Silks", Khon Kaen, Thailand 8)竹田真木生:放送大学講師 9)竹田真木生:非常勤講師(近畿大学農学部) 10)竹田真木生:日本電顕技術学会シンポジウムの組織(大成学院大) 11)竹田真木生:招待講演(Asia Oceania Conference for ① Comparative Endocrinology, AOSCE, Nara) 12)竹田真木生:招待講演 (International Symposium on Wild Silkmoths, Khon Kaen) 2005 1)Takeda M. Insects as Model Systems. ICIPE seminar (Kenya) 2)竹田 真木生 How do insects measure time? 中国農業大学セミナー 3)竹田 真木生 Insect clocks 吉林省蚕業試験場セミナー 4)Makiko Uwo, PY Park,Dai Natsukawa,Kumiko Tei *and Makio Takeda Metamorphosis of the insect midgut: Apoptosis and remodeling of an organ under the skin.環太平洋電顕技術学 会 河北医科大学 5)城所久良子・藤原義博・岩田健一・竹田真木生. 2003. シグナル伝達からみた卵休眠1:MAP キナー 38 ゼによる卵休眠制御の可能性. 日本昆虫学会. 6)城所久良子・岩田健一・竹田真木生・藤原義博. 2003. MAPK/ERK の卵休眠制御への関与. 日本 分子生物学会. 7)城所久良子・岩田健一・藤原義博・竹田真木生. 2004. メソプレン塗布はトノサマバッタの卵休眠を覚 ます. 日本応用動物昆虫学会. 8)城所久良子・岩田健一・竹田真木生. 2005. 強制発現系による乾燥耐性遺伝子のスクリーニング. 日 本応用動物昆虫学会. 9)城所久良子・岩田健一・竹田真木生. 2005. ショウジョウバエの耐寒性・乾燥耐性制御因子の探索. 日本動物学会. 10)岩田健一・城所久良子・竹田真木生. 2005. 低温耐性機構の解明を目指して. 日本応用動物昆虫学会. 11)Bembenek J., Takeda M 2005 (poster) Structure of circadian clock in P. americana with special references to indolamine metabolic pathway.. Chronobiology (Gordon Research Conference, Frontiers of Science), Newport, Rhode Island, United States of America (USA) 12)Takeda Makio, J. Bembenek, T. Tsugehara, F. Firana, H. Sehadova and N. Ichihara. Idolalkylamine metabolic pathway and the key enzyme, N-acetyltransferase (NAT) in physiological regulation in insects. Taiwan-Japanese-Czech Republic Cooperation Symposium on Entomology (TJCCSE) Taipei, Taiwan April 2005 13)Hana Sehadova, S. Qi-Miao, F. Sehnal, and M. Takeda.(poster) Distribution of circadian clock-related components in the cephalic nervous system of two cricket species. Part A: Core oscillator and input pathway. Taiwan-Japanese-Czech Republic Cooperation Symposium on Entomology (TJCCSE) Taipei, Taiwan 14)Hana Sehadova, S. Qi-Miao, F. Sehnal, and M. Takeda (poster). Distribution of circadian clock-related components in the cephalic nervous system of two cricket species. Part B: Output pathway. Taiwan-Japanese-Czech Republic Cooperation Symposium on Entomology (TJCCSE) Taipei, Taiwan April 2005 15)Le Thi Dieu Trang, N. Ichihara, K. Mita, H. Sehadova and M. Takeda (poster) Cloning of two double-time and arylalkylamine N-acetyltransferase homologs from the silkworm, Bombyx mori and their expression anlaysis. Taiwan-Japanese-Czech Republic Cooperation Symposium on Entomology (TJCCSE) Taipei, Taiwan April 2005 16)Muhammad Tufail and Makio Takeda Molecular characterization of cockroach vitellogenin and vitellogenin receptor mechanisms Taiwan-Japanese-Czech Republic Cooperation Symposium on Entomology (TJCCSE) Taipei, Taiwan April 2005 17)岩井幸夫・Hana Sehadova・竹田真木生 カイコにおける概日振動系 日本時間生物学会大会シ ンポジウム、つくば 11 月 24-29 日 39 18)Hana Sehadova・Shao Qi-Miao・Naoyuki 市原直征・竹田真木生 (poster) コオロギ 2 種の脳―食道下神経節における概日時計遺伝子の発現:概日システムの多様性。 日本時間生物 学会大会、つくば JSPS外国人特別研究員 1) Tufail Muhammad (2003・8-2005・7)科研費120万円x2年 2) Hana Sehadova (2004・4-2006・3)150万円 x2年, 3) Jadwiga Bembenek (2004・10-2006・9)120万円 x2年 学振 未来型研究 ポストドクトラルフェロー 1)H. Sehadova(2003・1-2004・ 3) 天敵昆虫の多様性と機能、そしてその利用 前藤 薫 我々のグループは、土着天敵を利用した保全的な生物的防除とその生態的指標性を活 用した環境モニタリング手法の開発をめざして、さまざまな切り口から研究を進めてい る。 40 天敵昆虫の多様性を理解することは、その利用を行なうための基礎である。しかし、 とくに寄生蜂類の多様性はようやくその輪郭が現れてきたばかりであり、最近問題にな っている害虫に限っても寄生蜂相の解明には課題が多い。前藤は沖縄県の上里卓己氏ら と共に、サツマイモの重要害虫であるイモゾウムシ・アリモドキゾウムシの幼虫に高い 率で寄生する新種コマユバチ(Bracon sp.)を発見し、現在その分類的位置や生活史に ついて調査しているところである。また、九州大学の高木正見博士らのプロジェクトに 参加し、東アジア地域の野菜のハモグリバエ類に寄生するコマユバチ類(Opius spp.) の多様性について研究を進めている。2005 年には、甲虫類に寄生するコマユバチ類に 詳しいロシア科学アカデミーの Belolobylskij 博士を招聘し、東アジア地域の寄生蜂の 分類について共同研究を行なった。さらに、近畿中四国農業研究センターの三浦一芸博 士とは DNA バーコードを利用した寄生蜂の同定・情報集積システムについて模索して いるところである。 また、我々はチョウ目害虫の幼虫寄生蜂として最近注目されているギンケハラボソコ マユバチ Meteorus pulchricornis について、生活史や行動、系統間の遺伝的構造につ いて研究を始めている。ベトナムからの留学生 Nguen Ngoc Bao Chau は 単寄生内部 寄生者である本種の寄主体内での種内競争や過寄生回避について、山本正樹は産卵行動 における視覚の重要性について、それぞれ研究を進めている。また、伊崎陽介は、本種 の単性系統の産雌性単為生殖のメカニズムや両性系統との遺伝的関係について研究し ている。 近代以降の人間活動は山野の景観を大きく変え、それによって農地周辺や森林域に生 息する土着天敵の多様性や機能に大きな影響が及んでいる。そうした人為の影響を評価 したうえで、土着天敵を効果的に活用する保全的な生物的防除をめざす研究は、とくに 日本ではこれまで甚だ希薄であった。しかし、最近になって「天敵と共存可能な防除技 術」すなわち天敵に対する影響が少ない選択的殺虫剤や性フェロモンによる交信撹乱剤、 各種の物理的防除法が実用化されるなかで、土着天敵の利用はにわかに現実的なものと なってきた。香川理威は、広食性の土着天敵として期待されるゴミムシ類のなかでも、 とくに樹林地と耕作地を行き来するタイプの種類に注目し、農地に隣接して一定の広さ の樹林地を残すことの重要性を、標識捕獲法を含めた定量的で農密なフィールド研究に よって解明しつつある。伊藤哲也は、地表徘徊性のクモ類について、やはり植生の効果 を解明しようとした。網谷正純は、外来昆虫であるブタクサハムシの天敵相形成につい て調べている。また田川真希は、天敵ではないが斑点米カメムシ類について、農地周辺 植生の管理と昆虫個体群の挙動について実証的な研究に着手している。 天敵をより効果的に利用するには、天敵をめぐる生物間相互作用系を適切に操作する 技術が必要である。西村紘は、温室害虫の天敵として商品化されている捕食性カメムシ の機能をより安定的に発揮させるため、バンカープラントとともに代替餌昆虫を導入す るシステムについて研究している。 41 農地に隣接し、人の手が加わることによって維持されてきた森林(里山林)の土着天 敵は、放置されることによって多様性を失い、その機能も低下していると危惧される。 北畠駿は、北関東の里山地域に総合地球環境学研究所と森林総合研究所が設定した調査 地を利用して、小規模皆伐を含む人為撹乱が寄生蜂群集の多様性を維持してきた仕組み を解明しようとしている。また、前藤はインドネシア動物博物館の研究者らと共に、大 規模森林火災とプランテーション耕作によって熱帯雨林の草原化が進むボルネオ島東 カリマンタンにおいて原生林や二次林、人為草原、植林地を含む様々な植生モザイク要 素を抽出し、多様な食性の昆虫類を広く利用する寄生蜂の群集構造を比較することによ って、森林の草原化そして植林後の再森林化の過程を包括的に捉えたいと考えている。 多様な昆虫類を利用する高次消費者である寄生蜂は、種レベルの同定が困難であっても、 寄生生態が異なる各グループの個体数を指標化することによって、自然植生の劣化程度 や修復管理の成否を簡便かつ鋭敏にモニタリングするためのツールになりうるだろう。 都市の自然も生物にとって重要な生息地であり、逆に生物相が乏しい都市空間は人が 生活する場としても貧しい。生存のために多種類の生物のカスケードを必要とする捕食 性昆虫は、都市環境の質を反映する良い指標となるだろう。藤田篤史は、阪神地域の孤 立した都市社寺林に生息するゴミムシ類を調査し、その種数が社寺林の縮小に伴って減 少すること、そうした影響は大型の飛べない種群でより顕著であることを明らかにした。 また、安岡拓郎は、都市住民による保全活動が行なわれている陸生の蛍、ヒメボタルに 魅せられ、捕食者である本種が安定的に生息できる環境条件は何なのか、土壌や植生、 餌生物の生息状況の重要性について研究を進めている。 2003 年以降の発表業績 1) 前藤 薫(2003)豊凶をめぐる昆虫と植物の相互作用.神戸大学農学部学術報告 27: 52-57. 2) 前藤 薫・光後圭枝・小谷英司・宮田弘明・杉村光俊(2003)四万十川流域におけるトンボ類生息地の 地理的解析.昆虫(ニューシリーズ) 6: 27-41. 3) Maeto, K. and Fukuyama, K. (2003) Vertical stratification of ambrosia beetle assemblage in a lowland rain forest at Pasoh, Peninsular Malaysia. In Okuda, T. et al. (eds.) Pasoh: Ecology of a lowland tropical rain forest in Southeast Asia, Springer, Tokyo, pp. 325-336. 4) Fukuyama, K, Maeto, K. and Sajap, A.S. (2003) Spatial distribution of flower visiting beetles in Pasoh Forest Reserve and its study technique. In Okuda, T. et al. (eds.) Pasoh: Ecology of a lowland tropical rain forest in Southeast Asia, Springer, Tokyo, pp. 421-436. 5) 前藤 薫(2003)清流に舞う水の妖精-グンバイトンボ.林業技術 735: 38-39. 6) Maeto,K. and Ozaki, K. (2003) Prolonged diapause of specialist seed-feeders makes predator satiation unstable in masting of Quercus crispula. Oecologia 137: 392–398. 7) 末吉昌宏・前藤 薫・槙原 寛・牧野俊一・祝 輝男(2003)皆伐後の温帯落葉樹林の二次遷移に伴う 双翅目昆虫群集の変化.森林総合研究所研究報告 388: 171-191. 42 8) Maeto, K. and Sato, S. (2004) Impacts of forestry on ant species richness and composition in warm-temperate forests of Japan. Forest Ecology and Management 187: 213-223. 9) 佐藤重穂・前藤 薫・宮田弘明・鴻上 泰(2004)四万十川森林計画区における森林管理が希少植物に 与える影響.森林応用研究 13: 25-36. 10) 佐藤重穂・前藤 薫(2004)原生林に住むアリにとって二次林は住みやすいか. 森林総合研究所平成 15 年度研究成果選集 20-21. 11) Yoshimura, M. and Maeto, K. (2004) Comparison of sampling methods for aquatic insect indicators of forest condition in terms of collection efficiency. Bulletin of FFPRI 3(3) [392]: 213 219. http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kanko/paper.html 12) Maeto, K. (2004) Taxonomy of parasitic Hymenoptera. In the text “Biological Control of Agricultural Pests in Asia – Theory and Practice” for 2004 Asian Science Seminar JASS’ 04-. pp.32-39. Fukuoka, Japan. 13) 佐藤重穂・前藤 薫・田端雅進・宮田弘明・稲田哲治(2004)ニホンキバチの羽化成虫数に影響を及ぼ す要因―夏季のスギ間伐放置木において樹木個体間で成虫発生数が変動する原因―.樹木医学研究 8: 75-80. 14) 前藤 薫(2004)カミキリムシ類の多様性調査・解析法―四万十川流域における研究事例から―.昆虫 と自然 39(14): 24-25. 15) 前藤 薫・佐藤重穂(2004)トンボからみた四万十川流域の自然環境.海洋と生物 26(6): 522-527. 16) 前藤 薫(2005)昆虫学研究室訪問 第 14 回 神戸大学昆虫科学研究室.昆虫と自然 40(6): 26-27. 17) 稲田哲治・前藤 薫・二宮生夫(2005)ヒノキの成長促進によってニホンキバチの産卵は抑制されるか? 日本森林学会誌 87(2): 145-148. 18) 前藤 薫(2005)農林業による景観管理の知恵. 「生態学からみた里やまの自然と保護」 (石井 実 監修) pp.147-152, 講談社. 19) Maeto, K. and Arakaki, N. (2005) Gregarious emergence of Macrostomion sumatranum (Hymenoptera: Braconidae; Rogadinae) from the mummified, full-grown larvae of Theretra silhetensis (Lepidoptera: Sphingidae). Entomological Science 8(2): 131-132. 20) Maleque, M.A, Ishii, H.T. and Maeto, K. (in press) The use of arthropods as indicators of ecosystem integrity in forest management. Journal of Forestry. 21) Sato, S., Maeto, K. and Miyata, H. (in press) Attraction of female Japanese horntail Urocerus japonicus (Hymenoptera: Siricidae) to α-pinene. Applied Entomology and Zoology. Muhammad Tufail, PhD Laboratory of Insect Science, Graduate School of Science and TechnolKobe University, Japap I am working as assistant professor in Laboratory of Insect Science, Graduate School of Science and Technology, Kobe University, and involved in molecular and cellular biology of reproduction, especially vitellogenins (Vgs)/vitellogenin 43 receptor (VgR) in insects, and regulatory mechanisms. Vgs are precursors of the major egg yolk protein, vitellins (Vns), in many oviparous animals. Vg of most insect Maryam (daughter) Salman (son) I received my M.Sc (Hons) in insect toxicology in 1989 from the Department of Entomology, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. In 1990, I started my career as a lecturer in the same department. Thereafter, in 1997, my university sent me in Japan for higher studies after I received Monbusho scholarship from Ministry of Education, Science, Sports and Culture, Japan. I did my M.Sc and PhD on molecular and cellular biology of insect reproduction in 2000 and 2003, respectively. During 2003-2005, I worked as JSPS post doctoral fellow in Laboratory of Insect Science, Kobe University, and worked on molecular biological studies on yolk proteins in insects and regulatory mechanisms. In 2005, I performed my duty as assistant professor for five months in my department at University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan, and then returned to Japan in 2006 and started working on my current position in Kobe University. Research achievements We have characterized the molecular structures of four Vg molecules, the two (Vg1 and Vg2) being that of the American cockroach, Periplaneta americana (Tufail et al., 2000 and Tufail et al., 2001), whereas, the two being that of the Madeira cockroach, Leucophaea maderae (Lm) (Tufail and Takeda, 2002). We show that the Vg gene transcript of ~6.5 kb express exclusively in the female fat body cells in a stage-specific manner and that the pro-Vg is cleaved into smaller polypeptides before being entering into the hemolymph. The deduced amino acid sequences investigated were confidently aligned among each other and among other insect Vgs 44 (Tufail et al. 2005) This is, perhaps, because of the nutritional demands of insect embryos that certain amino acid residues/motifs of Vg primary product remain conserved. The data on phylogenetic analysis, based on Vg amino acid sequences, suggest that the Vgs can be used as a molecular marker to indicate the phylogenetic relationships. We also present the similarity in Vn-antigenicity among 10 cockroach species. VgRs, the counterparts of Vg molecules, are of vital importance to all oviparous animals because they transport Vg into oocytes, a key step for egg development and a prerequisite for reproduction. VgRs are localized in coated pits on the surface of growth competent oocytes, which bind the yolk protein precursor and carry it into cells by receptor-mediated