12 月の特集「神話が放った物語たち」神話と、神話に影響を受けた作品 ☆多読マラソン参加者へ記録用紙の提出期限：12/3(土) 賞品：抽選で10名に後日お渡し。（英国ウォーカーズ社のショートブレッド） ☆冬休み前の特別貸出 12/7スタート図書8冊まで雑誌5冊まで英語多読5冊まで返却期限：1/21(土) ☆大学入試問題（国語）頻出著者の本を「評論対策コーナー」に展開中。国語力・思考力を鍛えるためには､まず評論から。自分の価値観・思考の枠組みを脱構築しよう！鷲田清一、内田樹、養老猛、ほか 12/19(月)～22（木）蔵書点検のため、閉館します。貸出返却も停止。今月の時事の棚「PKO 国連平和維持活動」 1992年のカンボジア派遣からはじまった自衛隊の PKO 活動は､歴史的転換点を迎えた。昨年9月に成立した安全保障関連法により､新任務として追加されたのが､「駆けつけ警護」と「宿営地の防護」。11/20､新任務を付与された陸上自衛隊が南スーダン PKO に派遣された。従来との違いは､自らを守るという武器使用の一線を越え､任務を遂行するための武器使用が可能になること。まずは､よく読んで知ろう。そして､考えよう。ギリシャ・ローマ神話、北欧神話、ケルト神話、インド神話、ペルシャ神話、日本の神話･･･。世界の神話に共通点は？「進撃の巨人」のモチーフになった神話は？「Tuesday」の語源になった神話は？意外と身近に感じる神話の世界ルーン文字の刻まれた岩、冒頭の写真資料が凄い！『北欧神話物語』 K･クロスリィ-ホランド /山室静･米原まり子訳/青土社ゲームやアニメの元ネタになる北欧神話。自然を反映して､勇猛で時に手段を選ばない荒々しい神々です。主神オーディン､雷神トール､戦神テュール､悪神ロキなど､神話の中でどう描かれているかご注目。人間を守って世界をよきものにしたい神々､対して､世界と人間を滅ぼしたい巨人たちがせめぎ合います。巨人との戦いに備えて知識を得ようとオーディンは旅するが､その行いそのものが世界の破滅･最終戦争ラグラロクを近づけるものだったとは！世界観・キャラクター・雑学など解説の決定版『図解北欧神話』池上良太/新紀元社北欧の宇宙は九つの世界と一本の世界樹ユグドラシルで構成されていたという。神々の住まいのアースガルズや巨人の世界ヨトュンヘイムなど北欧神話の世界がイラスト化されてイメージしやすい。実は､この FFILES シリーズ､コラムの内容が本格的で好評。キリスト教流入後の北欧の神々は､神の座から転落し､魔物や妖怪のように物語られるようになったとは興味深かった。時の都合により神話が後から書き換えられるということは､どの神話にも共通する。ファンタジーの源流不滅の名作『ホビットの冒険』J･R･R･トールキン/岩波書店『指輪物語』 J･R･R･トールキン/評論社『ホビットの冒険』は､指輪物語の前日譚。小人のビルボが､物語の重要なアイテムである指輪を手に入れ､その指輪に助けられながら邪竜スマウグから財宝を取り戻す話。続編の『指輪物語』【 12 月の開館スケジュール】通常開館（平日）9:30～18:30、（土）9:30～14:30 ◆12/5～/7･･･17:45 閉館 ◆12/19～22､25～1/9 休館では､その邪悪さから指輪を捨てに行くことが物語の柱になります。指輪を譲り受けたフロドが指輪を狙う冥界の王と戦う､ビッグスケールの指輪戦争へと突入。大人向けの本格ファンタジーだからか､敵は竜よりも邪悪な冥王やオークにスイッチし､人間の内面の部分の闘争に焦点があたっています。長編なので､余韻を楽しみながら北欧神話の雰囲気も探しながら壮大な世界を旅してみてください。（以上千葉）「歴女」「古事記ガール」が増殖するかも!？