顧客管理システムの作成

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顧客管理システムの作成
新しくデータベースを作成するには、空のデータベースの中にオブジェクトを1つひとつ作成
していく方法の他に、データベースウィザードを使って作成する方法があります。
ここでは、データベースウィザードを使って「顧客管理システム」を作成し、そのデータを利
用しながらデータベースについて学習していきましょう。
2-1-1 データベースを作成する2つの方法
Accessで新しいデータベースを作成するには、2つの方法があります。
1つは、Accessを起動した後(Access2003ではAccessを起動後[作業の開始]作業ウィンドウ
で[新しいファイルの作成]を選択し)、[新しいファイル]作業ウィンドウで[空のデータベー
ス]を選択して空のデータベースを作成する方法です(「1-3-1」参照)。この空のデータベースの
中にデーブルやフォームなどのオブジェクトを1つひとつ作成していく必要があるため手間がか
かりますが、複雑なデータベース構築なども可能です。
もう1つは、データベースウィザードを使用する方法です。画面に表示される質問に答えてい
く方式で、テーブルやフォームなど、そのデータベースに必要と考えられる各オブジェクトなど
を作成し、Accessがあらかじめ用意してあるデータベースを利用して自動的にデータベースを構
築していきます。
ここでは、まずデータベースウィザードを利用して「顧客管理システム」を作成し、データベ
ースについて学習していきます。
2-1-2 顧客管理システムの概要
データベースウィザードを利用して、ここで作成する顧客管理システムは、Accessにすでに用
意されている「顧客管理」というデータベースファイル(テンプレート)をもとに作成されます。
まず、そのデータベースの概要について簡単に確認しておきましょう。
顧客管理システムで管理できる情報には、「顧客情報」と「顧客ごとの応対記録」があります。
顧客情報では、氏名や住所、電話番号など顧客の個人データを管理します。応対記録では、いつ、
どういう用件で応対したのかを、顧客ごとに管理します。
これらの情報を管理するため、顧客管理システムには、データを記録したり検索・抽出などの
データ操作を行う場所(テーブル)、顧客のデータや応対記録などを入力するための画面(フォー
ム)、必要な情報を印刷するための書式(レポート)などの要素が必要となります。
データベースウィザードを使うと、これらの要素から構成されるデータベースを簡単に作成で
きます。
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Chapter 2-1
2-1-3 顧客管理システムを作成する
それでは、データベースウィザードを使って、顧客管理システムを作成しましょう。
あらかじめAccessを起動し、
[新しいファイル]作業ウィンドウを表示させておきます。
(「1-3-1」
参照)。
1. [新しいファイル]作業ウィンドウで、[テ
ンプレートから新規作成]の[標準のテン
プレート]を選択します。
2003
[新しいファイル]作業ウィンドウの[テン
プレート]から[このコンピュータ上のテ
ンプレート]を選択します。
!
[新しいファイル]作業ウィンドウが表示
されない場合
起動時に、[新しいファイル]作業ウィン
ドウが表示されない場合は、[標準]ツール
バーの〈新規作成〉ボタンをクリックする
か、[ファイル]メニューから[新規作成]
をクリックすると表示されます。
[テンプレート]ダイアログボックスが表示
されます。
2. [データベース]タブを選択し、[顧客管理]
を選択してから、〈OK〉ボタンをクリック
します。
[テンプレート]ダイアログボックスには、
あらかじめデータベースファイルがいくつ
か用意されています。これらの中から、作
成したいデータベースに近いデータベース
ファイルを選択できます。
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クエリとは
実際にクエリを作成したり、実行する前に、まず、クエリとは何かを学習しましょう。
4-1-1 クエリの概要
クエリ(Query)とは、「尋ねる」「問い合わせる」という意味です。Accessでのクエリも、テ
ーブルのデータから条件に合うものを問い合わせるために利用するデータベースオブジェクトで
す。
たとえば、毎月同じ処理をしなければならない業務があったとします。毎月その処理をするた
びにテーブルのデータシートビューを表示し、条件式を設定し直して、抽出や並べ替え作業をす
るのは面倒なものです。しかし、クエリを作成しておくと、そのつど条件式を設定し直さなくて
も、クエリを実行するだけで同じ処理が繰り返し実行できます。
また、同じような計算を繰り返す場合、その計算結果もクエリで求めることができます。たと
えば、都道府県ごとの人口密度を求める場合、都道府県ごとに計算の設定をしなくても、クエリ
を実行すれば、まとめて結果を出すことができます。
膨大なデータを処理するデータベースにおいて、クエリは欠かせない機能です。クエリを使い
こなすと、データ管理が容易になり、データの活用法が広がります。
4-1-2 クエリの種類とクエリでできること
クエリには「選択クエリ」と「アクションクエリ」があります。
選択クエリは最もよく使用する、クエリの基本型です。このクエリを使うと、1つまたは複数
のテーブルからデータを取得し、結果をデータシートに表示できます。
アクションクエリには、「追加」「削除」「テーブル作成」「更新」の4種類があります。1つの
操作で、多くのレコードを変更できます。
選択クエリは結果をデータシートで表示するだけですが、アクションクエリはテーブルの内容
を書き換えたり、新しくテーブルを作成するなど、元のテーブルに直接影響を与えます。
クエリでできる主な処理には、次のようなものがあります。
●抽出処理
抽出処理は非常によく使われる機能で、テーブルから必要なデータだけを取り出す機能の
ことです。クエリを実行すると、条件に合ったデータだけを抽出した新しいテーブルを作成
することができます。
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Chapter 4-1
●更新処理
クエリを実行することによって取り出したデータを、何らかの処理によって変換し、その
値を元のテーブルに反映させることを更新処理といいます。
また、クエリによって取り出されたデータを既存のテーブルに追加したり、そのデータを
もとに新しいテーブルを作成することもできます。
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