05-04-405_p010-047.qxd 05.4.28 3:12 PM ページ12 2-1 学習予定日 月 日 学習日 月 日 顧客管理システムの作成 新しくデータベースを作成するには、空のデータベースの中にオブジェクトを1つひとつ作成 していく方法の他に、データベースウィザードを使って作成する方法があります。 ここでは、データベースウィザードを使って「顧客管理システム」を作成し、そのデータを利 用しながらデータベースについて学習していきましょう。 2-1-1 データベースを作成する2つの方法 Accessで新しいデータベースを作成するには、2つの方法があります。 1つは、Accessを起動した後(Access2003ではAccessを起動後[作業の開始]作業ウィンドウ で[新しいファイルの作成]を選択し)、[新しいファイル]作業ウィンドウで[空のデータベー ス]を選択して空のデータベースを作成する方法です(「1-3-1」参照)。この空のデータベースの 中にデーブルやフォームなどのオブジェクトを1つひとつ作成していく必要があるため手間がか かりますが、複雑なデータベース構築なども可能です。 もう1つは、データベースウィザードを使用する方法です。画面に表示される質問に答えてい く方式で、テーブルやフォームなど、そのデータベースに必要と考えられる各オブジェクトなど を作成し、Accessがあらかじめ用意してあるデータベースを利用して自動的にデータベースを構 築していきます。 ここでは、まずデータベースウィザードを利用して「顧客管理システム」を作成し、データベ ースについて学習していきます。 2-1-2 顧客管理システムの概要 データベースウィザードを利用して、ここで作成する顧客管理システムは、Accessにすでに用 意されている「顧客管理」というデータベースファイル(テンプレート)をもとに作成されます。 まず、そのデータベースの概要について簡単に確認しておきましょう。 顧客管理システムで管理できる情報には、「顧客情報」と「顧客ごとの応対記録」があります。 顧客情報では、氏名や住所、電話番号など顧客の個人データを管理します。応対記録では、いつ、 どういう用件で応対したのかを、顧客ごとに管理します。 これらの情報を管理するため、顧客管理システムには、データを記録したり検索・抽出などの データ操作を行う場所(テーブル)、顧客のデータや応対記録などを入力するための画面(フォー ム)、必要な情報を印刷するための書式(レポート)などの要素が必要となります。 データベースウィザードを使うと、これらの要素から構成されるデータベースを簡単に作成で きます。 12 C 2007 JMAM ○ 05-04-405_p010-047 05.5.18 9:47 AM ページ13 Chapter 2-1 2-1-3 顧客管理システムを作成する それでは、データベースウィザードを使って、顧客管理システムを作成しましょう。 あらかじめAccessを起動し、 [新しいファイル]作業ウィンドウを表示させておきます。 (「1-3-1」 参照)。 1. [新しいファイル]作業ウィンドウで、[テ ンプレートから新規作成]の[標準のテン プレート]を選択します。 2003 [新しいファイル]作業ウィンドウの[テン プレート]から[このコンピュータ上のテ ンプレート]を選択します。 ! [新しいファイル]作業ウィンドウが表示 されない場合 起動時に、[新しいファイル]作業ウィン ドウが表示されない場合は、[標準]ツール バーの〈新規作成〉ボタンをクリックする か、[ファイル]メニューから[新規作成] をクリックすると表示されます。 [テンプレート]ダイアログボックスが表示 されます。 2. [データベース]タブを選択し、[顧客管理] を選択してから、〈OK〉ボタンをクリック します。 [テンプレート]ダイアログボックスには、 あらかじめデータベースファイルがいくつ か用意されています。これらの中から、作 成したいデータベースに近いデータベース ファイルを選択できます。 13 C 2007 JMAM ○ 05-04-405_p086-124.qxd 05.4.28 4:48 PM ページ88 4-1 学習予定日 月 日 学習日 月 日 クエリとは 実際にクエリを作成したり、実行する前に、まず、クエリとは何かを学習しましょう。 4-1-1 クエリの概要 クエリ(Query)とは、「尋ねる」「問い合わせる」という意味です。Accessでのクエリも、テ ーブルのデータから条件に合うものを問い合わせるために利用するデータベースオブジェクトで す。 たとえば、毎月同じ処理をしなければならない業務があったとします。毎月その処理をするた びにテーブルのデータシートビューを表示し、条件式を設定し直して、抽出や並べ替え作業をす るのは面倒なものです。しかし、クエリを作成しておくと、そのつど条件式を設定し直さなくて も、クエリを実行するだけで同じ処理が繰り返し実行できます。 また、同じような計算を繰り返す場合、その計算結果もクエリで求めることができます。たと えば、都道府県ごとの人口密度を求める場合、都道府県ごとに計算の設定をしなくても、クエリ を実行すれば、まとめて結果を出すことができます。 膨大なデータを処理するデータベースにおいて、クエリは欠かせない機能です。クエリを使い こなすと、データ管理が容易になり、データの活用法が広がります。 4-1-2 クエリの種類とクエリでできること クエリには「選択クエリ」と「アクションクエリ」があります。 選択クエリは最もよく使用する、クエリの基本型です。このクエリを使うと、1つまたは複数 のテーブルからデータを取得し、結果をデータシートに表示できます。 アクションクエリには、「追加」「削除」「テーブル作成」「更新」の4種類があります。1つの 操作で、多くのレコードを変更できます。 選択クエリは結果をデータシートで表示するだけですが、アクションクエリはテーブルの内容 を書き換えたり、新しくテーブルを作成するなど、元のテーブルに直接影響を与えます。 クエリでできる主な処理には、次のようなものがあります。 ●抽出処理 抽出処理は非常によく使われる機能で、テーブルから必要なデータだけを取り出す機能の ことです。クエリを実行すると、条件に合ったデータだけを抽出した新しいテーブルを作成 することができます。 88 C 2007 JMAM ○ 05-04-405_p086-124.qxd 05.4.28 4:48 PM ページ89 Chapter 4-1 ●更新処理 クエリを実行することによって取り出したデータを、何らかの処理によって変換し、その 値を元のテーブルに反映させることを更新処理といいます。 また、クエリによって取り出されたデータを既存のテーブルに追加したり、そのデータを もとに新しいテーブルを作成することもできます。 89 C 2007 JMAM ○
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