光の泉 - 生長の家神の国寮

「ごあいさつ」
生 長 の 家 神 の 国 寮 だ よ り
the spri ng of light
号
刊
創
〒186-0003
東京 都 国 立 市 富 士 見 台 2- 3 9- 1
tel 042-572-8770
fax 042-573-9205
Email [email protected]
HP http://www1.ocn.ne.jp/~kamino92
大 半 が経 験
も 専 門 知識 も
無 い 若 い職 員
で 運 営 され て
い る 施 設の 現
状 の 資 質向 上
策 と し て、 〝
で き る だけ 行
政 施 策 を忠 実
備 作業 を経 て六 月三 十日 に入 所児 童 の引
越 を致 しま した 。一 年近 くの 仮住 ま いの
生 活に 疲れ が見 えて いた 子供 達と 職 員の
表 情が 新し い生 活が 始ま り溢 れる 明 るさ
に 満た され てい ます 。小 規模 化と 家 庭的
養 護が 完成 した 生長 の家 神の 国寮 の 新時
平成 二十 四年 六月 十五 日に 生長 の 家神
の 国寮 新寮 舎は 竣工 完成 し、 引渡 し と準
社 会的 養護 、家 庭的 養 護、 小規 模化 、治
療 的養 護、 専門 的ケ ア の充 実な どに つい
て、 すこしづつ確実に具体的理 解を深め、
現 場で どの よう に実 践 する かが 身に つい
て きて いま すの で、 当 施設 の施 設運 営の
指 針と して 適切 であ っ たと 強く 感じ てい
日 的課 題の 解決 策が 結 実し た内 容で ある
と 認識 して いま す。 当 施設 での 一つ ひと
つ 施策 の遂 行成 果は 、 評価 を頂 ける よう
な 内容 では ない かも 知 れま せん が、 これ
らの 課題に取り組んで努力した 職員達は、
ます。
児童 養護 の現 場の 現 実を 見る に付 け、
日 本の 家庭 が壊 れて し まっ てい るこ とを
何 とか しな けれ ば、 対 症療 法の みに 力を
に 実 現 する 努
力 を す る〟 こ
と を 当 面の 目
標 と し て指 導
し てま いり まし た。 行 政施 策は 、審 議会
等 で専 門家 の先 生方 が 英知 を結 集し て今
児童 養 護 施 設 生 長 の 家 神 の 国 寮
代の出発でも有ります。
今日 を迎 える こと がで きた のも 、 創立
者 谷口 雅春 先生 の御 陰で 有り 、法 人 設立
の 谷口 先生 の理 念を 継承 し護 って こ られ
た 諸先 輩の 御努 力の 賜で す。 更に 、 現在
合掌、ありがとうございます。
公益 財団法 人 生長 の家 社会 事業 団
尽 くし ても 、現 状の 根 本的 解決 策に なら
な いよ うに 感じ てい ま した 。ど うし たら
良 いか 悶々 とし てい る 時に 、東 日本 大震
災 が発 生し まし た。 不 幸な 大災 害に 遭遇
施設長 松下 昭
光の泉
の 生長 の家 神の 国寮 の運 営を 陰に 日 向に
支 えて 下さ って いる 多く に関 係者 の 皆々
様 の絶 大な 御支 援の 成果 であ りま す 。心
から感謝申し上げます。
1
平成 24 年10 月
光の泉
創 刊号
本 日 は、 生 長 の 家 神 の国
寮 の 新 寮舎 の 竣 工 、 お めで
と う ご ざい ま す 。 〝 新 しい
子 ど も たち の お 家 〟 が 完成
し 、 そ の竣 工 記 念 式 典 にお
招 き い ただ き ま し た こ とに
感 謝 申 し上 げ ま す と と もに、
心 よ り お祝 い を 申 し 上 げま
す。
私 の 政治 家 と し て の ライ
フ ワ ー クは 福 祉 の 分 野 でご
ざ い ま す。 市 議 、 県 議 を経
て 平 成 二年 に 衆 議 院 議 員初
