Ⅰ 計画(Plan) 【授業力向上のための個人目標】 学校の教育目標 (自分の課題) 思いやりの心を育み、自主・自立の力を培う ・ ・ 個に応じた歌声つくりへの具体的支援 学習意欲を引き出すための展開の工夫 個人の授業力向 学習意欲を引き出させ、歌声つくりへの目標を明 上目標 確にし、個に応じた具体的学習支援を図る。 目標達成のため ○ の手立て ○ 個々の児童の実態把握をする。 実態を踏まえ、個に応じた具体的技術指導の方 策を検討する。 ○ 児童アンケートをとり、児童の授業への取り組 みの姿勢や技術の習得の様子などを評価し、今後 の授業改善に役立てる。 授業実践1「まきばの朝」 Ⅱ 実行(Do) 第4学年 音楽科学習指導案 日 時 平 成 2 0 年 7 月 1 日 ( 火 ) 第 5 校 時 ( 13:55 ~ 14:40 ) 音 楽 室 2 題 材 名 歌声を響かせよう「まきばの朝」 3 題材目標 ○ 牧場の様子や情景の美しさに関心をもち、進んで歌おうとする。 ○ 情景に合う歌い方を工夫して表現することができる。 ○ 情景を思い浮かべ、曲想にあった柔らかい歌声で歌うことができる。 1 4 評価規準 観 点 関心・意欲・態度 評 価 規 準 日本の牧場の様子や情景の美しさに関心をもち、すすんで歌 おうとしている。 音楽的な感受や表現の ・ 範唱を聴いて情景を思い浮かべ、時の移り変わる様子を感じ 工夫 取るとともに、情景に合う歌い方を工夫している。 表現の技能 ・ 情景を思い浮かべ、様子や気分に合った表現で歌っている。 5 指導計画 時 学 習 活 動 指導上の留意点 1 ○ 「まきばの朝」の情景を想像する。 ○ 歌 詞 の 内 容 か ら 情 景 を 想 像 さ せ な が ・ 歌詞を見ながら、範唱を聴き、情 ら、範唱を聴かせる。 景を思い浮かべる。 ・ 音 符 の 長 さ 、 息 継 ぎ な ど を 確 認 す ○ 歌うときの注意を確かめさせる。 る。 ・ 1節目から3節目までそれぞれ時 ○ 日の出前の牧場が、時間の経過とと 間の経過と情景を話し合う。 もに人々が活動を始めていく様子を想 像できるよう支援する。 2 ○ 「まきばの朝」の情景に合う歌い方 ○ 1節ごとの情景に合わせた歌い方の 本時 を工夫する。 工夫を話し合わせる。強弱やテンポ等 ・ 1節目と2節目をグループで表現 など具体的な表現方法で考えさせる。 の工夫をする。3節目を全員で発表 ○ 低音域の部分では、柔らかい発声で する。 歌えるように指導する。 ・ 響きのある歌声で歌う。 ・ - 47 - 6 指導観 ○ 本学級児童は、男子7名、女子7名である。音楽への関心が高く、歌ったり楽器を 演奏したりすることを好む児童が多い。4年生になって歌声を意識しながら歌唱教材 に取り組む児童も増え、より響きのある歌声を目指そうと、目標をもって取り組んで い る 。 ま た 、 そ の 取 組 も の び の び と 楽 し み な が ら で き る よ う に な っ て き た 。「 さ く ら さ く ら 」「 い ろ ん な 木 の 実 」 で 声 を 響 か せ て 歌 う こ と が 少 し ず つ 実 感 で き 始 め て き た ところである。しかし個々の児童においては、元気よく一生懸命歌おうとして、響き のある歌声で歌うことができなかったり、腹式呼吸を使って歌えなかったりする児童 も多い。また、自分の課題を見つけることができない児童もいるため、曲想を表現で きる技能までには至っていない。 ○ 本楽曲「まきばの朝」は、詩情あふれる美しい歌詞で、まるで一枚の絵のような光 景を描き出している。情景を思い浮かべることによって広がるイメージや心情を歌い 方に生かせる曲である。この曲の歌詞は、時間とともに移り変わっていく場面の変化 を1節目から3節目までの三つの場面としてとらえさせると児童にも分かりやすい。 