endocytosis. Once sequestered by growing oocytes, the Vg is sent to yolk bodies, where it is processed for storage and thus providing the main nutritional reserves necessary for embryo development. Because of the fundamental importance of Vg molecule in reproduction and proliferation of insect species, this gene is an ideal target for disruption. Also, the insect oocyte provides an excellent model system for studying receptor-mediated endocytosis because of the high intensity of protein uptake. This system could also be a promising target for the pest control. For example, interruption of the receptor-ligand interaction would block egg production, and the knowledge can be exploited for the safer pest control strategies. As a first step to understanding the molecular mechanisms underlying vitellogenesis, we have cloned/characterized a complete VgR sequence with a predicted structure similar to that of the low-density lipoprotein receptor (LDLR) gene superfamily from previtellogenic ovaries of the cockroach, P. americana (Tufail and Takeda, 2005). This is the first report on a VgR from hemimetabolous insects. The cDNA comprising 5722 bp encoded a 1790-residues mature protein with a predicted molecular mass of 200.5 KD. We next characterized the ovarian expression pattern, developmental regulation and cellular distribution of the VgR mRNA and protein. Northern blot analysis confirmed that a ~7.2-kb transcript was specifically expressed in ovarian tissues throughout the ovarian development at high levels especially in previtellogenic ovaries and in ovaries before adult emergence. RNA in situ hybridization and immunocytochemistry localized the VgR mRNA and protein to germ line-derived cells, the oocytes, and revealed that VgR gene transcription and translation begin very early during oocyte differentiation in the germarium. Immunoblot analysis detected an ovary-specific VgR protein of 45 ~210-kD that was present in previtellogenic ovaries on the day of female emergence. The VgR protein signal strengthened every day and was intense after initiation of vitellogenesis and onset of Vg uptake. The immunoblotting of vitellins demonstrated that Vg uptake occurred on day 5, one day after the Vgs first appeared in the hemolymph, indicating that the receptor-endocytotic machinery starts functioning soon after the ligand becomes available. Next, a cDNA that encodes a lipophorin receptor (LpR) with a predicted structure similar to that of the LDLR gene superfamily was cloned from ovaries of the cockroach, L. maderae and characterized. The cDNA has a length of 3362 bp coding for a 888-residues mature protein with a predicted molecular mass of ~99.138 kDa. The deduced amino acid sequence revealed that the LmLpR harbors eight ligand-binding repeats at the amino-terminus like the other two insect LpRs reported from the locust and mosquito, and the vertebrate very LDLRs (VLDLRs). In addition to 8 tandemly arranged ligand-binding repeats (LBR), the five domain receptor contains an O-linked sugar region and the tight-turn tyrosine internalization signal (FDNPVY) typical for most of the LDLR gene family members. The deduced amino acid sequence of LmLpR showed 78% and 66% overall amino acid identity to the locust and mosquito LpR primary products, respectively. Proposed phylogenetic (neighbour-joining) relationships among LDLR family members suggest that the insect LPRs are more closely related to vertebrate VLDLRs/vitellogenin receptors (VgR) and LDLRs than to insect VgRs. We also report for the cloning of a cDNA that encodes receptor tyrosine kinase (RTK) from the previtellogenic ovaries of the American cockroach, P. americana. The complete cDNA for RTK was of 4128 residues which encoded a deduced amino acid sequence of 1294 residues long including 22 residues for the putative signal peptide. The entire deduced amino acid sequence was aligned confidently with other members of the RTK family of receptors. Research in progress We have cloned a ~3 kb amino terminal part of the VgR gene transcript from L. maderae ovary, and trying to clone the remaining part of the transcript. Efforts are also made to check the size of both the transcript and the product through Northern blot hybridization and Western blot analysis, respectively. We are next trying to hunt the regulatory regions of both Vg (Vg1 and Vg2) genes from P. american. Mrs Azza Mohamed Mahmoud ELgendy (from Egypt) is working on this aspect. We are 46 also trying to elucidate the developmental regulation of both P. american Vg genes, and to see whether the expression is coordinated. Future goals The upstream regulatory regions of the genes (Vg, VgR, LpR and RTK) we cloned will be analyzed in conjunction of the juvenile hormone stimulation. By cloning/analyzing the upstream regulatory regions, the mechanisms of hormonal gene regulation will be figured out. Efforts will also be made to elucidate the developmental regulation of Vg genes, and to see whether the expression is coordinated in P. americana. JH or JH analogs will be provided exogenously and its (their) action upon Vg synthesis will also be figured out. Artificial regulation/blockade of Vg would be expected and this knowledge can be exploited for safer pest control strategies. Also, the role of indolamines in vitellogenesis will be investigated in P. americana. Our next concern is to investigate the nature of the Vg/VgR interactions and the manner in which ligand specificity is determined which has not yet been clarified in insects. To achieve the purpose, both ligand and the receptor will be expressed in the baculovirus expression system and the role of a complete and a truncated VgR protein in internalizing Vg into the oocyte will be investigated. This will justify the functional involvement of two ligand binding domains in insect VgRs as compared to vertebrate VgRs and LDLRs which have only one ligand binding domain. There is possibility that each ligand binding domain may deposit different Vg molecule/ligand or only one ligand binding domain, like that of vertebrate VgRs/LDLRs, may be involved in this work whereas the other may have some different function. Also, structural analyses of vitellogenin-binding and the mechanisms downstream of Vg-binding will be studied. Moreover, in insects, reproductive control mechanism depends on various factors: such as developmental stage, sex, food condition, status, and degree of crowding, low temp. etc. These factors lead to expression and/or suppression of several genes via a variety of hormones. Environmental conditions controlling the physiological phenomena: such as expression and uptake of Vg by the ovary, and the mechanism responding to hormones and neural transmission factors will also be investigated. Professional experience/skills More than 16 years teaching/research experience at the University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan and at Kobe University, Japan. Pioneer on Insect Molecular Biology work in the Laboratory of Insect Science at Kobe 47 University. Supervised 9 full time and 11 partially MSc students from 1991-1997. Partially supervised/supervising 4 Ph D students. Experience on molecular gemomics, biotechnology and biochemistry work including RNA manipulation(isolation/purification), construction of cDNA expression libraries, titering, amplification and immunoscreening of the cDNA libraries, genomic DNA isolation/construction of genomic libraries, degenerate primers designing and cloning of the target genes using degenerate-PCR, cloning of the full length cDNAs using rapid amplification of cDNA ends (RACE)-PCR, plasmid purification, cloning, resriction mapping, subcloning, manipulation/reconstitution of the cloned cDNAs to ligate into the expression vectors, Northern hybridisation/DNA-microarray analyses to determine the temporal and spacial expression pattern of a particular gene/genes, Southern blot analysis to confirm the number of gene copies, in situ hybridisation technique to confirm the mRNA transcription in the tissue using digoxigenin-labeled riboprobes, Protein identification using SDS-PAGE and Western blotting, Amino-terminal sequence analysis of the bands separated on SDS-PAGE and their comparisons with the cloned cDNA sequence to clarify the post-translation processing of the primary protein, production of antibody (polyclonal one), immunocytochemistry assay to confirm the synthesis and expression pattern of a particular protein directly in the tissue/cell. Academic qualification/Field of specialization Ph.D, Molecular Cellular Science (dissertation title: Molecular characterization of cockroach vitellogenins/ vitellogenin receptor mechanisms). Research interests Molecular Biology, Biotechnology, Genomics and Biochemistry. Distinctions - Got first position in M.Sc (Hons) Agri. Entomology with CGPA of 4.00/4.00 and was awarded a silver medal. - Got first position in B.Sc (Hons) Agri. Entomology with CGPA of 3.92/4.00 and was awarded a certificate of honour. - Merit scholarship holder [from class 8th to MSc (Hons) Agri.] from Government of Pakistan. Honours/ Awards - Awarded a 2 years post-doctoral research fellowship (from August 2003- July 2005) from 48 Japanese Society for Promotion of Science (JSPS). - Awarded a 2.4 million yen research grant from JSPS. - Awarded Monbusho scholarship for M.Sc. and Ph.D (October 1997-March 2003) from Ministry of Education, Science, Sports and Culture, Japan. Research papers/Abstracts/DNA sequences published - 23 research publications, including book chapter. - 12 International abstracts published. - 6 DNA sequences published on DDBJ/EMBL/GenBank databases. Symposia - 16 International Symposia/Conferences/Meetings Membership in Scientific Societies - Member of Pakistan Entomological Society (from 1990 – to date) - Member of Japanese Society of Applied Entomology and Zoology (March 2000March 2003). Reviewer of international journals - Insect Biochemistry and Molecular Biology, USA. - Archives of Insect Biochemistry and Physiology, USA. - Insect Molecular Biology, UK. Other scientific/Managerial duties performed - Incharge Plant Protection Operations, University of Agriculture, Faisalabad (1990-1996). - Provided advisory services to the farmers for controlling pest-insects of different crops. - Area Incharge, Department of Entomology, University of Agriculture, Faisalabad (1995-96). - Served as a Co-Tutor, Tutorial Group M1 (1992-1997) at University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. - Vice-president, Hand Ball Team, University of Agriculture, Faisalabad (1992-1997). - Served as assistant superintendent in different hostels of the University of Agriculture, Faisalabad (1990-1996). 49 Research publications a) Book Chapter - Tufail, M., Raikhel, A. S. and Takeda, M, 2005. Biosynthesis and Processing of Insect Vitellogenins. In: Reproductive Biology of Invertebrates (Series Editors, Adiyodi KG, Adiyodi RG), Vol XII. Part B, Progress in Vitellogenesis (Eds. Raikhel AS, Sappington TW), Science Publishers, Inc. Enfield, USA- Plymouth UK, pp. 400. b) Papers 22) Tufail, M. and Takeda, M., 2005. Molecular cloning, characterization, and regulation of the cockroach vitellogenin receptor during oogenesis. Insect Molec. Biol. 14, 389-401. 