当 選 以 来、 厚 生 労 働 委 員長、
厚 生 労 働副 大 臣 を 歴 任 し、
現 在 は 、参 議 院 の 厚 生 労働
委 員 会 の委 員 と し て 、 日本
の 社 会 福祉 の 増 進 の た めに
尽力 してまい りました 。
この度 、児童養護施設
「生 長 の家 神 の 国 寮 」 が長
年 の ご 努力 に よ っ て 、 自力
で こ の 素晴 ら し い 新 寮 舎を
建 設 さ れま し た ご 努 力 に対
し 、 心 より 敬 意 を 表 す る次
第 で あ りま す 。 生 長 の 家神
の 国 寮 にお か れ ま し て は、
国 が 推 進し て お り ま す 「家
庭 的 な 養護 養 育 」 を 目 指し
て、これまでも四つのグルー
プ ホ ー ムと 一 つ の 小 規 模グ
ル ー プ ケア を 実 現 し 、 子ど
も 達 に 安心 安 全 で 伸 び 伸び
と 生 長 でき る 〝 よ り 家 庭に
近 い 〟 養育 環 境 を 提 供 され
て き ま した 。 さ ら に 、 近年
増 加 の 一途 を 続 け る 被 虐待
児 童 や 発達 障 害 児 等 へ の行
き 届 い たケ ア を 実 現 す るた
め 、 東 京都 よ り 「専 門 機能
強 化 型 施設 」 の 認 定 を 受け
ら れ 、 重篤 な 課 題 を 抱 えて
入 所 し てく る 児 童 に 対 して、
よ り きめ 細 や か な 専 門的 な
養 護 を行 っ て お ら れ ます こ
と に 心よ り 敬 意 を 表 しま す。
そ うし た 様 々 な ご 努力 の
集 大 成と し て 、 こ の 度、 四
つのユニットの小規模グルー
プ ケ アか ら な る 新 寮 舎を 建
設され、「自活訓練の施設」
や 、 家庭 復 帰 に 向 け た 「親
子 で 宿泊 で き る 施 設 」を 併
設 さ れる な ど の 取 り 組み を
さ れ てお ら れ ま す こ とは ま
こ と に有 り 難 い こ と であ り、
心より 御礼申し 上げます 。
「生長 の 家 神 の 国 寮」 に
お い て、 谷 口 雅 春 先 生が 提
唱 さ れた 〝 子 ど も の 神性 ・
仏 性 を礼 拝 し て 、 内 在す る
無 限 の可 能 性 を 引 き 出す 〟
「生 命の 教 育 」 を 実 践さ れ
て い るこ と は 、 実 に 素晴 ら
し い 教育 実 践 で あ り 、次 代
の 日 本を 支 え る 人 材 を生 み
出 す とい う 意 味 に お いて も、
大 き な期 待 を し て お りま す。
「日 本的 養 護 ・ 養 育 」の 実
践 を めざ し て 、 豊 か な日 本
の 自 然や 、 歴 史 ・ 文 化・ 伝
統 を 受け 継 ぐ 「佳 き 日本 の
家 庭 」を モ デ ル に し た施 設
作 り にも 着 手 さ れ る との こ
と 。 どう ぞ 、 こ の 愛 する 日
本 の 柱と な る よ う な 立派 な
「日 本人 と し て の 自 覚」 を
も っ た子 ど も た ち を 養育 し
て い って い た だ き た いと 心
から願 うもので あります 。
最後になり ましたが、
「生長の家神の国寮」の益々
の 発 展を お 祈 り 申 し 上げ 、
私 の お祝 い の 言 葉 と させ て
頂きま す。
道のりを 見守り続けてい くこ
とを心よ り願っています 。」
と国民と しての心持ちを どう
すべきか お示し下さって いま
す。
いる人々 の雄々しさに深 く胸
を打たれ ています。」の 述べ
られ、 「国民一人びとり が、
被災した 各地域の上にこ れか
らも長く 心を寄せ、被災 者と
共にそれ ぞれの地域の復 興の
下 も 〝 お こ と ば 〟 の 中 で 「そ
して、何 にも増して、こ の大