三つの場面から想像される風景の広がりを伸び伸びとした歌声で表現するのに適した 楽曲である。曲は、4分の4拍子、ハ長調の親しみやすい旋律である。音の高低差も 少なくなめらかに流れる曲である。しかし、演奏が単調になりやすく、低い音域の部 分では響きのある歌声を作りにくいという難しさがある。歌詞から受けるイメージを 意識することで曲想を工夫したり、柔らかい歌声で低音域を歌ったりすることで歌唱 技能を伸ばすのに適した楽曲と考える。 ○ 指導については、情景を思い浮かべ、曲想にあった歌声で歌わせるために、発声の 仕方や歌い方に重点をおきたい。 そこで本時では、まず既習曲で学習への意欲付けをした後、響きのある歌声を意識 さ せ る た め に 「 エ ー デ ル ワ イ ス 」 を 歌 う 。 次 に 、「 ま き ば の 朝 」 の 情 景 を 思 い 浮 か ば せながら、自分のイメージをもたせ、歌唱表現への目標をもって意欲的に取り組ませ たい。そのためには、歌詞の構成や意味を理解し、牧場のイメージをもたせることが 必要である。そのうえで今まで学習してきた歌唱技能を使って、情景を音楽にイメー ジし、表現させていきたい。広々とした牧場の中にいる自分をイメージさせ、開放感 の中で伸び伸びとした気持ちを具体的な歌声や音作りに結びつけさせたい。また、低 い音ものどに力が入らないよう腹式呼吸を使いながら、柔らかい発声で歌わせたい。 そしてイメージに合わせて歌い方を工夫することで、曲想表現するおもしろさを味わ わせたい。 7 本時の指導 (1) 目 標 ○ 情景に合わせた音楽のイメージをもち、意欲的に表現できる。 ○ 柔らかい歌声で歌うことができる。 (2) 準 備 物 掲示用歌詞 (3) 展 開 学 習 牧場の写真 の 活 動 ○指導上の留意点 ◇評価 1 既習曲を歌う。 「 お ど ろ う 楽 し い ポ ー レ チ ケ 」「 歌 よ ひ ○ 姿 勢 、歌 い 出 し 、息 継 ぎ 、口 の 開 け 方 、 びけ」等を歌う。 表情等を確認して歌わせる。 ○ 歌うときに気をつけることを確かめる。 ◇ 歌おうとする意欲が姿勢に表れている か。 2 学習のめあてを知る。 ○ 3 「エーデルワイス」を歌う。 ・ 日本語の歌詞で歌う。 ○ - 48 - 歌い始めの歌声をイメージさせる。 ・ ・ ・ ・ 3拍子のリズムを意識する。 歌い始めの発音に気をつける。 息継ぎや音符の長さを確かめる。 強弱やフレーズの抑揚をイメージする。 ・ 英語の歌詞で歌う。 4 ・ 「まきばの朝」を歌う。 歌詞の言葉を意識しながら歌わせる。 ○ 1小節1拍子のリズム取りを体で味わ わせながら歌わせる。 ◇ 曲の山を感じ取り、表現の工夫をしな がら柔らかい歌声で歌うことができる。 (技能) ○ 英語の歌詞でも表現が変わらないよう に曲の山を感じ取り、表現の工夫をしな がら柔らかい歌声で歌うことに気を付け させる。 ○ 低い音域は、口の開け方やのどに力を 入れず柔らかい声で歌うことで響きのあ る歌声になることを指導する。 ・ 1節から3節まで、それぞれの場面につ ○ 前時に話し合った内容や写真を参考に いてイメージを確かめる。 イメージをふくらませる。 ・ イメージに合わせた歌い方について話す。○ 1節と2節はグループごとで3節は全 (強弱、テンポ、歌い始め、終わり等) 員で話し合って発表させる。 ○ 歌詞の言葉から思い浮かぶ情景に合っ た歌い方を話し合わせる。 ○ 曲の流れにも注目させ、曲の山を見つ けさせる。 ○ 口 ず さ み な が ら 、歌 い 方 を 考 え さ せ る 。 ◇ 歌で表現してみようと工夫しながら取 り 組 め る 。( 関 ・ 態 ) ・ 工夫した表現で「まきばの朝」を歌う。 ○ 発声に気を付けさせながら、工夫した 表現で歌わせる。 ◇ 情景に合う歌い方を工夫して表現する こ と が で き る 。