21) Tufail, M. and Takeda, M., 2004. Molecular characterization of cockroach vitellogenins/vitellogenin receptor. Trends in Comparative Endocrinology (Eds. Oishi T., Tsutsui K., Tanaka S. and Kikuyama S.). Proceedings of the 5th Congress of the AOSCE in conjuction with the annual meeting of JSCE, Nara, Japan. 20) Tufail, M., Takeda, M., 2002. Vitellogenin of the cockroach, Leucophaea maderae: nucleotide sequence, structure and analysis of processing in the fat body and oocytes. Insect Biochem. Mol. Biol. 32, 1469-1476. 19) Tufail, M., Hatakeyama, M., Takeda, M., 2001. Molecular evidence for two vitellogenin genes and processing of vitellogenins in the American cockroach, Periplaneta americana. Arch. Insect Biochem. Physiol. 48, 72-80. 18) Tufail, M., Lee, J. M., Hatakeyama, M., Oishi, K., Takeda, M., 2000. Cloning of vitellogenin cDNA of the American cockroach, Periplaneta americana (Dictyoptera), and its structural and expression analyses. Arch. Insect Biochem. Physiol. 45, 37-46. 17) Wahla, M. A., Tufail, M., Afzal, M. and Tariq, M. N., 1998. The comparative resistance of some recent releases of cotton cultivars to the insect-pest complex. Pak. Entomol., 20 (1-2): 92-94. 16) Razaq, M., Tufail, M., Afzal, M. and Ali, S., 1998. The comparative effectiveness of some latest spray-schedules against the cotton jassid, Amrasca devastans (Dist.) and aphid, Aphis gossypii G. on cotton variety FH-672. Pakistan Entomol., 20 (1-2): 59-61. 15) Wahla, M. A., Tufail, M. and Iqbal, P., 1997. The comparative effectiveness of different doses of Confidor SL 200 and Tamaron 600 SL against the cotton thrips, Thrips tabaci Lind. on FH-682, cotton. Pak. Entomol. 19 (1-2): 5-7. 50 14) Tufail, M., Rasheed, A. and Khalid, I., 1997. The physiomorphic influence of different doses of Force 0.5 g. on the growth of “Sunehri” maize. Pak. Entomol. 19 (1-2): 73-75. 13) Afzal, M., Ahmad, J. and Tufail, M., 1997. The comparative effectiveness of some latest spray schedules against the cotton whitefly Bemisia tabaci (Genn.) on FH-672 cotton. Pak. Entomol., 19 (1-2): 81-83. 12) Tufail, M., Ahmad, M. and Wahla, M. A., 1996. The comparative efficacy of different doses of Tamaron 600 SL (methamidiphos) against the sucking insect-pest complex of FH-682, cotton. Pak. Entomol., 18 (1-2): 54-55. 11) Wahla, M. A., Tufail, M. and Akbar, S., 1996. The comparative efficacy of different doses of Dimecron 100 SCW (phosphamidon) against the whitefly, Bemisia tabaci (Genn.) on FH-682, cotton. Pak. Entomol., 18 (1-2): 45-46. 10) Tufail, M., Rasheed, A. and Bari, S., 1996. The comparative efficacy of some latest spray-schedules against the whitefly, Bemisia tabaci (Genn.) on FH-682, cotton. Pak. Entomol., 18 (1-2): 67-69. 9) Cheema, G. M., Khan, M. R., Afzal, M., Tufail, M. and Nasreen, A., 1996. The comparative efficacy of some schedules of insecticide treatments against the insect pest complex of Akbar maize. Pak. Entomol., 18 (1-2): 88-89. 8) Tufail, M., Mahmood, R. Z. and Razaq, A., 1995. The comparative efficacy of some latest spray-schedules against the sucking pest-insects of cotton variety FH-682. Pak. Entomol., 17 (1-2): 117-119. 7) Tufail, M., Ahmad, M. and Ahmad, T., 1995. The comparative efficacy of Polytrin-C and Nurelle-D against the pest-insects of FH-87 cotton. Pak. Entomol., 17 (1-2): 81-83. 6) Tufail, M., Balouch, Z. A. and Wahla, M. A. 1995. The comparative efficacy of different doses of Dimecron 100 SCW against the sucking insect-pest complex of FH-682 cotton. Pak. Entomol., 17 (1-2): 51-53. 5) Wahla, M. A., Tufail, M. and Ahmad, H., 1995. The comparative efficacy of different doses of Dimecron 100 SCW (phosphamidon) against the cotton thrips, Thrips tabaci Lind. on FH-682 cotton. Pak. Entomol., 17 (1-2): 94-96. 4) Afzal, M., Wahla, M. A. and Tufail, M 1995. The impact of changes in the character profile of FH-87 seed-cotton on its final yield from a crop treated with O-P/Pyrethroid combinations. Pak. Entomol., 17 (1-2): 65-67. 3) Wahla, M. A., Tufail, M. and Ali, I., 1995. The comparative efficacy of some insecticide-granules against the sucking insect-pests of `Sultan` maize. Pak. 51 Entomol. 17 (1-2): 54-55 2) Afzal, M., Wahla, M. A. and Tufail, M., 1992. The influence of some O-P/Pyrethroid combinations on the character profile of FH-87 seed cotton. Pak. Entomol. 14 (1-2): 88-90. 1) Tufail, M., Wahla, M. A. and Afzal, M., 1991. The comparative efficacy of some O-P/Pyrethroid combinations against the bollworms of FH-87 cotton. Pak. Entomol. 13(1-2): 62-63. c) Abstracts 12) Tufail, M. and Takeda, M. Molecular characterization of vitellogenin receptor from the cockroach, Periplaneta americana and analysis of its expression during oogenesis. 10th International Congress on Invertebrate Reproduction and Development (Newcastle upon Tyne, United Kingdom), 18-23 July 2004. 11) Tufail, M. and Takeda, M. Vitellogenin receptor of the American cockroach: an oocyte-specific member of the low-density lipoprotein receptor gene superfamily. Annual meeting of Japanese Society of Applied Entomology and Zoology (Tokyo, Japan), 29-30 March 2002. 10) Tufail, M., Hatakeyama, M. and Takeda, M. Molecular evidence for two vitellogenin genes and processing of vitellogenins in the American cockroach, Periplaneta americana. The 4th Asia Pacific Conference for Entomology (Kuala Lumpur, Malaysia), 14-17 August 2001. 9) Tufail, M. and Takeda, M. Cloning of cDNA for vitellogenin of Leucophaea maderae (Dictyoptera) and characterization of the vitellogenin gene expression. Annual meeting of Japanese Society of Applied Entomology and Zoology (Shimane, Japan), 31 March-2 April 2001. 8) Wahla, M. A., Tufail, M. and Tariq, M. N. The comparative resistance of some recent releases of cotton cultivars to the insect-pest complex. Third International Congress of Entomological Sciences, (NARC, Islamabad, Pakistan), 18-20 March 1997. 7) Tufail, M., Ali, S and Afzal, M. The comparative effectiveness of some latest spray-schedules against the cotton aphid, Aphis gossypii Glover on FH-672 cotton. Third International Congress of Entomological Sciences, (NARC, Islamabad, Pakistan), 18-20 March 1997. 6) Wahla, M. A., Tufail, M. and Iqbal, P. The comparative effectiveness of different doses of Confidar SL 200 and Tamaron 600 SL against the cotton thrips, Thrips tabaci Lind. on FH-682, cotton. Third International Congress of Entomological Sciences, (NARC, Islamabad, Pakistan), 18-20 March 1997. 52 5) Afzal, M., Jamil, M. and Tufail, M. The comparative effectiveness of some latest spray-schedules against the cotton whitefly, Bemisia tabaci (Genn.) on FH-672, cotton. 17th Pakistan Congress of Zoology (University of Karachi, Karachi-Pakistan), 5-7 April 1997. 4) Tufail, M., Razaq, M and Afzal, M. The comparative effectiveness of some latest spray-schedules against the cotton jassid, Amrasca devastans (Dist.) of cotton variety FH-672. 17th Pakistan Congress of Zoology (University of Karachi, Karachi-Pakistan), 5-7 April 1997. 3) Wahla, M. A., Murtaza, G., Ali, I. and Tufail, M. Relative efficacy of some insecticide granules against the insect pest complex of Sultan maize. First International congress of Entomology (University of Agriculture, Faisalabad-Pakistan), 5-6 April 1995. 2) Wahla, M. A., Yaseen, M and Tufail, M. Comparative efficacy of some furadan-impregnated schedules of insecticide treatments against the pest insect complex of Akbar maize. First International congress of Entomology (University of Agriculture, Faisalabad-Pakistan), 5-6 April 1995. 1) Tufail, M., Ahmad, S., Wahla, M. A., Ahmad, H and Balouch, Z. A. Comparative efficacy of different doses of dimecron 100SCW against the sucking insect pest complex of FH-682 cotton. First International congress of Entomology (University of Agriculture, Faisalabad-Pakistan), 5-6 April 1995. d) DNA Sequences 6) M. Tufail and M. Takeda, 2005. Leucophaea maderae lipophorin receptor mRNA sequence. 5) DDBJ/EMBL/GenBank databases accession number: AB218869. M. Tufail and M. Takeda, 2004. Leucophaea maderae vitellogenin 2 cDNA sequence. DDBJ/EMBL/GenBank databases accession number: AB194976. 4) M. Tufail and M. Takeda, 2002. Periplaneta americana vitellogenin receptor cDNA sequence. DDBJ/EMBL/GenBank databases accession number: AB077047. 3) M. Tufail and M. Takeda, 2000. Leucophaea maderae vitellogenin cDNA sequence. DDBJ/EMBL/GenBank databases accession number: AB052640. 2) Tufail M., M. Hatakeyama and M. Takeda, 2000. Vitellogenin 2 (Vg2) cDNA sequence of of Periplaneta americana. DDBJ/EMBL/GenBank databases accession number: AB047401. 1) Tufail, M., M. Takeda, M. Hatakeyam and J. M. Lee, 1999. Vitellogenin 1 (Vg1) cDNA sequence of Periplaneta americana. DDBJ/EMBL/GenBank 53 databases accession number: AB034804. e) Theses - Ph.D Molecular characterization of cockroach vitellogenins and vitellogenin receptor mechanisms. Kobe University, Japan. Cloning of cDNA for vitellogenin of the cockroach, Periplaneta - M.Sc americana (Dictyoptera: Blattidae) and characterization of the vitellogenin gene structure. Kobe University, Japan. - M.Sc (Hons) The comparative efficacy of some organo-phosphate/pyrethriod combinations against the bollworms on FH-87, cotton. University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. Students supervised 9) Muhammad Naeem, 1997. The comparative resistance of some recent releases of cotton cultivars against the sucking pest insects. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. 8) Muhammad Zia-ul-Haq, 1997. The comparative effectiveness of some latest spray schedules against the cotton jassid, Amrasca devastans on B-557, cotton. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. 7) M. Akhtar, 1996. The comparative effectiveness of some latest spray schedules against the cotton thrips, Thrips tabaci on FH-682, cotton. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. 6) M. Razaq, 1996. The comparative effectiveness of some latest spray schedules against the cotton jassid, Amrasca devastans (Dist.) on FH-682, cotton. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. 5) Sajid Ali, 1996. The comparative effectiveness of some latest spray schedules against the cotton aphid, Aphis gossypii (Glover) on FH-682, cotton. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. 4) Saleem Bari, 1995. The comparative efficacy of some latest spray schedules against the whitefly, Bemisia tabaci (Genn.), on FH-682, cotton. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. 54 3) Rana Zahid Mahmood, 1995. The comparative efficacy ofsome latest spray schedules against sucking insect pest complex of FH-682, cotton. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. 2) Mushtaq Ahmad, 1993. The comparative efficacy of different doses of Tamaron 600 SL (Methamidophos) against sucking insect pest complex of FH-682, cotton. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. 1) Zahoor Ahmad Balouch, 1993. The comparative efficacy of different doses of Dimecron 100SCW against sucking insect pest complex of FH-682, cotton. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. Students co-supervised 11) Syed Muzaffar hussain Kazmi, 1997. The comparative resistance of some recent releases of cotton cultivars to bollworms. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. 10) Altaf Hussain, 1997. The comparative efficacy of some latest spray-schedules against the whitefly, Bemisia tabaci (Genn.) on B-557, cotton. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. 9) Parvez Iqbal, 1995. The comparative effectiveness of different doses of confidor SL 200 and Tamaron 600 SL against the cotton thrips, Thrips tabaci Lind. on FH-682, cotton. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. 8) Fakhar-ul-Zaman, 1995. The physio-morphic influence of some insecticidal spray-schedules on FH-682, cotton. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. 7) Khalid Naeem Ahmad, 1993. The comparative efficacy of some insecticidal spray-schedules against the bollworms of FH-367, cotton. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. 6) Jam Ayaz Mahmood Lar, 1993. The physio-morphic influence of some 55 insecticidal spray-schedules on FH-367, cotton. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. 5) Muhammad Sajid Bashir, 1993. The comparative efficacy of some insecticidal spray-schedules against the sucking pest-insects of FH-367, cotton. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. 4) Haji ahmad, 1993. The comparative efficacy of different doses of Dimecron 100 SCW (phosphomidon) against the cotton thrips, Thrips tabaci Lind. on FH-682, cotton. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. 3) Saeed Akbar, 1993. The comparative efficacy of different doses of Dimecron 100 SCW (phosphomidon) against the whitefly, Bemisia tabaci (Gennad) on FH-682, cotton. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. 2) Malik Basharat Hussan Haidary Awan, 1993. The comparative efficacy of some insecticidal spray schedules against the insect pest complex of FH-367, cotton. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. 1) Imtiaz Ali, 1991. The comparative efficacy of some insecticide-granules against the sucking insect-pests of `Sultan`, maize. M.Sc. Dissertation, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. Seminars/conferences attended - April 2005 Taiwan-Japan-Czech Republic Tri-countries Cooperation Symposium on Entomology, National Taiwan University, Taiwan. Molecular characterization of cockroach vitellogenins and vitellogenin receptor mechanisms. Tufail, M., Takeda M. (P) - July 2004 10th International Congress on Invertebrate Reproduction and Development, Newcastle upon Tyne, United Kingdom. Molecular characterization of Periplaneta americana vitellogenin receptor and analysis of its expression pattern during oogenesis. Tufail, M., Takeda, M. 56 - March 2004 Fifth Congress of the Asia and Oceania Society for Comparative Endocrinology (AOSCE) in conjunction with the annual meeting of the Japan Society for Comparative Endocrinology (Nara, Japan). Molecular characterization of cockroach vitellogenins/vitellogenin receptor. Tufail, M., Takeda, M. - November 2002 23rd Protostomia Scientific meeting, Sugadaira, Japan. Molecular cloning and characterization of Periplaneta americana vitellogenin receptor. Tufail, M., Takeda, M. - March 2002 Annual meeting of Japanese Society of Applied Entomology and Zoology, Tokyo, Japan. Vitellogenin receptor of the American cockroach: an oocyte-specific member of the low-density lipoprotein receptor gene superfamily. Tufail, M and Takeda, M. - August 2001 The 4th Asia Pacific Conference for Entomology, KualaLumpur, Malaysia. Molecular Evidence for Two Vitellogenin Genes and Processing of Vitellogenin in the American Cockroach, Periplaneta americana. Tufail, M., Hatakeyama, M. and Takeda, M. - March 2001 Annual meeting of Japanese Society of Applied Entomology and Zoology, Shimane, Japan. Cloning of cDNA for vitellogenin of Leucophaea maderae (Dictyoptera) and characterization of the vitellogenin gene expression. Tufail, M and Takeda, M. - February 2001 Scientific meeting, Sanda, Japan. Structures of cockroach vitellogenin genes and the phylogenetic analysis. Tufail, M and Takeda, M. - August 2000 57 International Congress of Entomology, Foz, do iguacu, Brazile. Cloning of cDNA for vitellogenin of the cockroach, Periplaneta americana (Dictyoptera, Blattidae) and characterization of the vitellogenin gene structure. Tufail, M., Takeda, M., Lee, J. M., Hatakeyama, M. and Oishi, K (P). - November 1999 20th Protostomia Scientific meeting, Sugadaira, Japan. Cloning of cDNA for vitellogenin of the cockroach, Periplaneta americana (Dictyoptera: Blattidae) and characterization of the vitellogenin gene structure. Tufail, M., Takeda, M., Lee, J. M., Hatakeyama, M. and Oishi, K. - November 1998 19th Protostomia Scientific meeting, Sugadaira, Japan. Aiming at cloning of cDNA for vitellogenin of the cockroach, Periplaneta americana (Dictyoptera: Blattidae) and characterization of the vitellogenin gene structure. Tufail, M., Takeda, M., Lee, J. M., Hatakeyama, M. and Oishi, K. - April 1997 17th Pakistan Congress of Zoology , Islamabad, PakistanThe comparative effectiveness of some latest spray schedules against the cotton whitefly, Bemisia tabaci Genn. on FH-672, cotton.Afzal, M., M. Jamil and M. Tufail. - March 1997 Third International Congress of Entomological Sciences, University of Agriculture, Faialabad, Pakistan. The comparative effectiveness of different doses of confidar SL 200 and Tamaron 600 SL against the cotton thrips, Thrips tabaci Lind. on FH-682, cotton. Wahla, M. A., M. Tufail and P. Iqbal. - April 1997 17th Pakistan Congress of Zoology , Islamabad, Pakistan. The comparative effectiveness of some latest spray schedules against the cotton jassid, Amrasca devastans (Dist.) of cotton variety FH-672. Tufail, M., M. Razaq and M. Afzal. - April 1995 58 First International congress of Entomology, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan. Relative efficacy of some insecticide granules against the insect pest complex of Sultan maize. Wahla, M. A., Murtaza, G., Ali, I. and Tufail, M. April 1995 - First International Congress of Entomology, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan.Comparative efficacy of some furadan-impregnated schedules of insecticide treatments against the pest insect complex of Akbar maize. Wahla, M. A., Yaseen, M. and Tufail, M. - April 1995 First International Congress of Entomology, University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan .Comparative efficacy of different doses of dimecron 100SCW against the sucking insect pest complex of FH-682 cotton. Tufail, M., Ahmad, S., Wahla, M. A., Ahmad, H. and. Balooch, Z. H. Trainings/Courses-attended Completed the Group Training Course in IPM for Plant Protection at Faculty of - Agriculture, Kobe University, Japan, from June 7, 1995 to September 20, 1995. - Attended the Japanese Language Course organised by the Japan International Cooperation Agency (JICA) at Kobe, Japan, from 14-23 June, 1995. - Attended a Scientific Writing Workshop at University of Agriculture, Faisalabad, Pakistan from 13-14 March, 1995. - Attended a Laboratory Training Course at National Agriculture Research Centre (NARC), Islamabad, Pakistan, from 20-30 June, 1992. 59 最近になって思うこと 兵 A 10 岸谷 靖雄 阪神・淡路大震災から 10 年の歳月が経ち、会誌「なべぶたむし」が 7 号の発行を迎えると の事、感無量である。私が卒業したのは昭和 37 年、既に 40 数年が過ぎた。2 月に 66 歳の 誕生日を迎えた。丁度 2 年前に会社を退職して、やっと年金生活が軌道に乗ったところで 60 ある。41 年間を農薬の研究と販売、そして防除と言う仕事に携わってきた。今考えてみれ ば良く続いたと思う。お陰で福知山、大阪、札幌、名古屋、仙台、東京を渡り歩いた。 私が学生の時、教授は岩田久仁雄先生で、卒論は勿論天敵の研究であった。それが農薬の 会社へ就職したのである。岩田先生がどう思われたか、今となっては知る由も無い。就職 した後もしばしば先生のご自宅を訪問したが、そのことについては何も言われなかったよ うに記憶している。 就職して最初の 5 年足らずは、開発途上の農薬の圃場試験と、果樹害虫であるコナカイガ ラムシの天敵の研究に携わった。特に後者の仕事はコナカイガラムシに寄生するコバチの 大量生産の研究で、大変難しい仕事であったが、非常にやりがいのある仕事であった。最 後の仕上げの前に私は営業に出てしまったが、2,3 年の販売で、採算が取れないため販売を 断念した。最近では何種類かの天敵が販売されている。あと 20 年遅く研究、販売していれ ばと思うことがある。当時福知山農場には果樹その他多くの作物が植えられていた。暇な 折、又仕事が終わってから昆虫採集を楽しんだ。今おもうと懐かしい限りである。 営業に出てからは、農薬の販売一筋で、昆虫採集など思いもよらなかった。当時は日曜日 だけが休日で、土曜日の夜帰宅することが多かった。日曜日は疲れてぐったりしていた。 何年かして土日が休日になったが、営業は土曜日必ず休めるとは限らない。営業に携わっ ていた約 30 年の内 9 年間は単身赴任であった。 当時私が思ったのは退職したら昆虫採集を思う存分やろう、ということであった。ところ が今私は昆虫採集をして、虫を殺すことが出来なくなった。2 年前まで農薬を販売し、病害 虫の防除作業を行い、思う存分虫を殺してきた。どう考えてもこれ以上虫を殺すことは出 来ない。このような気持ちになったことに戸惑いを覚えている。 丁度一年半前私は前立腺がんの宣告を受けた。一昨年の 12 月医者の勧めで癌の摘出手術を 受けた。現在PSAマーカーの数値は検出限界以下で、運動もお酒も制限を受けないくら いに回復した。今はとにかく健康であること、を考えながら生活を送っている。最後に蜂 友会会員のご健康と、「なべぶたむし」の永く続くことを心から祈って終わりにしたい。 「大学は人生の滑走路」 12 回生 本田 勉 2005.6.26 今年は終戦 60 年を迎え、マスコミや週刊誌が多くの関連記事に出会う。 小生は戦前生まれの 63 才、終戦直前だっただろうか、米軍の爆弾を遠い空に眺めながら、 田舎の庭に掘った防空壕に逃げ込んだ事が漠然と頭に残っている(3 才~4 才) 61 戦前(真珠湾攻撃の 2 日前/1941.12)に生を受け戦中、戦後の復興期~現代を捕え 日本人の生活の変わりようは大きく、景気のどん底からバブル期(1990 年頃)の最盛期に 至るまで小生なり人生を考えてみたい。 大学生活はその中の僅か 4 年間であり短いものであったが、人生の滑走路のように思えて ならない。世の中に出て何をやるか(職業)この時期に考え、悩み、決めている。 高校時代までは自分は何をしたいかあまり考えもしなかった。家から見える製鉄所の水蒸 気が間欠泉のように空に上がり、煙突からは赤い煙が立ちあがるのを見て人々は景気が良 いと言っていた。 師範を出て教師をしていた父からは民間の会社の方が働き甲斐があると聞いたことが頭の 隅に残っていた。以来 5 人兄弟の長男でありながら家を継がずの東京の農薬会社に就職し た。最初は大阪勤務で 17 年、箱根の山を越え東京勤務 24 年になろうとしている。 (60 才以降も子会社に勤務) この間居住地は西宮(仁川)、西宮北口、大阪河内長野、神戸舞子、埼玉浦和と変わり 1980 年に手に入れた舞子のマイホームは 1 年半しか住めず東京勤務となり、最近浦和に家 を手当した。 会社に入り仕事の内容(業界)が 3 回変った。本業の農薬(普及業務)は 8 年、この会社で言う 新規事業が 2 回で現在分析業に従事している。 大体人は同じ仕事をすると飽きてくる。また同じ仕事を 8 年やるとある程度エキスパート になれる思ったので最初の転職(社内)時は何の抵抗もなく新事業に取組めた。 しかし、業界が全く違うところで成果が出せず会社に貢献する事が出来なかった。 小生が従事した仕事の中でキーワードをあげると農薬(虫、草、菌/JA,肥料屋)、水処理 薬品・木材薬品(水、鉄、銅、腐食、スケール、微生物、白蟻/設計事務所、建設会社、 工場、ビル) 、農薬分析(水、土、空気、野菜、果物/ゴルフ場、JA、食品会社)等である。 生物、化学から金属への頭の転換はしんどかった。 分析業界の最近 5 年くらいの動向を見ると焼却炉から出て野菜の汚染すると騒がれたダ イオキシン類は、対策法が出され焼却炉がに規制され結果排出量が大幅に減少した。分析 業界もダイオキシンに次ぐテーマを探している。中でもシックハウス、POPs、欧州有機化 学物質規制など新しい分野への取組みも始まっている。小生の所属する会社は農薬分析が 得意で、今後食品衛生法の改正による農薬類すべてに残留基準がかかるような制度(ポジ 62 ティブリスト制)が来年から始まるので、輸入農産物の分析が増えるものと期待している。 サラリーマン生活は暇があるようでなかった。若い頃(30 才台)他社の中堅社員の 人から夏休みや休日の家族サービスについて話しを聞いた事がある。国内の小旅行である。 早速 実行して 3 年くらい続いた。ずっと後になり、最近娘が結婚し、北海道 帯広に住んでいた数年、せっせと夫婦で帯広へ旅をした。レンタカーを借り富良野、 然別、十勝モール温泉、釧路湿原、霧のかからなかった摩周湖、網走、見幌峠、硫黄山な ど計 4 回ほどドライブし道東の道は詳しくなった。 これからも家族を楽しませる小旅行が出来ればと思っている。 最近読んだ「頭のいい人の習慣術」(河出書房)は刺激的であり、目標を持つって物事に 当たれば、成果が出るとあり、新入社員の入社式に引用させてもらっている。 バブル崩壊後の失われた 10 年が過ぎ、大手会社の業績は回復したが中小企業は回復 どころか水面下の会社が多いと聞く。電車で都内に通勤していても、混雑はなく適当に雑 誌、専門誌など読める。平行して走る埼京線が出来た 20 年前で、以来京浜東北線 は空いている。今年筑波エキスプレスは開通する。かって埼京線が開通してまもなく バブルが政府主導で始まった。筑波エキスプレス後はインフレ(土地の値上がり)へ動くかど うか注目している。 再度バブルが起きない様、現在の物価安定の状態が続けば良いと思っているが、政府の 台所は破産状態(毎年大きい赤字が続いており)。官が襟を正して行って欲しい。 証券会社が赤字国債を売りに電話をかけてくる。こんな所に出資はしたくない。 (日本エコテック(株)社長) 30年 昭和54年卒業 矢代 学 私は今年(2006 年)、50 歳を迎えます。コンボウハバチ(Cimbicidae)との出会いから、実に 30 年が経ちました。以前の「なべぶたむし」にも書きましたが、初めてコンボウハバチを採集 したのは、30 年前多紀郡篠山町(現在の篠山市)の小金ヶ嶽頂上でした。 63 当時助手 だった内藤先生に案内していただき、初めて目にしたナシアシブトハバチ (Palaeocinbex carinulata)。その時の感動は今も忘れることは出来ません。 その後、多くのコンボウハバチ達を観察・採集することができました。しかし、40 種を超 えるコンボウハバチ科の内、私自身が観察出来たものは 30 種弱と 7 割程に過ぎません。 新知見では、ハラアカヒラクチハバチ(Trichiosoma (Praia vitellinae)とシマコンボウハバチ ussuriensis)の生態の一部(食樹の一例)等が判った程度です。 ヒラクチハバチ属(Trichiosoma)を纏めようと、北海道や信州にも何度か足を運びました。 北海道では棲息密度も多く、比較的観察し易いのですが、信州では以前広葉樹があった場所 がカラマツの植林に変ってしまった地域もあり観察は困難になっています。また、長野県で は高山蝶保護の監視員?が多く、特別保護区でもないのに注意をされるなど閉口します。 最近では兵庫県でも氷ノ山周辺でのウスイロヒョウモンモドキの保護が盛んになり、捕虫 網を持っていると注意を受けるとか…(因みに、私はハチ採りおじさんとして見てもらって いるらしくそんな経験はありません) ハバチ界では昨年(2005 年)ヒダクチナガハバチ(Nipponorhinchus bimaculatus)が話題 になりました。