災害を生 き抜き、被災者 とし
ての自ら を励ましつつ、 これ
からの日 々を生きようと して
したにも かかわらず、被 災者
の周囲の 人々を思い遣り つつ
自制した 立ち居振る舞い に世
界が感動 し賞賛した状況 を目
の当たり にしました。天 皇陛
て の人 ・事 ・物 に感 謝す る生 活」 「生命
の教育」「日時計主義の絶対的光明思想」
「人間 神の 子無 限力 」の 教え にも 通 じて
い ます ので 、益 々意 を強 くし まし た 。そ
こ で、 平成 二十 四年 度の 方針 に、 日 本的
児 童養 護の 実践 を掲 げさ せて いた だ きま
デ ンテ ィテ ィー 〟が 呼び 覚ま され た 瞬間
で もあ りま した 。こ こに こそ 、壊 れ てし
ま った 日本 の家 庭を 復興 する 原点 が 有る
よ うに 確信 しま した 。こ のこ とは 、 創立
者 の谷 口雅 春先 生が 提唱 され た、 「すべ
震災 はま た、 新自 由主 義に 毒さ れ た多
く の日 本人 、特 に都 会生 活者 に〝 目 に見
え ない もの に、 畏敬 の念 と感 謝の 思 いを
抱 き自 然と 共生 して 郷土 を守 りお 互 いに
助 け合 いな がら 生き てき た日 本人 の アイ
機 に日 本人 とな るこ とを 決意 し、 帰 化を
し て 「私も 日本 人の 一員 とし て、 日 本の
心 、日 本の 文化 を守 り育 てて いく こ とに
微 力を 尽く しま す。 」と 決意 を披 瀝 され
ました。
〟 と日 本を 讃え 、戦 災の 焼け 野原 を 見事
に 復興 した 日本 的な 勁 (つよ )さ が 、東
北 にも 奇跡 を起 こす と日 本人 を励 ま して
い ます 。そ して 欧米 人が 放射 能被 害 を恐
れ て大 挙し て国 外避 難す る中 で、 震 災を
し た。 暗中 模索 で日 々に 具体 的な 実 践が
継 続的 行わ れる 迄に は、 幾多 の困 難 を乗
り 越え て行 かな けれ ばな りま せん が 、覚
悟 して 取り 組ん でま いる 決意 です 。 皆様
の 一層 のご 理解 とご 支援 を切 にお 願 いす
更に、 日本文学研究の 世界
的権威で あるドナルド・ キー
ンさんの 発言と行動に衝 撃を
受けまし た。正月に発表 され
た 「日 本 人 よ 、 勇 気 を も ち ま
しょう」 との文章で川端 康成
のノーベ ル文学賞受賞に 関し
て多くの 日本人が、川端 文学
は日本的 過ぎて、西洋人 には
分からないけれど、 お情け
で日本文 学を評価してく れて
る次第です。
「
」
合掌再拝
いるので はないかと、日 本人
の 日本的なるもの に対する
自信のな さに〝違うので す。
日本的 だ からいいのです。
2
平成 24 年10 月
光の泉
創 刊号
参議院議員 衛藤晟一先生より
竣工記念お祝いの挨拶のお言葉
有難う御座いました。
「
「
」
」
創 刊号
平成 24 年10 月
光の泉
外観南東面
外観北東面
風除室
エントランスホール
エントランス廻り
エントランス廻り
感謝を込めて…生まれ変わった本園を、ご紹介します!
会議室
エントランスホール
事務室
リビング・ダイニング・キッチン
廊下
リビング・ダイニング
管理事務室
屋上緑化
3
ける。こうなるべきだったと思った』ありさちゃん
いに明るく生きたい』ともゆきくん
てきたという誇りでもあった。それでも新寮舎が出来て、
感動したのは全部が綺麗になったこと。ベランダができ
て布団も干せるし、何より網戸が付いているから虫や砂
も入ってこない。だから以前よりも汚れが減り、楽しく
掃除ができる。一緒に生活する子達の人数が減ったこと
も嬉しい。異性を気にせず過ごせるし、なにより落ち着
自分から洗濯、掃除をするようになった。太陽
の家のいいところは、明るくて元気があるとこ