『阿刀田高の楽しい古事記』阿刀田高/角川書店日本の成り立ち､神々や天皇のことが書かれた日本で一番古い書物「古事記」。歴史の授業で学んだ古事記は確かそんな程度だったはず。なんとなく理解していたつもりの内容も本書を読んでびっくり！神様も恋愛し､嫉妬し､情けなかったりとっても人間的。1300年も昔にかかれたものとは思えないほど共感できる内容と､作者が旅した古事記縁の地の紀行文のおかげで､「古事記」がとっても身近に感じられますよ。神々と人間が融合された世界観にひきこまれる！『空色勾玉』荻原規子/徳間文庫神々がまだ地上にいた古代日本を舞台とした本作は「空色勾玉」「白鳥異伝」「薄紅天女」と勾玉が時代を超えて続いていく３部作の第一弾。闇の一族の巫女として生まれた狭也のシンデレラストーリーかと思いきや､不老不死､輪廻転生を折り込んだ壮大な物語です。美しい背景描写と幻想的な運命の恋を存分に堪能してほしい！古事記･日本書紀をベースに書かれているので､知らなくても楽しめるけれど知っているともっとおもしろいハズ。クトゥルフ神話の入門書に! 『図解クトゥルフ神話』森瀬繚（編著）/新紀元社怪奇小説家ラヴクラフトによって生み出され､その後多くの作家によって綴られた「ｸﾄｩﾙﾌ神話」の世界を､ｷｰﾜｰﾄﾞの解説と図解で分かり易く紹介しています｡ｸﾄｩﾙﾌ神話には膨大な固有名詞が登場するので「途中でわからなくなった」「辻褄が合わない」などよくあると思われるのですが､これはそんな時とても役立つ! 普段は絶対にしない「解説を先に読む」こともｸﾄｩﾙﾌ神話においてはアリかも｡小説やゲームからこの神話に興味を持った人には特にお薦め!（以上梅谷）早稲田大阪学園図書館発行 №30 2016.12.1 とっても古くて､とっても新しい！『ギリシア神話 (図解雑学)』豊田和二 (監修) /ナツメ社ギリシア神話をリサーチする際に頼りになったのが本書です｡膨大な数の神々の系図､逸話、成立当時の近隣世界の情勢や社会制度までわかりやすく簡潔に書かれています｡ギリシア神話は､長い年月伝承されていく中でさまざまな人々の解釈や想像によって成長･変化し続けました｡そして､創造力の豊かさ､神々の人間味あふれる面白さといった多様な魅力は､現代でもファンタジー小説やゲームに多用され､進化し続けています。ギリシア神話といえば星座でしょ？『星空散歩ができる本北半球版・南半球版』Ｍ・Ｄ・ハイフェッツ, 松森靖夫･編訳/恒星社厚生閣オリオン座やさそり座など88星座の内､半分以上はギリシア神話にまつわるものです｡原型は紀元前3000年頃に､メソポタミアの人々によって作られ､それがギリシアに伝わり､星座と神話の登場人物が結びつけられるようになったといわれています｡本書は､天体望遠鏡を使わずに指と手だけで星々の距離や角度を測って星々をたどり､楽しみながら星座の位置関係がわかるようになっています｡寒さが増し夜空の星がきれいに見える季節になります｡ペルセウス､アンドロメダを見つけてください｡オリンポスの神々が現代に!? 『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々盗まれた雷撃』リック・リオーダン, 金原瑞人･訳/ほるぷ出版主人公パーシーは､ある時突然､ギリシア神話の神々の息子の一人であると告げられる｡さらわれた母親の運命とまだ見ぬ父親への複雑な思いを抱えて､仲間のアナベスとグローバーとともに旅するパーシーの冒険の結末は? 物語は､ギリシア神話の神々やモンスターは不死身の存在であり､時代に応じて最も栄えている地域に移動し暮らしているという設定｡そして現代では､アメリカ合衆国で暮らしているという｡なんと斬新な設定！登場する神々も､神話よりもっと人間臭く描かれていて魅力的！（以上田中）