2004 年に栃木県でヒダクチナガハバチが見つかり、2005 年に内藤教授、国 立科博の篠原両博士による調査の結果ヒダクチナガハバチだけでなく、クチナガハバチ(N. mirabilis)も棲息していたと、新聞等にも大きく扱われていました。 竹内 吉蔵博士がクチナガハバチを新属、新種として記載されたのが 1941 年、内藤教授 がヒダクチナガハバチを記載されたのが 1973 年、そして今回の発見が 2004 年と凡そ 30 年 の間隔です。この間この 2 種が再発見されなかったのも不思議なことです。 一方、私が取り組んでいるヒラクチハバチはと言うと、同じく竹内博士が 1939 年にこの グループのレビジョンを書かれ、ハナセヒラクチハバチ(Trichiosoma bombiforme)の記載 以降まとまった研究、報告はありません。既に 30 年の二倍以上経過してしまいました。 私のヒラクチハバチ研究は長いトンネルの中を彷徨っています。内藤教授がご在職中に作 れなかった事が残念です。コンボウハバチの出会いから 30 年を機会に、行き詰ったものを、 息詰まるような展開に切換えて行きたいと思っています。 胡蝶の夢(3) 竹田 真木生 月日は百代の過客とか、Time flies like an arrow とか色々なことがいわれるが、 実際そのとおりである。私は 1984 年の 4 月にここに来た。今はよいワードプロセッサ ーが出来ているので、論文を書くのも用意になったが、この頃は手書きまたは手打ちだ ったから、隔世の感がある。えらそうなことをいっている教師の残した卒業論文は、今 から見るとみすぼらしいこと甚だしい。私の卒業研究というものは、湿式の情けない紫 64 色をしたものしか残っていない。私が 4 年生の頃に、ローレンツ、ティンバーゲン、フ ォン・フリッシュの 3 人がノーベル賞を取り、行動学 Ethology というものが、世の中 を席巻していた。私の卒業論文はトビイロウンカの配偶行動というもので、そのとき新 しい個体をうるため、4 時間おきに集団から、新成虫を収穫する必要があったので、夜 も 4 時間おきにサンプリングをしていたときに、羽化リズムというものがあることに気 付いた。何事にも小さな魁というものはあるのである。今、分析器なども大変性能がよ くなり使いやすくなった。昔は、カラムなども自分で作り、いつ終るのかわからないバ ッファーを待ちながら、夜の更けるまでいろんな議論とも、ぼやきともつかぬものを、 同じような立場の学生とグタグタとかき回していたものだ。われらは皆若く、今気がつ くとあの頃から積み重ねてきた年月が何だったのだろうという、はなはだ頼りのない自 己評価に直面させられる。 そうこうしているうちに、内藤教授の定年退職の年になってしまった。学科の中に も自分がはじめてここに来たときからの人は、もう中村さんだけになってしまった。そ の中村さんは今や、学部長である。一緒に酒を飲んで気炎を上げる時間ももう彼にはな い。桃井先生も安原さんもなく、そうこういっているうちに、今年は農学部校舎も改築 で、いれものまで昔が消えてしまう。すべてのものの半減期がさらに半減し、モノも制 度も人の心もどんどん移ろっていく社会をわれわれは作りあげてしまった。 神戸に来てから、いろんな人といろんなところに行った。桃井先生とはフィリッピン のパラワン島に行った。北の方はライ病患者の収容施設,南の方はモロ解放戦線というイ スラム系の反乱軍の支配地で、全島がマラリア感染地域であった。マニラから入植した人 たちが焼畑をやり、無残な森の後があった。満月の夜、シロアリの大群が飛び立って行く さま、イネの大害虫であるクロカメムシの大発生(ライトとラップが重みで倒れた)など 今でも鮮明な記憶が残っている。マルコス政権の崩壊の前年であって、正常ははなはだ しく不安定で、マニラには大きなホテルがいくつも煤にまみれていた。オウナーが自分 で火を付けて保険金を取ったのだそうだ。 安原さん、高須さんとは、メコン・デルタを尋ねた。フェリーに乗って、九頭龍の ようなメコンの支流を渡って行くのは、“ラ・マン”の映画そのものであった。ダラッ トの高地に行く途中、黄昏のゴムのプランテーションでスィーピングしたが、後でコブ ラを食しているとき、件の毒蛇はゴム園にいると聞いた。そういう事は早く言っておく べきだ。薄明の草むらをむちゃくちゃにスィーピングして中を何度も覗き込んだからだ。 このプランテーションもカトリーヌ・ドヌーブの“インドシナ”の映画そのものだった。 熱帯雨林にはたくさんの蝶が舞い、コーヒーの白い花の丘を車で駆けた。ベトナムの留 学生トラン君はインドシナ半島で 2 つのプロジェクトを成功させ。国民的英雄以上の、 インドシナ半島レベルでの有名人だそうだ。ココナッツプランテーションを救った偉人 だそうだ。 神戸大の 90 周年記念に、理学部田村隊長、内藤副隊長で四川省にいったのは天安 65 門事件の翌年であった。天安門事件の年に行く予定であったが、座り込みは長く続き、 結局軍隊が出た。四川省のキャンプは中国人民解放軍の兵舎であって、急流の両脇にが がたる山がそびえ、雨が降ると滝になり、道も流れてしまうから、不安定この上ない道 を、下に堕ちたトラックの残骸、上に雲をみながら進む。二郎山という山の懐で、シロ シタアゲハ、キシタアゲハやシボリアゲハなどの乱舞とハネナシコオロギに初めて遭遇 した。人民解放軍であるから、小さな体育館サイズのトイレも完全に解放されている。 穴ぼこにすわり、強い酒と辛い四川料理の感覚をもう一度思い知らされながら、サイホ ンのついたハナアブが悠々と目の前を行進するのを眺めながら、同じ行為を分かち合う 仲間と、挨拶が出来るようになるのに数日が必要であった。到着の直後から、ドクター・ ナイトーは人が変わったようになって、ハバチを取り捲っていた。ただとるだけではな く、それを片っ端から染色体観察のプレパラートにしてゆく。日本鬼子という言葉があ るが、夜遅くまで作業に取り組む、Dr.ナイトーの目には青白い炎が燃えて、私を鬼 かとたじろがせた。四川省の旅は私も若かったので、私に非常に強い印象を与えた。今 は世界遺産になった、九塞溝や黄竜といった信じられないような不思議な世界にもふれ、 エコロジーの本当の勉強も出来た。今でも大変感謝している。 私たちは、世代も違うし、育ってきた環境も違う、性格も大分違うところがあり、 意見が一致しないところも多々あった。それでも、毎日職場で顔をあわす仲間として、 職場の中では、色々な問題について議論し、一致する方がはるかに多かった。神戸大学 もかなり大きな変革期を通り抜けてきたが、その中で、共にその移り変わりを見てきた し、相談し一緒に色々なことをやってきた。この長い年月の意味は重い。何しろ女房・ 子供よりはるかに長い付き合いだから。大学も本当に忙しくなってきたが、それが本質 的な発展に結びついているかどうかはよくわからない。これからどんな風に変化してい くのか、ここからでは見えない部分があまりにも多い。また改組があって、また変わる。 どのように?誰もはっきり未来を語ることがない、あるいは語れる人がいないのが問題 である。 前号からの 3 年間は、私の研究・教育者生活の上でも、最も充実した期間であった と思う。意欲に燃えた若い優秀な人材に恵まれた。特に、助手やポスドクの人たちの奮 闘の元に、ドクターコースの学生もがんばって、いろいろな研究成果が生まれた。ここ 数年、それなりの国際雑誌に年に10報ほどの論文が発表されている。研究にはお金も かかるが、若い人たちには出来るだけそのような心配をかけないようにがんばってきた つもりではあったが、いつもうまくはいかない。不自由をかけたところは詫びるが、そ の苦労もおそらく自分がその立場に立つようになれば分ってくれるだろう。分らなくと もそれでよい。若者は年寄りを乗り越えていかなければ進歩はないのだから。彼らなり の考えで進めばよい。ただ、傲慢になってくれるなよと祈る。失敗してもそこから学べ ばよい。ただ傲慢になったらそこで進歩は止まる。 最近、合唱をやっている。色々な効能がある。まず、物理的なもの。それは大きな 66 声を出すことである。結構なエクササイズになるのである。生理的にも関節を動かすと、 呼吸や循環が活性されるのだそうだ。第2に、目のエクササイズになる。早いパッセー ジをインテンポで追いかけて行く事は、脳にかかわる運動になる。歌を覚えることも記 憶の訓練に良い。次に心理的な作用がある。面倒くさい事務手続きに追われて、疲労す るとき、気分転換に非常に良い。また、合唱団の色々な人々と違う団結原理で付き合う のも面白い。専門の音楽教育を受けた人の話はまた面白い。バッハをジャズで歌ってき ちっと合うという様なこと、また、ソリストや指揮者のパーソナリティに触れることが 出来るのも面白い。たった一つのコメントが人を変え、音楽をかえる。魔法のようなコ メントそのものを味わうことが出来る。自分の主張を押し付けずに、それぞれの人の良 いところを引き出して、そしてひとつのハーモニーを作るのは大変な仕事だ。コンダクタ ーも色々いて、色々な指導が面白い。自分なら如何するだろうかということも考える。 この 3 年間にインドシナ 3 国(タイ、ラオス、カンボジア) 、ケニャ、マダガスカ ル、中国、台湾を訪ねた。アフリカの自然も忘れられないが、一番衝撃的だったのは、 カンボジアだ。タイのコンケンであった国際野蚕研究会から流れたものだが、はじめは 各地で昆虫食を堪能した。しかし、カンボジアでは戦争の傷跡が尋常ではない。手や足 や、目のない人々が沢山いるだけではない、動物園のマレーグマでさえ地雷を踏んで手 がなかったりするのだ。世界で一番淡水魚の種類が多いというトンレサップ湖をジェッ トフェリーで進んだ。アンコール遺跡もジャングルの中でポル・ポト軍の拠点であって、 死の匂いが染み付いている。アキ・ラーという日本人のような名前の個人が、罪を悔い て地雷博物館を開設している。あらゆる国々のあらゆるサイズのあらゆる形の地雷があ った。世界中がカンボジアの人々の血を吸った。血と白骨と硝煙を吸った大地でコオロ ギを採集した。感情というものが灰になって行くような感じがした。何より慄然とする のは、このような殺戮が子供によって執行されたということだ。もう戦はやめなければ いけない。あらゆる種類の戦は犯罪である。それは人の心も環境も破壊する。 環境といえば、この 3 年間には地球的に大災害が頻発した。Erwin のいるスマトラ 沖の津波、パキスタン地震、レイテの土石流、フランスの熱波。ケニヤ山の雪は溶け、 黄河は涸れ、アラスカでは凍土が溶けて、村が海に落っこちている。ハリケーン・カト リーナという大蛇がニュー・オーリーンズを飲み込んだ。JICA の研修には、キリバス やツバルなどの大洋州からも来たが、彼らの国はやがて水没し、ベトナムでも3,30 0万人、インドネシアでも2,700万人の住居や土地が水没してしまうという。九州 もかなり水没する。戦争などしている暇などないはずなのに。 何とかしなければいけないが、なかなか何とかするのも難しい。アチェにランドク ルーザーを送る計画や、プノンペンにゴミ収集車を送る計画も途中まではいったが、 色々な障害があって最後に実現できなかった。パキスタン地震の後、上の娘も街頭で募 金を呼びかけたが、彼女の方が目に見える成果を挙げたのはわれながら情けない話であ る。 67 季節の良い週末に作用町の田舎の苫屋に通っているが、一昨年の台風の残した傷跡 も尋常でない。一抱えもあるヒノキや杉が一面、私の禿げ頭みたいになぎ倒されてしま った。平福の宿場の後の白壁の家も漆喰が無残に吹き飛ばされて情けない姿になってい る。嵐で倒された杉の木の下で鹿のほとんど完全白骨死体も見つけた。鹿ですら、この 大災害はよけられなかったのだろう。鹿の背骨は人間のサイズぐらいで、背骨をぶら下 げて道に出てきたときに遭遇したおじさんはきっとたまげただろう。日本は大丈夫とい うような事は、考えられないが、大学の改組案に真剣にそのようなことを考慮した形跡 は全くない。従って、入学試験の学科別のランキングも下がる一方だ。「一丁、風力発 電機でも立ててやろうかな」などと考えるが、これも一基1500万円もする。せめて、 野蚕と、ゼフィルス、クワガタの森を育てようと、どんぐりを植え苗を作っているが、 なかなか育たないし、山に植えても鹿が食う。これを防ぐのに金網をつけたら今度は、 馬鹿なヤママユが一杯ついて枯らしてしまう。何をやっているかわからない、三途の川 原の営みである。苫屋の方は、長野県で道の駅長もやり、村会議員を妻に持つわが卒業 生、吉田屋(創作家具)主人洋介君の奮闘努力の甲斐もあり少しづついわゆるアメニテ ィを高めているが、何よりもその前のタンボにタガメが3000個体も棲んでいる、真 夏には沢山のキリギリス、梅雨明けには夥しい蛍の群舞、裏の畑の葱坊主にはウスバシ ロチョウが来る自然と静けさが宝である。オオムラサキも熊鷹もいる。一人で静かに飲 む酒はつい度を越して、行き着くところをわきまえないが、たった一人の闇の中、何を していてもかまわない。隣には墓場だけ。きっと幽霊が、酔っ払いにつきあって踊って いることだろう。 こうして、胡蝶は、酔っ払い、夢をみては羽ばたいて、どこへ行くのか、飛んで行 く。付き合ってくれた人々にはこの3年間の人生をありがとう。何とかこうして生きて こられた。この3月が終ると沢山の人がここを出て行くが、この3年間をふりかえった ら、本当に楽しい日々しか思い出されない。どうぞまたここに戻ってきて欲しい。いつ か墓場の幽霊が、あるいは、かのキナバル山のしゃれこうべが手を引っ張りに来るまで に。 2006・3・10 永富昭先生を偲んで 永 田 健 二 昨年突然の忌報にびっくり、元気な姿しか思い浮かばない先生。教室ではわれわれ学 生は野外で採集や調査に出かけ午後帰還、解剖したり標本を作ったり、がやがや喧しく していても、書棚の後ろの席で文句一つ無く静かに仕事をされていました。学舎で先生 68 のスタンダードは胸まである長靴がっしりした若者姿で篠山川に水性シギアブの生態 の調査に出かけられていたのが印象に残っています。物静か我々話しに行かないとほと んど無理に指導しないやさしい先生でした。大学の近くの官舎で我々悪ガキをよく呼ん で夜遅くまでの酒宴は大変愉快であったが幼かった娘さん達には大変迷惑であったと 思います。 扇の山に麓から1日歩きづめで開拓村に到着、原始林での採集や生態観察、治外法権で 宿舎の主人が捕獲したイワナをごちそうになったり、別天地での自然の恵みにふれた採 集旅行はいつ会っても先生が良かったねまた行きたいと、笑顔でおっしゃっていて、共 通の思い出になっていました。私の中でも扇の山で見かけたハエの白キョウ菌で死んだ 姿は後に生物防除薬の開発に入ろうとしたきっかけにもなったと思います。私たちは先 生とは3年の時の1年のつきあいでしたがもっと長いような気がします。 35年に写した写真には珍しくスーツにネクタイ、鹿児島大学に栄転のときだったので しょう。鹿児島大学教授で赴任されてから教室を訪ねたことがありますが、若々しくや はり山を歩く話が多かったです。忙しい中、鹿児島に出来たばかりの水族館の案内と、 昔を語り合ってお酒を酌み交わした懐かしい良き思い出が残っています。 なべぶたむし(1999.5)には先生のエッセイが掲載されていますが何か哲学的 で、先生の中に解らない別天地があったり、楽しませ、和ませる何かがありました。年 賀状で 「今年こそは自分の好きな研究をやらなきゃ」とまたくるような気がします。 永富先生、天国でゆっくり自然観察を楽しんでください。 ざれごと(41-53) 永冨 昭 市川顕彦様 お便りまことに有り難く拝受しました。 九月いっぱい北京にいました。本の中の必要なところコピーしています。しかし全部を 69 コピーして居らず、必要なところ出て来ましたらまたお願い致します。御厚情ただ感謝致 します。 十月色々ごたごたしました。十一月から再生を期します。 どうでもホソムシヒキをまとめたいと思っています。ミズアブの追加種もたくさんあり ます。 御愛想のため狂歌なるもの同封します。おわらい下さればと思います。 2002 年 10 月 21 日 ざれごと(41) 七十路またも正月早いこと 数の子と小芋黒豆酎(チュウ)一杯 今年こそ我が身を立てんと改まる 初入日あしたがあるさ横になる 往訪も来訪もなし松の内 元旦やお天道様は変わらない 元旦や自称十九は通らない 初夢や夢中説夢と古仏言い 北国や雪が溶ければ跳ね回る 南国や雪が積もれば跳ね回る 外は雪内に埋(ウズ)み火一等ぞ 雪女回(メグ)り合わずに七十路 ざれごと(42) 自転車や主(アルジ)は何処ぞ凍(イ)てて待つ 自転車や錆(サ)びつつ走る年の暮 自転車やきききき云えり師走坂 自転車や鬼(オニ)の主(アルジ)と師走行く 自転車やパンクが文句師走行く バイシクル文明開化師走行く ◇ 豪邸や星霜十年ただの家 ただの家がらくた充満年の暮 もの探しこれも生き甲斐年の暮 忘れ物出て来た至福年の暮 ざれごと(43) 70 永冨昭 尋(ト)め行きて戻らぬ春を嘆かばや 追懐や花蜜(カミツ)の如し立ち尽(ツク)す 懐旧や花の下につ侘(ワ)び尽す ◇ 鳩(ハト)ぽっぽよちよち歩く花に酔う 川蝉(カワセミ)や美神雷神躍動す 燕(ツバメ)飛べば柳(ヤナギ)小川も満足す 電線に燕一団野分(ノワキ)過ぐ 秋晴れや鳶(トンビ)滑空プロの業(ワザ) 秋深しモズの高鳴き宙を打つ 秋深し塒(ネグラ)を探しカラス鳴く 「鴛(オシドリ)に美を尽してや冬木立」((蕪村) ざれごと(44) 入道雲得意と共にひろがりぬ 夕立や得意しぼみてなくなりぬ 入道雲唯我独尊うそぶかむ 夕立や路傍一石洗われる ◇ 分け入ればよどみせせらぎ河鹿(カジカ)声 初夏(ハツナツ)の潮騒枕(シオサイマクラ)小宿かな ◇ 来無跡去無方 凡夫流転大聖所脱 無常仏性有常善悪一切諸法分別心 月明に満船空(カラ)で帰らばや 死に花や壁落ち十六学せしむ 死に花や門無く四面学せしむ 死也全機生也全機と脱落(トツラク)す 死の生に相対するなし枯れ葉っぱ 右八首正法眼蔵道元花 ざれごと(45) ものの種子(タネ)どれも力が溢れける 団栗(ドングリ)や烏帽子(エボシ)着用挨拶す 団栗や大粒小粒山豊(ユタ)か 71 小豆(アズキ)赤深沈の色見直しぬ 黒大豆重厚にして底光る 大豆(ダイズ)白真珠に似たり言い過ぎか 菱の実(ヒシノミ)の角吹くときや威を払う 武骨かな蚕豆(ソラマメ)見せるたたずまい 没個性これもまたよし西瓜(スイカ)種子(タネ) 籾米(モミゴメ)や荒装束(アラジョウゾク)に活入る 精米や裸の高貴漂(タダヨ)わす (日野草城) 「ものの種子(タネ)にぎればいのちひしめける」 ざれごと(46) 大作や願えどできず七十秋 木枯し(コガラシ)や間違いばかりわが無能 春国やただ待つばかりわが無策 春や模糊(モコ)諦観(タイカン)無芸(ムゲイ)無為(ムイ)となる 臆病か泥を被(カブ)らず春過ぎる 慎(ツツ)しみか泥を被らず春過ぎる ◇ はかなさは見果(ミハ)てぬ夢か夏の夜 覗かばや初夏の深淵(シンエン)ざんぶりと 下らばや夏のアマゾンどんぶらこ 踏み入らむ夏山深し道細し 夏の虫千変万化分かれける 被造物(ヒゾウブツ)千変万化夏を行く されごと(47) 迫真(ハクシン)の菱餅(ヒシモチ)の絵や空きっ腹 「画餅不充飢(ワヒカフジュウキ)」(とかけて次の三句と説く) 悪止(ヤ)めよ衆善励(ハゲ)め春の慈雨 「諸悪幕作衆善奉行(ショワクマワサシュゼンブギョウ)」 春浅しわれは何者実存す 「是什麼物恁麼来(シシモブツインモライ)」 涅槃(ネハン)西(ニシ)発心(ホッシン)修業脱落(トツラク)す 「吾常於是切(ゴジョウオシセツ)」 右四句正法眼蔵道元花 72 ざれごと(48) またやったこの抜作奴(ヌケサクメ)夏は来ぬ またへまだ何をしとるか夏は去る 慰め(ナグサメ)に独り言(ヒトリゴト)あり秋の暮 しかれどもやがて喜寿来る冬の旅 有り難や涅槃(ネハン)西風(ニシカゼ)吹きまする ◇ 笛はよし踊るは恥ずかし夏の夜 笛に乗り浮かれて仕舞う夏の夜 「祭笛(マツリブエ)吹くとき男佳(ヨ)かりける」(橋本多佳子) ◇ 早春や臼杵石仏(ウスキセキブツ)笑み給う ◇ 新緑や菊池渓谷白瀑布(バクフ) ひばり鳴く大観望や草の原 ざれごと(49) さて飲むか憂えは長し夜も長し(即出) 飲めば愚痴自慢弁解夜長人(即出) くだ巻けば誰も横向く春の夜 夏の夜くだ巻く代りわが狂歌 春の夜傍迷惑(ハタメイワク)かわが狂歌 ◇ うりずんの西表島(イリオモテジマ)世界一 山の辺に春日傾く仲間(ナカマ)川 ◇ 春の市八重山焼の獅子の面 春の市雌雄一対獅子の面 春の市異彩を放つ獅子の面 春の市とうとう買った獅子の面 春の市買ってよかったシーサー面 ◇ 虫探(サガ)し今日は何処(ドコ)まで行けるやら 夏の野や目と足老化虫居らず ◇ 「世にふるもさらに時雨(シグレ)の宿りかな」(宗祗) 73 世にふるもさらに不作と時雨かな(永冨昭) ざれごと(50) 人生白昼夢 夢が真(マコト)か実(マコト)が夢か 夢と現(ウツツ)は一つで同じ 「浅き夢みし酔ひもせず」 ◇ 得意も夢ぞ 失意も夢ぞ されど口惜(クチオ)し酔生夢死(スイセイムシ)か 「浅き夢みし酔ひもせず」 ◇ 老残敗残(ハイザン)風寒し 妄執いまだ捨てられず 走熟未開花いかんせん 「浅き夢みし酔ひもせず」 ざれごと(51) ゴキブリの風貌原始刻印す ゴキブリや太古の姿そのままぞ ゴキブリや人家侵入暖と食 ゴキブリや動けば反射打たれける ゴキブリやかくも嫌われ茶の間夏 ◇ 公園や下草手入れ木は疎(マバ)ら シャアシャアが車騒音(クルマソウオン)圧倒す シャアシャアに背骨直立起床する クマゼミの時雨(シグレ)の朝や風涼し クマゼミの雄叫び(オタケビ)貰(モラ)い不老とす 「やがて死ぬ気色(ケシキ)は見えず蝉の声」(芭蕉) ざれごと(52) ガマ鳴く理源(ミナモト)遠し根は深し 脛(ハギ)白し久米(クメ)仙人の通失(ウ)せる 秋鹿が女の下駄(ゲタ)に集(ツド)うとか 74 大衆も女人の髪(カミ)につながれる 男(オトコ)なら花思うべし寝(ネ)もやらで 情なや玉の盃(サカヅキ)底のなき 春深し逢わで止みにし憂さ思う 春深しあだなる契りかこつかな 春深し遠き雲井を思いやる 張りなるぞひとり明かさん長き夜 張りなるぞ偲(シノ)び明かさん長き夜 右の諸句徒然草の兼好(ケンコウ)道 ◇ ゲーテ殿七十の春成らぬ戀 ゲーテ殿早乙女(サオトメ)思いわれ忘る 秋深しマリイエンバアトの悲歌とかや ざれごと(53) 秋機上天地一瞬大移動 鶴渡来産めよ殖やせよ賑やかに 北帰行安着祈るまた会おう さようならまた会えるかな今年秋 「この盃を受けてくれ。 ・・さよならだけが人生だ。」(井伏鱒二) ◇ 七十秋飛来(ヒライ)飛去(ヒコ)してここにいる 黒髪が僅か残留霜となり 何したか嘆くは癪(シャク)だ秋の暮 秋の暮開き直るの器量なし 漂(タダヨ)わん波のまにまに秋の暮 秋の暮我起我滅とは申すまじ 秋の暮法起法滅古仏言い 「流れ行く大根の葉の早さかな」(高浜虚子) 哀悼、柴 毅君 浅野 博信 柴さんとの思い出といえば、まじめに討議したとか、勉強会をしたとか、そん なアカデミックな思い出は皆無やね。 まず入学時に「六甲は俺の庭やから、何でも聞いてくれ」ってとっても頼りに 75 なることを言いながら、飲みすぎて前後不覚になり、阪急の駅から家に電話し て家族に迎えに来てもらったな。別の日にボーリングに行った時は、道すがら 「アベレージは 180 はいくで」と言うわりに、実は 2 ゲームの合計やった。そ んなんやから「六甲を知ってても自分は知らん」とか皆に言われてたね。海外 の旅行先から「○○日に帰国予定」って書かれた絵葉書をもらったときは、す でに帰国してたり・・・。 社会人になって時々東京に出張の折には飲みに行ったけど、〆のラーメン屋で も「やっぱ東京の醤油ラーメンは旨い!」って舌鼓。 ・・・でもとんこつやった よな、あの店。 とにかくでかいことばっかり言ってたけど、それでも皆お前のことは好きやっ た。飄々とした生き様には、ある意味尊敬に値するものがあった。まだまだい ろいろあるけど、それぞれ大切な思い出やから、大切にしたいと思う。 最後になったけど、ご冥福を心から祈る。あの世では心おきなく好きな○年物 の洋酒でも飲んでくれ。 のたり博士の冒険(7) あるとき、のたり博士はマダガスカルに来た。このサツマイモのような島の西 岸中部にモロンダバという町がある。反対側 は、モザンビークで、この海峡に、太古から シーラカンスという巨大な魚が沈んでいる。 76 蒸し暑い夏の夜、博士は半覚醒状態で、ある いは半死半酔状態で、禿げた額に飛んでくる ハマダラカを叩きながら、この魚の深海でゆ っくり遊泳する姿を夢見たのだった。さっき まで、昼寝をする豚のように情けない格好を して眠りこけていた、のたり博士も何かを見 たくなったときには、別人になる。鼻毛との 境も判然としない、だらしない口ひげも怒り 狂った猪の背のように逆立ち、眼にはゆらゆ らと燐光が揺れるのだった。こうなったらも うとまらない。やにわに起き出して、群がる ハマダラカの中を、クロロキンもメファロキ ンもかまわず、マラリアには泡盛が良く効く のだと、科学者らしからぬ信念で、漆黒の闇 の中を浜辺に出た。のたり博士の周りにはい つも幽玄というか、摩訶不思議というか、神 がかりのような雰囲気がみなぎっている。 浜辺に出たら、そこには、椰子の木が何本も倒れていた。しかもその幹は中空にな っている。なんぞ、ゾウムシかタマムシの仲間が発生して髄のところを、穿孔したもの と見える。のたり博士は、そこでしめたと手を打った。やにわに、ポケットから細い紐 を取り出し、何本もの中空の椰子を結びつけた。何を始めるのかと思いきや、やにわ海 に入っていくではないか。やがて首のところまで水に入ると頂の方を口にくわえた。