ろ。みんなの行動がおもしろい。今自分が一番
頑張っている事は、整理整頓です。部屋の片づ
け、洗濯物干し、お手伝いを積極的にやってい
るけどなぜやっています。これからも太陽みた
『16年間過ごしてきた旧寮舎は、それはそれで長年使っ
『新寮舎になってよかったことは、静かに気楽
に過ごせる事がいいです。一人部屋になって、
みみみみつつつつばばばばちちちちのののの家家家家
増増増増子子子子雄雄雄雄治治治治
人はいつになったら自分は大人になったと感じるのだ
ろうか・・
。子供のころは自分が三十歳を過ぎたころな
ど想像することもできず、ただとてつもない存在になっ
ているんだろうと子供の目線で漠然と感じていた。そ
れがいざその年齢になってみてもなんてこともなく、た
だ目の前のことに日々悩み奮闘するという、自分が想
像していた格好のいい存在とはほど遠いものである。
人は急に大人になるわけではなく、日々目の前のこと
に取り組むなかでいつの間にか大人になっていくものだ
と改めて思う。
昨年度、三人の担当児童が巣立っていった。三者三
様でなかなか骨の折れる作業だったが、彼らと過ごし
た年月、特に小規模グループケアで過ごした最後の二
年間は私にとってもかけがえの思い出となった。退寮し
ていった彼らもまだ大人の途中である。
児童養護の現場で仕事をさせてもらって、児童養護
の子どもが一人で立てるようになるために必要だと感
じていることが二つある。一つは自分の半生に向き合っ
て、苦しみながらもそれを整理すること。もう一つは
子ども時代のかげないのない楽しい思い出を持つこと
である。家庭で育つことが出来なかった寂しさやもどか
しさに私たち職員は寄り添うことはできるが、それを
解決することは出来ない。割り切ったり、前を向くこ
とは最後はこどもの意志の強さを信じるしかない。も
ちろんただ楽しいだけの生活を提供するわけではない
が日々の暮らしや行事やスポーツ大会を通してこども
達と多くのことを共有して、かけがえのない思い出を
作る。それが強く生きるエネルギーになると信じてい
る。その為に、私たち職員も常にエネルギッシュに子ど
も達に負けない元気で、生活の支援をしていく決意が
必要である。新しい寮舎での思い出を作るために。
4
平成 24 年10 月
光の泉
創 刊号
「
ここYくんの新しいおうちだよね! 出来るのまだ
かなー」
工事中の新寮舎の前を通るたび、Yくんは必ず工事
中の寮舎の前で立ち止まり見上げ、満面の笑みでこの
発言を繰り返す。子どもたちは新しいものが作られる
ことに対し、喜び・期待・まだ見えぬ未来へ
の少しの不
安を抱きながら、完成までの日々を見守り過ごして
望望望望月月月月春春春春那那那那
枇杷の家ホーム長の望月春那です。この度は
日頃からお世話になっている皆様の温かいご支援
でこのよう な素晴らしい寮舎を建てることができ、
感謝申し上げます。
きた。多くの方たちに協力・
応援をしてもらい完成す
ることが出来た新寮舎。しかし完成までの道のりは、
施設で生活をする子供・
職員にとっても平坦な道のり
ではなかった。
二か月の間、お風呂が使えず徒歩五分の福祉会館に
お風呂を借りることになった時、子供からしてみれば、
枇枇枇枇杷杷杷杷のののの家家家家
寄付、応援、ご協力を賜り、素晴らしい新寮
舎が完成し、子ども達にとって良い環境で生活
させてもらえることに深く感謝します。ありが
とうございます。
太陽の家では現在男子高齢児七名(中学一
枇杷の家では、中高生女児を中心とする児童
が入所しています。施設に入所してくる中高生
女児の多くが、幼い頃から洗濯・
掃除・
料理など
の家事をこなし、場合によっては労働までも強い
られてきました。自分のために環境を整えてくれ
る大人が周りにおらず、勉学に励めないどころか、
太陽の家のホーム長をやらせて頂いている川
島雅次と申します。沢山の方々のあたたかい
年生~高校三年生)が生活していますが、新
しい環境に喜びつつ、退寮後の自立のために日々
日課をこなし、学校生活、部活動、アルバイト
など一人一人が個性を生かして頑張っていま
す。ホームのコンセプト「
どんな困難があろう
と、明るく、力強く、正直に生き、周囲を明
間に及ぶ生活でも、子どもたちは全力で今を受け入れ
楽しもうとする。大変だという事ばかりに意識が向い
ていたのは大人だけで、子どもの前向きに生きようと
する力強さを目の当りにし気持ちを入れ替えると、
振り返れば楽しい思い出ばかりのあっという間の一年
間となった。
いつもよりも早い入浴時間・
敷地外に移動をしなけれ
ばいけない事等は大きな不満を持つ要因となる。しか
し子供たちは、普段よりも大きなお風呂、福祉会館
を利用する高齢者との交流を喜び、前向きに変化を
受け入れ楽しんで二か月を乗り切る。仮寮舎での二年
ることで次第に子どもらしいあどけない笑顔や、
本来の等身大の姿を私 達大人に見せてくれま
す。彼女達はそのときに初めて、本当の意味で大
人に甘えることができるのでしょう。
神の国寮を巣立ち、彼女達にいつか家族ができ
たときのことを私はよく考えます。お腹を痛め
小さい体からは想像できないほどの複雑な思いを抱
え今を生きている子供たち。彼らの生きる力強さに圧
倒されてばかりだが、彼らに寄り添い支え背負わざる
を得なかった思いを受け止められる環境を生み出すこ
とで彼らの安らぎの場となれればと思う。新しいスター
生きていくために必死だったことと思います。女
性が故にそれらが身につき、精神的にも早く大
人になり すぎた彼女達。初めのうちは大人を上
から見たり、何事にも否定的で冷めた目線すら
感じますが、そんな彼女達も適切な環境を揃え
達障がいを持っている子などが混在している中
で、お互いに思いやりを持ち、小さい喧嘩もあ
りながら明るく生活しています。ケアワーカー
としてはまず子ども一人一人との信頼関係、
愛着関係を土台にして、個々の抱える心理的
な問題、課題の解決に取り組んでいます。施
て産んだ我が子を、彼女達はどう育てるのでしょ
うか。彼女達は愛されるべき存在である親に愛
されず、愛し方も愛され方も知りません。我が
子に「自分と同じ思いはさせたくない」
と思っても、
愛し方を知らなければ適切な養育はできないで
るく照らす太陽となれ」
を掲げて、大きなルー
ルとして「
明るく生きる」
「自分に正直に嘘をつ
かない」「
他者をいたわる気持ち」
「失敗を恐れ
ずにあきらめない」
を子ども達に伝えています。
家庭の様々な事情で心に傷を抱えた子、発
設全体として子たちに「
褒める取り組み」を取
り入れ、ほんの些細なことでも一日毎の子ども
たちのよい部分を報告しあい、子どもに伝える
事を励行し、自己肯定感を育み、生きる自身
につなげています。この素晴らしい環境の中で、
三三三三宅宅宅宅早早早早織織織織
トを切った新寮舎での生活が彼らの安らぎの場となれ
るよう、彼らと共に新たな一歩を踏み出し歩んでいき
たい。
ひひひひだだだだままままりりりり
子どもたちにとってより良いホームになるよう
に日々努力して参りますのでよろしくお願いい
たします。
川川川川島島島島雅雅雅雅次次次次
しょう。その連鎖が、日頃テレビのニュースや新聞
で目にする児童虐待に繋がっていることと思いま
す。目の前にいる彼女達だけでなく、これから彼
女達が生み出す命を見据えた養護・養育を目標
に、日々努める所存です。
太太太太陽陽陽陽のののの家家家家
5
平成 24 年10 月
光の泉
創 刊号
生長の家神の国寮では、職員一
人一人が『児童憲章』の前文に示
された「児童は人として尊ばれる」
「児童は社会の一員として重んぜ
られる」「児童はよい環境の中で
2222....創創創創 設設設設者者者者・・・・谷谷谷谷口口口口雅雅雅雅春春春春先先先先
生生生生のののの示示示示 さささされれれれたたたた〝〝〝〝和和和和顔顔顔顔・・・・愛愛愛愛
語語語語・・・・讃讃讃讃 嘆嘆嘆嘆のののの教教教教育育育育〟〟〟〟