( 表 現 ) ・ 3節目の歌い方を話し合う。 ○ 1 ,2 節 目 の 発 表 を 参 考 に 発 表 さ せ る 。 ・ 全曲を通して歌う。 ◇ 低い音を柔らかい声で歌うことができ 5 本時の学習を振り返る。 る 。( 技 能 ) 8 授業の概要 (1) 個 に 応 じ た 支 援 大きな声で歌えるが十分に響かせられない児童、響きのある歌声で歌えるが大きな 声が出ない児童、意欲をもって取り組むが自分の思うように表現できない児童等それ ぞれに長所短所をもっている。本時の中では、既習曲の中でソロパートを作り、互い に聴き合うことでそれぞれのよさに気づかせ、より美しい歌声を意識させた。また、 個に応じて、姿勢やブレスの仕方、音取りの仕方などその都度支援することで、自ら の声を意識し、より響きある歌声を目指そうとする意欲付けを図ることができた。 (2) 〈表現方法の工夫を話し合う〉 展開の工夫 本時の目標の一つである、情景に合わせた音楽のイメージをもたせるために、歌詞 の時間的流れに沿った画像を提示することで、情景描写の手がかりとさせた。この画 像と1節から3節への流れをイメージし、1節ごとの情景の明るさなどを考えさせ、 歌唱表現を工夫しようとする意欲付けになった。また、表現を工夫させるために具体 的な演奏方法を個別指導時に行うことで、発表への意欲付けができたと考える。 - 49 - Ⅲ 1 評価(Check) 学習者の評価 (1) 集 計 結 果 授業アンケート (音楽科4年生) 0% 10% 20% 30% 40% 50% (人数) 60% 70% 80% 90% 100% 授業の説明はよくわかる 14 0 先生の指示で歌い方を工夫した 14 0 工夫していて分かりやすい 13 1 0 声の速さや大きさはよい 13 1 0 授業は楽しい 13 1 0 めあてができるようになった 13 1 0 できないところは質問する 6 8 14 めあてにあわせた歌い方をする 0 0 話や演奏をしっかり聞く 13 1 0 準備物を整える 13 1 0 そう思う ややそう思う あまり思わない 思わない (2) 感 想 ・ 意 見 ○ 工夫して歌えた。 ○ 楽しく取り組めた。お客さんが来ていてもいつも通りできた。 ○ もっと歌いたかった。 ○ みんなが見ている中で、ちゃんと歌えた。 ○ 歌う工夫がよくできた。 ○ 歌い方を考えることで楽しく取り組めた。 ▲ も う 少 し グ ル ー プ 練 習 を す る と き は 、意 見 や 質 問 を し て ま と ま っ て 話 合 い を す る 。 歌い方を工夫することをがんばる。 (3) 考 察 ・ 一 つ の 目 標 に 向 け て ク ラ ス の 全 員 が 意 欲 的 に 取 り 組 め た 。ま た 、よ り き れ い な 声 、 響きある歌声を意識して歌声作りにも積極的に取り組む姿勢が見られた。教師主導 型で授業が進んでいたので、指導の場面以外では児童が主体的にめあてを決めて 取り組むような授業を構成していく。 - 50 - 2 参観者の評価 (1) 集 計 結 果 公開授業時の授業評価 0% 20% 40% 2 6 3 6 4 演 奏 技 能 を高 め る ため の 指 導 あ まり思 わ ない 0 0 5 学習環境の整備 や や そう思 う 0 3 2 100 % 0 1 0 5 意 欲 を引 き 出 すた めの 手 だて そう思 う 8 0% 6 学習形態や展開の工夫 表 現 を 引 き出 す ため の 効果 的 な発 問 や 説 明 60% 7 児 童 生 徒 の 学 習 状 況 の 把 握 、対 応 教 材 や 教 具 の 適 切な 使用 (人 数) 0 1 0 3 1 0 思 わ ない 〈課題別協議の様子〉 音楽専科は一人である。そこで、協議を深めるために、校内の研究チームだけでなく 東 温 市 内 の 他 校 の 音 楽 主 任 と と も に 協 議 を 行 っ た 。