そ のまま何事もなかったように、どんどん進んでいくと、とうとう禿げた頭が水に沈んだ。 やがて 1 時間くらいたっただろうか。この椰子のシュノーケルは見る間に南京玉簾のよ うに連結されて、長い長いパイプラインのようになっていた。一体、何本の椰子が何百 メートル連なったのかは誰もわからない。何しろ満天の星の下ではあれ、漆黒の闇の中 で行われた作業であったから。漆黒の闇の中であったが、このモザンビーク海峡の海は 豊かだった。夜光虫や、蛍烏賊は勿論ありとあらゆる不思議生物が、赤やら青やら黄色 やらの蛍光を発して、海の底の世界は明るかった。動物も植物も皆光っている。感心し て見とれていると、低周波のうなりのようなものが腹の皮膚を振るわせた。水は音声的 信号の媒体としてはあまり良いものではない。しかし、セタシア=鯨の仲間のこと=が それによって交信している様に、不可能ではないのである。見ると向こうの方からシー ラカンスがゆったりと遊泳してくるのが見える。しかも、大きな群れである。群れを構 成する個体は皆、蛍光色が違う。色々な発振音も聞こえる。群れの中心には幼生がいる。 つまるところシーラカンスは社会性動物であったのだ。のたり博士は何語でも話す。こ の辺の言葉ならマラガシーやスワヒリというヒトの言葉は勿論、動物言葉も苦もなく分 77 る。シーラカーンス語は南アフリカのアフリカーンス語に似ていた。魚もあくびをする らしい。これは、呼吸中枢の必然的な調節機構から、非言語的コミュニケーション手段 に転化したのだという説がある。だから、あくびはうつるのだ。魚語とヒト語のチョム スキー的統一理論である。とまれ、最初の挨拶は「ジャンボ」(=こんにちは)という スワヒリ語に似ていた。博士は、「マンボ」と答えたらそれで正解だった。どの道、魚 とヒトのコミュニケーションなどマンボ・ジャンボの世界だ。しかし、シーラカンスの 親方は、口から長い椰子の南京玉簾を伸ばしている不思議な生物、ヒトに少しも物怖じ せず、最近、平和な深海の世界にも、潜水艦や機雷のような変なものが現れて、時々仲 間が衝突の交通事故を起こしたり、塵や、汚染物質を流し込んできたりして棲み難くな ったこと、内分泌撹乱物質のせいで、シーランカンスの世界にも不妊症や多動児が増え ていること、などを訥々と語った。 この、蛍光の夢のような世界にまでヒトという動物は悪虐の限りを尽くしているの を聞いて、のたり博士は古酒のアルコールと潜水病がごちゃ混ぜになって吐き気を催し た。思わずシュノーケルを離して、泡を吹いたら、「そーらあかんす」という音に聞こ えた。もう少し行くと、建物が見えた。何か竜宮城のようだった。リュウグウノオトヒ メノモトユイノキリハズシ(=アマモのこと)という日本で一番長い植物の名前を持っ た海草も不思議な蛍光を放っている。ははん、竜宮上はモザービーク海峡にあったのか と思ったとたん、戸が開いた。中から、老婆が現れた。玉手箱を持っている。オットセ イの顔をしていた。乙姫が老けたのだった。さて、オット姫も海中の出来事を心配なさ れていた。海の生き物が一同に会して相談し、今年は警鐘のために、日本海へエチゼン クラゲの大部隊を派遣することが決定された。さてそうやって、日本海にやってきたエ チゼンクラゲの平和の使い達は、日本海沿岸にすむヒトに平和のメッセージを渡せただ ろうか?日本人はクラゲ語を理解できないし、クラゲのほうもちゃんと説明できず浮い ていることだけしか出来なかった。のたり博士は今ここにモザンビーク海峡の底にいる。 結局、ミッションは成功せず、竜宮城とモザンビーク海峡の深海の生物は深い悲しみに 包まれただけだった。 事の次第を、聞いてのたり博士も大いに悲しんだが、後の祭り。何か少しでも助け にならないかと思って、事の次第を烏賊の墨でしたため、壜に入れて流した。やがて、 年月がたって日本海のどこかの海岸で子供がその壜を拾うかもしれない。その子供は既 に浦島太郎のようにおじいさんになっているかもしれない。その時はじめて、日本人の うちただ一人は今年のエチゼンクラゲの騒動の深い隠された意味を理解できるだろう。 しかし、その時には、誰一人今年のエチゼンクラゲの漂流を覚えていないかもしれない。 その時は温暖化が進んでいて、日本海の海岸線は東に進んでいて、北アルプスが島とし てぷかぷか浮いているかもしれない。その時には、多くの日本人はどのように生活して いるのだろう。神戸の町もそのときにはとっくに水没し、神戸大学農学部の建物もフジ ツボの殻の中にあるかもしれない。ケビン・コスナーのような鰭のある人々が泳ぎ周っ 78 ているのだろうか?生命は結局海から生まれ海に帰っていくのかという深い哲学的な 命題にとらわれた、のたり博士はいっそう深い感慨に落ち込んで行き、意識が遠のいた。 明らかに、潜水病の軍勢が勝利を収めつつあった。オット姫は、相変わらずの親切で、 シーラカンスの尻鰭に博士をつかまらせ、朝の日が昇る頃に、モロンダバの海岸に送り 届けた。 朝日とともに仕事を始めた漁師がそれを見つけ、気付けに泡盛を飲ませたところ、 潜水病はただの二日酔いに席を譲って退散した。深い眠りを寝て、目を覚ましたら3週 間が過ぎていた。何かの間違いで時間が遅れた結果、浦島はすっかり歳を取ってしまっ たが、博士の場合はちょうど良い眠りの長さであった。歴史は繰り返す。さすれば前回 はどのようなメッセージがヒトに送られたのだろうか?ヒトは何を学んだのだろう か?何もだ。なぜなら、それから何も変わらなかったから。 The story of melatonin and arylalkylamine N-acetyltransferase in insects and their roles in circadian oscillation system Jadwiga Bembenek Melatonin The output signals of the circadian clock in many vertebrate systems are transduced 79 to the synthesis and release of melatonin (MEL). Melatonin (N-acetyl-5-methoxytryptamine) is an indoleamine that is synthesized from serotonin (5-HT, 5-hydroxytryptamine) via N-acetylation catalyzed by NAT (EC 2.3.1.87) and O-methylation by 5-hydroxyindole-O-methyltransferase (HIOMT, EC 2.1.1.4). NAT (arylalkylamine N-acetyltransferase, aaNAT or serotonin N-acetyltransferase) is the rate-limiting enzyme in this process in most cases (Fig.1). Fig.1 Synthesis of melatonin from tryptophan (Trp) via 5-hydroxytryptamine (5HT or serotonin). Serotonin N-acetyltransferase (NAT) converts 5HT into the rate-limiting product for melatonin, N-acetylserotonin. Melatonin is then synthesized from N-acetylserotonin by the enzyme Hydroxyindole-O-methyltransferase (HIOMT or acetylserotonin N-methyltransferase). In vertebrates MEL is produced in the pineal gland, retina, skin and gastrointestinal tract, but rhythmic synthesis occurs only in the pineal gland and the retina (Cassone and Natesan, 1997). MEL is an endocrine signal of night period and the amount synthesized serves as a timer that in some cases control seasonal physiology (Coon et al., 1999). In vertebrates studied to date, whether it exhibits nocturnal or diurnal pattern, MEL is synthesized in the pineal during the night period and rapidly released into the blood stream. The rhythmic synthesis in the pineal is under a control of SCN the suprachiasmatic nucleus (Simonneaux and 80 Ribelayga, 2003). In contrast, MEL in the retinal functions as a paracrine signal within that tissue to enhancing retinal functions under low light conditions (Coon et al., 1999). MEL was detected not only in vertebrates but also in unicellular organisms as cyanobacterium, Spirulina plantensis and dinoflagellate, Gonyaulax polyhedra (Hardeland et al., 1995) as well as in various invertebrates such as planarians (Itoh et al., 1999), prawns (Withyachumnarnkul et al., 1992; Agapito et al., 1995) or the aphid, Acyrthosiphon pisum (Gao and Hardie, 1997), primarily in optic tissues or nervous tissues. In most vertebrates, MEL is synthesized during dark period, while in invertebrates the time of MEL synthesis varies (Hardeland et al., 1995). Some lack a clear-cut rhytmicity such as a crustacean, Carcinus maenas (Vivien-Roels and Pevet, 1993) while others exhibit a diurnal rhythmicity such as the crayfish, Macrobrachium rosenbergii (Withyachumnarnkul et al., 1992) and D. melanogaster (Hintermann et al., 1996). Nocturnal rhythms have been reported in the silk worm, Bombyx mori (Itoh et al., 1995a) and the damselfly, Ischnura verticalis (Tilden et al., 1994). In insects, Vivien-Roels et al. (1984) first identified MEL in the compound eyes or brain of Locusta migratoria by GC-MS, followed by Finocchiaro et al. (1988) from D. melanogaster by RIA. MEL was found in P. americana by immunocytochemistry (Takeda et al., 1988), Gryllus bimaculatus by HPLC-FD (Itoh et al., 1994), Trichoplusia ni by HPLC-ECD (Linn et al., 1995) and I. verticalis and Enallagma civile by RIA (Tilden et al., 1994). However the function of MEL in insects is not well understood. Finocchario et al. (1988) have shown that MEL influences reproductive behavior in D. melanogaster since the injection of MEL into the female decreased mating kinetics and egg laying ability. MEL modulates cerebral glucose metabolism in Pieris brassicae (Isabel et al., 1997). Coto-Montes and Hardenland (1999) have shown a protective role in the aqueous phase of cellular compartments by preferential suppression of oxidative damage of proteins in D. melanogaster. MEL in drinking water synchronized both entrained and free-running locomotor rhythms in the cricket, Acheta domesticus (Yamano et al., 2001). We have reported that MEL is present in the brain (BR), retina (RT) and hemolymph (HM) of P. americana and that their contents fluctuate with a periodicity of about 24 hours and that the rhythm persists in DD conditions when measured at midday and midnight (Bembenek et al., 2005a). In vertebrates pineal MEL is released to the circulation system and delivered to peripheral and central structures where it binds the receptor. First melatonin receptor (MT) was localized and characterized by Vanecek et al. (1987) that was isolated from 81 dermal melanophores cell lines of Xenopus (Ebisawa et al., 1994). Since then several MTs were cloned from different species and classified as three subtypes (MT1, MT2 and MT3). Among these three subtypes, the MT1 is the most widely expressed (Wiechmann et al., 1999). It has seven transmembrane domains linked to the trimeric G-protein-adenylate cyclase system (Reppert, 1997; Simonneaux and Ribelayga, 2003). In mammals, brain MTs are localized in the SCN where MT1 mediates circadian effects of MEL. In rodents, MTs are localized in the hypothalamus that regulates reproduction (Reppert, 1997). The RT is another site of MT expression where it may play a role in circadian regulation of retinal functions (Wiechmann et al., 1999). Non-neuronal sites containing MT include the pars tuberalis (PT), a site involved in photoperiodic responses (Reppert, 1997). We have cloned first MT in insect class from the brain of P. americana and recently we are analyzing the distribution and its properties (Bembenek and Takeda, 2006b). In mammals seasonal alternations of photoperiod induce parallel changes in MEL content at night. MEL in turn seasonally triggers the endocrine system controlling reproduction (Vivien-Roels et al., 1997; Simonneaux and Ribelayga, 2003). Recent evidence suggests that a circadian clock localized in the mammalian hypothalamus may integrate circa-annual rhythms (Simonneaux and Ribelayga, 2003). Changes in photoperiod affects the MEL profile primarily in duration or/and amplitude of the nocturnal peak. The duration of the nocturnal MEL serves an important endocrine parameter of seasonal information in many photoperiodic species of vertebrates. However the following questions remain unanswered: where and how photoperiodic information is transduced to MEL synthesis? The mode of MEL action in vertebrates is explained in three different models (Simonneaux and Ribelayga, 2003). The “duration hypothesis” postulates that the range of MEL during the dark period informs organism of the length of night. The “coincidence model” correlates the timing of MEL peak with sensitivity of target organs. The “amplitude model” assumes that amplitude of MEL is a function of dark period length (Linn et al., 1995; Simonneaux and Ribelayga, 2003). The assumption that biogenic amines like MEL are involved in controlling of the photoperiodic clock in insects is based on circumstantial evidence. In insects endocrine regulation of diapause has been explained in terms of juvenile hormone (JH) and prothoracicotropic hormone (PTTH) synthesis and release in most cases. The release of PTTH could be under direct control of ciracdian clock. Upstream regulatory mechanisms of induction, maintenance and termination of diapause are only partially understood. 82 It is believed that the immediate cause of pupal diapause in Lepidoptera is the lack of PTTH synthesis in the brain and the failure of prothoracic glands to secrete ecdysone (Denlinger, 1985). In the absence of ecdysone, adult development cannot proceed. PTTH is produced in neurosecretory cells in the brain and transported via the corpora cardiaca (CC) and released from the corpora allata (CA) under the control of photoperiodic signals (Denlinger, 1985). Findings of Richter et al. (1999) that MEL stimulates the release of PTTH in P. americana are particularly instructive. The authors have shown that co-incubation of MEL with the brain and prothoracic glands caused an increase of ecdysteroid secretion from the gland of P. americana. Changes in ecdysteroid released were dose dependent on MEL. Hodkova (1989) showed that exogenous MEL produced a short-day effect in Pyrrhocoris apterus. Sauman and Reppert (1996b) have shown immunohistochemically that PTTH- and PER-expressing cells are juxtaposing to each other at the lateral protocerebrum in A. pernyi. The authors stated that those cells must communicate for circadian control of PTTH release. From our observations we know that PER and NAT-like antigens were colocalized eg. in the CA, release sit of PTTH. Vafopoulou and Steel (2001) have also shown that PTTH is released from the brain complex in cyclic manner with pronounced peak during scotophase in Rhodnius prolixus. In Rhodnius, PER- and TIM-immunoreactive cells are adjacent to the PTTH expressing cells and histochemical reactivity to both antigens periodically fluctuated in phase. The authors also stated that PTTH synthesis in R. prolixus was regulated by circadian system localized in the protocerebrum. Photoperiodically mediated processes involve a complex system which is only partially understood. Timing of diapause determination may depend on photoperiodic time measurement, which contains circadian system as an important element. MEL could be the critical gear for the regulation of insect diapause. N-acetyltransferase (NAT) NATs constitute a large family of enzymes in organisms belonging to a wide range of taxonomic groups. They transfer the acetyl moiety of the acetyl-CoA onto a substrate. In vertebrate arylamine- and arylalkylamine-N-acetyltransferases are so named after their preferable substrates. Arylamine N-acetyltransferase (aNAT) found in the liver and gut has a role in detoxification of xenobiotics (Weber, 1987). On the other hand, arylalkylamine N-acetyltransferase (aaNAT) is a key enzyme in biosynthesis of MEL to provide its immediate precursor, N-acetylserotonin from serotonin (5-HT) and the activity is subject to the circadian control (Fig.1). 