童には「自分は誰からも愛されていない、
認められていない」という自己肯定感の
薄い子どもが多い。ほとんどが孤独の中
で不安と恐怖で一杯となり、心の中にバ
リアを作って、閉じこもっています。こ
うした「個の孤立」状態にある子どもた
童一人一人の讃嘆すべき言動を見つけて
は、その場で効果的に褒めるとともに、
日報に「褒めポイント」として書き出し
て昼会等で発表し合い、職員間で共有し
ています。様々な事情で入所してくる児
委員会」
に「
を立ち上げ、「褒める教育」の実践に取
り組んでいます。具体的には、職員が児
くもなり、幸福にもなれば不幸にもなるの
であります。皆さんは毎朝歯ブラシで歯を
磨かれるでありましょう。では歯よりも大
切な心があることを自覚せられねばなりま
せん。毎朝歯を磨くのにこの大切な心を磨
ることができる!そのような生長の家神
の国寮を創出していきたいと願っていま
す。創設者・谷口雅春先生は、新編『生
命の實相』第一巻で次のように説かれて
います。
「言葉によってわれらは清くもなれば醜
笑顔 (和顔)が満ち溢れ、明るいイキイ
キとした生きる力を引き出す愛の言葉
(愛語)が響き渡り、職員・児童がお互
いの美点・長所よき言動を褒め合い讃え
あう姿 (讃嘆)を常にいたるところに見
生長の家神の国寮では、「和顔・愛語・
讃嘆の教育」を基本理念として養護養育
を行っています。 施設内には、明るい
P
U
L
L
I
K
S
N
O
I
T
A
C
I
N
U
M
M
O
C
育てられる」という言葉の重たさ
を銘記して、自己の専門職として
の誇りをもって養護養育にあたっ
ています。それは、日常の生活を
ともにする「養育」と「援助」の
中で、何気ない日々の二十四時間
ちに、周囲との関係性を回復させるため
には、日常の生活場面で子どもたちの本
来の良さを信じて、認めて、褒めること
が何より大切です。「認められている」
「褒められている」「愛されている」と
かないのは不合理であります。では、心は
なにをもって磨くべきでありましょうか。
それは言葉によってであります。皆さんも
し朝起きるとひと声「ばかやろう」と家族
を叱咤したならば、その日いちにち不愉快
なことを自覚せねばならないでありましょ
1111....ははははじじじじ めめめめにににに
の生活そのもの(衣食住)を、子どもた
ちに安堵感を与えるような質のよいもの
にしていく不断の努力に他なりません。
〝安心すれば、安定する〟 〝安定すれ
ば、前を向ける〟被虐等、さまざまな事
いう実感が、子どもたちの心に安心感を
与え、「自己肯定感」を高め、「自己信
頼の力」を醸成するからです。人は自分
を信じることによってはじめて他を信じ
ることができる。「個の孤立」から子ど
もたちを救い出し、周囲の人々との良好
は、毎年十一月二十
二日を期して「創設
者感謝のつどい」を
開催しています。こ
の日は、創設者であ
る谷口雅春先生のお
誕生日であり、職員・
児童そろって創設者
の墓地のある「多磨
霊園」にお詣りし、
谷口雅春先生・輝子
Series report
児童養護施設「生
長の家神の国寮」で
先生ご夫妻への感謝の祈りを捧げ、創立
の精神を学んでいます。こうした取り組
みは、日々の子どもたちへのよりよきケ
アワークにとって、さらには生長の家神
の国寮の基本方針を確認し、より一層深
情によって施設入所を余儀なくされた子
どもたちにとって、「生活」を通しての
かかわりの全てが、子どもの心身の成長、
こころの癒しと生長に直結します。子ど
もの人格形成に不可欠の「安心感」と
「信頼感」を持てずに育った子どもたち
子どもの内部生命に宿る「能力の宝」
を掘り出し、引き出すのは「コトバの力」
です。良きコトバは良きものを引き出し、
悪しきコトバは悪しきものを引き出す。
②②②②ココココ トトトトババババのののの力力力力でででで能能能能力力力力のののの宝宝宝宝 をををを
引引引引 きききき出出出出そそそそうううう!!!!