「 児 童 の 豊 か な 表 現 を 引 き 出 す た め の 発 問 」「 一 人 一 人 の 意 欲 を 引 き 出 す 手 だ て 」「「 演 奏 技 能 を 高 め る た め の 指 導 」 に つ い て、専門的な視点から意見を出し合い、協議が深まっただけでなく、それぞれの学校に おいて授業評価シートを使ってみる、授業を見直す視点を得たとの意見も聞かれた。 - 51 - (2) 感想・意見 (授業アンケートから) ○ 一 生 懸 命 な 子 ど も た ち の 美 し い 声 に 1時 間 包 ま れ て と て も 気 持 ち が よ か っ た 。 ○ 4年生の段階では、腹筋が弱く細い声になってしまうが、基礎がしっかりできていた ので、今後声量のある声で歌えるようになるだろうと楽しみである。 ○ 課題を出されたところで子どもたちが「やったー!」「おもしろそう!」の声に、普段か ら今日のような授業が行われているんだろうなと思った。 ○ 本時の課題が全員分かっている。すべきことが分かっている。というところからの 出発だからこそ活発な話合い活動ができるのだと思う。今日の課題が二つあって、こ のつながりが難しかった。言葉と声の出し方のつながりが難しいと思う。 ○ すばらしい実践を見せてもらった。子どもたちが伸び伸びと意欲的に学習に取り組 んでいるのは、日頃の指導の成果だろうと思う。 ○ 子どもたちが大変活発で、教師との関係もよく、よい授業であった。 ○ 児童の歌声がきれいで、今までの積み重ねを感じた。 ▲ 歌い方の工夫に理由付けなどがあるとさらに楽譜に目が向き、よりよい表現になる かなと思った。 (3) 考 察 ・ 課題に向けて意欲的な取り組みができた。一人一人が響きのある歌声で歌おうとす る態度が見られた。表現の工夫では、個々に意見を出すことができたが、意見の取り まとめ方や歌い方の技能的な工夫について具体的な言葉で表現することが難しい児童 もいた。 歌 声 づ く り で は 、一 人 一 人 の 実 態 に 即 し た 課 題 を も て る よ う に 指 導 す る こ と に よ り 、 より響きある歌声が身につくと思う。表現の工夫では、技能を身につけることによっ て具体的表現の方法を言葉で表すことができるものと考える。 Ⅳ 改善(Action) 【授業改善のポイント】 ○ 児 童 の ア ン ケ ー ト か ら 、「 で き な い と こ ろ は 質 問 す る 」 の 項 目 で 半 数 以 上 が 「 や やそう思う」の解答であった。その原因は、技能を指導することが先行して、一人 一人の技能の習得状況や課題における目標意識の確認など十分にできていなかった と考える。歌い方などの技能を身につけ表現するためにも練習内容や作業過程を理 解して行わなければならない。しかし、それらのことが十分に理解できていなかっ た児童にとっては、ただ声を出して歌っただけで技能の習得等のめあてを達成する ための学習につながらなかったと考える。今後、児童のつまずきや不安材料を発言 できる場づくりや場面設定に心がけていきたい。 ○ 本学級の児童は、少人数ということもあり、個々の児童の歌声や歌唱表現への取 り組み姿勢、技能や表現力を理解することができる。技能向上のための指導ではな く、児童理解を通して学習意欲を高めるための個別指導を充実させていきたい。 授業実践2「もみじ」 Ⅰ 計画(Plan) 【授業力向上のための個人目標】 学校の教育目標 (自分の課題) 思いやりの心を育み、自主・自立の力を培う ・ ・ 正しい音程で歌えるよう具体的支援 情景に合う歌い方を工夫させる展開の工夫 - 52 - 個人の授業力向 情景を思い浮かべさせながら、二部合唱ができる 上目標 よう、個に応じた具体的学習支援を図る。 