83 aaNAT in insects is involved in many physiological functions such as the formation of N-acetylated catecholamines and phenolamines, that are used in sclerotization of the cuticle and puparium formation (Smith, 1990), the inactivation of neurotransmitters (Dewhurst et al., 1972), the acetylation of 5-HT leading to MEL synthesis (Whitaker and Goosey, 1993; Hintermann et al., 1996) or in the regulation of metabolism of pesticides. NAT activity has been also detected from developing eggs to adult in different organs and hemolymph of the cricket, Gryllus bimaculatus (Itoh et al., 1998a; 1998b). Itoh et al. (1995a) reporting day-night changes in MEL level and NAT activity in the head and HE of B. mori, found similar profiles between the activity of NAT and MEL content. NAT activity was relatively high during day time which makes NAT rhythm less prominent than MEL rhythm. Hintermann et al. (1996) failed to observe a parallel change between NAT and MEL content in Drosophila. The lack of rhythmicity in NAT activity maybe due to the overlapping in activities of different enzyme isoforms with different phase relationship since several NAT genes had been reported to occur in the genome of D. melanogaster. In D. melanogaster, rest deprivation is associated with an increased expression of aaNAT1b which is functionally related to AST (arylsulfotransferase) (Brodbeck et al., 1998; Cirelli, 2002). In rats AST is induced after several days of sleep deprivation and can be indicator of sleep lose. AST can be responsible for homeostatic response to the uninterrupted activity of the noradrenergic central system. In Drosophila mutant (Datlo), aaNAT1b transcript and the enzymatic activity are depleted. Flies homozygotous with Datlo, compared to the wild type, show prolonged rest rebound after rest deprivation. Those results suggest that accumulation of monoamines in the brain may trigger sleep homeostasis (Cirelli, 2002). Based on broad spectrum of activities, due to multiple amine substrates, different chromatographic behaviors, kinetic characteristics and different pH dependency we suggest that several NAT isoenzymes or different NAT genes are present in P. americana (Ichihara et al., 1997; Asano and Takeda 1998; Sakamoto et al., 1998; Asano et al., 2003). Ichihara et al. (1997, 2001) have provided evidence for at least two isoforms of NAT in distinctive tissues of P. americana. Changes in NAT activity in the P. americana BR and RT may regulate the cycle of MEL level since both rhythms free-ran in phase and continued in DD in phase (Bembenek et al., 2005a). Our results show that the phase relationship between MEL level and NAT activity in P. americana is consistent with that of mammals (Bembenek et al., 2005a). Acrophases of these rhythms occurred during dark, and rhythmicity in MEL measured by RIA was clearer than that in 84 NAT enzymatic activity. NAT activity in the RT was not significantly higher at night. The possibility that HIOMT may regulate MEL level in stead of NAT cannot be ruled out. NAT may be involved in insect reproduction. Female reproductive success depends on the production of eggs, reception and storage of sperm, synchronization of events that lead to fertilization and oviposition. Reproductive organs in insects have two parts: the gonads and accessory glands. The ovary has a number of ovarioles in which oocytes accumulate yolk during the vitellogenesis. The accessory (or collaterial) glands secrete materials to form ootheca in P. americana. The glands consist of two asymmetrical structures. The bigger left gland produces oothecin, a protein with a high concentration of protocatchuic acid glucoside and phenol oxidase, substances affected by juvenile hormone (JH). The smaller right one contains glucosidase which generates free protocatechuic acid from protocatechuic acid glucoside, but the activity of this enzyme is not affected by JH (Nijhout, 1994). Juvenile hormone, or in some cases ecdysteroids, regulates the vitellogenin synthesis in most insects. Some additional agents like allatostatins or EDNH (egg development neurohormone) or substances released from the ovary may affect reproductive cycle. We measured NAT activity in the ovaries and the collaterial glands. Radioenzymatic assay showed high activity in the left glands and lower activity in the ovary (Asano et al., 2003). The autors reported the N-acetyltryptamine, a product of NAT enzyme could be involved in oocyte maturation and proposed the presence of distinctive NAT isoforms corresponding to different pH and substrate specificity. Determination if the NAT activity is under control of JH is of particular interest. Ichihara et al. (1997) have purified NAT from the testes of P. americana by column chromatography that gave a single band on SDS PAGE. The predicted size of NAT was 28 kDa with pI of 6.0. Ichihara et al. (1997) determined partial amino acid sequences derived from proteolytic fragments of the NAT thus obtained. Using these sequences to design degenerate primers, we have cloned a full-length cDNA encoding this NAT (Bembenek et al., 2005b, 2006a). Cloning and regulatory analysis of NAT in insects The cDNA encoding aaNAT was first cloned from rat in 1995 Borjigin et al. (1995). Subsequent cloning of NAT in sheep (Coon et al., 1995), human (Coon et al., 1996), monkey (Klein et al., 1997), mouse (Roseboom et al., 1998) and hamster (Gauer et al., 1999) gave an insight to possible functions of NAT. In mammals, aaNAT genes code for one transcript of about 1.0 to 1.7 kb depending on the species. The genes are expressed in several tissues such as the pineal gland, RT, SCN, testes and ovary (Simonneaux and 85 Ribelayga, 2003 and ref. therein). In vertebrates aaNATs constitute a superfamily of 150 members of approximately 23 kDa proteins with 80% homology at the amino acid level (De Angelis et al., 1998). The N-terminal amino acid sequences of aaNAT (residues from 1-27) have been observed to diverge from species to species. Supplementary amino acids show conservation especially in two regions called motif A (a putative acetyl-CoA binding domain) and B (an arylamine binding site) that are classified under superfamily of A/B or GCN-related N-acetyltransferases (GNAT family). These motifs may participate in substrate binding or the catalytic process of transacetylation. Brodbeck et al. (1998), cloning aaNAT from the abdomen of D. melanogaster, have concluded that at least two genes exist in this species. Amherd et al. (2000) have pointed out the possibility of other genes encoding proteins with a structure similar to NAT. Based on a genomic library from D. melanogaster, additional candidate sequences of NAT were proposed. We have cloned a full-length cDNA encoding an N-acetyltransferase in P. americana (Bembenek et al., 2005b, Bembenek et al., 2006a)). NCBI search showed homology with several NAT families from bacterial strains, yeast, D. melanogaster and vertebrates. To our knowledge, only dipteran NATs have been submitted to GenBank; namely D. melanogaster NAT1 that encodes the enzyme of 275 amino acids with predicted molecular size of 31 kDa, and D. melanogaster NAT2 that encodes 216 amino acids with the size of 24 kDa (Hintermann et al., 1996; Brodbeck et al., 1998; Amherd et al., 2000). We have cloned NAT from A. pernyi and found NAT1 and partial NAT2 from B. mori registered in data base. The level of homology among insects is much lower than among other organisms or vertebrates. The highest homology was found between two lepidopterans A. pernyi and B. mori NAT1 and between two dipterans D. melanogaster NAT 1 and A. gambiae NAT1 (60.9 %). NAT of P. americana showed the highest homology with A. mellifera (47.7 %) and A. gambiae NAT1 (42.4 %). The homology between A. pernyi and B. mori was as high as 79.7 % where both genes encode the enzyme of 261 amino acids with calculated molecular size of 29.59 and 29.55 kDa for B. mori and A. pernyi, respectively. Whitaker and Goosey (1993) have partially purified NAT from Musca domestica by gel filtration chromatography. The authors purified NAT and obtained internal amino acid fragments which were aligned with P. americana NAT amino acid sequence. In P. americana two domains (motif A and B) each consisting of ca. 15 amino acids were found in tandem which was conserved. In addition three highly conserved regions (C/c-1, D/c-1, D/c-2) were identified (Bembenek et al., 2005b). These regions distinguish members of aaNAT subfamily (Coon et al., 1998). Alignment of deuced 86 amino acid sequences among insects shows significant homology (Fig.2). A high degree of similarity among proteins characterized as NATs exists in motif A (which is structurally similar to multiple nucleotide-binding sites) and as Coon et al. (1995) suggested, it can be a credible identifier of an acetyltransferase superfamily although aaNAT represents a separate family from the rest that diverged later in evolution (Coon et al., 1995). These regions could be of basic importance to the function of NAT and further study should be carried out to clarify the structure-activity relationship. Four putative phosphorylation sites in P. americana NAT include consensus sites for CK1 and CK2, CaMK II or PKG, which were well aligned with the phosphorylation sites for Drosophila NAT1 and additional putative sites for PKA or PKC, CK 2 and PKA or PKG were also found (Bembenek et al., 2005b). Protein kinase A (PKA) sites may be involved in a rapid inactivation of NAT as in vertebrates NATs (Coon et al., 1995). Translational, co-translational and post-translational regulatory mechanisms can function through these sites, as proposed by Bernard et al. (1997). Especially the PKA sites may be engaged in MEL production as it is observed in primates and rats where PKA is involved in posttranscriptional control of aaNAT proteolysis via cAMP-operated PKA/14-3-3 binding switch (Coon et al., 2002; Simonneaux and Ribelayga, 2003). The chaperon protein 