めていく意味において極めて有益です。
谷口雅春先生は、現代のバイブルと称
される『生命の實相』の著者であり、稀
代の宗教家、光明思想家として近代日本
の思想界に多くの影響を与えています。
先生の説か
①①①①「「「「褒褒褒褒めめめめるるるる教教教教育育育育」」」」のののの 実実実実践践践践
生長の家神の国寮では平成二十三年度
葉で心を浄め磨かなければならないのであ
ります。それは実際われわれにとって食事
をとるよりもなお絶対に必要なことであり
ます。それは心の食事であります。心に善
き言葉を食して心を幸福にすれば、肉体は
健康化し、運命は良化するのであります。」
う。それは言葉が悪いからであります。わ
れわれが、自己の人生を幸福にし、家庭を
明るくし、環境を良化し、運命を改善しよ
うと思うならば、毎日すくなくとも二、三
回はそのために作られたる善き、明るき言
text:akiyoshi kunihiro
な関係性をつくる道は、ひとえに職員の
愛情溢れる、認めて褒める「讃嘆の言葉」
を光のシャワーのように燦々と降り注ぐ
日々の実践にかかっています。
文=国弘昭義 副施設長
に、いかに安心の生活と信頼できる人間
関係を回復できるかということが、処遇
現場の最も切実な課題です。こうした視
点から、生長の家神の国寮では、創設者
谷口雅春先生が提唱された「生命の教育」
日本的養護・養育の実践
れる「光明思想」「幸福哲学」は人々に
救いと福音をもたらし、その教育論は
「生命の教育」として学校教育はもとよ
り家庭教育、社会教育において児童の健
全育成に多大な成果をあげています。本
生⻑の家神の国寮における
を援用して、子どもの内部に宿る 〝天授
の才能〟を信じて、認めて、引き出す教
育を養護・養育の場で実践しています。
●【連載記事】①
欄では、創設者谷口雅春先生が提唱され
た「生命の教育」(子どもの神性・仏性
を礼拝し、内在する無限の可能性を引き
出す教育)を児童の養護・養育に援用し
実践しているいくつかの特色ある試みを
紹介していきます。
6
平成 24 年10 月
光の泉
創 刊号
創 刊号
光の泉
平成 24 年10 月
『生命の実相』とわたし
荒地光泰
あらちみつやす・処遇部主任
『生命の実相』とは当施設の設⽴者であり私の曾祖父でも
ある谷口雅春先生が著した宗教的哲学書である。特に福祉の
仕事に従事するものは、自身の人間観を形作っていく作業を、
利用者からある日突然要求される。体験的知識だけでは浅薄
なものにならざるを得ないから、多かれ少なかれ本を読むこ
とになる。曾祖父の著作物がいつでも手の届くところにあっ
た私にとって、その作業は比較的容易いものであったかも知
れない。
私が(公益)財団法人生⻑の家社会事業団に奉職し、児童
養護施設生⻑の家神の国寮の職員として働き始めたのは、平
成一五年の二月である。大学の文学部を卒業したあと⾦融機
関に勤めた私にとって、児童福祉の現場は何もかもが刺激的
であった。児童養護施設には養育能⼒を失った家庭の子供達
が⾏政機関から措置されてくる。入所理由は様々であるが、
⼥性のホームレスが五百円で体を売って孕んだ子供や、⺟親
の自殺を目の当たりにした子供もいた。平々凡々な家庭に生
まれ育った私は大きな衝撃を受けた。子供たちのために何か
しらお役に⽴ちたいと切に願い、他の職員とともに懸命に働
いた。
そのうち、私の⻑男が幼稚園に通う年となった。幼稚園ま
でお迎えに⾏くと、同じようにお迎えにきている父⺟が大勢
いる。園児達が「お⺟さ〜ん!」大きな声で呼ぶと、たちま
ち園庭には笑顔と笑い声が満ち溢れる。その一方で、どんな
に泣いても叫んでも、親がやってくることがない子供達がい
る。目の前の光景を⾒て「ここは天国だ」と素直に思った。
ある日、自宅のお仏壇の前に座って曾祖父が著した『続真理
の吟唱』を読誦していたときである。「地上に天国浄土を成
就するための祈り」の中に次のような言葉があった。
『(前略)釈尊が⻑者宝積に答えて「衆生の類、是れ仏土
なり」と仰せられたのは、衆生がそこに住んでいるので其処
が仏土即ち浄土となる。すなわち、それらの人々を幸福にし
てあげたいという心が起こる。そういう心が起こったところ
が浄土なのである。諸々の衆生は浄土建⽴のための必須の素
材であると共に、諸々の衆生はやがて生⻑して“浄土”となる
“浄土”の赤ちゃんみたいなものである。かれらの仏心を育て
て、かれらの心を浄土にしてあげようと念願して、愛を⾏じ、
