Repor t ビル経営管理のエキスパート資格実用性の高い「ビル経営管理士」ビル経営管理のエキスパート資格としての「ビル経営管理士」が注目を集めている。公的資格としての側面を持ち、大変実用性の高い資格である。「ビル経営管理士」の意義と実務上の利点について、行政及びビル経営管理士の方々に伺った。ビル経営管理士の公的資格としての役割ビル経営管理士登録証明事業は、不動産特定共同事業法において国土交通大臣の登録証明事業として位置付けられており、ビル経営管理士などの資格者を事務所に設置することが不動産特定共同事業の許可要件となっております。また、REITの資産運用会社が取引一任代理等の認可を取得する際の認可要件の基準にもなっており、さらに、総合不動産投資顧問業の登録要件の一つとなっていることから、金融商品取引法上の不動産関連特定投資運用業の登録を取得する際に利用できる資格としても位置付けられております。不動産証券化商品は仕組みが複雑であり、各国土交通省土地・建設産業局遠山英子氏種のリスクを内包しているため、投資家に対して適切に説明することが必要なこと、市場の動向、物件の収益見通しについての的確な判断を踏まえ、物件を適切に管理・運営していくことが必要なことから、これらの業務の管理監督者としてビル経営管理士などの資格者を事務所に配置することで、不動産証券化商品に係る事業の適正を担保し、投資家保護を図る趣旨です。ニーズの高い専門家ビルマネジメントの世界では、空室率については改善のきざしがみえているものの、賃料単価や賃貸条件の設定では、あいかわらず苦戦を強いられている現実があり、また、テナントからはますますビルにとって難しい要望が出されるようになっています。さらに、東日本大震災を経て、賃貸借契約との関係でも、耐震性は重要な問題になりました。ビルの経営には、いまや極めて高い専門性が不可欠になっています。エリアの特性や時代に応じて社会が求めるサービスを、的確に把握し、提供しなければなりません。そしてリーシングの現場で、厚い知識と経験を生かし、テナントニーズを弁護士渡辺晋氏くむ工夫をし、また、ビルの安全性を確保すべく広く活躍しているのが、ビル経営管理士です。ビルに関する高い専門性をもつ人材はとてもニーズが高いことを考えると、ビル経営管理士にはこれからさらなる活躍が期待されます。ネットワークづくりが可能に従来からリーシング業務に携わっておりますが、仕事柄、オーナーと同等以上の貸ビル知識が求められます。様々な勉強機会を求めましたが、最も役立ったのがビル経営管理士の勉強です。貸ビル経営の実務全般を理解できたことは、営業に大いに役立ちました。ビル経営の実務を把握していれば、テナントに対しても、賃料だけでなく、ビル管理の良さをアピールする営業が可能になりますし、また、土地の取得や設計コンペを担当した時は、勉強で学んだ知識が大いに役に立ちました。ビル経営管理士になって良かったと思った点は、「日本ビル経営管理士会」という資格者の会があディック・エンタープライズ増田富夫氏り、ビル事業者の方々と様々なネットワークを図れる点です。「日本ビル経営管理士会」に入会すると年４回機関誌が送付される他、セミナーにも無料で参加することができ、ネットワークづくりにも大変役立っています。有意義な「ビル経営管理講座」不動産事業において適切な判断を行うにあたっては、経験に加えて体系的なビル経営に関する知識が必要不可欠であり、知識を習得する手段としてビル経営管理講座を受講し、ビル経営管理士を取得したことは非常に有意義だったと感じています。講座テキストは、ビルの企画から運営まで、幅広い範囲が網羅されており、且つ体系的に整理されていたので、日常担当している業務は勿論、未だ経験したことのない業務についても学ぶことができました。私自身未だ業務経験が浅い一方で、必要な不動産関連知識は多岐に渡るため、実務に則したテキストは非常に参考になりま三菱地所商業施設業務部白石沙弥氏した。スクーリングの内容も、事例に即した分かり易い内容で、非常に興味深いものでした。ビル経営の観点は、商業施設事業を含むあらゆる不動産業において有用であり、今後益々様々な事業でビル経営管理士が求められると思います。ＰＭ業務のプロフェッショナル資格不動産の資格はいろいろありますが、ビル経営管理士は、ビルの企画から賃貸営業及び管理運営に至るまで、ＰＭ業務のプロフェッショナルにあたる資格と言えると思います。また、最近では、安全で安心なビルの需要が増えており、ビルの管理を担うビル経営管理士の役割は高まっているように思えます。ビル経営管理士の試験対策としては、日本ビルヂング経営センターが行っている「ビル経営管理講座」が有効です。お蔭様で評判が良く、受講生も増えている状況です。講座修了生には、記述試験が免除される（300点満点で30点加算）という特典もあります。ビル経営管理日本ビルヂング経営センター山田清裕士が管理するビルは資産価値の高いビルであることをもっとアピールする必要がありますし、「ビル経営管理士」そのものを広めていく必要もあると思います。ビル経営管理講座の受講生及びビル経営管理士試験の受験者がますます増えることを期待しています。 Japan Building Management Institute