企業訪問-株式会社原宿シカゴ-

企業訪問-
企業訪問-株式会
株式会社原宿シカゴ
社原宿シカゴ-
シカゴ-
2004/10/12
“ワールド・
ワールド・ワイドな
ワイドな商材買付と
商材買付と一貫した
一貫した経営
した経営ポリシー
経営ポリシーで
ポリシーで業界トップ
業界トップを
トップを走り続ける!
ける!”
本部
●創 業:昭和51年
●資本金:1,000万円
●従業員:37名
●所在地:本部:稲敷郡東町西代703
店舗:東京都渋谷区神宮前6-31-21
米国現地法人:1211 N.Jefferson St.Louis
Mo.,63106 U.S.A.
●TEL:0299-78-3800
●FAX:0299-78-3081
●事業内容:古着販売・輸出
●URL:http://www.chicago.co.jp/
●売上げ:18億7千万円(2003.9決算期)
外4
この「企業訪問」コーナーは、製造業を中心に特色ある事業展開や製品開発等を行って
いる企業を訪問し、県内企業にとって参考となる話を経営者の方に伺っているが、今号は
製造業から離れ、古着販売業界の草分けである株式会社原宿シカゴを訪問し、専務取締役
の飯塚氏にお話を伺った。
<大手と
大手と競合しない
競合しない独
しない独自路線を
自路線を発見>
同社は、昭和51年に紳士服販売店として創業した。その後、時代の流れによりカジュア
ル衣料も手掛けるようになり、米国大手衣料メーカー「リーバイス」の商品が、日本に輸
入される以前に古着として入手した同社のジーンズを店に置いたところ、売れ行きが良か
ったことから、大手販売店と競合しない古着の輸入販売に着目したという。
輸入を開始した当初は、言葉の壁もあり、依頼と違う商材が届くなど、現社長が苦労を
重ね、事業のノウハウを蓄積されたという。
米現地法人 Chicago Trading Inc
<ワールド・
ワールド・ツアー>
ツアー>
現在の仕入先の国は、直接で13ヶ国、間接で20ヶ国におよび、同氏は、年2回ファッシ
ョンの季節切替時期に米国セントルイスにある現地法人との業務打合せ、現地業者からの
情報収集を兼ねた商材買付のため、北米・ヨーロッパ・アジアを半月程で回るという。
「15日間で18回飛行機に乗りました。『ワールド・ツアー』と社内では呼ばれているんで
すよ。」と、屈託無く笑う同氏は、二日前に『ワールド・ツアー』から帰国されたばかり
である。
<現場主義と
現場主義 とレスポンスが
レスポンスが経営ポリシー
経営ポリシー>
ポリシー>
同氏にこのような激務をこなす背景を伺うと、「電話やFAXでは話にならない、商材
を実際に見て、現場の商習慣や用語を理解し、商売に結びつく情報を収集するために必要
なのである。」と語ってくれた。こうした粘り強い努力と「仕事が大変なのは当たり前、
しかし、楽しんでやりたい」と語る人懐こい同氏の人柄が相まって、世界中の取引先から
信頼され、良い商材と商売に結びつくアイデアやヒントを入手しているのであろう。こう
した苦労を経て輸入された商材は、種類選別作業等の後、一部の国内販売に向かず輸出す
る商品を除き、国内5店舗で販売される。また、同氏は社員に対し、トップの意志をスピ
ーディかつ正確に伝達するために「シンプルな伝達」を心懸けることが重要といい、中小
企業のメリットであるレスポンスの速さを具体化し組織力を高めている。
圧縮梱包された
縮梱包された輸入古
された輸入古着
輸入古着
<IT化
<IT化による経営戦
による経営戦略
経営戦略の確立>
確立>
同社本部は、当公社において産業利用を推進している「いばらきブロードバンド・ネッ
トワーク」によりインターネットに常時接続しており、VPN構築により各店舗等に設置
してあったサーバー等を廃止した。これにより,情報機器等に掛かるコストを削減した。
また、各拠点間の情報交換を円滑にするためグループウェアを導入し、会議の効率化を図
っているという。さらに、もっとも大事な商品管理にコンビニエンス・ストア等で使用さ
れているPOSシステムを導入しており、各店舗での売れ筋商品の多様化に対応したマー
ケティング情報を経営戦略に役立て、販売力が強化された。なお、同氏は、同システム導
入に当たり、知人を介してコンビニ大手の流通センターを見学し、ノウハウを学んだとい
う。これらIT化による商品マネージメントを強化した結果、通常アパレル業界では、店
舗に対するフォローは週一回程度だが、同社は、日曜日を除くほぼ毎日であるという。
<ビンテージ・
ビンテージ・ジーンズと
ジーンズとネットビジネス>
ネットビジネス>
同氏にネット販売でビンテージ・ジーンズ等が高額で取引されていることについて伺っ
てみると「当社は骨董屋ではなく、古着屋なので関係ない、違う商売ですよ。」と、市場
の違いが明確であると説明してくれた。関連して、同社がネット通販を実施していないこ
とに「画面上では、色や痛み具合等が正確に分らない、返品されても当社の商品には同じ
ものは無いのですよ。」と、扱う商品の性質を考える必要があると指摘された。さらに、
「返品禁止で実施も可能だが、必ずトラブルが生じる。リピート客を減らしてしまって
は、かえってマイナスである。」とも語ってくれた。
<今後の
今後の取り組みについて>
みについて >
同氏は、経済産業省の「繊維製品3R推進会議」の委員を委嘱されているとともに、古
着回収量増加を目的に、同省許可による「日本古着小売業協同組合」を設立するなど、環
境問題に積極的に取り組んでおり、国等に対し、できるだけ貢献したいと語ってくれた。
最後に、ファッション古着の市場規模は日本国内で1,000億円あり、最大の市場は日本
であることから、「店舗を増やし売上げを現在の2倍にしたい。」「日本の一番が世界の
一番である。」と、世界一を目指すと宣言してくれた。同社のさらなる発展と環境への貢
献に期待したい。
原宿シカゴ
原宿シカゴ福岡店
シカゴ福岡店