直心を捧げる心をその人が起こしたとき、その人の心に既に
浄土が建⽴されたのである。(後略)』
涙腺が一気に緩んだ。施設で暮らす子供達は、苛烈とも⾒
える環境に自ら生まれ育ち、その魂を急速に高め上げる高級
霊であり、残業や休日出勤も厭わずに献身的に働く施設の職
員の姿はまさに菩薩そのものであった。既に極楽浄土は建⽴
されていると気がついたとき、滂沱として涙が流れた。こん
な経験は生まれて初めてであった。
私は誠にも素晴らしい職場で働かせて頂いている。『生命
の実相』を繰り返し読み込み、子供たちとともに日々を懸命
に生きて参りたい。
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創 刊号
光の泉
平成 24 年10 月
児童の自立支援のための募金のお願い
~児童の自立支援のための〝サポート・ペアレント〟になってください!~
大学や専門学校に進学する子どもの生活をサポートするために、毎月一定額を
支援して下さる方が「サポート・ペアレント」です。一口3,000円(月額)から
「サポート・ペアレント」に登録して頂けます。毎年、支援を受ける子どもからサポート・ペアレントの皆様に
お礼の近況報告をさせていただきます。
募金の申し込み方法
募金の申し込み方法
・ 添付の振込用紙に必要事項をご記入の上、郵便局いてお払い込みください
・ 事務局にて、ご入金を確認した後、受納証、季刊『神の国便り』をご送付させて頂きます
・ 直接、当施設にご持参いただいても結構です
(1)郵便局を利用される方・・・口
口座番号 00190-7-599648 児童養護施設生長の家神の国寮
(2)銀行を利用される方・・・・・・・・・・・・・ゆ
ゆうちょ銀行 店番019 当座 0599648
【平成24年4月から9月迄に寄付金・寄贈を下さった方々】(順不同・敬称略)
<寄付 金> 城下早苗/有山きよ江/水谷正/伊藤恵美子/岡本初枝/岡本利郎/河西信幸/吉村進/吉田憲史/
宮原妙子/橋田怜子/高松泰子/高村はるみ/佐々木寛之/佐藤美津子/森靖子/代田志津子/大原和子/谷口
英徳/中村孝子/百地章/福田佑子/保坂光栄/門馬テル子/野々村悦子/濱田静子/川瀬善業/生命研究会
<竣工記念式典 お祝い金> 石塚陽一/茂森政/原幹生/佐々木晶堂/高橋利一/大沼信一/中村孝子/高橋理子
/三上良/中島省治/前原幸博/齋藤博子/吉森信一/吉森明美/田本美佐子/片岡直子/山本まりこ/鹿毛弘
通/石綿徳太郎/宮本和武/中島隆/遠田滋/山本桂司/山田貴美/松田雄年/吉田百合子/小倉要/菊地悦子
/曽田等/桑原彭元/石田芳朗/山崎泰子/内藤勇希/千葉和江/鈴木佐智子/小田川広明/冨田順三/相澤靖
/柴山英士/齋藤学/春日明子/黒田邦夫(代理人)/丸山徹/佐々木泰子/坂井靖枝/飯田政人/今里勉/新
井ゆみ/井嶋郷子/社会福祉法人青少年福祉センター/株式会社広島屋/福田会東京本院
<寄贈 > 斉藤美千代/山本まりこ/山田早苗/田中幸野/緒方冨美子/北島仁美/岡崎秋一/宮本利夫/吉野和
之/赤松久美子/岡田真紀子/Living Dreams 岡留優子/一般社団法人 全国ビスケット協会/本田技研工業株式
会社/健栄製菓株式会社/社団法人東京文具工業連盟 会長 長谷川澄雄/株式会社LDH EXILE ATSUSHI/株式会社
チュチュアンナ 1%クラブ/TOKYO FM/コストコホールセールジャパン株式会社/バークレイズ証券株式会社/
リビングデイサービス 施設長 小坂直樹/セカンドハーベストジャパン/立正佼成会 青梅錬成道場/アドビシス
テムズ株式会社/誉田養徳園 施設長 椿忠彦/公益財団法人SBI子ども希望財団
<竣工記念式典 寄贈> 岩井寿一/中島敏雄/永久理恵/広瀬朋美/芹澤利奈/SBI文庫
<サポートペアレント> 宮原妙子/岡本初枝/佐々木邦枝/大原和子/北浦徳章
編集
後記
新寮舎完成を機に、復活を遂げました『生長の家神の国寮たより』愛称も『ひ
まわり』から『光の泉』にリニューアル致しました。子ども達は勿論ですが職
員も無限の可能性を秘めた存在です。そんな子ども達と職員が繰り広げる日常
風景は光にあふれた素晴らしいエピソードに溢れています。そんな神の国寮の
雰囲気を少しでも感じていただける便りになればうれしく思います。(村木)
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