三重大学 基準1 1.大学の目的 1.1 大学の目的の明確化及び学校教育法上の適合状況 <評価基準> 大学の目的(教育研究活動を行うに当たっての基本的な方針、達成しようとしている基本的な成果等)が 明確に定められており、その内容が、学校教育法に規定された、大学一般に求められる目的に適合するもの であること。 (1)観点ごとの状況及び分析 観点1-1-① 目的として、教育研究活動を行うに当たっての基本的な方針や、養成しようとする人材像を含 めた、達成しようとする基本的な成果等が、明確に定められているか。 三重大学学則第1条では、「本学は、広く教養を与えると共に、専門の学芸を教授研究し、科学及び技術の発 達に努め、真理と正義を愛する人格を育成し、人類の福祉と文化の進展に貢献することを目的とする。」ことが 規定されている。この目的を踏まえ、本学の教育研究活動を行うに当たっての基本的な方針等は、「中期目標」 に明確に定めている。その内容は、基本目標として、「三重から世界へ:地域に根ざし、世界に誇れる独自性豊 かな教育・研究成果を生み出す。~人と自然の調和・共生の中で~」である。この基本目標は、本学の理想を表 現したものであると同時に、本学の基本戦略をも表現したものである。この基本目標を具現化するため、教育の 目標として、「感じる力」「考える力」「生きる力」がみなぎり、地域に根ざし国際的にも活躍できる人材を育成する こと、研究の目標として、地域に根ざし世界に誇れる独自性豊かな研究成果を生み出すことを掲げている。 中 期 目 標(抜粋) (前文)大学の基本的な目標 三重から世界へ:地域に根ざし、世界に誇れる独自性豊かな教育・研究成果を生み出す。 ~ 人と自然の調和・共生の中で ~ 「人材大国」「科学技術創造立国」を目指す我が国において、「知の創造と継承」を担う大学の役 割はますます重要化する一方で、我が国の社会経済情勢が悪化したことにともない、特に国立大学に 対して種々の批判や要求が表面化するようになってきた。このような社会的背景の中で選択されたの が、平成16年4月からの全国の国立大学法人化である。この大学法人化の基本的な視点としては、① 個性豊かな大学づくりと国際競争力ある教育研究の展開、②国民や社会への説明責任の重視と競争原 理の導入、③経営責任の明確化による機動的・戦略的な大学運営の実現、が掲げられている。 このような国立大学法人化への動きの中で、三重大学においても、三重大学独自の将来的な方針に 関する継続的な検討が鋭意なされてきた。平成11年に発足した三重大学21世紀委員会は三重大学の将 来へ向けての基本方針について検討し、長時間にわたる議論の末に平成13年に最終答申を三重大学に 提出している。加えて平成12年には三重大学運営諮問会議が発足し、学外の有識者によって三重大学 への種々の提言がなされてもいる。 さらに平成13年に発足した三重大学改革会議では、それまでの議論を踏まえながら将来構想への議 論がさらに発展的に継続され、平成13年には「三重大学の理念・目的」が制定されるに至っている。 -1- 三重大学 基準1 三重大学の理念・目的 〔基本理念〕 三重大学は、総合大学として、教育・研究の実績と伝統を踏まえ、「人類福祉の増進」「自然の中 での人類の共生」「地域社会の発展」に貢献できる「人材の育成と研究の創成」を目指し、学術文化 の受発信拠点となるべく、切磋琢磨する。 〔目的〕 (1)教育 三重大学は「感じる力」「考える力」「生きる力」を躍動させる場として、社会の新しい進歩 を促すと同時に他者に対する寛容と奉仕の心を併せもった感性豊かな人材を育成する。 三重大学は課題探求心、問題解決能力、研究能力を育てるとともに、学際的・独創的・総合的 視野をもち、国際的にも活躍できる人材を育成する。 三重大学は、多様な学生を受け入れるための教育制度を構築するとともに、学生の心身の健康 を維持・増進させ、意欲的に修学できる学習環境を整備し、学生の個性を重んじた進路指導を実 施することを目指す。 (2)研究 三重大学は、多様な独創的応用研究と基礎研究の充実を図り、さらに固有の領域を伝承・発展 させるとともに、総合科学や新しい萌芽的・国際的研究課題に鋭意取り組み、研究成果を積極的 に社会に還元する。 (3)社会貢献 三重大学は、教育と研究を通じて地域作りや地域発展に寄与するとともに、地域社会との双方 向の連携を推進する。 (4)情報化 三重大学は、学内における情報化はもとより、学術研究・地域連携・社会活動等の情報を受発 信し、グローバル社会における学術文化の起点となることを目指す。 (5)国際化 三重大学は、国際交流・国際協力の拡大と活性化を図るとともに国際的な課題の解決に貢献で きる人材を養成し、大学の国際化を目指す。 (6)組織 三重大学は、審議・執行・評価の独自性を確立し、学長のリーダーシップの下に、速やかな意 志決定と行動を可能にする開かれた大学運営と体制の整備に努める。 以上の全学的な将来構想に立脚し、三重大学改革会議が中心となって「中期目標・中期計画(案)」 を全学に提示するとともに、これに対して全学から提出された意見をこの案に反映させるという作業 を繰り返しながら、大学法人化後平成16年度から21年度に適用される三重大学の「中期目標・中期計 画」をとりまとめるに至った。 本来、目標は掲げるためだけではなく具現化するべきものである。そのためには、全構成員が日常 的にこれを共有していることがより効果的であろう。それゆえに、三重大学の基本目標は、想起しや すいように余分な言葉を省いた短い文言で表現することを考えた。その上で、この基本目標との整合 性をとりながら、それを具現化するためのさまざまな目標及び計画が具体的に策定された。 平成16年度から21年度の期間における三重大学の基本目標は「三重から世界へ:地域に根ざし世界 に誇れる独自性豊かな教育・研究成果を生み出す。~人と自然の調和・共生の中で~」という「短い 文章」(ミッション・ステートメント)にまとめられた。 -2- 三重大学 基準1 この基本目標は、本学の理想を表現したものであると同時に、本学の基本戦略をも表現したものであ る。すなわち地域圏大学として地域の特性を生かした地域連携を深めると同時に、世界に誇れる教育 ・研究活動を展開し、独自性によって本学のアイデンティティーを確立し、この地域の伝統である「人 と自然の調和・共生」を大切にしよう、というものである。 この三重大学の基本目標を具現化するという目的のために、全構成員が志を一つにして、三重大学 は心熱き飽くなき挑戦を続ける。 (略) Ⅱ 大学の教育研究等の質の向上に関する目標 1 教育に関する目標 ○(教育全体の目標) 「感じる力」「考える力」「生きる力」がみなぎり、地域に根ざし国際的にも活躍できる人材 を育成する。 ・(教養教育) 「感じる力」「考える力」「生きる力」とその基盤となるコミュニケーション力や豊かな教 養と学問の基礎的素養を学際的な広い視野のもとで育成する。 ・(学部専門教育) 「感じる力」「考える力」「生きる力」とその基盤となるコミュニケーション力を、各学部 専門領域の学究を通して育成する。 ・(大学院教育) 学際的・独創的・総合的視野を基盤にした専門的研究を通して、地域・国際社会に貢献でき る研究者及び高度専門職業人を育成する。 2 研究に関する目標 ○(研究全体の目標) 地域に根ざし世界に誇れる独自性豊かな研究成果を生み出す。 このことから、教育研究活動を行うに当たっての基本的な方針が、「中期目標」に明確に定められていると判 断する。 観点1-1-② 目的が、学校教育法第52条に規定された、大学一般に求められる目的から、外れるものでない か。 本学の目的は、上記観点①に記述したとおりであるが、学校教育法第52条に規定された大学一般に求められる 目的は、「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳 的及び応用的能力を展開させることを目的とする。」と規定している。 この学校教育法上の目的と本学の目的の内容を比較・検討した結果、本学の目的は、学校教育法第52条に規定 された大学一般に求められる目的から外れるものでないと判断する。 観点1-1-③ 大学院を有する大学においては、大学院の目的が、学校教育法第65条に規定された、大学院一 般に求められる目的から、外れるものでないか。 本学大学院の目的は、三重大学大学院学則第2条に、「大学院は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深 奥を究めて、文化の進展に寄与することを目的とする。」と規定している。この目的を踏まえ、「中期目標」に、 大学院教育の目標として、「学際的・独創的・総合的視野を基盤にした専門的研究を通して、地域・国際社会に -3- 三重大学 基準1 貢献できる研究者及び高度専門職業人を育成する。」ことを掲げている。 学校教育法第65条に規定された大学院一般に求められる目的は、「大学院は、学術の理論及び応用を教授研究 し、その深奥をきわめ、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文 化の進展に寄与することを目的とする。」と規定している。 この学校教育法上の目的と本学大学院の目的の内容を比較・検討した結果、本学大学院の目的は、学校教育法 第65条に規定された大学院一般に求められる目的から外れるものでないと判断する。 (2)自己評価結果 上記観点ごとの状況及び分析を総合的に勘案し、 本学は、 上記の評価基準を十分満たしていると判断する。 1.2 大学の目的の周知・公表 <評価基準> 目的が、大学の構成員に周知されているとともに、社会に公表されていること。 (1)観点ごとの状況及び分析 観点1-2-① 目的が、大学の構成員(教職員及び学生)に周知されているか。 教職員に対しては、本学のWebページの「学長からのメッセージ」を用いて「中期目標」等を掲載し、周知を行 うとともに、「情報公開」及び「大学紹介」ページでも閲覧出来るようになっている。また、広報誌「ウェーブ三 重大」(発行部数2,000部、学内教職員等に配布)第31号(2005年3月発行)にも、本学の目標を掲載している。さ らに、学内教職員向けに毎月発行している「フラッシュニュース」を用いて、本学の様々な活動を伝える中で本学 の目的について周知を図るとともに、各部局へは、部局連絡会議、教育研究評議会等の諸会議を通じて、各部局の 教職員への周知を図っている。 学生に対しては、「三重大学学生便覧」(発行部数3,200部、入学時に新入生全員に配布) に本学の目標を明示している。さらに各学部等に設置しているパソコン利用室等において、本学のWebページを閲 覧することが可能である。 また、「三重大学案内」(発行部数26,000部)を受験生、高校等に配布し、本学のミッション及び教育の目標 を周知している。 以上のことから、今後、教職員、特に学生に対して、大学の目的の周知について積極的に取り組む必要がある が、おおむね、周知されていると判断する。 観点1-2-② 目的が、社会に広く公表されているか。 基本的には、本学のWebページの「情報公開」及び「大学紹介」に「中期目標」を掲載し、社会に広く公表して いる。さらに、広報誌「ウェーブ三重大」第31号では、本学の目標に関して掲載している。また、本学のオープ ンキャンパス、高校進学説明会等において、本学受験生、高校等に配布している、平成18年度版「三重大学案内」 では、本学のミッション及び教育の目標を掲載し、社会に広く公表している。 以上のことから、今後とも、種々の機会を通して、本学の目的を積極的に社会に公表する必要があるが、おお むね、公表されていると判断する。 -4- 三重大学 基準1 (2)自己評価結果 上記観点ごとの状況及び分析を総合的に勘案し、本学は、上記の評価基準をおおむね満たしていると判断 する。 -5-
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