目標達成のため ○ の手立て ○ 個々の児童の歌唱技能の実態把握をする。 実態を踏まえ、個に応じた具体的技術指導の方 策を検討する。 ○ 児童アンケートをとり、児童の授業への取り組 みの姿勢や技術の習得の様子などを評価し、今後 の授業改善に役立てる。 Ⅱ 実行(Do) 第4学年 1 2 3 音楽科学習指導案 日 時 平成20年10月30日(木) 13:55~14:40 音楽室 題材名 もみじ 本時の指導 (1) 目標 ○ 歌詞や旋律から思い浮かぶ情景に合う歌い方を工夫することができる。 ○ ふしの重なりや響き合いを感じて二部合唱をすることができる。 (2) 展開 学 習 活 動 ○指導上の留意点 ◇評価 1 既習曲を歌う。 ○ 楽しく授業に入れるよう雰囲気 「いろんな木の実」 づくりをする。 「エーデルワイス」 ○ 発声練習をかねて、姿勢や響き を確かめながら歌わせる。 2 「もみじ」を二部合唱で歌う。 ・ どんな歌い方をすれば、曲想に合うか ○ 前時に話し合った歌い方を確認 確認する。 して、各パートを歌わせる。 ・ 各パートごとに歌う。 ◇ 歌詞や旋律から思い浮かぶ情景 に合う歌い方を工夫しながら歌う こ と が で き る 。( 表 現 ) ○ 低い音の歌い方に気をつけて歌 わせる。 ○ 高音部の歌い始めの音を柔らか い歌声ではっきりと歌うよう意識 させる。 ○ 低音部は、3段目の歌い始めの 音程を正確に歌わせるよう意識さ せる。 ・ パート練習をする。 ○ ピアノ伴奏のテープに合わせて、 パート練習をさせる。 ○ 互いに正しく歌えているか、聴 き合いながら練習に取り組ませる。 ・ 自分のパートを確認しながら、各パー ○ 他のパートを聴きながら、自分 トごとに歌い合う。 のパートを口ずませて音程を確認 させる。 ・ 二部合唱で合わせる練習をする。 ○ 伴奏や他のパートの音を聴かせ ながら歌えるように意識させる。 ・ 二部合唱で全曲を歌う。 ◇ 情景に合う歌い方を工夫しなが ら二部合唱で歌うことができる。 (表現) ◇ ふしの重なりや響き合いを感じ て二部合唱をすることができる。 (技能) 3 本時の学習を振り返る。 - 53 - 4 ○ ○ 研究の視点 歌詞や旋律から思い浮かぶ情景に合う歌い方を工夫することができる。 ふしの重なりや響き合いを感じて二部合唱をすることができる。 5 授業の概要 (1) 正 し い 音 程 で 歌 え る よ う な 支 援 の 工 夫 ○ パートリーダーを中心に練習を行った。パートごとにピアノ伴奏CDに合わせて 練習し、それぞれの音を互いに聴き合い、正しい音を捉えさせるようにした。 ○ それぞれのパートで気をつけさせたいところを指示し、各パートの練習時に個別 指導等を行うことで、二部合唱をするときにそれぞれが自信をもって歌うことがで きた。 (2) 情 景 に 合 う 歌 い 方 を 工 夫 さ せ る 展 開 の 工 夫 ○ 前時までの学習で歌詞から思いうかぶ情景について、それぞれがイメージをもっ て歌えるよう支援した。 ○ 歌い始めの息継ぎや声の出し方、低い音の響かせ方、3度でハーモニーを作る場 面での音程の取り方など、情景を表現するのに必要な技能を意識させることで歌い 方の工夫ができたと考える。 Ⅲ 1 評価(Check ) 学習者の評価 (1) 集 計 結 果 ( 児 童 ) 授 業 ア ン ケ ー ト (音 楽 科 4年 生 ) 0% 10% 20% 3 0% 40% 60% 70% 80% 90% 100% 14 授 業 の 説 明 は よく わ か る 0 13 先 生 の 指 示 で 歌 い 方 を 工 夫 した 1 0 14 工 夫 し て い て 分 か り や すい 0 12 声 の 速 さ や 大 き さ は よい 2 0 14 授 業 は 楽 しい 0 8 め あ て が で き るよ う に な っ た で きな い とこ ろ は 質 問 す る 50% ( 人数 ) 6 4 8 1 12 め あ て にあわ せ た 歌 い方 をす る 0 1 2 0 話 や 演 奏 を し っ か り聞 く 14 0 準 備 物 を整 え る 14 0 そ う思 う や や そう思 う - 54 - あま り 思 わ な い 思わない (2) 集計結果(保護者) 保 護 者 か ら の アン ケ ー ト 0% 20% 40% (人 数 ) 60% 8 分 か りや す い授 業 80% 100% 4 0 て いね いに 教 え て くれ る 10 落 ち 着 いた 学習 環 境 10 分 か り や すく楽 し い授 業 10 2 0 黒 板 に 分 か りや す く書 く 10 2 0 声 の 大 きさ や 速 さは よ い 10 そ う思 う 2 1 1 0 1 0 1 0 や や そ う思 う (3) 感想・意見 (児童) ○ 「もみじ」の歌い方を工夫してがんばった。 ○ 説明や話が分かりやすくて、楽しく取り組めた。 ○ 響きのある歌声で歌うことができた。 ○ 3段目の歌い出しの音程を取るのが難しかった。 (保護者) ○ おもしろかった。 ○ パート練習と合唱の練習がバランスよくまとまっていた。 ○ 楽しく授業している様子がよかった。 ○ 家でも姉妹でよく歌ってる。芸術の秋らしい一日でした。 (3) ○ 考察 課題に向けた学習意欲は旺盛で、活発に活動できた。本時の目標である二部合唱 に向けて、それぞれが自分のパートを正しく歌えるようにしようと課題をもって取 り組むことができた。学習方法については、練習手順や注意点など日頃より行うこ と で 、 全 員 が 目 標 に 向 け て 取 り 組 む こ と が で き た と 考 え る 。 ま た 、「 で き な い と こ ろは質問する」が、前回より下がっているが、本時の授業に関しては、活動内容を 理解した上で臨んだ児童が多かったため、質問事項がなかったこことも理由の一つ - 55 - と考えられる。 しかし、よりよい歌声を求めて技能を取得させようとするあまり、多くの課題を 与えてしまうことがある。そのため一人一人が十分に考える余裕がなく、課題に取 り組むだけで精一杯という状況をつくってしまう危険性が起こることを十分に考慮 に入れて授業展開を作成する必要があると考える。 Ⅳ 改善(Action) 【授業改善のポイント】 ○ パートリーダーを中心にそれぞれがよくまとまって練習に取り組めた。個々の児 童 も 正 し い 音 程 で 歌 お う と 練 習 に 取 り 組 ん で い た 。 具 体 的 に 指 示 し た こ と は 、「 ① 正しい音程で歌えるようにすること。② 歌い出しの部分に集中すること。③ 響 き の あ る 歌 声 で 歌 う こ と 。」 な ど を で あ っ た 。 し か し 、 児 童 に と っ て は 、 正 し い 音程で歌うことだけがいちばんの目標になり、声の出し方や発音、音符の長さなど が置き去りになり、その結果正しい音程を身につけることができない児童もいた。 パート練習等のグルー学習では、課題を絞り、技能習得に集中させることが大切 である。また、夢中になり自分の声を検証できないまま練習していたので、音源を ピアノ伴奏だけではなく、それぞれのパートの旋律奏を重ねたものを用意すること で音程への意識が高まるものと考える。 ○ 二部合唱で情景に合う歌い方を工夫させようと展開をしたが、自分のパートを他 のパートにつられないように歌うことだけで精一杯なため、歌唱表現にまで至らな かった。一教材をどの段階まで高めるか、教師の教材への構えによるものと考える が、音の重なりを感じ取らせる目標は達成させたいと考える。 - 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