14-3-3 binds to NAT with the ratio of 1:1. This protein-protein interaction may yields a stable complex that can change conformation of the enzyme by unfolding the binding sites for substrates. The phylogenetic analysis based on the amino acid sequence shows that NAT isolated from the testes of P. americana belongs to the NAT family forming a distinctive cluster of insects NATs. However, the position of P. americana NAT between dipteran and lepidopteran NATs does not reflect a proper phylogenetic relationship, which may suggest the presence of other hidden isoenzyme genes. NAT isolated from fish (zebrafish, Danio rerio; pike, Esox lucius; trout, Oncorhynchus mykiss) and birds (chicken, Gallus gallus and quail, Coturnix coturnix) form a cluster with Xenopus laevis. Human NAT forms a distinctive cluster with other mammalians NATs such as rodent’s (rat, Rattus norvegicus and mouse, Mus musculus) bovine NAT (Bos taurus) and ovine NAT (Ovis aries). The branch lengths among the NAT members are longer among insect groups, showing that those NAT proteins diverged more rapidly and that the split of vertebrate and insect lineages occurred at an early stage in evolution (Bembenek et al., 2006a). In vertebrates, aaNAT gene encodes the key enzyme in the MEL synthesis pathway. The gene is organized in three introns and four exons. A bipartite promoter has been revealed as an essential in stimulation of NAT transcription; first one is a CRE/CCAAT complex and the second 87 a cAMP-response element CRE which is situated in a first intron (Baler et al., 1999).Those intronic elements appear to play a critical role in limiting NAT expression. Chong (2000) has showed that in poultry orthologs of CYC/CLK stimulates NAT mRNA transcription by binding to the E-box of NAT gene. We showed the colocalization of NAT-like and CYC-like antigens in the cephalic ganglion of B. mori (Sehadova et al., 2004). We showed that most cells share the reactivities but a small number of neurons showed only one antigen. We also showed that of the NAT containing neurons only form pair of dorso-lateral neurons and one pair in the frontal ganglion. The reactivities to the anti-NAT antiserum can thus be classified into three types: (1) NAT containing neurons without any association with CYC-related transcription regulation, (2) the neurons showing both NAT-like and CYC-like immunoreactivities, (3) the neurons showing five clock related proteins. The neurons of the first category are probably not related to the regulatory element of the circadian clock output pathway, but to some other biological regulations. The second type NAT expressing cells may share the same mechanism of NAT activation as in chicken. Moreover, Bembenek et al. (2005a) examined the PER- and N-acetyltransferase (NAT)-like expression in the brain of cockroach P. americana. We detected colocalization of PER- and NAT-like antigens in limited cells of the pars intercerebralis and dorsolateral region of the brain. Furthermore the immunocytochemical reactivities were observed in the pars intercerebralis against melatonin, serotonin and HIOMT-like antigens. This zoomed up the role of melatonin and NAT as downstream regulators in the circadian clock and photoperiodic clocks as in vertebrates (Bembenek et al., 2006a). NAT activity in the brain of vertebrates is regulated both by transcriptional and posttranscriptional mechanisms (Li et al., 1998). During the night time noradrenalin (NE) binds to β-adrenoceptors of pinealocytes, which stimulates the production of cAMP and Ca2+ influx. An increase of adenylate cyclase activity stimulates NAT gene transcription, post-transcriptional regulation and maintenance of the enzyme in an active form. cAMP-signaling pathway is mediated by a family of transcription factors binding to CRE (cAMP-response element). cAMP-dependent factors as: CREB (CRE-binding 88 89 Fig.2 Comparison of amino acid sequences of the deduced aaNAT from insects. protein), CREM (CRE modulator) and ICER (inducible cAMP early repressor) posses basic domain/leucine zipper motifs and bind as dimmers to CRE (Foulkes, 1997). The cAMP binds to protein kinases (PKA) regulatory sites and releases its catalytic site, which phosphorylates threonine or serine residues of CREB. The CREB binds to CRE that has a consensus sequence of RRXT/S. CREB acts as transcription factor. The cAMP signaling pathway thus up-regulates NAT transcription, while NAT promoter is repressed by ICER (Foulkes et al., 1996a; Sassone-Corsi, 1998a; Maldonado et al., 1999). In D. melanogaster CREB2 cycles with 24-hour periodicity, both under LD cycle and in DD (Belvin, 1999). A Drosophila mutant in CREB2 gene showed an abnormal circadian rhythm (Belvin et al., 1999). It is proposed that dCREB2 supports cycling of PER/TIM oscillator in the neural tissues of fruit fly. NAT protein has very short half-life of around 3-5 minutes, and so has the NAT activity. NAT gene transcription is turned off by phosphorylation of CREB. Differences in the transcriptional, translational and post-translational mechanisms were observed in the nocturnal increase of NAT activity and the amplitude of the increase. Diversities were also seen in the regulatory pathway of MEL synthesis among different species in vertebrates. Circadian oscillation has been studied intensively for three decades, mainly in vertebrates. Here we focused on N-acetyltransferase, a key enzyme in MEL synthesis. We showed the central role of MEL and NAT in the output system in insects circadian system as it is in the vertebrates system. A comparison between the role of NAT and MEL pathway between the two phylogenetic lines may give a new insight to the evolution of biological clock system. For references see: Asano H, Bembenek J, Takeda M., 2003. Multiple forms of arylalkylamine N-acetyltransferase (NAT) from cockroaches female collaterial glands and activity changes during oocyte maturation. Comp. Biochem. Physiol. 134A (4), 795-803. Bembenek J., 2004. Structure and regulatory mechanisms of circadian and photoperiodic clocks in insects with special references to indoleamine metabolic pathway. Ph.D Thesis, Kobe University, 127 pp. Bembenek J, Sehadova H, Ichihara N, Takeda M., 2005a. Day/night fluctuations in melatonin content, arylalkylamine N-acetyltransferase activity and NAT mRNA expression in the CNS, peripheral tissues and hemolymph of the cockroach, P. americana. Comp. Biochem. Physiol. 90 140 B (1), 27-36. Bembenek J., Sakamoto K., Takeda M., 2005b. Molecular cloning of a cDNA encoding arylalkylamine N-acetyltransferase from the testicular system of P. americana: primary protein structure and expression analysis. Arch. Insect Bioch. Physiol. 59 (4), 219-229. Bembenek J., Tsugehara T., Ichihara N., Takeda M., 2006a. Arylalkylamine N-acetyltransferase in insects and its regulatory role in circadian oscillation. In: Trends in Entomology; Research Trends: Poojapura, Trivandrum, India, 0, 000-000 (In press). Bembenek J., Takeda M., 2006b. Cloning, expression and functional analysis of melatonin receptor from the brain of Periplaneta americana (In preparation). 91 Molecular mechanism of circadian clock in two cricket species, Dianemobius nigrofasciatus and Allonemobius allardi 邵奇妙 Abstract The circadian clocks are regulated by the proteins Period (PER), Doubletime (DBT), cycle (CYC) and CLOCK (CLK) in their core oscillators and the photosensitive Cryptochrome (CRY) in the mechanism of clock setting to the photoperiod. Immunoreactivities demonstrated that homologous proteins referred to as PER-ir, DBT-ir, CYC-ir, CLK-ir and CRY-ir were presented in the cephalic ganglia of the crickets Dianemobius nigrofasciatus and Allonemobius allardi. The two closely related species exhibit circadian rhythms in locomotor activity and respond to seasonal changes in photoperiod. However, differences in the distributions of studied antigens indicate divergence in the importance of two time measuring systems: a pacemaker in the optic lobe receiving light input from the retina and a clock in the central brain associated with the CRY protein. In the optic lobes of D. nigrofasciatus, PER-ir and DBT-ir were co-localized in three groups of cells sending fibers over the frontal medulla face to the inner lamina surface, revealing functional linkage to the compound eye. CLK-ir also looks likely co-expressed with PER-ir and DBT-ir although doublelabelling cann’t been conducted because of the short of the antibody. Only one of these groups was found in the optic lobe of A. allardi; additional two pairs of PER-ir cells occurred in position similar to the location of the CRY-ir cells in D. nigrofasciatus. Several groups of PER-ir cells were found in both species in the brain. The pars intercerebralis brain region also contained DBT-ir and CRY-ir cells only CYC-ir and CLK-ir were found in the suboesophageal ganglion (SOG) but in A. allardi most of the DBT-ir, considerable CRY-ir staining, CYC-ir and CLK-ir were found in the SOG. The proximity of perikarya and similar course of the PER-ir, DBT-ir and CRY-ir fibers from the pars intercerebralis to the contralateral retrocerebral glands indicated functional interactions among 92 the cells expressing these clock components.PER, DBT, CRY, and CYC antigens were always found only in the cytoplasm, without apparent circadian oscillations or correlations to the daylength that controls morphogenesis, nymphal developmental rate, and embryonic diapause in the examined cricket species. However, in some study, CLK-ir showed nuclear localization at ZT16 (4 hr after light off) in the madibula neuronmere region of the SOG, while in other 5 time points it shows no oscillation and no nuclear staining. References: Shao Qi-Miao, Hana Sehadová, Naoyuki Ichihara, František Sehnal, and Makio Takeda, 2006. Immunoreactivities to Three Circadian Clock Proteins in two Ground Crickets Suggest Interspecific Diversity of the Circadian Clock Structure. Journal of Biological Rhythms (In press). 93 「つくばでの研究生活」 D1 前野 浩太郎 自分は大学の研究室にはほとんど顔を出さずにつくばの農業生物資源研究所でバッタの相変 異について研究しています。先生をはじめ研究室のみんなと大学生活をほとんどおくれていな いのはさみしくて切なく、枕を毎日濡らす日々が続いていますが、つくばでなんとかやってい ます。 こちらでは、アフリカ、中東アジアに分布しているサバクバッタや日本でお馴染みのトノサ マバッタを中心に飼育、研究しています。彼らの見せるおもしろい現象として混み合いに反応 して体色や形態を変化させる相変異が挙げられます。低密度下で育ったバッタは緑色をしてい ますが、高密度下では黒にオレンジの目立った体色になります。また高密度下で発育すると翅 が長くなり長距離飛翔に適した形態になります。自分はどのようなメカニズムで相変異が制御 されているのかに興味を抱いて研究をしています。 バッタの研究でしんどいのは密度効果を調節するために単独飼育をする必要がある点です。 バッタを単独で、しかも大量に飼育するのはキツイです。飼育容器と広い飼育室、それにバッ タの食欲を支えるための大量の餌である草の安定供給が重要になります。うちの研究チームに はこのニーズに応える装備があり、飼育室が4つ、飼育容器は足りなくなることがないくらい いっぱい、そしてイヌムギ、オーチャードグラス、サトウキビ、ソルガム等をテニスコート4 面分ほどの圃場で栽培管理しています。ここの研究所は日本一のバッタ飼育の装備があります。 装備だけではなく、お世話になっている田中誠二さんは世界一のバッタ研究者です。 大好きなバッタの研究をしている幸せな自分にも大きな悩みがあります。実はバッタと毎日 戯れていたら、バッタアレルギーになってしまったことです。彼らが体に触れるとジンマシン が出現してしまう嬉しくない特異体質になってしまいました。餌換えをした後の自分の腕は大 小さまざまな赤い点でアートされた芸術品になっています。なにげにカユイ。でも 20 分もする となにごともなかったかのように腕は元に戻ります。彼らが時折口から出す茶色の液体はより 強くジンマシンを引き起こすことが最近の餌換えから明らかになりました。長袖を着れば問題 解決なのですが、バッタの飼育室は 32℃と高温のため北国育ちの自分にはたえがたい環境にな っているので半そでスタイルを余儀なくされています。今日も明日もジンマシン。ジンマシン が研究することができる喜びを表現しているんだなと思ってこれからもがんばっていきたいと 思います。 94
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